JP3543731B2 - レーザトリミング方法及びレーザトリミング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小抵抗チップ等のトリミングを行うレーザトリミング方法及び装置に関し、特に、レーザパルス照射期間の間の休止時間をトリミングプロセスの進行に関連づけて最適に変化させることにより、高速かつ高精度なレーザトリミングを可能とするレーザトリミング方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷抵抗等の抵抗体の電気抵抗値をレーザトリミング加工により調節する方法のひとつに、前記抵抗体の抵抗値又は直流電圧をリアルタイムに測定しながらこれらの抵抗体のレーザトリミングを行うトラッキングトリミングと呼ばれる方法がある。この方法においては、トリミングプロセスの最初の段階では、高速性と加工の安定性が求められ、トリミングプロセスの最終段階では、電気的特性を高精度に調整することが求められる。
【0003】
近時、電子部品の低コスト化及び微小化の要望に伴い、レーザトリミング加工においても、高速化及び高精度化が要求されている。そのため、チップ抵抗のサイズは1005サイズから0603サイズへと変化しつつある。しかし、チップサイズが小さくなっても、抵抗体の膜厚は抵抗ペーストの材質により決定されるため従来と変わらず、加工速度及びレーザパルス照射期間の間の休止時間により決定される連続するレーザパルスの照射位置間の距離(以下、バイトサイズという)等のレーザトリミング条件も基本的に変わらない。抵抗体のサイズが小さくなるとバイトサイズあたりの抵抗変化率が大きくなり、トリミング精度を高精度に制御することが困難になる。
【0004】
以下に従来のトリミング方法の一例を示す。図4は、従来のレーザトリミング方法におけるレーザパルスの照射のタイミングと抵抗体の電気抵抗値の変化との関係を示している。従来のレーザトリミング方法においては、図4に示すようにレーザパルス照射期間の間の休止時間Tを一定とし、ビームスキャナにてレーザパルス45の照射位置を抵抗体上において一定速で走査する。その結果、図5に示すように、抵抗体上のレーザパルスの照射位置52は、一定間隔Lで配置される。即ち、バイトサイズは一定となる。そして、電気抵抗値等の測定値が予め設定された目標値Rfを超えた時点で、レーザパルス照射を停止しトリミングを終了する。
【0005】
ここで、抵抗体がスクリーン印刷により形成された厚膜抵抗である場合、その膜厚は約10乃至20μmである。また、レーザビーム径は30乃至50μmである。レーザパルスによって形成されたレーザ加工溝の加工状態を良好な状態にするため、バイトサイズは5乃至10μmとする。レーザビーム径が30μm、バイトサイズが5μmのとき、レーザ加工溝の任意の位置におけるレーザパルスのオーバーラップ回数は6回となる。このオーバーラップ回数が多すぎると、レーザ加工溝は損傷を受け劣化する。
【0006】
しかしながら、この従来の方法には、以下に示す2つの問題点がある。第1の問題点は、トリミング終了後の電気抵抗値の誤差が大きくなることである。従来の方法においては、バイトサイズを一定とし、電気抵抗値の測定値が予め設定された目標値Rfを超えた時点でトリミングを終了している。この場合、1回のレーザパルス照射により変化する電気抵抗測定値の変化量をΔRとすると、図4に示すようにトリミング終了後の電気抵抗値は、Rf乃至Rf+ΔRの範囲でばらつく。例えば、図4において、線43は抵抗体R6の電気抵抗値の変化を示す線である。抵抗体R6の電気抵抗値は、n−1回目のパルス照射の後、目標値Rfよりも僅かに小さい電気抵抗値になっている。しかし、従来の方法では、n−1回目のパルス照射と同じn回目のパルス照射がなされてしまうため、抵抗体R6の電気抵抗値はRf+ΔRよりも僅かに小さい電気抵抗値まで増加する。つまり、抵抗体R6の電気抵抗値は目標値Rfを超えてオーバーシュートする。
【0007】
