JP3481085B2 - 鉄心材料の段積方法及び段積装置 - Google Patents

鉄心材料の段積方法及び段積装置

Info

Publication number
JP3481085B2
JP3481085B2 JP17902597A JP17902597A JP3481085B2 JP 3481085 B2 JP3481085 B2 JP 3481085B2 JP 17902597 A JP17902597 A JP 17902597A JP 17902597 A JP17902597 A JP 17902597A JP 3481085 B2 JP3481085 B2 JP 3481085B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
wound
stacking
block
sheet material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17902597A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH118147A (ja
Inventor
真澄 白石
文雄 河瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aichi Electric Co Ltd
Original Assignee
Aichi Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aichi Electric Co Ltd filed Critical Aichi Electric Co Ltd
Priority to JP17902597A priority Critical patent/JP3481085B2/ja
Publication of JPH118147A publication Critical patent/JPH118147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3481085B2 publication Critical patent/JP3481085B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯状の非晶質磁性合金
薄帯からなる鉄心材料を1ターンカット方式で巻回し、
例えば、配電用の変圧器に用いる巻鉄心を製造する場
合、前記所要の長さ寸法で切断した鉄心材料を前記巻鉄
心の巻回にあたり、1ブロック内において複数層階段状
に、かつ、各段部の間隔寸法を異にして順次円滑・良好
に積層して、巻鉄心をその接合部を鉄心の窓内寸法の範
囲内に配置した状態で、迅速・確実に巻回するようにし
た鉄心材料の積層方法及び積層装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、配電用変圧器等に使用する巻鉄心
の磁性材料としては、従来から使用している方向性のけ
い素鋼帯に代えて、アモルファスシート素板(非晶質磁
性合金薄帯あるいは単にアモルファスという)が使用さ
れるようになってきた。然るに、前記アモルファスシー
ト素板を所定の長さに切断して形成したシート材料は、
その製造過程がこれまでの方向性けい素鋼帯と異なり、
溶融金属を結晶化させることなく固化するために、急速
冷却を必要としていた。即ち、溶融金属を固定冷媒であ
る冷却ロールの外周面上に噴出させ、これを極めて短時
間で冷却固化させることにより、非晶質状態を得るよう
にしていたので、前記シート材料の厚さは極く薄いもの
に限定され、その幅方向端面の板厚差は一般に、数ミク
ロンの板厚偏差があった。
【0003】そして、前記シート材料を用いて巻鉄心を
製造する場合は、シート材料を切断することなく直接円
形又は矩形状に連続巻回してノーカット方式の巻鉄心を
形成する場合と、シート材料を所定の長さに切断し、こ
れを順次巻芯に巻回してそれぞれの両端を接合する1タ
ーンカット方式の巻鉄心を形成する場合がある。
【0004】ところが、前記のようにシート材料を巻回
してノーカット方式、又は1ターンカット方式で巻鉄心
を形成した場合、シート材料自体が図25で示すよう
に、一方の板厚t1 が他方の板厚t2 に対して幅方向に
板厚偏差(t1 −t2 )が生じている関係上、この状態
で、シート材料200の巻回を続行すると、シート材料
200の板厚偏差はその巻回数が増せば増すほど大きく
なり、図26に示すように、巻回された巻鉄心201の
断面はその形状が傾斜している。
【0005】前記の場合、巻鉄心201はその積層厚が
あらかじめ設定されているので、図26で示す巻鉄心2
01の板厚の厚い部位(t1n側)は規定厚に達している
ため、固く巻くことにより鉄心の占積率を高くすること
ができる反面、板厚が薄い部位(t2n側)は、規定の積
層厚に達していないので、シート材料200間に隙間が
生じ鉄心の占積率を低下させるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、巻鉄心
の板厚がその幅方向において、一方の板厚が他方に比べ
て薄い場合の巻鉄心における締付圧力は、板厚の厚い方
が強くなり、薄い方は逆に弱く、巻鉄心自体の剛性にア
ンバランスが生じるという問題があった。又、鉄心の占
積率低下は所定の鉄心重量が得られないばかりか、磁束
が流れる鉄心の断面積は小さく、この結果、磁束密度が
高くなり損失を増大させるという問題があった。
【0007】前記鉄心の占積率に関する問題を解決して
その向上をはかるために、例えば、特公平2−2824
3号には、シート材料を1ターンカット方式、又は、ノ
ーカット方式で巻回して巻鉄心を製造する過程におい
て、シート材料をその巻回途中で一旦切断し、その幅方
向の端部を180°転回させて巻回作業を行うようにし
たものが示されており、前記転回作業は1台の巻鉄心を
巻回するにあたり、数回行うことによって板厚偏差の悪
影響を排し、巻鉄心の占積率向上をはかるようにした方
法が示されている。
【0008】しかし、前記の方法では、巻鉄心の巻回途
中でその動作を数回停止させながらその都度シート材料
を切断し、この状態で、シート材料(フープ状に巻回さ
れているもの)を180°転回させ、この後再度シート
材料を継ぎ合せて巻回を再開していたので、巻鉄心の巻
回作業は非常に手間と時間がかかることはもとより、フ
ープ状に巻回したシート材料を、巻回途中で数回転回さ
せることは、フープ状のシート材料自体が相当大きく、
しかも、重量があるため、前記転回作業は手間と労力が
かかり、これにより、巻回作業の稼働率が低下し、この
種巻鉄心の製造効率を阻げる大きな要因となっていた。
【0009】又、前記シート材料を1ターンカット方式
の巻鉄心を巻回する場合の鉄心材料として使用すると
き、アモルファスシート素板を所要の長さに切断したシ
ート材料は、その板厚がけい素鋼帯に比べて約1/10
と薄いため、例えば、同じ長さ寸法のものを複数枚積層
して図24に示すように、一層分のシート素板A1 を形
成し、次層のシート素板A2 は、前層のシート素板A1
の長さ寸法Lにその板厚寸法tを加算した、即ち、L+
2πtの長さ寸法でアモルファスシート素板を切断して
形成していた。以下、同様にして順次前層のシート素板
の長さ寸法Lに2πtを加えた寸法でシート素板A1
5 を形成し、つづいて、これらシート素板A1 〜A5
を所定層、例えば、重ね代T分の間隔寸法を保って5層
分階段状に積層して、例えば、図24のように、1ブロ
ック分の巻回シート素体B1 を形成する。次層以降も同
様にして各ブロックの巻回シート素体B2 〜B3 を形成
する。
【0010】そして、前記巻回シート素体B1 〜B3
1ブロック分づつ図示しない巻取機により図24のよう
に円形に巻回して巻鉄心素体301を形成すると、各巻
回シート素体B1 〜B3 を構成するシート素板の接合部
302の一部が、巻回中の摩擦やスリップ等によってず
れが生じると、巻鉄心素体301の許容される窓内寸法
X−Yからはみ出す場合がある。即ち、図24に示すよ
うに、シート素板A5の接合部302が前記窓内寸法X
−Yの範囲から飛び出し、この状態で巻鉄心素体301
を矩形成形すると、前記接合部302は矩形鉄心(図示
せず)のコーナー部に位置することになるため、巻鉄心
を接合部302で開いて巻線に組込み、この後接合部3
02を再接合する際、接合部302がコーナー部に位置
している関係上、接合作業に手間と時間がかかり、鉄心
組立作業が円滑に行えないという問題があった。
【0011】前記の問題を解決するには、例えば、1ブ
ロック当りのシート素板の積層数を減せば(例えば、5
層分を1層減らして4層分とする)、問題は解決する
が、これでは、1ブロック当りにおけるシート素板の積
層数の減少が、逆に、巻鉄心1台あたりのブロック数が
増える結果となるため、巻鉄心の巻回作業は手間と時間
がかかり、迅速・効率的に行う上で問題があった。
【0012】本発明は、前記の問題点に鑑み、非晶質磁
性合金薄帯からなる1ターンカット方式の巻鉄心に使用
する鉄心材料を所定層段積する方法を改善することによ
り、前記鉄心材料の板厚偏差によって生ずる弊害を解決
するとともに、前記段積した鉄心材料を巻回したとき、
その接合部があらかじめ設定した巻鉄心の窓内寸法の範
囲内に配置して巻回することを可能とした、鉄心材料の
自動積層・段積と巻回機能を備えた鉄心材料の段積方法
とその段積装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
した鉄心材料の段積方法は、アモルファスシート素板を
複数枚積層した状態で所定の長さ寸法で順次切断して設
けたシート材料を、その表面同士と裏面同士とをそれぞ
れ交互に所要層重合して1積層分のシート素板を形成す
る工程と、前記シート素板を1ブロック内において切断
寸法の短いシート素板を上側にして以下所定の長さ寸法
分だけ順次長くして切断した各シート素板を下側に向う
に従って階段状に、かつ、各段部の間隔寸法を異にして
積層することにより1ブロック分の巻回シート素体を形
成する工程とを備えたことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項2に記載した巻回シート素
体の段積方法は、1ブロック分を形成する各シート素板
の各段部における間隔寸法を、1ブロック内における最
短のシート素板から順次最長のシート素板に向うに従っ
て各層シート素板の段部の間隔寸法を順次短くして1ブ
ロック分のシート素板を階段状に積層して巻回シート素
体を形成するようにしたことを特徴とする。
【0015】本発明の請求項3に記載した巻回シート素
体の段積方法は、巻鉄心の最内層に位置する最初のブロ
ックから最外層の最終ブロックに向うに従って、各ブロ
ックにおける各シート素板の段部の間隔寸法を、各ブロ
ック毎に異にし、かつ、最適な長さ寸法に設定して、1
ブロック分のシート素板を階段状に積層して巻回シート
素体を形成するようにしたことを特徴とする。
【0016】本発明の請求項4に記載した巻回シート素
