JP3539718B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体インクを用いるインクジェット記録方式の機器で使用される記録媒体に関し、更に詳しくは光沢感のあるインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラーハードコピーの需要が広まってきている。とりわけノンインパクト記録方式の一種であるインクジェット記録方式は、高速、低騒音であることと、現像工程を必要としない直接記録であること、比較的簡便な装置でカラー記録が可能であることの理由から急速に普及してきた。
特に、多色インクジェット記録方式の応用分野として、製版方式の多色印刷にとっては数量的にコスト高となる少量印刷の分野への応用の取り組みがなされている。最近は、カラー写真の画像と比較しても遜色のないフルカラー高精細画像をより高速に出力できることが求められており、インクジェット記録媒体にも写真(印画紙)並みの手触り感と表面の光沢性が要求されている。
【0003】
一般に、インクジェット記録媒体のインク吸収層には合成シリカのような一次粒子の小さいものを凝集させた、すなわち、被表面積が大きく粒子径が数μm以上の大きな凝集シリカなどの顔料が広く用いられている。これらの顔料を用いたインクジェット記録用紙は光沢感がほとんどないいわゆるマットタイプとなる。また、フィルム転写法やキャストコート法を用いて、インク吸収層表面を鏡面にすると光沢の高いグロスタイプとなるが、これらは操業性が悪く、グロスタイプのインクジェット記録媒体の価格はマットタイプに比較して非常に高いという欠点があった。
【0004】
また、インクジェット記録用紙の市場が多様化するに伴い、従来、インキと校正版を用いて行われていた印刷物のプルーフ(校正刷り)作製をインクジェットプリンターで行いたいという要望が高まってきている。
一般の印刷では要求される印刷物の仕上がり感に応じた光沢度の紙が用いられており、例えば、キャストコート紙(グロスタイプ)、アート紙、コート紙、微塗工紙(セミグロスタイプ)、ダルアート紙(ダル調タイプ)、上質紙(マットタイプ)等が用途に応じて用いられている。このため、印刷用プルーフ用紙も印刷用紙と同様に種々の光沢感を持つことが求められる。しかしながら、インクジェットプリンターに使用される記録用紙は、従来、光沢が高いグロスタイプか光沢のほとんどないマットタイプの物しか存在していなかった。
以上のように、従来技術では高速に記録できる十分なインク吸収性と、光沢のある表面性を併せ持つインクジェット記録媒体はキャストコート法、フィルム転写法で製造されたものしかなく、そのため非常に高価であった。
また、キャストコート法やフィルム転写法では一般印刷に用いられるアート紙やコート紙のような光沢感を持つインクジェット用紙を作成することは出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アート紙やコート紙と同等の風合い(面感)を有し、光沢性、色再現性、鮮明性、インク吸収性、耐水性、表面強度に優れ、安価で大量に供給可能なインクジェット記録媒体を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の主題は、支持体、並びに前記支持体の一方の表面上に順次設けられた、顔料及びバインダーを主成分とする多孔性のインク吸収層、鎖状カチオン性コロイダルシリカを主成分とするインク発色層及び水溶性高分子を主成分とする光沢層から成るインクジェット記録媒体である。前記水溶性高分子はセルロース誘導体であることが好ましい。また、前記光沢層表面の光沢度は75度鏡面光沢度が50%以上であって20度鏡面光沢度が10%以下であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の支持体は、インクジェット記録用紙の支持体となり得る強度がある公知の支持体の中から適宜選択すれば良く、天然パルプ紙、合成パルプ紙等の紙、布、不織布、有孔性又は無孔性のフィルムやプラスチックフィルム(ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の各種フィルム)等のフィルム、紙の表面に樹脂フィルムを貼合したシート、溶融樹脂によって紙の表面を加工したいわゆるラミネート紙等、様々な基材を利用することができる。本発明においては特に紙を使用することが好ましい。例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、TMP、CMP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等と公知の填料を加えると共に、バインダー、サイズ剤、定着剤、及び紙力増強剤等を混合し、各種の抄紙方式によって得た原紙、及び、更に上述の原紙上に製紙分野でいうサイズプレス処理やカレンダー処理等を施した紙などを用いることができる。支持体の厚みと坪量は、記録装置中の搬送性を考慮して選択され、一般的に厚みは30〜300μm、坪量は30〜250g/mが用いられる。
