JP3525370B2 - 剪断減粘性水性ボールペンインキの調製方法、剪断減粘性水性ボールペンインキ組成物及びそれを用いたボールペン - Google Patents

剪断減粘性水性ボールペンインキの調製方法、剪断減粘性水性ボールペンインキ組成物及びそれを用いたボールペン

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JP3525370B2
JP3525370B2 JP14362096A JP14362096A JP3525370B2 JP 3525370 B2 JP3525370 B2 JP 3525370B2 JP 14362096 A JP14362096 A JP 14362096A JP 14362096 A JP14362096 A JP 14362096A JP 3525370 B2 JP3525370 B2 JP 3525370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は剪断減粘性水性ボー
ルペンインキの調製方法、剪断減粘性水性ボールペンイ
ンキ及びそれを用いたボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペン用インキとしては、粘
度が1〜2万m.Pa.s程度の油性溶剤系で構成され
た油性ボールペンインキと、粘度が10m.Pa.s程
度の水性媒体からなる低粘性の水性ボールペンインキが
汎用されている。前記油性ボールペンインキは、インキ
流量調節部材を介在させることなく、直液状態でパイプ
状インキ収容部に充填されて実用に供される比較的簡易
なボールペン機構である利点がある反面、インキ自体の
高粘性に依存して筆記感が重いため高い筆圧を要する。
又、ボール表面に形成した高粘性インキによるインキ薄
膜を筆記面に転写する機構のため、カスレ現象を生じた
り、筆記先端部にインキが蓄積するいわゆるボテ現象
や、外気温が高い環境下での筆記に際して、筆跡が滲む
等の不具合を発生しがちである。 一方、前記低粘性水
性ボールペンインキを用いた水性ボールペンにおいて
は、軽い筆圧で濃い筆跡濃度が得られる利点がある反
面、低粘性のインキを適正に流出させるためのインキ流
出制御手段等を配備する必要があり、多部品から構成さ
れる複雑な構造を余儀なくされるうえ、インキの低粘性
に依存して筆記の滲みやボタ落ち現象を発生させがちで
あった。
【0003】前記した状況に鑑み、近年、揺変性を付与
した水性媒体のインキ、所謂、剪断減粘性の水性ボール
ペンインキが開発され、実用に供されるようになった。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時にあっ
ては高粘度であり、ボールペン機構内において安定的に
保持されており、筆記時にあっては高速回転するボール
による高剪断力によって、ボール近傍のインキのみが低
粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の
間隙を毛管力によって円滑に通過して紙面にインキが転
移される。前記紙面等に転移したインキは、剪断力から
開放されるため、再び高粘度状態となり、従来の非剪断
減粘性水性ボールペンの欠点であった筆跡の滲み現象を
発生させない。
【0004】前記した剪断減粘性水性ボールペンインキ
に関する提案は、幾つか開示されている。例えば、水分
散性のガム、樹脂、多糖類等を利用したもの(例えば、
米国特許第4671691号公報、特公昭64─867
3号公報)が挙げられる。ところで、前記提案に開示さ
れている水分散性のガム、樹脂、増粘性多糖類は、微生
物による解重合作用、光化学的酸化による分解作用、強
い剪断力による分子鎖の開裂作用により、変質または劣
化し易い傾向があり、剪断減粘性効果を安定性的に持続
して満足させているとはいえない。
【0005】又、架橋性アクリル樹脂等の有機高分子化
合物を剪断減粘性付与剤として利用したもの(特開昭5
7─49678号公報等)が開示されているが、架橋性
アクリル樹脂の特性として高粘度の状態では、ある程度
の剪断減粘性を呈するとしても、水性ボールぺンの筆記
機構への適用に際しては、その効果を必ずしも有効に発
現し難い。即ち、剪断減粘効果が不充分であり、筆記時
の剪断力により生じる筆記に適正な低粘度化と、非筆記
時の保管状態に要求される高粘度化とのバランスを必ず
しも満足させていない。
【0006】又、無機質微粒子等の無機化合物を剪断減
粘性付与剤として用いる試み(特開平6─256699
号公報等)が開示されているが、無水珪酸微粒子のよう
な微粒子は、吸水によって剪断減粘性を示すとしても、
微粒子間の凝集力による作用の依存度が大である。従っ
て、この種のインキをボールペン用インキとして適用し
た場合、凝集粒子の三次元構造体がボールとボールハウ
スの狭い間隙を均質状態で通過することはかなりの困難
を伴うため、インキ切れを発生させがちである。又、親
水性合成スメクタイトの如き膨潤性粘土類は、実質的に
溶解状態に近いほど微細な粒子に分散し、初期的には良
好な剪断減粘性を与えるとしても、経時的に水をゲル本
体から分離、排出する現象、即ち「離漿」現象を発生さ
せがちであり、ボールペン機構内において局所的なイン
キの分離やインキ柱の切断を生じる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来のボールペン用インキの不具合を解消し、スムーズな
筆記感を備え、筆記性能と保存性能を満たす剪断減粘性
水性ボールペンインキの調製方法、剪断減粘性水性ボー
ルペンインキ及びそれを用いたボールペンを提供しよう
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
従来の不具合を解消させるため、水性ボールペン用イン
キについて鋭意検討を重ね、特定の界面活性剤を水性ビ
ヒクルに配合することにより、水性ボールペンに有効な
剪断減粘性を付与したボールペンインキが得られること
を見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】本発明は、着色剤、水、及び水溶性極性溶
剤を含む水性ビヒクル中に、該ビヒクル全量に対し、H
LB値が8〜12の範囲から選ばれるノニオン系界面性
活剤(ポリエチレングリコールモノラウレートを除く)
の1〜30重量%を存在させて均質的に混合するよう攪
拌混合し、該水性ビヒクルに剪断減粘性を発現させ、粘
度が25〜160m.Pa.s(EM型回転粘度計にお
ける回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断
減粘性指数が0.1〜0.6の範囲に調整することを特
徴とする剪断減粘性水性ボールペンインキの調製方法を
要件とする。更には、前記ノニオン系界面活性剤(ポリ
エチレングリコールモノラウレートを除く)が2μm以
下の微細粒子状に分散状態にある相と、実質的に溶解状
態にある相とが混在するように調製されること、更には
着色剤1〜35重量%、水溶性極性溶剤2〜35重量%
を含み、HLB値が8〜12の範囲のノニオン系界面活
性剤(ポリエチレングリコールモノラウレートを除く)
を1〜30重量%、残部が水及び調整用添加剤であり、
粘度が25〜160m.Pa.s(EM型回転粘度計に
おける回転数100rpmでの値、25℃)の範囲にあ
り、剪断減粘性指数0.1から0.6の範囲にあり、界
面活性剤が微粒子状に分散状態にある相と、分子溶解状
態にある相とが混在状態にある、剪断減粘性水性ボール
ペンインキ組成物を要件とする。更には、前記したノニ
オン系界面活性剤は、分子中に少なくとも1個以上のヒ
ドロキシル基を有してなること、ノニオン系界面活性剤
は、常温乃至常温以上の温度域において、液状乃至ペー
スト状であること、着色剤は、可逆性熱変色性マイクロ
カプセル顔料であり、電子供与性有機化合物、電子受容
性化合物及び変色温度を調節する反応媒体を必須成分と
する均質相溶体を壁膜で被覆してなる、粒子分布が0.
