JP3534412B6 - セルロースパルプ中のヘキセンウロン酸基を熱処理により除去する方法 - Google Patents

セルロースパルプ中のヘキセンウロン酸基を熱処理により除去する方法 Download PDF

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本発明は、請求の範囲1によるセルロースパルプを処理する方法に関する。
パルプ工場では、最近元素状塩素を使用すること及び部分的に二酸化塩素を使用することも断念しようとする傾向になってきている。その理由は、環境保護及び市場要因の両方の状況によるものである。元素状塩素によって生ずる欠点には、化学的パルプ工業からの顕著な悪臭ガスの放出及び水系統への液体流出物の両方が含まれる。主に水系統への影響については、二酸化塩素はそのような大規模な悪臭の欠点は起こさない。これらの塩素化学物質とを、水系統に与える負担を定めるAOX数によって両者を比較すると、元素状塩素は二酸化塩素よりも何倍も有害であることが分かる。
過去数年間に塩素及び二酸化塩素を用いた方法の外に、塩素を用いない非常に多くの漂白方法が開発されてきた。例えば、酸素、オゾン及び過酸化物がこれらの方法で用いられている。しかし、多くの国では、二酸化塩素を用いた方法も広く行われており、これらは同様に環境問題に関係する可能性がある。広く用いられている理由は色々ある。二酸化塩素の値段は他の化学物質の値段と比べて非常に競争力があり、今日では、例えば競合する過酸化物の値段の約半分である。また、二酸化物漂白によって達成される強度及び白色度は良好であり、実際同じ薬品消費量(kg/adt)で過酸化物を用いた場合と少なくともほぼ同じ程度である。
セルロースパルプの漂白を、酸素、過酸化物又はオゾンのような漂白用化学物質に基づいて行なった場合、重金属の除去が必須の処理段階を形成する。有害な金属にはマンガン、銅及び鉄が含まれ、それらはパルプの品質に有害な触媒反応を及ぼす。それらは漂白用化学物質を劣化し、それが漂白効率を低下し、化学物質の消費量を増大する。セルロースパルプでは、重金属は主にカルボン酸基に結合している。
必須の漂白段階の前に、パルプを酸、例えば硫酸で前処理するようなやり方で金属の除去を行うことが提案されている。公告されたFI特許出願76134(CA 1206704)には、酸処理を少なくとも50℃、好ましくは60〜80℃の温度で、1〜5のpHで行うことが記載されている。その文献には、一層低い温度での酸処理でも有害な金属イオンをかなりよく除去する結果になるが、その文献による温度での酸処理はリグニンを変性し、その結果、酸処理に続くアルカリ性過酸化物処理でその溶解が著しく改良されることが述べられている〔ラチェナル(Lachenal)D.その他、1982年Tappiパルプ漂白国際会議、予稿集、第145頁〜第151頁〕このように、酸処理段階は過酸化物処理段階でのカッパー価を低下させるのに対し、酸処理段階ではカッパー価の低下は見出されていない。文献FI 76134には、理論的に酸処理は100℃の温度でも行うことができるが、これは品質の悪いパルプを生ずることになることも述べられている。
EP特許出願511695では、酸処理後、マグネシウムイオンのような過酸化物漂白に有利な金属イオンを添加すべきであることが提案されている。なぜなら、これらの金属の一部分も酸処理で除去されるからである。この文献によれば、酸処理は10〜95℃、最も好ましくは40〜80℃の温度で、1〜6、最も好ましくは2〜4のpHで行われる。酸処理の後に、適当なアルカリ土類金属を添加する段階を行う。更に酸処理ではパルプを二酸化塩素のような適当な漂白用薬品及び(又は)脱リグニン化薬品で処理することができることを述べている。
有害な金属の除去は、酸処理に関連して金属を結合するためのキレート化剤を用いることにより一層効果的に行うことができる。そのような一つの方法がSE特許501651に記載されており、それは前述のEP511695公告文献の場合と同様な酸処理を行なっており、キレート化剤の存在下でその酸処理を行う点が異なっている。しかし、金属を結合するために用いられるキレート化剤は漂白コストを上昇させる働きをする。
上述したパルプの酸処理の主たる目的は、塩素を含まない漂白用化学物質に好ましい金属組成を達成することである。これらの段階ではカッパー価は、洗浄及び抽出現象のため1〜2単位減少することがある。前に述べたように、金属の組成は漂白用化学物質の消費量に影響を与え、従って既知の酸処理段階を使用する理由は、パルプから金属を除去することにある。
