JP3524242B2 - 連続式真空焼結炉 - Google Patents

連続式真空焼結炉

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JP3524242B2
JP3524242B2 JP30694395A JP30694395A JP3524242B2 JP 3524242 B2 JP3524242 B2 JP 3524242B2 JP 30694395 A JP30694395 A JP 30694395A JP 30694395 A JP30694395 A JP 30694395A JP 3524242 B2 JP3524242 B2 JP 3524242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属やセラミックスの微
粒子を焼結するための連続式真空焼結炉に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】例えばタンタル電解コン
デンサはタンタルの微粉末を樟脳の如きバインダと共に
所定の形状に加圧成形し、得られる成形体を真空下に加
熱して脱バインダした後に、タンタルの微粒子を焼結す
る工程を経て製造される。当初はバッチ式の真空焼結炉
内で脱バインダすることが行われていたが、炉内にバイ
ンダが残り放出ガス源となって焼結品の品質を低下させ
ていた。
【0003】これを改良すべく連続式の真空焼結炉が開
発されたが、これにはバインダの影響を避けるべく複数
の脱バインダ室が設けられている。図8は、従来の連続
式真空焼結炉80の構成例を示し、第1脱バインダ室8
1 、第2脱バインダ室812 、第1焼結室821 、第
2焼結室822 、第3焼結室823 、第4焼結室82
4 、第1冷却室831 、第2冷却室832 の8室から構
成され、各室は開閉自在な仕切弁で隔離されている。そ
して、第1脱バインダ室811 は温度500〜600
℃、真空度1〜10-3Torr程度の雰囲気下に成形体
からバインダの除去、すなわち脱バインダが行われ、第
2脱バインダ室812 では、脱バインダを更に進めるべ
く第1脱バインダ室811 よりも高温度、高真空度の雰
囲気として脱バインダされる。
【0004】図8の連続式真空焼結炉80は脱バインダ
室を2室設けた例であるが、場合によっては3室を設け
る例もあり、炉材には高価な耐熱性金属を多用するので
全体として連続式真空焼結炉80の装置コストを高めて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、焼結時に微量のバインダが存在するこ
とによる焼結体の品質低下を招くことなく、脱バインダ
室を1室とした低装置コストの連続式真空焼結炉を提供
することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、上流側
から順に成形体の脱バインダ部、焼結部、冷却部が設け
られた連続式真空焼結炉において、前記脱バインダ部は
脱バインダ室と搬送室とからなり、前記脱バインダ室は
下方の挿入用開口を介して前記搬送室と連通し、内部に
加熱装置が設けられ、かつ第1真空排気系に接続されて
おり、前記搬送室一方の側端の前記成形体の搬入口は
搬入扉、他方の側端の搬出口は前記焼結部と画成する
切扉により開閉可能に密閉され、内部に前記成形体の搬
送機構、及び該搬送機構上の前記成形体を昇降させるた
めの昇降機構が配置され、かつ前記第1真空排気系より
高度に真空排気が可能な第2真空排気系に接続されてお
り、前記昇降機構は前記搬送室内または外の駆動源によ
って昇降され、その先端が前記搬送室内にあるロッドと
該ロッドの先端部に固定した断熱昇降蓋とからなり、該
断熱昇降蓋は台部と該台部より径の大きい鍔部を備えて
おり、かつ前記台部の上面には前記成形体が載置された
トレイを支持する支柱が立設されており、前記搬送機構
は前記断熱昇降蓋の前記鍔が挿通可能に形成された
1開口を有する搬送台、該搬送台の前記第1開口上に
ねて置かれ前記断熱昇降蓋の前記支柱および前記台部が
挿通可能で前記断熱昇降蓋の前記鍔部は挿通不能に形成
された第2開口を有するトレイ受け用断熱板、および該
トレイ受け用断熱板の前記第2開口上に重ねて置かれる
前記トレイからなる載置系と、該載置系を搬送するため
の前記搬入口から前記搬出口に至る駆動系とからなり、