5μm〜20μmの範囲に95体積%以上を占める顔料
であること、更には粒子分布が0.5μm〜20μmの
範囲に95体積%以上を占める可逆性熱変色マイクロカ
プセル顔料5〜35重量%(固形分)、HLB値が8〜
12の範囲のノニオン系界面活性剤を1〜30重量%、
水溶性極性溶剤2〜35重量%を含み残部が水及び調整
添加剤からなる、粘度が30〜160m.Pa.s(E
M型回転粘度計における回転数100rpmでの値)の
範囲にあり、インキの剪断減粘指数が0.1〜0.6で
ある剪断減粘性水性ボールインキ用組成物を要件とす
る。更には、可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料は、
外面の少なくとも一部に窪みを有する界面重合または界
面重縮合法により形成された壁膜からなる顔料であるこ
と等を要件とする。更には、ボールを回転自在に抱持し
たチップを備え、インキ収納部に収容されたインキを導
出させて筆記可能に構成されたボールペンにおいて、前
記インキ収納部に前記した剪断減粘性水性ボールペン用
インキ組成物がインキ流量調節部材を介在させることな
く直液状態に収容されてなる水性ボールペン、更には、
インキ収容部はパイプからなり、収容状態にある剪断減
粘性水性ボールペン用インキ組成物の後端部には、イン
キ追従体が配されてなること等を要件とする。
【0010】本発明は前記したとおり、特定の界面活性
剤の特定量を水性ビヒクル中に存在させて混和させるこ
とにより、剪断減粘性が発現され、ボールペンインキと
しての適性と諸性能を満たす剪断減粘性インキが得られ
ることを特徴とする。従来より開示されている剪断減粘
性付与剤が、既述のとおり高分子化合物、樹脂、ガム
類、又は、無機質微粒子であるのに対し、本発明にあっ
ては、特定の低分子量の界面活性剤が効果的な剪断減粘
性機能を発現させることを見出したことにある。更に詳
細には、本発明者らはノニオン系界面活性剤のHLBの
値が8〜12の範囲、即ち油溶性と水溶性の概略中間的
な溶解性を示す界面活性剤が、所定の濃度以上で水媒体
中に存在すると、媒体が剪断減粘性を示すという知見を
得た。
【0011】本発明に適用される前記HLB値が8〜1
2の範囲のノニオン系界面活性剤が水媒体中で剪断減粘
性を示す理由として、本発明者らは次のように考えてい
る。HLB値が8〜12の範囲にある界面活性剤は親油
性と親水性の中間的な性質を有しており、水媒体中で一
部は分子状態に溶解し、一部は微細粒子状に分散してお
り、外観的には白濁乃至半透明の状態をとっている。か
かる溶解相と分散相の二相状態にあっては分散相からな
る微粒子を固定点とし、その周囲の溶解相が流動相とし
て機能する結果、剪断力が低い場合には二相からなる三
次元の網目構造が保持され、高い粘度を示す。一方、強
い剪断力が作用すると、流動相が容易に移動するため、
三次元の網目構造が一時的に弱まり、その結果、低い粘
度を示すと推察される。
【0012】前記分散相の粒子の大きさは、剪断減粘系
の安定性に大きく関係しており、概略2μm以下の微細
状態に分散されている必要がある。概して2μmを越え
ると分散相と溶解相の比重等の相違により、経時的に分
散相と溶解相が二相に分離する傾向があり好ましくな
い。好ましくは2μm以下〜数10nmの範囲に分散相
が存在する時に安定な系を示す。かかる粒子性をもった
界面活性剤を含む水媒体は、概して粒度の大きい順に、
白濁〜半透明〜青みを帯びた半透明の外観状態をとる。
かかる物理化学的状態をもったインキ組成物は、ボール
回転を円滑に促進する効果があり、筆記感に優れ、又、
ボール受け座の磨耗もより軽減される。
【0013】更に、剪断減粘系の温度依存安定性の観点
から、常温において液状又はペースト状の界面活性剤を
用いると、温度依存性の少ない優れた剪断減粘性を付与
することができる。かかる界面活性剤の構成上の特徴
は、概して分子中の炭化水素基中の疎水基が、分岐炭化
水素基、不飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基、或いは
炭素数が12以下の飽和炭化水素基から構成されること
による。本発明における水媒体中における剪断減粘性の
発現は、前記特定の界面活性剤の三次元網目構造に起因
するものと考えられるが、前記界面活性剤分子が分子中
に一個以上の水酸基を有する場合には、より安定で効果
的な剪断減粘性を発現させることができる。即ち、より
小さい剪断減粘指数を得ることができる。かかる分子中
に一個以上の水酸基を有する界面活性剤は、水素結合に
よる分子間相互作用により、より強固で温度的にも安定
な三次元網目構造をとることができるため、低い剪断減
粘指数、換言すれば、高いチクソトロピー性を必要とす
る場合には特に有効である。又、1分子中に2個以上の
水酸基を有する界面活性剤がより好ましく、前記水酸基
としては、アルコール性水酸基、燐酸酸性水酸基、フェ
ノール性水酸基等が挙げられる。
【0014】本発明に適用される界面活性剤は水性ボー
ルペンインキ中で1〜30重量%の範囲で添加される
が、適性添加量は個々の化合物で異なり、適宜所望の剪
断減粘性を得るに必要な量が適用される。尚、1重量%
未満では、水性ボールペンインキに必要な剪断減粘性を
付与でき難く、30重量%を越えると、筆跡のカスレを
発生させがちであり、更には、高剪断状態下にあって
も、所期の粘度低下が得られず、筆記速度に相応する適
正なインキ流出性が得られ難い。尚、HLB値が8〜1
2の範囲にある界面活性剤であれば、前記した添加量範
囲において、複数を併用してもよい。
【0015】次に本発明に適用されるノニオン系界面活
性剤を以下に例示するが、これに限定されるものではな
い。尚、例示する化合物中、例えば、POE(5)の表
示はエチレンオキサイド分子が平均5モル1置換基あた
り付加された化合物であることを示す。従って、2置換
基にエチレンオキサイドが付加されている場合は分子全
体としては10モル付加を意味する。
【0016】ポリグリセリン脂肪酸エステル類としては
下記のものが例示できる。 モノミリスチン酸ヘキサグリセリル(HLB:11.
0) モノパルミチン酸ヘキサグリセリル(HLB:10.
0) モノステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB:9.0) モノオレイン酸ヘキサグリセリル(HLB:9.0) モノステアリン酸デカグリセリル(HLB:12.0) モノオレイン酸デカグリセリル(HLB:12.0) モノリノール酸デカグリセリル(HLB:12.0) モノイソステアリン酸デカグリセリル(HLB:12.
0) ジイソステアリン酸デカグリセリル(HLB:9.5) ジオレイン酸デカグリセリル(HLB:10.0) 前記例示化合物以外においてもHLBが8〜12の範囲
のポリグリセリン脂肪酸エステル類は同様の効果を発揮
することができる。
【0017】グリセリンの脂肪酸エステルのエチレンオ
キサイド誘導体としては下記のものが例示できる。 POE(5)モノオレイン酸グリセリル(HLB:9.
5) POE(5)モノステアリン酸グリセリル(HLB:
9.5) POE(10)モノステアリン酸グリセリル(HLB:
11.9) POE(5)グリセリン牛硬脂肪酸エステル(HLB:
9.5) POE(10)グリセリン牛硬脂肪酸エステル(HL
B:11.5) 前記例示化合物以外においてもHLB8〜12の範囲の
グリセリン脂肪酸エステル類は同様の効果を発揮するこ
とができる。
【0018】ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エス
テル類としては、下記のものが例示できる。 テトラオレイン酸POE(6)ソルビット(HLB:
8.5) テトラオレイン酸POE(10)ソルビット(HLB:
9.5) テトラオレイン酸POE(20)ソルビット(HLB:
10.5) テトラオレイン酸POE(30)ソルビット(HLB:
11.5) テトラオレイン酸POE(35)ソルビット(HLB:
12.0) テトラステアリン酸POE(30)ソルビット(HL
B:11.0) 前記例示化合物以外にも、HLBが8〜12の範囲のポ
リオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類が適用で
きる。
【0019】ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類としては、下記のものが例示できる。 トリオレイン酸POE(20)ソルビタン(HLB:1
1.0) モノオレイン酸POE(6)ソルビタン(HLB:1
0.0) トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(HLB:
10.5) モノステアリン酸POE(6)ソルビタン(HLB:
9.6) 前記例示化合物以外にも、HLBが8〜12の範囲のポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類が適用で
きる。
【0020】ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類
としては、下記のものが例示できる。 モノステアリン酸PEG(10)(HLB:11.0) モノオレイン酸PEG(10)(HLB:11.0) モノオレイン酸PEG(6)(HLB:8.5) 前記例示化合物以外にも、HLBが8〜12の範囲のポ
リエチレングリコール脂肪酸エステル類(ポリエチレン
グリコールモノラウレートを除く)が適用できる。
【0021】ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、
及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類と
しては、下記のものが例示できる。 POE(2)ラウリルエーテル (HLB:9.5) POE(4)ラウリルエーテル (HLB:11.5) POE(2)セチルエーテル (HLB:8.0) POE(5.5)ラウリルエーテル(HLB:10.
5) POE(7)ラウリルエーテル(HLB:10.5) POE(2)ステアリルエーテル(HLB:8.0) POE(4)ステアリルエーテル(HLB:9.0) POE(7)オレイルエーテル(HLB:10.5) POE(10)ベヘニルエーテル(HLB:10.0) POE(5)ノニルフェニルエーテル(HLB:8.
0) POE(10)オクチルフェニルエーテル(HLB:1
1.5)
【0022】ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテル類としては、以下の化合物を例示する
ことができる。 POE(1),POP(4)セチルエーテル(HLB:
9.5) POE(10),POP(4)セチルエーテル(HL
B:10.5) POE(1),POP(8)セチルエーテル(HLB:
9.5) POE(20),POP(8)セチルエーテル(HL
B:12.5) POE(12),POP(6)テトラデシルエーテル
(HLB:8.5) POE(12),POP(6)テトラデシルエーテル
(HLB:11.5) POE(12),POP(6)テトラデシルエーテル
(HLB:12.0)
【0023】脂肪酸モノエタノールアミドとしては、下
記の化合物が例示できる。ラウリン酸モノエタノールア
ミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン
酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノール
アミド、ベヘニン酸モノエタノールアミド、イソステア
リン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノー
ルアミド、リシノール酸モノエタノールアミド、リノー
ル酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
【0024】脂肪酸ジエタノールアミド類としては、下
記の化合物が例示できる。ラウリン酸ジエタノールアミ
ド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジ
エタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、
ベヘニン酸ジエタノールアミド、イソステアリン酸ジエ
タノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、リシ
ノール酸ジエタノールアミド、リノール酸ジエタノール
アミド等の各々、1:1型及び1:2型があげられ、こ
れらの1種又は2種以上の混合により、HLBの値が8
から12の範囲に調整して使用することができる。
【0025】ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類として
は、下記のものが例示できる。ここで、括弧内の数字は
エチレンオキサイド鎖における平均付加モル数を表す。
POE(2〜5)ラウリン酸アミド、POE(2〜6)
ミリスチン酸アミド、POE(2〜7)パルミチン酸ア
ミド、POE(2〜8)ステアリン酸アミド、POE
(2〜10)オレイン酸アミド、POE(2〜7)イソ
ステアリン酸アミド、POE(2〜7)リノール酸酸ア
ミド、POE(2〜7)リシノール酸アミド、POE
(2〜10)ベヘニン酸アミド等が例示でき、これらの
内から、1種又は2種以上の混合によるHLBの値が8
から12の混合体として使用することできる。好ましく
は、常温で液状もしくはペースト状のポリオキシエチレ
ン脂肪酸アミドが温度安定に優れた剪断減粘性を示す。
【0026】ポリオキシエチレンアルキルアミン類とし
ては、下記のものが例示できる。POE(2〜5)ラウ
リン酸アミン、POE(2〜6)ミリスチン酸アミン、
POE(2〜7)パルミチン酸アミン、POE(2〜
8)ステアリン酸アミン、POE(2〜10)オレイン
酸アミン、POE(2〜7)イソステアリン酸アミン、
POE(2〜7)リノール酸酸アミン、POE(2〜
7)リシノール酸アミン、POE(2〜10)ベヘニン
酸アミン等が例示でき、これらの内から、1種又は2種
以上の混合によるHLBの値が8から12の混合体とし
て使用することできる。好ましくは、常温で液状もしく