体の段積方法は、1ブロック内において最大の長さ寸法
を有するシート素板を最下段に配置し、以下長さ寸法を
所定の寸法毎に順次短くしたシート素板を、階段状に、
かつ、各段部の間隔寸法を順次長くして所定段数積層
し、更に、前記1ブロック分のシート素板を1積層分積
層する毎に既に積層したシート素板を、その幅方向の側
端面を整列させ、かつ、整列後押圧保持させて巻回シー
ト素体を形成するようにしたことを特徴とする。
【0017】本発明の請求項5に記載した鉄心材料の段
積装置は、アモルファスシート素板を複数枚積層した状
態で所定の長さに順次切断して設けたシート材料を、そ
の表面同士と裏面同士とをそれぞれ交互に所要層重合し
て1積層分のシート素板を順次積層する積層手段と、前
記積層手段にて積層したシート素板を各シート素板毎に
挟持してこれを積層手段から引出して階段状に、かつ、
各シート素板の段部の間隔寸法を順次異にして複数段積
層して1ブロック分の巻回シート素体を形成するシート
素体積層手段と、更に、前記各手段を所定のシーケンス
に従って駆動制御する制御手段とを具備して構成したこ
とを特徴とする。
【0018】本発明の請求項6に記載したシート素体積
層手段は、シート素板を挟持する挟持装置と、挟持装置
を所定位置まで直線移動させてシート素板を階段状に積
層させる搬送・積層装置と、前記搬送したシート素板を
整列させる整列装置と、前記整列させたシート素板を次
層のシート素板を積層するまで押圧保持する押圧装置
と、これら各装置を所定のシーケンスに従って駆動制御
する制御手段とを具備して構成したことを特徴とする。
【0019】本発明の請求項7に記載した挟持装置は、
シート素板をその長さ方向に端部を挟持して搬送する一
対の挟着片と、これら挟持片を開閉自在に駆動するシリ
ンダ,挟持装置自体を昇降させるシリンダ、更に、前記
挟持装置を進退可能に駆動させる駆動装置と、前記各シ
リンダ等を、挟持装置における挟持・搬送・挟持解除の
各シーケンスに従って駆動制御する制御手段を具備して
構成したことを特徴とする。
【0020】
【作用】本発明の請求項1に記載したアモルファスシー
ト素板からなる鉄心材料の段積方法においては、アモル
ファスシート素板を複数枚重合し、これを所定の長さ寸
法で順次切断したシート材料を、その表面同士及び裏面
同士を交互に重合して積層手段により所要層積層して1
積層分のシート素板を連続して形成し、このシート素板
を1積層分積層する毎に挟持手段により挟持して積層手
段から引出して順次階段状に所定段数段積して1ブロッ
ク分の巻回シート素体を形成するようにしたので、前記
巻回シート素体は、シート素板の形成時シート材料をそ
の表面は表面同士で、裏面は裏面同士で交互に重合して
いるため、幅方向の板厚偏差が均一となり、板厚偏差に
伴う弊害が確実に排除でき、巻鉄心の鉄心占積率を良好
に向上することができる。
【0021】又、シート素板を所要層階段状に積層する
場合は、シート素板を挟持する挟持手段の直線移動範囲
を可変させ、各段部の間隔寸法(シート素板の重ね代)
に長・短が生じるようにして巻回シート素体を形成する
ようにしたので、即ち、前記各段部における間隔寸法
は、事前に複数層のシート素板をどれくらいの間隔寸法
で配置すれば、図24に示す巻回シート素体の接合部
が、巻鉄心の窓内寸法から飛び出すことがないのか、事
前にテスト等により把握して設定することにより、巻回
シート素体は1ブロックにおけるシート素板の積層数を
増加させることが可能となり、この結果、巻鉄心の巻回
作業を迅速に、効率的に行うことができる。なお、図2
4では、シート素板の接合部は隙間を広くした状態で図
示したが、実際は大部分の隙間は図示の状態より狭くな
っている。
【0022】本発明の請求項2に記載したアモルファス
シート素板からなる鉄心材料の段積方法においては、巻
回シート素体を構成する所要層のシート素板における各
段部の間隔寸法が、1ブロックを形成する巻回シート素
体の最内層のシート素板から最外層のシート素板にかけ
て順次短くなるように設定してあるので、前記各ブロッ
クにおける最内層のシート素板の接合部を窓内寸法の位
置で巻回することにより、各ブロックの最外層に位置す
るシート素板の間隔寸法は、各ブロックの最内層に比べ
て相当小さくなっているため、この層のシート素板の接
合部が巻鉄心の窓内寸法からはみ出すという事態を良好
に防いで、1ブロック内のシート素板の数を増すことが
可能となり、これにより、アモルファスシート素板から
なる鉄心材料を用いての巻鉄心の製造を迅速・容易に行
うことができ、巻鉄心の生産性向上をはかることができ
る。
【0023】本発明の請求項3に記載したアモルファス
シート素板からなる鉄心材料の段積方法においては、巻
回シート素体によって構成される巻鉄心の各ブロック
は、前記巻鉄心の最内層に位置するブロックから最外層
を形成するブロックにかけて、各ブロックを構成する各
シート素板の段部における間隔寸法を、各ブロック毎に
最適な長さに設定されているので、各ブロックにおける
シート素板の積層数を巻鉄心の外層側に位置するブロッ
クほど内層側に巻回したブロックに比べて多く巻回する
ことができる。この結果、1ブロック当りのシート素板
の積層数を外層側に位置するブロックほど多層となし
て、巻鉄心を構成するシート素板を積層したブロック数
の軽減がはかれ、巻鉄心の巻回作業を効率的に行うこと
ができる。
【0024】本発明の請求項4に記載したアモルファス
シート素板からなる鉄心材料の段積方法においては、巻
回シート素体によって形成される巻鉄心の各ブロック
は、1ブロックを形成するシート素板を、そのブロック
において最長のものを最下段とし、以下長さ寸法を順次
短くした所定層のシート素板を階段状に、しかも、各段
部の間隔寸法を最下段から上段に向かうに従って順次長
くして1ブロック分の巻回シート素体を形成するように
したので、各ブロックを構成する巻回シート素体は、シ
ート素板の段積作業を安定した状態で、かつ、1ブロッ
クにおける最短のシート素板の巻始め端を巻鉄心の窓内
寸法の巻始め位置から巻込むことにより、そのブロック
における他のシート素板の間隔寸法が順次小さくなるよ
うに設定されているので、シート素板の接合部を良好に
窓内寸法内に配置することが可能となり、しかも、シー
ト素板の段積みに際しては、幅方向の側端を整列させな
がら行うことができるので、各ブロックの巻回シート素
体の巻回作業が円滑に、かつ、巻鉄心自体の積層端面の
板厚を均一にしてその積層端面からアモルファスシート
素板が突出するという問題を確実に解消して、鉄心特性
に優れた巻鉄心の巻回を可能とした。
【0025】本発明の請求項5に記載したアモルファス
シート素板からなる鉄心材料を段積みする装置において
は、所定の長さ寸法で所定枚数切断したアモルファスシ
ート素板からなるシート材料を、その幅方向の板厚が均
等となるように所要層重合して1積層分のシート素板を
形成し、このシート素板を、1層分づつ階段状に各段部
の間隔寸法を異にして所定層積層して、1ブロック分の
巻回シート素体を形成するようにしたシート素体積層手
段が構成されているので、前記巻回シート素体は巻鉄心
の各ブロック毎にシート素板を連続的に、かつ、鉄心の
窓内寸法の範囲内にシート素板の接合部を配置して迅速
・確実に段積みして形成することができる。
【0026】本発明の請求項6に記載したアモルファス
シート素板からなる鉄心材料の段積装置においては、巻
回シート素体を形成するシート素板を段積みする場合
は、各層のシート素板を段積みする毎に整列させ、か
つ、前層のシート素板を押圧した状態でこのシート素板
上に次層のシート素板を乗載するようにした整列装置と
押圧装置とが具備されているので、前記シート素板の段
積み作業は、シート素板を常に整列状態を維持させて所
要層積層することができるため、前記巻回シート素体を
機械化手段により自動化して迅速に形成することが可能
となり、鉄心特性に優れた巻鉄心を効率よく巻回するこ
とができる。
【0027】本発明の請求項7に記載したアモルファス
シート素板からなる鉄心材料の段積装置は、シート素板
の挟持・搬送・挟持解除を行う各手段を具備して構成さ
れているので、前記シート素板を所定位置まで搬送して
段積みを行う際、シート素板を形成する複数枚のアモル
ファスシート素板は、位置ずれを起したり、あるいは、
不揃現象を全く生じることなく、所定の搬送位置まで円
滑に移動させることができ、しかも、段積み作業は、前
記整列及び押圧装置と同期させて行うことができるた
め、巻鉄心を構成する各ブロックの巻回シート素体を容
易に機械化手段により段積みして形成することができ
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図9ないし図17に
よって説明する。なお、本発明の鉄心材料の段積装置
(方法)を説明するにあたり、段積みを行う鉄心材料を
形成するための実施例は、図1ないし図8によって説明
する。又、本発明の段積装置(方法)によって段積みし
た鉄心材料を用いて巻鉄心の巻回・形成する装置の実施
例については、図18,図20によって説明する。最初
に、巻鉄心の製造工程を概略的に説明する。
【0029】巻鉄心の製造工程は大別すると、アモルフ
ァスシート素板Aの切断工程と、切断したシート材料B
の搬送・反転工程と、シート材料Bを所要数積層してシ
ート素板Cを形成する工程と、前記シート素板Cを所要
段数積層して1ブロック分の巻回シート素体Dを形成す
る工程と、前記1ブロック分の巻回シート素体Dを所定
回数巻回して巻鉄心80を形成する工程とを具備してい
る。
【0030】そして、前記各工程において、段積みする
鉄心材料の製造工程は、図1,2に示すように、アモル
ファスシート素板Aを所定枚数づつ事前に設定した長さ
寸法で切断する切断装置1と、前記切断したシート材料
Bを搬送しながらその表面側を強制的に反転させる反転
装置11と、前記反転させたシート材料Bを一時的に乗
載保持する一対の乗載装置21a,21bと、図7,図
8において、前記乗載装置21a,21bから順次給送
されるシート材料Bを、前記反転状態(裏面側)を維持
させたものと、正転(表面側)方向に反転させたものと
を交互に所要層積層してアモルファスシート素板Aから
なる1積層分のシート素板Cを形成する積層装置31と
によって構成されている。
【0031】鉄心材料の巻回工程は、前記シート素板C
を階段状に所要段数階段状に積層して1ブロック分の巻
回シート素体Dを形成する、本発明のシート素体積層装
置45と、前記巻回シート素体Dを搬送するコンベア装
置61と、更に、搬送された巻回シート素体Dを円形に
順次巻回する巻回装置65とによって構成されており、
更に、前記各装置1,11,21a,21b,31,4
5,61,65は、これらを所定のシーケンスに従って
駆動制御する制御装置75(図5参照)に電気的に接続
されている。
【0032】次に、アモルファスシート素板Aを所定の
長さ寸法に切断する切断装置1と、切断された鉄心材料
(シート材料B)を搬送する装置を図1ないし図4によ
り説明する。最初に、アモルファスシート素板Aをあら
かじめ設定された長さ寸法で切断してシート材料Bを形
