JP3539844B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関し、より詳細には、ディスプレイ等に用いられるフルカラー表示可能な有機材料を用いた有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高度情報化に伴い、CRTよりも薄型、低消費電力、軽量の表示素子としてフラットパネルディスプレイへのニーズが高まっており、この種の表示素子としては、非発光型の液晶ディスプレイ、自発光型のプラズマディスプレイ、ELディスプレイなどが知られている。
【0003】
なかでも、自発光型の表示素子として、従来より、ZnS:MnやSrS:Ce等の材料を発光層として用いた無機EL素子が実用化されているが、これら無機電界発光素子は、駆動電圧に200Vもの高電圧が必要なことや青色で実用化に耐えうる高い輝度を持つ発光層が得られていない。
そこで、発光層として、有機材料を用いた有機EL素子が種々提案されており、これら有機EL素子は、低消費電力化が図れること、発光色が多様であることなどの利点を有するため非常に注目を集めている。
【0004】
従来の有機EL素子は、例えば、JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS VOL.27,NO.2,FEBRUARY,1988,PP.L369-L271等に記載されており、有機EL素子の対向電極間に電圧を印加して発光層内に電子及び正孔を導き、発光層内で形成される電子−正孔対の再結合エネルギーを蛍光として放出させることにより発光させることができる素子であり、発光輝度の制御が容易であることから、電流駆動による駆動方法が用いられている。
【0005】
このような有機EL素子をカラー化する方法としては、赤色、緑色、青色の3原色をそれぞれ発光する発光層を用いる方法(特開平3−269995号公報)、白色光をカラーフィルターにより3原色に分割する方法(特開平6−132081号公報)、青色又は紫外光を発色する材料を発光層に用いて波長変換蛍光体層を組み合わせて3原色を得る方法(特開平3−152897号公報)及び誘電体多層膜を利用して3原色を得る方法(特開平6−275381号公報)等が提案されているが、実際に、ディスプレイに応用する場合には、2色以上の発光の混色により色調の良い中間色の発光を得ようと思えば、各発光色に対応した画素の光度のバランスがとれいている必要がある。
【0006】
従来から、各発光色のバランスを取る方法としては、各発光色の種類によって、画素に印加する電圧値又は注入する電流値を制御する方法、電極面積を変えることで調整する方法等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記各発光色のバランスを取る方法においては、例えば赤色、緑色、青色の3原色を組み合わせて中間色を得るために、画素毎に印加する電圧値又は注入する電流値を制御しなければならず、画素毎に設けた制御回路の構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
また、電極面積を変えることで各発光色の光度レベルのバランスを取る方法は、無機EL素子において提案されているのみであり(特開昭63−274090号)、定電流駆動型の有機EL素子においては、必ずしも電極面積を変えても光度は変化しないという問題がある。
すなわち、透明基板上に、透明電極(陽極)としてITOをスパッタ法により形成し、正孔輸送層として下記構造式〔1〕のN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下、TPDと称す)を膜厚40nm、発光層として下記構造式〔2〕のトリス(8−ヒドロキシノリナト)アルミニウム(以下、Alq3 と称す)を膜厚40nm、上部電極(陰極)としてマグネシウム−銀合金膜を膜厚約200nm抵抗加熱型真空蒸着により形成するとともに(素子a)、上部電極(陰極)の面積が半分になるように形成する以外は素子aと同様に有機EL素子を形成し(素子b)、それぞれ同じ電流値を流して発光させた。
【0009】
【化1】
Figure 0003539844
【0010】
その結果、素子aの発光輝度は、素子bの発光輝度の半分になった。一方、素子aの電極面積は素子bの2倍である。よって、素子a及びbの光度は同じになり、電極面積を変えても光度は変わらないという問題が生じた。
