JP3544512B2 - 抵抗発熱体用ペーストおよび半導体製造・検査装置用ホットプレート - Google Patents

抵抗発熱体用ペーストおよび半導体製造・検査装置用ホットプレート Download PDF

Info

Publication number
JP3544512B2
JP3544512B2 JP2000204212A JP2000204212A JP3544512B2 JP 3544512 B2 JP3544512 B2 JP 3544512B2 JP 2000204212 A JP2000204212 A JP 2000204212A JP 2000204212 A JP2000204212 A JP 2000204212A JP 3544512 B2 JP3544512 B2 JP 3544512B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
resistance heating
paste
ceramic substrate
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000204212A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002025750A (ja
Inventor
延伶 周
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2000204212A priority Critical patent/JP3544512B2/ja
Publication of JP2002025750A publication Critical patent/JP2002025750A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3544512B2 publication Critical patent/JP3544512B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、半導体の製造や検査に用いるホットプレート(セラミックヒータ)を製造する際に使用される抵抗発熱体用ペースト、および、該抵抗発熱体用ペーストが使用され、基板の表面または内部に抵抗発熱体が形成されたホットプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
エッチング装置や、化学的気相成長装置等を含む半導体製造・検査装置等においては、従来、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いたヒータやウエハプローバ等が用いられてきた。
【0003】
ところが、このような金属製のヒータは、以下のような問題があった。
まず、金属製であるため、ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければならない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨張により、反り、歪み等が発生してしまい、金属板上に載置したシリコンウエハが破損したり傾いたりしてしまうからである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くすると、ヒータの重量が重くなり、また、嵩張ってしまうという問題があった。
【0004】
また、抵抗発熱体に印加する電圧や電流量を変えることにより、シリコンウエハ等の被加熱物を加熱する面(以下、加熱面という)の温度を制御するのであるが、金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという問題もあった。
【0005】
そこで、特開平11−40330号公報には、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい窒化物セラミックや炭化物セラミックを使用し、これらのセラミックからなる板状体(セラミック基板)の表面に、金属粒子を焼結して形成した抵抗発熱体が設けられたホットプレートが提案されている。
【0006】
このようなホットプレートでは、高温においても機械的な強度の大きいセラミック基板を用いているため、セラミック基板の厚さを薄くして熱容量を小さくすることができ、その結果、電圧や電流量の変化に対してセラミック基板の温度を迅速に追従させることができる。通常、このような構成からなるホットプレートを製造する際には抵抗発熱体用ペーストが用いられる。
【0007】
このような抵抗発熱体用ペーストとして、例えば、特開平4−300249号公報には、貴金属粒子およびガラスフリットを含み、基板である窒化アルミニウム焼結体との接着強度が大きい抵抗発熱体用ペーストが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されている抵抗発熱体用ペーストを実際にホットプレートに使用し、抵抗発熱体を形成してみると、その抵抗発熱体の面積抵抗率は、数十mΩ/□程度とかなり小さなものとなってしまう。
【0009】
そのため、このような抵抗発熱体で充分な発熱量を得るためには、面積抵抗率を小さくするために、パターンの幅を小さくする必要があった。しかし、パターンの幅を小さくすると、パターン欠損が生じやすくなった。また、場所により抵抗発熱体の抵抗率が変化し、加熱面の温度が不均一になりやすかった。
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、通常用いられる抵抗発熱体用ペースト中には大きな粒子径の貴金属粒子が多数含有されており、このような大きな粒子の存在に起因し、このペーストの焼成を行うと、抵抗発熱体中に占める大きな貴金属粒子の割合が大きくなり、上記抵抗発熱体の抵抗率が場所によりばらつくことを突き止めた。
【0011】
そして、この大きな粒子、特に粒子径がモード平均径(粒子径分布データにおいて、頻度の最も高い粒子径)の10倍以上の粒子を取り除くことにより、焼成により形成された抵抗発熱体の体積抵抗率が場所によりばらつくのを防止することができることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、第一の本発明は、最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属粒子、ガラスフリットおよび有機ビヒクルからなることを特徴とする抵抗発熱体用ペーストである。