従来法の漂白の最も重要な欠点の一つは、依然として漂白用化学物質、特に塩素を含まないものの消費量がむしろ多く、漂白パルプの製造コストをかなり増大していることである。また二酸化塩素による漂白は、経済的及び環境的理由の両方からその薬品の消費量を減少させる試みを行わなければならない。更にある程度、或る場合には大きな程度の白色度の逆戻りが起きることが、酸素及び過酸化物で漂白したパルプの典型的な特徴になっている。
本発明の目的は、従来法の欠点を除くか又は最小にし、セルロースパルプ、特にアルカリ性条件で製造されたセルロースパルプを、全く塩素を含まない漂白用化学物質又は依然としてパルプ漂白に重要な二酸化塩素によって漂白するための全く新しい構成を達成することにある。更に本発明の目的は、例えば、酸素及び(又は)過酸化物によって容易に漂白されるセルロースパルプを製造することである。
セルロースパルプは4−O−メチル−α−D−グルクロン酸基(グルクロン酸基)を含んでいることが知られている。我々の最近の発見によれば、硫酸パルプはグルクロン酸基の外に、キシランに結合したかなりの量の4−デオキシ−β−L−トレオ−ヘキセ−4−エノピラノシルウロン酸基(ヘキセンウロン酸基)も含んでいる。これらの基の量は、或るパルプでは既知のグルクロン酸基の量よりも実質的に多くさえなっている。
パルプを漂白する時に、ヘキセンウロン酸基は、塩素、二酸化塩素、オゾン及び過酸のような求電子的に反応する漂白用化学物質を消費することが発見されている〔ブッチェルト(Buchert)その他、第3回リグノセルロース化合物及びパルプについての欧州討論会(ストックホルム、1994年8月28日〜31日)〕。しかし、ヘキセンウロン酸基は、アルカリ性条件で漂白用化学物質として用いられた酸素及び過酸化水素の消費に影響を与えることはない。なぜなら、それらはそのような化学物質と反応しないからである。従って、酸素及び(又は)過酸化物漂白ではヘキセンウロン酸基の分解は起きない。その代わり、酸及び(又は)過酸化物で漂白されたパルプに関して特別な問題として、比較的白色度が低く、且つ(又は)そのようなパルプは白色度の逆戻りを受ける傾向がある。
上に記載したことに基づいて、我々の発明は漂白に関連してセルロースパルプからヘキセンウロン酸基を選択的に除去することにより、漂白用化学物質の消費量を減少させることができると言う考えに基づいている。同時にパルプの白色度逆転傾向が減少すると言うことが発見されたことは全く思いがけないことであった。また、重金属を一層効果的に除去することができるので、漂白は一層選択的になる。
本発明の特徴は請求の範囲によって明らかになる。
本発明によるヘキセンウロン酸基の上記選択的除去は、セルロースパルプの水懸濁物を僅かに酸性に調節し、典型的には、pHを約2〜約5に設定し、更にその水懸濁物を上昇させた温度で処理することにより行う。好ましい結果を得るためには、温度は少なくとも85℃、最も好ましくは少なくとも90℃である。このように高い温度を使用することは、従来の酸処理では回避されていた。なぜなら、パルプの品質が悪くなると推定されていたからである。酸処理の主たる目的は、有害な金属を除去することであった。上に記載した酸処理ではその目的は金属の除去であり、温度は重要な役割を果たしていない。重要な点は、パルプのpHが繊維から金属が分離するように低いことである。実験室では処理は一般に室温で行われている。工場では金属の除去は60〜85℃の温度範囲で行われるのが典型的であり、それは水の循環により酸処理段階で自然に行き渡る温度である。もし何らかの理由で工場で一層高い温度で酸処理を行いたいならば、その酸処理段階は水蒸気等のようなもので別個に加熱しなければならないであろう。このことは、パルプの強度特性を劣化すると推定されていたので、当然回避されていた、従って、これまで知られていたことに従えば、85℃を越える高温酸処理段階を用いる理由は存在しなかった。従来法(例えば、FI 76134)に言及されている高い温度は、単にそれら高い温度でも金属の除去が可能であることを意味しているだけである。
処理時間は充分長く、典型的には、10分より長い限り、金属除去の観点からは重要な役割を果たしていない。余分な時間は金属の除去に有害ではないが、当然工場の余分なコストを生じる。なぜなら、長い処理時間は一層大きなタンクを使用しなければならないからである。大きなタンクも回避されてきた。なぜなら、パルプの強度特性にその酸処理段階が有害になる恐れがあったからである。従って、従来法で言及されているような酸処理段階に関連した長い処理時間は、その長い処理時間が金属の除去に有害な影響を与えないと言うことを意味しているだけである。
