JP3539818B2 - 巻鉄心の製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、非晶質磁性合金薄帯からなる1ターンカット方式の巻鉄心を円滑・良好に巻回することができる改良された巻鉄心の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、配電用変圧器には、その鉄心材料として非晶質(アモルファス)磁性合金薄帯(以下、単に磁性薄帯という)を使用した変圧器鉄心が種々開発され実用化されている。前記変圧器鉄心として用いる磁性薄帯は磁性合金の溶融体を超急冷して製造するもので、鉄損が非常に小さく優れた磁気特性を備えている。そして、前記磁性薄帯を用いて変圧器の鉄心を製造する場合は、一般に一対の継鉄部のうち、一方の継鉄部にバットジョイントやラップジョイント等の接合部を備えた所謂、1ターンカット方式の巻鉄心が今日では多く製造されている。
【0003】
前記1ターンカット方式の巻鉄心は、例えば、磁性薄帯を1ターン毎に切断した単位鉄心を複数枚(20〜30枚)にまとめて単位鉄心素体を設け、この単位鉄心素体を更に複数層に積層して単位鉄心ブロック(以下、単に積層体ブロックと称する。)を形成し、巻鉄心の組立に当たっては、前記積層ブロックを円形に巻回して単位鉄心素体の両端を順次階段状にずらしながら突合せ又は重ね合わせて接合し、この積層ブロックを、更に、所要層数前記同様に巻回積層して所定の積層厚となした1ターンカット方式で円形に巻回した巻鉄心を構成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前記単位鉄心素体を複数層に積層した積層体ブロックを円形に巻回する場合、即ち、磁性薄帯を用いて巻鉄心の巻回を行う場合、前記磁性薄帯は極薄で、しかも、その表面は平滑度が高いため非常に滑りやすい。この状態で、磁性薄帯からなる積層体ブロックを巻回する際、磁性薄帯がその巻回途中で滑動したりすると、巻回後その接合部分に大きな空隙が生じたり、あるいは、接合部が重合したりして磁束の流れに悪影響を与え、巻鉄心の鉄心特性を損うという問題があった。
【0005】
又、磁性薄帯は前記のように非常に滑りやすくなっているので、巻回中に巻鉄心の軸方向にもずれやすく、この結果、巻鉄心の積層端面が不揃いとなりやすい。このような状況で巻鉄心を製造すると、変圧器の運転中に前記不揃い部分の鉄心片が振動して騒音を発生したり、前記鉄心片が振動によって欠落し、金属破片となってこれが油中に浮遊することにより、巻線の絶縁劣化を促進するという問題もあった。
【0006】
本発明の目的は、前記種々の問題点に鑑み、材料自体の磁気特性は非常に優れているものの、鉄心材料としては、その取扱いが極めて難しい磁性薄帯を用いて1ターンカット方式の巻鉄心を、その鉄心特性を低下させることなく、容易に、しかも、効率的に巻回することにより、巻鉄心の生産性を向上させるようにした巻鉄心の製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の問題点を解決するために1ターンカット方式の巻鉄心の巻回にあたり、あらかじめ、巻戻し装置により所定の基準寸法となる長さ寸法分だけ巻戻した複数枚の磁性薄帯を重ね合わせた状態で、これを同一の長さ寸法で複数回数切断して、巻鉄心の最内層となる1ブロックの単板状の鉄心素板を形成し、つづいて、前記鉄心素板の長さ寸法を基準として、以後巻回する鉄心素板の周長に、順次2πt(tは鉄心素板の厚さ)に相当する長さ寸法だけ増す制御設定を行い、長さ寸法の異なる1ブロック分の鉄心素板を順次切断装置により切断して形成し、前記長さ寸法の異なる鉄心素板を、複数層づつ整列定規等を用いて順次階段状にずらして1巻回分の積層体ブロックを形成する。前記のようにして次層以降の各巻回層分の積層体ブロックも同様に形成する。
【0008】
次に、前記積層体ブロックを順次巻回装置の搬送台に乗載し、この積層体ブロックを、前記搬送台上を左右動する搬送装置により挟持して巻取装置の巻込位置まで搬送する。前記積層体ブロックが巻込位置に達すると、前記搬送のための挟持が解かれると同時に、積層体ブロックの上に搬送装置に取付けた押え板が降下乗載され、かつ、積層体ブロックの前方に搬送装置に設けた巻込案内ガイドが、巻取装置に具備した巻取枠と近接する位置まで進入する。この状態で、前記積層体ブロックは、搬送台に設けた送りローラ等からなる送出装置により巻取枠の方向に直線上に送り出される。そして、積層体ブロックの先端が巻取枠と衝接する直前の位置に達すると、前記巻込案内ガイドにより強制的に巻取枠の回転方向側に曲成されながら巻取装置の巻込みベルトによって駆動する前記巻取枠に直接、あるいは、既に巻回されている積層体ブロックの外周に、各積層体ブロックの接合部がずれないように所定の位置に保持させながら巻回する。
【0009】
そして、前記各積層体ブロックの巻取枠への巻回に際しては、前記巻取装置の手前側において、巻取枠に巻回される積層体ブロックの巻始め端が、その巻回途中で反り返ったりするのを良好に回避する弾力性に優れた金属、あるいは、合成樹脂性の弾性薄板からなる積層体ブロック押圧片が、昇降手段に取付けられて、前記積層ブロックの巻回に追随するように構成されているため、各積層体ブロックは、その巻回に当り滑動(スリップ)したり、軸方向にずれたりすることなく、巻回することができる等、本発明は積層体ブロックの搬送から巻取りまでの作業を、すべてコントローラに内蔵したマイクロコンピュータにプログラム設定されている駆動シーケンスにて所定回数繰り返すことにより、1ターンカット方式の巻鉄心を巻回形成するようにしたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、磁性薄帯を複数枚重ね合せた状態で、これを複数回同一寸法により切断し、これらを積層して巻鉄心の最内層となる鉄心素板を形成するとともに、前記鉄心素板の長さ寸法を基準として順次巻回する鉄心素板の周長に2πtづつ長くしながら切断して所定長さの鉄心素板を形成し、前記長さ寸法の異なる複数層の鉄心素板を階段状に整列させながら順次積層して平板状の積層体ブロックを形成する。