JP3543782B2 - 電気貯湯容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0003】
本願発明は、電気ポット等として使用される電気貯湯容器に関し、さらに詳しくは給湯通路に給湯流量を測定する流量測定手段を付設して、該流量測定手段により測定された流量を給湯量として表示部に表示するようにした電気貯湯容器に関するものである。
【従来の技術】
【0004】
湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプとを備えた電気貯湯容器は、従来から良く知られており、このような構造の電気貯湯容器において、給湯通路に給湯流量を測定する流量センサーを設けることにより、給湯流量を液晶表示装置に表示したり、予め設定された給湯量を前記流量センサーにより測定して定量給湯を行うようにしたものも従来から良く知られている。
【0005】
また、電気貯湯容器に重量センサーを付設して、該重量センサーによって内容器内の貯湯量の減少量を給湯量として測定し、該給湯量を表示部に表示するようにしたものも提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、流量センサーによって給湯量を測定するタイプのものでは、給湯通路の途中に設けられている流量センサーにお湯が到達するまでの時間が内容量によって違ってくるという事実がある。例えば、図8に示すように、内容器内のお湯の量が多い場合の水位L1と流量センサー25との間の距離をD1とし、お湯が少ない場合の水位L2と流量センサー25との距離をD2とした場合、D1<<D2となるため、電動ポンプの駆動開始後において、流量センサー25にお湯が到達するまでの時間に差が生じることとなるのである。
【0007】
また、流量センサー25にお湯が到達した後であっても、該流量センサー25の下流側の通路5′にお湯が満たされるまでの間は、給湯通路5の注出口からのお湯の注出は行われない。
【0008】
さらに、給湯通路5を介しての給湯が定常的になるまでの間は、流量センサー25からの信号出力が不安定となる。
【0009】
上記した各要因を考慮しなければ、流量センサー25により測定された流量を給湯量として正確に表示することができないという不具合があった。
【0010】
なお、重量センサーを用いて給湯量表示を行うものの場合、重量センサーの測定精度を高くしなければ、少量給湯時の給湯量を正確に測定することが難しいという不具合がある。
【0011】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、給湯初期における給湯量表示を正確に行い得るようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明では、上記課題を解決するための手段として、湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路における直管部には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器において、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成している。
【0013】
上記のように構成したことにより、給湯初期においては(即ち、電動ポンプの駆動開始時には)流量測定手段からの最初の信号出力があるまでの時間にお湯の量によって違いが生ずるが、この間の給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とすることにより、この差異を無効とすることができる。また、流量測定手段からの最初の信号出力があった時点から前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするようにしたことにより、給湯通路を介して実際にお湯が注出されることのない間は給湯量表示が「給湯量なし」を表す表示とされることとなり、給湯初期における給湯量の誤差に影響されない給湯量表示が行える。
【0014】
請求項2の発明では、上記課題を解決するための手段として、湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器において、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成するとともに、前記第1の設定時間の経過後であって、予め設定された第2の設定時間が経過するまでの間には、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量に基づいて算出された給湯量を前記表示部に表示するように構成している。
【0015】
上記のように構成したことにより、給湯初期においては(即ち、電動ポンプの駆動開始時には)流量測定手段からの最初の信号出力があるまでの時間にお湯の量によって違いが生ずるが、この間の給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とすることにより、この差異を無効とすることができる。また、流量測定手段からの最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするようにしたことにより、給湯通路を介して実際にお湯が注出されることのない間は給湯量表示が「給湯量なし」を表す表示とされることとなり、給湯初期における給湯量の誤差に影響されない給湯量表示が行える。さらに、第1の設定時間が経過して実際に給湯が開始された後であっても、流量測定手段からの出力信号が安定しない期間があるが、その期間においては、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量に基づいて算出された給湯量が表示されることとなり、流量測定手段からの出力信号が安定しないことに影響されない給湯量表示が行える。