第2の問題点は、加工速度の高速化が困難であることである。レーザトリミング加工の高速化を図るためには、レーザパルスの走査速度を大きくしレーザパルス照射期間の間の休止時間を短くすることにより、加工速度を大きくする必要がある。しかし、加工速度を大きくすると、抵抗体の電気抵抗値の測定がこの電気抵抗値の変化に追従できず、電気抵抗測定値の誤差が大きくなり、トリミング加工の精度が低下するという問題がある。そのため、従来、高精度なトリミングを行うときには、加工速度を十分小さくするか、加工速度を大きくする場合には一定の距離を加工する度にトリミングを一時停止し電気抵抗値を精度よく測定してからトリミングを再開する方法が採用されている。しかし、これらの方法はいずれも加工効率を低下させる。
【0008】
前述の問題点を解決するために、従来、以下の方法が提案されてきた。前記第1の問題点に関しては、トリミング精度を向上させるために、バイトサイズを小さくし、1レーザパルスあたりのトリミング量を小さくする方法がある。この方法により、前記ΔRの値を小さくすることができ、最終的な電気抵抗値の誤差が減少する。
【0009】
また、第2の問題点を解決する方法として、特開昭59−171103号公報に、抵抗比較回路を2つ以上設け、トリミング加工における初期の段階では加工速度を高速にし、途中で低速に切り替えることにより高い加工効率及び良好なトリミング精度を両立させる方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の解決策には以下に示すような問題点がある。バイトサイズを小さくして誤差を減少させる方法では、バイトサイズを小さくし過ぎると前述のオーバーラップ回数が多くなりすぎ、抵抗体及び基板素材のセラミックス等に損傷を与え抵抗体の信頼性を著しく損ねるという問題点がある。例えば、ビーム径を30μm、バイトサイズを1μmとすると、オーバーラップ回数は30回となるため、抵抗体及び基板素材に損傷を与え抵抗体を劣化させる。
【0011】
一方、特開昭59−171103号公報に開示された方法では、加工効率をある程度向上させることはできるが、前記第1の問題点を解決することはできない。また、加工効率の向上についても、この方法においては、加工プロセスの初期段階では加工速度を高速とするものの、途中から加工速度を低速に切り替えるため、加工効率の向上には限界がある。更に、加工速度の切り替えに際しては、レーザパルスのビーム経路を制御するビームポジショナ装置を動かす必要がある。ビームポジショナ装置にはガルバノメータ型及びリニアモータ駆動XYテーブル型等の種類があるが、いずれにしろ機械的な動作を伴うため、加工速度の切り替えを入力してから、実際に加工速度が変化するまでに遅れが発生する。トリミング精度を向上させるためにはトリミング終了時には加工速度を低速にしていなければならず、前述の遅れ時間の変動を見込み、十分早い時期にビームポジショナ速度を変更する必要があるため、高速で加工できる期間はより限定されてくる。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みて発明されたものであって、抵抗体に損傷を与えることなく、トリミング精度を向上し、更に高速で効率よく加工が行えるレーザトリミング方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレーザトリミング方法は、抵抗体の電気抵抗値を測定しながらレーザパルスを間欠的に照射することにより前記抵抗体のトリミングを行うレーザトリミング方法において、前記抵抗体の電気抵抗値における最終目標値とレーザトリミング中の測定値との差ΔRfmと、1回のレーザパルス照射により変化する前記電気抵抗値の測定値の変化量ΔRとし、前記レーザパルス照射の休止時間の初期設定値をTとし、前記ΔRfmが前記ΔR以下となったときその直前のレーザパルス照射から次のレーザパルス照射までの休止時間をTendとするとき、前記Tendを下記数式1により決定することを特徴とするレーザトリミング方法。
【0014】
【数1】
Tend=ΔRend/ΔR×T
【0017】
この方法により、従来一定であったレーザパルス照射期間の間の休止期間を、トリミングプロセスが進行するのに伴い最適に変化させることにより、高精度なレーザトリミングを実現できる。そして、従来不可避的に発生していた最終レーザパルス照射によるオーバーシュートの誤差をなくすことができ、トリミングの精度を向上させることができる。
【0018】
更に、前記レーザパルスとしてQスイッチレーザパルスを使用することが好ましい。
【0019】