そして、前記積層体ブロックを挟持して搬送する手段、搬送終了地点において積層体ブロックを押圧する手段、積層体ブロックを巻取枠の巻込位置まで案内する巻込案内手段を備えた搬送装置と、搬送された積層体ブロックを巻取装置の巻込位置まで送出する送出手段と、前記巻込位置まで送出された積層体ブロックを、巻取枠に巻取るための前記巻取枠をベルト手段により駆動させる巻取枠駆動手段とによって構成した巻回装置により、前記積層体ブロックを順次巻回して巻鉄心を形成するようにしたので、従来のけい素鋼帯に比べて非常に薄く、しかも、脆い性質の磁性薄帯の巻回に当り、前記積層体ブロックを、磁性薄帯の鉄心特性に影響を及ぼさない範囲で適当な巻締力を付与しながら巻回することができる。
【0011】
特に、本発明においては、積層体ブロックの巻回に際しては、前記巻取装置の巻込位置に昇降可能に形成した積層体ブロック押圧片によって、巻取枠に既に巻回された積層体ブロックの巻始め端側を、巻込ベルトが存在していない部位においても巻回に支障のないように押圧付勢しているため、積層体ブロックがその巻回途中に滑動して巻始め端と、巻終り端との接合が不完全となったり、あるいは、巻回した積層体ブロックの積層端面側がずれたりして不揃いとなる等の弊害を確実に解消して、磁性薄帯からなる巻鉄心を円滑・良好に巻回することができる。しかも、巻取枠自体を積層体ブロックの巻込みが容易に行うことができるように押圧する押圧手段の採用により、更に、積層体ブロックの巻込みが容易に行える。
【0012】
前記のように、本発明は、積層体ブロックの巻回時、磁性薄帯を何枚も積層して巻回することになるため、滑動により位置ずれが生じやすくなっているが、自重力による押圧手段及び巻込位置まで良好に曲成案内する巻込案内手段、更には、積層体ブロック押圧手段が具備されていることにより、積層体ブロックが滑動することによって、その接合部や積層端面の不揃いによる弊害及び巻取枠との接衝により磁性薄帯の折曲・破損や巻回面にしわが生じたりする問題が確実に解決でき、これにより、磁気特性に優れた磁性薄帯を使用しての巻鉄心の巻回を、鉄心特性の低下を招くことなく、容易に、しかも、効率的に行い得、この種巻鉄心の生産性を飛躍的に向上させることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1ないし図9により説明する。最初に図1において、1はフープ材として磁性薄帯2を所定の長さづつ巻戻しを行う巻戻し装置で、前記磁性薄帯2はそれぞれ図示しない電動機によって駆動するドラム3に巻取られており、本実施例では、磁性薄帯2を5枚重ねて切断する関係上、磁性薄帯2をフープ状に巻取ったドラム3を5個用いた例について説明する。各ドラム3に巻取られた磁性薄帯2は、ドラム3を電動機にて磁性薄帯2を巻戻す方向に駆動させることにより、それぞれガイドローラ4,5を介して切断装置9側に巻戻される。そして、前記個々にドラム3から巻戻された磁性薄帯2は、図1で示すように、巻戻し装置1の終端側のガイドローラ5の位置において、自重によりループ状に一旦弛ませて5枚重ねとする。前記ループ状に弛ませた磁性薄帯2のループLの長さ設定は、例えば、図示しない発光素子と受光素子とからなる検出装置にて、ループLの下方端が所定の長さ垂下すると、発光素子の光が磁性薄帯2に遮ぎられ受光素子に受光されなくなったとき、前記受光素子から発する信号にてドラム3を駆動する巻戻し装置1の電動機を停止させて磁性薄帯2の巻戻しを一旦中止し、逆に、発光素子の光を受光素子が受光したときは電動機を起動させて磁性薄帯2の巻戻しを行わせることによってループLの長さを設定する。
【0014】
前記ループ状に弛ませた磁性薄帯2は、5枚重ねとなした状態で、ガイドローラ6,ガイド金具7を介して磁性薄帯2の送込装置8によって切断装置9側に送出するもので、前記ガイド金具7は5枚重ねとした磁性薄帯2が個々にその幅方向に揺動しないように案内するものであり、例えば、縦断面がコ字状に形成されており、又、磁性薄帯2の送込装置8は、従動ローラ8aと電動機M1 にて駆動するロータリエンコーダRE1 を具備した駆動ローラ8bとによって構成され、前記電動機M1 は後述する図2で示すコントローラCからの指令信号によってその回転数が設定されている。更に、前記切断装置9は固定カッタ9aと、可動カッタ9bとからなり、この切断装置9も磁性薄帯2の送込装置8と同様に前記コントローラCからの指令信号にて駆動するように構成されている。
【0015】
つづいて、図1において、10は複数枚(5枚)積層して同一寸法で切断された磁性薄帯2からなる鉄心素板11を載せる載置台を示し、本実施例においては、切断装置9により切断された複数枚(5枚)の鉄心素板11を、例えば、6回同じ長さ寸法で切断したものを順次載置台10上において、図示しない直角形の整列定規を用いて前記複数枚の鉄心素板11を同一位置に整列・積層する。このように、切断された同一長さ寸法の鉄心素板11を複数枚(本例では30枚)整列定規により整列させて一つの単位積層体11aを(図4参照)を形成する。
【0016】
前記のように、一つの単位積層体11aに相当する長さ寸法の鉄心素板11の切断が終了すると、次の単位積層体11b(図4参照)を形成するための鉄心素板11の切断が前記同様にして行われる。この際、切断される鉄心素板11の長さ寸法は、例えば、図18に示す巻鉄心Tの接合部T1 を突合せ接合するときは、前層の単位積層体の長さ寸法に2πt(tは単位積層体の積層厚)を加算した長さとなり、この長さ寸法はコントローラCから出力される指令信号により磁性薄帯送込装置8を駆動させて、磁性薄帯2を前記長さ寸法分だけ切断装置9側に送出し、次層の単位積層体11bを形成するための鉄心素板11を切断する。
