JP3541318B2 - 同軸コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、同軸ケーブルを接続対称物に接続するための同軸コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
同軸ケーブルを接続対称物に接続するために、従来は、接続対称物に接続されたレセプタクルコネクタと、同軸ケーブルに接続されたプラグコネクタとを使用し、これらを相互に嵌合させる。プラグコネクタは、導電性の中心コンタクト、導電性の外部コンタクト、及びこれらを絶縁した絶縁体を有している(例えば、特開平3‐250571号公報又は特開平9‐298081号公報参照)。レセプタクルコネクタも同様に、導電性の中心コンタクト、導電性の外部コンタクト、及びこれらを絶縁した絶縁体を有している。
【0003】
シグナルは、同軸ケーブルの中心導体と接続対称物との間で、プラグコネクタの中心コンタクトとレセプタクルコネクタの中心コンタクトとを通って流れる。一方、グランドは、ケーブルの外部導体と接続対称物の筐体との間で、プラグコネクタの外部導体とレセプタクルコネクタの外部導体とを通って流れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の同軸コネクタは、中心コンタクトを別部品として備えるため、部品点数を多く必要とする。さらに、多くの部品の組み立てを必要とするため組立工数が多くなる。また、シグナルやグランドが多くの部品を介して流れるため、部品同士の接続部、及び各部品内部の段差の影響で、高周波信号が反射されるため、高周波特性が劣化する。
【0005】
それ故に本発明の課題は、部品点数及び組立工数の削減と高周波特性の向上とが可能な同軸コネクタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、同軸ケーブルを接続対称物に接続するための同軸コネクタにおいて、内周に凸部と外周にテーパ部とを有しかつ径の拡縮を許すスリットが形成され、前記同軸ケーブルに嵌装される筒状の金属製クランプと、前記テーパ部に対応した斜面を有した金属製締め付け部材と、前記締め付け部材を係合保持するための、前記クランプとは別体に形成された金属製外郭部材とからなり、前記締め付け部材を前記外郭部材に係合させたときに、前記締め付け部材が前記クランプを縮径させて凸部を前記同軸ケーブルの外部導体にくいつかせ、かつ前記外郭部材を前記クランプ及び前記締め付け部材を介して前記外部導体に電気的に接続させかつ前記外郭部材に前記同軸ケーブルを保持させ、これにより前記同軸ケーブルの中心導体を中心コンタクトとして使用して前記接続対象物に直接接続するようにしたことを特徴とする同軸コネクタが得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る同軸コネクタについて説明する。
【0008】
図示の同軸コネクタは、同軸ケーブル1を接続対象物である基板2に接続するためのものである。同軸ケーブル1は、導電性の中心導体3と、中心導体3を取り巻いた絶縁体4と、絶縁体4を取り巻いて露出した導電性の外部導体5とを有している。中心導体3は端部を露出されている。なお、基板2は電気回路を備え、金属製の筐体6に収容されかつ固定されたものである。
【0009】
次に順次説明するように、同軸コネクタは、筒状のナット7と、筒状のクランプ8と、筒状のシェル9との三部品からなる。ナット7、クランプ8、及びシェル9は、いずれも金属製のものであり、同軸ケーブル1に端部からこの順で嵌合装着される。
【0010】
図3にも示すように、クランプ8は、内周に軸方向で互いに離間した複数のくさび又は凸部11と、外周にテーパ部12とを有している。テーパ部12はシェル9から離れるにつれて径が小さくなっている。クランプ8にはその径の拡縮を許すようにすり割又はスリット13が形成されている。スリット13はここでは軸方向にのびている。
【0011】
図4にも示すように、ナット7は、クランプ8の外側に嵌合する寸法をもつが、クランプ8のテーパ部12に対応した同じ角度の斜面14を有している。ナット7はまた、内面に雌ねじ15を有したものである。
【0012】
図5にも示すように、シェル9は、筐体6の外面にねじ部材16にて固定されて外郭部材となるものである。シェル9には、ナット7の雌ねじ15に螺合する雄ねじ17と、ねじ部材16を挿し通すための貫通穴18とが形成されている。なお、シェル9の中央孔19は、同軸ケーブル1の絶縁体4の外径と同じ若しくはそれよりも若干大きい内径をもつように作られている。
【0013】
