JP2022007486A - ボールペン用水性インキ組成物、ならびにそれを収容してなるボールペンおよびボールペンレフィル - Google Patents

ボールペン用水性インキ組成物、ならびにそれを収容してなるボールペンおよびボールペンレフィル Download PDF

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真仁 佐野
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Abstract

【課題】筆跡耐水性に優れ、筆記性能や経時安定性にも優れたボールペン用水性インキ組成物、ならびにそれを収容してなるボールペンおよびボールペンレフィルを提供する。【解決手段】蛍光顔料、シリコーン、および水を含んでなるボールペン用水性インキ組成物であって、前記シリコーンが、以下の式(M)、(D)、(T)および(Q)で示される構成単位からなる群から選択される構成単位を含んでなり、JPEG2022007486000009.jpg47163前記シリコーンが前記組成物中に均一に分散されており、かつ前記組成物のpHが7~9である、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ボールペン用水性インキ組成物、ならびにそれを収容してなるボールペンおよびボールペンレフィルに関するものである。
筆記具用インキ組成物は、通常の生活環境下で利用されることから、得られる筆跡は、水滴や汗などに触れる可能性が高い。このため、筆跡が水滴や汗により、滲んでしまったり、薄くなってしまったり、さらに酷くなると、消失してしまうことがあり、筆記具用インキ組成物において、筆跡の耐水性の向上は解決すべき課題である。
特に、溶媒に水を用いた水性インキ組成物により得られる筆跡は、水滴や汗などによる影響が出やすく、筆跡の耐水性の向上は、溶媒に有機溶剤を用いたような油性インキ組成物に比べ、より強く求められている。
そこで、上記課題を解決するため、着色剤に高分子染料や顔料を用いることや、耐水性付与剤として、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂などの各種樹脂剤を添加することが提案されている。(特許文献1、2など)
特許文献1に記載のインキ組成物は、高分子染料を用いており、ある程度、筆跡の耐水性は向上するものの、十分に満足できるものではない上、筆跡の発色性が劣ってしまうなどの課題が生じる。
特許文献2に記載のインキ組成物は、顔料とアクリル系樹脂を含んでなるものであるが、筆跡の耐水性を向上させることはできるものの、顔料の種類によっては、顔料が凝集してしまい、インキの追従不良が起こって、筆跡がかすれたり、中抜けしたり、さらには、筆記不能となって筆跡が得られないことや、また、着色剤が変色して所望の色で発色良く筆跡が得られないことがあるなど、満足な筆記性能が得られ難いことがあった。
特に、染料などの色材で樹脂粒子を着色させた着色樹脂粒子を用いた場合、耐水性の向上を図ると、用いる添加剤の影響を受け、上述のように筆記性能に不具合が生じやすい傾向にある。しかしながら、着色樹脂粒子は、一般的な色彩をはじめ、蛍光色など、多彩な色彩を発色良く表現できるものであり、有効に用いられる。よって、着色樹脂粒子を用いた筆記具用水性インキ組成物において、筆記性能に優れながらも、筆跡耐水性を向上させることは、解決すべき大きな課題である。
特許2043996号 特開昭58-080368号公報
本発明の目的は、上記のような課題を解決するもので、筆跡耐水性に優れ、筆記性能、経時安定性にも優れたボールペン用水性インキ組成物を提供することであり、さらに、それを収容してなるボールペンおよびボールペンレフィルを提供することである。
本発明によるボールペン用水性インキ組成物は、蛍光顔料、シリコーン、および水を含んでなり、
前記シリコーンは、以下の式(M)、(D)、(T)および(Q)で示される構成単位からなる群から選択される構成単位を含んでなり、
Figure 2022007486000001
(ここで、
は、それぞれ独立に、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよく、
は、それぞれ独立に、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよく、かつ
は、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよい)、
前記シリコーンが前記組成物中に均一に分散されており、かつ
前記組成物のpHが7~9である。
本発明によるボールペンは、上記のボールペン用水性インキ組成物を収容してなる。
本発明によるボールペンレフィルは、上記のボールペン用水性インキ組成物を収容してなる。
本発明によれば、得られた筆跡に水滴が付着したり、筆跡が水中に浸漬してしまっても、筆跡が滲んだり、消失したりすることがなく、優れた筆跡耐水性を奏しつつ、さらに、所望の色彩で、カスレや中抜けなどなく、発色鮮明性に優れた筆跡が得られるなど、優れた筆記性能も奏することができ、さらには経時後も良好な筆跡が得られるなど経時安定性にも優れたボールペン用水性インキ組成物、ならびにそれを収容してなるボールペンおよびボールペンレフィルを提供することができる。
本発明のボールペンレフィルの例を示す断面図である。 本発明のボールペンレフィルに備わるペン先(ボールペンチップ)の例を示す断面図である。 図2のX-X断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準であり、含有量とは、インキ組成物の質量を基準としたときの構成成分の質量%である。
<ボールペン用水性インキ組成物>
本発明によるボールペン用水性インキ組成物(以下、場合により、インキ組成物と表す)は、蛍光顔料、特定の構造を有するシリコーン、および水を含んでなる。
シリコーンは、組成物中で、均一に分散されている。さらにインキ組成物のpH値は、7~9である。
以下、本発明のインキ組成物における構成成分について、詳細に説明する。
(蛍光顔料)
本発明に用いられる蛍光顔料は、基材である高分子化合物を染料で染色したものが挙げられ、高分子化合物粒子の表面に染料を吸着させたものや、高分子化合物と染料との混合物を細粒化したものなど、従来公知のものが適宜使用できる。このような蛍光顔料は、染料を色素として使用しているので色が鮮やかであり、特に、高分子化合物粒子の表面に染料を吸着させた蛍光顔料はより鮮明な色調を呈しやすいため、本発明のインキ組成物に好ましく用いられる。
蛍光顔料に用いられる高分子化合物としては、従来公知のものが利用可能であり、具体的には、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂などを挙げることができる。中でも、シリコーンとの相性が良く、優れた経時安定性が得らやすい、スチレン系樹脂粒子を色材で着色させたものが好適であり、さらには、スチレン-アクリロニトリル樹脂粒子を色材で着色させたものがより好適に用いられる。この場合、樹脂粒子を着色する色材としては、蛍光染料が用いられるが、具体的には、キサンテン骨格、トリアリール骨格、またはアゾ骨格を有する塩基性染料、または分散染料が挙げられる。これらのうち、より筆跡の視認性が高いことから、キサンテン骨格、またはアゾ骨格を有する塩基性染料が好ましい。このような蛍光染料としては、ダイレクトイエロー85、ベーシックイエロー1、同40、ベーシックレッド1、同1:1、ベーシックバイオレット10、同11:1、アシッドイエロー7、アシッドレッド92、アシッドブルー9、ディスパースイエロー82、同121などが挙げられる。
本発明のインキ組成物には、蛍光顔料を溶媒に分散させ、顔料分散体としたものを用いることも可能である。顔料分散体は、顔料分散剤を含んでいてもよい。顔料分散剤としては、水溶性樹脂や界面活性剤等が適用できる。水溶性樹脂としては例えば、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ-ル、水溶性ウレタン樹脂等が挙げられる。また界面活性剤はアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性界面活性剤より任意の者を選択して用いられる。
顔料分散体としては、具体的には、シンロイヒカラーSWシリーズ、同SFシリーズ(以上シンロイヒ株式会社製)、ルミコールシリーズ(日本蛍光化学株式会社製)などが挙げられる。