【0016】
請求項3の発明におけるように、請求項2記載の電気貯湯容器において、前記第1の設定時間を、前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間とした場合、第1の設定時間が経過した時点では流量測定手段の下流側の通路にお湯が満ちて、給湯通路を介してお湯の注出が開始されることとなり、実際の給湯開始時期を決定することができる。
【0017】
請求項4の発明におけるように、請求項2および3のいずれか一項記載の電気貯湯容器において、前記第2の設定時間の経過後においては、前記流量測定手段により測定された流量に基づいて前記表示部に給湯量表示を行うように構成した場合、流量測定手段の出力信号が安定する第2の設定時間の経過後においては流量測定手段により測定された流量に基づいて給湯量表示が行われることとなり、正確な給湯量表示が得られる。
【0018】
請求項5の発明では、上記課題を解決するための手段として、湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器において、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成する一方、前記電動ポンプによる給湯量を所定量に設定する定量給湯設定手段と、該定量給湯設定手段により設定された設定給湯量だけ給湯を行うように前記電動ポンプの駆動制御を行う定量給湯制御手段とを付設するとともに、該定量給湯設定手段による設定給湯量の下限値を設けるように構成し且つ該設定給湯量の下限値を、前記流量測定手段からの信号出力とは関係なく決められた値以上とするように構成している。
【0019】
上記のように構成したことにより、給湯初期においては(即ち、電動ポンプの駆動開始時には)流量測定手段からの最初の信号出力があるまでの時間にお湯の量によって違いが生ずるが、この間の給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とすることにより、この差異を無効とすることができる。また、流量測定手段からの最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするようにしたことにより、給湯通路を介して実際にお湯が注出されることのない間は給湯量表示が「給湯量なし」を表す表示とされることとなり、給湯初期における給湯量の誤差に影響されない給湯量表示が行える。また、定量給湯を行う際における設定給湯量に下限値を設けたことにより、定量給湯を安定した給湯量が得られる領域で行うことができるし、誤差の大きい給湯量である流量測定手段からの信号出力とは関係なく決められた値より大きい値を、設定給湯量の下限値とすることができ、誤差に影響されない定量給湯が得られる。
【0020】
請求項6の発明におけるように、請求項5記載の電気貯湯容器において、前記第1の設定時間を、前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間とした場合、第1の設定時間が経過した時点では流量測定手段の下流側の通路にお湯が満ちて、給湯通路を介してお湯の注出が開始されることとなり、実際の給湯開始時期を決定することができる。
【発明の実施の形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について詳述する。
【0022】
この電気貯湯容器は、図1および図2に示すように、貯湯用の内容器3を備えた容器本体1と、該容器本体1を開閉する蓋体2と、前記内容器3を加熱する加熱手段である電気ヒータ4と、前記内容器3内の湯を外部へ給湯するための給湯通路5と、該給湯通路5を介して湯を送り出す電動ポンプ6とを備えて構成されている。
【0023】
前記容器本体1は、外側面を構成する合成樹脂製の外ケース7と、内周面を構成する前記内容器3と、前記外ケース7と内容器3とを結合する合成樹脂製の環状の肩部材8と、底面を構成する合成樹脂製の底板9とからなっている。
【0024】
前記内容器3は、ステンレス製の有底円筒形状の内筒10とステンレス製の外筒11との間に真空空間を有する真空二重構造体からなっており、その底部には、外周部を除いて前記内筒10の底部のみにより構成された1枚板部3aが形成されている。該1枚板部3aの下面には、前記電気ヒータ4(例えば、雲母板に発熱体を保持させてなるマイカヒータ)が取り付けられている。前記内容器3の上端部には、前記内筒10の上端部を絞り加工してなる小径の給水口3bが形成されている。符号12は内容器3の温度(換言すれば、湯温)を検出する湯温検出手段として作用する温度センサー、13は内容器3の満水位を表示する満水位表示部である。
【0025】
前記蓋体2は、合成樹脂製の上板14と該上板14に対して外周縁が結合された合成樹脂製の下板15とからなっており、前記肩部材8の後部に設けられたヒンジ受け16に対してヒンジピン17を介して開閉自在且つ着脱自在に支持されている。
【0026】
