JP3533670B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP3533670B2
JP3533670B2 JP04154993A JP4154993A JP3533670B2 JP 3533670 B2 JP3533670 B2 JP 3533670B2 JP 04154993 A JP04154993 A JP 04154993A JP 4154993 A JP4154993 A JP 4154993A JP 3533670 B2 JP3533670 B2 JP 3533670B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、室内を暖房可能な車両
用空気調和装置に関するもので、特に暖房の熱量の発生
に動力が必要な電気自動車用エアコン、またはエンジン
冷却水を利用した温水ヒータのうち、エンジンの熱効率
が高く温水の温度が低いディーゼル車やリーンバーンエ
ンジン車用エアコンに用いて好適なものである。 【0002】 【従来の技術】従来の空気調和装置では、暖房時にフロ
ントガラスの曇りを防止するために、室外空気(外気)
をダクト内に吸引して加熱し、足元吹出口およびデフロ
スタ吹出口へ吹き出すのが一般的である。この技術で
は、温度の低い外気を加熱して室内へ吹き出すことによ
って室内暖房を行うため、大きな暖房能力が必要とな
る。そこで、特開昭60−8105号公報に開示される
ように、暖房時に、足元吹出口から室内空気(内気)を
加熱して吹き出し、デフロスタ吹出口から外気を加熱し
て吹き出すことによって、小さな暖房能力で室内の暖房
を行う技術が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】内燃機関車両において
は燃費向上および近年の地球環境保全に対する意識の高
まりにより、空気調和装置にかかる電力消費を低く抑え
る要求が高い。さらに電気自動車では、1充電当たりの
走向距離を延ばす要求からも、空気調和装置にかかる電
力消費を低く抑える要求がいっそう高い。しかるに、上
記公報記載の従来技術では、エアミックスダンパの開度
によって吹出温度を調節していた。このエアミックスダ
ンパの温度調節は、ダクトの内部で冷風と温風をぶつ
け、通風抵抗を上げることで冷風と温風とを混合するも
ので、混合された空気が選択された吹出口より吹き出さ
れる。つまり、従来の技術では、ダクト内の通風抵抗が
大きいため、送風機の消費電力が大きくなる不具合を有
していた。また、エアミックスダンパの開度によって吹
出温度を調節する技術では、最大冷房時に加熱器をエア
ミックスダンパで閉じ、加熱バイパス通路のみに冷風を
流していたため、ダクト内の通風抵抗が大きくなり、結
果的に、送風機の消費電力が大きくなる不具合を有して
いた。さらに、上記公報に示された技術では、フェイス
吹出口に主に内気が導かれるように設けられていた。こ
のため、乗員の上半身に新鮮な外気が導かれるフレッシ
ュ感が乏しい不具合を有していた。また、近年、フェイ
ス吹出口より吹き出される空気の一部で、サイドガラス
の曇りを防止し、特にドアミラーの視認性を向上させる
要求があるが、上記公報に示された技術では、湿度の高
い内気が主に導かれるため、サイドガラスの曇りを防止
する効果が低い不具合を有していた。 【0004】 【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、フロントガラスの曇りを抑えて小
さな暖房能力で暖房を行うとともに、送風機の消費電力
を抑え、かつフェイス吹出口より外気を吹き出させるこ
とのできる車両用空気調和装置の提供にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の車両用空気調和
装置は、室内前部の中央より乗員の上半身へ向けて空気
を吹き出すセンタフェイス吹出口、室内前部の両脇より
乗員の上半身あるいはサイドガラスへ向けて空気を吹き
出すサイドフェイス吹出口、フロントガラスへ向けて空
気を吹き出させるデフロスタ吹出口、および乗員の足元
へ向けて空気を吹き出させるフット吹出口を備えたダク
トと、このダクトにおいて前記センタフェイス吹出口、
前記サイドフェイス吹出口、前記デフロスタ吹出口、お
よびフット吹出口より吹き出される空気流を生じさせる
送風機と、前記ダクト内に配置され、通過する空気を冷
却する冷却器と、前記ダクト内において前記冷却器の空
気流下流側に配置され、通過する空気を加熱するととも
に、その加熱能力が可変可能に設けられた加熱器と、前
記ダクト内において前記加熱器をバイパスする加熱バイ
パス通路と、この加熱バイパス通路の開度を変化させる
クールダンパと、前記ダクト内において室外空気を導入
可能に設けられ、前記冷却器を通過したのち、前記加熱
バイパス通路または前記加熱器を通過させる第1層と、
前記ダクト内において室内空気を導入して前記冷却器と
前記加熱器の両方を通過させる第2層とを備える。そし
てさらに、前記第1層は、前記センタフェイス吹出口、
前記サイドフェイス吹出口および前記デフロスタ吹出口
に通じ、前記第2層は、前記フット吹出口に通じ、室外
空気が導入可能な前記第1層と室内空気が導入される前
記第2層は、前記ダクト内において仕切壁によって仕切
って設けられ、前記クールダンパが前記加熱バイパス通
路を全開した時に前記第1層を流れる空気は、前記加熱
バイパス通路および前記加熱器を並列に流れるように設
けられ、フットモード時には、前記第1層に導入された
外気を前記デフロスタ吹出口および前記サイドフェイス