蛍光顔料の平均粒子径は、0.1μm~0.6μmであることが好ましく、0.3μm~0.5μmであることがより好ましい。顔料の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、鮮明な発色性が得られやすく、また、顔料の分散安定性を良好としやすい。
なお、蛍光顔料の平均粒子径は、例えば、(商品名:ナノトラックNANO-flex、マイクロトラック・ベル(株)製)を用いて、標準試料や他の測定方法を用いてキャリブレーションした数値を基に、動的光散乱法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。
なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。
蛍光顔料の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、好ましくは5~30質量%であり、より好ましくは10~25質量%である。顔料の含有率を上記数値範囲内とすると、インキ吐出性の低下を抑制しつつ、蛍光色鮮やかな筆跡を形成しやすい。
また、本発明において、蛍光顔料の含有量に対する、シリコーンの比(シリコーン/蛍光顔料)は、0.005~2.0であることが好ましく、0.01~1.5であることがより好ましく、0.01~1.0であることがさらに好ましく、筆跡耐水性に優れ、発色鮮明な筆跡が得られる。
(シリコーン)
本発明に用いられるシリコーンは、以下の式(M)、(D)、(T)および(Q)で示される構成単位からなる群から選択される構成単位を含んでなる。以下、(M)で示される構成単位を(M)単位ということがある。他の構成単位についても同様である。
Figure 2022007486000002
ここで、
は、それぞれ独立に、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよく、
は、それぞれ独立に、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよく、かつ
は、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよい。
ここで、本発明において、エポキシ基とは、以下の基:
Figure 2022007486000003
のことをいい、カルボキシ基とは、-COOHのことをいう。
本発明において、アリール基は、例えばトリル基のようなアルキル置換された基も含む。
本発明に用いられるシリコーンは、(M)、(D)、(T)および(Q)単位以外の構成単位を含むことができるが、シリコーン中の全ての構成単位数を基準として、(M)、(D)、(T)および(Q)以外の構成単位数は、30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。(M)、(D)、(T)および(Q)単位以外の構成単位を全く含まない、つまり、本発明に用いられるシリコーンが、(M)、(D)、(T)および(Q)単位からなることも、本発明の好適な一態様である。
本発明に用いられるシリコーンは、直鎖の構造を有していても、分岐構造を有していてもよい。
直鎖構造を有するシリコーンの中では、(D)単位を約2000以下程度主鎖に有するシリコーンオイルであることが好適な一態様である。本発明において、シリコーンオイルは、(T)単位および(Q)単位を含まないものとする。シリコーンオイルは、常温(20℃)で液体であり、表面張力の低いものである。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーン、ジエチルシリコーン等のアルキルシリコーン;フェニル基を有するフェニルシリコーン;エポキシ基を有するエポキシシリコーン;アミノ基を有するアミノシリコーンが挙げられる。
分岐構造を有するシリコーンの中では、三次元架橋型構造を有する、シリコーンレジンが別の好適な一態様である。本発明において、シリコーンレジンは、(T)単位または(Q)単位を有すればよく、(D)単位は、有していてもいなくてもよい。シリコーンレジンは、常温で、固体である。
シリコーンレジンの好ましい一態様においては、(T)単位を含み、より好ましくは、シリコーンレジン中の全ての構成単位を基準として、(T)単位の比率が最も多い、つまり(T)単位が主成分である。
は、好ましくは、C1-5の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-10のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよく、より好ましくは、メチル基またはフェニル基である。
シリコーンレジンの別の好ましい一態様として、(M)単位と、(Q)単位とを含み、(D)単位と(T)単位とを含まないシリコーンレジン(以下、MQレジンということがある)が挙げられる。MQレジンは、(M)、(Q)、(D)、(T)単位以外の構成単位を有していてもよく、MQレジン中の全ての構成単位数を基準として、(M)、(D)、(T)および(Q)以外の構成単位数は、30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましいく、最も好ましくは、0%、つまり、MQレジンが(M)単位および(Q)単位からなるものである。
MQレジンは、(Q)単位に対する(M)単位のモル比((M)単位/(Q)単位)が0.5~1.5であることが好ましい。
上記数値の範囲内であれば、優れた経時安定性、筆記性能を維持しながらも、筆跡耐水性を向上しやすい。
MQレジンにおいて、
(M)単位中のRは、それぞれ独立に、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。Rとして、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、2-エチルヘキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられるが、これらのうちより好ましいものは、C1-5の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはフェニル基であり、さらに好ましくは、炭素数1~5の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。特に、水性インキ中で安定して存在しやすく、優れた経時安定性が得られ、筆記性能、筆跡耐水性の更なる向上を考慮すると、メチル基であることが最も好ましい。
MQレジンは、下記式:
[(CHSiO0.5・[SiO
(ここで、a:1~3、b:0.5~8)
で示されるものも好適な一態様である。
本発明に用いられるシリコーンは、組成物中に均一に分散されている。具体的には、本発明に用いられるシリコーンは、組成物中で溶解されずに粒子状で存在し、筆記時に、水が蒸発して粒子同士が結着し造膜するものである。
シリコーンの平均粒子径は、好ましくは0.01~2.0μmであり、より好ましくは0.05~1.5μmである。
ここで、本発明において、シリコーンの平均粒子径とは、レーザー回折法により測定される体積基準の平均粒子径である。シリコーンの平均粒子径は、前記した含量の平均粒子径と同様の方法により測定することができる。
組成物中のシリコーンは、筆記時に、筆跡の表面に撥水性に優れた被膜を形成させることができ、蛍光顔料と水との接触を防ぐことができると考えられる。よって、シリコーンを含んでなる本発明のインキ組成物は、得られる筆跡に水滴が付着したり、筆跡が水中に浸漬されても、蛍光顔料の流出が抑制され、筆跡が滲んだり、薄くなったり、消失することなどがなく、優れた筆跡耐水性を奏することができる。シリコーンがシリコーンレジンである場合、形成された被膜により、蛍光顔料が被筆記面にしっかり定着され、筆跡により優れた撥水性を付与することができるため、好ましい。
また、シリコーンの形成する被膜は、筆跡の発色性に影響を与え難い。このため、本発明のインキ組成物は、耐水性に優れながらも、発色鮮明な筆跡を残すことができる。
また、シリコーンは、蛍光顔料に対して安定的である。このため、蛍光顔料が凝集したり、変色したりすることが抑制される。
よって、本発明によるインキ組成物は、凝集物によって、追従不良が生じることがなく、カスレや中抜けのない良好な筆跡が得られるとともに、得られた筆跡は、所望の色彩で、発色鮮明性に優れた状態であるなど、優れた筆跡性能も奏することができる。そして、この優れた筆記性能を長期にわたって維持することが可能となり、優れたインキ経時安定性も奏することができる。