本発明に係るレーザトリミング装置は、レーザパルスを間欠的に発振するレーザ発振手段と、前記レーザパルスの経路を制御する光学系制御手段と、被加工物を搭載しこの被加工物の位置を制御する輸送手段と、前記被加工物中の抵抗体の電気抵抗値を測定する測定手段と、前記レーザ発振手段、前記光学系制御手段、前記輸送手段及び前記測定手段に接続されこれらを制御することにより前記被加工物の抵抗体に任意のトリミング加工を施しその電気抵抗値を調節することを可能にする動作制御手段とを備えたレーザトリミング装置において、前記抵抗体の電気抵抗値における最終目標値とレーザトリミング中の測定値との差をΔRfmとし、1回のレーザパルス照射により変化する前記電気抵抗値の測定値の変化量をΔRとし、前記レーザパルス照射の休止時間の初期設定値をTとし、前記ΔRfmが前記ΔR以下となったときその直前のレーザパルス照射から次のレーザパルス照射までの休止時間をTendとするとき、前記Tendを上記数式1により決定する演算手段を有することを特徴とする。
【0020】
また、前記レーザトリミング装置において、前記レーザパルスはQスイッチレーザパルスであることが好ましく、前記演算手段はデジタルシグナルプロセッサであることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施例におけるレーザトリミング装置の構成を示すブロック図である。本レーザトリミング装置にはQスイッチパルスレーザ(以下、QSWパルスレーザという)を発振するレーザ光源2が設けられている。また、レーザ光源2の動作を制御するためのレーザ発振制御回路16の出力信号が、レーザ光源2に入力するようになっている。
【0022】
また、レーザ光源2の出力側には、レーザ光源2から発振されたQSWパルスレーザ17の経路を制御するガルバノメータ型レーザビームスキャナ3が設けられている。ガルバノメータ型レーザビームスキャナ3には、レーザ光源2から発振されたQSWパルスレーザ17を広げるビームエキスパンダ4、ビームエキスパンダ4を通過したQSWパルスレーザ17を任意の方向に反射するスキャナミラ7、スキャナミラ7の角度を制御するガルバノメータ6、スキャナミラ7により反射したQSWパルスレーザ17を収束させるf−θレンズ8、f−θレンズ8を通過したQSWパルスレーザ17を反射し被加工物10に照射するミラ9及びガルバノメータ6を制御するビームスキャナ制御回路5が設けられている。ビームスキャナ制御回路5から出力した信号はガルバノメータ6に入力し、ガルバノメータ6から出力された信号はスキャナミラ7に入力するようになっている。
【0023】
また、被加工物10は載物台11上に載置され、載物台11は載物台11及び被加工物10をXY方向に移動させるためのXYテーブル14上に搭載される。
【0024】
一方、被加工物10には、その電気抵抗値を測定するためのプローブ12が接続されている。プローブ12により検出された信号は、プローブ12の位置を調節するプローブ上下機構18を介して、電気抵抗測定器13に入力するようになっている。
【0025】
電気抵抗測定器13により測定された被加工物10の電気抵抗値は、電気信号に変換され出力されて、電気抵抗測定値からその変化量を演算により求めレーザパルス照射期間の間の休止時間を決定するための測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置15に入力する。測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置15から出力した信号は動作制御装置1に入力するようになっている。
【0026】
動作制御装置1は、レーザ発振制御回路16、ビームスキャナ制御回路5、XYテーブル14、電気抵抗測定器13、プローブ上下機構18及び測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置15の動作を制御するための装置である。動作制御装置1から出力される制御信号は、これらの各装置に夫々入力するようになっている。
【0027】