吹出口から吹き出すとともに、前記第2層に導入された
内気を前記フット吹出口から吹き出すように設けられる
技術的手段を採用する。 【0006】 【発明の作用】吹出温度を調節する際は、加熱器の加熱
能力、およびクールダンパによる加熱バイパス開度の開
度を変化させることにより、ダクト内において仕切壁に
よって仕切られた外気導入可能な第1層を通過する空
気、およびダクト内において仕切壁によって仕切られた
室内空気が導入される第2層を通過する空気の温度が調
節される。つまり、冷風と温風の攪拌を行うことなく、
吹出温度が調節できるため、従来に比較してダクト内の
通風抵抗を低く抑えることができる。大きな冷房能力が
要求される場合(クールダンパが加熱バイパス通路を全
開した時)、冷却器で冷却された空気は、加熱バイパス
通路の他に、加熱器を通過する。つまり、第1層内でク
ールダンパが加熱バイパス通路を全開しても、第1層内
で加熱器が閉じられずに、第1層内を流れる空気は、加
熱バイパス通路と加熱器を並列に流れる。このように、
大きな冷房能力が要求される場合、加熱器が閉じられず
にダクト内全てを空気通路とすることができるため、従
来に比較して大きな冷房能力が要求される場合の通風抵
抗が低く抑えられる。センタフェイス吹出口およびサイ
ドフェイス吹出口は、外気導入可能な第1層と通じてい
るため、センタフェイス吹出口およびサイドフェイス吹
出口より外気を吹き出させることが可能となる。つま
り、センタフェイス吹出口およびサイドフェイス吹出口
より乗員の上半身に新鮮な外気を吹き出すことが可能
で、乗員にフレッシュ感を与え、乗員の快適性が向上す
る。また、サイドフェイス吹出口より吹き出される空気
で、サイドガラスの曇りを防止する場合では、サイドフ
ェイス吹出口よりサイドガラスに湿度の比較的低い外気
が導かれるため、サイドガラスの曇りを防止する効果が
高い。フットモード時は、内気をフット吹出口から吹き
出すため、暖房運転を行う際、第2層を通り、フット吹
出口から乗員の足元に吹き出される空気は、室内の温か
い空気を加熱しているため、小さな暖房能力で乗員の足
元へ温められた空気を吹き出すことができる。この時、
第1層に導入された外気をサイドフェイス吹出口および
デフロスタ吹出口から吹き出すため、フロントガラスお
よびサイドガラスの曇りを防ぐことができる。 【0007】 【発明の効果】本発明の車両用空気調和装置は、上記の
作用で示したように、フットモード時では、フロントガ
ラスおよびサイドガラスの曇りを抑えて、小さな暖房能
力で足元を暖房することができる。また、従来に比較し
てダクト内の通風抵抗が低く抑えられるため、送風機の
消費電力を低く抑えることができる。さらに、フットモ
ード以外の運転モードであってもセンタフェイス吹出口
およびサイドフェイス吹出口より外気を吹き出させるこ
とができるため、乗員の快適性を向上することができる
とともに、サイドガラスにサイドフェイス吹出口より吹
き出される空気を導いて、サイドガラスの曇りを防止
し、ドアミラーの視認性を向上させることができる。 【0008】 【実施例】次に、本発明の車両用空気調和装置を、図に
示す一実施例に基づき説明する。 〔第1実施例の構成〕図1ないし図4は本発明の第1実
施例を示すもので、図1は空気調和装置のダクトの概略
構成図である。本実施例の車両用空気調和装置1は、例
えば電気自動車に搭載されるもので、室内へ向けて空気
を送る空気通路をなすダクト2を備える。このダクト2
の一端には、ダクト2内において室内へ向かう空気流を
生じさせる2つの電動モータ駆動の第1送風機3、第2
送風機4が接続されている。第1送風機3には、吸入吸
気を内気と外気とで切り替える内外気切替手段5を備え
る。この内外気切替手段5は、内気を導入する内気導入
口6と、外気を導入する外気導入口7とを備える。そし
て、内外気切替手段5は、内外気切替ダンパ8を備え、
この内外気切替ダンパ8により、第1送風機3が吸引す
る空気を内気と外気とで切り替えることができる。ま
た、第2送風機4は、常に内気のみを吸引するもので、
内気を導入する内気導入口9を備える。 【0009】ダクト2の他端には、ダクト2内を通過し
た空気を室内の各部へ向けて吹き出す吹出口が形成され
ている。この吹出口は、室内前部の中央より、乗員の上
半身へ向けて主に冷風を吹き出すセンタフェイス吹出口
10と、室内前部の両脇より、乗員の上半身あるいはサ
イドガラスへ向けて主に冷風を吹き出すサイドフェイス
吹出口11と、フロントガラスへ向けて主に温風を吹き
出すデフロスタ吹出口12と、乗員の足元へ向けて主に
温風を吹き出すフット吹出口13とからなる。そして、
ダクト2内には、サイドフェイス吹出口11を除く他の
吹出口へ通じる空気通路に、各吹出口への空気流を制御
するセンタフェイスダンパ14、デフロスタダンパ1
6、およびフットダンパ17が設けられている。 【0010】ダクト2内の上流には、ダクト2内を流れ
る空気を冷却する冷却器18が配置されるとともに、そ
の下流にダクト2内を流れる空気を加熱する加熱器19
が配置されている。冷却器18は、ダクト2内を流れる
空気が全て通過するように、ダクト2内の全面に亘って
設けられている。また、ダクト2内には、加熱器19を
迂回させる加熱バイパス通路21を備える。この加熱バ
イパス通路21には、加熱バイパス通路21の開閉を行
い、加熱バイパス通路21の開度を変化させるクールダ
ンパ22が設けられている。 【0011】また、ダクト2内の冷却器18の上流に
は、第1送風機3の吹き出す空気と、第2送風機4の吹
き出す空気とを分けて冷却器18を通過させるための第
1仕切壁23が設けられている。また、ダクト2内の冷