【0008】
本発明のインク吸収層は顔料とバインダーからなる塗料を支持体表面に一層以上塗布して形成され、顔料としては白色顔料を1種以上用いることが好ましい。白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシュウム、ゼオライト、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、サチンホワイト、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、等の白色無機顔料、プラスチックピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂、等の白色有機顔料が挙げられる。特に、白色顔料は主成分として多孔性無機顔料を使用することが好ましく、多孔性無機顔料としては、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナがあげられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
【0009】
またバインダーとしては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉等の水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、アクリル−エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス等のエマルジョンが使用され、特にポリビニルアルコールが好ましい。
顔料とバインダーの配合比は求められるインクの吸収性に応じて決定するが、本発明においては顔料100重量部に対してバインダーは10〜70重量部が適当である。
本発明のインク吸収層には、サイズ剤、染料定着剤、顔料分散剤、流動性改良剤、消泡剤、離型剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐水化剤等を本発明の効果を損なわない程度に適宜添加することができる。
本発明のインク吸収層の塗工量は2〜40g/mが好ましく、特に5〜20g/mが好ましい。この明細書において塗工量(g/m)は乾燥固形分で表す。
【0010】
本発明のインク発色層は鎖状カチオン性コロイダルシリカを主成分とする。カチオン性のコロイダルシリカを用いることで、インクの定着性を高め、また、鎖状のコロイダルシリカを用いることで、インク吸収層の上に塗工する際、インク発色層塗工液が多孔性のインク吸収層中に沈み込むことがなく、発色性や光沢に優れたインク発色層を設けることができる。球状のコロイダルシリカを用いるとインク発色層塗工液がインク吸収層中に沈み込むため、発色層が均一に形成されず発色性や光沢が出にくい。また、鎖状コロイダルシリカは単独で、すなわち、樹脂等のバインダーを添加しなくてもコロイダルシリカが適度に絡み合い塗工層の表面強度が発現する。また発色層の多孔性も高くなるため、インク吸収性も優れたものとなる。
【0011】
また、本発明の鎖状カチオン性コロイダルシリカは一次粒子径が10〜40nmで鎖の長さが40〜300nmのものが好ましい。一次粒子径や鎖の長さが大きくなるに従い、光沢発現性は低下していくものの、インク吸収性は良くなる傾向にある。
インク発色層の塗工量は3g/m以上であれば良い。塗工量が多い程インクジェット記録媒体の光沢度は高くなるが反面インク吸収性が悪くなる傾向がある。
本発明のインク発色層には、必要に応じて、サイズ剤、染料定着剤、顔料分散剤、流動性改良剤、消泡剤、離型剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐水化剤等を本発明の効果を損なわない範囲内で適宜併用することができる。
【0012】