【0013】
第一の本発明の抵抗発熱体用ペーストによれば、粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属粒子を用いているので、該抵抗発熱体用ペーストをセラミック基板上に塗布してペースト層を形成した後焼成すると、余り粒径の変わらない粒子が多数結合した多孔質構造または多孔質体の細孔部分にガラフフリットが充填された構造の抵抗発熱体が形成され、その結果、その抵抗発熱体の面積抵抗率のばらつきが小さくなる。
【0014】
これは、モード平均径に対して極端に大きな粒子が存在する場合、その粒子の周囲は、面積抵抗率が低下してしまい、抵抗発熱体の抵抗値にばらつきが生じてしまうのに対して、本発明の抵抗発熱体用ペーストは、モード平均径に対して10倍以上大きな粒子が存在しないため、抵抗値にばらつきが発生しないからである。
【0015】
また、本発明の抵抗発熱体用ペーストでは、抵抗値の場所による変動も小さなものとなり、上記抵抗発熱体の全ての場所での発熱量を略均一に保つことができ、シリコンウエハ等の被加熱物を均一に加熱することができる。
なお、上記抵抗発熱体用ペーストに2種類以上の異なる粒径の貴金属粒子が含まれている場合、最も大きなモード平均径を本発明でいうモード平均径とする。
【0016】
上記抵抗発熱体用ペーストにおいては、上記貴金属粒子は、球状粒子または針状粒子からなることが望ましい。
上記球状粒子や針状粒子は、焼結時に結合した場合においても、鱗片状粒子と比べて、接触面積が小さいので、形成した抵抗発熱体の面積抵抗率を大きくすることができる。ただし、目的とする面積抵抗率によっては、上記球状物と上記鱗片状物との混合物を用いてもよい。
【0017】
また、第二の本発明は、最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属およびガラスフリットからなる抵抗発熱体が、セラミック基板の内部または表面に形成されたことを特徴とするホットプレートである。
【0018】
第二の本発明のホットプレートによれば、最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属等からなる多孔質またはそれに類した構造の抵抗発熱体が形成されているため、面積抵抗率が低下する部分が存在せず、抵抗値にばらつきが発生しない。このため、加熱面の温度均一性を確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
初めに、第一の本発明の抵抗発熱体用ペーストについて説明する。
第一の本発明の抵抗発熱体用ペーストは、最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属粒子、ガラスフリットおよび有機ビヒクルからなることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の抵抗発熱体用ペーストを構成する貴金属粒子としては、例えば、金、銀、白金、パラジウム等の粒子が挙げられる。これらの貴金属粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、単体の粉末の混合物を使用してもよく、予め合金化した粉末を使用してもよい。また、焼結の促進等のために、他の金属元素を添加してもよい。
【0021】
これらの貴金属の配合割合は特に限定されず、目的とする抵抗発熱体の面積抵抗率や抵抗温度特性を勘案して決定すればよい。
抵抗発熱体を構成する金属として、このような貴金属を用いるのは、これらの貴金属は、高温下での耐酸化性が高く、抵抗発熱体としたときの経時的な劣化(面積抵抗率の変化等)が少ないからである。
【0022】
この貴金属粒子は、最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属粒子から構成されている。
この場合、特に粒径の大きい粗大粒子が含まれていないので、面積抵抗率の低下する部分が存在せず、抵抗値にばらつきが発生しないのである。このため、セラミック基板上に抵抗発熱体を形成した場合に、加熱面の温度均一性を確保することができる。
【0023】
また、上記貴金属粒子は焼成によっても大きく粒成長しないため、抵抗発熱体を印刷するペースト中に大きな粒径の貴金属粒子が存在すると、焼成後も抵抗発熱体の抵抗値に反映してしまい、抵抗値が低下してしまうことが本発明者等の知見で明らかになった。
【0024】
本発明は、このような知見に基づいてモード平均径に対して10倍以上の大きな粒子を除去しておくことで局所的な抵抗値の低下を防止し、抵抗発熱体の抵抗値を均一化したのである。その結果、本発明の抵抗発熱体用ペーストを用いて、セラミック基板上に抵抗発熱体を形成した場合、加熱面の温度を均一にすることができたのである。
【0025】
平均粒径とモード平均径とは、必ずしも一致しないので、望ましい貴金属粒子の粒子径として、どちらをとるかが問題となるが、通常行われているように、望ましい粒子径としては、平均粒径と採用することとする。
【0026】
貴金属粒子の平均粒径としては、0.1〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、30μmを超えると、大部分の粒子の粒径が大きいために焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなりすぎるからである。
【0027】
従って、例えば、モード平均径が5μmの貴金属粒子を用いた場合には、50μm以上の粒子をカットする処理を行う。この場合、50μm以上の粒子を通過させないような網目を有する篩を用い、この篩をパスした粒子を使用すればよい。このような篩を用いる方法のほか、液体中に貴金属粒子を投入して、重力により沈降させ、沈降速度等により粒子を篩い分ける方法や遠心沈降を利用して篩い分ける方法等も採用することができる。
【0028】