次に、図1に示したレーザトリミング装置の動作について説明する。抵抗体を有する電子部品等の被加工物10を載物台11上に載置し、被加工物10及び載物台11をXYテーブル14上に搭載し、プローブ12を被加工物10の抵抗体に接続する。ここで、動作制御装置1により制御信号を出力しXYテーブル14及びプローブ上下機構18に入力し、XYテーブル14及びプローブ上下機構18を駆動して被加工物10を最適な位置に移動させる。また、動作制御装置1により制御信号を出力して電気抵抗測定器13及び測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置15に入力し、これらを作動させる。
【0028】
次に、動作制御装置1により制御信号を出力しレーザ発振制御回路16に入力させてレーザ発振制御回路16を作動させ、ここから出力した信号をレーザ光源2に入力し、レーザ光源2にQSWパルスレーザ17を発振させる。一方、動作制御装置1によりビームスキャナ制御回路5を作動させ、ビームスキャナ制御回路5より出力させた制御信号をガルバノメータ6に入力し、これを作動させる。ガルバノメータ6はスキャナミラ7の角度を制御し、QSWパルスレーザ17の照射位置を制御する。
【0029】
レーザ光源2から発振したQSWパルスレーザ17は、ビームエキスパンダ4によりビーム径を広げられ、スキャナミラ7により所定の方向に反射され、f−θレンズ8により収束された後ミラ9に反射されて被加工物10の抵抗体に照射される。
【0030】
被加工物10の抵抗体において、QSWパルスレーザ17が照射した部分は抵抗体が蒸発する。これにより、トリミング加工がなされる。
【0031】
一方、抵抗体の電気抵抗値はプローブ12により検出され、この検出信号は電気抵抗測定器13に入力し抵抗体の電気抵抗値が算出される。電気抵抗測定器13はこの電気抵抗値を電気信号として測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置15に送り、ここでレーザパルス照射前後の電気抵抗値の変化量及びレーザパルス照射期間の間の最適な休止時間が演算され、この結果が出力され動作制御装置1に入力される。動作制御装置は、この結果を受けてレーザ発振制御回路に制御信号を送り、次のレーザパルスが照射されるタイミングに反映させる。
【0032】
次に、本実施例におけるレーザトリミング方法について説明する。本実施例において使用するレーザトリミング装置は、図1に示した装置である。本実施例のレーザトリミング方法は、トリミング終了の1パルス前までは従来通りバイトサイズを一定としてビームスキャナを走査し、抵抗体にレーザパルスを照射してトリミングを実施する。このとき、レーザパルス毎にレーザパルス照射前後における電気抵抗値の変化量ΔR及び電気抵抗値の目標値と測定値との差ΔRfmとを算出し、ΔRfmがΔR以下となった時点で最終レーザパルスを照射するタイミングを変化させる。但し、ΔRfmは前記目標値から前記測定値を減じた値とし、ΔRはレーザパルス後の測定値からレーザパルス前の測定値を減じた値とする。
【0033】
レーザパルス照射期間の間の休止時間の初期設定値をT、前記ΔRfmが前記ΔR以下となったときのΔRfmの値をΔRend、その直前のレーザパルス照射から次のレーザパルス照射までの休止時間をTendとするとき、Tendを前記数式1により決定する。
【0034】
この場合に、前記ΔRの算出に要する時間は前記Tend未満であることが必要であるため、前記ΔRの算出には高速演算装置を使用すると良い。図1に示すレーザトリミング装置においては、測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置15においてΔRが算出されるが、この測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置15として高速演算が可能なデジタルシグナルプロセッサを使用することが好ましい。
【0035】
次に、本実施例の効果について説明する。図2は、本実施例のレーザトリミング方法におけるレーザパルスの照射のタイミングと抵抗体の電気抵抗値の変化との関係を示す図である。図2において、抵抗体R1、R2及びR3におけるΔRendの値を夫々ΔRend1、ΔRend2及びΔRend3と示し、抵抗体R1、R2及びR3におけるTendの値を夫々Tend1、Tend2及びTend3と示す。また、図4は、従来のレーザトリミング方法におけるレーザパルスの照射のタイミングと抵抗体の電気抵抗値の変化との関係を示す図である。図2及び図4に示すとおり、本実施例の方法において、互いに初期電気抵抗値が異なる抵抗体R1、R2及びR3にレーザトリミングを施した場合、従来の方法により同じく互いに初期電気抵抗値が異なる抵抗体R4、R5及びR6にレーザトリミングを施した場合と比較して、最終的な電気抵抗値のばらつきは極めて小さくなり、ほぼ目標値に等しい値を実現できる。
