JP3522115B2 - 複数の分散性セルロース複合体を含有する食品組成物 - Google Patents
複数の分散性セルロース複合体を含有する食品組成物Info
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- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の分散性セル
ロース複合体を含有する食品組成物に関するものであ
り、食品用途分野において、高懸濁安定性食品、高乳化
安定性食品、独特な組織を有する食品、クラウディー性
を有する食品、食物繊維効果を有する食品、低脂肪食
品、等に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】これまでセルロースと親水性高分子から
なる分散性の複合体を含有する食品としては、特公昭４
０−１２１７４号公報、特公昭６２−４３６６１号公
報、特開平６−３３５３６５号公報等に記載があるよう
に、多数知られている。これらのうち、カルボキシメチ
ルセルロース・ナトリウムを含有してなる分散性の複合
体は、例えばココア飲料に使用すると、殺菌等の熱処理
によって軟凝集が発生し、これを製品とするためには強
く振盪するなどして凝集を解消させる必要があった。ま
た、軟凝集を生じない程度の緩和な条件で熱処理する
と、底部にココア末が沈積する場合があった。 【０００３】一方、カルボキシメチルセルロース・ナト
リウム以外の、天然由来の親水性高分子からなる分散性
の複合体は、加熱による軟凝集は発生せず、また、ココ
ア末が底部に沈積することはないが、層分離が生じ、コ
コアが少なくて色が薄い上層が生じてしまう場合があっ
た。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、緩和な殺菌
条件でも懸濁安定性等の充分な安定性を有する飲料等の
食品組成物を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、分散性の
セルロース複合体を特定の組み合わせで併用することに
より、課題を解決できることを見出し、本発明をなすに
至った。すなわち本発明は、セルロースとカルボキシメ
チルセルロース・ナトリウムからなる分散性の複合体
と、セルロースと天然由来の親水性高分子からなる分散
性の複合体を含有することを特徴とする食品組成物に関
する。 【０００６】以下、本発明につき詳しく説明する。本発
明に使用されるセルロースとカルボキシメチルセルロー
ス・ナトリウムからなる分散性の複合体、および、セル
ロースと天然由来の親水性高分子からなる分散性の複合
体は、例えば、パルプを磨砕して得られた微細セルロー
スを水溶性カルボキシメチルセルロース・ナトリウムも
しくは天然由来の親水性高分子と均一に混合して均質な
スラリーとし、これを乾燥することによって得られる。
セルロース素材の磨砕前に予めカルボキシメチルセルロ
ース・ナトリウムもしくは天然由来の親水性高分子と混
合し、磨砕してスラリーとする方法でもよい。本発明の
複合体としては、公知のものを使用でき、具体的には特
公昭４０−１４１７４号公報、特公昭６２−４３６６１
号公報、特開平６−３３５３６５号公報に記載のものな
どが使用できる。 【０００７】カルボキシメチルセルロース・ナトリウム
としてはカルボキシメチル基の置換度が０．２０〜１．
５０、重合度が２００〜５００、２重量％水溶液の粘度
が１０〜１０００ｍＰａ・ｓ程度のものが使用される。
また、天然由来の親水性高分子としてはアラビアガム、
アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カード
ラン、ガッティーガム、カラギーナン、カラヤガム、寒
天、キサンタンガム、グアガム、酵素分解グアガム、ク
インスシードガム、ジェランガム、ゼラチン、タマリン
ドガム、難消化性デキストリン、トラガントガム、ファ
ーセラン、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガム
などが使用される。これらは単独で使用しても良いし、