却器18の下流には、第1送風機3より導かれる外気が
導入可能な第1層24と、第2送風機3より導かれる内
気のみを導入する第2層25とに仕切る第2仕切壁26
が設けられている。つまり、第1層24は、内外気切替
手段5によって外気が導入可能に設けられ、冷却器18
を通過したのち、加熱バイパス通路21または加熱器1
9を通過させる空気の流路で、第2層25は、内気導入
口9より内気を導入して冷却器18と加熱器19の両方
を通過させる空気通路である。なお、加熱器19は、第
2仕切壁26を貫通した状態でダクト2内に配置され
る。また、第2仕切壁26の下流には、フェイスモード
時およびデフロスタモード時に、第1層24と第2層2
5とを連通させるための連通口28が設けられている。
この連通口28には、この連通口28の開閉を行う連通
ダンパ29が設けられ、後述する操作パネル30の吹出
モード切替スイッチ31によってフェイスモードあるい
はデフロスタモードが選択された際に、連通口28を開
くように設けられている。 【0012】本実施例の冷却器18は、冷凍サイクル3
2の冷媒蒸発器で、本実施例の加熱器19は、冷凍サイ
クル32の冷媒凝縮器である。本実施例に採用される冷
凍サイクル32の一例を、図2の冷媒回路図に示す。本
実施例の冷凍サイクル32は、アキュムレータサイクル
で、冷媒蒸発器(冷却器18)、冷媒凝縮器(加熱器1
9)の他に、室外熱交換器33、冷媒圧縮機34、減圧
装置35、アキュムレータ36、および冷媒の流れ方向
を切り替える流路切替手段37を備える。室外熱交換器
33は、ダクト2の外部で、外気と冷媒との熱交換を行
うもので、室外ファン38および外気シャッタ39を備
える。冷媒圧縮機34は、冷媒の吸入、圧縮、吐出を行
うもので、電動モータ40により駆動される。この冷媒
圧縮機34は、電動モータ40と一体的に密封ケース4
1内に配置される。冷媒圧縮機34を駆動する電動モー
タ40は、インバータ42による制御によって回転速度
が可変するもので、電動モータ40の回転速度の変化に
よって、冷媒圧縮機34の冷媒吐出容量が変化する。な
お、本実施例の車両用空気調和装置1は、冷媒圧縮機3
4の回転速度の変化による容量変化により、吹出温度の
制御を行うものである。減圧装置35は、冷媒蒸発器
(冷却器18)へ流入する冷媒を減圧膨張する膨張弁
で、例えば、除湿運転時に冷媒凝縮器(加熱器19)の
スーパークール量を調節するように設けられる。冷媒の
流路切替手段37は、冷房運転、暖房運転、および除湿
運転で冷媒の流れ方向を切り替える。具体的には、冷媒
圧縮機34の吐出方向を室外熱交換器33か、冷媒凝縮
器(加熱器19)かに切り替える四方弁43、暖房運転
時に冷媒蒸発器(冷却器18)をバイパスさせる電磁開
閉弁44、冷房運転時に冷媒凝縮器(加熱器19)をバ
イパスさせる電磁三方弁45、および冷媒の流れ方向を
規制する逆止弁46からなる。 【0013】そして、流路切替手段37は、冷房運転
時、暖房運転時および除湿運転時に応じて、次のように
冷媒の流れを切り替える。冷房運転時は、冷媒圧縮機3
4の吐出した冷媒を、四方弁43→室外熱交換器33→
冷媒凝縮器(加熱器19)をバイパス→減圧装置35→
冷媒蒸発器(冷却器18)→四方弁43→アキュムレー
タ36→冷媒圧縮機34の順に流す(図中矢印C参
照)。暖房運転時は、冷媒圧縮機34の吐出した冷媒
を、四方弁43→冷媒凝縮器(加熱器19)→減圧装置
35→冷媒蒸発器(冷却器18)をバイパス→室外熱交
換器33(室外ファン38ON、外気シャッタ39開)→
四方弁43→アキュムレータ36→冷媒圧縮機34の順
に流す(図中矢印H参照)。除湿運転時は、冷媒圧縮機
34の吐出した冷媒を、四方弁43→冷媒凝縮器(加熱
器19)→減圧装置35→冷媒蒸発器(冷却器18)→
室外熱交換器33(室外ファン38OFF 、外気シャッタ
39閉)→四方弁43→アキュムレータ36→冷媒圧縮
機34の順に流す(図中矢印D参照)。 【0014】上述の第1送風機3、第2送風機4、電動
モータ40のインバータ42、室外ファン38、四方弁
43、電磁開閉弁44、電磁三方弁45、各ダンパや外
気シャッタ39を駆動するアクチュエータ(図示しな
い)などの電気部品は、制御装置47によって通電制御
される。制御装置47は、乗員によって操作される操作
パネル30(図3参照)の操作信号等に従って、各電気
部品の通電制御を行うもので、操作パネル30は室内の
操作性の良い位置に設置される。操作パネル30は、各
吹出モードの設定を行う吹出モード切替スイッチ31、
ダクト2より室内へ吹き出される風量を設定する風量設
定スイッチ48、冷凍サイクル32の起動、停止を指示
する冷暖房スイッチ49、除湿指示を与える除湿スイッ
チ50、車室内への吹出温度を調節する温度調節レバー
51を備える。 【0015】なお、吹出モード切替スイッチ31は、乗
員の上半身へ向けてダクト2内の空気を吐出させるフェ
イスモードスイッチ52、乗員の上半身へ比較的冷たい
空気、乗員の足元へ比較的温かい空気を吐出させるバイ
レベルモードスイッチ53、主に乗員の足元へ比較的温
かい空気を吐出させるフットモードスイッチ54、主に
フロントガラスへ比較的温かい空気を吐出させるデフモ
ードスイッチ55からなる。また、冷暖房スイッチ49
は、冷凍サイクル32の冷媒圧縮機34のオン、オフを
行うもので、この冷暖房スイッチ49とフェイスモード
スイッチ52の両方が同時に操作されると冷凍サイクル
32は冷房運転を行い、またバイレベルモードスイッチ
53、フットモードスイッチ54およびデフモードスイ
ッチ55のいずれか1つと冷暖房スイッチ49の両者が