このように、電流駆動型の有機EL素子においては、画素における電極面積を変化させるのみでは、色調の良い中間色を得られいていないのが現状である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、有機発光材料を含有する有機膜が交叉する一対の電極によって挟持され、該電極の交叉部に複数の画素を形成し、該電極間に定電流を流して前記複数の画素を2色以上の異なる発光色に発光させるように構成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記画素が、式(1)
logL=k logA+b (1)
(ただし、k≠1)を満たす発光輝度L−電流密度A曲線を示す有機発光材料を含有する有機膜により構成され、かつ発光色の種類によって少なくとも一方の電極が異なる電極面積を有する有機EL素子が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL素子は、定電流駆動型有機EL素子であり、主として、有機発光材料を含有する有機膜が交叉する一対の電極によって挟持され、この電極の交叉部に形成される複数の画素が、上記式(1)の発光輝度L−電流密度A曲線を満たすような有機発光材料を含有した有機膜により構成され、かつ発光色の種類によって少なくとも一方の電極が異なる電極面積を有するものである。
【0013】
本発明の有機EL素子は、好ましくは基板上に、下部電極、有機膜、上部電極がこの順で形成されて構成されるものであるが、基板上に、上部電極、有機膜、下部電極がこの順で形成されていてもよい。この場合の基板としては、特に限定されるものではないが、ガラス基板、石英基板、ポリアクリレート等の透明樹脂基板又はフィルム等が好ましい。なお、基板側から光を取り出す場合には透明基板であることが好ましいが、基板と反対側から光を取り出す場合には必ずしも透明基板を使用せずに、セラミック等の不透明基板を使用してもよい。また、基板上には後述する下部電極が直接形成されていてもよいが、接着層、絶縁層、平坦化膜、カラーフィルター、波長変換層、フォトルミネッセンス(PL)層及び誘電体多層膜の1つ以上が形成されていてもよい。
【0014】
また、本発明における有機発光材料を含有する有機膜としては、1種又は2種以上の有機発光材料を含有する単層膜、この単層膜を2層以上積層してなる多層膜、1種又は2種以上の有機発光材料と正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層又は接着層を構成する物質との混合物からなる単層膜、この単層膜を2層以上積層してなる多層膜など、いわゆる有機発光表示素子の発光層として機能することができる単層膜又は多層膜を意味する。また、前記有機膜は、上述した発光層として機能することができる単層膜又は多層膜に正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層又は接着層の1以上を積層して構成される多層膜等をも包含する。多層膜を構成する各膜の積層順は、その用途、機能等により適宜調整することができる。
【0015】
上記有機発光材料を含有する有機膜は、有機発光材料を真空中で加熱昇華させ基板(電極)上に成膜する真空蒸着法、有機発光材料を液面上に展開し、これを基板(電極)上に移し取るラングミュア−ブロジェット法(LB法)、有機発光材料を溶媒に溶解して溶液を調製し、この溶液を基板(電極)上に滴下してスピンコートするスピンコート法などにより、総膜厚が、例えば0.05〜50μm程度の膜厚で形成することができる。
【0016】
一対の電極は、従来から有機発光表示素子の陽極及び陰極等の電極材料として用いられているものであれば特に限定されるものではない。例えば、一対の電極を下部電極及び上部電極とすると、下部電極が陽極である場合には、仕事関数の大きい(例えば4.5eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物等等を利用することができる。具体的には、Auなどの金属、CuI、ITO、SnO2、ZnO等の透明電極材料等が挙げられる。
【0017】
上部電極は、下部電極と同様に従来から有機発光表示素子の陽極及び陰極等の電極材料として用いられているものであれば特に限定されるものではない。例えば、上部電極が陰極である場合には、仕事関数の小さい(例えば4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物等を利用することができる。具体的には、Ca、Na、Na−K合金、Mg、Mg−Ag合金、Li−Ag合金又はこれらの混合金属、Al/AlO2、インジウム、希土類金属が挙げられる。
【0018】