前記断熱昇降蓋が上昇されて前記支柱が前記成形体を前
記トレイと共に支持し前記挿入用開口から前記バイン
ダ室内へ挿入する時に、前記鍔に伴われて上昇する前
記トレイ受け用断熱板と前記断熱昇降蓋の台部とによっ
て前記挿入用開口が断熱的に密閉されることにより、前
記第1真空排気系で排気され前記加熱装置で加熱されて
前記成形体からバインダを前記脱バインダ室内へ放出さ
せる脱バインダ時に前記バインダは前記搬送室へ流出せ
ず、続いて脱バインダが完了して前記断熱昇降蓋が下降
されると共に前記第1真空排気系が停止され、前記第2
真空排気系が起動されて前記搬送室が高い真空度に排気
された後に、前記搬出口の前記仕切扉が開とされ、前記
トレイ、前記トレイ受け用断熱板と共に前記搬送台へ戻
されている前記成形体が前記搬送系によって下流側の前
記焼結部へ搬送されることを特徴とする連続式真空焼結
炉、によって達成される。
【0007】
【作用】搬送室内の搬送台上の成形体はトレイと共に断
熱昇降蓋の支柱に支持されて脱バインダ室内へ挿入され
るが、同時に断熱昇降蓋の台部、及び断熱昇降蓋の鍔
に同伴されるトレイ受け用断熱板によって脱バインダ室
の挿入用開口が断熱的に密閉されるので、脱バインダ室
内で第1真空排気系による真空下に加熱されて成形体か
ら放出されるバインダは搬送室へ流出することなく排気
される。また、脱バインダ操作が完了し、断熱昇降蓋が
下降されると共に第1真空排気系による排気が停止され
第2真空排気系による排気が開始されて高い真空度に排
気された後に搬送室の搬出口側の仕切扉が開とされ、ト
レイ、トレイ受け用断熱板と共に搬送台上へ戻されてい
る脱バインダされた成形体は下流側の焼結部へ搬送され
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例による連続式真空焼結
炉について、図面を参照して具体的に説明する。
【0009】図1は実施例の連続式真空焼結炉10の概
略縦断面図である。上流側から順に脱バインダ部1、焼
結部2、冷却部3が連接されており、左端に搬入扉6、
右端に搬出扉9が設けられ、脱バインダ部1と焼結部2
とは仕切扉7、焼結部2と冷却部3とは仕切扉8によっ
て画成されている。
【0010】脱バインダ部1は上部の脱バインダ室11
と、中間の搬送室31と、下部の昇降蓋室51とからな
っており、脱バインダ室11には成形体Fを加熱するた
めの加熱区画22が設けられ、かつトラップ29を介し
てメカニカルブースタポンプ27と油回転ポンプ28と
からなる第1真空排気系が接続されている。また、図示
せずともアルゴンガスまたは窒素ガスの配管が接続され
ている。
【0011】搬送室31には成形体Fを搬送するための
チェインベルト32が設けられている。また、搬送室3
1と連通している下方の昇降蓋室51の底面外部には搬
送室31内のチェインベルト32で搬送される成形体F
を脱バインダ室11内へ持ち上げるためのエアシリンダ
59が設置されており、昇降蓋室51内へ挿通されたピ
ストンロッド58の先端には断熱昇降蓋52が固定され
ている。また昇降蓋室51には拡散ポンプ66、メカニ
カルブースタポンプ67、油回転ポンプ68からなる
真空排気系が接続されている。
【0012】焼結部2は脱バインダの完了した成形体を
脱バインダ部1より高真空度で高温に加熱して焼結させ
る箇所であり、細部は異なるものの基本的には脱バイン
ダ部1と同様に構成されている。焼結部2には拡散ポン
プ71、メカニカルブースタポンプ72、油回転ポンプ
73からなる真空排気系が接続されており、図示せずと
もアルゴンガスの配管が接続されている。
【0013】また、冷却部3では電動機77によってフ
ァン78が回転され、内部の加圧ガスが循環され熱交換
器79によって冷却されて焼結後の成形体に吹き付けら
れ、これを冷却するようになっている。冷却部3にはメ
カニカルブースタポンプ74と油回転ポンプ75とから
なる真空排気系が接続され、図示せずとも窒素ガスまた
はアルゴンガスの配管が接続されている。
【0014】以降、本発明の要部である脱バインダ部1
について詳細に説明する。
【0015】図2は脱バインダ室11、搬送室31、お
よび昇降蓋室51からなる脱バインダ部1の縦断面図で
あり、図3は図2における[3]−[3]線方向の矢視
図であるが、後述のトレイ44は簡明化のために省略さ
れている。脱バインダ室11は搬送室31の天井部の開