同時に操作されると冷凍サイクル32が暖房運転を行う
ように設けられている。さらに、内外気切替手段5の内
外気切替ダンパ8は、フェイスモードスイッチ52が選
択されると内気を選択し、他のバイレベルモードスイッ
チ53、フットモードスイッチ54およびデフモードス
イッチ55が選択されると外気を選択する。なお、本実
施例では、吹出モードに応じて内外気が切り替わるよう
に設けたが、手動操作によって内外気を切り替えるよう
に設けても良い。 【0016】また、温度調節レバー51は、設定位置に
応じて冷媒圧縮機34の回転速度が設定されるもので、
例えば冷房運転時に温度調節レバー51をクール側へ移
動させるに従い、冷媒圧縮機34の回転が速くなり、冷
却器18を通過する空気の冷却能力を連続的に高くさせ
るものである。逆に暖房運転時に温度調節レバー51を
ホット側へ移動させるに従い冷媒圧縮機34の回転が速
くなり、加熱器19を通過する空気の加熱能力を連続的
に高くさせるものである。なお、除湿運転時に温度調節
レバー51をホット側へ移動させるに従い冷媒圧縮機3
4の回転が速くなり、加熱器19を通過する空気の加熱
能力を連続的に高くさせ、除湿時の暖房能力を調節す
る。 【0017】〔実施例の作動〕次に、上記実施例の作動
を説明する。 (フェイスモードの冷房運転、図4(a)参照)乗員に
より操作パネル30のフェイスモードスイッチ52によ
ってフェイスモードが選択され、冷暖房スイッチ49が
ONされ、風量設定スイッチ48がONされ、さらに温度調
節レバー51がクール側に設定されると、冷凍サイクル
32は冷房運転を行うとともに、内外気切替ダンパ8は
自動的に内気を選択して第1送風機3が内気を吸引する
とともに、第2送風機4も内気を吸引する。第1送風機
3および第2送風機4の吸引した内気は全て冷却器18
を通り冷却される。このモードでは、クールダンパ22
および連通ダンパ29が開き、センタフェイスダンパ1
4およびサイドフェイス吹出口11が開いているため、
第1層24および第2層25を通過した空気はセンタフ
ェイス吹出口10およびサイドフェイス吹出口11よ
り、乗員の上半身へ吹き出される。なお、このモードで
は、加熱器19は停止しているため、センタフェイス吹
出口10およびサイドフェイス吹出口11より吹き出さ
れる空気は冷風である。そして、温度調節レバー51の
設定位置を変化させることにより、冷媒圧縮機34の回
転速度が変化して、吹出温度が図4(b)の範囲A1 に
示すように約3〜15℃の範囲で変化する。 【0018】(フェイスモードの除湿運転、図4(c)
参照)上述の操作モードで、除湿スイッチ50がONされ
ると、冷凍サイクル32は除湿運転を行うとともに、内
外気切替ダンパ8は自動的に外気を選択して第1送風機
3が外気を吸引するとともに、第2送風機4は内気を吸
引する。第1送風機3の吸引した外気は全て冷却器18
を通り、冷却、除湿される。第2送風機4の吸引した内
気も全て冷却器18を通り、冷却、除湿される。このモ
ードでは、クールダンパ22が閉じられ、連通ダンパ2
9が開き、センタフェイスダンパ14とサイドフェイス
吹出口11が開かれているため、第1層24をおよび第
2層25を通過する冷たい空気は、加熱器19を通って
再加熱され、センタフェイス吹出口10およびサイドフ
ェイス吹出口11より、乗員の上半身へ吹き出される。
なお、温度調節レバー51の設定位置を変化させること
により、冷媒圧縮機34の回転速度が変化して、吹出温
度が図4(b)の範囲A2に示すように約10〜30℃
の範囲で変化する。 【0019】(バイレベルモードの除湿運転、図4
(d)参照)バイレベルモードが選択されるとともに、
除湿スイッチ50がONされると、冷凍サイクル32は除
湿運転を行うとともに、内外気切替ダンパ8は自動的に
外気を選択して第1送風機3が外気を吸引するととも
に、第2送風機4が内気を吸引する。第1送風機3の吸
引した外気および第2送風機4の吸引した内気は全て冷
却器18を通り冷却、除湿される。このモードでは、ク
ールダンパ22および連通ダンパ29が閉じられ、セン
タフェイスダンパ14、サイドフェイス吹出口11、フ
ットダンパ17が開かれているため、第1層24および
第2層25を通過する冷たい空気は全て加熱器19を通
って再加熱される。このため、第1層24で除湿された
外気と内気との混合空気は、センタフェイス吹出口10
およびサイドフェイス吹出口11より、乗員の上半身へ
吹き出される。また、第2層25で除湿された内気は、
フット吹出口13より乗員の足元へ吹き出される。そし
て、温度調節レバー51の設定位置を変化させることに
より、冷媒圧縮機34の回転速度が変化して、センタフ
ェイス吹出口10およびサイドフェイス吹出口11の吹
出温度が図4(e)の範囲B1に示すように約15〜3
0℃の範囲で変化し、フット吹出口13の吹出温度が範
囲B2 に示すように約30〜45℃の範囲で変化する。
本実施例においては、加熱器19の第1層24と第2層
25との分割比をほぼ1:2としており、また、下層の
内気吸い込み温度と上層の冷媒蒸発器(冷却器18)直
後の温度との差が約20°あることから、クールダンパ
22の閉時に上下温度差を15°程度とることができ
る。なお、本実施例では、バイレベルモード時に、クー
ルダンパ22を閉じた例を示したが、クールダンパ22
を開いたり、開度を調節して、足元への吹出温度と、上
半身への吹出温度の差を大きく設けても良い。 【0020】(バイレベルモードの暖房運転)バイレベ
ルモードが選択され、除湿スイッチ50がOFF された状
態では、上記のバイレベルモードの除湿運転の状態にお
