JP3444036B2 - 紙塗工用共重合体ラテックスおよびその製造方法 - Google Patents
紙塗工用共重合体ラテックスおよびその製造方法Info
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Description
共重合体ラテックスに関し、更に詳しくは、塗工操業性
に優れ、かつ、印刷光沢、表面強度、剛度、耐ブリスタ
ー性、耐候性などの印刷適性に優れた塗工紙を与える共
重合体ラテックスおよびその製造方法に関する。
体とした紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れ
た塗工紙が製造されている。共重合体ラテックスは、そ
の優れた接着強度から、紙塗工用組成物の主バインダー
として使用されている。
塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、接着
強度、耐水性、剛度、インキ転移性、印刷光沢、耐ブリ
スター性、耐候性などの改良が要求されるようになっ
た。更に、近年はコスト低減の目的からバインダー量を
低減する要求が高まっており、このためより少量の添加
量でも十分な表面強度、印刷光沢を示すバインダーが求
められている。
おり、塗工操業性の改良、特に主な障害であるロール汚
れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性の低
減(べとつき防止性)も強く要求されている。
質、特に接着強度および印刷光沢の改良が求められ、そ
のために、例えば共重合体のゲル含量を調製する方法や
共重合体組成を調整するなどの改良方法が提案されてい
る。しかし、接着強度や印刷光沢とその他の特性とは、
互いに背反することが多く、全ての特性をバランスよく
高いレベルにすることは非常に困難である。
エン系単量体の量を増やして共重合体のガラス転移点を
低くする方法が試みられていたが、この方法では耐水
性、剛度ならびにべとつき防止性の低下が著しい。逆
に、ガラス転移点を高くすると、耐水性、剛度の点は良
好であるが、接着強度および印刷光沢の低下が著しい。
また官能基を有する単量体を多量に用いる方法では、接
着強度は改良されるが、ラテックスの粘度が異常に高く
なるので作業性が著しく低下し、かつ共重合体ラテック
スの製造コストが高くなる。
アン化ビニル単量体の使用量を増加させて共重合体の耐
油性を高めると、耐候性が著しく低下する。
れかの特性の改良が達成されたとしても、全ての要求を
満たすことは出来ず、ますます厳しくなる印刷における
諸要求を満たすことはできないのが現状である。
的課題を背景になされたものであり、塗工紙の表面強
度、を大幅に改良し、かつ耐ブリスター性、耐水性、剛
度、印刷光沢、耐候性に優れ、しかもべとつき防止性が
低減されて塗工操業性に優れた、紙塗工用に好適な、特
に高速オフセット印刷用紙の塗工用に好適な共重合体ラ
テックスおよびその製造方法を提供することを課題とす
るものである。
すなわち、請求項1記載の発明に係る紙塗工用共重合体
ラテックスは、(a)脂肪族共役ジエン系単量体35〜7
0重量%、(b)アルキル(メタ)アクリレート単量体3
0〜65重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量
体0〜2重量%(ただし、(a)+(b)+(c)=100重量
%)からなる単量体(A)を重合して得られ、ガラス転
移点が0℃以下である共重合体(B)5〜90重量部の
存在下に、(a)脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重
量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜
30重量%、および(d)これらと共重合可能な他の単量
体10〜89.5重量%(ただし、(a)+(c)+(d)=1
00重量%)からなる単量体(C)10〜95重量部
(ただし、(B)+(C)=100重量部)を重合して
得られる。
(B)のガラス転移点および単量体(C)を重合して得
られるガラス転移点である2つのガラス転移点を有し、
2つのガラス転移点の差が5℃以上であり、好ましく
は、共重合体(B)のガラス転移点より単量体(C)を
重合して得られるガラス転移点の方が5℃以上高いこと
を特徴としている。
テックスの製造方法としては、予め他の反応系で重合し
た請求項1記載の共重合体(B)の存在下に、請求項1
記載の単量体(C)を重合する方法、あるいは、請求項
1記載の単量体(A)を重合し、引き続き同一重合系内
で請求項1記載の単量体(C)を重合するが好ましい。
は、同一ラテックス粒子内に低いガラス転移点を有する
共重合体と高いガラス転移点を有する共重合体とが存在
することで、目的とする性能が得られる。すなわち、こ
の紙塗工用共重合体ラテックスは、ラテックス粒子中に
ガラス転移点の低い共重合体を有するために、高速印刷
における、変形速度の極めて大きい衝撃的な変形に対し
て高い耐性を有し、このために高い接着強度を示す。
部である共重合体(B)は、(a)脂肪族共役ジエン系単
量体35〜70重量%、(b)アルキル(メタ)アクリレ
ート単量体30〜65重量%、(c)エチレン系不飽和カ