【0017】
そして、前記単位積層体11bの形成に際しては、前層の単位積層体11aとの接合部T1 の位置をずらすために、例えば、単位積層体11a上に載せた図示しない整列定規の隅角部に板状の図示しない縦長の位置決め定規を当がい、この位置決め定規に一方端を当接させて次層の単位積層体11bを、前層の単位積層体11a上に一定の寸法分だけ長さ方向にずらして整列・積層するものである。このようにして、所定数の単位積層体11a,11b,11c,11dを図4のように階段状にずらした状態で、複数層積層して図4に示す積層体ブロック15を設ける。
【0018】
次に、図2で示す16は各積層体ブロック15ないし15cを図18で示すように、各積層体ブロック15ないし15c毎に順次円形に巻回して巻鉄心Tを構成するための巻鉄心巻回装置(以下、単に巻回装置と称する)であり、この巻回装置16は大別すると、各積層体ブロック15ないし15cを挟持して先端が後述する巻取装置まで延設した搬送台17上を移動させる搬送装置18と、前記搬送された積層体ブロック15を巻取枠19に順次巻取るための巻取装置20と、前記搬送された積層体ブロック15を巻取装置20の巻込位置S(図4参照)まで送出する送出装置45とによって概略構成されている。なお、単位積層体11a,11b,11c────を積層して積層体ブロック15を形成する載置台10は、前記搬送台17と連結したり、あるいは、近接して設置されている。
【0019】
前記巻回装置16において最初に搬送装置18の詳細構造について説明する。図2,3,6において、21は巻回装置16の基台を示し、この基台21の上面には、その長さ方向に沿って図3,6で示すように、案内レール22が2条所定の間隔で敷設されている。そして、前記基台21上には、図6で示すように、搬送台17が基台21との間に空間を保って配置されており、この搬送台17はその長さ方向と直交する縦断面をほぼコ字型をなして、その長さ方向の両端部に配設した支持枠体(図4に一方のみ図示)21aに支着されており、しかも、搬送台17の上面中央には、同じく、図6に示す如く、長さ方向に沿って空孔を形成し、その中心部に断面コ字型のガイド部材23を遊合させて前記支持枠体21a(一方のみ記載)間に横架することにより、搬送台17の上面にその長さ方向に沿って2条のガイド溝24を形成する。
【0020】
次に、前記搬送装置18は搬送台17のガイド溝24に沿って搬送台17を前後(図3の左右方向)動できるように構成されており、その構造は図3,6で示すように、搬送台17を跨ぐようにして底板25aを案内レール22に移動可能に係合させた中空角筒状の搬送枠体25と、この搬送枠体25の底板25a上に搬送台17の上面と合致するようガイド溝24に臨ませて立設した板状の一対の挟持台26,26と、ガイド部材23の下側において該挟持台26,26間に固着されて搬送台17の後部(図2の右側)内側に取付けた電動機27と駆動連結する回転螺軸28を螺合・貫通させた移動台29とによって概略構成されており、電動機27により回転螺軸28を回転すると、移動台29を介して搬送枠体25を案内レール22に沿って搬送台17の前後方向(図2の左右方向)に移動させる。
【0021】
つづいて、図3,6において、30,31は搬送装置18の挟持台26,26にピストンロッドa,bと対応させて搬送枠体25の天板25bに垂設したシリンダで、搬送台17に順次乗載した積層体ブロック15を挟持台26,26とピストンロッドa,bとの間で挟持して搬送台17上を移動させる。32,33は搬送枠体25の天板25b上において、取付位置を互いに上下方向にずらし、かつ、ピストンロッドc,dをそれぞれ相対応する方向に位置させた状態で、2個1組として配設したシリンダ群で、各シリンダ32,33のピストンロッドc,dの先端にはワイヤ34,34aの基端が溶接等によって止着されている。
【0022】
35は搬送枠体25内に配置した押え板で、この押え板35は、例えば、図3で示すように、シリンダ32,33のピストンロッドc,dと対応する位置において、天板25bの前,後部に垂設したワイヤガイド36,37に挿通させた前記ワイヤ34,34aにより、搬送台17との間で積層体ブロック15が乗載できる間隔で吊設されている。又、前記押え板35は図7で示すように、幅方向の端部側にシリンダ30,31のピストンロッドa,bが貫通する長孔eが、中心部には横長な切欠孔fがそれぞれ穿孔されている。更に、前記押え板35の後部(図9の右側)には、切欠孔fの開口端を塞ぐようにしてストッパー38が押え板35の幅方向と平行に止着されている。
【0023】
図3において、39は搬送枠体25の後部側において天板25bに垂設した係止片で、押え板35が一定の距離移動した場合、ストッパー38が前記係止片39と衝接して押え板35の移動範囲を規制する。40,41はシリンダ30,31の側方(図6の左右方向)において、搬送枠体25の前部側に基端を天板25bに枢支させて取付けたシリンダで、図3で示すように搬送枠体25に止着した係止ピン41aに係載されており、そのピストンロッドgには積層体ブロック15の巻込案内ガイド42がシリンダ40,41の駆動によって前後方向に進退できるように止着されている。なお、搬送枠体25の天板25bには、図3,6で示すように、押え板35の切欠孔fと対応する中心部からその前方(図3の左方向)に向って切込孔hが穿設されている。
【0024】