いて、冷凍サイクル32が暖房運転を行い、冷却器18
の作動のみが停止する。この結果、センタフェイス吹出
口10およびサイドフェイス吹出口11より、乗員の上
半身へ吹き出される空気(外気と内気との混合空気)、
およびフット吹出口13より吹き出される内気は、加熱
器19を通った温かい空気となる。なお、センタフェイ
ス吹出口10およびサイドフェイス吹出口11より吹き
出される空気は、外気と内気との混合空気で、フット吹
出口13より吹き出される空気は、内気であるため、足
元への吹出温度が、上半身への吹出温度よりも高くな
る。 【0021】(フットモードの除湿運転、図4(f)参
照)フットモードが選択されるとともに、除湿スイッチ
50がONされると、冷凍サイクル32は除湿運転を行う
とともに、内外気切替ダンパ8は自動的に外気を選択し
て第1送風機3が外気を吸引し、第2送風機4も内気を
吸引する。第1送風機3の吸引した外気、および第2送
風機4の吸引した内気は全て冷却器18を通り冷却、除
湿される。このモードでは、クールダンパ22および連
通ダンパ29が閉じられ、サイドフェイス吹出口11、
デフロスタダンパ16およびフットダンパ17が開かれ
ているため、冷却器18を通過して第1層24へ導かれ
たた空気(外気と内気)は、全て加熱器19を通って再
加熱され、サイドフェイス吹出口11およびデフロスタ
吹出口12より、車両のフロントガラスおよびサイドガ
ラス、あるいは一部乗員の上半身へ向けて吹き出され
る。また、冷却器18を通過して第2層25へ導かれた
内気も、加熱器19を通って再加熱され、フット吹出口
13より乗員の足元へ吹き出される。そして、温度調節
レバー51の設定位置を変化させることにより、冷媒圧
縮機34の回転速度が変化して、サイドフェイス吹出口
11およびデフロスタ吹出口12の吹出温度が図4
(g)の範囲C1 、C2 に示すように約25〜45℃の
範囲で変化し、フット吹出口13の吹出温度が範囲C3
に示すように約30〜50℃の範囲で変化する。 【0022】(フットモードの暖房運転)フットモード
が選択され、除湿スイッチ50がOFF された状態では、
上記のフットモードの除湿運転の状態において、冷凍サ
イクル32が暖房運転を行い、冷却器18の作動のみが
停止する。この結果、サイドフェイス吹出口11および
デフロスタ吹出口12より、フロントガラス、サイドガ
ラスおよび乗員の上半身へ吹き出される空気(外気と内
気の混合空気)は、加熱器19を通った温かい空気とな
る。この場合、サイドフェイス吹出口11とデフロスタ
吹出口12から吹き出される風は、フット吹出口13よ
り吹き出される空気に対して外気リッチとなっているた
め、フロントガラスおよびサイドガラスの曇りの可能性
は極めて低い。また、フット吹出口13より吹き出され
る内気も、加熱器19で加熱されて温風となる。 【0023】(デフモードの除湿運転、図4(h)参
照)デフモードが選択されるとともに、除湿スイッチ5
0がONされると、冷凍サイクル32は除湿運転を行うと
ともに、内外気切替ダンパ8は自動的に外気を選択して
第1送風機3が外気を吸引し、第2送風機4も内気を吸
引する。第1送風機3の吸引した外気および第2送風機
4の吸引した内気は全て冷却器18を通り冷却、除湿さ
れる。このモードでは、クールダンパ22が閉じられ、
連通ダンパ29が開かれ、デフロスタダンパ16が開か
れているため、第1層24に導かれた空気(外気と内
気)は全て加熱器19を通って再加熱され、サイドフェ
イス吹出口11およびデフロスタ吹出口12より、車両
のフロントガラス、サイドガラス、あるいは一部乗員の
上半身へ向けて吹き出される。また、第2層25に導か
れた内気も、加熱器19を通って再加熱される。この再
加熱された第2層25の内気は、フットダンパ17が閉
じられ、連通ダンパ29が開かれているため、連通口2
8を通ってサイドフェイス吹出口11およびデフロスタ
吹出口12より、車両のフロントガラス、サイドガラ
ス、あるいは一部乗員の上半身へ向けて吹き出される。
そして、温度調節レバー51の設定位置を変化させるこ
とにより、冷媒圧縮機34の回転速度が変化して、サイ
ドフェイス吹出口11およびデフロスタ吹出口12の吹
出温度が図4(i)の範囲D1 、D2 に示すように約3
0〜50℃の範囲で変化する。 【0024】(デフモードの暖房運転)デフモードが選
択され、除湿スイッチ50がOFF された状態では、上記
のデフモードの除湿運転の状態において、冷凍サイクル
32が暖房運転を行い、冷却器18の作動のみが停止す
る。この結果、サイドフェイス吹出口11およびデフロ
スタ吹出口12より、フロントガラス、サイドガラスお
よび乗員の上半身へ吹き出される空気(外気と内気)
は、加熱器19を通った温かい空気となる。 【0025】次に、上記フットモードの暖房運転におけ
る窓ガラスの曇り防止について、外気のみを導入して加
熱した比較技術や、外気と内気とを混合して加熱した比
較技術と比較して、図5ないし図7を用いて説明する。
まず、フットモードにおける外気100%による暖房運
転と、外気と内気とを混合した暖房運転とによる試験結
果を次に示す。なお、外気温度は0℃、外気湿度は90
〜95%、5人乗車、冷凍サイクル32の冷媒蒸発器
(冷却器18)をバイパスして冷媒凝縮器(加熱器1
9)によって室内平均を25℃とする暖房運転である。 【0026】外気100%の状態で、空気調和装置の吹
出風量が160m3 /h(フット吹出口から48℃で1
00m3 /h、サイドフェイス吹出口から38℃で40
3/h、デフロスタ吹出口から40℃で20m3
h)の時、図5に示すように、窓ガラス(フロントガラ