特に、工場での条件では長くて高温(例えば、2〜3時間で85℃)の酸処理を回避する明確な理由が存在したことに注意しなければならない。これらの上で述べた理由は、本発明の前までは、この種の処理によってパルプのカッパー価が2〜9、好ましくは3〜6減少できることは発見されていなかったので非常に重要である。実験室の実験でさえもこのことは発見されていなかった。なぜなら、この全ての考えが現在存在する全ての知識に反するものと見做されていたからである。特に驚くべきことは、もし処理すべきパルプのカッパー価を、蒸煮又はできれば一層の脱リグニン化により著しく、即ち24より低く、好ましくは14より低く低下させてあるならば、パルプの強度特性を悪化させることなく、このような酸処理を行うことができると言うことである。酸(段階A)及びキレート化剤(段階Q)の両方によるパルプ処理を最近の5年間過酸化物段階に関連して極めて詳しく調べてきたことも考慮されなければならない。従って、高温及び長時間の両方が、別々に用いられた時でも、パルプの酸処理に関して有害な因子と見做されている状況下で、長い高温酸処理段階を提案することは全く驚くべきことで新規なことである。
既知の酸処理でのpHは、例えば、パルプのマンガン含有量をかなり低下させるためにむしろ低く、即ち1.5〜2にしなければならないことにも注意すべきである。2より低いpH範囲では、カルボン酸型基が完全にプロトン化されることになり、低い金属レベルをもたらす。pH2〜6では、金属イオンはカルボン酸部位に対し水素イオンと競合し、pHが増大するに従って、金属含有量を増大する結果になる。〔デベニンズ(Devenyns)J.その他、1994年Tappiパルプ製造会議、予稿集、第381頁〜第388頁;ブヒャード(Bouchard)J.その他、1994年パルプ漂白国際会議、第33頁〜第39頁〕。一方、本発明の方法では、カルボン酸型基(ヘキセンウロン酸)が除去され、このことはカルボン酸部位の量が減少し、パルプが金属によって占められる程度を小さくすることができることを意味する。
本発明により、ヘキセンウロン酸をパルプ中に持ってくる硫酸塩法又は同等のアルカリ性法により、容易に漂白セルロースパルプを製造することができる。本発明により製造されたパルプの特徴は、それがせいぜい僅かな量のヘキセンウロン酸しか含まず、塩素(ECF)又は塩素化学物質(TCF)を用いることなく容易に漂白することができ、単なる酸素ガス及び(又は)過酸化物を用いてさえも容易に漂白できることである。漂白用化学物質の消費量も著しく実質的に減少させることができる。更に、pc−数として表した白色度の逆転(brightness reversion)が2より小さいことは、この方法で製造されたパルプに典型的なことである。
本発明により、少なくとも85℃の温度で酸性条件で行う水懸濁物中でのパルプの処理は、今後「酸性前処理」とも呼ぶ。
本発明により、セルロースパルプを少なくとも85℃の温度で、約2〜約5の範囲のpH(典型的には2〜5の範囲のpH)で水の存在下でセルロースパルプを処理し、セルロースパルプからヘキセンウロン酸基を除去する。セルロースパルプの水懸濁物のpH値を2.5〜4に維持するのが特に好ましい。最も低いpH値(2.5〜3.5)は、針葉樹に対し好ましく、最も高いpH値(3〜4)は広葉樹に対し好ましい。
種々の酸−無機酸、例えば、硫酸、硝酸、及び塩酸のような鉱酸、及び蟻酸及び(又は)酢酸のような有機酸−をスラッシュ(slush)パルプのためのpH値を設定するために用いることができる。もし望むならば、処理中、出来るだけpH値を一定に保つために蟻酸塩(formiate)のような酸の塩でそれらの酸を緩衝してもよい。温度は85℃から上の範囲で種々の温度にすることができる。温度は約90〜110゜Fに維持するのが好ましい。もし処理を大気圧条件で行うならば、100℃が自然の最大値である。加圧容器を用いるならば、一層高い温度も可能である。このように温度は100〜130℃の温度で200〜500kPaの圧力で漂白用タンク中で行なってもよい。繊維の過度の劣化を避けるため、温度の上限は通常約180℃に設定されている。
処理の時間はpH値、温度、及び処理される材料に従って変化する。勿論それは、どの程度完全にヘキセンウロン酸を除去したいかにも依存する。一般に処理時間は少なくともt分、t=0.5exp(10517/(T+273)−24)、〔t=0.5e(10517/(T+273)−24〕である。T(℃)は酸処理の温度である。ヘキセンウロン酸基の分解は、一次反応速度に従う。反応速度定数kと温度T(K)の間の関係は、k=Ae−E/RT(アレニウスの関係)(ここで、Aは問題の反応による定数であり、Eは活性化エネルギーであり、Rはガス定数である)であることが知られている。一方、一次反応については、反応時間はt=(1/k)ln(c0/c)、(式中、cはヘキセンウロン酸の濃度であり、c0は最初の濃度である)であることが知られている。アレニウスの式及びt=(1/k)ln(c0/c)及び試験結果(例えば、下の実施例8)を用いることにより、t=0.5exp(10517/(T+273)−24)の式が得られた。一般に、tは5分〜10時間である。下に記載する実施例では、処理は大気圧条件で行われた。90℃の温度での典型的な処理時間は1.5〜6時間であり、95℃では約50分から5時間、100℃では約0.5〜45時間である。加圧下では、例えば、120〜130℃の温度では、処理は約5〜50分以内で行われるのが典型的である。