ルボン酸単量体0〜2重量%(ただし、(a)+(b)+(c)
=100重量%)からなる単量体(A)を重合して得ら
れる。
族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、
イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロ
プレンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジ
エンである。
は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することがで
きる。
得られる共重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃
性を付与するために必須の成分であり、その使用割合は
単量体(A)に対して35〜70重量%、好ましくは4
0〜65重量%である。この(a)成分が35重量%未満
であると、共重合体が硬くなり過ぎ、耐衝撃性が十分で
なく接着強度が改良されない。一方、(a)成分が70重
量%を越えると重合速度が極端に低下し生産性が低下す
る。
(メタ)アクリレート単量体としては、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。これらの(b)アルキル
(メタ)アクリレート単量体は、1種単独で、あるいは
2種以上を併用することもできる。
単量体は得られる共重合体に耐候性を付与するための必
須の成分であり、その使用割合は単量体(A)に対して
30〜65重量%、好ましくは35〜60重量%であ
る。この(b)成分が30重量%未満では耐候性が著しく
低下し、一方、(b)成分が65重量%を越えると共重合
体が硬くなり過ぎ接着強度が低下する。
系不飽和カルボン酸単量体としては、例えばイタコン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸
などが挙げられる。これらの(c)エチレン系不飽和カル
ボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用
することもできる。
量体の使用割合は単量体(A)に対して0〜2重量%、
好ましくは0〜1重量%である。この(c)成分が2重量
%を超えると重合時のラテックスの安定性が悪く、凝固
物が生成し易くなる。
℃以下であることが必要であり、好ましくは−5〜−8
0℃である。このガラス転移点が0℃を越えると、共重
合体が硬くなり十分な接着強度が得られない。
分である単量体(C)は、(a)脂肪族共役ジエン系単量
体10〜60重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸
単量体0.5〜30重量%、および(d)これらと共重合
可能な他の単量体10〜89.5重量%(ただし、(a)
+(c)+(d)=100重量%)からなる。
ジエン系単量体、(c)エチレン系不飽和カルボン酸とし
ては、前記共重合体(B)に使用したものと同様のもの
を使用することができる。
エン系単量体は、得られる共重合体に適度な柔軟性と伸
びを与えるために必須の成分であり、その使用割合は単
量体(C)に対して10〜60重量%、好ましくは15
〜50重量%である。(a)成分が10重量%未満である
と共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が劣る。一方、
(a)成分が60重量%を超えると、耐水強度およびべと
つき防止性が極端に低下する。
使用量は、単量体(C)に対して0.5〜30重量%、
好ましくは2〜10重量%である。(c)成分が、0.5
重量%未満では重合時のラテックスの安定性が悪く、凝
固物が生成し易く、また得られるラテックスの機械的、
化学的安定性に劣る。一方、(c)成分が30重量%を越
えると、得られるラテックスの粘度が高くなり過ぎて、
その取扱いが難しくなり、作業性が低下し、実用性に欠
けるものとなる。
合可能な他の単量体としては、芳香族ビニル単量体、ア
ルキル(メタ)アクリレート単量体、シアン化ビニル単
量体、酢酸ビニル、(アルキルメタ)アクリルアミド系
単量体などが挙げられる。このうち、芳香族ビニル単量
体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンな
どが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられ、このうち特にメチルメタアクリレ
ートが好ましい。
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げら
れ、このうち特にアクリロニトリルが好ましい。
単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミドなどが挙げられる。
は2種以上を併用することもできる。
さ、接着性を付与するためのものであり、その使用量
は、単量体(C)に対して10〜89.5重量%、好ま
しくは30〜88.5重量%である。(d)成分の使用量
が10重量%未満では、共重合体が柔らかくなり過ぎ、
べとつき防止性、剛度が劣り、一方、(d)成分が89.