ス56、フロントのサイドガラス57、リヤのサイドガ
ラス58、リヤガラス59)に曇りは発生しない。な
お、図中の%は、各窓ガラス近傍の相対湿度である。し
かるに、低い温度の外気を上昇させる必要があるため、
外気100%による暖房では、暖房負荷が大きい不具合
を備えていた。外気と内気とを混合し、車両用空気調和
装置1の吹出風量が160m3 /h(フット吹出口から
48℃で100m3 /h、サイドフェイス吹出口から2
7℃で40m3 /h、デフロスタ吹出口から36℃で2
0m3 /h)の時、内気の割合を90m3 /hにする
と、室内湿度が大幅に高くなり、図6に示すように、フ
ロントガラス56のほぼ全面と、リヤのサイドガラス5
8の一部に曇りが発生してしまう。このように、外気と
内気の両方を混合してダクト2に導入して暖房運転を行
うと、暖房負荷を外気100%に比較して60%以下へ
低減できるが、窓ガラスに曇りが発生する不具合を有し
ていた。 【0027】次に、外気を窓ガラスおよび乗員の上半身
へ吹き出し、内気を足元へ吹き出し、車両用空気調和装
置1の吹出風量が190m3 /h(フット吹出口から内
気51℃で120m3 /h、サイドフェイス吹出口から
外気31℃で45m3 /h、デフロスタ吹出口から外気
34℃で25m3 /h)の時、フロントガラス56近傍
の湿度は、図7に示すように、100%外気と変わらな
いレベルまで改善できる。この結果、リヤのサイドガラ
ス58の後部に僅か曇りが発生するのみで、他の窓ガラ
スの曇りの発生を抑えることができる。なお、冷媒蒸発
器(冷却器18)を働かせる除湿運転でないときでも、
曇りの発生は最小限に抑えられ、万一曇りが発生した場
合、あるいは使用者のフィーリングにより湿気を取りた
い時に、除湿運転にすれば、各吹出口より除湿した空気
を吹出し、素早く除湿を行うことができる。 【0028】〔実施例の効果〕吹出温度を調節する際
は、温度調節レバー51を操作して冷媒圧縮機34の回
転速度を制御して、冷却器18の冷却能力、加熱器19
の加熱能力を変化させるとともに、モードに応じてクー
ルダンパ22を開閉して加熱バイパス通路21の開度を
変化させ、第1層24を通過する空気、および第2層2
5を通過する空気の温度を調節する。つまり、冷風と温
風の攪拌を行うことなく、吹出温度が調節できるため、
従来に比較してダクト2内の通風抵抗を低く抑えること
ができる。この結果、第1送風機3および第2送風機4
にかかる消費電力を低く抑えることができる。大きな冷
房能力が要求される場合、冷却器18で冷却された空気
は、加熱バイパス通路21の他に、加熱器19を通過す
る。つまり、ダクト2内を全てを冷却空気の空気通路と
することができる。このため、従来に比較して大きな冷
房能力が要求される場合の通風抵抗が低く抑えられ、結
果的に第1送風機3および第2送風機4にかかる消費電
力を低く抑えることができる。 【0029】サイドフェイス吹出口11は、フェイスモ
ードの冷房運転時以外、外気導入される第1層24と通
じているため、フェイスモードの冷房運転時以外、サイ
ドフェイス吹出口11より外気を吹き出させることが可
能となる。フェイスモードの冷房運転時では、室内が除
湿されてサイドガラスが曇ることはないが、他のモード
では、サイドフェイス吹出口11へ外気リッチの空気が
導かれるため、サイドフェイス吹出口11より吹き出さ
れる空気で、サイドガラスの曇りを防止する場合、サイ
ドフェイス吹出口11よりサイドガラスに湿度の比較的
低い外気が導かれ、サイドガラスの曇りを防止する効果
が高く、ドアミラーの視認性に優れる。サイドフェイス
吹出口11同様、センタフェイス吹出口10も第1層2
4に通じているため、センタフェイス吹出口10および
サイドフェイス吹出口11から、乗員の上半身に新鮮な
外気を吹き出すことが可能で、乗員にフレッシュ感を与
え、乗員の快適性を向上させることができる。 【0030】フットモードの暖房運転時、足元へ吹き出
される温風は、温かい内気を吸引して加熱するため、暖
房負荷を外気100%に比較して60%以下に低減する
ことができる。この結果、本実施例の車両用空気調和装
置1は、余剰熱をほとんど発生しない電気自動車に適し
ている。この時、フロントガラスへはデフロスタ吹出口
12より湿度の比較的低い外気が導かれるため、フロン
トガラスの曇りが防止される。また、冷房運転時におい
ても、室内の冷却された内気を一部、あるいは全部吸引
して冷却するため、冷房負荷も外気100%に比較して
低減することができる。 【0031】〔第2実施例〕図8および図9は第2実施
例を示すもので、図8は車両用空気調和装置1のダクト
2の概略構成図、図9はその概略斜視図である。本実施
例の車両用空気調和装置1は、第1送風機3と第2送風
機4のモータ60を共通化したものである。 【0032】〔第3実施例〕図10は第3実施例を示す
車両用空気調和装置1のダクト2の概略構成図である。
本実施例の車両用空気調和装置1は、第1送風機3と第
2送風機4のモータ60とファン61とを共通化したも
のである。 【0033】〔第4実施例〕図11ないし図14は第4
実施例を示すもので、図11は車両用空気調和装置1の
ダクト2の概略構成図である。本実施例の車両用空気調
和装置1は、第1層24が、第2層25の下に設けられ
たものである。第1仕切壁23で仕切られるダクト2の
上流は、第1仕切壁23の上方の内気リッチ通路62と
下方の外気リッチ通路63に分かれ、内気リッチ通路6
2には主に内気が導かれ、外気リッチ通路63には主に
外気が導かれる。本実施例では、1つの送風機64によ
って、内気リッチ通路62へ主に内気を導き、外気リッ