なお、基板側から光を取り出す場合には、少なくとも下部電極は透明電極であることが好ましく、基板と反対側から光を取り出す場合には、少なくとも上部電極が透明電極であることが好ましい。
また、上述した上下部電極としては、陽極材料同士を組み合わせても、相対的に下部電極(陽極)の仕事関数が上部電極(陰極)の仕事関数よりも大きくなるように電極材料を選択することにより使用することができる。具体的には、下部電極(陽極)にAu、上部電極(陰極)にITOの組み合わせを挙げることができる。上記においては、仕事関数の大小を説明するために4.5eVを挙げたが、下部電極と上部電極との電極材料における仕事関数の大小を説明するために例示したものであり、この値に限定されるものではない。
【0019】
なお、上下部電極は、上述のように、下部電極が陽極、上部電極が陰極であることが好ましいが、素子を構成する材料、方式等により、下部電極が陰極、上部電極が陽極であってもよい。
上述した下部電極及び上部電極は、公知の方法、例えばスパッタ法、EB法、CVD法、蒸着法等種々の方法により形成することができる。また、これら電極の膜厚は特に限定されるものではなく、例えば0.1〜1μm程度があげられる。
【0020】
本発明の有機EL素子において、複数の画素において2色以上の異なる発光色を有するとは、例えば、赤、黄、緑、青緑、青、紫、白及び黒の8色マルチカラー表示を実現するために、複数個存在する画素が3原色、つまり赤、緑及び青を発光する画素にそれぞれ形成されている場合等が挙げられる。なお、カラー表示のための発光色の組み合わせは必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0021】
複数の画素を2色以上の異なる発光色に発光させる方法としては、画素ごとに異なる色を発光する有機層(発光層)を形成する方法、同一の発光色を有する有機層の対応する画素にカラーフィルター、波長変換層、フォトルミネッセンス層又は誘電体多層膜等を形成して、画素ごとに異なる色を発光させる方法等がある。
【0022】
カラーフィルター、波長変換層、フォトルミネッセンス層、誘電体多層膜は、基板上、陽極下、有機膜の下等、特にその形成位置は限定されるものではない。また、これらを構成する材料としては特に限定されるものではなく、従来より有機EL素子、液晶表示装置用等に用いられているものをそのまま利用することができる。
【0023】
カラーフィルターとしては、例えば、アクリル系の光硬化樹脂に顔料を分散させた光感光性樹脂法を利用したものを挙げることができる。この場合、カラーフィルターは、光硬化樹脂をスピンコートにより薄膜状に形成し、フォトリソグラフィにより赤色用、緑色用、青色用のフィルターにパターニングすることにより形成することができる。パターンは、ストライプ配列、モザイク配列等とすることができる。また、ゼラチン法、干渉フィルタ法等を使用したものでもよい。カラーフィルターは、例えば数μm〜数十μmの膜厚とすることができる。
【0024】
波長変換層としては、アクリル系樹脂、光硬化樹脂に蛍光色素(例えば色素レーザ用色素等)を分散させたもの等が挙げられる。光硬化樹脂に蛍光色素を分散させたものを用いる場合、光硬化樹脂をスピンコートにより薄膜状に形成し、フォトリソグラフィにより赤色用、緑色用、青色用の波長変換層にパターニングすることにより形成することができる。パターンは、ストライプ配列、モザイク配列等とすることができる。波長変換層は、例えば数μm〜数百μmの膜厚とすることができる。また、薄膜の場合、励起用の青色光が吸収されずに透過してくる場合があるので、例えば、青色光を反射して緑又は赤色光を透過するような、複数の透明誘電体膜からなる干渉フィルタを1種又は2種以上併用し、励起光をフィルタ−金属電極間で何度も往復させて波長変換層に吸収させることで、緑又は赤色の蛍光を効率よく取り出すことができる。この場合、干渉フィルタは、波長変換層と基板との間又は光取り出し面の基板表面に形成することが好ましい。
【0025】
誘電体多層膜としては、酸化チタン、酸化珪素等の酸化物系透明誘電体材料やフッ化マグネシウム等のフッ化物系透明誘電体材料が挙げられ、多層膜はこれら透明誘電体を複数層形成したものが挙げられる。
また、本発明の有機EL素子においては、画素を構成する有機膜に含有されている有機発光材料の発光輝度L−電流密度A曲線が、式(1)
logL=k logA+b (1)
(ただし、k≠1)を満たすことが必要である。
【0026】
一般に、有機EL素子の発光輝度L−電流密度A特性は、両対数でプロットすると上記式で示したような直線で近似できる。