次に、搬送台17の先端(図2の左側)において、基台21に取付けた巻取装置20の構造について説明する。図2において、前記巻取装置20は、基台21の先端に垂直に取付けた巻取台44と、この巻取台44に、搬送台17の延長線上の位置において巻取枠19を着脱自在に具備した巻取軸46駆動用の巻取電動機47と、巻取枠19の外周にほぼ1周分巻掛けられて積層体ブロック15ないし15cを巻取枠19に順次巻回積層させる巻込ベルト48と、巻取台44の外周側に複数個配設した前記巻込ベルト48巻掛用のガイドローラ49と、巻込ベルト48に一定のテンションを付与するためのシリンダ50と、更に、巻取軸46の移動を緩衝的に受止めてその移動を抑制するためのシリンダ51とによって概略構成されている。そして、前記巻込ベルト48は電動機47を起動すると、巻取枠19との間の摩擦抵抗及び巻取枠19上に巻回された積層体ブロック15との間の摩擦抵抗によって積層体ブロック15を巻込みながら走行する。なお、電動機47は所要のガイドローラ49と駆動結合させて巻込ベルト48を走行させるようにしてもよい。
【0025】
又、前記巻取装置20には、図4,8,9で示すように、巻取装置20の積層体ブロック15を巻込位置Sにおいて、上側には巻取枠19に巻回した積層体ブロック15を円形状に補正し、かつ、積層体ブロック15の巻始め、あるいは巻終り端を前記巻込位置Sにおいて巻取枠19の外側に跳ね返るのを阻止して押圧保持するための巻層体押圧装置52と、巻込みローラ53とが具備されている。
【0026】
前記巻層体押圧装置52は図2,8,9,10で示すように、巻取枠19あるいは巻回された積層体ブロック15の外周面に巻込ベルト48を介して摺接する小径な押圧ローラ54と、ガイドローラ49と同種なローラからなるベルト巻掛用ローラ49aとを上下方向において、回転自在に取付けた一対のローラ取付枠55と、前記ローラ取付枠55を回動自在に支承して前記巻取台44に取付けた取付軸55aと、前記巻取台44に取付けた支持部材56により上端を枢支し、下端のピストンロッドjをローラ取付枠55に横架した支持軸57に枢着してローラ取付枠55に設けた押圧ローラ54を巻取枠19側に押圧付勢するシリンダ58と、更に、前記巻取台44の最上端において支着した保持軸12に、その軸方向に一定の間隔(積層体ブロック15よりやや狭い間隔)を保って上端を回動自在に枢支した一対のシリンダ13,13のピストンロッド13a,13a間に横架されて前記ピストンロッド13a,13aの間隔を一定に維持する横架部材13bと、前記ピストンロッド13a,13aと横架部材13bとの間に上部を挟持して下部を一定の長さ垂下させた2条の積層体ブロック押圧片(以下、押圧片という)14,14とによって構成されている。
【0027】
そして、前記押圧片14,14はアルミニウムとかリン青銅板等の金属薄板、あるいは、合成樹脂等よりなる撓性及び弾力性に優れた比較的薄手な板状部材によって形成されており、常時は即ち、積層体ブロック15の巻込前においては、シリンダ13,13は作動せず押圧片14,14の下方端は、図4に示すように、押圧ローラ54と巻込みローラ53との間に保持されており、積層体ブロック15の巻込終了の直前時は、シリンダ13,13が作動してピストンロッド13a,13aが降下することにより、押圧片14,14の下方端は巻込みローラ53の中心よりやや下方の位置まで降下するようになっている。又、前記巻込みローラ53は押圧ローラ54と同様に、巻込ベルト48に巻掛けられて駆動するもので、積層体ブロック15はこの巻込ベルト48と押圧ローラ54との間に開放される、即ち、巻込ベルト48の存在しない位置で、巻込位置Sを形成するものである。
【0028】
この結果、巻取装置20の運転中は、シリンダ58の駆動により、ベルト巻掛用ローラ49aの取付軸55aを支点として押圧ローラ54を巻取枠19の外周に弾性的に接触させ、巻回途中あるいは既に巻回した積層体ブロック15が円形状となるように押圧付勢している。一方、押圧板14,14は積層体ブロック15の巻回直前においては、図4に示すように、押圧ローラ54と巻込みローラ53との間に位置しているので、積層体ブロック15はその巻込み時押圧片14,14に妨げられることなく、円滑に巻込みを開始することができる。なお、シリンダ13,13,58はコントローラCからの指令信号により適宜駆動(投入・解除)するように制御されている。
【0029】
次に積層体ブロック15を前記巻取装置20の巻込位置Sまで送出案内する送出装置45の構造を説明する。図2,5,6において、基台21の先端(巻取装置20)側に搬送台17を跨いで前記基台21上に搬送枠体25が通り抜けることができる高さ寸法で立設したゲート状の取付枠体62と、この取付枠体62に、搬送枠体25の天板25bに切欠いた切込孔hと遊合できる位置で垂設した積層体ブロック15の押圧シリンダ63と、このシリンダ63のピストンロッド63a先端に回転自在に取付けた押圧ローラ64と、この押圧ローラ64と対応する下側位置において、搬送台17と基台21との間の空所に、前記搬送台17に開口した空孔65から外周縁の一部を搬送台17の上面と合致する位置に臨ませた状態で、取付枠体62に回転自在に取付けた送出ローラ66と、この送出ローラ66を巻取軸46と同期させて駆動する電動機67とによって構成されている。
【0030】
そして、積層体ブロック15が搬送装置18にて搬送台17上を巻取装置20側に一定の距離搬送され、これを基台21の先端(図4参照)に取付けた搬送装置18検出用のセンサ68が検出すると、搬送装置18はその移動を停止するため、これにより、積層体ブロック15は直ちに押圧ローラ64と送出ローラ66とに挟持され、この送出ローラ66の駆動によって積層体ブロック15を巻取装置20の巻込位置Sまで順次移動させる。
【0031】