また、この蓋体2には、電源が接続されていない状態でも給湯通路5を介しての給湯が可能なように、手動操作により駆動されるエアーポンプ18が配設されている。該エアーポンプ18は、前記蓋体2の略中央部に形成された円筒形状の凹部19内に配設されたベローズタイプのものとされており、押圧板20を介しての押圧操作により加圧空気が内容器3内に吹き込まれ、該加圧空気の圧力により内容器3内のお湯が給湯通路5を介して外部へ押し出されることとなっている。符号21は蒸気排出通路、22は蒸気排出通路21の途中に配設された転倒止水弁である。
【0027】
前記蓋体2における下板15には、金属製のカバー部材23が固定されており、該カバー部材23の外周縁には、蓋体2の閉蓋時において前記内容器3の給水口3bに圧接されるシールパッキン24が設けられている。
【0028】
前記給湯通路5の途中である前記内容器3の下方位置には、前記電動ポンプ6が配設されており、この給湯通路5において内容器3における満水位表示部13より下方となる直管部5aには、該給湯通路5を通るお湯の流量を測定するための流量測定手段として作用する流量センサー25が設けられている。
【0029】
該流量センサー25は、図3および図4に示すように、前記給湯通路5の途中の直管部5aに設けられた透明なガラス管26と、該ガラス管26内において回転自在に枢支された回転体27と、該回転体27の回転数を検出する光センサー28とからなっている。
【0030】
前記回転体27は、前記給湯通路直管部5a内において前記ガラス管26を挟むようにして上下設けられた軸受29,29に対して軸支された回転軸30にボス27aを遊嵌することにより回転自在に支持されるものであり、図5に示すように、給湯通路5を通るお湯の圧力を受ける3枚の駆動羽根31,31,31と、該駆動羽根31,31,31の上方であって前記光センサー28の発光素子28aから受光素子28bへの光の照射を遮断する一対の遮光羽根32,32とを備えて構成されている。該遮光羽根32,32は、前記ボス27aの外周に対して直角に立設された四角羽根とされている。
【0031】
前記光センサー28は、前記ガラス管26の外側であって前記回転体27におけるボス27aを避けた位置において発光素子28aから受光素子28bへ光が照射されるように構成されており、回転体27における遮光羽根32,32により発光素子28aから受光素子28bへの光の照射が遮断される回数を測定することにより回転体27の回転数が測定できるようになっている。前記発光素子28aおよび受光素子28bは、前記ガラス管26の外周に取り付けられ、着脱自在なセンサーカバー34により閉蓋された箱状のセンサーホルダ33内に保持されている。なお、本実施の形態においては、回転体27における遮光羽根32,32は、光センサー28における発光素子28aと受光素子28bとの間に常時位置せしめられることとなっている。
【0032】
図1において、符号35は後述する各種スイッチ類を備えた操作パネル部、36はスイッチ基板、37は前記電動ポンプ6を駆動させる駆動電源回路を備えた電源基板である。
【0033】
前記操作パネル部35には、図2に示すように、給湯スイッチ38、ロック解除スイッチ39、沸騰/カルキ抜き/おやすみタイマースイッチ40、保温選択スイッチ41、定量給湯/キッチンタイマースイッチ42、設定量変更スイッチ43,44、給湯表示灯45、沸騰表示灯46、保温表示灯47、給湯量表示等を行う表示部として作用する液晶表示装置48が設けられている。
【0034】
前記設定量変更スイッチ43,44は、時刻合わせ時の時刻設定変更際に操作されるとともに、電動ポンプ6による給湯量を所定量に設定する定量給湯設定手段として作用するものであり、設定給湯量の設定変更を行う際にも操作される。
【0035】
通常給湯時および定量給湯時には、上記各種スイッチ類および各種表示灯は、以下のように操作され且つ表示される。
【0036】
(1) 通常給湯
ロック解除スイッチ39を押すと、給湯表示灯45が点灯し、給湯スイッチ38を押すと、通常の電動給湯が可能となるようになっている。
【0037】
(2) 定量給湯
定量給湯/キッチンタイマースイッチ42を1回押すと、設定量変更スイッチ43,44が光り、該設定量変更スイッチ43,44で給湯量が設定されると、ロック解除スイッチ39が光り、該ロック解除スイッチ39を押すと、給湯スイッチ38が光り、給湯スイッチ38を押すと、液晶表示部47における時刻/数量表示部47aに表示されている定量給湯量表示が給湯とともに自動的に減算され、0mlになると、給湯が自動停止される。この間、給湯スイッチ39は押し続けられる。このようにすると、定量給湯時におけるスイッチ操作が、定量給湯/キッチンタイマースイッチ42→設定量変更スイッチ43,44→ロック解除スイッチ39→給湯スイッチ38の順でナビゲートされた一方向となり、操作ミスを減少させることができる。
【0038】
図6は、本実施の形態にかかる電気貯湯容器における制御系の構成を示すブロック図であり、マイクロコンピュータユニット(以下、マイコンという)49には、前記各種スイッチ類38〜44、温度センサー12および流量センサー25からの信号が入力され、各種演算処理を行い、その結果が制御信号として電気ヒータ4、電動ポンプ6、液晶表示装置48およびブザー50に出力されることとなっている。
【0039】