電極面積がS1 の素子に電流I1 を流した際、L1 の発光輝度が得られたとすると、この場合の電流密度はI1 /S1 であるので、式(1)中の定数bは log(L1 /(I1 /S1 k ) となり、式(1)は、
L=(L1 k ) /(I1 /S1 k (2)
と書換えることができる。また、電流密度Aは、電流をIとするとI/Sとなるので、式(2)は、
L=(L1(I/S)k ) /(I1/S1)k =L1(IS1/I1 S)k (3)と書き換えることができる。また、光度DはLSで求められるので、式(4)
D=L1 1-k (IS1/I1 k (4)
で表される。
【0027】
式(3)より、k値が1の場合、DはL1 IS1/I1 となり電極面積Sに依存しなくなる。よって、発光輝度−電流密度特性が式(1)で表され、かつkが1に近い場合は電極面積を変えても光度はほとんど変化せず、電極面積を調整することで色調を調整することは難しくなる。
一方、有機EL素子として発光輝度−電流密度特性が式(1)で表され、かつ式(1)中のk値が1とならない素子とした場合には、電極面積を変えることで光度を調整することができる。
【0028】
よって、画素における発光輝度−電流密度特性が式(1)で表され、かつ式(1)中のk値が1とならない素子を形成するために、式(1)を満たす特性を有する有機発光材料を選択する必要がある。
有機発光材料としては、例えば、機能材料(1987年、12月号、40頁等)に記載のピラゾリン、日本化学会誌(1991年、No. 11、1545頁等)に記載のオキサジアゾール誘導体(OXD−8,OXD−9,OXD−10)等が挙げられる。なお、k=1となる材料との違いの原因については、上記機能材料に記載の通り、現状発光層内で電子と正孔とが再結合した時に生じる三重項励起子が一重項励起子を生じる場合に発光される強度が電流密度の二乗に比例することから、その寄与の程度によりkの値が1よりも大きくなると考えられている。
【0029】
また、本発明における各画素は、発光色の種類によって少なくとも一方の電極が異なる電極面積を有するが、例えば、白色光を得るために、赤、緑、青の3原色で構成する場合には、赤、緑、青の各色に対応する電極面積が、赤、緑、青の各色に対応する画素の相対光度が、赤:20〜35%、緑:50〜75%及び青:5〜15%となるように制御されることが好ましい。
【0030】
少なくとも一方の電極を異なる電極面積とする方法としては、例えば、各画素における上部又は下部電極の一方又は双方の面積を変える方法、具体的には、発光色に対応した各画素に対応する下部電極及び/又は上部電極の幅を変えてストライプ状に形成する方法等が挙げられる。
なお、本発明は、単純マトリックス方式の有機EL素子のみならず、例えばTFT等を使用したアクティブマトリクス方式の有機EL素子にも使用することができる。
以下に、本発明の有機EL素子の実施例を説明する。
【0031】
実施例1
有機EL素子として、図1に示したように、ガラス基板1上に下部電極である陽極2としてITO膜を成膜し、その上に発光層4として下記構造式〔3〕
【0032】
【化2】
Figure 0003539844
【0033】
で表されるピラゾリンを約3μmの膜厚で形成し、その上に上部電極である陰極6としてアルミニウム膜を抵抗加熱蒸着により形成した(素子c)。
この有機EL素子に使用した発光材料の発光輝度−電流密度特性は、図2に示した機能材料(1987年、12月号、40頁)に記載の通り、両対数プロットすると近似的に直線で表すことができ、その直線の傾きは約3.6であると報告されている(図2は文献のデータを転記;図中■で表している)。
【0034】
また、陰極用の金属膜の蒸着時に金属マスクを用いて、陰極6の面積が素子cの1/2、1/4の素子を作製した(それぞれ素子d、素子e)。これら素子d及び素子eは、陰極面積が異なる以外は、作製方法、電極材料、発光材料、素子構成及び電極/発光層膜厚は、素子cと同じである。
素子c、d、eに同じ電流を流した時に得られた光度を素子cで得られた光度で割った値を電極面積に対してプロットしたものを図3に示す。なお、図3においては、素子cの陰極面積の値を1として示している。
【0035】
図3によれば、光度が電極面積に依存して変化しており、傾きkが1以上であるので、電極面積を小さくすることで光度を上げることが可能であることが確認された。
なお、上記において述べた素子aの発光輝度−電流密度特性を求めたところ、図2中○で表すような特性が得られた。この輝度−電流密度の両対数プロットは、近似的に直線Bに表すことができ、その直線の傾きは約1であった。よって、素子aにおいては、電極面積を変えても光度は変わらないことが確認された。