上記貴金属粒子の形状は、球状または針状が好ましい。球状または針状であると、粒子同士の接触面積が余り大きくならないので、面積抵抗率を大きく保つことができるが、リン片状であると粒子同士の接触面積が大きくなり面積抵抗率が低くなってしまうからである。
【0029】
ガラスフリットとしては特に限定されないが、結晶化温度が700℃以上のものが好ましい。このようなガラスフリットの材料としては、例えば、ZnO−B −SiO 系ガラス、Al −CaO−SiO 系ガラス、SiO :25〜30重量%、Al :7〜15重量%、CaO:15〜24重量%、TiO :8〜15重量%、ZnO:20〜30重量%、B :0〜5重量%の組成からなるもの等が挙げられる。
【0030】
結晶化温度が700℃以上のものが好ましいのは、結晶化温度が700℃未満のものでは、高温でヒータを作動させている最中に、ガラスフリットが溶融または軟化してしまうおそれがあるからである。
【0031】
上記抵抗発熱体用ペースト中には、上記貴金属およびガラスフリットとほかに、有機ビヒクルが含まれている。この有機ビヒクルとしては、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが挙げられる。
【0032】
導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースなどが挙げられる。
【0033】
上記した各原料の配合割合は特に限定されず、目的とする抵抗発熱体の抵抗率、ペーストを塗布する際の塗布のしやすさ等を考慮して、適宜配合すればよい。
【0034】
抵抗発熱体用ペーストを用いたペースト層をセラミック基板の表面に形成する際には、抵抗発熱体用ペースト中に貴金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、貴金属粒子および金属酸化物を焼結させたものとすることが好ましい。このように、金属酸化物を貴金属粒子とともに焼結させることにより、セラミック基板と貴金属粒子とを密着させることができる。
【0035】
金属酸化物を混合することにより、セラミック基板との密着性が改善される理由は明確ではないが、貴金属粒子や非酸化物からなるセラミック基板では、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、貴金属粒子とセラミックとが密着するのではないかと考えられる。また、セラミック基板を構成するセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物からなるので、密着性に優れた抵抗発熱体が形成される。
【0036】
上記金属酸化物としては、例えば、ZnO、SiO 、Al 、PbO、Y 、TiO 、CdO、Sb 、Sb 、V 、Cr 、ZrO およびNb からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記金属酸化物の貴金属粒子に対する添加量は、0.1〜30重量%が好ましい。
【0037】
セラミック基板の表面に抵抗発熱体を形成する際には、通常、このような組成の抵抗発熱体用ペーストを用いてセラミック基板表面に塗布し、発熱体パターンのペースト層を形成する。その後、焼成により有機ビヒクルを分解、除去(脱脂)した後、貴金属や金属酸化物をガラスフリット等を介して焼結させ、抵抗発熱体を形成する。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
【0038】
また、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を形成する際には、グリーンシートを作製した後、グリーンシート上に抵抗発熱体用ペーストの層を形成し、上下に他のグリーンシートを挟んで積層した後、脱脂、焼成を行い、内部に抵抗発熱体を形成すると同時に、抵抗発熱体を有するセラミック基板を製造する。
【0039】
このようにして形成された抵抗発熱体は、最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属およびガラスフリットからなる多孔質またはそれに類した構造のものであるため、抵抗率のばらつきが小さく、抵抗発熱体の場所による発熱量の差が殆どなくなり、加熱面の温度をほぼ均一にすることができる。
なお、本発明の抵抗発熱体用ペーストでは、これを用いた抵抗発熱体の面積抵抗率を1mΩ/□〜10Ω/□の間で任意に調整することができる。
【0040】
なお、表面に抵抗発熱体を形成した場合には、上記抵抗発熱体の表面部分には、金属被覆層が形成されていることが好ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。なお、内部に抵抗発熱体を形成した場合には、酸化等の虞れがないので、金属被覆層を形成する必要はない。
【0041】
上記金属被覆層を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
本発明のホットプレートは、100℃以上で使用することができるが、200℃以上で使用することが望ましい。
【0042】
図1は、本発明の抵抗発熱体用ペースト用いることにより形成された抵抗発熱体を有するホットプレートを模式的に示す底面図であり、図2は、図1に示すホットプレートの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
【0043】
図1に示したように、セラミック基板11は、円板状に形成されており、このセラミック基板11の底面には、周縁部に近い部分に屈曲形状の回路からなる抵抗発熱体12aが形成され、それよりも内側の部分に略同心円形状からなる抵抗発熱体12b〜12dが形成され、これらの回路を組み合わせて、加熱面11aでの温度が均一になるように設計されている。
【0044】
また、抵抗発熱体12a〜12dは、酸化を防止するために金属被覆層120が形成され、その両端に入出力用の端子部13a〜13fが形成されており、さらに、この端子部13a〜13fには、図2に示したように外部端子17が半田等を用いて接合されている。また、この外部端子17には、配線を備えたソケット170が接続され、電源との接続が図られるようになっている。
【0045】
また、セラミック基板11には、測温素子18を挿入するための有底孔14が形成されており、中央に近い部分には、リフターピン16を挿通するための貫通孔15が設けられている。