本発明のインクジェット記録媒体の最上層である光沢層は水溶性高分子溶液を主成分とし、インク発色層の上に塗工することによって得られる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルキチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、マレイン酸アルキレン共重合物塩、シリル変成ポリビニルアルコール等が挙げられるが、特に、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体を用いると、低塗工量の光沢層においても光沢が発現し、好ましい。
【0013】
またこれらの水溶性高分子は単独又は混合物で用いてもよく、特にこれらの水溶性高分子を混合して任意の光沢度を得ることができる。
光沢層の塗工量は0.01〜1.5g/mの範囲で選択され、これを越えるとインクの乾燥性が極端に低下し、またこれ未満では光沢が発現しない。より好ましくは0.02〜0.8g/mの範囲である。
本発明の光沢層には、必要に応じて、サイズ剤、染料定着剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐水化剤等を本発明の効果を損なわない範囲内で適宜併用することができる。
【0014】
本発明のインクジェット記録媒体はアート紙やコート紙に非常に近い光沢感(面感、風合い)をもつことが出来る。この光沢感は、物体から反射した光によって生じる視覚又はそのような視覚によって生ずる心理現象であるため、定量評価することが難かしい。しかし、75度鏡面光沢度および、20度鏡面光沢度の値で簡易的に評価することが出来る。
例えば、表1に示すように、キャストコート紙のような表面が鏡面である高光沢紙の場合、75度鏡面光沢度も20度鏡面光沢度も高い数値となるが、アート紙やコート紙においては、75度鏡面光沢度は比較的高い数値となるが20度鏡面光沢度は低い数値となる。表面がマット調である低光沢紙は両者の値とも低い。
【0015】
【表1】
【0016】
本発明のインクジェット記録媒体は、75度鏡面光沢度を50%以上、かつ20度鏡面光沢度を10%以下とすることができるので、その面感はアート紙、コート紙の面感に似たものとなる。
本発明のインクジェット記録媒体がアート紙やコート紙のような面感が得られる理由は定かではないが、鎖状コロイダルシリカを主成分とするインク発色層の上に水溶性高分子が塗工されることで、鎖状コロイダルシリカ同士の空隙が埋まり入射光の乱反射が抑えられるために75度鏡面光沢度は向上するが、水溶性分子の塗工量が少ないため空隙はすべて埋まらず20度鏡面光沢度は低い値を示すものと考えられる。
また、水溶性高分子の塗工量が少ないので発色性、インク吸収性にはほとんど影響を及ばさずに、高光沢で高精細のフルカラー記録が可能になる。
【0017】
インク吸収層、インク発色層、光沢層の塗工方法としては、特に限定はなく公知の技術が使える。例えばサイズプレス、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、グラビヤコーターなどが使用される。これらの塗工方法では塗工速度のスピードアップが可能であり、また歩留まりも良いため短時間に大量のインクジェット記録媒体を製造することが可能になる。
また、支持体にインク吸収層を設けた時と、インク発色層を設けた時、更に光沢層を設けた時にそれぞれの層の表面をコントロールするために金属ロール、コットンロール、樹脂ロール及び、それらの組み合わせによる表面カレンダー処理を行うことは、より光沢度を高めることに有効な手段である。
【0018】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録媒体は、容易にアート紙やコート紙に近い風合を得ることができ、色再現性、鮮明性、インク吸収性、表面強度に優れた光沢感のあるインクジェット記録媒体を得ることができる。また、バー塗工方法等の生産性のよい製造方法で製造可能であるため、低コストで光沢感のあるインクジェット記録媒体を製造することができる。また、これにより、マット又はグロスタイプのインクジェット記録用紙と併せ、インクジェット記録方式の印刷プルーフ作成への用途を拡大するという顕著な効果がある。
【0019】
【実施例】
以下に好ましい実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。又、実施例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
なおインクジェット記録シートの記録適性の測定及び判定は、記録装置としてセイコーエプソン製PM770C(解像度1440dpi)を用いて、下記方法に従って行った。各評価項目の判定が、△以上であれば実用上問題ない。