【0036】
このように、本発明の有機EL素子では少なくとも一方の電極面積を変えることで、光度を変化させることができるため、従来提案されているカラー化方式と組み合わせることで、色調の良いマルチカラー又はフルカラーディスプレイを実現することができることが確認された。
【0037】
実施例2
この実施例の有機EL素子は、図4(a)及び図4(b)に示したように、ガラス基板1上に赤色への波長変換層8a、緑色への波長変換層8b、青色への波長変換層8cを形成し、その上に平坦化膜9、陽極2、青色発光層4a、陰極6が順次形成された構造を有している。
【0038】
図4(a)においては、陽極2の幅を4:2:1と異ならせており、陽極2の幅に対応させて赤色への波長変換層8a、緑色への波長変換層8b、青色への波長変換層8cの幅も異ならせている。また、図4(b)においては、陽極2の幅は図4(a)と同様に形成し、赤色への波長変換層8a、緑色への波長変換層8b、青色への波長変換層8cの幅は同じ幅に形成している。
このように、陽極2の幅を異ならせることにより、各色の発光光度を調整することができ、色調の優れた中間色を得ることが可能となる。
【0039】
実施例3
この実施例の有機EL素子は、図5に示したように、ガラス基板1上に陽極2としてITO膜が形成されており、この上に正孔輸送層3としてTPDが約60nm、下記構造式〔4〕で表されるオキサジアゾール誘導体からなる青色発光層4aが約40nmで順次抵抗加熱蒸着により形成されており、
【0040】
【化3】
Figure 0003539844
【0041】
さらにその上に、陰極6としてマグネシウム−銀が約200nm抵抗加熱蒸着により形成されている(素子f)。
この素子fに使用した発光材料の発光輝度−電流密度特性は、図2に示した機能材料(1987年、12月号、40頁)に記載の通り、両対数プロットすると近似的に直線で表すことができ、その直線の傾きは約2であると報告されている(図2は文献のデータを転記;図中◆で表している)。
【0042】
実施例4
この実施例の有機EL素子は、図6(a)に示したように、ガラス基板1上に陽極2としてITO膜が形成されており、この上に正孔輸送層3としてTPDが約60nm、オキサジアゾール誘導体を含有する青色発光層4aが約40nmで順次形成されており、さらに、その上に陰極6としてマグネシウム−銀が形成されている。
【0043】
但し、陽極2形成はITOをスパッタリングにより形成した後、フォトリソグラフィ工程により、それぞれ幅0.7mm、1.2mm、1.2mmになるようにパターニングした。また、陰極6形成は金属マスクを用い、幅4mm、ピッチ4.5mmになるように形成した。
さらに、別のガラス基板1′に幅1.4mm、ピッチ1.5mmになるように赤色への波長変換層8a、緑色への波長変換層8b、波長変換を起こさないブランク層8dを形成した。赤色への波長変換層8aは、ローダミン6Gを0.1〜5%ポリカーボネート樹脂に分散させたものを使用した。緑色への波長変換層8bは、クマリン540を0.1〜5%ポリカーボネート樹脂に分散させたものを使用した。これら赤色への波長変換層8a、緑色への波長変換層8b、波長変換を起こさないブランク層8dの膜厚は数十ミクロンである。
【0044】
上記で得られたガラス基板1とガラス基板1′とを、陽極2のラインと波長変換層8a、8b、8cのラインが対応するように透明接着剤で張り合わせ、図6(a)に示すような素子を作製した(素子h)。この時、波長変換層8aと幅0.7mmで形成したITO(陽極2)とが対応している。
各画素に同じ電流を流し、色度を測定した。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003539844
【0046】
なお、図6(a)の素子hと、陽極2の幅がすべて同じである以外は同じ構成の素子iを素子hとの比較のために作製し、素子iについても各画素に同じ電流を流し、色度を測定した。
表1から、素子iでは、色度はCIE表色系で(0.25、0.31)になり、色バランスが少し崩れており、白色でなく少し青みがかかっていた。一方、素子hでは、赤色の波長変換層8aに対応する陽極2の幅を若干変化させたのみで、色度はCIE色度表で(0.33、0.34)となり、白色が得られた。このことから、電極面積を調整することで、例えば本実施例では、赤色画素の面積を変えて光度を変えることで、色バランスを調整できることが確認できた。
【0047】
実施例5
この実施例の有機EL素子は、図7(a)に示したように、ガラス基板1上に陽極2、発光層及び陰極6が順次形成されており、赤、緑、青色の各発光色を有する発光層4c、4b、4aの幅を、各陽極2の幅に対応させて異ならせている。