シリコーンは、分散剤を用いて、分散されていてもよい。分散剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。その他の添加剤に悪影響を及ぼし難く、さらにシリコーンによる被膜形成にも影響を与え難い傾向にある、ノニオン性界面活性剤を用いることが特に好ましい。よって、ノニオン性の界面活性剤を用いることがより好ましい。
本発明によるインキ組成物を製造する際に、シリコーンは、媒体中、好ましくは水中に(必要に応じて分散剤を用いて)分散させた、好ましくは乳化分散させた分散体の状態で、添加されていてもよい。シリコーンが、エマルジョンの状態で、添加されることも好ましい一形態である。
シリコーンレジンのエマルジョンを用いる場合、シランモノマーをさらに含むことが好ましく、これにより、経時安定性が向上し、耐水性、発色鮮明性に特に優れた筆跡を得ることができる。シランモノマーとしては、好ましくは、以下の式で示される化合物があげられる。
Figure 2022007486000004
ここで、
t1は、C1-10の直鎖または分岐のアルキル基であり、好ましくはC5-10の直鎖また分岐のアルキル基であり、より好ましくはC5-10の直鎖のアルキル基であり、
t2は、それぞれ独立に、C1-5の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、好ましくはC1-3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、さらに好ましくは、メチル基またはエチル基である。
特に、MQレジンのエマルジョンを用いる場合には、シリコーンオイルをさらに含んでなることが好ましい。理由は定かではないが、シリコーンオイルを含んでなることで、MQレジンが水性インキ中でさらに安定的に存在しやすくなり、MQレジンの被膜を筆跡表面により薄く均一に形成することが可能となり、耐水性、発色鮮明性に優れた筆跡を得ることができるためである。より具体的には、シリコーンオイルにMQレジンを溶解させた後、水に分散させたMQレジンのエマルジョンを用いることは、経時安定性が向上し、耐水性、発色鮮明性に特に優れた筆跡を得ることができるため、好適であり、効果的である。
シリコーンのエマルジョンの市販品の一例としては、下記の通りである。
シリコーンオイルエマルジョンとしては、KM-9771(アミノ基含有シリコーンオイルのエマルジョン、不揮発分33質量%、ノニオン性、信越化学工業(株)製)、FZ4634EX(アミノ変性オイルのエマルジョン、不揮発分43質量%、ノニオン性、東レ・ダウコーニング(株)製)等が挙げられる。
シリコーンレジンエマルジョンとしては、TEGO Phobe 1659(変性ポリシロキサン樹脂のエマルジョン、有効成分55質量%、EVONIC社製)、TEGO Phobe 6600(ポリシロキサン樹脂のエマルジョン、シラン配合、有効成分50質量%、EVONIC社製)、KM-9717(MQレジンのエマルジョン、不揮発分60質量%、有効成分20質量%、アニオン性、低粘度シリコーン含有、信越化学工業(株)製)、X-52-8005(MQレジンのエマルジョン、不揮発分58質量%、ノニオン性、低粘度シリコーン含有、信越化学工業(株)製)、R-2701(MQレジンのエマルジョン、有効成分40質量%、アニオン性、旭化成ワッカーシリコーン(株)製)等が挙げられる。
シリコーンの含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、0.5~10質量%であることが好ましく、1~6質量%であることがより好ましい。上記数値範囲内であれば、シリコーンが形成する被膜により、筆跡に十分な耐水性を付与しながらも、発色性に優れた筆跡が得られるなど、優れた筆跡耐水性と筆記性能を奏することができ、さらに、優れた経時安定性も得られる。
なお、シリコーンは、1種または、2種以上の混合物として使用することも可能である。
(水)
水としては、特に限定されず、例えば、水道水、イオン交換水、限外ろ過水または蒸留水などを用いることができる。
本発明によるインキ組成物は、上記の必須成分に加えて、その他の成分を組み合わせることができる。以下にそのような追加成分について説明する。追加成分の含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
(架橋型ポリアクリル酸)
架橋型ポリアクリル酸は、インキ組成物に剪断減粘性を付与し、インキ吐出性を良好としつつ、吐出されたインキが紙面に広がることを抑えて、筆跡の滲みを抑制したり、細線を筆記しやすくすることができる。
架橋型ポリアクリル酸としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的である。
架橋型ポリアクリル酸の具体例としては、ハイビスワコーシリーズ[富士フィルム和光純薬(株)製)、アロンビスシリーズ、ジュンロンシリーズ、レオジックシリーズ[東亜合成社(株)製]を例示できる。
架橋型ポリアクリル酸の含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、好ましくは0.1~1質量%であり、より好ましくは0.15~0.5質量%である。前記範囲内とすると、インキ吐出性を良好としつつ、吐出されたインキが紙面に広がることを抑えて、筆跡の滲みを抑制したり、細線を筆記することが容易となる。
また、架橋型ポリアクリル酸の含有量は、蛍光顔料の含有量に対して0.005~0.05質量%であることが好ましく、0.005~0.03質量%であることが好ましい。前記範囲内とすると、吐出されたインキが紙面に広がることを抑えて、筆跡の滲みを抑制したり、細線を筆記することが容易となる。
(複数のカルボキシ基を有するアミノカルボン酸)
インキ組成物はアミノカルボン酸を含有しても良い。アミノカルボン酸は、蛍光顔料表面に吸着して蛍光顔料の分散安定性を高めることができる。
インキ組成物に用いられるアミノカルボン酸としては複数のカルボキシ基を有するものが適用され、例えば、ニトリロ三酢酸(NTA)、1,3-プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)等や、それらの塩(例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩)を用いることができる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。その中でも、蛍光顔料の分散性を良好とすることを考慮すると、3~6個のカルボキシ基を有するアミノカルボン酸またはその塩が好ましく、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその塩がより好ましい。
アミノカルボン酸の含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、好ましくは0.05~1質量%であり、より好ましくは0.1~0.5質量%である。前記範囲内であると、ペン先がドライアップしてボールペンの保管性が悪化することを抑えつつ、蛍光顔料の分散安定性を良好としやすい。
また、アミノカルボン酸の含有量は、蛍光顔料の含有量に対して0.005~0.06質量%であることが好ましく、0.005~0.03質量%であることがより好ましい。前記範囲内であると、ペン先がドライアップしてボールペンの保管性が悪化することを抑えつつ、蛍光顔料の分散安定性を良好としやすい。
(着色剤)
本発明によるインキ組成物は、従来公知の着色剤を含んでいてもよい。ここで、この着色剤には、前述の蛍光顔料は含めないものとする。
顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、C.I. Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
その他、二酸化チタン等の白色顔料、さらには熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接またはマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
可逆熱変色性組成物としては、特公昭51-44706号公報、特公昭51-44707号公報、特公平1-29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱または冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱または冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1~7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