チ通路63へ主に外気または内気を選択して導く。この
送風機64は、図12にも示すように、空気の吸込口の
下半分を内気を吸い込む内気用導入口65とし、上半分
を内外気切替手段5で選択される空気を吸い込む内外気
選択導入口66としている。そして、送風機64のスク
ロール部67内には、図13および図14に示すガイド
68が配置され、内気用導入口65より吸い込んだ空気
を主にガイド68の外側に導き、内気リッチ通路62へ
吹き出す。また、内外気選択導入口66より吸い込んだ
空気を主にガイド68の内側に導き、外気リッチ通路6
3へ吹き出す。なお、ガイド68は、上流側の約半分ま
でに騒音を抑え、かつ内外気の分離性を向上させるV字
形の切欠69を設けたが、この切欠69は他の形状に設
けても良い。 【0034】〔第5実施例〕図15ないし図17は第5
実施例を示すもので、図15は冷却器18である冷媒蒸
発器から飛散したドレン水を受けるドレン受皿の断面図
である。上記第1〜4実施例に示したように、冷却器1
8が加熱器19の上流に位置するとともに、冷却器18
を通過した空気を仕切壁(上記実施例では第2仕切壁2
6の加熱器の上流部分)で分割し、分割された空気をそ
れぞれ加熱器19を通過させ、さらに冷却器18と加熱
器19との距離が接近した構造のものでは、冷却器18
で凝縮されたドレン水が、冷却器18(冷媒蒸発器のチ
ューブ)を伝わって下方に流れる際に、ダクト2内を流
れる空気の流れで飛散し、加熱器19にかかる可能性が
ある。加熱器19にドレン水がかかると、そのドレン水
が蒸発して車室内に吹き出され、窓ガラスを曇らせる可
能性がある。なお、冷却器18と加熱器19との間の仕
切壁(第2仕切壁26)に傾斜をつけるだけでは、仕切
壁からダクト2の下部の排水パン70へ落ちる際に、仕
切壁の下方の空気の流れによって飛ばされ加熱器19に
かかってしまう。 【0035】そこで、本実施例では、冷却器18と加熱
器19との間の仕切壁(第2仕切壁26の加熱器の上流
部分)を、この仕切壁より上方の冷却器18から飛散し
たドレン水を収集し、飛散したドレン水が加熱器19に
かかるのを防ぐドレン受皿71として設けたものであ
る。このドレン受皿71の具体的な構造は、図16に示
すように、矩形の皿状に設けられたもので、冷却器18
の下流端部(空気の流れに対する下流)から加熱器19
の上流端部(空気の流れに対する上流)まで配置され
る。ドレン受皿71の略中央部には、ドレン水を下方に
排出するドレン孔72が設けられ、ドレン受皿71はド
レン孔72に向かって傾斜して設けられている。ドレン
孔72の下部には、ドレン水をダクト2の排水パン70
に導くドレン排水管73がドレン受皿71と一体に設け
られている。ダクト2に設けられた排水パン70は、冷
却器18に付着したドレン水の他に、外気導入口7(第
1実施例参照)よりダクト2内に進入した雨水や洗車水
を受け止め、排水するために設けられたもので、排水パ
ン70の下部には、排水パン70で受け止めた水を車外
へ排出する排水通路74が設けられている。この排水パ
ン70は、ダクト2内で急激に下方へ窪んだ形状をな
し、排水パン70内の風速を大変小さくしている。そし
て、ドレン排水管73の下端は、排水パン70のほぼ無
風状態の部分に開口するように設けられ、ドレン排水管
73より排水パン70にドレン水が落下する際に、落下
するドレン水が加熱器19に飛散しないように設けられ
ている。 【0036】次に、ドレン受皿71の組付構造を説明す
る。本実施例の冷却器18を収納するダクト2は、上ケ
ース(図示しない)と下ケース75とを接合した構造の
もので、下ケース75の上端に設けられる上ケースとの
接合リブ(図示しない)に、ドレン受皿71の両側を3
本のタッピングスクリュウで固定した構造を採用してい
る(図17参照)。 【0037】第5実施例の作用を説明する。除湿運転が
行われると、冷却器18の作動によって、冷却器18を
通過する空気が冷却される。空気は冷却されると、空気
中の水蒸気の一部が滴下して、冷却器18にドレン水と
して付着する。そして冷却器18に付着したドレン水
は、冷却器18を伝わって下方に流れる。また、冷却器
18に付着した一部のドレン水は、冷却器18の下端に
流れ落ちる前にダクト2内を流れる空気流によって下流
側(加熱器19側)に飛散する。冷却器18を伝わって
冷却器18の下端に流れたドレン水は、冷却器18の下
部に設けられた排水パン70に受けられる。一方、ドレ
ン受皿71の上方において、ダクト2内を流れる空気流
によって冷却器18の下端に流れ落ちる前に下流側に飛
散したドレン水は、加熱器19まで設けられたドレン受
皿71に受け止められ、加熱器19にかからない。そし
て、ドレン受皿71に受け止められたドレン水は、ドレ
ン孔72、ドレン排水管73を介して排水パン70に導
かれる。また、ドレン受皿71の下方において、ダクト
2内を流れる空気流によって冷却器18の下端に流れ落
ちる前に下流側に飛散したドレン水は、排水パン70に
受け止められ、加熱器19にかからない。そして、排水
パン70に受け止められたドレン水は、排水通路74を
介して車外に排出される。一方、加熱器19は、加熱器
19を通過する空気を加熱し、室内に吹き出す空気を再
加熱する。そして、加熱器19には、ドレン水がかから
ないため、ドレン水が加熱器19で再蒸発するのが防が
れ、冷却器18による除湿効果を損なうことがない。 【0038】第5実施例の効果を説明する。本実施例の
ドレン受皿71を採用することにより、冷却器18に付
着したドレン水が、ドレン受皿71に受けられ、ドレン
水が加熱器19にかかるのが防がれる。このため、ドレ