成する場合について説明する。図1において、2はフー
プ材としてのアモルファスシート(非晶質磁性合金薄
帯)素板Aを所定の長さ寸法で巻戻しを行う巻戻し装置
で、前記アモルファスシート素板Aは図示しない電動機
によって駆動するドラム3に巻取られており、本実施例
では、アモルファスシート素板Aを5枚重ねて切断する
関係上、アモルファスシート素板Aを巻取ったドラム3
を5個使用する実施例について説明する。前記各ドラム
3に巻取られたアモルファスシート素板Aは、ドラム3
をそれぞれ電動機により駆動して巻戻し、巻戻されたア
モルファスシート素板Aはガイドローラ4,5を介して
図2に示す切断装置1側に巻戻される。
【0033】そして、前記個々にドラム3から巻戻され
た各アモルファスシート素板Aは、巻戻し装置2の終端
側のガイドローラ5のところで、ループ状に一旦弛ませ
て5枚重ねとする。前記ループ状に弛ませたアモルファ
スシート素板AのループL長の設定は、例えば、図示し
ない発光及び受光素子を備えた検出装置にて、ループL
の下方端が所定の長さ垂下すると、発光素子からの発光
がアモルファスシート素板Aに遮ぎられて受光素子に受
光されなくなったとき、前記受光素子から発する信号に
より巻戻し装置2の電動機を停止させてアモルファスシ
ート素板Aの巻戻しを一旦中止し、逆に、発光素子から
の発光を受光素子が受光すると、電動機を再起動して、
アモルファスシート素板Aの巻戻しを行ってループLの
長さを一定に保持する。前記ループLの調整は巻戻し装
置2を制御装置75により駆動を制御して行われる。
【0034】前記ループL状に弛ませたアモルファスシ
ート素板Aは、5枚重ねとなした状態で、ガイドローラ
6を介して図2に示す送込ローラ8によって切断装置1
側に送出される。そして、前記アモルファスシート素板
Aを送出する前記送込ローラ8は、従動ローラ8aと、
電動機M1 にて駆動するロータリーエンコーダ7を具備
した駆動ローラ8bとによって構成されている。
【0035】前記電動機M1 は制御装置75からの指令
信号によってその回転数(アモルファスシート素板Aの
送込み寸法と送込回数に相当する回転数)が制御されて
いる。又、前記切断装置1は可動カッタ1aと、固定カ
ッタ1bとからなり、この切断装置1もアモルファスシ
ート素板Aの送込ローラ8と同様に、制御装置75から
の指令信号によって駆動制御される。
【0036】そして、前記送込ローラ8により切断装置
1に送出されるアモルファスシート素板Aの送出寸法
(切断する長さ寸法)は、例えば、巻鉄心においてはL
−2πt(n−1)で設定する(Lは後述する1ブロッ
ク内の最長のシート素板Cの長さ寸法、tは30枚重ね
したシート材料Bの板厚、nは巻鉄心の内側から巻回さ
れるシート素板Cの数)。なお、本実施例では、前記シ
ート素板Cを例えば、5段に積層して後述する巻回シー
ト素体Dを設ける関係上、前記送出寸法の設定に基づ
き、5枚重ねしたアモルファスシート素板Aを同一寸法
で6回切断(シート材料B)して巻鉄心(n=5)の1
積層分のシート素板Cを形成し、次層以降のシート素板
Cを形成する場合は、前層のシート素板Cの長さ寸法L
より2πt分の寸法だけ順次短くして切断する。
【0037】そして、1ブロック分の巻回シート素体D
を形成するには、本例では前記シート素板Cを形成する
作業を5回繰返すことになる。この場合、最初に形成す
るシート素板Cの長さ寸法は、1ブロック分の巻回シー
ト素体Dの中で一番長い寸法のものとなり、以下順次所
定寸法づつ短くし、そのブロックにおける最後となる5
番目のシート素板Cは、そのブロックにおける一番短い
寸法で形成されことになる。つづいて、次層の巻回シー
ト素体Dの形成に際しても前層と同様に、その巻回シー
ト素体Dの最下段に位置する最長の長さ寸法を有するシ
ート素板Cから切断し、以下順次上段に位置するシート
素板Cは、常に前段のシート素板Cの長さ寸法Lから2
πt分だけ短くして切断し、1ブロック分の最上段に
は、常にそのブロックにおける最も短い寸法のシート素
板Cが乗載されることになる。
【0038】この場合、巻鉄心の巻回に必要な各ブロッ
クの巻回シート素体Dにおける最長のシート素板Cの長
さ寸法をはじめ、そのブロックにおける各シート素板C
の長さ寸法は、事前に制御装置75にプログラム設定さ
れており、制御装置75からは、前記プログラム設定し
た長さ寸法に相当する指令信号を電動機M1 に出力して
これを駆動制御することにより、アモルファスシート素
板Aをあらかじめ設定した所要の切断する長さ寸法だけ
順次送出して切断する。
【0039】前記切断されたアモルファスシート素板A
のシート材料Bは、5枚積層された状態で、搬送コンベ
ア9,10を介して反転装置11に搬送される。前記搬
送コンベア9,10は、図2のように、切断装置1の前
方(図2の左側)に設置された搬送台枠910上に例え
ば、2つに分割して直線状に配置した無端ベルト91,
92を、電動機M2 ,M3 により個別に所要数のガイド
ローラを介して直線移動可能に張架して構成し、前記電
動機M2 ,M3 は、搬送台枠910内に保持されて、制
御装置75からの指令信号により例えば、切断装置1が
駆動している間を除き、送込ローラ8の電動機M1 と同
期して駆動する。
【0040】次に、前記反転装置11は、図2,3で示
すように、搬送コンベア9,10から送られたシート材
料Bを、その搬送途中で表面側を裏面側に反転させて、
シート材料Bを図3,5に示すように、反転装置11と
並設した乗載装置21a,21bに給送するように構成
されている。前記反転装置11は図示しない支持手段を
介して図2で示すように、搬送コンベア10の終端部に
垂直に立設して形成されており、その構造を図3により
大別して示すと、振分ローラ12と、縦長でほぼコ字形
に形成した第1の反転コンベア13と、前記第1の反転
コンベア13の内懐に配設した第2の反転コンベア14
とからなり、前記第1,第2の各反転コンベア13,1
4は、水平に搬送されたシート材料Bを一旦垂直方向に
変換して給送しつつ、シート材料Bの表面側を裏面側に
反転させる方向で再び横向(水平方向)きに変換して搬
送し、後述する第1,第2の乗載装置21a,21bに
シート材料Bを反転させて水平に乗載できるように構成
されている。
【0041】前記振分ローラ12は、図3で示すよう
に、その基端は歯車12aを介して搬送コンベア10と
駆動結合し、先端は図示しない油圧,空圧,電動等の駆
動源にて作動するシリンダ16に連接し、このシリンダ
16により基端のローラ軸12bを中心として、一定角
度傾斜させて第1,第2の反転コンベア13,14にシ
ート材料Bを給送するように構成されている。
【0042】第1の反転コンベア13は図3で示すよう
に、無端ベルトB1 がコ字形に張架できるようにガイド
ローラRを複数個配設して形成されており、コンベアの
中枢をなす無端ベルトB1 は、その縦方向に張架した部
位の一部を重合して重合部13aを形成し、この部位で
シート材料Bを挟持して縦方向に給送する。
【0043】更に、第2の反転コンベア14は図3で示
すように、第1の反転コンベア13の内懐となる凹部1
5の下側に配置されており、その構造は第1の反転コン
ベア13を小形化したもので、無端ベルトB2 を縦向き
に張架してシート材料Bを縦向きに給送する部位のみを
重合して重合部14aが形成できるように、ガイドロー
ラR1 を複数個配設して構成し、シート材料Bは無端ベ
ルトB2 の重合部14aで垂直に保持して給送する。
【0044】第1の反転コンベア13と第2の反転コン
ベア14は、前記のように、上下方向に2段に区分して
形成し電動機M4 ,M5 にて個別に駆動する。又、図3
に示す17,18は油圧,空圧等図示しない駆動源を有
して各コンベア13,14の送出端に配置したシート材
料Bの送出速度を抑制するブレーキ用のシリンダで、第
1,第2の各反転コンベア13,14の送出側のガイド
ローラR,R1 に設けた歯車13b,14bと噛合して
回転するローラR3 ,R4 の上方に取付けられており、
前記シリンダ17,18に取付けた押圧ローラR5 ,R
6 と前記歯車13b,14bを介してローラR,R1
連動するローラR3 ,R4 との間を流通するシート材料
Bが、ローラR3 ,R4 とローラR5 ,R6 との間を通
り抜けるまで作動し、シート材料Bを前記ローラR3
4 とローラR5 ,R6 とにより軽く押圧し、シート材
料Bの第1,第2の乗載装置21a,21bへの搬送速
度を抑制し、所要の長さ寸法で切断したシート材料B
を、搬送コンベア9,10上の前記反転装置11と併設
した乗載装置21a,21bに給送するように構成され
ている。
【0045】又、図3に示すK1 ,K2 は、シリンダ1
7,18に近接して配置したシート材料B検出用の第
1,第2のセンサで、これら第1,第2のセンサK1
2 は、第1,第2の反転コンベア13,14の送出端
からシート材料Bが繰出されると、これを検知してシー
ト材料Bが乗載装置21a,21b上にある程度乗載さ
れた時点で制御装置75からの指令信号にてシリンダ1
7,18を駆動し、ローラR5 ,R6 をシート材料B側
に押動し、搬送中のシート材料Bに軽く制動を加えて搬
送速度を抑制し、前記シート材料Bを乗載装置21a,
21bの定位置に乗載させる。なお、シート材料Bがセ
ンサK1 ,K2 を通過すると、第1,第2の反転コンベ
ア13,14はその駆動を一旦停止する。又、前記反転
装置11に具備したシリンダ16,17,18と電動機
4 ,M5 は制御装置75により常時駆動制御されてい
る。
【0046】次にシート材料Bを第1,第2の乗載装置
21a,21bに乗載する場合について説明する。最初
に、前記シート材料Bを反転給送する反転装置11は、
アモルファスシート素板Aよりシート材料Bを切断する
と、制御装置75からの指令信号により駆動する。そし
て、切断されたシート材料Bが搬送コンベア10にて振
分ローラ12の位置まで搬送されると、振分ローラ12
は、制御装置75からの指令信号にて駆動する。シリン
ダ16にて図3に実線で示すように、搬送コンベア10
と同様に水平状態に維持されている。
【0047】前記シート材料Bは搬送コンベア10から
振分ローラ12上を水平移動し、そのまま第1の反転コ
ンベア13の無端ベルトB1 の重合部13aに進入す
る。シート材料Bは搬送方向が垂直方向に変換されて第
1の反転コンベア13内を上動して重合部13aの頂部
にシート材料Bの先端が達すると、シート材料Bはその
表面側が裏面側に反転する水平方向(図3の右側方向)
に変換され、第1の反転コンベア13と対応する第1の
乗載装置21aに給送される。
【0048】シート材料Bの先端が第1の乗載装置21
aに給送されると、これを第1のセンサK1 が検出して
検出信号を制御装置75に送出する。制御装置75は検
出信号を受信すると、シリンダ17に指令信号を出力
し、第1の乗載装置21a側に給送されるシート材料B
の後端側をローラR3 ,R5 により軽く挟持してその送
出速度を抑制する。このため、シート材料Bは第1の反
転コンベア13から離れる時点(シート材料Bがセンサ