【0046】
このリフターピン16は、その上にシリコンウエハ19を載置して上下させることができるようになっており、これにより、シリコンウエハ19を図示しない搬送機に渡したり、搬送機からシリコンウエハ19を受け取ったりすることができるとともに、シリコンウエハ19をセラミック基板11の加熱面11aに載置して加熱したり、シリコンウエハ19を加熱面11aから50〜2000μm離間させた状態で支持し、加熱することができるようになっている。
【0047】
また、セラミック基板11に貫通孔や凹部を設け、この貫通孔または凹部に先端が尖塔状または半球状の支持ピンを挿入した後、支持ピンをセラミック基板11よりわずかに突出させた状態で固定し、この支持ピンでシリコンウエハ19を支持することにより、加熱面11aから5〜5000μm離間させた状態で加熱してもよい。
【0048】
また、抵抗発熱体12の厚さおよび幅は、使用する材料、その他、抵抗発熱体12のパターンや求める発熱量等により適宜調整されるが、その厚さは、1〜50μmが望ましい。
【0049】
抵抗発熱体12は、断面が方形、楕円形、紡錘形、蒲鉾形状のいずれでもよいが、偏平なものであることが望ましい。偏平の方が加熱面11aに向かって放熱しやすいため、加熱面11aへの熱伝搬量を多くすることができ、加熱面11aの温度分布ができにくいからである。
【0050】
抵抗発熱体12のパターンとしては、図1に示した同心円形状と屈曲線形状との組み合わせのほかに、同心円形状、渦巻き形状、偏心円形状などの単独パターン、または、これらと屈曲線形状との組み合わせなどを挙げることができる。
また、抵抗発熱体12は螺旋形状でもよい。
【0051】
上記ホットプレートにおいて、上記抵抗発熱体からなる回路の数は1以上であれば特に限定されないが、加熱面を均一に加熱するためには、複数の回路が形成されていることが望ましく、特に図1に示したような、複数の同心円状の回路と屈曲線状の回路とを組み合わせたものが好ましい。
【0052】
図3は、上記抵抗発熱体用ペーストを使用して形成した抵抗発熱体を内部に有するホットプレートの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
【0053】
図示はしていないが、図1に示したセラミックヒータと同様に、セラミック基板21は、円板形状に形成されており、抵抗発熱体22は、セラミック基板21の内部に、図1に示したパターンと同様のパターン、すなわち、同心円と屈曲線とを組み合わせたパターンで形成されている。
【0054】
そして、抵抗発熱体22の端部の直下には、スルーホール28が形成され、さらに、このスルーホール28を露出させる袋孔27が底面21bに形成され、袋孔27には外部端子23が挿入され、ろう材24等で接合されている。
また、図3には示していないが、外部端子23には、例えば、導電線を有するソケットが取り付けられ、この導電線は電源等と接続されている。
【0055】
このホットプレートにおいても、本発明の抵抗発熱体用ペーストを用いて形成した抵抗発熱体22は、上記抵抗発熱体の全ての場所での発熱量を略均一に保つことができる。
【0056】
以上説明したように、本発明のセラミック基板に、抵抗発熱体のみが設けられている場合には、ホットプレートとして使用することができる。
【0057】
このセラミック基板を構成するセラミック材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
【0058】
上記窒化物セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。
また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0059】
上記酸化物セラミックとしては、金属酸化物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージュライト、ムライト等が挙げられる。
これらのセラミックは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0060】
これらのセラミックのなかでは、窒化物セラミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比べて好ましい。熱伝導率が高いからである。
また、窒化物セラミックのなかでは、窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
【0061】
また、上記セラミック材料は、焼結助剤を含有していてもよい。上記焼結助剤としては、例えば、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物等が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、CaO、Y 、Na O、Li O、Rb Oが好ましい。これらの含有量としては、0.1〜20重量%が好ましい。また、アルミナを含有していてもよい。
【0062】
本発明にかかるセラミック基板は、明度がJIS Z 8721の規定に基づく値でN4以下のものであることが望ましい。このような明度を有するものが輻射熱量、隠蔽性に優れるからである。また、このようなセラミック基板は、サーモビュアにより、正確な表面温度測定が可能となる。
【0063】
ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で表示したものである。
そして、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0064】
このような特性を有するセラミック基板は、セラミック基板中にカーボンを100〜5000ppm含有させることにより得られる。カーボンには、非晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボンは、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を抑制することでき、結晶質のカーボンは、セラミック基板の高温における熱伝導率の低下を抑制することができるため、その製造する基板の目的等に応じて適宜カーボンの種類を選択することができる。