ン水が加熱器19によって再蒸発して、窓ガラスが曇る
のを防ぐことができる。 【0039】〔第6実施例〕図18は第6実施例を示す
もので、冷却器18のドレン水を受けるドレン受皿71
の断面図である。本実施例のドレン受皿71のドレン排
水管73は、下ケース75の排水パン70に一体に設け
られた排水パイプ76に差し込まれ、ドレン受皿71の
受けたドレン水を排水パイプ76から直接ダクト2の外
部へ導くものである。これによって、ドレン受皿71で
受けたドレン水が、ダクト2内を流れる空気の影響を受
けることなく確実に外部に排出される。 【0040】〔変形例〕本実施例では空気調和装置を電
気自動車に搭載した例を示したが、内燃機関、特にディ
ーゼルエンジンやリーンバーンエンジンによって駆動さ
れる自動車に搭載しても良い。加熱器の一例として冷媒
凝縮器を例に示したが、温水式のヒータコア、電気ヒー
タ、燃焼ヒータなど他の加熱器を用いても良い。第2送
風機の上流に内外気切替手段を設けるなどして、車両乗
員の足元に外気を導入できるように設けても良い。ま
た、内外気切替手段をなくし、常に第1層へ外気を導く
ように設けても良い。
【図面の簡単な説明】 【図1】空気調和装置のダクトの概略構成図である(第
1実施例)。 【図2】冷凍サイクルの冷媒回路図である。 【図3】操作パネルの正面図である。 【図4】空気調和装置の作動説明図である。 【図5】外気100%による暖房運転時の窓の曇り状態
の説明図である。 【図6】外気と内気を混合した暖房運転時の窓の曇り状
態の説明図である。 【図7】外気を窓ガラスへ吹き出し、内気を足元へ吹き
出す暖房運転時の窓の曇り状態の説明図である。 【図8】空気調和装置のダクトの概略構成図である(第
2実施例)。 【図9】ダクトの車両の搭載状態を示す概略斜視図であ
る(第2実施例)。 【図10】空気調和装置のダクトの概略構成図である
(第3実施例)。 【図11】空気調和装置のダクトの概略構成図である
(第4実施例)。 【図12】送風機の断面図である(第4実施例)。 【図13】ガイドの上面図である(第4実施例)。 【図14】ガイドの側面図である(第4実施例)。 【図15】ドレン受皿の配置状態を説明する概略断面図
である(第5実施例)。 【図16】ドレン受皿の斜視図である(第5実施例)。 【図17】ドレン受皿の組付状態を説明する概略断面図
である(第5実施例)。 【図18】ドレン受皿の配置状態を説明する概略断面図
である(第6実施例)。 【符号の説明】 1 車両用空気調和装置 2 ダクト 3 第1送風機 4 第2送風機 10 センタフェイス吹出口 11 サイドフェイス吹出口 12 デフロスタ吹出口 13 フット吹出口 18 冷却器 19 加熱器 21 加熱バイパス通路 22 クールダンパ23 第1仕切壁 24 第1層 25 第2層26 第2仕切壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−8105(JP,A) 特開 昭63−188514(JP,A) 実開 平4−96513(JP,U) 実開 平4−83811(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 - 3/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】室内前部の中央より乗員の上半身へ向けて
    空気を吹き出すセンタフェイス吹出口、室内前部の両脇
    より乗員の上半身あるいはサイドガラスへ向けて空気を
    吹き出すサイドフェイス吹出口、フロントガラスへ向け
    て空気を吹き出させるデフロスタ吹出口、および乗員の
    足元へ向けて空気を吹き出させるフット吹出口を備えた
    ダクトと、 このダクトにおいて前記センタフェイス吹出口、前記サ
    イドフェイス吹出口、前記デフロスタ吹出口、およびフ
    ット吹出口より吹き出される空気流を生じさせる送風機
    と、 前記ダクト内に配置され、通過する空気を冷却する冷却
    器と、 前記ダクト内において前記冷却器の空気流下流側に配置
    され、通過する空気を加熱するとともに、その加熱能力
    が可変可能に設けられた加熱器と、 前記ダクト内において前記加熱器をバイパスする加熱バ
    イパス通路と、 この加熱バイパス通路の開度を変化させるクールダンパ
    と、 前記ダクト内において室外空気を導入可能に設けられ、
    前記冷却器を通過したのち、前記加熱バイパス通路また
    は前記加熱器を通過させる第1層と、 前記ダクト内において室内空気を導入して前記冷却器と
    前記加熱器の両方を通過させる第2層とを備え、 前記第1層は、前記センタフェイス吹出口、前記サイド
    フェイス吹出口および前記デフロスタ吹出口に通じ、 前記第2層は、前記フット吹出口に通じ、 室外空気が導入可能な前記第1層と室内空気が導入され
    る前記第2層は、前記ダクト内において仕切壁によって
    仕切って設けられ、 前記クールダンパが前記加熱バイパス通路を全開した時
    に前記第1層を流れる空気は、前記加熱バイパス通路お
    よび前記加熱器を並列に流れるように設けられ フットモード時には、前記第1層に導入された外気を前
    記デフロスタ吹出口および前記サイドフェイス吹出口か
    ら吹き出すとともに、前記第2層に導入された内気を前
    記フット吹出口から吹き出すように設けられた ことを特
    徴とする車両用空気調和装置。
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