【0036】
この理由について説明する。図3は、図2に示した抵抗体R1、R2及びR3におけるレーザパルス照射位置を示す平面図である。前記ΔRendの値に応じて、前記Tendを調節することにより、最終レーザパルス照射におけるバイトサイズが調節される。これにより、最終レーザパルス照射による電気抵抗値変化ΔRが最適に調節され、トリミング終了後の電気抵抗値がほぼ目標値Rfと等しくなるように制御される。
【0037】
例えば、図2及び図3に示す抵抗体R2について、その電気抵抗値の目標値と測定値の差ΔRfmが、n−1回目のパルス照射後にΔRよりも小さな値ΔRend2となった場合、n−1回目のパルス照射からn回目のパルス照射までの休止時間Tend2は、前記数式1より、Tend2=ΔRend2/ΔR×T となる。ここで、トリミング速度をVとすると、レーザパルス照射期間の間の休止時間TとバイトサイズLの関係は、下記数式2で示される。
【0038】
【数2】
L=V×T
【0039】
従って、抵抗体2における最終バイトサイズLend2は下記数式3により与えられる。
【0040】
【数3】
Lend2=V×Tend2=V×T×ΔRend2/ΔR=L×ΔRend2/ΔR
【0041】
ここで、バイトサイズLに対する測定値変化量ΔRの係数をkとすると、下記数式4が成立する。
【0042】
【数4】
ΔR=k×L
【0043】
従って、最終パルス照射による抵抗体2の電気抵抗値の変化量ΔRn2は、下記数式5で与えられる。
【0044】
【数5】
ΔRn2=k×Lend2=k×L×ΔRend2/ΔR=ΔRend2
【0045】
このように、最終パルス照射による抵抗体2の電気抵抗値の変化量ΔRn2は、電気抵抗値の目標値Rfと最終パルス照射前の電気抵抗値との差ΔRend2と等しくなる。従って、本実施例の方法により、トリミングのオーバーシュートをなくし、トリミング後の電気抵抗値を目標値にほぼ一致させることができる。
【0046】
ところで、測定値変化量ΔRは一定ではなく、トリミング距離の増加に伴い増加する。前記数式4で規定されたバイトサイズLに対する電気抵抗値変化量ΔRの係数kはトリミング距離の関数となる。従って、係数kを移動平均又は最小二乗法等の数学的手法にて算出し、最終パルス照射による抵抗体の電気抵抗値の変化量ΔRnを最終パルス照射前に推定することにより、レーザトリミングの精度を更に向上させることができる。この場合、Tendは下記数式6により与えられる。
【0047】
【数6】
Tend=ΔRend/(k×V)
【0048】
本実施例のトリミング方法においては、レーザパルス照射期間の間の休止時間を調整することにより最終的な電気抵抗値を制御するため、トリミング速度は最後まで一定であり、トリミング速度の減速により効率を低下させることがない。また、この休止時間の調整は機械的な動作を伴わないため、機械的動作に伴う遅延時間も発生しない。
【0049】
また、本実施例においては、抵抗体の電気抵抗値変化量の測定にデジタルシグナルプロセッサを使用しているためその演算速度は十分速く、電気抵抗値の変化に追従できずに電気抵抗測定値の誤差が大きくなり、トリミングの精度が低下するという問題は発生しない。
【0050】
更に、本実施例のトリミング方法によれば、極めて精度よくトリミングを行うことができるため、電気抵抗値の最終調整のために繰り返しレーザパルス照射を行う必要がなく、良好な状態のレーザ加工溝を形成できる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、加工速度の減速による加工効率の低下を伴わずに、また、過剰なパルス照射による抵抗体への損傷も発生させずに、従来不可避的に発生していた最終レーザパルス照射によるオーバーシュートの誤差をなくすことができ、トリミングの精度を向上させることができる。従って、例えば微小抵抗チップ等の小型部品において、加工速度を高速に保持したまま、高精度のレーザトリミングを実現し、生産性向上に大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるレーザトリミング装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例のレーザトリミング方法におけるレーザパルスの照射のタイミングと抵抗体の電気抵抗値の変化との関係を示す図である。