5重量%を超えると逆に硬くなり過ぎ、接着強度が劣
る。
る共重合体のガラス転移点は共重合体(B)よりも5℃
以上高いことが好ましく、このガラス転移点の差は、よ
り好ましくは10〜150℃、特に好ましくは30〜1
00℃である。ガラス転移点の差が5℃未満では均一な
構造のものと大きな差が発現しない。
量は、両者の比率で表すと、5〜90/95〜10重量
部、好ましくは10〜80/90〜20重量部である。
共重合体[B]の使用量が5重量部未満では(単量体
[C]の使用量が95重量部を越えると)、耐衝撃性が
十分でなく、接着強度が劣る。一方、共重合体[B]の
使用量が90重量部を越えると(単量体[C]の使用量
が10重量部未満では)、相対的にガラス転移点の高い
外層部分が少なくなり過ぎ、剛度およびべとつき防止性
が極端に低下する。
通常70〜350nm、好ましくは80〜250nmで
ある。
に際しては、公知の方法で水性媒体中で乳化剤、重合開
始剤、分子量調節剤などを用いて製造することができ
る。
活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが
単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレング
リコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げら
れる。
エチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエ
ーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられ
る。
してカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐
酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4
級アンモニュウム塩を持つものが挙げられ、具体的には
ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン
類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのも
のなどが用いられる。
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合
開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、
2,2’−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重
合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重
合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで
使用できる。
なども公知のものが使用できる。
臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコ
ール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィ
ドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチル
スチレンダイマーなど通常の乳化重合で使用可能なもの
を全て使用できる。
(B)を別の重合系で重合し、所定量を添加した後、単
量体(C)を添加して重合する方法、あるいは、同一重
合容器内で2段重合を行う方法が好ましい。
単量体混合物を全量一括で仕込み重合する方法、単量体
混合物の一部を重合した後、その残りを連続的にあるい
は断続的に添加する方法、あるいは単量体混合物を重合
の始めから連続的に添加する方法などを採ることができ
る。また、単量体(C)を重合する方法としては、単量
体混合物を全量一括で仕込み重合する方法、あるいは単
量体混合物を連続的に添加する方法などを採ることがで
きる。
合は好ましくは5〜80℃、より好ましくは5〜70
℃、単量体(C)を重合する場合は好ましくは20〜8
0℃、より好ましくは30〜70℃である。重合時間
は、通常10〜30時間である。
紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、上記共重
合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダー、
種々の助剤を配合して使用される。上記共重合体ラテッ
クスの配合量は、顔料100重量部に対して共重合体ラ
テックス1〜30重量部(固形分として)、好ましくは
3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1重量部
未満であると、接着強度が著しく低下し、一方30重量
部を超えるとインク乾燥性の低下が著しい。
ム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タ
ルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機顔
料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹
脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、
単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用するこ
とができる。
して、上記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カ
ゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性物質を必
要に応じて組み合わせて使用できる。
に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水性改良
剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、粘度調節剤、
蛍光染料およびpH調節剤を任意に配合することができ
る。
ト枚葉印刷機用およびオフセット輪転印刷機用に好適に
使用されるが、その他、凸版印刷、グラビア印刷などの
各種印刷用および、紙のコーティング剤、カーペットバ
ッキング剤、その他の接着剤、さらに塗料としても使用
することができる。
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
に制約されるものではない。なお、実施例において割合
を示す「部」および「%」はそれぞれ重量部及び重量%
を意味するものである。
200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム
0.5部および表1に示した第1段目の成分を一括して