本発明は、できるだけ多量のヘキセンウロン酸部分、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも約75%、最も適切には少なくとも約90%除去することである。「パルプがせいぜい少量のヘキセンウロン酸しか含まない」と言う概念は、ヘキセンウロン酸の量が、処理されていない対応するパルプ中に、蒸煮後に存在する量で最大で50%、特に好ましくは最大で25%、最も適切には最大で10%であることを意味する。
炭水化物物質の過度の劣化を防ぐため、通常ヘキセンウロン酸基を完全に除去しようとはしない。
処理は流通反応器中で連続的処理として行なってもよく、又はバッチ処理として行なってもよい。パルプは水の存在下で処理し、換言すればパルプ蒸煮工程から受けたパルプを水中へスラッシュし、本発明による前処理でのそのスラッシュのコンシステンシー(consistency)は約0.1〜50%、好ましくは約1〜20%になるようにする。前処理を行うには混合にかけるのが好ましい。連続混合では、静止混合機を用いることができる。
本発明による構成を、硫酸塩法又は他のアルカリ性法によって製造され、ヘキセンウロン酸基を含むパルプに適用することができる。
用語「硫酸塩法」とは、主たる蒸煮用化学物質が硫化ナトリウム及び水酸化ナトリウムである蒸煮法を意味する。他のアルカリ性蒸煮には、例えば、パルプのカッパー価が約20の値より低く低下するまで慣用的硫酸塩蒸煮を継続することに基づく長期蒸煮が含まれる。これらの方法は典型的には酸素処理を含んでいる。長期蒸煮法には、例えば、長期バッチ蒸煮(+AQ)、EMCC(長期変性連続蒸煮)、バッチ蒸煮、スーパーバッチ(Super−Batch)/O2、MCC/O2、及び連続蒸煮/O2が含まれる。我々の実験によれば、ヘキセンウロン酸は、前記蒸煮法から得られた針葉樹パルプのキシラナーゼ処理による加水分解生成物の約0.1〜10モル%を形成する。本発明による前処理後、ヘキセンウロン酸の濃度は約0.01〜1モル%へ低下する。
本願では、「漂白に関連して」と言う用語は、酸性前処理を、漂白前、漂白中、最も遅く漂白後に行うことを意味する。漂白用化学物質として求電子的に反応する物質、例えば、塩素、二酸化塩素、オゾン又は過酸化を用いた場合、漂白前に前処理を行うのが特に好ましい。なぜなら、この方法で漂白用化学物質の消費量を減少させることができるからである。セルロースパルプの特性、例えば、漂白性を変えるために未漂白パルプにその処理を行うと言うこともできる。一方、漂白(漂白処理)で酸素ガス及び(又は)過酸を用いる場合、やはり漂白後にその前処理を行うことができる。後者の場合、処理は漂白直後で、パルプの可能な乾燥を行う前(即ち、乾燥していないパルプ)に対して行うのが好ましい。前処理は漂白連続工程の漂白段階と漂白段階との間で行なってもよい。
次に、適当な漂白連続工程の例を挙げる:
A−O−Z−P
AQ−O−Z−P
A−O−ZQ−P
A−O−Pn
AQ−O−Pn
O−A−Z−P
O−AQ−Z−P
O−A−ZQ−P
O−A−Pn
O−AQ−Pn
O−A−D−E−D
O−AD−E−D
A−O−D−E−D
O−A−X−Pn
A=本発明による上昇させた温度での酸性前処理
O=酸素処理
P=過酸化物処理
Pn=幾つかの後の過酸化物処理段階
E=アルカリ段階
Z=オゾン処理(ZQは、錯化剤をオゾン処理で添加したことを意味する)
Q=錯化剤処理(AQは、錯化剤を酸処理で添加したことを意味する)
D=二酸化塩素処理(ADは、段階と段階との間で洗浄しなかったことを意味する)
X=酵素処理
酸素化学物質を用いた漂白段階の間にアルカリ段階を入れてもよい。漂白を一層効果的にするために、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、及びリグナーゼのような既知の酵素を用いてもよい。
本発明による前処理は、漂白連続工程中、酸素又は過酸化物段階前、又はその後であるが、二酸化塩素段階、オゾン段階、又は過酸段階(例えば、蟻酸又は過酢酸段階)の前に行い、オゾン及び(又は)過酸の消費を少なくするようにする。前処理によってパルプの漂白性を改良することができるので、本発明は前記漂白用化学物質の消費量を決定的に減少させることができ、且つ(又は)漂白での二酸化塩素、オゾン、前は過酸の使用を省略できるようにしている。