【図3】実施例のレーザトリミング方法における抵抗体R1、R2及びR3におけるレーザパルス照射位置を示す平面図である。
【図4】従来のレーザトリミング方法におけるレーザパルスの照射のタイミングと抵抗体の電気抵抗値の変化との関係を示す図である。
【図5】従来のレーザトリミング方法における抵抗体R4、R5及びR6におけるレーザパルス照射位置を示す平面図である。
【符号の説明】
1;動作制御装置
2;レーザ光源
3;ガルバノメータ型レーザビームスキャナ
4;ビームエキスパンダ
5;ビームスキャナ制御回路
6;ガルバノメータ
7;スキャナミラ
8;f−θレンズ
9;ミラ
10;被加工物
11;載物台
12;プローブ
13;電気抵抗測定器
14;XYテーブル
15;測定値変化量演算・レーザパルス間隔制御装置
16;レーザ発振制御回路
17;QSWパルスレーザ
18;プローブ上下機構
21;抵抗体R1の電気抵抗値
22;抵抗体R2の電気抵抗値
23;抵抗体R3の電気抵抗値
24;抵抗体R1に照射するレーザのパワー
25;抵抗体R2に照射するレーザのパワー
26;抵抗体R3に照射するレーザのパワー
27;レーザパルス
31;抵抗体R1におけるレーザトリミング加工溝
32;抵抗体R2におけるレーザトリミング加工溝
33;抵抗体R3におけるレーザトリミング加工溝
34;パルスレーザの照射位置
41;抵抗体R4の電気抵抗値
42;抵抗体R5の電気抵抗値
43;抵抗体R6の電気抵抗値
44;抵抗体R4、R5及びR6に照射するレーザのパワー
45;レーザパルス
46;トリミング終了後の電気抵抗値のばらつき
51;抵抗体R4、R5及びR6におけるレーザトリミング加工溝
52;パルスレーザの照射位置

Claims (4)

  1. 抵抗体の電気抵抗値を測定しながらレーザパルスを間欠的に照射することにより前記抵抗体のトリミングを行うレーザトリミング方法において、前記抵抗体の電気抵抗値における最終目標値とレーザトリミング中の測定値との差ΔRfmと、1回のレーザパルス照射により変化する前記電気抵抗値の測定値の変化量ΔRとし、前記レーザパルス照射の休止時間の初期設定値をTとし、前記ΔRfmが前記ΔR以下となったときその直前のレーザパルス照射から次のレーザパルス照射までの休止時間をTendとするとき、前記Tendを下記数式により決定することを特徴とするレーザトリミング方法。
    Tend=ΔRfm/ΔR×T
  2. 前記レーザパルスとしてQスイッチレーザパルスを使用することを特徴とする請求項に記載のレーザトリミング方法。
  3. レーザパルスを間欠的に発振するレーザ発振手段と、前記レーザパルスの経路を制御する光学系制御手段と、被加工物を搭載しこの被加工物の位置を制御する輸送手段と、前記被加工物中の抵抗体の電気抵抗値を測定する測定手段と、前記レーザ発振手段、前記光学系制御手段、前記輸送手段及び前記測定手段に接続されこれらを制御することにより前記被加工物の抵抗体に任意のトリミング加工を施しその電気抵抗値を調節することを可能にする動作制御手段とを備えたレーザトリミング装置において、前記抵抗体の電気抵抗値における最終目標値とレーザトリミング中の測定値との差をΔRfmとし、1回のレーザパルス照射により変化する前記電気抵抗値の測定値の変化量をΔRとし、前記レーザパルス照射の休止時間の初期設定値をTとし、前記ΔRfmが前記ΔR以下となったときその直前のレーザパルス照射から次のレーザパルス照射までの休止時間をTendとするとき、前記Tendを下記数式により決定する演算手段を有することを特徴とするレーザトリミング装置。
    Tend=ΔRfm/ΔR×T
  4. 前記レーザパルスがQスイッチレーザパルスであることを特徴とする請求項に記載のレーザトリミング装置。
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