はペースト状のポリオキシエチレン脂肪酸アミンが温度
安定に優れた剪断減粘性を示す。
【0027】糖類エステル類としては、下記のものがあ
げられる。ショ糖エステルの構成カルボン酸がラウリン
酸 、ミリスチン酸、ステアリン酸ベヘニン酸、イソス
テアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リシノール酸、
牛脂脂肪酸等からなるショ等のモノ及びジエステル及び
トリエステルからなる化合物の1種又は2種以上から選
ばれ、HLBが8から12の範囲となるショ糖エステル
単体又は混合体が適用できる。前記ショ糖エステル化合
物は一般には、DKエステル (第一工業製薬株式会社
製ショ糖エステル)として入手でき、例えば、DKエス
テルF−110(HLB約11)、F−90(HLB約
9)、F−70(HLB約8)等が好適に剪断減粘性を
発揮させることができる。
【0028】リン酸エステル類としては、下記例示化合
物のモノエステル、ジエステル、トリエステルの単一化
合物又は混合物が使用できる。 POE(1〜2)n−デシルエーテルリン酸エステル POE(1〜2)n−ウンデシルエーテルリン酸エステ
ル POE(1〜3)n−ドデシルエーテルリン酸エステル POE(1〜3)n−イソトリデシルエーテルリン酸エ
ステル POE(1〜3)n−ミリスチルエーテルリン酸エステ
ル POE(1〜4)n−セチルエーテルリン酸エステル POE(1〜4)n−ステアリルエーテルリン酸エステ
ル POE(1〜6)n−ベヘニルエーテルリン酸エステル POE(1〜4)n−イソステアリルエーテルリン酸エ
ステル POE(1〜4)n−ノニルフェニルエーテルリン酸エ
ステル POE(1〜4)n−オレイルエーテルリン酸エステル n−デシルリン酸エステル、n−ドデシルリン酸エステ
ル、n−ウンデシルリン酸エステル、イソトリドデシル
リン酸エステル、ミリスチルリン酸エステル、セチルリ
ン酸エステル、ステアリルリン酸エステル、イソステア
リルリン酸エステル、ベヘニルリン酸エステル、オレイ
ルリン酸エステル、ノニルフェニルリン酸エステル等が
例示できる。前記例示化合物以外においてもHLBが8
〜12の範囲のリン酸エステル類は同様の効果を発揮す
ることができる。前記リン酸エステル類の場合には、所
望に応じて無機、有機の塩基成分にて部分的に中和して
PHを調整することも可能である。
【0029】前記以外の化合物群としては、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物類、
ポリオキシエチレンラノリン類、ポリオキシエチレンラ
ノリンアルコール類、ポリオキシエチレンソルビットミ
ツロウ類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ポリオキシ
エチレンヒマシ硬化油類、ソルビタン脂肪酸エステル類
等のノニオン系界面活性剤のうちHLBの8〜12の範
囲の単一化合物又は2種以上の化合物を混合物として使
用することができる。
【0030】本発明のインキ組成物に用いる着色剤とし
ては、水性系媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔
料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示す
る。染料類では、C.I.ブルー93などの酸性染料、
ダイレクトブラック154などの直接染料、ローダミン
やメチルバイオレットなどの塩基性染料が使用できる。
顔料類としては、カーボンブラック、群青などの無機顔
料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエローなど
の有機顔料の他、既に界面活性剤を用いて微細に安定的
に水媒体中に分散された水分散顔料製品が簡便に使用で
きる。例えば、C.I.Pigment 15:3B
〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分24%、山
陽色素株式会社製〕、C.I. Pigment Re
d 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分
21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigm
ent Yellow 81〔品名:TC Yello
wFG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.PigmentRed220/166〔品名:
TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株
式会社製〕等を挙げることができる。蛍光顔料として
は、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化し
た合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる他、パー
ル顔料、金色・銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修
正ペンに用いる酸化チタン等の白顔料、香料又は香料カ
プセル顔料などを例示できる。
【0031】上記の着色剤は1種もしくは2種以上を混
合して使用でき、これらの使用量は、1から35重量%
が好ましく、添加量の設定については顔料自体の呈色性
や使用目的に応じ適宜決めることができる。更に、有用
な顔料の応用例として、可逆性熱変色性マイクロカプセ
ル顔料が使用可能である。ここで、可逆性熱変色性マイ
クロカプセル顔料を着色剤として用いた本発明の水性ボ
ールペン組成物について説明する。
【0032】前記可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料
は、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物及
び変色温度調整剤の均質相溶体からなる熱変色性材料か
らなり、電子の授受反応により所定温度で可逆的に発色
・消色するタイプの従来より公知のもの、例えば特公昭
51−44706号、特公昭51−44708号、特公
昭52−7764号、特公昭51−35414号、特公
平1−29398号公報や、大きなヒステリシス特性を
示して変色し、低温側変色点と高温側変色点の間の温度
域において、着色状態と無色状態或いは有色(A)と有
色(B)の両相が互変的に記憶保持される、特公平4−
17154号公報、特開平7−33997号公報、特開
平7−179777号公報で開示されている熱変色性材
料を公知のマイクロカプセル化方法によって微細粒子状
に内包もしくは樹脂マトリックス化することによって得
られたものが適用できる。
【0033】前記可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料
は、本発明に適用の水性媒体中に分散状態に存在させて
なり、該熱変色性マイクロカプセル顔料は、電子供与性
有機化合物、電子受容性化合物及び変色温度を調節する
反応媒体を必須成分とする均質相溶体を壁膜で被覆して
なる、粒子分布が0.5μm〜20μmの範囲に95%
(体積%)以上を占める顔料、更に好ましくは、可逆性
熱変色性マイクロカプセル顔料は、外面の少なくとも一
部に窪みを有する界面重合または界面重縮合法により形
成された壁膜からなる顔料であり、より好ましくは粒子
分布が0.5μm〜20μmの範囲に95体積%以上を
占める可逆性熱変色温度マイクロカプセル顔料を5〜3
5重量%(固形分)を配合してなり、粘度が30〜16
0m.Pa.s(25℃でのEM型回転粘度計における
回転数100rpmでの値)の範囲にあり、インキの剪断減粘
指数が0.1〜0.6の範囲にあることが好ましい。
【0034】ここで、前記した如く外面の少なくとも一
部に窪みを有するマイクロカプセル顔料(図2〜5参
照)は、真円断面の球状体(図1参照)に較べ、同一粘
度のインキであっても、外力(筆記時に生じる圧力等)
を受けたとしても、その応力は自らの弾性変形により、
圧力緩和され、カプセル自体は破壊されることなく、ボ