さらに、特公平4-17154号公報、特開平7-179777号公報、特開平7-33997号公報、特開平8-39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH=8~50℃)を示すものや、特開2006-137886号公報、特開2006-188660号公報、特開2008-45062号公報、特開2008-280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、すなわち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、または完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させ加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
なお、色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、すなわち-50~0℃、好ましくは-40~-5℃、より好ましくは-30~-10℃、かつ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、すなわち50~95℃、好ましくは50~90℃、より好ましくは60~80℃の範囲に特定し、ΔH値を40~100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
さらに、必要に応じて、水性媒体に溶解可能な染料を用いることもできる。
染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができ、酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
着色剤は一種または二種以上を適宜混合して使用することができ、着色剤の含有量は、好ましくは0.1~20質量%、より好ましくは0.5~15質量%である。
(水溶性有機溶剤)
本発明によるインキ組成物は、水と相溶性のある水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
なお、水溶性有機溶剤は一種または二種以上を併用して用いることができ、その含有量は、好ましくは5~30質量%、より好ましくは10~25質量%のである。上記範囲とすることで、蛍光顔料の分散性を良好としつつ過度な水分蒸発を抑制できるため、良好なインキ吐出性が維持されやすい。
(リン酸エステル系界面活性剤)
本発明によるインキ組成物はリン酸エステル系界面活性剤を含むことが好ましい。
リン酸エステル系界面活性剤は、ボール表面およびボールペンチップのボール受け座の表面にも吸着して、ボール表面およびボール受け座の表面にリン酸エステル系界面活性剤からなる潤滑層を形成し、筆記時のボール回転をより円滑にすることができる。
また、リン酸エステル系界面活性剤は顔料表面にも吸着して、顔料の凝集、沈降を抑制し易くすることもできる。
リン酸エステル系界面活性剤は、好ましくは下記式(1)で示される化合物である。
Figure 2022007486000005
式中、X、X、Xは、下記式(2)に示す官能基、または水酸基であり、X、X、Xの少なくとも1種は、式(2)に示す官能基である。
Figure 2022007486000006
式中、Rは炭化水素基、Rはアルキレン基である。また、nは1以上の整数である。
好ましいリン酸エステル系界面活性剤は、炭化水素基がアルキル基、アルケニル基またはアリール基であるリン酸エステル系界面活性剤であり、より好ましくは、炭化水素基がアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、かつアルキレン基がエチレン基であるリン酸エステル系界面活性剤である。特に好ましいリン酸エステル系界面活性剤は、炭化水素基がアリール基であり、かつ、アルキレン基がエチレン基であるリン酸エステル系界面活性剤、すなわちポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸である。ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸を用いると、筆記時のボールの回転をより円滑とし、筆記時のインキの吐出性を一層良好とし、また、顔料が凝集、沈降することを一層抑え易くすることができる。これは、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸が、ボールとボールチップのみならず顔料に対して高い親和性を有し、前記した、ボール表面ならびにボールチップ表面での潤滑層の形成性や顔料の分散性に優れた効果を奏するからである。特に、インキの着色剤に蛍光顔料を用いたボールペンは滑らかな筆記感や良好なインキ吐出性が奏されにくいことがあるが、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸は、蛍光顔料とボール表面およびボール受け座表面との間に介在し、ボール表面およびボール受け座表面に蛍光顔料が吸着することで、顔料が筆記時のボール回転においてコロの効果を奏するため、ボールの回転を円滑として筆記感やインキ吐出性を良好とし易い。
リン酸エステル系界面活性剤は、アルカリ金属塩またはアミン塩であっても良い。
リン酸エステル系界面活性剤の含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、好ましくは0.1~3質量%であり、より好ましくは0.5~1.5質量%である。この範囲内とすることで、リン酸エステル系界面活性剤の溶解安定性を良好としつつボール回転を円滑にし易く、また、顔料凝集、沈降を抑制することが容易となる。
(水溶性樹脂)
本発明によるインキ組成物は、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を含んでいてもよい。水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。水溶性樹脂は一種または二種以上を併用することができ、その含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、好ましくは1~30重量%である。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2-ベンズチアゾリン3-オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を使用してもよい。
さらに、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、α-トコフェロール、カテキン類、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α-グルコシルルチン、α-リポ酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素等を添加して化学的に気泡を除去することもできる。
また、N-ビニル-2-ピロリドンのオリゴマー、N-ビニル-2-ピペリドンのオリゴマー、N-ビニル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム、N-ビニル-ε-カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
さらに、潤滑剤を使用することができ、例えば、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、β-アラニン型界面活性剤、N-アシルアミノ酸、N-アシルメチルタウリン、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α-リポ酸、N-アシル-L-グルタミン酸とL-リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100~800万)、グアーガム、ローカストビーンガムおよびその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万~15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトールおよびベンジリデンキシリトールまたはこれらの誘導体、ポリN-ビニルカルボン酸アミド、無機質微粒子、HLB値が8~12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等の剪断減粘性付与剤を用いることもでき、さらには、インキ組成物中にN-アルキル-2-ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して剪断減粘性付与剤とし、インキ組成物に用いることもできる。