化学パルプを製造する多くの化学的方法が、最後の段階として酸素脱リグニン化段階を有する。処理はこの酸素段階前、又はその後で行なってもよく、酸素段階後に行うのが好ましい。広葉樹パルプの漂白では、二酸化塩素の消費量は漂白連続工程がO−A−D−E−Dの場合、ISO白色度88%で30〜40%減少している。針葉樹パルプの漂白では、対応する消費量の減少は10〜20%になっている。両方の場合とも、段階Aのない漂白と比較して収率は殆ど変化していない。更に、実験により、段階Aに続く段階Dはそれらの段階の間で洗浄を行わずに実施してもよいことを示しており、従って、換言すればその工程順序はO−AD−E−Dになる。
求電子漂白用化学物質、例えば、オゾン又は過酸を用いた漂白段階を含む塩素を含まない漂白連続工程では、酸素処理を第一段階Z前に行い、好ましくは段階Zへ行く前にパルプを洗浄してパルプからのヘキセンウロン酸の効果的な除去を保証するようなやり方で行うのが好ましい。ヘキセンウロン酸(HexA)によって生ずるオゾン消費量、従って、本発明による方法によって達成される化学物質消費量の節約は、ヘキセンウロン酸が1当量のオゾンを消費する(1当量O3/HexA)ことを考慮に入れることにより理論的に計算することができる。典型的には、消費量の節約はパルプ1t当たり1〜3kgのO3である。酸処理では、ヘキセンウロン酸から形成されたフラン誘導体が2倍のオゾン量を消費し、従って、酸処理の後で、漂白段階前にできるだけ効果的にパルプを洗浄することが好ましい。上で述べたことは、全て過酢酸、過硫酸、及びペルオキソモリブデン酸塩のような塩素を含まない他の全ての求電子性漂白用化学物質についても言えることである。
酸処理による漂白用化学物質の消費量の減少は、ヘキセンウロン酸の除去で、漂白の際の反応性酸基の量が減少し、従って漂白すべき物質も少なくなると言う事実に基づいている。
一つの好ましい態様に従い、用いられる主たる漂白用化学物質は過酸化物含有物質(通常過酸化水素)である。例えば、pc−数として表して、2より小さな白色度逆転傾向を有するパルプを製造することができる。白色度逆転傾向は、ヘキセンウロン酸を除去すること以外で効果的に防止することができる方法はない。本発明による酸処理でも有害な重金属濃度を減少させることができるので、第一P段階前に酸処理を行うことが好ましい。過酸化物処理は、酸素ガス前処理を伴うのが最も適切である。
酸素で処理したスラッシュパルプのpHは、最初は約3〜4の値に設定し、そのパルプの温度を90〜130℃に上昇し、その温度で少なくとも5分間維持し、その後でアルカリ性条件下で過酸化水素で処理し、漂白されたパルプを生成させる。過酸化水素の代わりに過酸化物含有物質は、例えば、カロ酸又はそれに相当する物質でもよく、それは過酸化水素又はペルオキソイオンを形成する適当な条件(例えば、アルカリ性条件)で分解する。
セルロースパルプに結合していた重金属を除去するために、本発明による前処理を、重金属と結合するキレート化剤を入れて行なってもよい。EDTA及びDTPAを、これらのキレート化剤の例として挙げることができる。一般にキレート化剤はパルプの約0.2%の割合でパルプ中に導入する。しかし、本発明による酸性前処理の一つの特別な長所は、実施例10に記載するように、キレート化剤による処理を行わなくてもむしろ効果的に金属を除去することができることであると言うことができる。
酸性前処理は、紙の品質に関する特性を変えるため、漂白したパルプ又は未漂白パルプに実施することもできる。例えば、酸基を除去することにより、パルプの水保持能力を低下することができ、それによって例えば、包装用ボードに用いるのに適した比較的固いパルプを製造することができる。
本発明及びその態様を実施例により以下に詳細に記述する。
第1図は、温度80℃で松硫酸塩パルプのアラビノーズ酸基及びヘキセンウロン酸基の加水分解速度に対する酸性度の影響を例示したグラフである。実験で得られた点は、夫々実施例2に例示する式に従った理論的曲線に適合している。
第2図は、pH3.5の酸で処理したカバ材硫酸塩パルプについて、80〜140℃の範囲で、ヘキセンウロン酸基を除去するのに必要な時間の温度に対する依存性を例示している。このpHでは反応速度は殆ど最大である。一層大きなpH値では、或る温度での維持時間は一層長くなるであろう。三つの上の曲線は、ヘキセンウロン酸基の95、90、及び80%が除去された場合の最適操作範囲を例示している。点線は、ヘキセンウロン酸基の50%が除去された場合の、維持時間の最低限を例示している。