ールペンチップより適正に流出して所望の筆跡性能を与
える。
【0035】本発明インキ組成物は水を主溶剤として用
いるが、水溶性極性溶剤としては水に相溶性のある従来
汎用の溶剤もすべて有効であり、グリセリン、トリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールア
ミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チ
オジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2
−ピロリドン等を使用することができる。使用量は組成
物中2〜35重量%が望ましい。
【0036】調整添加剤としては、PH調整剤として、
炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機
塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物が適
用できる。防錆剤としてベンゾトリアゾール、トリルト
リアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライ
ト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニ
ン等が使用できる。防腐剤あるいは防黴剤としては、石
炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリム
塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソ
ルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,
3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニ
ル)ピリジン等が挙げられる。湿潤剤としては、尿素、
ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ
糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナ
トリム等が使用できる他、インキの浸透性を向上させる
ためにフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を
使用してもよい。前記調整添加剤はいわゆる慣用的添加
剤と呼ばれるもので、公知の化合物から適宜必要に応じ
て使用することができる。
【0037】更には、剪断減粘性を実質上有しないポリ
マーをバインダーもしくは耐水性を付与する目的で添加
できる。かかるポリマー類としてはポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸樹脂、スチ
レンマレイン酸樹脂などリニアな重合体があげられる。
さらに、公知の剪断減粘性を有する樹脂、ガム類、増粘
多糖類、無機質粒子等も併用することもできる。本発明
のインキ組成物の剪断減粘性とは、静止状態あるいは応
力の低い時は著しく高粘度で流動し難い性質を有してお
り、応力が増大すると低粘度化し良流動性を示すレオロ
ジー特性を言う。チクソトロピー性あるいは疑似可塑性
とも呼ばれる共通した液性を意味している。
【0038】本発明におけるインキ組成物は筆記時の高
剪断応力下においては三次元構造が一時的に破壊されイ
ンキの粘度が低下し、ボール近傍のインキは筆記に適し
た低粘度インキとなり、ボールとボールハウスの間隙を
毛細管力によって移動し、紙面に転移される。非筆記時
には、ボール近傍も含めてすべてのインキの粘度が高く
なり、インキの漏出を防止したり、インキの分離、逆流
を防ぐことができる。又、インキ物性を経時的に安定に
保つことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明のインキは、従来より公知
のボールペンチップを筆記先端とするボールペンのイン
キ収容部4にインキ流量調節部材を介在させることな
く、直接的に充填した、いわゆる直液状態で実用に供す
ることができる(図11参照)。インキ収容部4に収容
状態にあるインキ6の後端部に接触して、インキ追従体
7を配した構成が汎用される。尚、可撓性の軸筒内にイ
ンキを収容させ、該軸筒を適宜、押圧変形させてインキ
出を調整する構成の、インキ追従体を使用しない構造の
ものでもよい。ボールペンチップ構造については、ボー
ル収容部3の内径Aとボール2の外径Bとの差S、及び
ボール2の軸方向に移動可能なスペースCは、インキの
種類、目的等に応じて適宜の範囲に設定でき、従来より
汎用のチップ機構、例えば、金属性のパイプの先端近傍
部を外面より内方に押圧変形させて、ボール受け座とイ
ンキ導出部を一体形成したチップ(図6、図7)、或い
は金属材料のドリル等による切削加工により、内部にボ
ール受け座33と中心孔31と放射状の導出溝32を形
成したチップ(図8、図9)、或いは、バネ体によりボ
ールを前方に付勢させた機構(図10)、その他ボール
を回動自在に構成した筆記乃至塗布具が有効である。以
下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこの実施例によって何ら限定されるもので
はない。又、実施例における剪断減粘度指数(n)は剪
断応力値(T)及び剪断速度(j)値の如き粘度径によ
る流動学的測定から得られる実験式(T=Kjn :K及
びnは計算された定数である)にあてはめることによっ
て計算されるn値を示す。尚、実施例中の配合数字は重
量部を示す。
【0040】実施例1 (重量部) 黒色顔料〔SS BLACK C、顔料分28%、山陽色素(株)製〕 19.4 グリセリン 3.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤〔プロキセルXL−2、ゼネカ社製〕 0.1 ジイソステアリン酸デカグリセリル 12.1 〔NIKKOL DEC2−IS、 日光ケミカルズ(株)製〕 水 65.3 ─────────────────────────────────── 100.0
【0041】インキの調整 前記所定量のうち、まず水にイソジステアリン酸デカグ
リセリルを均一に加温分散する。室温冷却後、ついで黒
色顔料をかきまぜながら添加した後、グリセリン、消泡
剤、防腐剤を加え、G3グラスフィルターで吸引ろ過し
て粗大物を除去し、本発明のインキ組成物を得た。得ら
れたインキは、剪断減粘指数(n):0.41、粘度
(100rpm):71m.Pa.s(25℃)であっ
た。
【0042】ボールペンの作製 直径0.5mmのボールを使用した、ボール収容部の内
径Aとボール外径Bの差S=20μm、軸方向の移動可
能なスペースC=20μmを有する切削型ボールペンチ
ップを用いた。前記インキ組成物を内径3.3mmのポ
リプロピレン製パイプに1.2g充填し、樹脂製ホルダ
ーを介して前記ボールペンチップと連結させた。ついで
前記ポリプロピレン製パイプの尾部より、ポリブテンベ
ースの粘弾性を有するインキ追従体(液栓)を充填し、
遠心処理により脱エアー処理をした後、外装軸筒、口
金、尾栓、キャップを装着してボールペンを得た。前記
ボールペンを用いてレポート用紙に連続筆記したとこ
ろ、書き出しから鮮明な黒色の筆跡が得られ、カスレ、
線割れ、線切れ、及びインキのボテ現象もなく良好な筆
記性能を示した。
【0043】実施例2 (重量部) 橙色蛍光顔料分散液 15.0 〔ルミコール 2104、日本蛍光科学(株)製〕 グリセリン 5.0 尿素 1.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 石炭酸 0.1 ベンゾトリアゾール 0.5 テトラオレイン酸POEソルビット(30EO) 12.1 〔NIKKOL GO−430N、 日光ケミカルズ(株)製〕 水 66.2 ──────────────────────────────────── 100.0 インキの調製は、前記実施例1に準じて行った。以下の
実施例も同様である。得られたインキは、剪断減粘指数
(n):0.20、粘度(100rpm):102m.