本発明によるインキ組成物の粘度は、20℃下、せん断速度が3.84sec-1の条件において、1~1500mPa・sの範囲であることが好ましい。
なお、粘度の測定は、例えば、ティーエイインスツルメント社製のレオメーター「DHR-2」を用いて行うことができる。
また、本発明によるインキ組成物の20℃におけるせん断減粘指数nは、0.3~1.0の範囲であることが好ましい。ここで、せん断減粘指数nは、S=αDで示される粘性式中のnを指す。なお、Sはせん断応力(dyn/cm=0.1Pa)、Dはせん断速度(sec-1)、αは粘性係数を示す。
せん断減粘指数nの測定は、例えば、ティーエイインスツルメント社製のレオメーター「DHR-2」を用いて行うことができ、3.84sec-1、38.4sec-1および384sec-1のせん断速度と、それらのせん断速度でそれぞれ得られるせん断応力とを上記式に適用してnを求める。
本発明によるインキ組成物の表面張力は、20℃環境下において、25~55mN/mが好ましい。表面張力が上記数値範囲内であれば、筆跡のカスレ、途切れおよび滲み等を抑制して、筆記性を向上させることができる。筆記性の向上をより考慮すれば、インキ組成物の表面張力は、30~50mN/mがより好ましい。
なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
本発明によるインキ組成物のpHは、7~9であり、好ましくは7~8である。インキ組成物のpHが上記数値範囲内であれば、経時的に、蛍光顔料が変質して蛍光顔料の色調が変化することを抑制できるとともに、ボール、ボール受け座およびボールの後端を前方に弾発する弾発部材等のペン先を構成する金属材料からインキ中に金属が溶出して金属材料の表面が荒れることを抑制し、ボールの円滑な回転を維持できる。また、インキ組成物にリン酸エステル系界面活性剤やアミノカルボン酸等のアニオン性物質が含まれる場合、インキ中に溶出した金属から生じる金属イオンとアニオン性物質が結合して、インキ不溶性の金属塩が生成することも抑制できる。
金属塩は、インキ中で析出物を形成してボールの回転やインキ吐出を阻害し、ボールペンの筆記性を低下させることがある。したがって、インキ組成物のpHを前記範囲内にすることが重要である。
本発明において、pHの値は、例えば株式会社堀場製作所製のpHメーター「D-51」により20℃にて測定することができる。
<インキ組成物の製造方法>
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、マグネットホットスターラー、プロペラ攪拌機、ホモジナイザー攪拌機、ホモディスパー、ホモミキサー、遊星式撹拌機などの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
<ボールペンおよびボールペンレフィル>
本発明のインキ組成物は、ボールペンおよびボールペンレフィルに収容される。
ボールペンレフィルは、ボールペンチップがボールペンチップと直接、またはホルダーを介して装着されたインキ収容管に前記インキ組成物を内蔵し、インキの後部にインキの消費と共に追従するインキ逆流防止体(液栓)を充填してなる。
ボールペン自体の構造および形状は特に限定されるものではない。例えば、本発明の実施形態に係るボールペンレフィルを軸筒内に収容するボールペンの他、ボールペンチップを直接またはホルダーを介して装着した軸筒にインキを直に収容し、インキの後部にインキの消費と共に追従するグリース状の追従体を充填し、前記軸筒の後端部内に、軸筒の内外を連通する空気流通路(通気孔)を有する尾栓の圧入部を圧入装着してなるボールペンが挙げられる。
また、ボールペンは、ノック式、回転式またはスライド式等の出没機構を備え、軸筒の先端孔からペン先を出没可能に構成した出没式であってよい。
ボールペンに出没式を適用する場合、出没式ボールペンの構造、形状は特に限定されるものではなく、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、ノック部の押圧により、筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧することにより、筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。回転式は、軸筒後部に回転部を有し、回転部を回すことにより筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、スライドを操作することにより筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部をスライドさせることにより、筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。出没式ボールペンは、軸筒内に複数のボールペンレフィルを収容してなり、出没機構の作動によっていずれかのボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する複合タイプの出没式ボールペン(以降複合タイプの出没式ボールペンと呼ぶことがある)であってもよい。
ペン先(ボールペンチップ)の構造、形状は特に限定されない。例えば、金属をドリル等により切削加工してボールを抱持するためのボール抱持室と、当該ボール抱持室の底壁の中央に形成されたインキ流通孔と、当該インキ流通孔から放射状に延びる複数本のインキ流通溝と、を設けたチップ本体のチップ先端部を内側にかしめることにより、ボール抱持室内に抱持されるボールの一部をチップ先端縁より突出させると共に当該ボールを回転自在に抱持する構造が挙げられ、また金属製のパイプの先細状の先端部を径方向内方に押圧変形することにより形成したカシメ部と、パイプの先端近傍側壁を径方向内方に押圧変形することにより形成した複数の内方突出部とによってボールが回転可能に抱持されるボール抱持部を有する、いわゆるパイプ式のボールペンチップ構造が挙げられる。
パイプは、例えば、先端部がストレート状の円筒体(直管状の円筒体)であり、かつ、先端部の後方が外径および内径が拡径する形状である構成が挙げられる。パイプの形状は、全体がストレート状の円筒体から成る構成であっても良い。
ボールペンチップからのインキ吐出性を良好とすることを考慮すると、ボールペンチップは、パイプ式のボールペンチップであって、パイプの先端部がストレート状の円筒体であり、かつ、先端部の後方が外径および内径が拡径する形状を有するボールペンチップ(以下、先端部の後方が拡径する形状を有するパイプ式のボールペンチップと呼ぶこともある)が好ましい。
前記先端部の後方が拡径する形状を有するパイプ式のボールペンチップは、ボールペンチップ内部の前記ボール抱持室より後方のインキ流路が広く形成されており、潤沢なインキをボール抱持室へ供給できる。このようなボールペンチップを備えるボールペンレフィルは、ペン先からのインキ吐出性を良好とし、筆跡トギレやカスレが抑制された鮮明な筆跡を形成しやすい。
ボールペンチップおよびボールペンチップに抱持されるボールの材質は、ボールや、ボール受け座の良好な耐摩耗性を考慮して、ステンレス、タングステンカーバイドを基材とする超硬合金、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、および窒化珪素などから選択され、好ましく用いられる。
ボール径は一般に0.2~3.0mm、好ましくは0.25~1.5mm、より好ましくは0.25~1.0mm、特に好ましくは0.25~0.5mmのものが適用できる。
ボールペンチップが、先端部の後方が拡径する形状を有するパイプ式のボールペンチップの場合は、ボール径は、0.2~0.7mmが好ましく、0.3~0.5mmがより好ましく、0.3~0.45mmが特に好ましい。
ボール径が0.7mm以下、特には0.5mm未満のボールペンレフィルはインキ吐出量が少なく、筆跡の鮮明性を良好としにくいことがある。しかしながら、先端部の後方が拡径する形状を有するパイプ式のボールペンチップは、そのような外径を有するボールを備えた場合でもインキ吐出性を良好とし、蛍光顔料等の着色剤の発色性が鮮明な筆跡を形成することを容易とするため、前記範囲のボール径を有するボールと組み合わせて好ましく用いることができる。