1 を通抜けたとき)で、その給送速度が相当低下して
いる結果、ほぼ第1の乗載装置21aの定位置に、表面
側を裏面側に反転して乗載される。
【0049】前記のように、シート材料Bが第1の反転
コンベア13から第1の乗載装置21aに送出される
と、センサK1 による検出が解除されるため、制御装置
75からの指令信号によりシリンダ17は原位置に戻
り、第1の反転コンベア13は一旦停止する。つづい
て、搬送コンベア10から振分ローラ12に向けて次の
シート材料Bが搬送されると、制御装置75からの指令
信号によりシリンダー16が起動し、ローラ軸12bを
支点として振分ローラ12を図3に示す2点鎖線の位置
まで上動(傾斜)させ、シート材料Bを第2の反転コン
ベア14に進入させる。この結果、シート材料Bは第2
の反転コンベア14の重合部14aにて搬送方向が垂直
方向に変換されるものの、直ちに水平方向(図3の右側
方向)に転回して裏面側に反転させて、第2の反転コン
ベア14と対応する第2の乗載装置21b側に給送され
る。シート材料Bが第2の乗載装置21b側に給送され
はじめると、第2のセンサK2 がこれを検出してシリン
ダ18が駆動し、シート材料BをローラR4 ,R6 によ
り軽く挟持して制動をかけ、その搬送速度を抑制して第
2の乗載装置21bの定位置まで給送する。
【0050】このように、搬送コンベア10より所要の
長さ寸法で切断されて搬送されるシート材料Bは、振分
ローラ12により第1及び第2の反転コンベア13,1
4に交互に進入し、それぞれ搬送コンベア10による搬
送時とは逆方向に反転して、各反転コンベア13,14
と対応する第1,第2の乗載装置21a,21b上に送
出される。
【0051】前記シート材料Bは、アモルファスシート
素板Aを本実施例では6回分同じ長さ寸法で切断装置1
により切断すると、次に切断されるシート材料Bは前の
シート材料Bの長さ寸法Lに2πt(tはシート材料B
の板厚)分を減算した長さ寸法にて切断され、これを、
前記同様反転装置11にて順次反転させながら第1,第
2の乗載装置21a,21b上に給送・乗載させる。
【0052】次にシート材料Bを反転した状態で乗載す
る第1,第2の乗載装置21a,21bの構成を図4,
5により説明する。前記第1,第2の乗載装置21a,
21bは搬送コンベア9,10の上方において、図2の
ように、反転装置11の第1,第2の反転コンベア1
3,14の送出端と同一線上の位置で上下2段にわたっ
て形成されている。前記上下2段に配置した第1,第2
の乗載装置21a,21bは、図4,5で示すように、
複数本の長尺状のローラ(巻鉄心の最外周を巻回する際
に用いるシート材料Bが充分に乗載できる長さを備えて
いる)22を、図4で示すように、各ローラ22の端末
に取付けた歯車23と、これら歯車23間において各ロ
ーラ22を相互に連動させる連動歯車24とを駆動結合
し、前記ローラ22を、電動機M6 の駆動歯車23aと
噛合する前記歯車23,24を介して回転させる。
【0053】前記各ローラ22は電動機M6 により、歯
車23,24を介して所要の回転速度で回転し、反転装
置11から表面側を裏面側に反転して給送されたシート
材料Bが乗載され、かつ、センサK1 又はK2 がシート
材料B無しと判断すると、制御装置75からの指令信号
にて電動機M6 は起動を開始し、ローラ22上のシート
材料Bを図4で示すように、長さ方向と直交する幅方向
の一方端を先頭にして図4の手前側に設けた積層装置3
1に、裏面側を上側に向けたままの状態で転送する。
又、乗載装置21a,21bは次に乗載されるシート材
料Bの先端が第1,第2のセンサK1 ,K2 にて検出さ
れると、電動機M6 は制御装置75からの指令信号にて
一旦停止し、次のシート材料Bの乗載に備える。
【0054】このように、シート材料Bは、アモルファ
スシート素板Aを所定枚数(本例では5枚)あらかじめ
設定された長さ寸法にて所定回数(本例では6回)切断
し、つづいて、以下前層のシート材料Bの長さ寸法から
順次2πtの長さ寸法分だけ減算した長さ寸法でアモル
ファスシート素板Aを順次切断し、これらを次層以降の
シート材料Bとして、搬送コンベア9,10から反転装
置11内を給送させて反転し、これらを順次上下一対の
第1,第2の乗載装置21a,21bに交互に送出し、
前記各シート材料Bを、その乗載時点で駆動する乗載装
置21a,21bによって、次工程の積層装置31に反
転したまま幅方向を先頭にして給送する。
【0055】次に、前記乗載装置21a,21bから給
送されるシート材料Bを、巻鉄心の巻回に際して積層す
る積層装置31の構成を図5ないし図8により説明す
る。前記乗載装置21a,21bから幅方向の一方端を
先頭として交互に給送されるシート材料Bを、その表面
同士及び裏面同士を交互に重合して1積層分のシート素
板Cを形成する積層装置31は、乗載装置21a,21
bの手前側(図4では下側,図5では左側を示す)にお
いて、搬送台枠910上に設置されて大別すると、上部
側の乗載装置21aと共動可能に連系して鉤形に配置し
た反転戻しコンベア32と、下部側の乗載装置21bと
共動可能に配置した平板状の搬送コンベア33と、シー
ト材料Bを積層する第1,第2の積層・整列装置34,
35と、シート材料Bの幅方向の端面をその両側から整
列する一対の第1の整列装置36,361とによって概
略構成されている。
【0056】そして、前記反転戻しコンベア32は、図
7で示すように、その入口X側は上部側の乗載装置21
aと同一高さの位置で図示しない支持手段にて設置さ
れ、一方、出口O側は搬送台枠910上方に設置される
第1の整列装置36,361の上部に位置し、シート材
料Bを給送途中に反転させて裏面側を表面側に戻すため
に複数のガイドローラR7 が、無端ベルトB3 を鉤形に
張架すべく取付けられて構成されている。又、上部側の
乗載装置21aとは歯車32bを介して共動可能に連結
されている。
【0057】つづいて、図示しない取付手段にて水平状
態に配置した搬送コンベア33は、入口X1 側が下部側
の乗載装置21bに歯車33bを介して駆動結合されて
おり、出口O1 側は反転戻しコンベア32の出口Oと所
定の間隔(シート材料Bの幅寸法以上の間隔)を保ち、
かつ、同一線上の位置となるようにガイドローラR8
介して張架した無端ベルトB4 を用いて構成されてい
る。そして、前記反転戻しコンベア32と搬送コンベア
33の各出口O,O1 側の下部には、シート材料Bの滑
落を円滑に行うために上方を各コンベア32,33の出
口O,O1 から斜め下方に傾斜させて搬送台枠910上
に、その長さ方向に沿って図4,6,7で示すように、
一定の間隔を保って複数のガイド板37,37aが、各
コンベア32,33に互いに相対向して植設されてい
る。
【0058】次に、第1,第2の積層・整列装置34,
35は、図4,7で示すように、搬送台枠910の長手
方向と直交する端部に取付けた取付枠体38(図7参
照)に、上下2段に区分して水平に取付けたシリンダ3
9a,39bと、これらシリンダ39a,39bの駆動
部(ピストン)に基端を止着し、先端部分をガイド板3
7,37a間を横切って搬送コンベア33側のガイド板
37aの上端と平行する位置まで延出した第1,第2の
整列樋40a,40bとによって構成されている。そし
て、前記第1,第2の整列樋40a,40bは図6に示
すように、各ガイド板37,37,37a,37a間に
所定数(シート材料Bを水平に受止めることができる間
隔)配列されている。又、前記整列樋40a,40b
は、図7に示すように、基端側が水平な先端側に比べて
一定の高さとなるように傾斜して形成されている。
【0059】更に、第1の整列装置36,361は図7
に示すように、反転戻しコンベア32の出口O側と対応
する取付枠体38の上端に取付けたシリンダ36aと、
このシリンダ36aと対向して搬送コンベア33の出口
1 側の下側に支持台36cを介して取付けたシリンダ
36bと、前記各シリンダ36a,36bの駆動ピスト
ンの先端に取付けた整列板41,41aとによって構成
されており、各ガイド板37,37間及び37a,37
a間に整列樋40a,40bと衝接しない位置で配設さ
れている。なお、第1の整列装置36,361,第1,
第2の積層・整列装置34,35と、前記反転戻しコン
ベア32,搬送コンベア33は、制御装置75からの指
令信号により個別に駆動制御されている。
【0060】なお、図6,8で示す42は第2の整列装
置で、この整列装置42は第2の積層・整列装置35上
に積層されたシート素板Cの長さ方向の端面を整列する
もので、図6に示すように、第1の積層・整列装置34
上に横向に配置した長尺状の進退位置調節可能なシリン
ダ43と、このシリンダ43の駆動部43bに取付けら
れてシート素板Cの長手方向の一方を整列させる整列当
片43aと、シート素板Cの長手方向の他方(図6の左
側)に縦設したシリンダ44のピストン先端に垂設した
整列当板44aとによって構成されており、この第2の
整列装置42は、前記第1,第2の積層・整列装置3
4,35と同様、制御装置75により駆動制御される。
【0061】次に前記積層装置31によって乗載装置2
1a,21bから給送されるシート材料Bを6回重ね合
せてシート素板Cを積層する場合について説明する。積
層装置31を構成する第1,第2の積層・整列装置3
4,35と、第1の整列装置36,361,第2の整列
装置42は、前記したように、制御装置75によって駆
動制御されている。そして、前記シート材料Bが乗載装
置21a,21bから転送されると、積層装置31の反
転戻しコンベア32及び搬送コンベア33は、歯車32
b,33bを介して乗載装置21a,21bと駆動結合
されているので、図7で示すように、上部側の乗載装置
21aにおいて給送されたシート材料Bは、そのまま駆
動している反転戻しコンベア32の入口X側から無端ベ
ルトB3 の重合部32aに挟持されてコンベア32に搬
送され、このシート材料Bは乗載装置21aから転送さ
れた時点では反転状態に保持されているものの、コンベ
ア32が鉤形に形成されているため、コンベア32の出
口O側から導出されるときは、裏面側から表面側に再び
反転されて導出される。
【0062】前記反転戻しコンベア32から導出したシ
ート材料Bは、表面側に反転された状態で、ガイド板3
7の傾斜面を滑落して第1の整列樋40aに乗載され
る。前記反転戻しコンベア32からシート材料Bが導出
されると、該コンベア32はセンサK1 がシート材料B
の存在を検出しない限り乗載装置21aは駆動している
ので、駆動を続行する。そして、前記乗載装置21aに
次のシート材料Bを乗載すべく、センサK1 がシート材
料Bを検出すると、前記反転戻しコンベア32は前記乗
載装置21aの停止と同時に駆動を中止する。なお、こ
の場合、反転戻しコンベア32の出口O側に図示しない
センサを設置し、シート材料Bがコンベア32から排出
されたことを検出して、乗載装置21aと反転戻しコン
ベア32の運転を止めるようにしてもよい。なお、第1
の整列樋40aに乗載されたシート材料Bは第1の整列