また複数を選択して使用してもよい。天然由来の親水性
高分子として好ましいのはカラギーナン、カラヤガム、
キサンタンガム、ジェランガム、難消化性デキストリ
ン、ペクチンである。特に好ましいのは、カラヤガム、
キサンタンガム、難消化性デキストリンである。 【０００８】本発明の複合体は水中で機械的に攪拌する
と、平均粒径２０μｍ以下、好ましくは１０μｍ以下、
さらに好ましくは５μｍ以下のセルロース粒子に分散
し、安定な懸濁液となる特徴を有する。本発明に使用さ
れるセルロースとカルボキシメチルセルロース・ナトリ
ウムからなる分散性の複合体、および、セルロースと天
然由来の親水性高分子からなる分散性の複合体の配合量
はそれぞれ、０．０１重量％以上配合する必要がある。
好ましくは０．１％重量以上配合する。特に好ましくは
セルロースと天然由来の親水性高分子からなる分散性の
複合体を０．３重量％以上配合する。０．０１重量％未
満の配合量であると充分な懸濁安定性等が発揮されな
い。配合量は食品の種類、添加の目的によって適宜決め
られるものであるが、例えば飲料用途であれば０．０５
〜１．０重量％程度が適当であるし、焼き菓子等の食品
であれば０．５〜１５重量％程度が適当である。これら
は２種類以上の複合体を同時に使用しても良い。 【０００９】本発明の食品組成物とは乳成分を含む、あ
るいは含まないコーヒー、紅茶、抹茶、ココア、汁粉、
ジュース等の嗜好飲料、生乳、加工乳、乳酸菌飲料、豆
乳等の乳性飲料、カルシウム強化飲料等の栄養強化飲料
並びに食物繊維含有飲料等を含む各種の飲料類、アイス
クリーム、アイスミルク、ソフトクリーム、ミルクシェ
ーキ、シャーベット等の氷菓類、バター、チーズ、ヨー
グルト、コーヒーホワイトナー、ホイッピングクリー
ム、カスタードクリーム、プリン等の乳製品類、マヨネ
ーズ、マーガリン、スプレッド、ショートニング等の油
脂加工食品類、各種のスープ、シチュー、ソース、タ
レ、ドレッシング等の調味料類、練りがらしに代表され
る各種練りスパイス、ジャム、フラワーペーストに代表
される各種フィリング、各種のアン、ゼリーを含むゲル
・ペースト状食品類、パン、麺、パスタ、ピザ、各種プ
レミックスを含むシリアル食品類、キャンディー、クッ
キー、ビスケット、ホットケーキ、チョコレート、餅等
を含む和・洋菓子類、蒲鉾、ハンペン等に代表される水
産練り製品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等に代表さ
れる畜産製品、クリームコロッケ、中華用アン、グラタ
ン、ギョーザ等の各種の惣菜類、塩辛、カス漬等の珍味
類、ペットフード類及び経管流動食類等である。特に、
ＵＨＴ殺菌、あるいはホットパック殺菌によって製造さ
れる、乳成分を含むココア飲料に適している。 【００１０】これらの食品は懸濁安定性が高い、乳化安
定性が高い、独特な組織を有する、クラウディー性を有
する、食物繊維効果を有する、カロリーが低い、等の特
徴を有する。 【００１１】 【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。 【００１２】 【実施例１】（１）セルロースとカルボキシメチルセル
ロース・ナトリウムからなる分散性のセルロース複合体
の調製 市販ＤＰパルプ（平均重合度８５０）を０．８％塩酸中
で加水分解処理を行い、純水にて濾過洗浄し、ウェット
ケーキを得た。このウェットケーキに、セルロース／カ
ルボキシメチルセルロース・ナトリウムの比率が９／１
となるようにカルボキシメチルセルロース・ナトリウム
を加え、ニーダーにて練合・磨砕を行った。次いで、手
でもみほぐしてから熱風乾燥し、ハンマーミルにて粉砕
することにより、「セルロースとカルボキシメチルセル
ロース・ナトリウムからなる分散性のセルロース複合
体」を得た。これを水中に分散すると、平均粒径７．６
μｍの微粒子に崩壊した。 【００１３】（２）セルロースと天然由来の親水性高分
子（キサンタンガム）からなる分散性のセルロース複合
体の調整 次に、上記と同様にして得たウエットケーキに水を加え
て固形分１０重量％の水分散液を調整し、これを超高圧
ホモジナイザーで、１３００ｋｇｆ／ｃｍ2の圧力で２