次に、この同軸コネクタの組立について説明する。図2に示すように、ナット7、クランプ8、及びシェル9をこの順で同軸ケーブル1に嵌合させ、シェル9を筐体6にねじ部材16により固定する。その後に、図1に示すようにナット7の雌ねじ15をシェル9の雄ねじ17に螺合させて締め付ける。即ち、ナット7は締め付け部材として働く。
【0014】
ナット7を締め付ける過程で、ナット7の斜面14がクランプ8のテーパ部12を内側に向けて押すことになるため、クランプ8が縮径されて凸部11を同軸ケーブル1の外部導体5にくいつかせる。この結果、クランプ8及びナット7を介してシェル9に同軸ケーブル1が保持される。これにより同軸ケーブル1の中心導体3がコネクタの中心コンタクトとして使用され得るようになる。したがって、中心コンタクトとして別部品を使用する必要はないので、部品点数及び組立工数の削減が可能である。
【0015】
同軸ケーブル1の中心導体3は基板2に直に半田付けにて接続される。この結果、同軸ケーブル1から基板3に向けて又はその反対向きにシグナルを流すことができる。この場合、シグナルが同軸ケーブル1の中心導体3は基板2に実質上直接的に流れることになるので、高周波特性の劣化の虞はほとんどない。
【0016】
なお、同軸ケーブル1の外部導体5はクランプ8、ナット7、シェル9などを介して筐体6に接続されるので、同軸ケーブル1の外部導体5からこれらを介して筐体6にグランドを流すことができる。
【0017】
図6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る同軸コネクタについて説明する。同様な部分については、同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0018】
図示の同軸コネクタはバルクヘッドタイプのものであり、シェル9が筐体6にねじ部21の螺合により固定されている。これによれば、シェル9を筐体6に固定するためのねじ部材は不要である。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、部品点数及び組立工数の削減と高周波特性の向上とが可能な同軸コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る同軸コネクタの組み立て後の状態を示した半断面側面図である。
【図2】図1の同軸コネクタの組み立て前の状態を示した半断面側面図である。
【図3】図1の同軸コネクタに使用されたクランプを示し、(a)は正面図、(b)は半断面側面図である。
【図4】図1の同軸コネクタに使用されたナットの半断面側面図である。
【図5】図1の同軸コネクタに使用されたシェルを示し、(a)は正面図、(b)は半断面側面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る同軸コネクタの組み立て後の状態を示した半断面側面図である。
【符号の説明】
1 同軸ケーブル
2 基板
3 中心導体
4 絶縁体
5 外部導体
6 筐体
7 ナット
8 クランプ
9 シェル
11 くさび又は凸部
12 テーパ部
13 すり割又はスリット
14 斜面
15 雌ねじ
16 ねじ部材
17 雄ねじ
18 貫通穴
19 シェルの中央孔
21 ねじ部
Claims (1)
- 同軸ケーブルを接続対称物に接続するための同軸コネクタにおいて、内周に凸部と外周にテーパ部とを有しかつ径の拡縮を許すスリットが形成され、前記同軸ケーブルに嵌装される筒状の金属製クランプと、前記テーパ部に対応した斜面を有した金属製締め付け部材と、前記締め付け部材を係合保持するための、前記クランプとは別体に形成された金属製外郭部材とからなり、前記締め付け部材を前記外郭部材に係合させたときに、前記締め付け部材が前記クランプを縮径させて凸部を前記同軸ケーブルの外部導体にくいつかせ、かつ前記外郭部材を前記クランプ及び前記締め付け部材を介して前記外部導体に電気的に接続させかつ前記外郭部材に前記同軸ケーブルを保持させ、これにより前記同軸ケーブルの中心導体を中心コンタクトとして使用して前記接続対象物に直接接続するようにしたことを特徴とする同軸コネクタ。
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JP2001309050A JP3541318B2 (ja) | 2001-10-04 | 2001-10-04 | 同軸コネクタ |
Publications (2)
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- 2001-10-04 JP JP2001309050A patent/JP3541318B2/ja not_active Expired - Fee Related
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