装置36のシリンダ36aにて整列板41を押動して、
シート材料Bの幅方向端面をシリンダ36b側のガイド
板37aに押し当ててシート材料Bを整列させる。
【0063】つづいて、下部側の乗載装置21bから転
送されたシート材料Bは、図7に示すように、平板状に
形成された搬送コンベア33に反転されたまま無端ベル
トB4 の重合部33aに挟入され、前記乗載装置21b
に乗載されたままの状態でガイド板37aの傾斜面上に
落下し、そのまま、第1の整列樋40aにおいて反転戻
しコンベア32から導出されたシート材料B上に積載さ
れる。即ち、反転戻しコンベア32から搬送されたシー
ト材料Bは、搬送途中に反転されて表面を上向きにした
状態で整列樋40aに乗載され、逆に、搬送コンベア3
3から搬送されたシート材料Bは、整列樋40aに既に
載置されているシート材料Bの上に反転したままの状態
(裏面状態)で積載される。
【0064】前記のように、搬送コンベア33からシー
ト材料Bが第1の整列樋40a上に滑落すると、搬送コ
ンベア33と下部側の乗載装置21bは一旦停止する。
このあと、第1の整列装置361のシリンダ36bによ
り整列板41aをシリンダ36a側に押動して、第1の
整列樋40a上のシート材料Bをガイド板37に押し当
ててその幅方向の端面を整列させる。
【0065】そして、シート材料Bが所定数(本例では
4層分)積載されていないときは、前記の工程を所定回
数繰返し、第1の整列樋40a上に図22で示すよう
に、シート材料Bの表面同士及び裏面同士を交互にして
シート材料Bを4層分積層すると、第1の整列樋40a
が、シリンダ39aにて後退(図7の左側に2点鎖線で
示すように移動して第1の整列樋40aを開放)し、4
層分のシート材料Bを直下の第2の整列樋40b上に降
下して乗載させる。このあと、第1の整列装置36のシ
リンダ36aが起動し、整列板41をシリンダ36b側
に押動して、シート材料Bをガイド板37aに押し当て
てその幅方向端面の整列を行う。つづいて、前記工程を
繰返し(本例ではあと1回繰返す)、シート材料Bを反
転戻しコンベア32からは表面を上向きに、搬送コンベ
ア33からは裏面状態のまま、第2の整列樋40bに降
下させて積層することにより、第2の積層・整列装置3
5の第2の整列樋40bにシート材料Bを図22で示す
ように、積層面の表面及び裏面同士を交互に重合・積層
して幅方向の端面の板厚を均一にすることにより、シー
ト材料Bを6層分積層したシート素板Cを形成する。
【0066】シート材料Bを前記6層(本例の場合であ
り、これに限定するものではない)に積層したら、第1
の整列樋40aを図7に実線で示すように、シリンダ3
6b側に突出(第1の整列樋40a閉鎖)させる。つづ
いて、再度シリンダ36aにて整列板41をシリンダ3
6b側に押動し、第2の整列樋40b上のシート素板C
の幅方向端面をガイド板37aに押し当てて整列させ
る。
【0067】前記シート素板Cの幅方向の端面を整列し
たら、第2の整列装置42を駆動し、図8で示すよう
に、シート素板Cの一方(図8の左側)に位置するシリ
ンダ44のピストンを降下させて整列当板44aをシー
ト素板Cの長手方向の端面と対向させ、このあと、第2
の整列手段42のもう一方のシリンダ43を起動して、
その駆動部43bに取付けた整列当片43aを、シート
素板Cの他方(図8の右側)の端面に接触すべく図8の
左方に移動し、シート素板Cの長手方向の端面を前記整
列当片43a及び整列当板44aにて整列させることに
より、前記シート素板Cの積層を完了する。シート素板
Cの積層を終えたら、シリンダ43,44は一旦原位置
に戻る。
【0068】なお、シート素板Cの長手方向を整列する
際、第2の整列樋40bが図7で示すように、その一部
がテーパー状に形成されているので、シート素板Cは少
し湾曲した状態で第2の整列樋40bに乗載される結
果、この湾曲部の存在によって機械的強度が強くなって
いるため、その長手方向から力を加えても、長手方向に
撓むことがなく整列作業を行うことができる。又、シー
ト材料Bを第1の整列樋40aにより幅方向を整列する
際も、第1の整列樋40aはその一部が傾斜して形成さ
れているため、シート材料Bは幅方向への動きが容易と
なり、整列作業を円滑に促進することができるものであ
る。
【0069】つづいて、前記シート材料Bの積層工程に
よりシート材料Bを6層分積層して形成したシート素板
Cを所要層段積みして巻鉄心を巻回するようにした本発
明の前記シート素板Cの段積工程と、段積装置の実施例
を図9ないし図19により説明する。最初に前記積層工
程でシート材料Bを所要層(本例では6層)積層してシ
ート素板Cを形成したら、前記シート素板Cを第2の整
列樋40bから引出して、これを階段状に積層するシー
ト素体積層装置(段積装置)45の構成を説明する。
【0070】前記シート素体積層装置45は、積層装置
31にて積層されたシート素板Cを挟持する挟持(チャ
ック)装置46と、シート素板Cを積層装置31から引
出してコンベア装置61まで搬送し、かつ、前記搬送し
たシート素板Cを積層して、1ブロック分の巻回シート
素体(本例ではシート素板Cを5層積層したものを指
す)Dを形成する場合、例えば、そのブロックにおいて
長さ寸法の最も長いシート素板Cを最下段とし、以下、
順次前層のシート素板の長さ寸法Lより2πt(tはシ
ート素板Cの板厚)分だけ短くしたシート素板Cを階段
状に段積みして1巻回分の巻回シート素体Dを形成する
搬送・積層装置47と、前記コンベア装置61上に載置
したシート素板Cの側面(幅方向の端面)を整列させる
整列装置48(図14,15参照)と、更に、前記コン
ベア装置61上で整列したシート素板Cを次のシート素
板Cを積層するまでの間押圧保持する押圧装置51,5
1a(図14,16参照)とによって概略構成されてい
る。
【0071】最初に、挟持装置46の構成について説明
する。図9において挟持装置46は、搬送・積層装置4
7の可動台49に垂設保持され、シート素板Cの長手方
向の先端を挟持する開閉自在な一対の挟着片a,bを先
端に備え、後端には挟着片a,bを開閉するシリンダ5
0を取付け、例えば、前記シリンダ50のピストンを進
退させると、挟持片a,bの基部に具備した図示しない
ローラを左右に回動させて挟着片a,bを開閉するよう
にしたもので、常時は前記挟着片a,bを引張ばね50
a(図10参照)の引張力にて図9のように閉状態に保
持されている。又、前記挟持装置46は可動台49に設
置したシリンダ50bにより所定の寸法で昇降できるよ
うに取付けられている。
【0072】次に、前記挟持装置46を図9において、
左右方向に一定の距離移動させてシート素板Cをコンベ
ア装置61上に所定段数段積みして積層する搬送・積層
装置47は、図示しない支持装置等にてシリンダ44の
前方(図9の左側)に取付けた進退位置調節可能なシリ
ンダとかリニアモータ等の駆動装置(以下シリンダ47
aという)47aと、このシリンダ47aの駆動部47
bに取付けた前記挟持装置46を具備した可動台49と
からなる。
【0073】つづいて、整列装置48の構成について説
明する。図6,7及び14〜16において、搬送台枠9
10のガイド板37,37aを配設した位置に、コ字状
の鉄骨材を図2に示す巻回装置65のところまでレール
状に配置して形成したガイド部材52,52aと、前記
ガイド部材52,52aのうち、図14の左側に示すガ
イド部材52に、コンベア装置61上に搬送したシート
素板Cの側面と対応する位置で、図6,9に示すよう
に、複数個配置したシリンダ53aにて、もう一方のガ
イド部材52a側に進退する整列板53bを具備した図
14に示す整列手段53とによって構成されている。
【0074】そして、前記整列板53bは図15に示す
ように、シリンダ53aのピストンに止着した固定板5
3cとの間に挿入した緩衝バネ53dを介してシート素
板Cの端面を緩衝的に押圧するように形成され、又、図
14で示すガイド部材52,52aとガイド板37,3
7aとの関係は、ガイド板37,37aがガイド部材5
2,52aの互いに相対向する面に設けた切欠部(図示
せず)に基部を嵌着し、ガイド板37,37aとガイド
部材52,52aとが図7,14のように、同一平坦面
となるように形成されている。従って、縦長なシート素
板Cはその一方の側面(図14の左端面)を整列板53
bで押圧すると、シート素板Cの他方の側面は図14で
示すように、ガイド部材52a側に押圧され、その端面
をガイド板37aとガイド部材52aとによって平坦状
に整列される。
【0075】次に押圧装置51,51aの構成について
説明する。この押圧装置51,51aはコンベア装置6
1上に引出されたシート素板Cを前記整列装置48によ
り整列させた後、次層のシート素板Cを引出して前層の
シート素板C上に乗載するまでの間、そのシート素板C
をコンベア装置61上に揺動不能に押圧保持し、図6,
14,16で示すように、ガイド部材52,52aの上
面に最短のシート素板Cが押圧できる範囲で複数個(本
例では各ガイド部材52,52aに各2個)配置したシ
リンダ54と、このシリンダ54のピストンの下端に取
付けられて、ガイド部材52,52aのシート素板Cと
対応する面を開口して設けた窓孔55(図12,13参
照)からシート素板C上に突出する押圧片56とによっ
て構成され、シート素板Cの側面上部を良好に押圧す
る。
【0076】前記シート素体積層装置45を構成する挟
持装置46,搬送・積層装置47,整列装置48,押圧
装置51は、それぞれ制御装置75により所定のシーケ
ンスに従って駆動制御される。そして、シート素板Cを
積層して1ブロック分の巻回シート素体Dを形成する場
合は、積層装置31の第2の積層・整列装置35にシー
ト材料Bを本例では6層分積層してシート素板Cを形成
すると、挟持装置46は、図9で示す実線の位置から2
点鎖線で示す位置(積層装置31)まで、シリンダ47
aにより移動すると、挟持片a,bをシリンダ50によ
り引張バネ50aの力に抗して拡げる。挟持装置46が
図10に示すシート素板Cを挟持する位置まで更に移動
すると、前記挟持装置46は停止してシート素板Cの長
手方向の先端が挟持片a,b間に嵌入される。
【0077】この状態で、挟着片a,bをシリンダ50
により作動してシート素板Cを挟持させると、積層装置
31の第2の積層・整列装置35のシリンダ39bによ
り第2の整列樋40bを図7に2点鎖線で示すように左
側に後退させて、第2の整列樋40bを開放すると、シ
ート素板Cは図11に示すように、挟持装置46による
挟持部分を除いてコンベア装置61上に降下する。シー
ト素板Cが降下すると、前記第2の積層・整列装置35
の整列樋40bは、シリンダ39bの起動により図7に
実線で示すように、原位置に復帰して次のシート素板C
の乗載に備える。
【0078】挟持装置46によってシート素板Cを挟持
すると、挟持装置46は搬送・積層装置47のシリンダ
47aによって図2,11の左側方向(巻回装置65
側)にあらかじめ設定した距離だけシート素板Cを引き
ずって移動する。そして、図12に示すように、挟持装
置46は定位置まで移動すると停止する。