回破砕処理を行い、ペースト状のセルロースを得た。こ
のペーストに、セルロース／キサンタンガム／澱粉加水
分解物の比率が７５／５／２０となるようにキサンタン
ガムと澱粉加水分解物（パインデックス、松谷化学工業
製）を配合し、水を加えて、総固形分濃度が７重量％の
分散液を調整した。この分散液を平滑なアルミニウム板
状に約３ｍｍの厚さで伸展し、熱風乾燥機で８０℃６０
分間乾燥し、得られたフィルム状物を手でもみほぐし、
麟片状の「セルロースと天然由来の親水性高分子（キサ
ンタンガム）からなる分散性のセルロース複合体」乾燥
物を得た。これを水中に分散すると、平均粒径３．２μ
ｍの微粒子に崩壊した。 【００１４】（３）ココア飲料の調製 「セルロースとカルボキシメチルセルロース・ナトリウ
ムからなる分散性の複合体」１ｇ、「セルロースと天然
由来の親水性高分子（キサンタンガム）からなる分散性
の複合体」３ｇ、ココア粉末（バン・ホーテン製）５
ｇ、グラニュー糖５０ｇ、全脂粉乳（南日本酪農製）８
ｇ、食塩０．５ｇ、乳化剤（エキセル１５０、花王製）
２ｇを混合し、７５℃の温水に分散後、全量を１ｋｇと
なるように温水を加える。次いで、マントンゴーリン型
ホモジナイザーにて、１回目１５０ｋｇｆ／ｃｍ2、２
回目２００ｋｇｆ／ｃｍ2の圧力で均質化後（２パ
ス）、１２５℃で８秒間殺菌し、ガラスビンに充填し、
ココア飲料を得た。殺菌直後に軟凝集の発生は観察され
なかった。これを５℃で７日間保存したところ、沈降も
凝集も層分離も見られず、製造直後の均質な状態を保っ
ていた。 【００１５】 【比較例１】分散性の複合体として「セルロースとカル
ボキシメチルセルロース・ナトリウムからなる分散性の
複合体」のみを４ｇ用い、それ以外は実施例１と同様の
操作を行って、ココア飲料を得た。殺菌直後に軟凝集の
発生が見られたので、手で強く振盪し、軟凝集を解消し
てから、５℃で７日間保存したところ、層分離は見られ
なかったが、体積として約１％のココア末の沈積が底部
に観察された。 【００１６】 【比較例２】分散性の複合体として「セルロースと天然
由来の親水性高分子（キサンタンガム）からなる分散性
の複合体」のみを４ｇ用い、それ以外は実施例１と同様
の操作を行って、ココア飲料を得た。殺菌直後におい
て、軟凝集は観察されなかった。これを５℃で７日間保
存したところ、ココア末の沈積は観察されなかったが、
上部３５％に希薄な層が観察された。 【００１７】 【発明の効果】本発明の食品は、特定の組み合わせの水
分散性セルロース複合体を含有するものであり、懸濁安
定性が高い、乳化安定性が高い、独特な組織を有する、
クラウディー性を有する、食物繊維効果を有する、カロ
リーが低い、等の特徴を有する。
ロース複合体を含有する食品組成物に関するものであ
り、食品用途分野において、高懸濁安定性食品、高乳化
安定性食品、独特な組織を有する食品、クラウディー性
を有する食品、食物繊維効果を有する食品、低脂肪食
品、等に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】これまでセルロースと親水性高分子から
なる分散性の複合体を含有する食品としては、特公昭４
０−１２１７４号公報、特公昭６２−４３６６１号公
報、特開平６−３３５３６５号公報等に記載があるよう
に、多数知られている。これらのうち、カルボキシメチ
ルセルロース・ナトリウムを含有してなる分散性の複合
体は、例えばココア飲料に使用すると、殺菌等の熱処理
によって軟凝集が発生し、これを製品とするためには強
く振盪するなどして凝集を解消させる必要があった。ま
た、軟凝集を生じない程度の緩和な条件で熱処理する
と、底部にココア末が沈積する場合があった。 【０００３】一方、カルボキシメチルセルロース・ナト
リウム以外の、天然由来の親水性高分子からなる分散性
の複合体は、加熱による軟凝集は発生せず、また、ココ
ア末が底部に沈積することはないが、層分離が生じ、コ
コアが少なくて色が薄い上層が生じてしまう場合があっ
た。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、緩和な殺菌
条件でも懸濁安定性等の充分な安定性を有する飲料等の