なお、図4において、69は積層体ブロック15が巻取装置20により巻取枠19に巻回されると、これを検出するためのセンサで、挟持台26の先端に取付けられており、搬送装置18を、前記センサ69の検出によりコントローラCからの指令信号にて電動機27が積層体ブロック15の搬送時とは逆方向に回転して所定位置まで後退させる。一方、巻込みローラ53は、巻層体押圧装置52の小径な押圧ローラ54と相対向して一定の間隔を保った状態で巻込ベルト48に巻掛けられており、又、この巻込みローラ53には積層体ブロック15がその幅方向に移動するのを規制する案内ガイド70が、その基端を搬送台17の突端に取付けた状態で遊合されている。更に、図6に示す71は基台21上において、搬送台17の側面を被うカバー体であり、図8に示す72は巻取台44と対応して保持軸12,取付軸55a,巻込みローラ53の支軸の片側を支持する支持板で、巻取枠19に巻回した巻鉄心の取外しに支障のない範囲で基台21の前部に取付けられている。
【0032】
次に、本発明の動作について説明する。はじめに、コントローラCから巻取枠19に巻回する最初の積層体ブロック15を構成するための単位積層体11aを、磁性薄帯2を切断して形成する指令信号を電動機M1 に出力してこれを駆動する。この結果、ドラム3から巻戻された5枚重ねの磁性薄帯2は、その送込装置8の従動ローラ及び、駆動ローラ8a,8bに挟持された状態で、指令信号により支持された長さ寸法分だけ順次切断装置9に送り込まれる。前記切断装置9に送り込まれた磁性薄帯2は、コントローラCからの切断指令信号により作動する可動カッタ9bにより切断して5枚1組の鉄心素板11を形成する。前記切断が終了すると、再びコントローラCからの指令信号により磁性薄帯2が前回と同じ長さ分だけ磁性薄帯2の送込装置8によって切断装置9に送り込まれる。
【0033】
これらの動作、即ち、磁性薄帯2の送り込み長さ及び切断寸法は、事前にコントローラC内の図示しないマイクロコンピュータに設定したプログラムによって実行される。そして、前記5枚1組で、かつ、同一寸法の鉄心素板11を、磁性薄帯2により本例では6回(計30枚)切断することによって単位積層体11a用の鉄心を設ける。前記切断された鉄心素板11は切断の都度載置台10上において、例えば、手作業により図示しない整列定規を用いて鉄心素板(30枚)を整列させて1組の単位積層体11aを形成する。
【0034】
前記のように、1組の単位積層体11aを形成する鉄心素板11の切断が終了すると、コントローラCからは、次の単位積層体11bを形成するための鉄心素板11の切断を開始する指令信号が出力される。この指令信号は、前回の単位積層体11aを切断した長さに2πtを加算した長さであり、これも事前にコントローラC内の図示しないマイクロコンピュータにすべてプログラム設定されており、前記同様、磁性薄帯2の送込装置8と切断装置9とを交互に6回駆動させて第2の単位積層体11bを形成するための鉄心素板11を切断する。
【0035】
前記切断された鉄心素板11は、その都度第1の単位積層体11a上において図示しない位置決め定規を当てがい、前記単位積層体11aとは2πtに相当する長さ寸法分だけ鉄心素板11をその長手方向にずらして積層することにより第2の単位積層体11bを形成する。このように、コントローラCからの指令信号に応じてドラム3から、巻戻しされた磁性薄帯2を送込装置8により順次切断装置9に送り、これを切断することにより、事前にプログラム設定した所定数の単位積層体11aないし11dを搬送台17上で整列させて1つの積層体ブロック15を形成する。
【0036】
次に、積層体ブロック15を巻回装置16により巻回する場合について説明する。巻回に際しては、巻回装置16の搬送台17上に前記の積層体ブロック15を載せる。つづいて、巻回装置16の図示しない始動スイッチを投入することにより、搬送台17先端の巻込位置S付近に積層体ブロック15が存在していないことを巻回検出センサ69が検出すると、この検出信号によりコントローラCから電動機27に駆動信号が出力され、回転螺軸28を回転させて搬送装置18を積層体ブロック15を載置した搬送台17の後部側に後退させる。そして、前記巻回検出センサ69にて図3のように、積層体ブロック15の先端側を検出すると、電動機27はコントローラCからの指令信号にてしばらくの間駆動してから停止するようにプログラム設定されているので、搬送装置18は積層体ブロック15を搬送するのに最適な位置で停止させることができる。
【0037】
搬送装置18が積層体ブロック15の載置場所で停止すると、コントローラCからの指令信号により搬送枠体25に垂設したシリンダ30,31が駆動し、そのピストンロッドa,bが押え板35の長孔eを貫通して積層体ブロック15上に降下し、図3,6で示すように、挟持台26との間で前記積層体ブロック15を挟持する。
【0038】
このあと、再びコントローラCから電動機27に駆動指令が出力されて電動機27を再駆動する。電動機27は前記とは逆に搬送装置18を前進(巻取装置20側)させる方向に駆動し、回転螺軸28の回転によって搬送装置18を巻取装置20側に移動させる。この結果、シリンダ30,31のピストンロッドa,bと挟持台26,26との間で挟持される積層体ブロック15は、搬送台17上をその先端側に向けて搬送される。そして、積層体ブロック15を挟持した搬送装置18は、図4で示すように、搬送装置18検出用のセンサ68により検出されると、電動機27は検出時点から一定時間経過するとその駆動を停止する。従って、搬送装置18は移動が停止され、積層体ブロック15の搬送をその巻込み最適位置で止める。この場合、前記搬送装置18は取付枠体62をくぐり、搬送枠体25の切込孔hにシリンダ63を遊合した状態で停止する。
【0039】
積層体ブロック15が巻込位置Sまで搬送されると、これを挟持台26との間で挟持していたシリンダ30,31は解除され、ピストンロッドa,bを上昇させて積層体ブロック15の挟持を解除する。つづいて、コントローラCからの指令信号で搬送枠体25上のシリンダ32,33が作動し、ピストンロッドc,dを互いに相反する方向に突出させ、ワイヤ34,34aにより吊持してワイヤガイド36,37側に引上げていた押え板35の引上げ状態を解く。この結果、押え板35は自重により積層体ブロック15上に図4のように降下し乗載される。前記押え板35の降下後、コントローラCからの指令信号によりシリンダ63が投入されると、そのピストンロッド63aが降下し押圧ローラ64が、押え板35の切欠孔fを通って図4に示すように、積層体ブロック15を、送出ローラ66との間において挟持する。