各層の塗工量としては、JIS P8124に準じた坪量の測定により、各層を設けたインクジェット記録用紙の坪量と該記録用紙に用いた支持体の坪量を夫々実測し、両者の坪量の差を算出して用いた。また、光沢層の塗工量は、光沢層の塗工に使用した塗工液の重量に光沢層塗工液の固形分濃度を乗じて求めた。
【0020】
色再現性及び鮮明性は印字濃度で評価した。
1)印字濃度:ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色のベタ記録を行い記録部をマクベス濃度計(モデル:Macbeth RD915)にて測定した。
◎:印字濃度が各色1.5以上であり、かつ4色の印字濃度の合計が7.5以上
〇:印字濃度が各色1.5以上であり、かつ4色の印字濃度の合計が7.0以上7.5未満
△:印字濃度が1.5未満の色が1色以上あるか、又は4色の印字濃度の合計が7.0未満
×:印字濃度が1.5未満の色が1色以上あり、かつ4色の印字濃度の合計が7.0未満
【0021】
インク吸収性はインク滲み、白ぬき文字視認性及びインク乾燥性で評価した。2)インク滲み:赤、緑、青の混色のベタ記録を行い各色の境界の混色程度を目視により判定した。
○:境界部の滲みが全くない。
△:境界部の滲みややあり。
×:境界部の滲みが多い。
3)白ぬき文字視認性:混色部の白抜き数字の鮮明度を目視により判定した。
○:白抜けがきれいにでている。
△:白抜けがやや潰れている。
×:白抜けが潰れて判読出来ない。
【0022】
4)インク乾燥性:2)のインク滲みと同様な記録を行い排紙と同時に混色部の記録面を手で擦りインク乾燥程度を評価した。
○:完全に乾燥している。
△:手にインクが少し着く。
×:排紙時に目視でもインクが浮いている状態で手で擦るとべったり着く。5)光沢度:JIS Z8741に従い、村上色彩研究所製鏡面光沢度計MODEL GM−26
for75°を用いて75度鏡面光沢度を測定し、同鏡面光沢度計MODEL GM−26Dを用いて20度鏡面光沢度を測定した。
【0023】
6)表面強度:塗工面を折り曲げて更に親指と人指し指で2回しごいた後折り曲げ部を指で擦り塗工層の落ち具合で判定した。
◎:塗工層が全く剥がれない。
○:塗工層がわずかに剥がれる。
△:塗工層が少し剥がれる。
×:塗工層がかなり剥がれる。
7)耐水性:1)の印字濃度を測定した4色ベタ部を流水に5分間浸漬してインクの流れ出しの程度を目視により判定した。
○:全く流れ出さない。
△:少し流れ出す。
×:殆ど流れ出す。
【0024】
実施例1
LBKP(濾水度320mlcsf)80部、NBKP(濾水度390mlcsf)20部から成る木質パルプに、軽質炭酸カルシウム20部及び分子量400万のポリアクリルアミド0.02部を配合し調成した後、長網抄紙機にて抄造し、支持体を作製した。得られた支持体は坪量100g/mであった。
沈降法シリカ(トクヤマ株式会社製:ファンシールX−37)100部とポリビニルアルコール(クラレ製:PVA−117)の10%溶液500部、水500部を混合調液し、支持体上に、塗布量15g/mの多孔性インク吸収層を設けた。
更にインク吸収層の上に、鎖状カチオン性コロイダルシリカ(日産化学工業製:ST−OUP、一次粒子径10nm、平均鎖長70nm)100部と染料定着剤(昭和高分子製、ポリフィックス700)8部、サイズ剤(荒川化学製、ポリマロン360)4部を配合した溶液を5g/m塗布し、表面カレンダー処理を行いインク発色層を設けた。
更に、この上に光沢層として水溶性高分子溶液(メチルセルロース:信越化学工業製:SM−15)を塗布量が0.5g/mになるようにクリヤー塗工し、ソフトカレンダー処理を行って、インクジェット記録媒体を作製した。
【0025】
実施例2
インク吸収層の上に鎖状カチオン性コロイダルシリカ(日産化学工業製:ST−PS−LO、一次粒子径40nm、平均鎖長140nm)100部と実施例1と同じ染料定着剤8部、実施例1と同じサイズ剤4部を配合した溶液を5g/m2塗布し、表面カレンダー処理を行いインク発色層を設けた以外は実施例1と同様の操作を行いインクジェット記録媒体を作製した。
【0026】
実施例3
水溶性高分子(カルボキシメチルセルロース:日本製紙製:サンローズA20H)溶液を0.02g/m2塗布してソフトカレンダー処理を行った以外は実施例1と同様の操作を行いインクジェット記録媒体を作製した。
実施例4
水溶性高分子(メチルセルロース:信越化学製SM-15)溶液を1.6g/m2塗布してソフトカレンダー処理を行った以外は実施例1と同様の操作を行いインクジェット記録媒体を作製した。
これら実施例の評価結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