Pa.s(25℃)であった。
【0044】ボールペンの作製 ボール直径0.7mm、軸方向の移動可能なスペースC
=50μmとした以外は、実施例1と同様の方法でボー
ルペンを作成した。このボールペンを用いてレポート用
紙に連続筆記したところ、初期書き出しから鮮明な青色
の筆跡が得られ、カスレ、線割れ、線切れ、及びインキ
のボテ現象もなく良好な筆記性能を示した。
【0045】実施例3 (重量部) 青色料分散液 15.6 〔SS BLUE HB、顔料分25%、山陽色素(株)製〕 グリセリン 2.6 尿素 1.0 シリコーン変性消泡剤 0.2 石炭酸 0.1 ベンゾトリアゾール 0.5 モノオレイン酸ヘキサグリセリル 11.7 〔NIKKOL HEX 1−O、 日光ケミカルズ(株)製〕 水 68.3 ──────────────────────────────────── 100.0 得られたインキは、剪断減粘指数(n):0.34、粘
度(100rpm):61m.Pa.s(25℃)であ
った。
【0046】ボールペンの作製 直径0.5mmのステンレス鋼ボールを装着させた、パ
イプ内径Aとボール外径Bとの差S=25μm、軸方向
の移動可能なスペースC=20μmに設定した、パイプ
の押圧変形タイプのボールペンチップ(図6〜図7)を
用い、その他の部材は実施例1に準じてボールペンを組
み立てた。前記ボールペンを用いてレポート用紙に連続
筆記したところ、書き出しから鮮明な黒色の筆跡が得ら
れ、カスレ、線割れ、線切れ、及びインキのボテ現象も
なく良好な筆記性能を示した。
【0047】実施例4 (重量部) 赤色顔料分散液 26.1 〔SS RED RR、顔料分25%、山陽色素(株)製〕 グリセリン 3.3 尿素 3.3 シリコーン変性消泡剤〔デヒドラン1620〕 0.1 防腐剤〔プロキセルXL−2、ゼネカ社製〕 0.2 オキシエチレン(2)ラウリン酸アミド 8.4 〔LAD〔2)、明成化学工業(株)製〕 水 58.6 ──────────────────────────────────── 100.0 得られたインキは、剪断減粘指数(n):0.24、粘
度(100rpm):65m.Pa.s(25℃)であ
った。
【0048】ボールペンの作製 実施例1と同様の方法にてインキを充填してボールペン
を構成し、連続筆記したところ、書き出しから濃い赤色
の筆跡が得られ、カスレ、線割れ、線切れ、及びインキ
のボテ現象もなく良好な筆記性能を示した。
【0049】実施例5 (重量部) 赤色顔料分散液 16.6 〔SS RED RR、顔料分25%、山陽色素(株)製〕 エチレングリコール 7.2 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤〔プロキセルXL−2、ゼネカ社製〕 0.1 ポリオキシ(5)オレイルアミン 11.8 〔TAMNO−5,日光ケミカルズ(株)製〕 水 64.2 ─────────────────────────────────── 100.0 得られたインキは、剪断減粘指数(n):0.48、粘
度 (100rpm):29m.Pa.s(25℃)で
あった。
【0050】ボールペンの作製 実施例1と同様の方法にてインキを充填してボールペン
を構成し、連続筆記したところ、書き出しから濃い赤色
の筆跡が得られ、カスレ、線割れ、線切れ、及びインキ
のボテ現象もなく良好な筆記性能を示した。
【0051】実施例6 (重量部) 黒色染料水溶液〔C.I.ダイレクトブラック20%水溶液〕 19.7 〔SS GREEN LXB、顔料分30%、山陽色素(株)製〕 5%ショ糖エステル水溶液〔DKエステルF−90〕 56.2 グリセリン 11.2 尿素 2.8 5% 硼酸ソーダ水溶液 8.4 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤〔プロキセルXL−2、ゼネカ社製〕 0.2 浸透付与剤〔SN−WET 366,サンノプコ(株)製〕 1.4 ──────────────────────────────────── 100.0 得られたインキは、剪断減粘指数(n):0.45、粘
度(100rpm):33m.Pa.s(25℃)であ
った。
【0052】ボールペンの作製 実施例1と同様の方法にてインキを充填しボールペンを
構成し、連続筆記したところ、書き出しから濃いピンク
色の筆跡が得られ、カスレ、線割れ、線切れ、及びイン
キのボテ現象もなく良好な筆記性能を示した。
【0053】実施例7 本実施例で使用する熱変色性マイクロカプセル顔料の調
整方法を説明する。6−(エチルイソブチルアミノ)ベ
ンゾフルオラン2部、ビスフェノールA6部、セチルア
ルコール30部、カプリン酸ステアリル20部からなる
熱変色性組成物と耐光性付与剤としてチヌビン326を
1部、次いで膜材としてビスフェノールAとエピクロル
ヒドリンとの反応によって得られるエポキシ等量190
のエポキシ樹脂15部を均一に加熱溶融し、あらかじめ
70℃に加温しておいた水性保護コロイド媒体100部
中に平均粒径が2.5μmになるようホモミキサーで乳
化した。ついで、脂肪族ポリアミン硬化剤5部を添加
し、90℃で5時間攪拌を続け、界面重合法によるマイ
クロカプセル分散液を得た。ついで前記マイクロカプセ
ルを濃縮化するために遠心分離処理を行い、スラリー状
物100部を得た。
【0054】当該カプセルスラリーの含水率を測定した
ところ、38%であった。ついで、粒度分布を測定する
ために遠心沈降式自動粒度分布測定装置(堀場製作所
製、CAPA−300)により、粒度特性を測定した。
粒子径をDとする時、粒子径と占有体積%の関係は下記
のとおりであった。 上記0.5 μm≦D≦20μmの累計97%、平均粒子径
2.7μmであった。得られたマイクロカプセルを顕微
鏡で観察したところ、凹部を有する半球偏平状のカプセ
ル(図2〜図5参照)であることを確認した。又、粒子
径が大きくなるにつれて偏平性は大きくなっていた。
【0055】前記得られた熱変色性マイクロカプセル顔
料の熱変色性は約27℃以下でマゼンタ色、32℃以上
で無色を呈し、両温度間は変色温度の過渡期にあった。
前記マイクロカプセルを着色剤として水性ボールペンイ
ンキを下記の配合により調製した。 (重量部) 熱変色性マイクロカプセル顔料(固形分65%) 24.8 グリセリン 4.2 尿素 3.7 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤〔プロキセルXL−2、ゼネカ社製〕 0.1 モノオレイン酸ヘキサグリセリル 12.4 〔NIKKOL HEX 1−O、 日光ケミカルズ(株)製〕 水 54.6 ──────────────────────────────────── 100.0 得られたインキは、剪断減粘指数(n):0.35、粘
度 (100rpm):96m.Pa.s(25℃)で
あった。
【0056】ボールペンの作製 パイプの押圧変形タイプのボールペンチップを適用し、
直径0.7mmのステンレス鋼ボールを用い、ボール収
容部は、パイプ内径Aとボール外径Bとの差S=25μ
m、軸方向の移動可能なスペースC=46μmに設定
し、その他の部材は実施例1に準じて適用しボールペン
を組み立てた。レポート用紙に連続筆記したところ、書
き出しから鮮明な黒色の筆跡が得られ、カスレ、線割
れ、線切れ、及びインキのボテ現象もなく良好な筆記性
能を示した。筆跡は、27℃以下でマゼンタ色、32℃