前記マイコン49は、前述した各種制御機能に加えて、電動ポンプ6による給湯量を所定量に設定する定量給湯設定手段としての機能と、該定量給湯設定手段により設定された設定給湯量だけ給湯を行うように前記電動ポンプ6の駆動制御を行う定量給湯制御手段としての機能と、前記電動ポンプ6の駆動開始時から流量センサー25からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間ts1(例えば、0.75秒)が経過するまでの間には、液晶表示装置48における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示(例えば、「0」表示)とする機能と、前記第1の設定時間ts1(例えば、0.75秒)の経過後であって、予め設定された第2の設定時間ts2(例えば、0.5秒)が経過するまでの間には、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量に基づいて算出された給湯量を前記液晶表示装置48に表示する機能と、前記第2の設定時間ts2(例えば、0.5秒)の経過後においては、前記流量センサー25により測定された流量に基づいて前記液晶表示装置48に給湯量表示を行う機能とを有している。
【0040】
ついで、図7に示すフローチャートを参照して、上記構成の電気貯湯容器における給湯開始時の制御について説明する。
【0041】
ステップS1において給湯スイッチ38がON操作されると、電動ポンプ6の駆動が開始されて給湯動作が開始されるが、既に説明したように、お湯の量によって流量センサー25にお湯が到達して流量センサー25から信号が出力するまでの時間に違いが生ずるところから、この違いを無効とするために、ステップS2において流量センサー25からの信号初入力があったか否かの判定がなされる。ここで、肯定判定されるのを待って(換言すれば、信号初入力があるのを待って)ステップS3において流量センサー25からの出力信号のカウントが開始される。なお、流量センサー25からの信号入力があったとしても、外乱等の影響を考慮する必要があるところから、ステップS4において流量センサー25からの信号が3個入力されたのを確認し、ステップS5において給湯初期における給湯量表示用としてマイコン49に内蔵されている時限タイマーがスタートされる。
【0042】
そして、ステップS6において第1の設定時間ts1(例えば、0.75秒)が経過したか否かの判定がなされ、ここで肯定判定された場合には、ステップS7に進み、流量センサー25からの出力信号のカウントが停止されるとともに、いままでカウントされた信号カウント数がリセットされる。つまり、電動ポンプ6の駆動開始から流量センサー25からの信号が初入力されるまでの間および当該信号初入力から第1の設定時間ts1(例えば、0.75秒)が経過するまでの間は液晶表示装置48には「0」が表示されることとなっているのである。なお、第1の設定時間ts1は、流量センサー25の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間とされている。このようにすると、第1の設定時間ts1が経過した時点では流量センサー25の下流側の通路にお湯が満ちて、給湯通路5を介してお湯の注出が開始されることとなり、実際の給湯開始時期を決定することができる。
【0043】
ついで、ステップS8において1.00秒が経過したと判定されると、ステップS9において液晶表示装置48に給湯量10mlが表示され、ステップS10において1.25秒が経過したと判定されると、ステップS11において液晶表示装置48に給湯量20mlが表示される。つまり、ステップS7において信号カウント数がリセットされてから第2の設定時間ts2(例えば、0.5秒)が経過するまでの間は、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量(例えば、10ml/0.25秒)に基づいて算出された給湯量(例えば、10mlおよび20ml)が液晶表示装置48に表示されることとなっているのである。このようにすると、第1の設定時間ts1が経過して実際に給湯が開始された後であっても、流量センサー25からの出力信号が安定しない期間があるが、その期間においては、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量(例えば、10ml/0.25秒)に基づいて算出された給湯量が表示されることとなり、流量センサー25からの出力信号が安定しないことに影響されない給湯量表示が行える。
【0044】
次に、ステップS12において流量センサー25からの出力信号のカウントが開始され、ステップS13において流量センサー25からの出力信号数に応じた給湯量が液晶表示装置48に表示される。
【0045】
その後、ステップS14において給湯スイッチ38がOFF操作されたと判定されると、ステップS15においてマイコン49に内蔵されている2秒タイマがスタートされるとともに、液晶表示装置48の給湯量表示が点滅される。
【0046】
そして、ステップS19において2秒が経過したと判定される前にステップS17において給湯スイッチ38がON操作されたと判定されると、ステップS18において給湯量が継続表示され、その後ステップS1へリターンする。
【0047】
一方、ステップS17において給湯スイッチ38がON操作されなかったと判定された状態でステップS19において2秒が経過したと判定された場合には、ステップS20に進み、ブザー50により給湯終了報知がなされ、ステップS21において給湯量が点灯表示される。