口上に気密に固定された底板14上において、気密に接
合された金属製の側壁12と天井の鏡板13とに囲われ
て形成されている。側壁12と鏡板13の外周は断熱材
17で覆われており、脱バインダ時の熱によって加熱さ
れる。また側壁12には排気管18が設けられ、上述の
ようにバインダを捕捉するためのトラップ29を介しメ
カニカルブースタポンプ28を主体とする第1真空排気
系が接続されている。排気管18にはシースヒータ16
が巻装され、その外周は断熱材17で覆われている。シ
ースヒータ16は150℃程度の温度に加熱し、バイン
ダが内壁面で冷却されて析出することを防ぐためのもの
である。脱バインダ室11の内部には、底板14の挿入
用開口15に整合させて下方を開口し、上方と側方とを
複数枚の熱線反射板からなるリフレクタ23で囲った加
熱区画22が支持部材23aに固定して設けられてお
り、加熱区画22内の天井側は均熱化のため吊具25で
支えたリフレクタ23’を付加して2重とし、中央には
温度測定端子26が取り付けられている。加熱区画22
の内面には図示しない導入端子を経由して電熱ヒータ2
4が配設されている。なお、底板14の下面には耐熱性
ゴムによるシールリング19が嵌め込まれている。
【0016】搬送室31には左端に搬入扉6、右端に焼
結部2との仕切扉7がそれぞれ開閉可能に取り付けられ
密閉可能とされている。また、図3も参照して、搬送室
31内には、2本のチェインベルト32が駆動スプロケ
ット33と従動スプロケット34に巻装して配設されて
おり、電動機35で駆動されて搬送台42上の成形体F
矢印の方向へ搬送する。すなわち、チェインベルト3
2に係合されて搬送される搬送台42には中央部に設け
た開口42h(第1開口)の外周部の座ぐりにタングス
テン(W)製のトレイ受け用断熱板43が置かれ、トレ
イ受け用断熱板43の中央部に設けた開口43h(第2
開口)の外周部の座ぐりにはタングステン製のトレイ4
4が重ねておかれ、成形体Fはトレイ44上に載置され
て搬送される。また搬送台42は脱バインダ室11の直
下に停止されるが、その停止位置を固定させるためのス
トッパ37a、37bが停止された搬送台42の前後と
なる位置に設けられており、それぞれの駆動源38a、
38bによって回動されて作動する。また、搬入扉6、
仕切扉7の内側には搬送台42の搬入と搬出を介助する
ロール36a、36bが設けられており、それぞれ駆動
スプロケット33の軸、従動スプロケット34の軸によ
ってチェインで駆動される。更にはチェインベルト32
の両側にはガイド板39が設けられている。
【0017】昇降蓋室51の下方の外部に設置されてい
るエアシリンダ59のピストンロッド58が昇降蓋室5
1の底面に設けたシール部材57を介して昇降蓋室51
内へ挿通されており、チェインベルト32で搬送されて
くる搬送台42上の成形体Fを脱バインダ室11内へ持
ち上げるようになっている。すなわち、ピストンロッド
58の先端にタングステン製の断熱昇降蓋52が固定さ
れており、断熱昇降蓋52は台部54と、台部54の底
面側にあって台部54より径の大きい鍔53部とからな
、台部54の上面には成形体Fを載置したトレイ44
を支持するためのガイド柱55と、その周囲4本の支
柱56とが立設されている。ガイド柱55の先端のテー
パ部分はトレイ44の中央部に挿入されてこれを安定に
支持し位置決めするようになっている。 また搬送台4
2の開口42hは鍔部53が挿通可能な径とされ、トレ
イ受け用断熱板43の開口43hはガイド柱55、支柱
56と台部54とが挿通可能で鍔部53は挿通不能な径
とされている。また、昇降蓋室51の側壁にはシースヒ
ータ16が巻装され、その外周は断熱材17で覆われて
おり、前述の拡散ポンプ66を主体とする第2真空排気
系に接続される排気管65が設けられている。
【0018】実施例の連続式真空焼結炉10における脱
バインダ部1は以上のように構成されるが、次にその作
用を説明する。
【0019】図2を参照し、搬送台42上のトレイ受け
用断熱板43に重ねて置かれたトレイ44に載置された
成形体Fは入口扉6を開いた搬送室31内へ搬送台42
と共に導入される。入口扉6が閉じられ、搬送台42は
チェインベルト32によって搬送されて、脱バインダ室
11の直下において図示しない手段で停止され、ストッ
パ37a、37bによって停止位置に固定される。図2