食品組成物を提供することを目的とする。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、分散性の
セルロース複合体を特定の組み合わせで併用することに
より、課題を解決できることを見出し、本発明をなすに
至った。すなわち本発明は、セルロースとカルボキシメ
チルセルロース・ナトリウムからなる分散性の複合体
と、セルロースと天然由来の親水性高分子からなる分散
性の複合体を含有することを特徴とする食品組成物に関
する。 【０００６】以下、本発明につき詳しく説明する。本発
明に使用されるセルロースとカルボキシメチルセルロー
ス・ナトリウムからなる分散性の複合体、および、セル
ロースと天然由来の親水性高分子からなる分散性の複合
体は、例えば、パルプを磨砕して得られた微細セルロー
スを水溶性カルボキシメチルセルロース・ナトリウムも
しくは天然由来の親水性高分子と均一に混合して均質な
スラリーとし、これを乾燥することによって得られる。
セルロース素材の磨砕前に予めカルボキシメチルセルロ
ース・ナトリウムもしくは天然由来の親水性高分子と混
合し、磨砕してスラリーとする方法でもよい。本発明の
複合体としては、公知のものを使用でき、具体的には特
公昭４０−１４１７４号公報、特公昭６２−４３６６１
号公報、特開平６−３３５３６５号公報に記載のものな
どが使用できる。 【０００７】カルボキシメチルセルロース・ナトリウム
としてはカルボキシメチル基の置換度が０．２０〜１．
５０、重合度が２００〜５００、２重量％水溶液の粘度
が１０〜１０００ｍＰａ・ｓ程度のものが使用される。
また、天然由来の親水性高分子としてはアラビアガム、
アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カード
ラン、ガッティーガム、カラギーナン、カラヤガム、寒
天、キサンタンガム、グアガム、酵素分解グアガム、ク
インスシードガム、ジェランガム、ゼラチン、タマリン
ドガム、難消化性デキストリン、トラガントガム、ファ
ーセラン、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガム
などが使用される。これらは単独で使用しても良いし、
また複数を選択して使用してもよい。天然由来の親水性
高分子として好ましいのはカラギーナン、カラヤガム、
キサンタンガム、ジェランガム、難消化性デキストリ
ン、ペクチンである。特に好ましいのは、カラヤガム、
キサンタンガム、難消化性デキストリンである。 【０００８】本発明の複合体は水中で機械的に攪拌する
と、平均粒径２０μｍ以下、好ましくは１０μｍ以下、
さらに好ましくは５μｍ以下のセルロース粒子に分散
し、安定な懸濁液となる特徴を有する。本発明に使用さ
れるセルロースとカルボキシメチルセルロース・ナトリ
ウムからなる分散性の複合体、および、セルロースと天
然由来の親水性高分子からなる分散性の複合体の配合量
はそれぞれ、０．０１重量％以上配合する必要がある。
好ましくは０．１％重量以上配合する。特に好ましくは
セルロースと天然由来の親水性高分子からなる分散性の
複合体を０．３重量％以上配合する。０．０１重量％未
満の配合量であると充分な懸濁安定性等が発揮されな
い。配合量は食品の種類、添加の目的によって適宜決め
られるものであるが、例えば飲料用途であれば０．０５
〜１．０重量％程度が適当であるし、焼き菓子等の食品
であれば０．５〜１５重量％程度が適当である。これら
は２種類以上の複合体を同時に使用しても良い。 【０００９】本発明の食品組成物とは乳成分を含む、あ
るいは含まないコーヒー、紅茶、抹茶、ココア、汁粉、
ジュース等の嗜好飲料、生乳、加工乳、乳酸菌飲料、豆
乳等の乳性飲料、カルシウム強化飲料等の栄養強化飲料
並びに食物繊維含有飲料等を含む各種の飲料類、アイス
クリーム、アイスミルク、ソフトクリーム、ミルクシェ
ーキ、シャーベット等の氷菓類、バター、チーズ、ヨー
グルト、コーヒーホワイトナー、ホイッピングクリー
ム、カスタードクリーム、プリン等の乳製品類、マヨネ
ーズ、マーガリン、スプレッド、ショートニング等の油
脂加工食品類、各種のスープ、シチュー、ソース、タ
レ、ドレッシング等の調味料類、練りがらしに代表され