【0048】
ついで、ステップS22においてマイコン49に内蔵されている20秒タイマーがスタートされ、ステップS25において20秒が経過したと判定される前に、ステップS23において給湯スイッチ38がON操作されたと判定されると、ステップS24において給湯量表示→0とされ、その後ステップS1へリターンする。
【0049】
一方、ステップS23で給湯スイッチ38がON操作されなかったと判定されたまま、ステップS25において20秒が経過したと判定された場合には、ステップS26において給湯ロック状態(即ち、給湯スイッチ38をON操作しても電動ポンプ6が駆動されない状態)とされ、その後ステップS1へリターンする。
【0050】
なお、上記実施の形態においては、電動ポンプ6の駆動開始時から流量センサー25からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間ts1(例えば、0.75秒)が経過するまでの間には、液晶表示装置48には「0」表示がなされるようになっているが、「0」表示に代えて「給湯量なし」を表す他の表示(例えば、絵表示等)とすることもできる。
【0051】
ところで、上記各実施の形態においては、流量測定手段として、光センサー式の流量センサーを採用しているが、プロペラ式、電動ポンプ連動式、磁気センサー式等のものを採用することもできる。
【発明の効果】
【0052】
請求項1の発明によれば、湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路における直管部に、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器において、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成して、給湯初期においては(即ち、電動ポンプの駆動開始時には)流量測定手段からの最初の信号出力があるまでの時間にお湯の量によって生ずる差異を無効とするとともに、給湯通路を介して実際にお湯が注出されることのない間は給湯量表示が「給湯量なし」を表す表示とされるようにしたので、給湯初期における給湯量の誤差に影響されない給湯量表示が行えるという効果がある。しかも、流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間が経過した時点では流量測定手段の下流側の通路にお湯が満ちて、給湯通路を介してお湯の注出が開始されることとなり、実際の給湯開始時期を決定することができるという効果もある。
【0053】
請求項2の発明によれば、湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器において、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成して、給湯初期においては(即ち、電動ポンプの駆動開始時には)流量測定手段からの最初の信号出力があるまでの時間にお湯の量によって生ずる差異を無効とするとともに、給湯通路を介して実際にお湯が注出されることのない間は給湯量表示が「給湯量なし」を表す表示とされるようにしたので、給湯初期における給湯量の誤差に影響されない給湯量表示が行えるという効果がある。また、前記第1の設定時間の経過後であって、予め設定された第2の設定時間が経過するまでの間には、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量に基づいて算出された給湯量を前記表示部に表示するように構成して、第1の設定時間が経過して実際に給湯が開始された後であっても、流量測定手段からの出力信号が安定しない期間があるが、その期間においては、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量に基づいて算出された給湯量が表 示されるようにしたので、流量測定手段からの出力信号が安定しないことに影響されない給湯量表示が行えるという効果がある。
【0054】
請求項3の発明におけるように、請求項2記載の電気貯湯容器において、前記第1の設定時間を、前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間とした場合、第1の設定時間が経過した時点では流量測定手段の下流側の通路にお湯が満ちて、給湯通路を介してお湯の注出が開始されることとなり、実際の給湯開始時期を決定することができる。
【0055】
請求項4の発明におけるように、請求項2および3のいずれか一項記載の電気貯湯容器において、前記第2の設定時間の経過後においては、前記流量測定手段により測定された流量に基づいて前記表示部に給湯量表示を行うように構成した場合、流量測定手段の出力信号が安定する第2の設定時間の経過後においては流量測定手段により測定された流量に基づいて給湯量表示が行われることとなり、正確な給湯量表示が得られる。
【0056】