の位置から断熱昇降蓋52が若干上昇された状態を示す
図4を参照して、エアシリンダ59のピストンロッド5
8が上昇されることにより、断熱昇降蓋52のガイド柱
55の先端テーパ部分がトレイ44の中央部分に挿入さ
れ、支柱56がトレイ44の底面に当接してトレイ44
を成形体Fと共に持ち上げる。続いて図5を参照し、台
部54がトレイ受け用断熱板43の開口43hを通り抜
けるが、鍔53は搬送台42の開口42hを通り抜け得
るものの、トレイ受け用断熱板43の開口43hは通り
抜けられないので、トレイ受け用断熱板43を伴って上
昇する。そして、成形体Fが脱バインダ室11の加熱区
画22内へ挿入され、断熱昇降蓋52の台部54が脱バ
インダ室11の底板14の挿入用開口15に挿入され、
鍔53によって持ち上げられたトレイ受け用断熱板43
が底板14の下面の耐熱ゴムリング19を介して当接す
ることによりピストンロッド58の上昇が停止され、成
形体Fは脱バインダ室11内に密閉される。
【0020】成形体Fの密閉と同時に、加熱区画22の
電熱ヒータ24による加熱と、脱バインダ室11に接続
されているメカニカルブースタポンプ27主体の真空排
気系による排気が開始され、成形体Fに含まれているバ
インダは液化し、ガス化して排気されトラップ29に捕
捉される。この間、脱バインダ室11は密閉されている
ので、バインダ・ガスが搬送室31内へ流出することは
なく、バインダによる搬送室31、昇降蓋室51内の汚
染は起こらない。また、この時、脱バインダ室11の外
壁面は断熱材17で覆われているので、脱バインダ時の
熱によって側壁12、鏡板13の温度が上昇し、ガス化
したバインダが内壁面で冷却され液化、固化されること
はないので、脱バインダ室11がバインダによって汚染
されない。脱バインダ操作の温度、真空度、時間は使用
されるバインダの種類に応じて適宜設定される。なお焼
結部2の焼結室はジャケット構造にして冷却する。
【0021】所定の脱バインダ操作が完了すると、図6
を参照して、エアシリンダ59のピストンロッド58が
若干下降されて、脱バインダ室11の底板14とトレイ
受け用断熱板43との間に間隙を生ずるようになるが、
同時に脱バインダ室11に接続されているメカニカルブ
ースタポンプ27主体の排気が停止され、昇降蓋室51
に接続されている拡散ポンプ66主体の排気が開始され
て、搬送室31、これに連通している昇降蓋室51が1
-5Torr以上の真空度に達するまで十分に排気され
る。従って、仕切扉7を開けた時に搬送室31、昇降
51から焼結部2へ流れ込むバインダ・ガスは無視し
得る程度になる。
【0022】搬送室31、昇降蓋室51が十分に排気さ
れた時点でピストンロッド58、断熱昇降蓋52は図2
に示す最下点まで下降され、脱バインダされた成形体F
はトレイ44、トレイ受け用断熱板43と共に搬送台4
2上に戻される。同時に焼結部2との間の仕切扉7が開
かれ、搬送台42はストッパ37a、37bによる係止
が解除されて、チェインベルト32により焼結部2へ送
り込まれ、仕切扉7が閉じられる。このように脱バイン
ダを行なうことにより脱バインダされた成形体を焼結部
へ送る時に微量のバインダ・ガスが焼結部へ流入す
ることが防がれる。
【0023】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限られることなく、本発明の
技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0024】例えば、本実施例においては脱バインダ室
11を断熱的に密閉する断熱昇降蓋52、およびトレイ
受け用断熱板43をタングステン製としたが、モリブデ
ン(Mo)やタンタル(Ta)の如き耐熱製金属として
もよく、黒鉛のような断熱材料を使用してもよい。搬送
機構のうちのトレイ44とトレイ受け用断熱板43は焼
結部2、冷却部3を経て大気中へ取り出されるが、その
時に水分が吸着されると再使用時に連続式真空焼結炉1
0内で水分を放出する。従って本実施例においては、ト
レイ44とトレイ受け用断熱板43をタングステン製と
したが、これらを黒鉛の如き水分を吸着し易い材料とす
ることは好ましくない。
【0025】また、本実施例においては脱バインダ室1
1の底板14とトレイ受け用断熱板43との間を耐熱ゴ
ムのシールリング19で気密にシールしたが、ナイフエ