ボールペンチップには、チップ内にボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配していても良い。これにより、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能とすることができるとともに、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、不使用時のインキ漏れを抑制することが容易となる。
弾発部材としては、例えば、金属細線のスプリング、金属細線のスプリングの一端にス
トレート部(ロッド部)を備えたもの、線状プラスチック加工体等が挙げられ、例えば、
10g以上40g以下の弾発力により押圧可能であるように構成される。
ボールペンチップが直接、あるいはホルダーを介して装着されるインキ収容管は、従来公知の材料をもって形成可能であり、金属や合成樹脂で成形されたものが適用される。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートまたはエチレンビニルアセテート共重合樹脂等の合成樹脂の成形部材が、水蒸気透過性が低く、生産性が良好であるとともに、透明性を有し、充填したインキの視認性に優れることから好ましく用いられる。インキ収容管は、着色されたものであっても良い。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、メタロセン触媒直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、高密度ポリエチレンを挙げることができ、ポリプロピレンとしては、ホモポリマーポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレンを挙げることができ、いずれも好ましく用いることができる。中でも、ポリプロピレンは、強度および耐熱性に優れ、水分透過性が低く、経時的な水分蒸発に伴うインキ増粘が抑制されやすいことから好ましく用いられる。
インキ収容管は、前記合成樹脂を押出し成型や射出成型をすることで得られる。
また、前記樹脂の表面は他の材料でコーティングされていても良い。
合成樹脂からなるインキ収容管は、単層でも良く、多層であっても良いが、インキ収容管は、経時によるインキの劣化を防止する目的で、インキ収容管を多層構造として酸素等の気体の透過を防止する層を有する方が好ましい。さらに、インキがインキ収容管の内壁に付着することを抑制する等の目的で、必要に応じてインキ収容体内面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂などを塗布して撥インキ処理をすることもできる。
インキ収容管の外径、肉厚は任意に設定することができるが、ボールペンが複合タイプの出没式ボールペン(多芯式ボールペン)である場合、インキ収容管は、2.5~4mmの外径と0.3~1mmの肉厚とを有するものが好ましい。外径および肉厚が前記範囲内であるインキ収容管は、細身でありつつ、十分なインキ内蔵量と高い強度とを両立させることが可能であるため、インキ収容管を備えるボールペンレフィルを、複合タイプの出没式ボールペンに収容した場合、ボールペンの軸筒をスリムな外径としつつ、十分な距離を筆記可能な実用性の高いボールペンとすることができる。
合成樹脂製のインキ収容管を備えるボールペンレフィルは、経時的に、内蔵したインキから水がインキ収容管を透過して、レフィル外に揮散しやすいため、水分量の減少に伴って、インキ中の固形分が凝集、沈降することがある。しかしながら、架橋型ポリアクリル酸とアミノカルボン酸を併用したインキ組成物は、組成物中の水分量が減少した場合や、長期経時後の場合であっても蛍光顔料の良好な分散安定性が維持されやすい。このため、インキ組成物を収容したボールペンレフィルは、筆跡カスレや筆跡に蛍光色の濃淡差が生じることが抑制された、蛍光色が鮮やかな筆跡を、長期に亘って安定して形成できる。
なお、インキ収容管の外径は、2.5~3.5mmであることがより好ましく、肉厚は、0.5~0.8mmであることがより好ましい。
さらに、インキ収容管内に充填されたインキ組成物の後端部には、インキ収容管後端からインキが漏れ出すことを防止するためのインキ逆流防止体(液栓)が配される。
インキ逆流防止体は、不揮発性媒体を基油とし、シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等の固体を添加することで高粘度化した、粘稠液体である。基油に用いられる不揮発性媒体としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α-オレフィン、α-オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等が挙げられ、固体を添加したときに高粘度化しやすいこと、また、経時的に固体が分離しにくいこと、さらに水蒸気透過性が低く、水分蒸発による経時的なインキ増粘を抑制しやすいことからポリブテンが好ましく用いられる。ポリブテンは、40℃において、1000~10000mm-1の動粘度を有することが好ましく、1500~5000mm-1であることがより好ましく、2000~4000mm-1であることがさらに好ましい。このようなポリブテンを液栓の基油に用いることで、筆記時にインキが吐出されたときに液栓がインキに追従しやすくなり、インキ吐出が阻害されることを抑制しやすくしつつ、ボールペンレフィルが落下し、インキ組成物の荷重が液栓に加わった場合でも液栓が変形してレフィル後端からインキが漏れ出すことを抑制しやすくなる。
インキ逆流防止体は、ポリブテンとシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等とを3本ロールまたはニーダー等の混錬機で混錬することで調整できる。
なお、動粘度は、JIS K 2283「原油および石油製品―動粘度試験方法および粘度指数算出方法」に従って測定することができる。
なお、ボールペンレフィルにはインキ逆流防止体とともに固体栓を設けて、インキの逆流を抑制することができる。
固体栓としては、例えば樹脂製、例えばポリエチレン製、ポリプロピレン製およびポリメチルペンテン製の固体栓が挙げられる。
ボールペンレフィルは、キャップ式またはノック式、回転式もしくはスライド式等の出没機構を備え、軸筒の先端孔からペン先を出没可能に構成した出没式のボールペンに装着される。
さらに、軸筒として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
本実施形態に係るボールペンレフィルの一例を図を用いて説明する。
・ボールペンレフィル
ボールペンレフィルの実施の形態を図1~3に示す。
本実施の形態のボールペンレフィル1は、前端部にボール4を回転可能に抱持したボールペンチップ2と、ボールペンチップ2の内部に収容配置されるスプリング5と、該ボールペンチップ2が前部に圧入固着されたホルダー6と、ホルダーの後部が前端開口部に圧入固着されたインキ収容管7とを備える。
なお、本実施の形態で「前」とはペン先ボール側を指し、「後」とはその反対側を指す。
・ボールペンチップ
ボールペンチップ2は、チップ本体3とボール4とからなる。チップ本体3は、前端にボール4を回転可能に抱持する直円筒状の小径筒部31と、小径筒部31より後方に一体に連設されかつ後方に向かうに従い漸次拡径するテーパ筒部32と、テーパ筒部32より後方に一体に連設される直円筒状の大径筒部33とからなる金属製筒体よりなる。金属製筒体は、例えば、SUS304、SUS305、SUS321等のオーステナイト系ステンレス鋼により得られる。
チップ本体3の小径筒部31の前端近傍内面には、内方への押圧変形により、複数(例えば、4個)の内方突出部31bが周方向に等間隔に形成される。内方突出部31bによりボール受け座が形成される。また、チップ本体3の前端には、周状に内方に押圧変形されることにより、内向きの前端縁部31aが形成される。内方突出部31b(ボール受け座)の前面と前記前端縁部31aの後面との間にはボール4を回転可能に抱持するボール抱持部が形成される。内方突出部31bの相互間には、中心部から径方向外方に延びかつ軸方向に貫通するインキ流通孔31cが形成される。すなわち、ボール受け座には、インキ流通孔31cが形成される。ボールペンチップ2は、金属製のチップ本体3の前端部にボール受け座を切削加工によって形成するタイプであってもよい。
・直円筒状内面