【0040】
押圧ローラ64の降下が終わると、電動機67がコントローラCからの指令信号にて起動する。この際、電動機47も同時に起動する。電動機67の起動により積層体ブロック15は図4において巻取装置20の巻取枠19側に送出ローラ66により送出される。そして、積層体ブロック15の先端が図5に示すように、巻取装置20の巻込位置Sに進入すると同時に、シリンダ40,41がコントローラCからの指令信号により投入されてそのピストンロッドgが突出し、巻込案内ガイド42を積層体ブロック15の先端上方から前記巻込位置Sに進入させる。
【0041】
前記のように、送出ローラ66により積層体ブロック15が巻込位置Sまで送出されると、該積層体ブロック15上に自重降下している押え板35は、その後部側に設けたストッパー38が搬送枠体25に取付けた係止片39と衝接するまで積層体ブロック15と共同して移動する。この押え板35は積層体ブロック15を巻込位置Sまで送出する際、単位積層体11aないし11dが相互にずれるのを防ぐおもりの役目を果たすもので、積層体ブロック15はその積層状態を良好に維持して巻取枠19に巻込むことができる。そして、前記積層体ブロック15の先端が巻取装置20の巻込位置Sに進入すると、積層体ブロック15は図12で示すように、巻取枠19を図3の左方にその板厚に相当する寸法分だけシリンダ50の付勢力に抗して押動するものの、シリンダ58により押圧ローラ54を巻取枠19側に押圧して巻込みローラ53との間に巻込み可能な隙間を形成させ、前記積層体ブロック15の先端を巻取枠19と巻込ベルト48との間に円滑に潜り込ませる。そして、積層体ブロック15の巻始め端が巻込まれたら、前記シリンダ58の駆動力を弱めて巻取枠19と巻込ベルト48の間隔を狭める。
【0042】
次に巻取枠19はコントローラCからの指令信号によって既に駆動している電動機47によって、この巻取枠19の外周に巻掛けた前記巻込ベルト48が、ガイドローラ49を介して走行状態にあるため回転しており、巻込位置Sに進入した前記積層体ブロック15は、案内ガイド70を介して横滑りすることなく、スムースに巻取枠19の外周面に巻込ベルト48により圧接して巻込まれる。
【0043】
前記積層体ブロック15の巻回に当っては、図4で示すように、積層体ブロック15は送出ローラ66により巻取枠19に対して水平方向に送出されるが、巻込位置Sに進入すると同時に、巻込案内ガイド42が巻込位置Sに斜め上方から進入し、積層体ブロック15の先端を巻取枠19の外周面と衝接させることなく、図10,11で示すように、巻取枠19に沿って曲成させながらシリンダ58による押圧ローラ54の押圧力を制御させて、巻取枠19と巻込みローラ53との間に送り込むことができるので、積層体ブロック15は、その巻込みの先端部分が巻取枠19と衝突して折損したり、跳ね上ったり、更には、巻取枠19に対して斜行状態で巻回されるのを確実に防ぐことができる。
【0044】
そして、前記積層体ブロック15の巻回時、巻層体押圧装置52のシリンダ13,13に垂設した一対の押圧片14,14は、その下方端(自由端)が図10,11で示すように、押圧ローラ54と巻込みローラ53との間に保持されているので、積層体ブロック15の巻始め端が、直接巻取枠19と接触することができるように積層体ブロック15の上方に位置で垂下している。従って、押圧片14,14自体が積層体ブロック15の巻回初期において、積層体ブロック15と一体的に巻取枠19に巻取られることは全くない。
【0045】
前記のようにして、積層体ブロック15をその外側において巻込ベルト48を圧接させながら巻取枠19に巻回し、図13,14で示すようにその巻回が終了近くになると、シリンダ13のピストンロッド13aがコントローラCからの指令信号にて徐々に降下し、押圧片14を下方に押し下げる。そして、積層体ブロック15の巻始め端が、図15のように単位積層体11aないし11dを階段状となした状態で、巻層体押圧装置52の小径な押圧ローラ54と接触する位置に達すると、図15で示すように、シリンダ13のピストンロッド13aは最大限降下し、前記押圧板14はその下方端が、既に巻取枠19に巻回されている積層体ブロック15と巻取枠19との間で挟持されることとなるため、前記シリンダ13は保持軸12を中心として、図15において瞬間的に時計方向に引張られることになる。
【0046】
この結果、前記積層体ブロック15の先端部分が巻取枠19に巻回されて図15に示すように巻込位置Sまで達した場合、前記積層体ブロック15の先端部分は幅方向の両端部側において、前記押圧片14により巻取枠19側に強固に押圧付勢されることとなるため、巻込ベルト48が存在していない巻込位置S付近において、積層体ブロック15の巻始め端が巻取枠19と反対側に反り返ったりして、その巻終り端側と絡まって積層体ブロック15の巻始めと巻終りとの接合が不完全となったり、あるいは、巻終り端が横ずれして積層端面が不揃いの状態で巻始め端と重合するのを良好に回避させることができる。
【0047】
そして、前記積層体ブロック15の巻回が図16で示すように終了する時点になると、前記押圧片14は、その下方端が巻取枠19の回転に伴い、積層体ブロック15と巻取枠19との間に瞬間的に挟持させるものの、前記挟持は巻取枠19の回転に従って解かれ、図16に示すように、積層体ブロック15の巻始め端と巻終り端の接合部から徐々に離脱することになる。この場合、前記押圧片14,14は、図8で示すように、巻込ベルト48の側方において積層体ブロック15と接解するように垂下配設されているので、巻込ベルト48の圧接力によって積層体ブロック15の接合部から抜脱しなくなるというおそれは全くなく、シリンダ13,13に負担をかけることなく容易に積層体ブロック15から引き離すことができる。