仕込み、45℃で6時間反応させ、重合転化率が70%
以上であることを確認した。その後、続いて第2段目の
成分を60℃で7時間にわたって連続的に添加して重合
を継続させ、更に連続添加終了後6時間にわたって70
℃で反応させた。最終的な重合転化率は98〜99%で
あった。
ラス転移点、ラテックス粒子径およびトルエン不溶分を
以下の方法で求めた。その結果を表2に示す。
乾燥を行い、フィルムを作成した。この乾燥フィルムを
示差走査熱量計(DSC:デュポン社製)を用いてAS
TM法に準じて、20℃/分の昇温速度で測定した。
スは全て、DSCの測定から2つのガラス転移点が観測
された。
ー社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)で、
常法により求めた。
て測定した。共重合体ラテックスをpH8.0に調整し
た後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、
乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量
(100ml)のトルエンに20時間浸漬する。その
後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形
分の仕込の全固形分に対する重量%を求める。
製造した共重合体ラテックスを用いて、下記の処方によ
りオフセット印刷用紙塗工用組成物を調製した。
なるように適当量添加 この塗工紙用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面1
8.0±0.5g/m2となるように、電動式ブレード
コーター(熊谷理機工業製)で塗工し、150℃の電気
式熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。得られた塗工紙を
温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、
その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条
件でスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた塗
工紙の性能評価は以下の方法により行った。
判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないも
のほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示
した。
から、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を
肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少
ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均
値で示した。
村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
(熊谷理機工業製)を用いて測定した。
No.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間、
乾燥し、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙を合わ
せて、ベンチスーパーカレンダーにより線圧200kg
/m,温度70℃の条件下で圧着させる。両者をひきは
がして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で
5段階評価する。転写の少ないものほど高得点とした。
数値は測定回数6回の平均値で示した。
験機社製)にて60℃の条件下で20時間暴露し、YI
値を村上式カラーコンピューターにて測定した。
した。実施例1〜4は本発明の範囲の共重合体ラテック
スであり、それらを用いたオフセット印刷用の紙塗工用
組成物は、いずれも本発明の目的のもの、すなわち接着
強度に優れ、かつ耐水強度、印刷光沢、剛度、べとつき
防止性、耐候性に優れたものが得られた。
150部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
部、過硫酸カリウム0.2部および表3に示した成分を
一括して仕込み、45℃で8時間反応させ、重合転化率
が70%になった時点でN,N’−ジメチルヒドロキシ
ルアミン0.1部を添加して重合を停止させた。続い
て、スチームストリッピングにより未反応単量体を除去
し、冷却後、固形分を25%に調節した。
ラテックス120部(固形分として30部)、水60
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、
過硫酸カリウム1.0部および表4に示した成分を一括
して仕込み、65℃で8時間反応させた。最終的な重合
転化率は98〜99%であった。
4と同様にして、示差走査熱量計を用いて、ガラス転移
点が2個存在していることを確認した。また、粒子径お
よびトルエン不溶分を求めた。これらの結果を表5に示
す。
スを用いて、実施例1〜4と同様にしてオフセット印刷
用の紙塗工用組成物を調製し、塗工紙物性を評価した。
結果は表5に示した。実施例5〜7は、本発明の範囲の
共重合体ラテックスであり、それらを用いたオフセット
印刷用の紙塗工用組成物は、接着強度に優れ、かつ耐水
性、印刷光沢、剛度、べとつき防止性、耐候性に優れた
ものが得られた。
可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.
0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部および表6に示した
第1段目の成分を一括して仕込み、60℃で2時間反応
させた。その後、第2段目の成分を70℃で7時間にわ
たって連続的に添加して重合を継続させ、更に連続添加
終了後6時間にわたって75℃で反応させた。最終的な
重合転化率は98〜99%であった。
点、粒子径およびトルエン不溶分の測定を実施例1〜4
と同様にして行った。いずれの共重合体も、ガラス転移
点は1個しか観測されなかった。これらの結果を表7に
示す。
ックスを用いて、実施例1〜4と同様にして、オフセッ
ト印刷用の紙塗工用組成物を調製し、塗工紙物性を評価
した。その結果を表7に示す。
転移点が1個のものであり、得られた紙塗工用組成物
は、ドライ強度は実施例1〜4とほぼ同等であるが、ウ
ェット強度、印刷光沢、剛度、べとつき防止性および耐
候性が劣っている。比較例2の共重合体ラテックスも同
様にガラス転移点が1個のものであり、比較例1に比べ
てガラス転移点が高いものである。得られた紙塗工用組
成物は、べとつき防止性、剛度には優れるが、ドライ強
度が劣る。
可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.