内方突出部31bより後方の小径筒部31の内面には、直円筒状内面が形成される。大径筒部33の内面には、直円筒状内面が形成される。
・テーパ状内面
テーパ筒部32の内面には、後方に向かうに従い漸次拡径するテーパ状内面(または円錐面状内面)が形成される。
・スプリング
スプリング5は、前部のロッド部51と、後部のコイル部52とが1本の金属線材(例えば、線径0.11mmのステンレス鋼製線材)により一体に連設される。
・ロッド部
ロッド部51は、軸方向に直線状に伸び、ボール受け座31bのインキ流通孔31cに挿通される。ロッド部51の前端がボール4の後面の略中心部に当接され、ロッド部51によって、直接、ボール4が前方に付勢される。それにより、ボール4が前端縁部31aの内周面に密接され、チップ本体3の前端からのインキの漏出およびインキの蒸発を防止できる。
・コイル部
コイル部52は、線材が螺旋状に巻回されて形成される。コイル部52の前端部および後端部には、線材同志が密着する密着巻部が形成される。コイル部52の前端部および後端部を除く中間部には、線材間に隙間を備えた有効巻部が形成される。スプリング5がボール4を前方に付勢する弾発力(具体的にはボール4を後方に0.01mmだけ押圧した際の荷重)は、14グラム~25グラム(好ましくは15グラム~22グラム)の範囲に設定される。
・ホルダー
ホルダー6は合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)の射出成形によって得られる筒状体である。ホルダー6は、ボールペンチップ1が取り付けられる先細状の前部61と、インキ収容管7の前端面に当接する鍔部62と、インキ収容管7の前端開口部に圧入される後部63とからなる。ホルダー6の前部61の取付孔にチップ本体3の後部が圧入固着される。取付孔内面の後端に段部64が突設され、段部64にチップ本体3の後端が係止されるとともに、段部64にスプリング5の後端(コイル部52の後端)が係止される。
・インキ収容管
インキ収容管7は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)の押出成形により得られる、両端が開口された円筒体である。インキ収容管7は、2.5~4mmの外径と0.3~1mmの肉厚とを有し、内部には、インキ71と、インキ71の消費に伴って前進する高粘度流体からなるインキ逆流防止体72が充填される。インキ71は、本発明のボールペンレフィルに係るインキ組成物である。インキ逆流防止体72は、40℃において1000~10000mm-1の動粘度を有するポリブテンを基油とし、固形物を混合してなる高粘度流体が挙げられる。
・ボール
ボール4は、直径Aが、0.2mm~0.7mm(より好ましくは0.3mm~0.5mm、さらに好ましくは0.3mm~0.45mm)の範囲のものが好ましく採用される。具体的には、ボール4は、所望する筆跡幅に応じて複数種のサイズのものが用意され、例えば、直径が0.2mm、0.25mm、0.3mm、0,4mm、0,5mm、0.7mmのものが採用される。
ボール抱持部のボール4の軸方向の移動可能量は、円滑なインキ流出性が得られる点で、0.02mm~0.05mmの範囲が好ましい。ボール抱持部のボール4の軸方向の移動可能量は、ボール4の直径Aにより異なり、ボール4直径Aの5%~15%(好ましくは8%~12%)の範囲に設定され、それにより、円滑なインキ流出性と十分なボール露出量が得られる。
ボール4の材料には、ステンレス、タングステンカーバイドを基材とする超硬合金、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、および窒化珪素などが用いられる。
ボール4の軸方向前方への露出量Eは、ボール4の直径Aの22%~32%の範囲に設定される。ボール4の軸方向前方への露出量Eは、スプリングの前方付勢に抗してボール4を後方に押圧し、ボール4が各々の内方突出部31b(ボール受け座)に接触した状態で測定される。直径Aが前記範囲(特にボール4の直径Aが0.3mm~0.45mm)において、直径が異なる複数種のボール4を採用し複数種のボールペンチップ2を得る場合、共通のスプリング6が採用される。
・小径筒部
ボール4の直径Aが前記範囲(特にボール4の直径Aが0.3mm~0.45mm)の場合において、小径筒部31の直円筒状内面の内径Bは、ボール4の直径Aより大きく設定される。具体的には、小径筒部31の内径Bは、ボール4の直径Aより、0.03mm~0.06mmだけ大きく設定される。
小径筒部31の内方突出部より後方の直円筒状内面の軸方向の長さFは、ボール4の直径Aより小さく設定される。それにより、ボール4の後面に潤沢にインキが供給され、円滑なインキ流出性が得られる。
・テーパ筒部
ボール4の直径Aが前記範囲(特にボール5の直径Aが0.3mm~0.45mm)の場合において、テーパ筒部32のテーパ状内面の角度α(軸線を中心とした円錐面状内面の角度α)は、30度~40度に設定される。テーパ状内面の軸方向の長さGは、ボール4の直径Aより大きく設定される。具体的には、テーパ状内面の軸方向の長さGは、ボール4の直径Aの1.1倍~5.0倍(好ましくは2倍~4.5倍)に設定される。テーパ筒部32により、円滑なインキ流通性が得られるよう、小径筒部31と大径筒部33とが適正に接続される。
・大径筒部
ボール4の直径Aが前記範囲(特にボール4の直径Aが0.3mm~0.45mm)の場合において、大径筒部33の直円筒状内面の内径Cは、0.9mm以上(好ましくは1mm以上)に設定され、大径筒部33の直円筒状内面の外径Dは、1.2mm以上(好ましは1.3mm以上)に設定される。大径筒部333の直円筒状内面の軸方向の長さHは、4.0mm~5.0mmの範囲に設定される。
また、ボール4の直径Aが前記範囲(特にボール4の直径Aが0.3mm~0.45mm)において、異なる直径の複数種のボール4を採用し複数種のボールペンチップ1を得る場合、各々の大径筒部33の内径Cが同一に設定され、かつ、各々の大径筒部33の外径Dが同一に設定され、それにより、ホルダー6に対するボールペンチップ2の取付部の形状が共通化でき、製造工程の簡略化が可能となる。
したがって、好ましい実施形態のボールペンレフィルは、以下の構成を含む。
本実施の形態のボールペンレフィル1は、前端部にボール4を回転可能に抱持したボールペンチップ2と、ボールペンチップ2の内部に収容配置されるスプリング5と、該ボールペンチップ2の後部63が固着されたホルダー6と、ホルダー6の後部63がその前端開口部に固着されたインキ収容管7とを備え、
インキ収容管7は、合成樹脂からなり、
インキ収容管7は、2.5~4mmの外径と0.3~1mmの肉厚とを有し、
インキ収容管7の内部に、インキ71と、インキ71の消費に伴って前進する高粘度流体からなるインキ逆流防止体72とが充填され、
ボールペンチップ2は、前端にボール4が回転可能に抱持された直円筒状の小径筒部31と、小径筒部31より後方に一体に連設されかつ後方に向かうに従い漸次拡径するテーパ筒部32と、テーパ筒部32より後方に一体に連設される直円筒状の大径筒部33とからなる金属製筒体よりなりチップ本体3を備え、
ボール4を前方に付勢するスプリング5の弾発力は、14g~25グラムの範囲に設定され、
ボール4の直径Aは,0.2mm~0.7mmの範囲に設定され、
ボール抱持部のボール4の軸方向の移動可能量は、0.02mm~0.05mmの範囲に設定され、
ボール受け座31bより後方の小径筒部31の直円筒状内面の内径Bは、ボール4の直径Aより0.03mm~0.06mmだけ大きく設定され、
ボール受け座31bより後方の小径筒部31の直円筒状内面の軸方向の長さFは、ボール4の直径Aより小さく設定され、
大径筒部33の直円筒状内面の内径Cは、0.9mm以上に設定されている。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1~9、比較例1~3>
表1に記載の原料および配合量にて、室温で1時間撹拌混合して、ボールペン用水性インキ組成物を得た。
pH値は、pHメーター(商品名:D-51、(株)堀場製作所製)を用いて、20℃にて測定した値であった。
インキ粘度は、得られたインキ組成物の粘度をティーエイインスツルメント社製のレオメーター「DHR-2」を用いて、20℃、回転速度3.84s-1において測定した粘度であった。
Figure 2022007486000007
表中、
蛍光顔料分散体:蛍光性着色樹脂粒子(蛍光グリーン)の50質量%水分散体、蛍光性着色樹脂粒子[スチレン-アクリロニトリル樹脂粒子を蛍光染料で着色したもの]、平均粒子径:0.4μm、商品名「ルミコールNKW-2102E」、日本蛍光化学(株)、
シリコーン分散体A:平均粒子径0.36μm、変性ポリシロキサン樹脂エマルジョン((M)、(T)、および(Q)単位からなるシリコーンレジン、シリコーンレジンの含有量30質量%以上50質量%未満)、シランモノマー(n-オクチルトリエトキシシラン)含有、不揮発分50質量%、商品名「TEGO Phobe 6600」、EVONIC社、
シリコーン分散体B:平均粒子径1.42μm、MQレジンのエマルジョン、低粘度シリコーンオイル含有、不揮発分60質量%(MQレジン含有量:シリコーン分散体B全質量を基準として20質量%、低粘度シリコーンオイルの含有量:シリコーン分散体B全質量を基準として39質量%)、ノニオン性、MQレジン[(M)単位/(Q)単位(モル比)=0.5~1.5、Rはメチル基]、商品名:KM-9717、信越化学工業(株)、
シリコーン分散体C:平均粒子径0.085μm、アミノ基含有シリコーンオイルのエマルジョン、不揮発分33質量%、ノニオン性、商品名「KM-9771」、信越化学工業(株)、
アミノカルボン酸A:エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩
アミノカルボン酸B:1,3-プロパンジアミン四酢酸
アミノカルボン酸C:ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸
アミノカルボン酸D:トリエチレンテトラミン六酢酸
架橋型ポリアクリル酸:商品名「ハイビスワコー105」、富士フィルム和光純薬(株)
リン酸エステル系界面活性剤:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸、商品名「プライサーフAL」、第一工業製薬(株)
上記の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「ナノトラックNANO-flex」、マイクロトラック・ベル株式会社)を用いて動的光散乱法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)である。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
ボールペンレフィルの作製
実施例および比較例のインキ組成物を用いて、ボールペンレフィルを作製した。なお、インキ収容管はポリプロピレン樹脂からなり、インキ収容管の外径は3.07mmであり、肉厚は0.69mmであった。ボール径は、0.4mmであり、ボールペンに内蔵したインキ量は、0.14gであった。インキ逆流防止体(液栓)は、ポリブテン98.5部と脂肪酸アマイド1.5部とを3本ロールにて混錬し、調整した。
ボールペンの作製
作製したボールペンレフィルを、商品名:HI-TEC-C COLETO[(株)パイロットコーポレーション製]用の外装(品番:LHKC15C-NC、(株)パイロットコーポレーション製)に装着し、試験用ボールペンを作製した。試験用ボールペンを用いて以下の評価を行った。
<筆跡耐水性試験>
試験用ボールペンを用いて、試験用紙に手書きで螺旋状の丸を20丸連続で筆記し、1時間放置した後、筆跡が浸漬するように試験用紙をイオン交換水に1時間浸漬した後の筆跡状態を目視により観察し、下記の評価基準に従って、筆跡耐水性を評価した。なお、試験用紙は、JISP3201に準拠した筆記用紙を用いた。
A:筆跡のにじみや濃度の低下が見られなかった。
B:着色剤の流出が僅かに起こり、浸漬液が少し着色したが、筆跡のにじみや濃度の低下が極わずかであり、実用上問題のないレベルであった。
C:着色剤の流出がおこり、浸漬液が着色し、筆跡のにじみや濃度低下が顕著に観察され、実用上懸念が残るレベルであった。
D:筆跡が消失してしまい、視認できなかった。
<筆記性能試験>
試験用ボールペンを用いて、上記試験用紙に手書きで螺旋状の丸を20丸連続で筆記し、得られた筆跡の状態を目視により観察し、下記の評価基準に従って筆記性能(筆記性)を評価した。なお、試験用紙は、JISP3201に準拠した筆記用紙を用いた。
A:筆跡にカスレや中抜けが見られなかった。
B:筆跡にカスレや中抜けが僅かに確認された。
C:筆跡にカスレや中抜けが顕著に確認された、または、筆記不能であった。
<経時安定性試験>
試験用ボールペンを、50℃の環境下、72時間静置後、上記試験用紙に手書きで螺旋状の丸を20丸連続で筆記し、その筆跡の状態を目視により観察し、前記環境下に投入前の試験用筆記具を用いて得られた筆跡と比較し、下記の評価基準に従って経時安定性を評価した。
A:筆跡中のカスレや中抜けの発生頻度に差がなかった、また、筆跡の発色性・色調にも変化が見られなかった。
B:筆跡中のカスレや中抜けの発生頻度が僅かに増えた、または、筆跡の発色性・色調の変化が僅かに確認された。
C:筆跡中のカスレや中抜けの発生頻度が著しく増えた、または、筆跡の発色性・色調の変化が著しく確認された。
図1~3に示す、ボールペンおよびボールペンレフィルの符号
1 ボールペンレフィル
2 ボールペンチップ(ペン先)
3 チップ本体 31 小径筒部 31a 前端縁部 31b 内方突出部
31c インキ流通孔 32 テーパ筒部 33 大径筒部
4 ボール
5 スプリング 51 ロッド部 52 コイル部
6 ホルダー 61 前部 62 鍔部 63 後部 64 段部
7 インキ収容管 71 インキ 72 インキ逆流防止体(液栓)
A ボール5の直径
B 小径筒部41の直円筒状内面の内径
C 大径筒部43の内径
D 大径筒部43の外径
E ボール5の軸方向前方への露出量
F 小径筒部41の内方突出部より後方の直円筒状内面の軸方向の長さ
G テーパ状筒部42のテーパ内面の軸方向の長さ
H 大径筒部43の直円筒状内面の軸方向の長さ

Claims (10)

  1. 蛍光顔料、シリコーン、および水を含んでなるボールペン用水性インキ組成物であって、
    前記シリコーンが、以下の式(M)、(D)、(T)および(Q)で示される構成単位からなる群から選択される構成単位を含んでなり、
    Figure 2022007486000008
    (ここで、
    は、それぞれ独立に、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよく、
    は、それぞれ独立に、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよく、かつ
    は、C1-10の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはC6-15のアリール基であり、前記アルキル基および前記アリール基は、アミノ基、エポキシ基またはカルボキシ基によって置換されていてもよい)、
    前記シリコーンが前記組成物中に均一に分散されており、かつ
    前記組成物のpHが7~9である、組成物。
  2. 前記シリコーンが、式(T)で表される構成単位または式(Q)で表される構成単位を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記シリコーンの含有量が、前記組成物を基準として、0.5~10質量%である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 架橋型ポリアクリル酸をさらに含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記架橋型ポリアクリル酸の含有量が、前記蛍光顔料を基準として、0.005~0.05質量%である、請求項4に記載の組成物。
  6. 複数のカルボキシ基を有するアミノカルボン酸をさらに含んでなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記アミノカルボン酸が、3~6個のカルボキシ基を有するアミノカルボン酸またはその塩である、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記アミノカルボン酸の含有量が、前記蛍光顔料を基準として、0.005~0.06質量%である、請求項6または7に記載の組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物を収容してなる、ボールペン。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物を収容してなる、ボールペンレフィル。
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