ッジによるメタルコンタクトとしてシールしてもよい。
更には、底板14とトレイ受け用断熱板43との間を金
属板同士の単なる接触としてもよい。この場合には変形
例の脱バインダ部2’の概略断面図である図7を参照し
て、脱バインダ室11’第1アルゴン導入配管71が
設けられ、昇降蓋室51’には第2アルゴン導入配管7
5が設けられる。脱バインダ時には、第1アルゴン導入
配管71からのアルゴンガスの導入量Q1 と第2アルゴ
ン導入配管75からのアルゴンガスの導入量Q2 との間
にQ1 <Q2 の関係を持たせ、脱バインダ室11'の圧
力P1 よりも搬送室31と昇降蓋室51'の圧力P5
大として脱バインダ室11’を真空排気する。こうする
ことによっても搬送室31へのバインダの流入、汚染を
防ぎ得る。なお図7では底板14’とトレイ受け用断熱
板43との間を拡大して画いている。
【0026】また、本実施例においては昇降機構にエア
シリンダを用いたが、これ以外の装置、例えばボールね
じを使用してもよい。
【0027】また、本実施例では採用しなかったが、搬
送室31の下流側の端部、または焼結部2に不活性ガス
の導入口を設け、搬送室31の上流側の端部に導出口を
設けておき、脱バインダの完了した成形体Fを搬送室3
1から焼結部2へ搬送する時に、導入口から導出口へ不
活性ガスを流すことにより、微量のバインダが焼結部へ
流入することを更に確実に防ぎ得る。
【0028】また、本実施例においては、脱バインダ室
11を排気するためのメカニカルブースタポンプ27を
主体とする真空排気系と、搬送室31、昇降蓋室51を
排気するための拡散ポンプ66を主体とする真空排気系
との2系列を設けたが、搬送室31、昇降室51を排気
する拡散ポンプ66主体の真空排気系のみを設置し、必
要な分岐管と切換え用真空バルブを配して、脱バインダ
室11と接続し、1系列の真空排気系で脱バインダ室1
1と搬送室31、昇降蓋室51とを切換えて真空排気す
るようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の連続式真空
焼結炉によれば、成形体の脱バインダが密閉された脱バ
インダ室で行われるのでバインダが搬送室へ流出する汚
染は発生せず、また、脱バインダの完了後は搬送室を高
い真空度に排気した後、焼結部との仕切扉を開けて成形
体を焼結部へ送るので、焼結時に微量のバインダが存在
することによる焼結体の品質低下が完全に防止される。
また、そのことによって脱バインダ室を1室としても十
であり複数の脱バインダ室を必要とする従来の連続
式真空焼結炉に比して装置コストを大幅に低下させ得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の連続式真空焼結炉の縦断面図である。
【図2】同焼結炉の脱バインダ部の拡大縦断面図であ
る。
【図3】図2における[3]−[3]線方向の矢視図で
ある。
【図4】図2と同様な断面図であり、昇降機構の昇降過
程を示す。
【図5】図2と同様な断面図であり、昇降機構の昇降過
程を示す。
【図6】図2と同様な断面図であり、昇降機構の昇降過
程を示す。
【図7】変形例の脱バインダ部の拡大断面図である。
【図8】従来例の連続式真空焼結炉の構成を示す概念図
である。
【符号の説明】
1 脱バインダ部 2 焼結部 3 冷却部 10 実施例の連続式真空焼結炉 11 脱バインダ室 22 加熱区画 27 メカニカルブースタポンプ 31 搬送室 32 チェインベルト 37 ストッパ 42 搬送台 43 トレイ受け用断熱板 44 トレイ 45 ガイド柱 46 支柱 51 昇降蓋室 52 断熱昇降蓋 53 鍔 54 台部 55 ガイド柱 56 支柱 58 ピストンロッド 66 拡散ポンプ 67 メカニカルブースタポンプ F 成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F27B 9/30 F27B 9/30 (56)参考文献 特開 平9−53887(JP,A) 特開 平9−126660(JP,A) 特開 昭62−233672(JP,A) 実開 昭61−137629(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 9/02 B22F 3/10 F27B 9/04 F27B 9/06 F27B 9/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側から順に成形体の脱バインダ部、