実施例ではパルプのカッパー価は基準SCAN−C 1:77に従って定義されており、粘度は基準SCAN−CM 15:88に従い、白色度は基準SCAN−C 11:75に従って決定されている。白色度逆転傾向は、乾式加熱法(24時間、105℃)によって測定されている。pc−数はそれらの結果から計算された。
実施例1
広葉樹から分離された4−O−メチルグルクロンオキシランを、1Mの水酸化ナトリウム溶液内で160℃の温度で2時間処理した。液体を冷却し、その液体を中性に調節することにより液体からキシランを沈澱させた。沈澱したキシランを洗浄し、乾燥し、次にそれをエンドキシラナーゼで処理した。加水分解物質を、陰イオン交換クロマトグラフ及びゲル濾過を用いて分別した。このようにしてオリゴ糖部分を単離し、その部分はNMR分光分析により4−デオキシ−β−L−トレオ−ヘキセ−4−エンウロノキシロトリオーゼ(80%)及び−テトラオーゼ(20%)を含むことが発見された。
オリゴ糖液体の一部分を酸化ジュウテリウムに入れた10mM酢酸塩緩衝剤(pH3.7)中へ溶解した。その液体をNMR管中に入れ、その中の変化を80℃の温度で17時間1H NMR分光分析によって追跡した。
ヘキセンウロン酸基の分解は一次反応に従っていた。転化率は反応時間17時間で55%であった。キシロシド結合の加水分解は発見されなかった。ヘキセンウロン酸基が分解すると、殆ど当量の化合物が発生し、それらの化合物はフラン−2−カルボン酸(δH3=7.08ppm、JH3,H4=3.5Hz、JH4,H5=1.7Hz、JH3,H5=0.8Hz)、及び蟻酸(δ=8.37ppm)として同定された。更に、2−フルアルデヒド−5−カルボン酸(δH3=7.13ppm、δH4=7.52ppm、δCHO=9.60ppm、JH3,H4=3.5Hz)として同定された少量の成分が発生した。
この例によれば、ヘキセンウロシド結合を、穏やかな条件下で、キシロシド結合を余り加水分解することなく選択的に加水分解することができる。それに対応して、セルロース及びグルコマンナンのグルコシド結合及びマンノシド結合は、キシランのキシロシド結合よりも強く、これらの条件で安定であることを結論することができる。
実施例2
松硫酸塩パルプ(カッパー価25.9)を異なった温度(25、50、及び80℃)で2時間緩衝液(pH1.5〜7.8)中に温浸(incubate)した。その処理に続き、パルプ試料を水で洗浄した。洗浄したパルプをキシラナーゼで処理し、加水分解物を1H NMR分光分析により分析した。
パルプの炭水化物成分中の変化は、用いた最高温度(80℃)でのみ見出された。通常のグルコシドの加水分解とは異なって、ヘキセンウロン酸基の加水分解はヒドロニウムイオン濃度に正比例(式1)しないが、反応速度のpH依存性は、触媒が存在しないで遊離ヘキセンウロン酸基により起きた反応は、ヒドロニウムイオンにより行われたことを明確に示している(式2、第1図)。
(1) κ=κ[H3O+
(2) κ=κ{1/(1+Ka/[H3O+]}
この例によれば、セルロースパルプのヘキセンウロン酸基は僅かに酸性の条件(pH>2)で上昇させた温度で選択的に除去することができる。アラビノース基の部分的加水分解が起きるが、これによって生ずる収率の低下はセルロースパルプ中のアラビノースの濃度が低いことにより小さい(針葉樹パルプで1%、広葉樹パルプで0%)。
実施例3
オリゴ糖液(15.5mg、0.025mM)を沸騰する0.01Mの蟻酸塩(formiate)緩衝液(pH3.3、27ml)中へ添加した。液体を3時間還流した。試料(0.5ml)を適当な時間間隔で採り、水(5ml)で希釈した。光の吸収を200〜500nmの波長範囲で測定した。フラン−2−カルボン酸(λmax=250nm)の形成は一次反応に従っていた(κ=0.44h-1)。ヘキセンウロン酸基の単位量当たり計算したモル吸収性(molar absorptivity)は8,700であった。この吸収性値は、セルロースパルプのヘキセンウロン酸濃度を定めるために用いることができる。
実施例4
オリゴ糖混合物(2.0mg、3.22μM)を水(4.8ml)中に溶解した。0.6mlの2M硫酸及び0.6mlの0.02Mの過マンガン酸カリウム(12.0μM)をその液体に添加した。10分で0.12mMの1M沃化カリウム及び100mlの水を液体に添加した。液体の沃素濃度を分光光度計により決定した(350nm、ε=16,660)。過マンガン酸イオンの消費量は式3に基づいて計算した。
(3) 2MnO4 -+10I-+16H+→2Mn2++5I2+8H2O