以上で無色を呈し、筆跡の経時後の性能劣化がないこと
を確認した。
【0057】実施例8 実施例7の熱変色組成物を、2−(4−ジエチルアミノ
−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)−4-アザフタリド2.5
部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン5部、ステアリン酸イソアミル50部に
変更する以外は実施例7と同様の方法により熱変色性マ
イクロカプセル顔料を得た。当該カプセルスラリーの含
水率は32%であり、得られた熱変色性マイクロカプセ
ル顔料の熱変色性は16℃以下でブルー色、18℃以上
で無色を呈した。得られたマイクロカプセルを着色剤と
して水性ボールペンインキを下記の配合により調製し
た。 (重量部) 熱変色性マイクロカプセル顔料(固形分68%) 24.9 モノステアリン酸ヘキサグリセリル 3.1 〔HEX−1−S,日光ケミカルズ(株)製〕 グリセリン 5.0 尿素 2.5 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤〔プロキセルXL−2、ゼネカ社製〕 0.1 水 64.3 ──────────────────────────────────── 100.0 得られたインキは、剪断減粘指数(n):0.29、粘
度(100rpm):96m.Pa.s(25℃)であ
った。
【0058】ボールペンの作製 実施例7に準じてボールペンを組み立てた。前記ボール
ペンを用いてレポート用紙に連続筆記したところ、書き
出しから鮮明な青色の筆跡が得られ、カスレ、線割れ、
線切れ、及びインキのボテ現象もなく良好な筆記性能を
示した。筆跡は、16℃以下で青色、18℃以上で無色
を呈し、筆跡の経時後の性能劣化のないことを確認し
た。
【0059】比較例1 実施例2におけるテトラオレイン酸POEソルビット
(30EO)を全て水に置き換えてインキ組成物を調製
した。インキは低粘度で剪断減粘性がなくボールペンに
組み立てた直後からインキのボテ現象が著しく生じ、筆
記したところインキのボテが激しく筆記には不適当であ
った。得られたインキは、剪断減粘指数(n):1.0
0、粘度 (100rpm):2m.Pa.s(25
℃)であった。
【0060】比較例2 実施例1におけるジイソステアリン酸デカグリセリルを
全てモノオレイン酸POEソルビタン(20EO)(H
LB:15.0)〔NIKKOLTO−10、日光ケミ
カル(株)製〕に置き換えてインキ組成物を得た。イン
キは低粘度で剪断減粘性がなくボールペンに組み立てた
直後からインキのボテ現象が著しく生じ、筆記してたと
ころインキのボテが激しく筆記には不適当であった。得
られたインキは、剪断減粘指数(n):1.00、粘度
(100rpm):12m.Pa.s(25℃)であっ
た。
【0061】実施例1〜8、並びに比較例1〜2におけ
るインキを充填したボールペンの筆記試験結果、及び経
時的安定性における評価を表に示す。
【表1】 表における試験項目について以下に説明する。 筆跡濃度と安定性 筆記線の断続、カスレ、濃度の均一性を観察し、総合的
に評価した。 インキ漏れ出し試験 インキを充填したボールペンのペン先を空中で下向き状
態に保持し、1時間経過した時点でのペン先から漏出し
たインキの様子を目視で観察し評価した。 筆記時のボテ ボールペンを紙面に強く押し当て1分間静置させてお
き、紙面に拡がったインキの大きさ、及び実際の連続筆
記(ループ書き)における局所的なインキのボテの程度
を目視で観察し、評価した。 線割れ 筆記線の周辺が濃く、中央部が薄い場合に筆記線が二重
に見える状態をいい、筆跡をルーペで観察し、その程度
を評価した。
【0062】
【発明の効果】本発明は、特定のノニオン系界面活性剤
を特定量配合し、特定の水性液性状に構成することに所
期の剪断減粘性を発現させて、ボールペンインキとして
好適な適性を満たし、筆跡の線割れ、かすれ、ボテ現象
等のない特性を有し、かつ経時的に安定な粘度特性を有
しており、種々の着色剤を含む水性ボールペンインキと
して実用性能を満たしている。又、着色剤として、諸種
の顔料や染料が適用でき、多彩な色調を呈するボールペ
ンを提供できる。更に、前記着色剤として熱変色性マイ
クロカプセル顔料を適用した系では、熱変色性筆跡を与
える軽便なボールペンを供することができ、新たな用途
を展開できる。以下に応用用途とその効果について例示
する。 (1)ハガキ類、クリスマスカード、グリーティングカー
ドなどに室温より低温で変色する秘密の文字や絵柄等の
像を形成でき、冷却により前記像を現出させるマジック
的な用途、あるいは、有色(A)から有色(B)の互変
性を呈する像を形成し、体温や手の温度で変色させるこ
とができる。 (2)秘密ペンとして、変色温度が10℃のような冷時
のみ発色する熱変色性顔料、もしくは広い温度域でヒス
テリシス特性を有する熱変色性顔料を適用した系では、
常温では判読できない記録が可能となり、機密を要する
メモ等への用途がある。 (3)ヒステリシス特性を有する色彩記憶性の熱変色性
顔料を適用した系では、学習用途、例えば、問題集、テ
スト、ドリル、白地図、英文翻訳用に、必要回答や補足
事項を筆記し、加熱により前記筆跡を消去させ、完全に
リセットされた回答やメモのない状態で再度問題に取り
組むことができる利点がある。10℃変色の筆跡を与え
る系にあっても、前記用途を満足でき、冷水、或いは氷
片等を冷媒とする変色具と組み合わせたセット商品を構
成できる。 (4)紙コップ等の容器の側面に10℃変色の熱変色性
ボールペンでメッセージを書き込み、冷たい飲み物を注
ぐと、メッセージが現れ、軽便性と相まって、パーティ
用品、ファンシー用品に好適であり、セット商品として
効果的である。 (5)温度計的役目を果たす示温用途に適用できる。変
色温度の異なる複数本の熱変色性ボールペンセットを提
供し、多様な像を形成させて温度検知の役目を奏するこ
とができ、玩具、文具的な用途に限らず、多様な産業分
野、例えば、反応タンクの温度管理、加工プロセスにお
ける温度管理、低温流通食品の適温管理用インデケータ
ー、電気コードのコンセントのショートによる過熱防止
表示など軽便に適用できる。 (6)衣料品の分野においては、T−シャツ等のカジュ
アルなウエアに30℃変色の熱変色性ボールペンでイラ
ストや絵柄を描くことにより、夏期の屋外と室内間の温
度差を利用した色変化するT−シャツをユーザー自らが
デザインすることができる、手袋、くつ、帽子、スキー
ウェア、水着などにも応用できる。 (7)縫製加工の分野においては、ガイド線をメモリー
性を有する熱変色性ボールペンを用いて、着色状態の筆
跡を形成し、縫製後に高温側トリガーを越える温度にア
イロン等で加熱することによりガイドラインを消去させ
ることができる。かかる用途のメモリー性の変色機能の
例として、低温側トリガー−10℃、高温側トリガー4
0℃を呈する熱変色性顔料を適用した系が効果的であ
る。 (8)偽造防止の分野において、冷却または加温によ
り、本物と偽造物の識別が可能となる。例えば、チケッ
ト類、金券類、クーポン券など個人商店や小ロット規模
での手書きによる偽造防止として有効である。所望に応
じて、変色温度、変色のタイプ、色を自分で期日別、期
間別にマークすることができるので、短期的な識別を要