    焼結部、冷却部が設けられた連続式真空焼結炉におい
    て、前記脱バインダ部は脱バインダ室と搬送室とからな
    り、前記脱バインダ室は下方の挿入用開口を介して前記
    搬送室と連通し、内部に加熱装置が設けられ、かつ第1
    真空排気系に接続されており、前記搬送室一方の側端
    の前記成形体の搬入口は搬入扉、他方の側端の搬出口は
    前記焼結部と画成する仕切扉により開閉可能に密閉さ
    れ、内部に前記成形体の搬送機構、及び該搬送機構上の
    前記成形体を昇降させるための昇降機構が配置され、か
    つ前記第1真空排気系より高度に真空排気が可能な第2
    真空排気系に接続されており、前記昇降機構は前記搬送
    室内または外の駆動源によって昇降され、その先端が前
    記搬送室内にあるロッドと該ロッドの先端部に固定した
    断熱昇降蓋とからなり、 該断熱昇降蓋は台部と該台部より径の大きい鍔部を備え
    ており、かつ前記台部の上面には前記成形体が載置され
    たトレイを支持する支柱が立設されており、前記搬送機
    構は前記断熱昇降蓋の前記鍔が挿通可能に形成された
    第1開口を有する搬送台、該搬送台の前記第1開口上に
    重ねて置かれ前記断熱昇降蓋の前記支柱および前記台部
    が挿通可能で前記断熱昇降蓋の前記鍔部は挿通不能に形
    成された第2開口を有するトレイ受け用断熱板、および
    該トレイ受け用断熱板の前記第2開口上に重ねて置かれ
    る前記トレイからなる載置系と、該載置系を搬送するた
    めの前記搬入口から前記搬出口に至る駆動系とからな
    り、 前記断熱昇降蓋が上昇されて前記支柱が前記成形体を前
    記トレイと共に支持し前記挿入用開口から前記バイン
    ダ室内へ挿入する時に、前記鍔に伴われて上昇する前
    記トレイ受け用断熱板と前記断熱昇降蓋の台部とによっ
    て前記挿入用開口が断熱的に密閉されることにより、前
    記第1真空排気系で排気され前記加熱装置で加熱されて
    前記成形体からバインダを前記脱バインダ室内へ放出さ
    せる脱バインダ時に前記バインダは前記搬送室へ流出せ
    ず、続いて脱バインダが完了して前記断熱昇降蓋が下降
    されると共に前記第1真空排気系が停止され、前記第2
    真空排気系が起動されて前記搬送室が高い真空度に排気
    された後に、前記搬出口の前記仕切扉が開とされ、前記
    トレイ、前記トレイ受け用断熱板と共に前記搬送台へ戻
    されている前記成形体が前記搬送系によって下流側の前
    記焼結部へ搬送されることを特徴とする連続式真空焼結
    炉。
  2. 【請求項2】 前記脱バインダ室の内壁が加熱されてお
    り、前記内壁への前記バインダ・ガスの凝結が阻止され
    ている請求項1に記載の連続式真空焼結炉。
  3. 【請求項3】 前記第1真空排気系がメカニカルブース
    タポンプを主体とする排気系であり、前記第2真空排気
    系が拡散ポンプを主体とする排気系である請求項1また
    は請求項2に記載の連続式真空焼結炉。
  4. 【請求項4】 前記成形体が前記脱バインダ部の前記搬
    送室から前記焼結部へ搬送される時に、前記搬送室の下
    流側の端部または前記焼結部に設けた導入口から前記搬
    送室の上流側の端部に設けた導出口へ不活性ガスが流さ
    れて、微量の前記バインダの前記焼結部への流入が阻止
    される請求項1から請求項3までの何れかに記載の連続
    式真空焼結炉。
  5. 【請求項5】 前記脱バインダ室に第1アルゴン導入配
    管が設けられ、かつ前記搬送室には第2アルゴン導入配
    管が設けられており、前記脱バインダ時に前記第1アル
    ゴン導入配管のアルゴンガス導入量よりも前記第2アル
    ゴン導入配管からのアルゴンガス導入量を大にすること
    により前記脱バインダ室の圧力よりも前記搬送室の圧力
    を大として、前記脱バインダ室が前記第1真空排気系で
    排気される請求項1から請求項4までの何れかに記載の
    連続式真空焼結炉。
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