過マンガン酸イオンの消費は7.98μM、即ちヘキセンウロン酸基1モル当たり計算して2.5であった。セルロースパルプのリグニン濃度を表すために用いたカッパー価の決定は正確に同じ反応条件下で行われたので、ヘキセンウロン酸基は実際のリグニン濃度に関してかなりの誤差を生じているかもしれない。
実施例5
カバ材硫酸塩パルプ(3g、カッパー価16.5)を0.06Mの蟻酸塩緩衝剤(pH3.2、250ml)中で100℃の温度で4時間処理した。ヘキセンウロン酸基の分解を2−フラン−カルボン酸によって起きる光の吸収(250nm、ε=8,700)によって追跡した。ヘキセンウロン酸基の全量はパルプ1kg当たり70meqであることが計算された。処理したパルプのカッパー価は10.6であった。
本発明により、ヘキセンウロン酸基のかなりの量を硫酸塩パルプから除去することができ、それにより脱リグニン度を表すのに用いたカッパー価は著しく低下する。同様な減少は、ヘキセンウロン酸基と反応する求電子性漂白用化学物質の消費量でも起きると予想することができる。
実施例6
酸素及び過酸化物で漂白した松硫酸塩パルプ(9g、カッパー価5.3)を、0.06モルの蟻酸塩緩衝剤(pH3.2、600ml)中で100℃の温度で2.5時間処理した。ヘキセンウロン酸基の分解を2−フラン−カルボン酸によって起きる光の吸収(250nm、ε=8,700)によって追跡した。
ヘキセンウロン酸基の全量はパルプ1kg当たり48meqであることが計算された。約30分の反応時間で全てのヘキセンウロン酸基がパルプから除去された。処理したパルプをブヒナー漏斗で濾過し、水で洗浄した。最初のパルプと比較して処理したパルプは非常に容易に浸透した。処理したパルプのカッパー価は2.3であった。本発明により酸素及び過酸化物で漂白した硫酸塩パルプのカッパー価は、ヘキセンウロン酸基を除去する処理後、非常に低くなった。本発明による処理はオゾン漂白を用いることなく完全に漂白したTCFパルプを生成する可能性を著しく増大している。
実施例7
酸素で漂白したカバ材硫酸塩パルプ(100g、カッパー価11.5)を水(3リットル)中で混合した。懸濁物のpHを2mlの強蟻酸を添加することにより3.4の値に調節した。このようにして生じた懸濁物を100℃の温度で4時間保持した。ヘキセンウロン酸基の分解を2−フラン−カルボン酸によって起きるUVの吸収(250nm、ε=8,700)によって追跡した。除去されたヘキセンウロン酸基の量はパルプ1kg当たり54meqであることが計算され、それはパルプのヘキセンウロン酸基の全量の約98%であった。処理したパルプのカッパー価は6.2であった。
EDTA(パルプの0.2%)によるキレート化を、処理したパルプ及び未処理パルプの両方に対して3.5%の濃度で行なった。処理は60℃の温度で行い、その時間は45分であった。
洗浄後、過酸化物漂白(パルプの3%が過酸化水素)を10%の濃度のパルプに対して行なった。硫酸マグネシウム(パルプの0.5%)を安定化剤として用い、水酸化ナトリウム(パルプの1.8%)をアルカリとして用いた。温度は90℃で、漂白時間は180分であった。カッパー価、粘度、白色度、及び白色度逆転傾向(brightness reversion tendency)(pc−数)を、洗浄したパルプについて決定した。パルプの特性を表1に示す。
Figure 0003534412
結果は、前処理が過酸化物段階のパルプの作用に強い影響を与えることを示している。過酸化物の消費量は劇的に減少しているが、それにも拘わらず白色度の増加は未処理パルプと比較して2倍以上も大きくなっている。pc−数として表した前処理パルプの白色度逆転傾向は、未処理パルプの白色度逆転傾向よりも50%以上も低い。
実施例8
未漂白カバ材硫酸塩パルプ(カッパー価15.4)を、スラリーのpHが3.0、3.5、又は4.0になるように5%の濃度の蟻酸で処理した。このようにして処理したパルプを150ml加圧容器中で85、95、105、及び115℃の温度で0.2〜24時間温浸した。ヘキセンウロン酸基の解離を、濾過液中のヘキセンウロン酸基から形成されたフラン誘導体の濃度を決定することにより追跡した。カッパー価及び粘度を温浸したパルプについて決定した。
カッパー価の減少は、ヘキセンウロン酸濃度の減少に直線的に依存していた。ヘキセンウロン酸濃度の最大の減少は60meq/kgで、カッパー価の6.3単位の減少に対応していた。ヘキセンウロン酸基の90%が除去された時、処理の収率はTOCに基づいて計算して98%であった。ヘキセンウロン酸基の分解は一次反応速度に従っていた。処理によって要求される最低保持時間(ヘキセンウロン酸濃度の50%の減少)及び最適保持時間(ヘキセンウロン酸濃度の80〜95%の減少)を、実験点に適合させた曲線によって例示する(第2図)。pH3.0〜3.5では、ヘキセンウロン酸基の分解速度はその最大値に非常に近かった。一層高いpH値では、必要な保持時間は反応速度が低くなるため長くなる。