【0079】前記挟持装置46が図12に示す定位置ま
で移動すると、シリンダ50bが始動して挟持装置46
を図10に示す第2の整列樋40bの位置から、図12
に示すガイド部材52aの近くまで降下させる。つづい
て、押圧装置51,51aのシリンダ54,54が起動
して図12に示すガイド部材52,52aの窓孔55か
ら外方に突出する押圧片56,56の先端を降下させ、
シート素板Cの幅方向の端面上部をコンベア装置61上
で押圧する。
【0080】シート素板Cを押圧したらシリンダ50に
より挟着片a,bを開いてシート素板Cの挟持を開放
し、前記シート素板Cの挟持部分を図13で示すように
コンベア装置61上に乗載する。この後、シリンダ5
4,54によるシート素板Cの押圧を解き、つづいて、
シリンダ53aにより固定板53c,緩衝バネ53dを
介してシート素板Cの一方の側端面(図14の左側)
を、整列板53bによりガイド部材52a及びガイド板
37aに押動してシート素板Cの側面を整列する。
【0081】前記のように、1ブロック分の巻回シート
素体Dにおける最下段に位置するそのブロックにおける
最長のシート素板Cの整列作業が終了したら、再度シリ
ンダ54,54を起動し図13,16で示すように、押
圧片56,56によりシート素板Cの側端面を上方から
押圧する。前記シート素板Cをコンベア装置61上で押
圧している間に、前記挟持装置46はシリンダ50bに
より図9に実線で示す原位置に戻る。
【0082】前記シート素板Cをコンベア装置61に引
出したとき、次層のシート素板Cを乗載するまでの間、
前層のシート素板Cを押圧片56,56にて押圧保持
し、次層のシート素板Cを挟持装置46にて前層のシー
ト素板C上に引出して乗載したときは、シリンダ54,
54により押圧片56,56を上動し、コンベア装置6
1に最初に乗載した前層のシート素板Cの押圧を解き、
再度シリンダ54,54を始動してシート素板Cを前層
・次層の2層分押圧片56,56にてコンベア装置61
上で押圧する。前記シート素板Cを2層分押圧した後、
挟持装置46の挟持片a,bによる次層のシート素板C
の挟持を解き、挟持部分をコンベア装置61上に乗載す
る。つづいて、シリンダ54,54により押圧片56,
56を上動させシート素板Cの押圧を一旦解除する。
【0083】そして、コンベア装置61上に2層分段部
を有して積層載置されたシート素板Cは、前記挟持及び
押圧の各装置46,51,51aによる固定解除に伴
い、整列手段53が作動してシート素板Cの側面を整列
させ、それが終了すれば押圧装置51,51aが再動作
し、コンベア装置61上のシート素板Cを次層のシート
素板Cが積層されるまでの間押圧保持している。
【0084】前記のように、1組5枚のシート材料Bを
積層装置31により積層する毎に幅方向の端面が入れ違
いとなるようにして所定回数(本例では6回)積層し
て、その積層端面の積層厚を均一にして設けたシート素
板Cを、前記シート素体積層装置45により順次積層装
置31の第2の積層・整列装置35から引出し、図17
に示すように、長さ寸法の長いものを下から順に階段状
に段積して1ブロック(本例ではシート素板Cを5層積
層したものを指す)分の巻回シート素体Dを形成する。
1ブロック分の巻回シート素体Dは、前記のように、シ
ート素板Cを最初にそのブロックにおける最長の長さ寸
法のものからアモルファスシート素板AをL−2πt
(n−1)送出して形成する。
【0085】前記のように、1ブロック分の巻回シート
素体Dを段積みする場合、通常は巻回シート素体Dを構
成する各層のシート素板Cの各段部における間隔寸法
(重ね代T)は均一になっている。然るに、前記段積み
にした各層シート素板Cの段部の間隔寸法が均一である
と、巻鉄心の巻回中に摩擦によるずれやスリップ、ある
いは、鉄心の形状を整えたりするうえで巻回シート素体
Dを構成する層のシート素板Cの接合部が、例えば、図
24で示すように、あらかじめ設定した巻鉄心の窓内寸
法X−Yの範囲からはみ出す場合がある。
【0086】シート素板Cの接合部のはみ出しを抑制す
るには、1ブロックにおける巻回シート素体Dの最内層
と最外層に位置するシート素板Cの重ね代を変更するこ
とにより、前記接合部のはみ出し現象を容易に解消する
ことが可能となる。本発明は、前記に基づき幅方向の積
層端面の積層厚を均一に形成したシート素板Cを、例え
ば、5層積層して1ブロック分の巻回シート素体Dを段
積みする場合は、次に説明する段積み方法が採用されて
いる。
【0087】巻鉄心を構成する各層の巻回シート素体D
は、例えば、シート素板Cを図19で示すように段積み
する。即ち、1ブロック分の巻回シート素体Dは、各層
のシート素板Cが前層のシート素板の長さ寸法に2πt
を加えて、1ブロックを構成する巻回シート素体Dのシ
ート素板Cが形成されており、これをあらかじめ設定し
た各段部の間隔寸法に従って段積みすることにより、各
ブロックの巻回シート素体Dを形成するものである。
【0088】そこで、本例の場合について説明すると、
本例ではシート素板Cを5層分用意し、かつ、積層に際
しては、巻回シート素体Dを形成する際に説明したよう
に、最初にその層における最長のシート素板Cを最下段
に配置し、以下、2πtの長さ寸法分づつ減じた長さの
シート素板Cを順次に積上積層(段積み)して1層分の
巻回シート素体Dを形成している。
【0089】そして、前記各シート素板Cの段積みに当
っては、図19に示すように、最上段(5層目)のシー
ト素板C5 と次段(4層目)のシート素板C4 の段部の
間隔寸法をTとした場合、4層目のシート素板C4 と3
層目のシート素板C3 との間隔寸法はT−1とする。以
下同様にして3層目と2層目はT−2,2層目と1層目
はT−3というように、順次各段部における間隔寸法
を、1ブロック内のシート素板が長くなるに従い、あら
かじめ設定した段部の寸法により、順次狭くしてシート
素板C1 〜C5 の段積みを行うものである。
【0090】そして、前記各シート素板の各段部におけ
る間隔寸法は、事前に制御装置75にプログラム設定し
ておく。これにより、シート素板Cを積層装置31から
挟持装置46により引出し、コンベア装置61上に載置
するシート素体積層装置45の可動範囲が設定される。
この結果、各シート素板Cを段積みする場合は、前記の
ように、各段部の間隔寸法が事前に設定されているた
め、巻回シート素体Dの形成は、図19に示すように、
各段部の間隔寸法を異にして段積みすることが容易に行
い得る。
【0091】前記のように、本発明においてはシート素
板Cを所要段数積層してシート素体Dを形成する場合
は、前記挟持装置46をシート素体積層装置45によ
り、事前に設定された寸法範囲で可動させることによっ
て、図17,19に示すように、シート素板C1 〜C5
を容易に各段部の間隔寸法を変更して段積みすることを
可能とした。なお、次層以降の巻鉄心を構成する各ブロ
ックの巻回シート素体Dも、前記同様に段積みして形成
する。
【0092】又、巻回シート素体は、巻鉄心の最内層を
構成するブロックから最外層のブロックに向うに従い、
各ブロックのシート素板の段部における間隔寸法を、前
記のように統一することなく、各ブロック毎に最適な長
さ寸法を設定し、これにより、シート素板を1ブロック
づつ階段状に積層して巻回シート素体を段積みして形成
するようにしてもよいことは勿論である。
【0093】次に、前記のようにして段積みして形成し
た巻回シート素体Dを搬送するコンベア装置61と前記
巻回シート素体Dを巻回する巻回装置65の構成につい
て説明する。コンベア装置61は図2,9,17で示す
ように、搬送台枠910の中央部にその長さ方向に沿っ
て巻回装置65まで延長して形成したベルトコンベア6
2と、このベルトコンベア62上に巻回装置65に向っ
て移動する巻回シート素体Dを自重によって押圧する押
圧手段63と、巻回シート素体Dを一定の押圧力で押圧
付勢しながら巻回装置65に送り込むシート素体送込手
段64とによって構成されている。
【0094】そして、前記コンベア装置61のベルトコ
ンベア62は、無端ベルトをローラ間に張架して電動機
8 を用いて駆動可能に形成されており、又、押圧手段
63は図2に示すように、一対のローラR9 ,R10間に
巻回シート素体Dが容易に挟み込むことができるよう
に、上側のローラR10はガイド枠体63aを用いて上下
動可能に形成し、巻回シート素体DがローラR9 ,R10
間に進入すると、上側のローラR10がガイド枠体63a
のガイド溝63bに沿って上動し、巻回シート素体Dを
ローラR10の自重にて押圧する。なお、ローラR9 ,R
10は図示しない連結手段により共動回転可能に結合され
ている。
【0095】更に、シート素体送込手段64は図2のよ
うに、巻回シート素体Dを適当な押圧力で付勢するシリ
ンダ64aと、電動機M7 にて回転する送りローラ64
bとからなり、巻回シート素体Dはシリンダ64aに設
けたローラR11と送りローラ64bとの間に進入する
と、これを例えば、図示しないセンサが検出して制御装
置75からの指令信号にてシリンダ64aを起動し、ロ
ーラR11を降下して送りローラ64bとの間で所要の押
圧力で押圧すると同時に、電動機M7 がベルトコンベア
62と同期して起動し、巻回シート素体Dを揺動しない
程度の押圧力により押圧して巻回装置65に給送する。
巻回シート素体Dが巻回装置65に巻込まれて、図示し
ないセンサがコンベア装置61上に巻回シート素体Dの
無いことを検出したら、コンベア装置61は次の巻回シ
ート素体Dの積層に備えて一旦停止する。
【0096】そして、巻回シート素体Dの巻回装置65
への給送に際しては、巻回シート素体Dをシート素板C
により1ブロック分積層して段積みする毎に、即ち、例
えば、切断装置1の切断回数が1ブロック分の巻回シー
ト素体Dを形成するに必要なアモルファスシート素板A
を切断する回数だけ作動したとき、制御装置75からコ
ンベア装置61の電動機M8 に指令信号を送出してコン
ベア装置61を駆動する。従って、本例では、切断装置
1は1回に5枚のアモルファスシート素板Aを切断して
シート材料Bを形成する。このシート材料Bは5枚1組
のものを図22で示すように、表面同士(3回)及び裏
面同士(2回)を交互に重ね合せて、6層に積層して1
つのシート素板Cを形成する。この結果、前記シート素
板Cは図22のように、その幅方向端面の板厚偏差を良
好に解消することができるものである。
【0097】そして、前記シート素板Cを用いて巻鉄心
を巻回するときは、更に、前記シート素板Cを4層分を
階段状に積層して1ブロック分の巻回シート素体Dを形
成している。又、制御装置75は切断装置1を1積層分
のシート素板Cを形成するのに6回動作し、更に、これ
を5回乗算することにより、計30回切断装置1を作動
させると、始めてコンベア装置61を駆動し、前記巻回
シート素体Dを巻回装置65に搬送するシーケンスが組
込まれている。なお、巻回シート素体Dの搬送中も切断
装置1はアモルファスシート素板Aの切断作業を続行し
て巻鉄心1台分のシート材料Bを切断し、これを用いて