【0048】
このような構成により、各色の発光光度を調整でき、色調の優れた中間色を得ることが可能となる。
また、図7(b)では、陽極2の面積のみを異ならせて、発光層4c、4b、4aの幅を同一とした以外は図7(a)と同様の構成を有している。
このような構成によっても、各色の発光光度を調整でき、色調の優れた中間色を得ることが可能となる。
【0049】
実施例6
この実施例の有機EL素子は、白色発光層13からの白色発光光をカラーフィルターにより赤色、緑色、青色に分離して3原色を得るカラー方式との組み合わせたものである。
【0050】
この有機EL素子は、図8(a)に示したように、ガラス基板1上に赤色カラーフィルター10a、青色カラーフィルター10b、緑色カラーフィルター10c、平坦化膜9、陽極2、白色発光層13、陰極6が順次形成されて構成されており、カラーフィルター10a、10b、10cの幅を、各陽極2の幅に対応させて異ならせている。
【0051】
また、図8(b)では、陽極2の面積のみを異ならせて、カラーフィルター10a、10b、10cの幅を同一とした以外は図8(a)と同様の構成を有している。
このような構成の素子においては、各色の発光光度を調整でき、色調の優れた中間色を得ることが可能となる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、画素が、上記式(1)を満たす発光輝度L−電流密度A曲線を示す有機発光材料を含有する有機膜により構成され、かつ各画素が発光色の種類によって異なる電極面積を有するので、各画素を一定の電流で駆動したときに生ずる各発光色の種類によって生じる画素の輝度の違いを補正することができ、一定の駆動電流にて各発光色の種類に応じた所望の輝度を得ることが可能となる。よって、従来必要とされた複雑な駆動回路が不必要となり、かつ、色調の良いフルカラー表示が可能となり、より容易かつ安価にフルカラー表示可能な有機EL素子を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の実施例を示す概略断面図。
【図2】本発明及び従来の有機EL素子における輝度−電流密度の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の有機EL素子における光度−電極面積の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の有機EL素子の別の実施例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の有機EL素子のさらに別の実施例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の有機EL素子のさらに別の実施例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の有機EL素子のさらに別の実施例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の有機EL素子のさらに別の実施例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、1′ ガラス基板
2 陽極(下部電極)
3 正孔輸送層
4 発光層
4a 青色発光層
5 電子輸送層
6 陰極(上部電極)
8a 赤色の波長変換層
8b 緑色の波長変換層
8c 青色の波長変換層
8d ブランク層
9 平坦化膜
10a 赤色 カラーフィルター
10b 青色 カラーフィルター
10c 緑色 カラーフィルター
13 白色発光層

Claims (1)

  1. 有機発光材料を含有する有機膜が交叉する一対の電極によって挟持され、該電極の交叉部に複数の画素を形成し、該電極間に定電流を流して前記複数の画素を2色以上の異なる発光色に発光させるように構成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記画素が、式(1)
    logL=k logA+b (1)
    (ただし、k≠1)を満たす発光輝度L−電流密度A曲線を示す有機発光材料を含有する有機膜により構成され、かつ発光色の種類によって少なくとも一方の電極が異なる電極面積を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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