0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部および表6に示した
第1段目の成分を一括して仕込み、50℃で6時間反応
させ、重合転化率が80%以上であることを確認した。
その後、続いて第2段目の成分を70℃で7時間にわた
って連続的に添加して重合を継続させ、更に連続添加終
了後6時間にわたって75℃で反応させた。最終的な重
合転化率は98〜99%であった。
4と同様にして、示差走査熱量計を用いて、ガラス転移
点が2個存在している事を確認した。共重合体ラテック
スのガラス転移点および他の特性は表7に示した。
スを用いて、実施例1〜4と同様にして、オフセット印
刷用の紙塗工用組成物を調製し、塗工紙物性を評価し
た。その結果を表7に示す。
移点は2個有しているが、共重合体(B)のガラス転移
点が0℃よりも高い例である。得られた紙塗工用組成物
は、ドライ強度、ウェット強度、印刷光沢、剛度、べと
つき防止性および耐候性ともに劣る。比較例4の共重合
体ラテックスは、実施例とほぼ同等のガラス転移点を2
個有しているが、共重合体(B)のメタクリル酸メチル
の割合が本発明の範囲より少ない例である。得られた紙
塗工用組成物は、耐候性が著しく劣る。
200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム
0.5部および表8に示した第1段目の成分を一括して
仕込み、45℃で6時間反応させ、重合転化率が70%
以上であることを確認した。その後、第2段目の成分を
60℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を継続
させ、更に連続添加終了後6時間にわたって65℃で反
応させた。最終的な重合転化率は98〜99%であっ
た。
4と同様にして、示差走査熱量計を用いて、ガラス転移
点が2個存在している事を確認した。共重合体ラテック
スのガラス転移点および他の特性は表9に示した。
クスを用いて、実施例1〜4と同様にして、オフセット
輪転印刷用の紙塗工用組成物を調製し、塗工紙物性を評
価し、さらに耐ブリスター性について以下のとおり評価
した。その結果を表9に示す。
(約6%)した後、加熱したオイルバスに投入し、ブリ
スターが発生するときの最低温度で示した。
ラテックスを用いたオフセット輪転印刷用紙塗工用組成
物であり、本発明の目的のもの、すなわち塗工操業性に
優れ、かつ接着強度、耐水強度、耐ブリスター性、印刷
光沢、剛度および耐候性に優れたものが得られた。
可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.
0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部および表10に示し
た第1段目の成分を一括して仕込み、60℃で4時間反
応させ、続いて第2段目の成分を70℃で7時間にわた
って連続的に添加して重合を継続させ、更に連続添加終
了後6時間にわたって75℃で反応させた。最終的な重
合転化率は98〜99%であった。
点およびその他の特性の測定を実施例1〜4と同様にし
て行った。いずれの共重合体も、ガラス転移点は1個し
か観測されなかった。結果を表11に示す。
スを用いて、実施例8〜11と同様にしてオフセット輪
転印刷用の紙塗工用組成物を調製し、塗工紙物性を評価
した。結果は表11に示した。比較例5および6は、ガ
ラス転移点が1個の共重合体ラテックスであり、得られ
た紙塗工用組成物は、耐ブリスター性は実施例8〜11
とほぼ同等であるが、ドライ強度、ウェット強度、印刷
光沢、剛度、べとつき防止性および耐候性が劣ってい
る。
ガラス転移点が1個のもので、比較例1に比べてガラス
転移点が高いものである。得られた紙塗工用組成物は、
べとつき防止性、剛度には優れるが、ドライ強度、耐ブ
リスター性が劣る。
いずれも実施例に比べて物性的なバランスは劣ってい
る。
度、耐水強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐候性、剛
度、べとつき防止性を有し、印刷適性ならびに塗工操業
性に優れた紙塗工用組成物を与える紙塗工用共重合体ラ
テックスおよびその製造方法を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 (a)脂肪族共役ジエン系単量体35〜7
0重量%、(b)アルキル(メタ)アクリレート単量体3
0〜65重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量
体0〜2重量%、(ただし、(a)+(b)+(c)=100重
量%)からなる単量体(A)を重合して得られ、ガラス
転移点が0℃以下である共重合体(B)5〜90重量部
の存在下に、(a)脂肪族共役ジエン系単量体10〜60
重量%、(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5
〜30重量%、および(d)これらと共重合可能な他の単
量体10〜89.5重量%(ただし、(a)+(c)+(d)=
100重量%)からなる単量体(C)10〜95重量部
(ただし、(B)+(C)=100重量部)を重合して
得られ、得られた共重合体は、2つのガラス転移点を有
し、かつ2つのガラス転移点の差が5℃以上であること
を特徴とする紙塗工用共重合体ラテックス。 - 【請求項2】 予め他の反応系で重合した請求項1記載
の共重合体(B)の存在下に、請求項1記載の単量体
(C)を重合することを特徴とする請求項1記載の紙塗
工用共重合体ラテックスの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の単量体(A)を重合し、
引き続き同一重合系内で請求項1記載の単量体(C)を
重合することを特徴とする請求項1記載の紙塗工用共重
合体ラテックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20139595A JP3444036B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 紙塗工用共重合体ラテックスおよびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0931895A JPH0931895A (ja) | 1997-02-04 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP3444036B2 (ja) |
-
1995
- 1995-07-14 JP JP20139595A patent/JP3444036B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0931895A (ja) | 1997-02-04 |
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