シート素板C,巻回シート素体Dを形成して巻鉄心の巻
回を行うか、コンベア装置61の駆動中は切断を中断
し、1ブロック分の巻回シート素体Dが巻回されたら、
再び切断装置1を駆動して巻回シート素体Dを形成する
かについては必要に応じて決定すればよい。
【0098】次に、巻回装置65について説明する。前
記巻回装置65は、図18に示すように、巻取枠66を
取外し自在に止着した巻軸67と、巻取枠66に巻取ら
れた巻回シート素体Dの外周を取り囲み押えつけてこれ
を回転駆動させる巻込ベルト68と、この巻込ベルト6
8を回転可能に架張するために配設した複数個のガイド
ローラ69と、これらガイドローラ69の1つに駆動連
結されて巻込ベルト68を回転移動させる電動機M
9 と、更に、巻込ベルト68に一定の張力を付与するた
めのシリンダ70とによって構成されている。
【0099】巻回シート素体Dは、コンベア装置61に
より巻回装置65側に給送し、図18,20に示すよう
に、巻回シート素体Dの先端がシート素体送込手段64
を通って巻回装置65の巻込位置Gに達すると、これを
図示しないセンサが検出して電動機M9 を起動し、巻込
ベルト68を回動して巻回シート素体Dの先端を、巻取
枠66あるいは巻取枠66に既に巻回されている巻回シ
ート素体Dと、巻込ローラ71との間に潜り込ませ、巻
取枠66等の外周面に巻込ベルト68に圧接された状態
で巻回シート素体Dを順次円形に巻取る。
【0100】前記巻回シート素体Dの巻回に際しては、
シート素板Cを段積みするとき、例えば、図19に示す
ように、各層シート素板C1 〜C5 における各段部の間
隔寸法は、シート素板C1 〜C5 の長さ寸法が順次短く
なるほど広くしてあるため、このシート素体Dを巻取枠
66に巻取ると、図23で示すように、シート素板C1
〜C5 の各接合部90は、それぞれ、巻鉄心80の窓内
寸法X−Yの範囲内に位置させることができる。これ
は、各シート素板の各段部の間隔寸法が、各ブロックに
おける長さ寸法を短くしたシート素板に向うに従って長
くしてある。
【0101】従って、巻回シート素板Dの巻回は、図1
7,19,20で示すように、そのブロックにおいて最
短のシート素板C5 が、最初に巻回装置65の巻取枠6
6に当接して巻回される関係上、この巻回時点で段部の
間隔寸法が最大となるシート素板C5 の接合部90が、
そのまま巻鉄心の窓内寸法X−Y内に入っておれば、以
後そのブロックに巻回するシート素板C4 〜C1 の各段
部の間隔寸法は順次短くしてあるので、シート素板C4
〜C1 の各接合部90は、巻回シート素体Dの巻回中に
スリップ等によってずれが生じたとしても、良好に前記
窓内寸法X−Y内で配置することができる。
【0102】前記のように、各シート素板C1 〜C5
各段部における間隔寸法は、事前にどれくらいの範囲
(寸法)にすると、各接合部90が窓内寸法X−Y内に
入るのか、あるいは、はみ出るのかをテストして把握
し、このテスト結果をもとにして、巻鉄心を構成する各
ブロックのシート素板Cの各段部における全部の間隔寸
法を設定し、これら設定寸法を本発明は制御装置75に
プログラム設定して、シート素体積層装置45の可動範
囲を駆動制御するように構成してあるため、前記の如
く、各層の巻回シート素体Dを順次巻回装置65により
巻取る場合、図23に示すように、各シート素板C1
5 の接合部90をすべて巻鉄心の窓内寸法X−Y内に
良好に、かつ、巻回するシート素板の層数を増やした状
態で、巻鉄心の巻回を行うことができる。
【0103】そして、所定数の巻回シート素体Dを巻回
したら、これを巻取枠66から取り外し、図示しない矩
形成形治具を用いて円形に巻回した鉄心80aを矩形成
形することにより、図21に示す、1ターンカット方式
の巻鉄心80を形成する。このようにして巻回した巻鉄
心80の積層断面は、例えば、図22で示すように、そ
の左右の積厚寸法が、シート材料Bを一層分ずつ、表面
同士と裏面同士とを交互に重ね合せて積層してあるの
で、幅方向の板厚偏差を良好に解消して同一寸法で巻鉄
心80を巻回することが可能となり、しかも、各ブロッ
クの巻回シート素体Dの接合部90を、所定の窓内寸法
X−Yに配置させることが容易となる。
【0104】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載した発明におい
ては、アモルファスシート素板を複数枚重合し、これを
所定の長さ寸法で順次切断したシート材料を、その表面
同士及び裏面同士を交互に重合して積層手段により所要
層積層して1積層分のシート素板を連続して形成し、こ
のシート素板を1積層分積層する毎に挟持手段により挟
持して積層手段から引出して順次階段状に所定段数段積
して1ブロック分の巻回シート素体を形成するようにし
たので、前記巻回シート素体は、シート素板の形成時シ
ート材料をその表面側は表面同士で、裏面側は裏面同士
で交互に重合しているため、幅方向の板厚偏差が均一と
なり、板厚偏差に伴う弊害が確実に排除でき、巻鉄心の
鉄心占積率を良好に向上することができる。
【0105】又、シート素板を所要層階段状に段積みし
て積層する場合は、シート素板を挟持する挟持手段の直
線移動範囲を可変させて、各段部の間隔寸法(シート素
板の重ね代)に長・短が生じるようにして巻回シート素
体が形成されているので、即ち、前記各段部における間
隔寸法は、事前に複数層のシート素板をどれくらいの間
隔寸法で段積みすれば、巻回シート素体の接合部が、巻
鉄心の窓内寸法から飛び出すことがないのか、事前にテ
スト等により把握して設定されているので、巻回シート
素体は1ブロックにおけるシート素板の積層数を増加さ
せることが可能となり、この結果、巻鉄心の巻回作業を
迅速に、効率的に行うことができる。
【0106】本発明の請求項2に記載した発明において
は、巻回シート素体を構成する所要層のシート素板にお
ける各段部の間隔寸法は、1ブロックを形成する巻回シ
ート素体の最内層のシート素板から最外層のシート素板
にかけて順次短くなるように設定してあるので、前記各
ブロックにおける最内層のシート素板の接合部を窓内寸
法の位置で巻回することにより、各ブロックの最外層に
位置するシート素板の間隔寸法は、各ブロックの最内層
に比べて相当小さくなっているため、この層のシート素
板の接合部が巻鉄心の窓内寸法からはみ出すという事態
を良好に防ぎ、かつ、1ブロック内のシート素板の数を
増すことができ、これにより、アモルファスシート素板
からなる鉄心材料を用いての巻鉄心の製造を迅速・容易
に行うことができる。
【0107】本発明の請求項3に記載した発明において
は、巻回シート素体によって構成される巻鉄心の各ブロ
ックは、前記巻鉄心の最内層に位置するブロックから最
外層を形成するブロックにかけて、各ブロックを構成す
る各シート素板の段部における間隔寸法を、各ブロック
毎に最適な長さに設定されているので、各ブロックにお
けるシート素板の積層数を巻鉄心の外層側に位置するブ
ロックほど内層側に巻回したブロックに比べて多く巻回
することができ、これにより、1ブロック当りのシート
素板の積層数を外層側に位置するブロックほど多層とな
して、巻鉄心を構成するシート素板を積層したブロック
数の軽減がはかれ、巻鉄心の巻回作業を効果的に行うこ
とができる。
【0108】本発明の請求項4に記載した発明において
は、巻回シート素体によって形成される巻鉄心の各ブロ
ックは、1ブロックを形成するシート素板を、そのブロ
ックにおいて最長のものを最下段とし、以下長さ寸法を
順次短くした所定層のシート素板を階段状に、しかも、
各段部の間隔寸法を最下段から上段に向かうに従って順
次長くして1ブロック分の巻回シート素体を形成するよ
うにしたので、各ブロックを構成する巻回シート素体
は、シート素板の段積作業を安定した状態で、かつ、1
ブロックにおける最短のシート素板の巻始め端を巻鉄心
の窓内寸法の巻始め位置から巻込むことにより、そのブ
ロックの他のシート素板の間隔寸法が順次小さくなるよ
うに設定されているので、シート素板の接合部を良好に
前記窓内寸法内に配置することが可能となり、更に、幅
方向の側端を整列させながら行うことができるので、各
ブロックの巻回シート素体の巻回作業が円滑に、しか
も、巻鉄心自体の積層端面の板厚を均一に、かつ、積層
端面からアモルファスシート素板が突出するという問題
を確実に解消して、鉄心特性に優れた巻鉄心の巻回が可
能となる。
【0109】本発明の請求項5に記載した発明において
は、所定の長さ寸法で所定枚数切断したアモルファスシ
ート素板からなるシート材料を、その幅方向の板厚が均
等となるように所要層重合して1積層分のシート素板を
形成し、このシート素板を、1層分づつ階段状に各段部
の間隔寸法を異にして所定層積層して1ブロック分の巻
回シート素体を形成するシート素体積層手段が構成され
ているので、前記巻回シート素体は巻鉄心の各ブロック
毎にシート素板を連続的に、かつ、鉄心の窓内寸法の範
囲にシート素板の接合部が位置するように迅速・確実に
段積みして形成することができる。
【0110】本発明の請求項6に記載した発明において
は、巻回シート素体を形成するシート素板を段積みする
場合は、各層のシート素板を段積する毎に整列させ、か
つ、前層のシート素板を押圧した状態でこのシート素板
上に次層のシート素板を乗載するようにした整列装置と
押圧装置とが具備されているので、前記シート素板の段
積み作業は、シート素板を常に整列状態を維持させて所
要層積層することができるため、前記巻回シート素体を
機械化手段により自動化して迅速に形成することが可能
となり、鉄心特性に優れた巻鉄心を効率よく巻回するこ
とができる。
【0111】本発明の請求項7に記載した発明において
は、シート素板の挟持・搬送・挟持解除を行う各手段を
具備して構成されているので、前記シート素板を所定位
置まで搬送して段積みを行う際、シート素板を形成する
複数枚のアモルファスシート素板は、位置ずれを起した
り、あるいは、不揃現象を全く生じることなく、所定の
搬送位置まで円滑に移動させることができ、しかも、段
積み作業は、前記整列及び押圧装置と同期させて行うこ
とができるため、巻鉄心を構成する各ブロックの巻回シ
ート素体を容易に機械化手段により段積みして形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アモルファスシートの巻戻し装置を示す概略図
である。
【図2】本発明の巻鉄心製造装置の全体を示す構成図で
ある。
【図3】シート材料を反転して給送する装置の構成図で
ある。
【図4】巻鉄心製造装置の要部を示す平面図である。
【図5】巻鉄心製造装置の要部を示す側面図である。
【図6】巻鉄心製造装置の要部を示す正面図である。
【図7】シート材料の表面同士と裏面同士を交互に積層
する積層装置を示す側面図である。
【図8】同じく積層装置の要部を縦断して示す正面図で
ある。
【図9】本発明のシート素板を搬送し段積みして積層す
る装置の構成図である。
【図10】シート素板の引出状況を示す説明図である。
【図11】シート素板を引出した状態を示す説明図であ
る。
【図12】シート素板の引出途中を示す説明図である。