する用途に特に効果がある。 (9)玩具の分野において、例えば、ヌイグルミのある
部分に自分でデザインを書き、体温で温めてその変色を
楽しむ用途や人形の唇、爪、目の周辺にそれぞれ、口紅
色、マニキュア色、アイシャドウ色のメモリー性を有す
る熱変色性ボールペンで色付けし、お湯と氷水を利用し
た変色具により「化粧状態」と「非化粧状態」の2つの
状態を繰り返し遊ぶことができ、ボール径が1mm〜2
mm程度の太書き用のボールペンがその効果を更に有効
に発揮できる。 (10)デザイナー向けのデッサンペンとして、メモリ
ー性の熱変色温度ペンを用いて、その発色状態にて概略
のラフスケッチを描いた後、一般の画材で最終的なデザ
イン又は絵を書き上げる。その後で、加熱しラフスケッ
チの線画を消去する用途に有効である。 (11)一枚の絵として完成した状態のジグソーパズル
の各切片の一部に、予めかみ合った時の位置が確認でき
るよう、番号あるいは記号などを変色温度が室温以下の
熱変色性ボールペンで記入しておくことにより、組合せ
困難になった時、部分的に冷却して筆跡を発現させるこ
とにより位置が確認できる。 (12)顔写真、絵画等に低温変色温度10℃、高温変
色温度35℃のメモリー性の熱変色性ボールペンで落書
きし、加温・冷却により2つの絵の状態を楽しむことが
できる。その他、非変色性の一般ボ−ルペンと組み合わ
せることにより、変化の様相を更に多様化させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロカプセル顔料の一例の外形の模式説明
図である。(A)は外観を、(B)は、断面図を示す。
【図2】マイクロカプセル顔料の他の例の外形の模式説
明図である。(A)は外観を、(B)は、断面図を示
す。
【図3】マイクロカプセル顔料の他の例の外形の模式説
明図である。(A)は外観を、(B)は、断面図を示
す。
【図4】マイクロカプセル顔料の他の例の外形の模式説
明図である。(A)は外観を、(B)は、断面図を示
す。
【図5】マイクロカプセル顔料の他の例の外形の模式説
明図である。(A)は外観を、(B)は、断面図を示
す。
【図6】本発明ボールペンのチップ部の一実施例の縦断
面説明図である。
【図7】図6のX−X線断面図である。
【図8】本発明ボールペンのチップ部の一実施例の縦断
面説明図である。
【図9】図8のX−X線断面図である。
【図10】本発明ボールペンのチップ部の他の例の縦断
面説明図である。
【図11】本発明ボールペンの一実施例の縦断面説明図
である。
【符号の説明】
1 ボールペン 2 ボール 3 ボール収容部 31 中心孔 32 導出孔 33 ボール受け座 4 インキ収容部 5 マイクロカプセル顔料 51 膜壁 52 窪み 53 熱変色性組成物 6 剪断減粘性ボールペンインキ 7 インキ追従体

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、水、及び水溶性極性溶剤を含む
    水性ビヒクル中に、該ビヒクル全量に対し、HLB値が
    8〜12の範囲から選ばれるノニオン系界面活性剤(ポ
    リエチレングリコールモノラウレートを除く)の1〜3
    0重量%を存在させて均質的に混合するよう攪拌混合
    し、該水性ビヒクルに剪断減粘性を発現させ、粘度が2
    5〜160m.Pa.s(EM型回転粘度計における回
    転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘性
    指数が0.1〜0.6の範囲に調整することを特徴とす
    る剪断減粘性水性ボールペンインキの調製方法。
  2. 【請求項2】 前記ノニオン系界面活性剤(ポリエチレ
    ングリコールモノラウレートを除く)がインキ組成物中
    で2μm以下の微細粒子状に分散状態にある相と、実質
    的に溶解状態にある相とが混在するように調製されるこ
    とを特徴とする請求項1の剪断減粘性水性ボールペンイ
    ンキの調整方法。
  3. 【請求項3】 着色剤1〜35重量%、水溶性極性溶剤
    2〜35重量%を含み、HLB値が8〜12の範囲のノ
    ニオン系界面活性剤(ポリエチレングリコールモノラウ
    レートを除く)を1〜30重量%、残部が水及び調整用
    添加剤であり、粘度が25〜160m.Pa.s(EM
    型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25
    ℃)の範囲にあり、剪断減粘性指数0.1から0.6の
    範囲にあり、界面活性剤が微粒子状に分散状態にある相
    と、分子溶解状態にある相とが混在状態にある、剪断減
    粘性水性ボールペンインキ組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかのノニオン系界
    面活性剤は、分子中に少なくとも1個以上のヒドロキシ
    ル基を有してなる。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかのノニオン系界
    面活性剤は、常温乃至常温以上の温度域において、液状
    乃至ペースト状である。
  6. 【請求項6】 請求項1又は3の何れかの着色剤が可逆
    性熱変色性マイクロカプセル顔料である。
  7. 【請求項7】 着色剤は、可逆性熱変色性マイクロカプ
    セル顔料であり、電子供与性有機化合物、電子受容性化
    合物及び変色温度を調節する反応媒体を必須成分とする
    均質相溶体を壁膜で被覆してなる、粒子分布が0.5μ
    m〜20μmの範囲に95体積%以上を占める顔料であ
    る請求項3の剪断減粘性水性ボールペンインキ組成物。
  8. 【請求項8】 粒子分布が0.5μm〜20μmの範囲
    に95体積%以上を占める可逆性熱変色マイクロカプセ
    ル顔料5〜35重量%(固形分)、HLB値が8〜12
    の範囲のノニオン系界面活性剤を1〜30重量%、水溶
    性極性溶剤2〜35重量%、残部が水及び調整添加剤か
    らなる、粘度が30〜160m.Pa.s(EM型回転
    粘度計における回転数100rpmでの値)の範囲にあ
    り、インキの剪断減粘指数が0.1〜0.6である剪断
    減粘性水性ボールインキ用組成物。
  9. 【請求項9】 可逆性熱変色性マイクロカプセル顔料
    は、外面の少なくとも一部に窪みを有する界面重合また
    は界面重縮合法により形成された壁膜からなる顔料であ
    る請求項7又は8の剪断減粘性水性ボールペンインキ組
    成物。
  10. 【請求項10】 インキ収納部に収容されたインキをボ
    ールを回転自在に抱持したチップから導出させて筆記可
    能に構成されたボールペンにおいて、前記インキ収納部
    に請求項3又は8又は9のいずれかの剪断減粘性水性ボ
    ールペン用インキ組成物がインキ流量調節部材を介する
    ことなく、直液状態に収容されてなることを特徴とする
    水性ボールペン。
  11. 【請求項11】 インキ収容部はパイプからなり、収容
    状態にある剪断減粘性水性ボールペン用インキ組成物の
    後端部には、インキ追従体が配されてなる請求項10の
    水性ボールペン。
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