る各種練りスパイス、ジャム、フラワーペーストに代表
される各種フィリング、各種のアン、ゼリーを含むゲル
・ペースト状食品類、パン、麺、パスタ、ピザ、各種プ
レミックスを含むシリアル食品類、キャンディー、クッ
キー、ビスケット、ホットケーキ、チョコレート、餅等
を含む和・洋菓子類、蒲鉾、ハンペン等に代表される水
産練り製品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等に代表さ
れる畜産製品、クリームコロッケ、中華用アン、グラタ
ン、ギョーザ等の各種の惣菜類、塩辛、カス漬等の珍味
類、ペットフード類及び経管流動食類等である。特に、
ＵＨＴ殺菌、あるいはホットパック殺菌によって製造さ
れる、乳成分を含むココア飲料に適している。 【００１０】これらの食品は懸濁安定性が高い、乳化安
定性が高い、独特な組織を有する、クラウディー性を有
する、食物繊維効果を有する、カロリーが低い、等の特
徴を有する。 【００１１】 【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。 【００１２】 【実施例１】（１）セルロースとカルボキシメチルセル
ロース・ナトリウムからなる分散性のセルロース複合体
の調製 市販ＤＰパルプ（平均重合度８５０）を０．８％塩酸中
で加水分解処理を行い、純水にて濾過洗浄し、ウェット
ケーキを得た。このウェットケーキに、セルロース／カ
ルボキシメチルセルロース・ナトリウムの比率が９／１
となるようにカルボキシメチルセルロース・ナトリウム
を加え、ニーダーにて練合・磨砕を行った。次いで、手
でもみほぐしてから熱風乾燥し、ハンマーミルにて粉砕
することにより、「セルロースとカルボキシメチルセル
ロース・ナトリウムからなる分散性のセルロース複合
体」を得た。これを水中に分散すると、平均粒径７．６
μｍの微粒子に崩壊した。 【００１３】（２）セルロースと天然由来の親水性高分
子（キサンタンガム）からなる分散性のセルロース複合
体の調整 次に、上記と同様にして得たウエットケーキに水を加え
て固形分１０重量％の水分散液を調整し、これを超高圧
ホモジナイザーで、１３００ｋｇｆ／ｃｍ2の圧力で２
回破砕処理を行い、ペースト状のセルロースを得た。こ
のペーストに、セルロース／キサンタンガム／澱粉加水
分解物の比率が７５／５／２０となるようにキサンタン
ガムと澱粉加水分解物（パインデックス、松谷化学工業
製）を配合し、水を加えて、総固形分濃度が７重量％の
分散液を調整した。この分散液を平滑なアルミニウム板
状に約３ｍｍの厚さで伸展し、熱風乾燥機で８０℃６０
分間乾燥し、得られたフィルム状物を手でもみほぐし、
麟片状の「セルロースと天然由来の親水性高分子（キサ
ンタンガム）からなる分散性のセルロース複合体」乾燥
物を得た。これを水中に分散すると、平均粒径３．２μ
ｍの微粒子に崩壊した。 【００１４】（３）ココア飲料の調製 「セルロースとカルボキシメチルセルロース・ナトリウ
ムからなる分散性の複合体」１ｇ、「セルロースと天然
由来の親水性高分子（キサンタンガム）からなる分散性
の複合体」３ｇ、ココア粉末（バン・ホーテン製）５
ｇ、グラニュー糖５０ｇ、全脂粉乳（南日本酪農製）８
ｇ、食塩０．５ｇ、乳化剤（エキセル１５０、花王製）
２ｇを混合し、７５℃の温水に分散後、全量を１ｋｇと
なるように温水を加える。次いで、マントンゴーリン型
ホモジナイザーにて、１回目１５０ｋｇｆ／ｃｍ2、２
回目２００ｋｇｆ／ｃｍ2の圧力で均質化後（２パ
ス）、１２５℃で８秒間殺菌し、ガラスビンに充填し、
ココア飲料を得た。殺菌直後に軟凝集の発生は観察され
なかった。これを５℃で７日間保存したところ、沈降も
凝集も層分離も見られず、製造直後の均質な状態を保っ
ていた。 【００１５】 【比較例１】分散性の複合体として「セルロースとカル
ボキシメチルセルロース・ナトリウムからなる分散性の
複合体」のみを４ｇ用い、それ以外は実施例１と同様の
操作を行って、ココア飲料を得た。殺菌直後に軟凝集の
発生が見られたので、手で強く振盪し、軟凝集を解消し
てから、５℃で７日間保存したところ、層分離は見られ
なかったが、体積として約１％のココア末の沈積が底部