実施例9
酸素で漂白したカバ材硫酸塩パルプ(カッパー価10.3)を、実施例8に従う条件下で処理し、ヘキセンウロン酸基を除去した。処理後のカッパー価は5.4であった。酸処理したパルプ及び未処理パルプの両方を二酸化塩素及びアルカリを数回投与するDED連続工程で漂白した。ISO白色度88.0%まで漂白した場合、酸処理パルプは活性塩素として計算した二酸化塩素を2.5%消費し、水酸化ナトリウムを1.4%消費した。未処理パルプによる対応する二酸化塩素及び水酸化ナトリウムの消費%は、夫々4.3及び0.8であった。DED連続工程の収率は、酸処理パルプについては97.1%、未処理パルプについては95.5%であった。従って、ヘキセンウロン酸基の除去により漂白の収率を低下することなく、ECF漂白用化学物質の消費量を42〜43%減少させた。それらパルプから作られたシートの比引張り強度(tensile index)及び比引裂き強度(tear index)は、同じ密度のシートで同じであった。
実施例10
松硫酸塩パルプ(100g、カッパー価25.9)を水(3リットル)中で混合した。懸濁物のpHを1.5mlの強蟻酸を添加することにより3.5の値に調節した。このようにして生じた懸濁物を100℃の温度で2.5時間温浸した。ヘキセンウロン酸基の分解を2−フラン−カルボン酸によって起きるUVの吸収(250nm、ε=8,700)によって追跡した。除去されたヘキセンウロン酸基の全量はパルプ1kg当たり32meqであることが計算され、それはパルプのヘキセンウロン酸基の全量の約95%に相当していた。EDTA(パルプの0.2%)によるキレート化を、3%の濃度の未処理パルプ及び処理したパルプの両方に対して行なった。処理は50℃の温度で行い、その時間は45分であった。パルプの金属濃度を原子吸収分光光度計により決定した。
ヘキセンウロン酸基を除去する処理は、パルプの特に鉄及びマンガン濃度を減少した(表2)。この場合、鉄の減少は、キレート処理を用いた場合よりもかなり大きく、マンガンの減少でさえもキレート処理を用いた場合と同じ位大きかった。
Figure 0003534412
鉄及びマンガンはTCF漂白に関して最も有害な金属などで、キレート化剤の使用は、ヘキセンウロン酸を除去する処理と部分的に又は完全に置き換えることができる。キレート化剤を用いるならば、ヘキセンウロン酸基を除去する処理と関連させてそれらを添加するのが好ましい。
本発明を現在最も実際的で好ましい態様であると考えられることに関連して記述してきたが、本発明は、開示した態様に限定されるものではなく、反対に請求の範囲の本質及び範囲内に含まれる種々の修正及び同等の構成を含むものであることは理解されるべきである。

Claims (11)

  1. アルカリ性法によって製造した、24より低いカッパー価を有するセルロースパルプを処理する方法において、前記セルロースパルプを、85〜150℃の温度で2〜5のpHで充分な時間処理し、セルロースパルプ中のヘキセンウロン酸基の少なくとも50%を除去し、パルプのカッパー価を3〜6単位減少させ、然も、前記時間が5分〜10時間で、少なくともt(分)=0.5e(10517/(T+273)−24)〔ここで、T(℃)は酸処理の温度である〕であり、処理を、二酸化塩素段階前又はオゾン段階前又は過酸段階前の漂白連続工程中で行い、それぞれ二酸化塩素又はオゾン又は過酸の消費量を減少させることを目的とすることを特徴とする、セルロースパルプ処理方法。
  2. セルロースパルプを90℃の温度で1.5〜6時間処理し、95℃の温度で50分〜5時間の時間処理し、100℃の温度で0.5〜5時間の時間処理する、請求項1に記載の方法。
  3. 酸処理パルプを、オゾン漂白段階前に洗浄する、請求項1に記載の方法。
  4. 酸処理パルプを、段階の間で洗浄することなく、二酸化塩素で漂白する、請求項1に記載の方法。
  5. 酸処理パルプを、過酸漂白段階前に洗浄する、請求項1に記載の方法。
  6. 処理を0.1〜50%のコンシステンシーで行う、請求項1に記載の方法。
  7. 処理を2.5〜4のpH値で行う、請求項1に記載の方法。
  8. セルロースパルプのpHを無機又は有機酸によって設定する、請求項1に記載の方法。
  9. セルロースパルプを、前記処理前に酸素で処理する、請求項1に記載の方法。
  10. 温度が90〜110℃である、請求項1に記載の方法。
  11. アルカリ性法が硫酸塩法である、請求項1に記載の方法。
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