比較例1
実施例1において水溶性高分子溶液の塗布を省略した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体を作製した。
比較例
実施例1の水溶性高分子溶液に代えて、SBRラテックス(日本ゼオン製:ニポール407F8B)をクリヤー塗工した以外は実施例1と同様の操作を行いインクジェット記録媒体を作製した。
比較例
実施例1の鎖状カチオン性コロイダルシリカに代えて鎖状で無いカチオン性コロイダルシリカ(日産化学工業製:ST−O、平均粒子径10〜20nm)を5g/m塗布して表面処理を行い、更にこの上に水溶性高分子(メチルセルロース:信越化学製SM−15)溶液を0.5g/mになるように塗工しカレンダー処理を行いインクジェット記録媒体を作製した。
【0029】
比較例 (キャスト法によるインクジェット記録媒体の作成)
沈降法シリカ(トクヤマ株式会社製:ファンシールX−37)100部とスチレンブタジエンラテックス(日本合成ゴム製:JSR−0617)10重量部、カゼイン(ニュージーランド製)30重量部、ステアリン酸カルシウム(サンノプコ製:ノプコートSYC)5重量部を混合調液し、濃度30%水性塗工液を調整した。
この塗工液を、コンマコーターを用いて、塗工量が18g/mになるように支持体の片面に塗布した後、蟻酸カルシウム10%及び剥離剤(ノプコートSYC)0.5%からなる水性の凝固液で凝固処理し、塗工層が湿潤状態にあるうちに100℃に加熱した鏡面に圧着し、乾燥してキャストコート紙を製造した。
【0030】
比較例 (転写法によるインクジェット記録媒体の作成)
特開昭60−232990に記載の方法等で製造される平均粒子径4μmのキセロゲル状の多孔質水和アルミニウム酸化物20部と酸化澱粉(日本食品製:MS3800)2部からなる、濃度20%のインク吸収層用の水性塗工液を調整した。
次に、50μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、ポリエステル系樹脂(創研科学製:サーモラックF1)を2g/m塗工して離型層を設け、転写用基材を作製した。
転写用基材上にインク吸収層用の塗工液をロールコーターにて塗工し、乾燥させた。次に支持体上にインク吸収層用の塗工液をウェットラミ接着剤として塗工し、湿潤状態の前記接着層に転写用基材上のインク吸収層を重ね合わせ、圧力のかかったロール間を通してのち、熱風乾燥し支持体とインク吸収層を接着した。
その後、転写用基材を剥離することにより、インクジェット記録媒体を作製した。このときのインク吸収層の塗工量は接着剤層の塗工量をあわせて20g/mであった。
これら比較例の評価結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
実施例1〜5ではいずれも75度鏡面光沢度は高くかつ20度鏡面光沢度は低いため、本発明の目的とするアート紙やコート紙並みの光沢感を有する。また色の鮮明性、色再現性、白ぬき文字視認性(インク吸収性)及び表面強度に優れたインクジェット記録媒体を得ることができた。
これに対し光沢層を有さない比較例1は75度鏡面光沢度が低く、本発明の目的とする光沢感を得られていない。また、光沢層を構成する材料として水溶性高分子を用いない比較例2は光沢度は得られているものの、印字濃度が低く鮮明性と色再現性に欠け、白ぬき文字視認性も劣る。インク発色層に鎖状でないコロイダルシリカを用いた比較例3は75度鏡面光沢度と白ぬき文字視認性が劣り実用的なものではなかった。キャスト法と転写法である比較例4及び5は75度光沢度及び20度光沢度が共に高く、アート紙やコート紙並みの光沢感を得ることはできず、またこれらの製造工程は複雑でありかつ高速では実施できないため生産性に劣るものであった。

Claims (2)

  1. 支持体、並びに前記支持体の一方の表面上に順次設けられた、顔料及びバインダーを主成分とするインク吸収層、鎖状カチオン性コロイダルシリカを主成分とするインク発色層及び水溶性高分子を主成分とする光沢層から成るインクジェット記録媒体であって、前記水溶性高分子がセルロース誘導体であり、前記光沢層の塗工量が 0.01 0.5g/m 2 であるインクジェット記録媒体。
  2. 前記光沢層表面の75度鏡面光沢度が50%以上であって20度鏡面光沢度が10%以下である請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
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