【0065】
非晶質のカーボンは、例えば、C、H、Oだけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空気中で焼成することにより得ることができ、結晶質のカーボンとしては、グラファイト粉末等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気下で熱分解させた後、加熱加圧することによりカーボンを得ることができるが、このアクリル系樹脂の酸価を変化させることにより、結晶性(非晶性)の程度を調整することもできる。
【0066】
セラミック基板の形状は、円板形状が好ましく、その直径は、200mm以上が好ましく、250mm以上が最適である。
円板形状のセラミック基板は、温度の均一性が要求されるが、直径の大きな基板ほど温度が不均一になりやすいからである。
セラミック基板の厚さは、50mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。また、1〜5mmが最適である。
上記厚さが薄すぎると、高温で加熱する際に反りが発生しやすく、一方、厚過ぎると熱容量が大きく成りすぎて昇温降温特性が低下するからである。
【0067】
また、セラミック基板の気孔率は、0または5%以下が好ましい。上記気孔率はアルキメデス法により測定する。
高温での熱伝導率の低下、反りの発生を抑制することができるからである。
【0068】
本発明では、必要に応じてセラミック基板に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により抵抗発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、電流量を代えて、温度を制御することができるからである。
【0069】
上記熱電対の金属線の接合部位の大きさは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるのである。
上記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるように、K型、R型、B型、E型、J型、T型熱電対が挙げられる。
【0070】
上述したホットプレートは、セラミック基板の表面に抵抗発熱体のみが設けられた装置であり、これにより、シリコンウエハ等の被加熱物を所定の温度に加熱することができる。
本発明のホットプレートは、主に、半導体の製造や半導体の検査を行うために用いられる装置で、セラミック基板に抵抗発熱体のみを設けたものであるが、セラミック基板の内部に静電電極を設けた場合には、静電チャックとして機能し、セラミック基板の表面に導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けた場合には、ウエハプローバとして機能する。
【0071】
次に、図4(a)〜(d)に基づき、底面に抵抗発熱体が形成されたホットプレートの製造方法について説明する。
【0072】
(1) セラミック基板の作製工程
上述した窒化アルミニウムなどの窒化物セラミックに必要に応じてイットリア等の焼結助剤やバインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。この際、カーボンを含有させてもよい。
【0073】
次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定の形状に加工することにより、セラミック基板11を作製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のないセラミック基板11を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
【0074】
次に、このセラミック基板に、必要に応じて、シリコンウエハを運搬するためのリフターピン16を挿通する貫通孔15、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔14、シリコンウエハを支持するための支持ピンを埋設するための凹部等を形成する(図4(a))。
【0075】
(2) セラミック基板に抵抗発熱体用ペーストを印刷する工程
上述した本発明の抵抗発熱体用ペーストを用い、スクリーン印刷などの方法により発熱体パターンに印刷し、ペースト層を形成する。抵抗発熱体は、セラミック基板全体を均一な温度にする必要があることから、図1に示すような同心円状と屈曲線状とを組み合わせたパターンに印刷することが好ましい。
抵抗発熱体用ペースト層は、焼成後の抵抗発熱体12の断面が、方形で、偏平な形状となるように形成することが好ましい。
【0076】
(3) 抵抗発熱体用ペーストの焼成
セラミック基板11の底面に印刷したペースト層を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、貴金属粒子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付け、抵抗発熱体12を形成する(図4(b))。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
導体ペースト中に上述した金属酸化物を添加しておくと、貴金属粒子、金属酸化物およびセラミック基板が焼結して一体化するため、抵抗発熱体とセラミック基板との密着性が向上する。
【0077】
(4) 金属被覆層の形成
次に、抵抗発熱体12表面には、金属被覆層120を設ける(図4(c))。
金属被覆層120は、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング等により形成することができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
【0078】
(5) 端子等の取り付け
抵抗発熱体12のパターンの端部に電源との接続のための外部端子13を半田等を用いて取り付ける。また、有底孔14に測温素子(熱電対)18を挿入し、ポリイミド等の耐熱樹脂、セラミックで封止し、ホットプレート10とする(図4(d))。
【0079】