【0048】
積層体ブロック15の巻回が終了すると、コントローラCからの指令信号によりシリンダ13,13は作動し、ピストンロッド13a,13aを上昇させて、押圧片14,14を図17のように原位置に引上げ、次の積層体ブロック15aの巻回に備える。又、積層体ブロック15の巻取りが終了すると、本実施例の場合、コントローラCからの指令信号により電動機47を、前記巻取枠19を更にほぼ1回転させる如く駆動し、積層体ブロック15の巻始めと巻終りが重合する部位を、図17で示す下側の位置から巻層体押圧装置52の押圧ローラ54に巻込ベルト48を介して接触する位置で停止させる。即ち、巻込位置S内とする。
【0049】
このように、前記押圧片14,14の下方端が、シリンダ13,13にて巻取装置20の巻込位置S内に自由端として、既に巻回した積層体ブロック15の外側に垂下配置されているので、次に巻回する積層体ブロック15aの安定した初期巻回を行なうことが可能となる。
【0050】
その上、前記押圧ローラ54は、シリンダ58にてベルト巻掛用ローラ49aの取付軸55aを支点として常時巻取枠19側に押圧付勢されているので、巻取枠19に巻回した積層体ブロックをできる限り円形に近い状態が維持できるように押圧しているとともに、積層体ブロックの巻始め端を巻取枠19に巻込むときは、コントローラCからの指令信号にてシリンダ58を作動させ、ピストンロッドjを介して押圧ローラ54を巻取枠19側に押圧し、巻取枠19をシリンダ51側に押動して巻取枠19と巻込みローラ53との間隙を、積層体ブロックが容易に進入できる広さに拡げたり狭めたりすることにより、積層体ブロックの巻込みを更に良好に行うことができる。この場合、積層体ブロックの巻始め端が巻込みローラ53に巻込まれたら、前記シリンダ58の作動を中断し、押圧ローラ54を既に巻回した積層体ブロックを押圧する程度の付勢力に戻すことにより、積層体ブロックは押圧片14,14の存在と相まって、滑動することなく円滑・良好に巻回することができる。
【0051】
なお、押圧片14,14を垂下させてこれを一定の高さ範囲で昇降させるシリンダ13,13は、保持軸12に回動するように取付けられているが、例えば、前記押圧片14,14を、巻掛用ローラ49aの外周縁と同一線上の接線位置となるように垂下して、前記シリンダ13,13を保持軸12に取付けるようにすれば、シリンダ13,13を保持軸12に固定して取付けるようにしてもよい。これは、積層体ブロック15〜15cを順次巻取枠19に巻回するに従い、前記巻取枠19はシリンダ50の付勢力に抗して順次前記シリンダ51側に押動されるため、押圧片14,14は常に巻回した積層体ブロックの接線位置に垂直に降下して存在しているに他ならないからである。従って、シリンダ13,13は巻回する積層体ブロックの巻厚、即ち、巻鉄心の巻回厚に対応して可動、あるいは固定して取付ければよいことになる。これにより、押圧片14,14はより適格に巻回される積層体ブロックとなじんで、その巻回中に積層体ブロックが滑動するのを良好に防ぐことができる。
【0052】
前記のように、積層体ブロック15の巻回が終了すると、巻回検出センサ69は積層体ブロック15が巻込位置Sに存在していないことを検出する。前記検出信号がコントローラCに入力されて一定時間経過すると(積層体ブロック15の巻回終了時)前記コントローラCからは、電動機67,47には駆動停止指令信号が、又、シリンダ32,33,40,41には投入解除の信号が、それぞれ出力されて巻取枠19及び送出ローラ66の回転を停止させる。一方シリンダ40,41は投入解除指令によりピストンロッドgが後退して巻込案内ガイド42を図4に示す原位置まで後退させるとともに、シリンダ32,33によりピストンロッドc,dを後退させ、ワイヤ34,34aを引き上げて押え板35を図3に示すように、ワイヤガイド36,37と当接する位置まで上昇させる。更に、この時点、即ち、巻込案内ガイド42及び押え板35がそれぞれ原位置に復帰した時点と相前後しコントローラCから電動機27に駆動指令信号が出力され、搬送装置18を再び搬送台17の後部側に移動させ、次に巻回する積層体ブロック15aの搬送に備える。なお、シリンダ63は積層体ブロック15の送り出しが完了した時点で、投入状態が解除されるため、原位置に復帰している。
【0053】
前記巻回装置16による積層体ブロックの巻回作業は、各積層体ブロック15ないし15cを巻回する毎に、コントローラC内の図示しないマイクロコンピュータにあらかじめプログラム設定した駆動シーケンスによって自動的に巻回が行われ、図18で示すように、巻鉄心Tを巻回するものである。
【0054】
本発明は、以上説明したように、巻取枠に積層体ブロックを巻回するときは、巻取装置の巻込位置に昇降可能に設けた積層体ブロック押圧片によって、巻取枠に既に巻回した積層体ブロックの巻始め端を、巻込ベルトが存在していない部位においても巻回に支障をきたさないように強固に押圧付勢するように構成されているので、積層体ブロックは滑動したり、ずれたりすることなく、円滑に巻回することが可能となり、この結果、積層体ブロックの積層端面がずれて不揃いとなる等の弊害が確実に解消でき、磁性薄帯からなる巻鉄心を円滑・良好に巻回することができる。しかも、積層体ブロック押圧片は、その下方端が積層体ブロックの巻始め時その巻始め端が巻取枠と直接接触できるように上方位置で垂下しているので、積層体ブロックは巻回初期において前記積層体ブロック押圧片と衝接したり、引っ掛かったりすることなく、常に円滑に、かつ、積層体ブロックと一体的に巻取枠に巻取られることがないため、積層体ブロックの巻回作業を迅速・確実に行うことができる。