【図13】シート素板をコンベア装置上に乗載した状態
を示す説明図である。
【図14】シート素板の整列装置を示す要部断面図であ
る。
【図15】整列装置に用いる整列手段の要部を示す縦断
面図である。
【図16】シート素板を押圧する押圧装置の概略構成図
である。
【図17】シート素板を所要層段積して巻回シート素体
を形成するシート素体積層装置の概略構成図である。
【図18】巻回装置の概略構成図である。
【図19】本発明の方法にて段積する巻回シート素体の
斜視図である。
【図20】本発明にて巻回シート素体の巻回状態を説明
する説明図である。
【図21】本発明にて形成した巻鉄心の平面図である。
【図22】巻鉄心の要部断面図である。
【図23】本発明の方法にて段積みした巻回シート素体
を巻回して形成した円形鉄心の平面図である。
【図24】従来の方法にて巻回した円形鉄心の平面図で
ある。
【図25】アモルファスシート材料を示す断面図であ
る。
【図26】アモルファスシート材料を積層して構成した
従来の巻鉄心の要部を縦断して示す断面図である。
【符号の説明】
1 切断装置 9,10 搬送コンベア 11 反転装置 13 第1の反転コンベア 14 第2の反転コンベア 21a,21b 乗載装置 31 積層装置 34 第1の積層・整列装置 35 第2の積層・整列装置 36,361 第1の整列装置 37,37a ガイド板 40a 第1の整列樋 40b 第2の整列樋 42 第2の整列装置 45 シート素体積層装置 46 挟持装置 47 搬送・積層装置 48 整列装置 51 押圧装置 53 整列手段 61 コンベア装置 65 巻回装置 80 巻鉄心 A アモルファスシート素板 B シート材料 C シート素板 D 巻回シート素体 K1 ,K2 センサ M1 〜M9 電動機 R,R1 〜R11 ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 41/02 B29D 9/00 B32B 15/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファスシート素板を複数枚積層
    し、これを所定の長さ寸法で順次切断して設けたシート
    材料を、その表面同士と裏面同士とをそれぞれ交互に所
    要層重合して1積層分のシート素板を形成する工程と、
    前記シート素板を1ブロック内において切断寸法の短い
    シート素板を上側にして以下所定の長さ寸法分だけ順次
    長くして切断した各シート素板を下側に向うに従って階
    段状に、かつ、各段部の間隔寸法を異にして積層するこ
    とにより1ブロック分の巻回シート素体を形成する工程
    とを備えたことを特徴とする鉄心材料の段積方法。
  2. 【請求項2】 前記巻回シート素体は、1ブロック分を
    形成する各シート素板の各段部における間隔寸法を、1
    ブロック内における最短のシート素板から順次最長のシ
    ート素板に向うに従って各層シート素板の段部の間隔寸
    法を順次短くして1ブロック分のシート素板を階段状に
    積層して形成したことを特徴とする請求項1記載の鉄心
    材料の段積方法。
  3. 【請求項3】 前記巻回シート素体は、巻鉄心の最内層
    に位置するブロックから最外層のブロックに向うに従っ
    て、各ブロックにおける各シート素板の段部の間隔寸法
    を、各ブロック毎に異にし、かつ、最適な長さ寸法に設
    定して、1ブロック分のシート素板を階段状に積層して
    形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の鉄
    心材料の段積方法。
  4. 【請求項4】 前記巻回シート素体は、1ブロック内に
    おいて最大の長さ寸法を有するシート素板を最下段に配
    置し、以下長さ寸法を所定の寸法毎に順次短くしたシー
    ト素板を、階段状に、かつ、各段部の間隔寸法を順次長
    くして所定段数積層し、更に、前記1ブロック分のシー
    ト素板を1積層分積層する毎に既に積層したシート素板
    とともに、その幅方向の側端面を整列させ、かつ、整列
    後押圧保持させて形成するようにしたことを特徴とする
    請求項2又は3記載の鉄心材料の段積方法。
  5. 【請求項5】 アモルファスシート素板を複数枚積層し
    た状態で所定の長さ寸法に順次切断して設けたシート材
    料を、その表面同士と裏面同士とをそれぞれ交互に所要
    層重合して1積層分のシート素板を順次積層する積層手
    段と、前記積層手段にて積層したシート素板を各シート
    素板毎に挟持してこれを積層手段から引出して階段状
    に、かつ、各シート素板の段部の間隔寸法を順次異にし
    て複数段積層して1ブロック分の巻回シート素体を形成
    するシート素体積層手段と、更に、前記各手段を所定の
    シーケンスに従って駆動制御する制御手段とを具備して
    構成したことを特徴とする鉄心材料の段積装置。
  6. 【請求項6】 前記シート素体積層手段は、シート素板
    を挟持する挟持装置と、挟持装置を所定位置まで直線移
    動させてシート素板を階段状に積層させる搬送・積層装
    置と、前記搬送したシート素板を整列させる整列装置
    と、前記整列させたシート素板を次層のシート素板を積
    層するまで押圧保持する押圧装置と、これら各装置を所
    定のシーケンスに従って駆動制御する制御手段とを具備
    して構成したことを特徴とする請求項5記載の鉄心材料
    の段積装置。
  7. 【請求項7】 前記挟持装置は、シート素板をその長さ
    方向の端部を挟持して搬送する一対の挟着片と、これら
    挟着片を開閉自在に駆動するシリンダ,挟持装置自体を
    昇降させるシリンダ、更に、前記挟持装置を進退可能に
    駆動させる駆動装置と、前記各シリンダ等を、挟持装置
    における挟持・搬送・挟持解除の各シーケンスに従って
    駆動制御する制御手段を具備して構成したことを特徴と
    する請求項6記載の鉄心材料の段積装置。
JP17902597A 1997-06-18 1997-06-18 鉄心材料の段積方法及び段積装置 Expired - Fee Related JP3481085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17902597A JP3481085B2 (ja) 1997-06-18 1997-06-18 鉄心材料の段積方法及び段積装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17902597A JP3481085B2 (ja) 1997-06-18 1997-06-18 鉄心材料の段積方法及び段積装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH118147A JPH118147A (ja) 1999-01-12
JP3481085B2 true JP3481085B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=16058805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17902597A Expired - Fee Related JP3481085B2 (ja) 1997-06-18 1997-06-18 鉄心材料の段積方法及び段積装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3481085B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7292127B2 (en) 2004-05-26 2007-11-06 Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. Transformer
KR101180759B1 (ko) 2012-03-19 2012-09-07 우진전기 주식회사 아몰퍼스 리본 커팅적재장치
JP6125787B2 (ja) * 2012-09-28 2017-05-10 株式会社ダイヘン 巻鉄心製造装置
CN112201464B (zh) * 2019-07-08 2024-01-26 康利源科技(天津)股份有限公司 一种非晶合金变压器铁芯压紧装置
CN112164573B (zh) * 2020-09-16 2022-06-10 浙江师范大学 一种非晶细带制备磁芯的方法及装置
CN117457373B (zh) * 2023-12-22 2024-03-01 长春三鼎变压器有限公司 一种电渣炉变压器加工设备

Also Published As

Publication number Publication date
JPH118147A (ja) 1999-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102385981B (zh) 变压器铁芯的制造装置和制造方法
JP2007283440A (ja) シートの裁断装置
JP3481085B2 (ja) 鉄心材料の段積方法及び段積装置
JP3515302B2 (ja) 鉄心材料の積層方法及び積層装置
JP3720498B2 (ja) 鉄心材料の搬送装置
JP3146456B2 (ja) シート束搬送方法及びそれに用いるシート束搬送装置並びにそれを備えた製本装置
JP4331805B2 (ja) 巻鉄心の製造方法及び製造装置
JPH069180B2 (ja) 鉄心窓の周りに巻かれたアモルファス鋼帯から成る変圧器鉄心の製造方法
JP2599076B2 (ja) 巻鉄心の巻回装置
JP3727425B2 (ja) 鉄心用非晶質磁性合金薄帯の段積み方法及び装置
JP3423089B2 (ja) 帯状材料の供給,貼付け方法
JP3539818B2 (ja) 巻鉄心の製造装置
JP3774520B2 (ja) 巻鉄心製造装置
JPH1012471A (ja) 巻鉄心の製造方法及びその製造装置
JP2514506B2 (ja) 巻鉄心の巻回装置
JP3990481B2 (ja) 巻鉄心製造装置
JPH1171049A (ja) 搬送積層装置及び搬送積層方法
JPH02117713A (ja) コイル条取り出し方法
JP3161309B2 (ja) 帯状材料の搬送装置
JP2004142846A (ja) 製品集積装置
CN116553245B (zh) 一种用于生产线不停线换卷及连线双储存装置
KR100650130B1 (ko) 권취릴과 그것을 가지는 베니어시트의 권취장치와 합판의 제조방법
JP3127035B2 (ja) 紙葉類反転さばき装置
JPH08329457A (ja) 磁気カード製造システム
JPH03240618A (ja) 結束装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees