JP3525229B2 - 化粧板用貼合紙 - Google Patents

化粧板用貼合紙

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JP3525229B2
JP3525229B2 JP01649495A JP1649495A JP3525229B2 JP 3525229 B2 JP3525229 B2 JP 3525229B2 JP 01649495 A JP01649495 A JP 01649495A JP 1649495 A JP1649495 A JP 1649495A JP 3525229 B2 JP3525229 B2 JP 3525229B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化粧板用貼合紙に関
するものである。さらに詳しくは、この発明は、リビン
グ、寝室等の建材、クローゼット、家具、テレビキャビ
ネット等に用いられるラミネート合板等の化粧板用の貼
合紙、さらには、浴室、脱衣所、洗面所といったサニタ
リールーム、キッチン等の建材、キッチンキャビネット
等に用いられるラミネート合板等の化粧板用の防水性を
有する貼合紙に関するもので、とりわけ、Vカット適性
およびラッピングマシン適性に優れた化粧板用貼合紙に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】リビング、寝室等に用いられる壁面板、
ドア用パネル、桟、クローゼット、家具、テレビキャビ
ネット等、また、サニタリールーム、キッチンに用いら
れる壁面板、桟、収納庫用パネル、キッチンキャビネッ
ト等には、種々の化粧板が用いられている。近年、生活
様式の変化、ニーズの多様化等に伴って、リビング、寝
室用の壁面板、クローゼット、家具等の一般の化粧板に
は高級感があり、生活に潤いを与えるような感触を有す
る高品質のものが求められてきている。また、住居のト
ータル的調和等の観点から、結露、水濡れし易いサニタ
リールーム、キッチンに用いられる壁面板、桟、収納庫
用パネル、キッチンキャビネット等においてもリビン
グ、寝室等用の壁面板、クローゼット、家具等と同様な
高級感があり、生活に潤いを与えるような感触を有する
高品質のものが求められてきている。これまで、リビン
グ、寝室等に用いられる壁面板、ドア用パネル、桟、ク
ローゼット、家具、テレビキャビネット等から、防湿・
防水性の必要なサニタリールーム、キッチンに用いられ
る壁面板、桟、収納庫用パネル、また、キッチンキャビ
ネット等には、合板、パーチクルボード、中質繊維板
(MDF)等からなる基材に、印刷を施した塩化ビニル
フィルムが貼合された化粧板、または、Vカット合板、
ラッピングマシンによりラッピングされた化粧板が多用
されている。これは、Vカット合板、ラッピングマシン
による曲面形状加工による加工性が化粧紙では後述する
ように充分対応できていないこと、化粧紙では耐汚染性
が充分でないこと、および、化粧板の基材であるパーチ
クルボード、中質繊維板(MDF)は、いずれも防湿・
防水性に乏しく、水を吸収すると膨潤し、カールしたり
カビが発生したりするため、通常の化粧紙をこれらの基
材に貼合したものは、そのままでは結露、水濡れし易い
場所には使用できないことに対し、塩化ビニルフィルム
は防湿・防水性が高いこと、Vカット適性が良いこと、
曲面状基材への貼合加工においてラッピングマシンの圧
ロールによく追従すること等によるものである。しかし
ながら、塩化ビニルフィルムは素材経費が割高であり、
印刷に使用できるインク等には制約があって高級感を出
すのには限界がある。また、塩化ビニルフィルムへの印
刷はグラビア印刷方式によって行われるが、印刷後の乾
燥工程での加熱による塩化ビニルフィルムの寸法安定性
悪化に伴うトラブルの発生を防止するためには、印刷・
乾燥速度を抑えなければならず、高速化できないため生
産性が低い。その上、燃焼時に有害ガスを発生する等と
いった難点があった。
【0003】ところで、化粧板用紙としては、(a)原
紙に樹脂を内添し、紙の坪量を30g/m2 に高めたも
の、(b)抄造時、または抄造後に樹脂を含浸させたも
の(特開昭63−190092号公報、特開昭63−1
90094号公報等参照)が知られている。紙は安価で
あり、多種印刷方式が採用できること、使用し得る印刷
インクが広範囲に及ぶことから高級感のある印刷が可能
であり、合板、パーチクルボード、MDF等からなる基
材表面との貼合性が塩化ビニルフィルムと比べ格段に良
好なものである。しかしながら、曲面状基材への貼合加
工においてラッピングマシンの圧ロールにより曲面状基
材の凹部に押圧されると耐曲強度、紙間強度が充分でな
いことからクラック、亀裂、割れ目等が発生し易く、化
粧板として使用中に摩擦等により毛羽だったり、損傷を
生じたりし易い。また、防湿・防水性に欠けるととも
に、紙に印刷し、さらに、トップコートしたものを用い
ても、トップコート層から水が浸入し、パーチクルボー
ド、MDFが膨潤し、カールしたりカビが発生したりす
る。そのため従来のこの種の化粧板用紙は、合板等と貼
合し天井等用の平面形状用化粧板等に用いられるに過ぎ
なかった。
【0004】この出願の発明者は、鋭意研究の結果、す
でに、印刷適性の良好な化粧板用ピグメントコート紙を
発明するに至っている(特開平4−314538号公報
参照)。これは、JIS P 8129で規定された表
面強度が11〜25Aで、JIS P 8119で規定
された平滑度が400秒以上である原紙の少なくとも片
面に、填料、バインダーを含む塗料を塗工して塗料中の
樹脂成分を原紙に浸透させ、これをカレンダー処理して
ピグメントコートしたもので、塗料が、填料100重量
部に対して、SBRラテックス14〜20重量部、エス
テル化デンプン5重量部以下を含み、塗工量が片面単位
で8〜25g/m2 であることを、主な内容とするもの
である。この化粧板用ピグメントコート紙は印刷適性が
良好で、高級感のある印刷が可能であるが、防湿・防水
性、および耐曲強度、紙間強度において充分とはいえな
かった。
【0005】また、この出願の発明者は、塩化ビニルか
らなる化粧板用フィルムに代替し得る化粧板用防水コー
ト紙、すなわち、防湿・防水性、および耐曲強度、紙間
強度に優れ、Vカット合板、ラッピングマシンによる加
工が可能な化粧板用防水コート紙を発明するに至ってい
る(特願平6−145304号参照)。これは、JIS
P 8129で規定された表面強度が15〜32A
で、JIS P 8119で規定された平滑度が200
秒以上である原紙の少なくとも片面に、填料を含有しな
いクリアー防水性樹脂が乾燥重量で5〜25g/m2
工されてなるものであり、クリアー防水性樹脂が少なく
ともソープフリー乳化重合SBRラテックス、ソープフ
リー乳化重合NBRラテックス、ソープフリー乳化重合
MBRラテックスのうちのいずれかであることを、主な
内容とするものである。この化粧板用防水コート紙は、
Vカット適性自体はあるものの、塩化ビニルフィルム程
伸張しないため、Vカット加工を化粧板用防水コート紙
の真近まで精密に行わなければならず、Vカット合板と
したときに合わせ目、すなわち、角部の耐磨耗性が低く
なるとともに、使用中に合わせ目に沿って角割れした
り、せん断したりする場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな事情に鑑み創案されたものであり、素材として安価
な紙を用い、とりわけVカット適性およびラッピングマ
シン適性に優れた化粧板用貼合紙、および、防湿・防水
性に優れ、Vカット適性およびラッピングマシン適性に
優れた化粧板用貼合紙を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、少なくとも
以下のピグメントコート紙、クリアーコート紙または紙
間強化紙のうちの何れかを上紙とし、これに、紙間強化
紙が貼合されてなる貼合紙であって、(A) ピグメン
トコート紙が、JIS P 8129で規定された表面
強度が16〜32Aで、JIS P 8119で規定さ
れた平滑度が200秒以上である原紙の少なくとも片面
に、填料、バインダーを含む塗料を塗工して塗料中の樹
脂成分を原紙に浸透させ、これをカレンダー処理してな
るものであること、(B) クリアーコート紙が、JI
S P 8129で規定された表面強度が16〜32A
で、JIS P 8119で規定された平滑度が200
秒以上である原紙の少なくとも片面に、填料を含有しな
いクリアー防水性樹脂が乾燥重量で5〜25g/m2
工されてなるものであること、(C) 紙間強化紙が、
JIS P 8129で規定された表面強度が16〜3
2Aで、JIS P 8119で規定された平滑度が2
00秒以上であるものであること、を特徴とする化粧板
用貼合紙によって達成された。
【0008】以下、この発明を詳述する。 [原紙]この発明で使用される原紙の条件を満たすもの
としては、パルプ配合割合;L−BKPが80〜100
%、N−BKPが0〜20%、フリーネス;180〜3
50ccのものを用いることが好ましい。フリーネスは
特に200〜310ccのものが望ましい。N−BKP
が20%を超えると、地合が悪くなり、塗工時に塗工ム
ラが生じ、その結果印刷ムラを招くことになる。また、
フリーネスが180cc未満のものは、抄紙時に、水切
れ、乾燥性が悪くなり、ドライヤー接着ムラが発生し光
沢ムラ等を生ずることになる。逆に、フリーネスが35
0ccを超えると、充分な紙間強度が得られない。そし
て、後述のピグメントコート塗料中の樹脂成分の原紙へ
の浸透性、後述のクリアー防水性樹脂液の原紙表面への
塗着性、紙間強度のバランス等から、フリーネスは上述
の範囲であることが好ましい。そして、パルプ液中に内
添する薬品類のうち、紙力増強剤としては、カチオン化
デンプン、ポリアクリルアマイド樹脂、ポリアミドエピ
クロルヒドリン樹脂等を用いることができる。特に、カ
チオン化デンプンは、ワイヤー剥離促進剤としても機能
する。添加量はDRY30〜65kg/Tが好ましく、
特に紙間強度を上げるためには、添加量はDRY50〜
60kg/Tが望ましい。その他、パルプ液中には、硫
酸バンド等のサイズ定着剤、ピッチ除去剤、ロジンサイ
ズ剤(ケン化型、エマルジョン型)、消泡剤、酸化チタ
ン等の填料を添加することができる。パルプ液は通常の
長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または丸網抄紙機
によって抄造することができる。その後、約4.0%の
水分率にまでヤンキードライヤー、または多筒式ドライ
ヤーによって乾燥させる。原紙は、表面強度16〜32
Aであって、平滑度200秒以上のものが好ましい。
【0009】[ピグメントコート紙]表面強度が16〜
32Aの範囲であれば、原紙に塗工されたピグメントコ
ート塗料中の樹脂成分と相俟って、クロスカット後のテ
ープ剥離強度(紙間強度)に対しても充分な強度を有す
る。こういったテープ剥離強度を満足するために原紙と
しては、表面強度が特に20〜32Aのものであること
が望ましい。また、平滑度が200秒以上であればピグ
メントコート塗料中の樹脂液の塗工を均一に行うことが
できる。平滑度が200秒未満であると、樹脂液の塗工
ムラが発生し、後の印刷ムラを招くことから好ましくな
い。なお、原紙の平滑度は、原紙にピグメントコート塗
料中の樹脂液が均一に塗工可能な平滑度であればよく、
上限については、特に限定されるものではない。ただ、
抄紙・乾燥した原紙を使用する場合は、その技術的限度
である、500秒程度までの原紙が使用でき、スーパー
カレンダーを施した原紙の場合は800秒までのものが
使用できる。これを超える平滑度の原紙では、塗工時に
おける樹脂液の原紙への転移性が悪く、その結果、塗工
ムラを招き易いことから好ましくない。
【0010】[クリアーコート紙]表面強度が16〜3
2Aの範囲であれば、原紙に塗工されたクリアー防水性
樹脂と相俟ってクロスカット後のテープ剥離強度(紙間
強度)に対しても充分な強度を有する。こういったテー
プ剥離強度を満足するために原紙としては、表面強度が
特に20〜32Aのものであることが望ましい。また、
平滑度が200秒以上であればクリアー防水性樹脂液の
塗工を均一に行うことができる。平滑度が200秒未満
であると、クリアー防水性樹脂液の塗工ムラが発生し、
後の印刷ムラを招くことから好ましくない。なお、原紙
の平滑度は、原紙にクリアー防水性樹脂液が均一に塗工
可能な平滑度であればよく、上限については、特に限定
されるものではない。ただ、抄紙・乾燥した原紙を使用
する場合は、その技術的限度である、500秒程度まで
の原紙が使用でき、スーパーカレンダーを施した原紙の
場合は800秒までのものが使用できる。これを超える
平滑度の原紙では、塗工時におけるクリアー防水性樹脂
液の原紙への転移性が悪く、その結果、塗工ムラを招き
易いことから好ましくない。
【0011】[紙間強化紙]表面強度が16〜32Aの
範囲であれば、ピグメントコート紙、または、クリアー
コート紙、紙間強化紙と貼合した場合、紙間剥離するこ
とがなく、Vカット合板のための曲げ加工に対しても充
分な耐曲強度を有する。こういった剥離強度、耐曲強度
を満足するために紙間強化紙としては、表面強度が特に
20〜32Aのものであることが望ましい。また、平滑
度が200秒以上であれば貼合用接着剤の塗布を均一に
行うことができる。平滑度が200秒未満であると、貼
合用接着剤の塗布ムラが発生し、貼合が不充分となるこ
とから好ましくない。紙間強化紙の平滑度は、接着剤が
均一に塗工可能な平滑度であればよく、上限について
は、特に限定されるものではない。ただ、抄紙・乾燥し
た原紙を使用する場合は、その技術的限度である、50
0秒程度までの紙間強化紙が使用でき、スーパーカレン
ダーを施した紙間強化紙の場合は800秒までのものが
使用できる。なお、ピグメントコート紙、クリアーコー
ト紙、紙間強化紙のための原紙の米坪は20〜60g/
2 が、紙間強度の点から好ましい。米坪が20g/m
2 未満では、抄紙速度が遅くなり製造コストが上がると
ともに接着剤の塗工により裏抜けが生じて好ましくな
く、60g/m2 を超えると、紙間強度が不充分となっ
て好ましくない。
【0012】ピグメントコートおよびクリアーコート用
の塗料、ならびに、ピグメントコート紙およびクリアー
コート紙の製造について [ピグメントコート紙の製造]ピグメントコート塗料
は、填料、バインダーからなる。填料としては、クレ
ー、軽炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、酸化チタン
等を用いることができる。バインダーとしては、SBR
ラテックス14〜20重量部、エステル化デンプン5重
量部以下を含むものが好ましい。塗料には、その他、紙
力増強剤(PAV、カゼイン等)、耐水化剤、潤滑剤、
消泡剤、保水剤、pH調整剤、着色顔料等を適宜添加す
ることができる。
【0013】以上のようなものからなるピグメントコー
ト塗料は、ロールコーター法、エアーナイフコーター
法、ブレードコーター法、バーコーター法等公知の塗工
法により、原紙の少なくとも片面に供給され塗工され
る。このうち塗工面の平滑性の観点からブレードコータ
ー法、特にチップブレード法、ベントブレード法による
ものが好ましい。かかる方法により、ピグメントコート
塗料を乾燥重量で8〜25g/m2 となるように原紙に
塗工し、ピグメントコート紙を得る。ピグメントコート
塗料の乾燥重量が8g/m2 未満では原紙表面を均一に
カバーリングすることができず塗工ムラができ、その結
果、印刷適性、紙間強度が不充分なものとなってしま
う。逆に、25g/m2 を超えると塗工後の乾燥性が悪
くなって塗工速度が遅くなり、コスト高に繋がってしま
う。なお、原紙の裏面には、必要に応じ、公知のカール
防止用の酸化デンプン、防腐剤、耐水化剤を塗工するこ
とができる。そして、当然のことながら、ピグメントコ
ート塗料の塗工は両面であっても良い。印刷光沢が必要
な場合には、スーパーカレンダー処理を施すことが好ま
しい。スーパーカレンダーのニップ圧、またはニップ段
数は、必要とする光沢度により適宜変更するが、通常、
ニップ圧としては、145〜250kg/cmが好まし
く、ニップ段数としては、5段以上が好ましい。
【0014】[クリアーコート紙の製造]クリアー防水
性樹脂としては、少なくともソープフリー乳化重合SB
Rラテックス、ソープフリー乳化重合NBRラテック
ス、ソープフリー乳化重合MBRラテックスのうちのい
ずれかを用いることができる。ソープフリー乳化重合と
は、反応性のある乳化剤を使用し、乳化重合終了時に乳
化剤が生成されたポリマーと反応しポリマー分子中に取
り込まれるような重合をいう。ラテックスのソープフリ
ー乳化重合には、反応性のあるアリルアルコール誘導体
の乳化剤を用いることが好適である。ソープフリー乳化
重合SBRラテックス、ソープフリー乳化重合NBRラ
テックス、ソープフリー乳化重合MBRラテックスを用
いることにより、防湿・防水機能を付与することができ
る。これに対し、ソープフリー乳化重合していないSB
Rラテックス、NBRラテックス、MBRラテックスで
は、乳化剤が存在しており、これが水を吸収するため防
湿・防水機能が充分でなく好ましくない。また、クリア
ー防水性樹脂としては、少なくとも内部架橋したSBR
ラテックス、内部架橋したNBRラテックス、内部架橋
したMBRラテックス、自己架橋したSBRラテック
ス、自己架橋したNBRラテックス、自己架橋したMB
Rラテックスのうちのいずれかを用いることもできる。
内部架橋したSBRラテックス、内部架橋したNBRラ
テックス、内部架橋したMBRラテックスは、SBRラ
テックス、NBRラテックス、MBRラテックスを内部
架橋剤によって内部架橋させることで得ることができ
る。内部架橋により、ポリマーの内部密度を高く(高分
子量化すること)することによって水に対する膨潤を抑
制し、防湿・防水機能を向上させることができる。内部
架橋剤としては、ジビニルベンゼン(DVB)が好適に
用いられる。また、自己架橋したSBRラテックス、自
己架橋したNBRラテックス、自己架橋したMBRラテ
ックスは、SBRラテックス、NBRラテックス、MB
Rラテックスを自己架橋剤によって自己架橋させること
で得られる。自己架橋剤により、成膜時に架橋反応させ
てフィルム形成を促進させ、これによって防湿・防水機
能を向上させることができる。自己架橋剤とてしては、
nメチロールアクリルアミド(n−MAM)、グリシジ
ルメタクリレート(GMA)が好適である。なお、これ
らのクリアー防水性樹脂は、単独または組み合わせて用
いることもでき、対象とされる製品の要求品質(紙間強
度、曲げ強度等)に応じ適宜決定されるものである。さ
らに、耐候性、不透明性を向上させる必要がある場合に
は、紫外線吸収剤および/またはチタンをクリアー防水
性樹脂液に添加して塗工する。
【0015】以上のようなものからなるクリアー防水性
樹脂液は、ロールコーター法、エアーナイフコーター
法、ブレードコーター法、バーコーター法等公知の塗工
法により、原紙の少なくとも片面に供給され塗工され
る。このうち塗工面の平滑性の観点からブレードコータ
ー法、特にチップブレード法、ベントブレード法による
ものが好ましい。かかる方法により、クリアー防水性樹
脂を乾燥重量で5〜25g/m2 となるように原紙に塗
工し、クリアーコート紙を得る。クリアー防水性樹脂の
乾燥重量が5g/m2 未満では原紙表面を均一にカバー
リングすることができず塗工ムラができ、その結果、防
湿・防水性が不充分なものとなってしまう。逆に、25
g/m2 を超えると塗工後の乾燥性が悪くなって塗工速
度が遅くなり、コスト高に繋がってしまう。なお、原紙
の裏面には、必要に応じ、公知のカール防止用の酸化デ
ンプン、防腐剤、耐水化剤を塗工することができる。そ
して、当然のことながら、クリアー防水性樹脂液の塗工
は両面であっても良い。そして、印刷光沢が必要な場合
には、スーパーカレンダー処理を施すことが好ましい。
スーパーカレンダーのニップ圧、またはニップ段数は、
必要とする光沢度により適宜変更するが、通常、ニップ
圧としては、145〜250kg/cmが好ましく、ニ
ップ段数としては、5段以上が好ましい。
【0016】[貼合]ピグメントコート紙、クリアーコ
ート紙、紙間強化紙の貼合形態 ピグメントコート紙をP、クリアーコート紙をK、紙間
強化紙をSで表し、貼合順を/とすると、貼合形態は、
P、K、Sのうちの何れかに対し/Sで表される。この
うち、以下の4種の貼合形態を採用することが好まし
い。 (1)P/S (2)K/S (3)S/S (4)P/S/K ここでSは1層以上であり、/の左側が貼合紙の表(上
紙)、右側が裏(下紙)、を意味する。
【0017】[貼合方法]ピグメントコート紙、クリア
ーコート紙、紙間強化紙は、ドライラミネート方式、ま
たは、ウエットラミネート方式により貼合される。貼合
においては、貼合用の一方の基材、すなわち、上紙の裏
面、または、下紙の表面にアクリル系接着剤、酢酸ビニ
ル系接着剤、ウレタン系接着剤等適宜の接着剤を、グラ
ビアコーター、リバースコーター、マルチコーター等の
塗工機を用い、塗工量3〜30g/m2 となるように塗
布する。接着剤、塗工量は、ラッピングマシンまたは、
Vカットによる曲げにより接着界面剥離等が生じない条
件を満たせばよく、特に限定されるものではない。な
お、接着剤としては、耐久、耐候、耐熱性等が十分であ
るものであればどの様なものでも使用できるが、水溶性
接着剤よりは有機溶剤型接着剤のほうが、貼合におい
て、ピグメントコート紙、クリアーコート紙、紙間強化
紙の寸法変化が少ないことから好ましい。また、表にな
るピグメントコート紙またはクリアーコート紙の米坪が
少ない場合には、接着剤中に酸化チタン等の隠蔽剤を添
加することが好ましい。さらに、防湿、防水が必要な箇
所に用いる場合には、ワックスを添加した防水性のある
接着剤を用いることが必要である。図1にドライラミネ
ート方式、ウエットラミネート方式の一例をそれぞれ示
す。図1(a)に示すドライラミネート方式では、巻き
出された一方の基材(11)にグラビアロール(12)
を介し接着剤(13)が供給・塗布され、乾燥装置(1
4)によって接着剤中の溶剤が飛散させられた後、冷却
金属ロール(15)にて冷却され、次いで、圧着部にお
いて押圧ロール(16)とゴムロール(17)によっ
て、巻き出されてきた他方の基材(18)と押圧・貼合
され巻き取られる。その後、巻き取られた状態で、エー
ジングが行なわれる。一方、図1(b)に示すウエット
ラミネート方式では、巻き出された一方の基材(21)
にリバースロールコーター(22)を介し接着剤(2
3)が供給・塗布され、巻き出されてきた他方の基材
(24)と接合ロール(25)によって押圧・貼合さ
れ、次いで、乾燥装置(26)によって接着剤中の溶剤
が飛散させられた後、冷却され、巻き取られる。そし
て、巻き取られた状態で、エージングが行われる。この
ようにして得られた貼合紙は、硝化綿系インキ等により
印刷を施し、さらに必要により、表面保護材を公知の方
法で塗工することにより、印刷済み化粧板用貼合紙とな
る。ドライラミネート方式、ウエットラミネート方式の
何れの方式を採用するかは、基材、接着剤等により適宜
決定されるものである。図2に、印刷済み貼合紙の一例
を示す。図2に示される印刷済み貼合紙(30)は、上
紙(31)と下紙(32)とが接着剤(33)によって
貼合され、上紙(31)の表面には印刷によってインキ
(34)が施され、更にトップコート(35)が一面に
施されているものである。
【0018】
【作用】P、K、Sのうちの何れかに対し/Sで表され
る貼合紙は、何れもVカット適性、ラッピングマシン適
性に優れ、化粧板に使用することができる。このうち、 (1)P/S (2)K/S (3)S/S (4)P/S/K の形態に貼合したものが好ましい。(1)では、印刷適
性が良好で、Vカット適性およびラッピングマシン適性
に優れた貼合紙、(2)では、防湿・防水性に優れ、V
カット適性およびラッピングマシン適性にも優れた貼合
紙、(3)では、Vカット適性に優れた貼合紙、(4)
では、印刷適性が良好で、Vカット適性およびラッピン
グマシン適性に優れ、背面への湿気等の遮断性の良好な
貼合紙を得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明
について説明する。もちろんこの発明は以下の例によっ
て限定されるものではない。実施例に先立ち、貼合紙の
材料となる、原紙、紙間強化紙、ピグメントコート紙、
クリアーコート紙の製造および特性を参考例として示
す。
【0020】(参考例1)原紙、および紙間強化紙につ
いて (原紙1および紙間強化紙1)L−BKP100%、フ
リーネス310cc、ポリアクリルアマイド系の紙力増
強剤DRY46kg/Tのパルプ液を長網抄紙機で抄速
200m/分の条件で抄造し、表面強度23A、平滑度
410秒、米坪30g/m2 の原紙1を得た。これを紙
間強化紙として使用する場合は、紙間強化紙1とする。
【0021】(原紙2および紙間強化紙2)L−BKP
100%、フリーネス360cc、ポリアクリルアマイ
ド系の紙力増強剤DRY52kg/Tのパルプ液を長網
抄紙機で抄速200m/分の条件で抄造し、表面強度2
0A、平滑度260秒、米坪50g/m2 の原紙2を得
た。これを紙間強化紙として使用する場合は、紙間強化
紙2とする。原紙、紙間強化紙についてのフリーネス、
米坪、表面強度、平滑度の試験方法および評価方法は後
述の通りである。
【0022】(参考例2)ピグメントコート紙について (ピグメントコート紙1)以下の成分および成分比率の
填料、バインダーからなるピグメントコート塗料を、原
紙1の片面にオフマシン上でベントブレードコーターに
よって13g/m2 の塗工量(乾燥重量)で塗工し、そ
の後、塗工面をスーパーカレンダーによって、速度30
0m/分、ニップ圧200kg/cm、ロール温度40
℃の条件で処理して、米坪40g/m2 のピグメントコ
ート紙1を得た。 ピグメントコート塗料 クレー80重量部 酸化チタン5重量部 軽質炭酸カルシウム10重量部 重質炭酸カルシウム5重量部 SBRラテックス(商品名P−OZ37、住友ダウ
(株)製)20重量部 エステル化デンプン1重量部 なお、SBRラテックスは硝化綿インキとの密着性を向
上させるために使用するものである。ピグメントコート
紙についての米坪の試験方法は後述の通りである。
【0023】(参考例3)クリアーコート紙について (クリアーコート紙1)ソープフリー乳化重合SBRラ
テックス(商品名パテラコールSB−302、大日本イ
ンキ化学工業(株)製)を、原紙1の片面にオフマシン
上でベントブレードコーターによって10g/m2 の塗
工量(乾燥重量)で塗工し、米坪40g/m2 のクリア
ーコート紙1を得た。クリアーコート紙についての米坪
の試験方法は後述の通りである。
【0024】以上の紙間強化紙、ピグメントコート紙、
クリアーコート紙を用い以下のように組み合わせ貼合し
て貼合紙を得た。
【0025】(実施例1)ピグメントコート紙1を上紙
とし、紙間強化紙1を下紙とし、以下のようにしてドラ
イラミネート方式により貼合した。ピグメントコート紙
1の裏面にアクリル系接着剤(サイデン化学(株)製)
をグラビアコーターを用い、速度70m/分、塗工量
(乾燥重量)15g/m2 で塗工し、90℃で乾燥さ
せ、次いで、紙間強化紙1とを押圧ロールによって貼合
し、巻取り、エージングさせた。前記アクリル系接着剤
は、アクリル酸ブチル55重量部、酢酸ビニル30重量
部、メタクリル酸メチル10重量部、カルボキシル基含
有モノマー4重量部からなる単量体をトルエン40重量
部、アセトン40重量部の溶媒中で過酸化ベンゾイルに
よって重合させ、重合反応終了後、トルエンで希釈し、
蒸発残分49.6%、粘度2,350cp/30℃とな
るように調製した溶剤型接着剤100重量部に対し、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)系ポリイソ
シアネート5重量部を添加してなるものであり、耐久、
耐候、耐熱性、および、防湿、防水性が優れた接着剤で
ある。得られた貼合紙は、後述する試験方法に従い、米
坪、厚さ、伸長率、引張強度、耐折度、透気度、不透明
度、平滑度、光沢度、透湿度、防水性、および、耐油性
を評価した。結果は表1の貼合紙品質の欄に示す通りで
ある。貼合紙の印刷適性を評価するために、硝化綿系イ
ンキによってグラビア印刷を施した後、ウレタン系のト
ップコートを施した。得られた印刷済み貼合紙を後述す
る試験方法に従い印刷適性を評価した。結果は表1の印
刷適性の欄に示す通りである。また、前記印刷済み貼合
紙は、後述する試験方法に従い、テープ剥離強度、クロ
スカット適性、Vカット適性、耐汚染性を評価した。そ
して、印刷済み貼合紙を酢酸ビニル系の接着剤を用い
て、ラッピングマシンにより中質繊維板(MDF)にラ
ッピングし化粧板を製造し、貼合紙のVカット適性、お
よび、ラッピングマシン適性を後述する試験方法に従い
評価した。結果は表1の合板品質の欄に示す通りであ
る。この貼合紙は、印刷適性が優れ、Vカット適性およ
びラッピングマシン適性が良好であり、建材部材等のV
カット合板、ラッピング合板に適している。
【0026】(実施例2)クリアーコート紙1を上紙と
し、紙間強化紙2を下紙とし、以下のようにしてドライ
ラミネート方式により貼合した。クリアーコート紙1の
裏面に実施例1と同じアクリル系接着剤(サイデン化学
(株)製)をグラビアコーターを用い、速度70m/
分、塗工量(乾燥重量)15g/m2 で塗工し、90℃
で乾燥させ、次いで、紙間強化紙2とを押圧ロールによ
って貼合し、巻取り、エージングさせた。得られた貼合
紙は、実施例1と同様にして貼合紙品質を評価した。結
果は表1の貼合紙品質の欄に示す通りである。貼合紙の
印刷適性を評価するために、硝化綿系インキによってグ
ラビア印刷を施した後、ウレタン系のトップコートを施
した。得られた印刷済み貼合紙を実施例1と同様にして
印刷適性を評価した。結果は表1の印刷適性の欄に示す
通りである。また、前記印刷済み貼合紙は、実施例1と
同様にして合板品質を評価した。結果は表1の合板品質
の欄に示す通りである。この貼合紙は、防湿・防水性、
耐油性、耐汚染性、Vカット適性およびラッピングマシ
ン適性、さらには、印刷適性にも優れており、キッチ
ン、サニタリールーム等のVカット合板、ラッピング合
板に適している。
【0027】(実施例3)紙間強化紙1を上紙、およ
び、下紙とし、以下のようにしてドライラミネート方式
により貼合した。上紙となる紙間強化紙1の裏面に実施
例1と同じアクリル系接着剤(サイデン化学(株)製)
をグラビアコーターを用い、速度70m/分、塗工量
(乾燥重量)15g/m2 で塗工し、90℃で乾燥さ
せ、次いで、下紙となる紙間強化紙1とを押圧ロールに
よって貼合し、巻取り、エージングさせた。得られた貼
合紙は、実施例1と同様にして貼合紙品質を評価した。
結果は表1の貼合紙品質の欄に示す通りである。貼合紙
の印刷適性を評価するために、硝化綿系インキによって
グラビア印刷を施した後、ウレタン系のトップコートを
施した。得られた印刷済み貼合紙を実施例1と同様にし
て印刷適性を評価した。結果は表1の印刷適性の欄に示
す通りである。また、前記印刷済み貼合紙は、実施例1
と同様にして合板品質を評価した。結果は表1の合板品
質の欄に示す通りである。この貼合紙は、防水・防湿性
には若干劣るものの、Vカット適性およびラッピングマ
シン適性が良好であり、建材部材等のVカット合板、ラ
ッピング合板に適している。
【0028】(実施例4)ピグメントコート紙1を上
紙、紙間強化紙1を中紙、クリアーコート紙1を下紙と
し、以下のようにしてドライラミネート方式により貼合
した。ピグメントコート紙1の裏面に実施例1と同じア
クリル系接着剤(サイデン化学(株)製)をグラビアコ
ーターを用い、速度70m/分、塗工量(乾燥重量)1
0g/m2 で塗工し、90℃で乾燥させ、次いで、中紙
となる紙間強化紙1とを押圧ロールによって貼合し、巻
取り、エージングさせ、予備貼合紙を得た。得られた予
備貼合紙の裏面に、前記予備貼合と同様にアクリル系接
着剤(サイデン化学(株)製)を、速度70m/分、塗
工量(乾燥重量)10g/m2 で塗工し、90℃で乾燥
させ、次いで、予備貼合紙の接着剤塗工面と、下紙とな
るクリアーコート紙1の裏面とを押圧ロールによって貼
合し、巻取り、エージングさせた。このような工程を経
て得られた貼合紙は、その表面にはピグメントコート面
が、裏面にはクリアーコート面が存在するものである。
得られた貼合紙は、実施例1と同様にして貼合紙品質を
評価した。結果は表1の貼合紙品質の欄に示す通りであ
る。貼合紙の印刷適性を評価するために、硝化綿系イン
キによってグラビア印刷を施した後、ウレタン系のトッ
プコートを施した。得られた印刷済み貼合紙を実施例1
と同様にして印刷適性を評価した。結果は表1の印刷適
性の欄に示す通りである。また、前記印刷済み貼合紙
は、実施例1と同様にして合板品質を評価した。結果は
表1の合板品質の欄に示す通りである。この貼合紙は、
防湿・防水性、耐油性、耐汚染性、ラッピングマシン適
性に優れ、Vカット適性がとりわけ優れ、建材部材、お
よび、キッチン、サニタリールーム等のVカット合板、
ラッピング合板に適している。
【0029】(比較例1)市販の化粧板用含浸紙を使用
した。含浸紙の品質を実施例1と同様にしてを評価し
た。結果は表1の貼合紙品質の欄に示す通りである。含
浸紙の印刷適性を評価するために、アクリル系インキに
よってグラビア印刷を施した後、ウレタン系のトップコ
ートを施した。得られた印刷済み含浸紙を実施例1と同
様にして印刷適性を評価した。結果は表1の印刷適性の
欄に示す通りである。また、前記印刷済み含浸紙につい
て実施例1と同様にして合板品質を評価した。結果は表
1の合板品質の欄に示す通りである。
【0030】(比較例2)市販の化粧板用塩化ビニルフ
ィルムを使用した。塩化ビニルフィルムの品質を実施例
1と同様にしてを評価した。結果は表1の貼合紙品質の
欄に示す通りである。塩化ビニルフィルムの印刷適性を
評価するために、酢酸ビニル系インキによってグラビア
印刷を施した後、透明塩化ビニルフィルムとダブリング
した。得られた印刷済み塩化ビニルフィルムを実施例1
と同様にして印刷適性を評価した。結果は表1の印刷適
性の欄に示す通りである。また、前記印刷済み塩化ビニ
ルフィルムについて実施例1と同様にして合板品質を評
価した。結果は表1の合板品質の欄に示す通りである。
実施例1〜4と比較例1、2とを対比すれば明らかなよ
うに、この発明の貼合紙はVカット合板、ラッピング合
板として使用でき、塩化ビニルフィルムを用いた化粧板
に代替し得るものである。
【0031】
【表1】
【0032】試験方法および評価方法 (a)フリーネスは、JIS P 8121に基づき、
カナダ標準型のフリーネステスターにより試験した。 (b)表面強度は、JIS P 8129に基づき、ワ
ックス法により試験した。 (c)平滑度は、JIS P 8119に基づき、ベッ
ク平滑度試験器を使用して試験した。 (d)透湿度は、JIS Z 0208に基づき、条件
B、すなわち、温度40℃、相対湿度90%において試
験した。 (e)防水性は、MDFと貼合した後、水に浸漬し、経
時での含水による重量増加で評価した。 ◎:優 △:やや難 ×:不適 (f)光沢度は、JIS P 8142に基づき、光沢
度計により試験した。 (g)印刷適性は、建材グラビア印刷を施し、印刷光
沢、インキ密着性、再現性について評価した。なお、印
刷後、通常のウレタン系のトップコートを施した。 ◎:優 ○:良 ×:不適 (h)テープ剥離強度は、トップコート後の印刷面に、
セロファンテープ(登録商標)を貼り付けた後剥がし、
これを10回繰り返した後の紙間剥離状況を評価した。 ◎:優 ○:良 (i)クロスカット適性は、トップコート後の印刷面を
カッターでクロスカットし、セロファンテープ(登録商
標)を貼り付けた後剥がし、テープ剥離後の紙間剥離状
態を評価した。 ◎:優 ○:良 (j)ラッピングマシン適性は、凹状のMDF基材にラ
ッピングマシンにてラッピングし、凹部割れ、破断状況
にて評価した。 ◎:優 ○:良 ×:不適 (k)Vカット適性は、Vカット機での加工性を評価し
た。 ◎:優 ○:良 ×:不適 (l)耐汚染性は、食用油、シンナー、酸(HCl)、
アルカリ(NaOH)液の浸透を評価した。 ◎:優 ○:良 △:やや難 (m)透気度は、JIS P 8117に基づき試験し
た。 (n)米坪は、JIS P 8124に基づき試験し
た。 (p)伸長率は、JIS P 8132に基づき試験し
た。なお、縦とは抄紙の流れ方向、横とは抄紙の幅方向
を意味する。 (q)引張強度は、JIS P 8113に基づき試験
した。 (r)耐折度は、JIS P 8115に基づきMIT
型耐折度試験機を使用して試験した。 (s)耐油性は、J.TAPPI NO.41のキット
法に基づき評価した。 ◎:優 ○:良 △:やや難 (T)透気度は、JIS P 8117に基づき試験し
た。 (U)不透明度は、JIS P 8138に基づき試験
した。
【0033】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。JIS P 8129で規定された表面強度が1
6〜32Aで、JIS P8119で規定された平滑度
が200秒以上である原紙を用い、これをピグメントコ
ート紙P、クリアーコート紙K、紙間強化紙Sとし、貼
合順を(/)とし、貼合形態が、P、K、Sのうちの何
れかに対し/Sで表される貼合紙は、Vカット適性、ラ
ッピングマシン適性に優れた化粧板用貼合紙として使用
でき、従来の塩化ビニルフィルムを用いた化粧板の使用
しうる箇所に使用可能なものが安価に製造できることか
ら、化粧板用塩化ビニルフィルムに代替し得る。とりわ
け、 (1)P/S (2)K/S (3)S/S (4)P/S/K の何れかの形態に貼合すると、(1)は、印刷適性が良
好で、Vカット適性およびラッピングマシン適性に優れ
た貼合紙、(2)は、防湿・防水性に優れ、Vカット適
性およびラッピングマシン適性にも優れた貼合紙、
(3)は、Vカット適性に優れた貼合紙、(4)は、印
刷適性が良好で、Vカット適性およびラッピングマシン
適性に優れ、背面への湿気等の遮断性の良好な貼合紙を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】貼合方式の一例を示す概略図で、(a)はドラ
イラミネート方式、(b)はウエットラミネート方式を
示す。
【図2】印刷済み貼合紙の一例である。
【符号の説明】
11、18、21、24 基材 12 グラビアロール 16 押圧ロール 22 リバースロールコーター 25 接合ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−189847(JP,A) 特開 昭58−163797(JP,A) 特開 昭61−10452(JP,A) 特開 平4−314538(JP,A) 特開 昭54−116409(JP,A) 特開 昭63−190092(JP,A) 特開 平7−246684(JP,A) 特開 昭57−173163(JP,A) 特開 昭63−190094(JP,A) 特開 平3−8900(JP,A) 特開 昭56−40551(JP,A) 特開 平6−218882(JP,A) 特開 平7−60929(JP,A) 特開 平7−331594(JP,A) 実開 昭60−150040(JP,U) 実開 平5−5444(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62B 1/00 - 35/00 D21H 19/20 - 19/22 D21H 27/26,27/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS P 8129で規定された表面
    強度が16〜32Aで、JIS P 8119で規定さ
    れた平滑度が200秒以上である原紙の少なくとも片面
    に、填料を含有しない少なくともソープフリー乳化重合
    SBRラテックス、ソープフリー乳化重合NBRラテッ
    クス、ソープフリー乳化重合MBRラテックスのうちの
    いずれかであるクリアー防水性樹脂が乾燥重量で5〜2
    5g/m 塗工されてなるクリアーコート紙を上紙と
    し、 これに、JIS P 8129で規定された表面強度が
    16〜32Aで、JIS P 8119で規定された平
    滑度が200秒以上である紙間強化紙が貼合されてなる
    ことを特徴とする化粧板用貼合紙。
  2. 【請求項2】 JIS P 8129で規定された表面
    強度が16〜32Aで、JIS P 8119で規定さ
    れた平滑度が200秒以上である原紙の少なくとも片面
    に、填料、バインダーを含む塗料を塗工して塗料中の樹
    脂成分を原紙に浸透させ、これをカレンダー処理してな
    るピグメントコート紙を上紙とし、 JIS P 8129で規定された表面強度が16〜3
    2Aで、JIS P8119で規定された平滑度が20
    0秒以上である紙間強化紙を中紙とし、 該紙間強化紙の下層にJIS P 8129で規定され
    た表面強度が16〜32Aで、JIS P 8119で
    規定された平滑度が200秒以上である原紙の小なくと
    も片面に、填料を含有しない小なくともソープフリー乳
    化重合SBRラテックス、ソープフリー乳化重合NBR
    ラテックス、ソープフリー乳化重合MBRラテックスの
    うちのいずれかであるクリアー防水性樹脂が乾燥重量で
    5〜25g/m 塗工されてなるクリアーコート紙が下
    紙として貼合されている ことを特徴とする化粧板用貼合
    紙。
  3. 【請求項3】 前記ピグメントコート紙における塗料
    が、填料100重量部に対して、SBRラテックス14
    〜20重量部、エステル化デンプン5重量部以下を含
    み、塗工量が片面単位で8〜25g/m であることを
    特徴とする請求項2記載の化粧板用貼合紙。
  4. 【請求項4】 前記紙間強化紙は一層以上であることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の化粧板用貼合
    紙。
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