【0055】
又、積層体ブロック押圧片を昇降可能に垂設したシリンダは、巻取装置の巻込位置の上方において保持軸に可動又は固定して具備させるように構成されているので、巻取枠に巻回される積層体ブロックの巻回数を多くした巻鉄心が大形化する場合(巻鉄心を使用する変圧器の容量が大きい場合)シリンダを枢支可能に具備させて積層体ブロック押圧片の引張強度に弾力性を持たせ、逆に、変圧器の容量が小さい場合のように、積層体ブロックの巻回数が少ないときは、引張強度を余り強くする必要が伴わないので、シリンダを固定的に支持させても問題は生じない。
【0056】
即ち、前記シリンダの取付具合を可変させることにより、積層体ブロック押圧片が、積層体ブロック内に挟持されても、自然にその引張り力がはたらく方向に変化し積層体ブロック押圧片を備えたシリンダにひずみが生じるのをなくし設計の自由度が増すことができる。
【0057】
更に、本発明は、積層体ブロックを巻回する都度、その巻込位置付近に配置した押圧ローラにて積層体ブロックを巻取枠側に押動し、既に巻回した積層体ブロックとベルト駆動する巻込みローラとの間を意識的に拡げ、次に巻回する積層体ブロックの巻込みが容易に行えるように構成したので、積層体ブロックの巻込作業が円滑・良好に行うことができる。この結果、鉄心特性に優れた巻鉄心を効率的に巻回することが可能となり、この種巻鉄心の生産性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置により巻回する磁性薄帯を所定の長さ巻戻してこれを切断する磁性薄帯の巻戻し装置及び切断装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の製造装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の巻回装置の要部をなす積層体ブロック搬送装置の要部を示す縦断面図である。
【図4】積層体ブロック搬送装置の動作途中を示す要部縦断面図である。
【図5】積層体ブロック搬送装置の最終移動位置において、積層体ブロックの巻回状況を説明するための説明図である。
【図6】積層体ブロック搬送装置の要部縦断面図である。
【図7】押え板の斜視図である。
【図8】巻回される積層体ブロックを巻取枠側に押圧付勢する巻層体押圧装置の要部を縦断して示す正面図である。
【図9】同じく巻層体押圧装置の要部を縦断して示す側面図である。
【図10】積層体ブロックの巻回直前の状態を説明するための説明図である。
【図11】積層体ブロックを巻始めるときの説明図である。
【図12】積層体ブロックを少し巻始めた状態を示す説明図である。
【図13】積層体ブロックとその押圧片との関係を示す説明図である。
【図14】押圧片が積層体ブロックの巻始め端の押圧を開始している状態を示す説明図である。
【図15】積層体ブロックの1巻回が終了する直前の状態を示す説明図である。
【図16】積層体ブロックの1巻回が終了した状態を示す説明図である。
【図17】押圧片を引上げて次の積層体ブロックを巻回する場合を示す説明図である。
【図18】本発明の製造装置により巻回した巻鉄心の斜視図である。
【符号の説明】
13 シリンダ
14 積層体ブロック押圧片
17 搬送台
18 搬送装置
19 巻取枠
20 巻取装置
25 搬送枠体
35 押え板
42 巻込案内ガイド
45 送出装置
48 巻込ベルト
52 巻層体押圧装置
54 押圧ローラ
C コントローラ
S 巻込位置
T 巻鉄心

Claims (2)

  1. 非晶質磁性合金薄帯を同一長さ寸法で複数枚切断しこれを所要枚数積層して単位積層体を形成し、かつ、前記単位積層体の長さ寸法を基準として、それに2πtの長さ寸法分だけ増分して形成した複数の単位積層体を階段状に積層して積層体ブロックを所要数設け、これら各積層体ブロックをベルト手段により駆動する巻取枠に順次積層体ブロック毎に巻回して巻鉄心を形成するようにした巻鉄心の製造装置において、前記巻取枠の積層体ブロックの巻込位置に、前記巻取枠に巻回される積層体ブロックの巻回時は積層体ブロックと接触せず、積層体ブロックの巻回終了の直前に前記積層体ブロックの巻始め端と巻終り端との間に挟持されて、前記積層体ブロックの巻始め端を巻取枠側に押圧付勢する積層体ブロック押圧片を、その基端をシリンダに止着して下方に複数条垂下配設し、前記垂下配設した下方端が常時は巻取枠の巻込位置の上部に位置し、かつ、積層体ブロックの巻回終了時の直前では前記積層体ブロック内に挟持されるよう昇降可能に具備させたことを特徴とする巻鉄心の製造装置。
  2. 非晶質磁性合金薄帯を同一長さ寸法で複数枚切断しこれを所要枚数積層して単位積層体を形成し、かつ、前記単位積層体の長さ寸法を基準として、それに2πtの長さ寸法分だけ増分して形成した複数の単位積層体を階段状に積層して積層体ブロックを所要数設け、これら各積層体ブロックをベルト手段により駆動する巻取枠に順次積層体ブロック毎に巻回して巻鉄心を形成するようにした巻鉄心の製造装置において、前記巻取枠の積層体ブロックの巻込位置に、前記巻取枠に巻回される積層体ブロックの巻回時は積層体ブロックと接触せず、積層体ブロックの巻回終了の直前に前記積層体ブロックの巻始め端と巻終り端との間に挟持されて、前記積層体ブロックの巻始め端を巻取枠側に押圧付勢する積層体ブロック押圧片を、その基端をシリンダに止着して下方に複数条垂下配設し、前記垂下配設した下方端が常時は巻取枠の巻込位置の上部に位置し、かつ、積層体ブロックの巻回終了時の直前では前記積層体ブロック内に挟持されるよう昇降可能に垂設し、更に、前記積層体ブロック押圧片に近接して巻取枠に巻回された積層体ブロックを所定の押圧力で巻取枠側に押圧付勢する押圧ローラを配置したことを特徴とする巻鉄心の製造装置。
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