請求項5の発明によれば、湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器において、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成して、給湯初期においては(即ち、電動ポンプの駆動開始時には)流量測定手段からの最初の信号出力があるまでの時間にお湯の量によって生ずる差異を無効とするとともに、給湯通路を介して実際にお湯が注出されることのない間は給湯量表示が「給湯量なし」を表す表示とされるようにしたので、給湯初期における給湯量の誤差に影響されない給湯量表示が行えるという効果がある。また、前記電動ポンプによる給湯量を所定量に設定する定量給湯設定手段と、該定量給湯設定手段により設定された設定給湯量だけ給湯を行うように前記電動ポンプの駆動制御を行う定量給湯制御手段とを付設するとともに、該定量給湯設定手段による設定給湯量の下限値を設けるように構成して、定量給湯を行う際における設定給湯量に下限値を設けるようにしたので、定量給湯を安定した給湯量が得られる領域で行うことができるという効果もある。さらに、設定給湯量の下限値を、前記流量測定手段からの信号出力とは関係なく決められた値以上とするように構成して、誤差の大きい給湯量である流量測定手段からの信号出力とは関係なく決められた値より大きい値を、設定給湯量の下限値とすることができるようにしたので、誤差に影響されない定量給湯が得られるという効果もある。
【0057】
請求項6の発明におけるように、請求項5記載の電気貯湯容器において、前記第1の設定時間を、前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間とした場合、第1の設定時間が経過した時点では流量測定手段の下流側の通路にお湯が満ちて、給湯通路を介してお湯の注出が開始されることとなり、実際の給湯開始時期を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる電気貯湯容器の縦断面図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる電気貯湯容器における操作パネル部の平面図である。
【図3】本願発明の実施の形態にかかる電気貯湯容器における流量センサーの拡大縦断側面図である。
【図4】本願発明の実施の形態にかかる電気貯湯容器における流量センサーの拡大横断平面図である。
【図5】本願発明の実施の形態にかかる電気貯湯容器における流量センサーの構成部品である回転体を示し、(イ)は側面図、(ロ)は平面図である。
【図6】本願発明の実施の形態にかかる電気貯湯容器における制御系のブロック図である。
【図7】本願発明の実施の形態にかかる電気貯湯容器における給湯初期の制御の内容を示すフローチャートである。
【図8】給湯通路における流量センサーと水位との関係を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1は容器本体、2は蓋体、3は内容器、4は加熱手段(電気ヒータ)、5は給湯通路、6は電動ポンプ、25は流量測定手段(流量センサー)、38は給湯スイッチ、48は液晶表示装置、49はマイコン。
Claims (6)
- 湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路における直管部には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器であって、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成したことを特徴とする電気貯湯容器。
- 湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器であって、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成するとともに、前記第1の設定時間の経過後であって、予め設定された第2の設定時間が経過するまでの間には、実際の給湯流量に関係なく予め設定された単位時間当たりの設定流量に基づいて算出された給湯量を前記表示部に表示するように構成したことを特徴とする電気貯湯容器。
- 前記第1の設定時間を、前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間としたことを特徴とする前記請求項2記載の電気貯湯容器。
- 前記第2の設定時間の経過後においては、前記流量測定手段により測定された流量に基づいて前記表示部に給湯量表示を行うように構成したことを特徴とする前記請求項2および3のいずれか一項記載の電気貯湯容器。
- 湯沸かし用の内容器と、該内容器を加熱する加熱手段と、前記内容器内の湯を給湯通路を介して給湯する電動ポンプと、給湯量を表示する表示部とを備え、前記給湯通路には、給湯流量を測定する流量測定手段を設けてなる電気貯湯容器であって、前記電動ポンプの駆動開始時から前記流量測定手段からの最初の信号出力があった後であって、該最初の信号出力があった時点から予め設定された第1の設定時間が経過するまでの間には、前記表示部における給湯量表示を「給湯量なし」を表す表示とするように構成する一方、前記電動ポンプによる給湯量を所定量に設定する定量給湯設定手段と、該定量給湯設定手段により設定された設定給湯量だけ給湯を行うように前記電動ポンプの駆動制御を行う定量給湯制御手段とを付設するとともに、該定量給湯設定手段による設定給湯量の下限値を設けるように構成し且つ該設定給湯量の下限値を、前記流量測定手段からの信号出力とは関係なく決められた値以上とするように構成したことを特徴とする電気貯湯容器。
- 前記第1の設定時間を、前記流量測定手段の下流側の通路の容量に相当するポンプ吐出量が得られる時間としたことを特徴とする前記請求項5記載の電気貯湯容器。
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