上記ホットプレートを製造する際に、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チャックを製造することができ、また、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバを製造することができる。
【0080】
セラミック基板の内部に電極を設ける場合には、金属箔等をセラミック基板の内部に埋設すればよい。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場合には、スパッタリング法やめっき法を用いることができ、これらを併用してもよい。
【0081】
次に、図5(a)〜(d)に基づき、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を有するホットプレートの製造方法について説明する。
【0082】
(1)グリーンシートの作製工程
まず、窒化物セラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシートを作製する。
上述したセラミック粉末としては、窒化アルミニウム等を使用することができ、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤を加えてもよい。また、グリーンシートを作製する際、結晶質や非晶質のカーボンを添加してもよい。
【0083】
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0084】
これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート50を作製する。
グリーンシート50の厚さは、0.1〜5mmが好ましい。
次に、得られたグリーンシートに、必要に応じて、シリコンウエハを支持するための支持ピンを挿入する貫通孔となる部分、シリコンウエハを運搬等するためのリフターピンを挿入する貫通孔25となる部分、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、抵抗発熱体を外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分280等を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成した後に、上記加工を行ってもよい。
【0085】
(2)グリーンシート上に抵抗発熱体用ペーストを印刷する工程
グリーンシート50上に、上述した抵抗発熱体用ペーストを用い、抵抗発熱体用ペーストからなるペースト層220を形成する。また、スルーホールとなる部分に導体ペーストを充填する。
【0086】
これらの導電ペースト中には、金属粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。金属粒子の材料としては、例えば、タングステンまたはモリブデン等が挙げられ、導電性セラミックとしては、例えば、タングステンカーバイドまたはモリブデンカーバイドが挙げられる。
【0087】
上記金属粒子であるタングステン粒子またはモリブデン粒子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
【0088】
このような導体ペーストとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が挙げられる。
【0089】
(3)グリーンシートの積層工程
上記(1)の工程で作製した抵抗発熱体用ペースト等を印刷していないグリーンシート50を、上記(2)の工程で作製したペースト層220等を有するグリーンシート50の上下に積層する(図5(a))。
このとき、上側に積層するグリーンシート50の数を下側に積層するグリーンシート50の数よりも多くして、抵抗発熱体22の形成位置を底面の方向に偏芯させる。
具体的には、上側のグリーンシート50の積層数は20〜50枚が、下側のグリーンシート50の積層数は5〜20枚が好ましい。
【0090】
(4)グリーンシート積層体の焼成工程
グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシート50および内部の導体ペーストを焼結させ、セラミック基板31を作製する(図5(b))。
加熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用することができる。
【0091】
得られたセラミック基板21に、リフターピンを挿通するための貫通孔25、測温素子を挿入するための有底孔(図示せず)や、外部端子23を挿入するための袋孔27等を設ける(図5(c))。貫通孔25、有底孔および袋孔27は、表面研磨後に、ドリル加工やサンドブラストなどのブラスト処理を行うことにより形成することができる。
【0092】
次に、袋孔27より露出したスルーホール28に外部端子23を金ろう等を用いて接続する(図5(d))。さらに、図示はしないが、外部端子23に、例えば、導電線を有するソケットを脱着可能に取り付ける。
なお、加熱温度は、半田処理の場合には90〜450℃が好適であり、ろう材での処理の場合には、900〜1100℃が好適である。さらに、測温素子としての熱電対などを耐熱性樹脂で封止し、セラミックヒータとする。
【0093】
(5)この後、このような内部に抵抗発熱体12を有するセラミック基板21を、円筒形状の支持容器に取り付け、ソケットから延びたリード線を電源に接続することにより、セラミックヒータの製造を終了する。
【0094】
上記ホットプレートを製造する際にも、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チャックを製造することができ、また、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバを製造することができる。
【0095】
セラミック基板の内部に電極を設ける場合には、グリーンシート上に静電電極やガード電極等のパターンに導体ペースト層を形成し、積層、焼成すればよい。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場合には、セラミック基板を製造した後、スパッタリング法やめっき法を用いることにより導体層を形成すればよい。この際、スパッタリング法とめっき法とを併用してもよい。
【0096】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】
(実施例1) ホットプレートの製造(図1参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
【0097】
(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
【0098】
(3)加工処理の終わった生成形体を温度:1800℃、圧力:20MPaでホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。
次に、この板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック性の板状体(セラミック基板11)とした。
次に、この板状体にドリル加工を施し、半導体ウエハを運搬するためのリフターピンを挿入する貫通孔、熱電対を埋め込むための有底孔(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
(4)上記(3)で得た焼結体の底面に、スクリーン印刷にて抵抗発熱体用ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円形状と屈曲線形状とを組み合わせたパターンとした。
【0099】
抵抗発熱体用ペーストとして、#500の篩にかけた球状銀(昭栄化学工業社製Ag−107)90重量部、針状結晶の白金(昭栄化学工業社製 Pt−401)、シリカ7.5重量部、酸化硼素1.5重量部、酸化亜鉛6重量部、有機ビヒクルとして酢酸セルロース30重量部からなるものを使用した。
【0100】
球状銀の粒度分布を図6に示す。この球状銀の平均粒径は、7.7μmであり、モード平均径は、9.0μmであり、90μm以上の粒子は篩によりカットされている。
【0101】
(5)次に、抵抗発熱体用ペーストを印刷した焼結体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀や白金等を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、抵抗発熱体を形成した。抵抗発熱体12は、厚さが6μm、幅が0.5mm、面積抵抗率が、130mΩ/□であった。
【0102】
(6)次に、硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作製した焼結体を浸漬し、抵抗発熱体12の表面に厚さ1μmの金属被覆層120(ニッケル層)を析出させた。
【0103】
(7)電源との接続を確保するための端子部に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成した。
ついで、半田層の上にコバール製の外部端子17を載置して、420℃で加熱リフローし、抵抗発熱体の端子部に外部端子17を取り付けた。
(8)温度制御のための熱電対を有底孔に挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、ホットプレート10(図1参照)を得た。
【0104】
(比較例1)
抵抗発熱体用ペーストを調整する際、篩にかけない球状銀(昭栄化学工業社製 Ag−107)を使用したほかは、実施例1と同様にしてホットプレートを製造した。
このとき使用した球状銀の平均粒径は、8.2μmであり、その粒度分布は、図7に示した通りであり、モード平均径は、9.0μmであり、モード平均径の粒子径の10倍以上の粒子が存在していた。
この抵抗発熱体用ペーストを使用して形成した抵抗発熱体12は、厚さが6μm、幅が0.5mm、面積抵抗率が、80mΩ/□であった。
【0105】
次に、実施例1および比較例1に係るホットプレートに通電を行って300℃まで加熱し、加熱面全体の温度をサーモビュア(日本データム社製 IR162012−0012)で測定した。
【0106】
実施例1に係る製品のセラミック基板では、加熱面全体がほぼ均一な温度であったのに対し、比較例1に係るホットプレートでは、所々に温度分布が生じていた。
【0107】
また、このサーモビュアを用いて、加熱面の最高温度と最低温度との差(ΔT℃)を測定したところ、実施例1では、ΔTは、3℃と小さかったのに対し、比較例1では、ΔTは、8℃と大きくなっていた。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る抵抗発熱体用ペーストでは、最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属粒子を使用しているので、上記抵抗発熱体の全ての場所での発熱量を略均一に保つことができ、また、セラミック基板上に抵抗発熱体を形成した場合に、シリコンウエハ等の被加熱物を均一に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の底面に抵抗発熱体が形成されたホットプレートを模式的に示す底面図である。
【図2】図1に示すホットプレートの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明の内部に抵抗発熱体が形成されたホットプレートの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の底面に抵抗発熱体が形成されたホットプレートの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の内部に抵抗発熱体が形成されたホットプレートの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図6】実施例1で使用した抵抗発熱体用ペースト中に含まれる球状銀の粒度分布を示すグラフである。
【図7】比較例1で使用した抵抗発熱体用ペースト中に含まれる球状銀の粒度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ホットプレート
11、21 セラミック基板
11a 加熱面
11b 底面
12(12a〜12d)、22 抵抗発熱体
13、23 端部
14 有底孔
15、25 貫通孔
16 リフターピン
17 外部端子
18 測温素子
19 半導体ウエハ(シリコンウエハ)
24 ろう材
27 袋孔
28 スルーホール
170 ソケット

Claims (3)

  1. 最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属粒子、ガラスフリットおよび有機ビヒクルからなることを特徴とする抵抗発熱体用ペースト。
  2. 前記貴金属粒子は、球状粒子または針状粒子からなる請求項1に記載の抵抗発熱体用ペースト。
  3. 最大粒子径が粒子径分布のモード平均径の10倍以下の貴金属粒子およびガラスフリットからなる抵抗発熱体が、セラミック基板の内部または表面に形成されたことを特徴とする半導体製造・検査装置用ホットプレート。
JP2000204212A 2000-07-05 2000-07-05 抵抗発熱体用ペーストおよび半導体製造・検査装置用ホットプレート Expired - Lifetime JP3544512B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000204212A JP3544512B2 (ja) 2000-07-05 2000-07-05 抵抗発熱体用ペーストおよび半導体製造・検査装置用ホットプレート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000204212A JP3544512B2 (ja) 2000-07-05 2000-07-05 抵抗発熱体用ペーストおよび半導体製造・検査装置用ホットプレート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002025750A JP2002025750A (ja) 2002-01-25
JP3544512B2 true JP3544512B2 (ja) 2004-07-21

Family

ID=18701514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000204212A Expired - Lifetime JP3544512B2 (ja) 2000-07-05 2000-07-05 抵抗発熱体用ペーストおよび半導体製造・検査装置用ホットプレート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3544512B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146569A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体製造装置用セラミックスヒーター

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002025750A (ja) 2002-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3381909B2 (ja) 半導体製造・検査装置用セラミックヒータ
JP2002076102A (ja) セラミック基板
WO2001063972A1 (fr) Substrat en ceramique et son procede de production
JP3565496B2 (ja) セラミックヒータ、静電チャックおよびウエハプローバ
JP3618640B2 (ja) 半導体製造・検査装置用ホットプレート
KR20010090740A (ko) 세라믹 히터
WO2001078455A1 (fr) Plaque ceramique
JP2003059789A (ja) 接続構造体および半導体製造・検査装置
WO2001084885A1 (fr) Element chauffant en ceramique
JP2001257200A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板
JP3544512B2 (ja) 抵抗発熱体用ペーストおよび半導体製造・検査装置用ホットプレート
JP2001237301A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板
JP2001230059A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板
JP2001223257A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板
JP2005026585A (ja) セラミック接合体
JP2004253799A (ja) 半導体製造・検査装置
JP3625046B2 (ja) 半導体製造・検査装置用セラミックヒータ
JP2004303736A (ja) セラミックヒータ
JP2001332560A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2001345370A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2001358205A (ja) 半導体製造・検査装置
JP2002334820A (ja) 半導体ウエハまたは液晶基板加熱用セラミックヒータ
JP3186750B2 (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック板
JP2002249377A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミック基板
JP2001338747A (ja) 半導体製造・検査装置用セラミックヒータ

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080416

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110416

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120416

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250