に観察された。 【００１６】 【比較例２】分散性の複合体として「セルロースと天然
由来の親水性高分子（キサンタンガム）からなる分散性
の複合体」のみを４ｇ用い、それ以外は実施例１と同様
の操作を行って、ココア飲料を得た。殺菌直後におい
て、軟凝集は観察されなかった。これを５℃で７日間保
存したところ、ココア末の沈積は観察されなかったが、
上部３５％に希薄な層が観察された。 【００１７】 【発明の効果】本発明の食品は、特定の組み合わせの水
分散性セルロース複合体を含有するものであり、懸濁安
定性が高い、乳化安定性が高い、独特な組織を有する、
クラウディー性を有する、食物繊維効果を有する、カロ
リーが低い、等の特徴を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A23L 1/03 - 1/06
A23L 1/30 - 1/308
A23L 2/00 - 2/62
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 セルロースとカルボキシメチルセルロー
ス・ナトリウムからなる分散性の複合体と、セルロース
と天然由来の親水性高分子からなる分散性の複合体を含
有することを特徴とする食品組成物
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21562198A JP3522115B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 複数の分散性セルロース複合体を含有する食品組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21562198A JP3522115B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 複数の分散性セルロース複合体を含有する食品組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000041627A JP2000041627A (ja) | 2000-02-15 |
| JP3522115B2 true JP3522115B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=16675446
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21562198A Expired - Lifetime JP3522115B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 複数の分散性セルロース複合体を含有する食品組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3522115B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109152375A (zh) * | 2016-03-31 | 2019-01-04 | 图蒂食品公司 | 颗粒 |
Families Citing this family (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4159393B2 (ja) * | 2003-04-01 | 2008-10-01 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 乳成分含有飲料の安定化方法 |
| JP2008050376A (ja) * | 2005-03-28 | 2008-03-06 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 水分散性セルロースと多糖類を含有する増粘安定剤 |
| JP2008050377A (ja) * | 2005-03-28 | 2008-03-06 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 水分散性セルロースと多糖類からなる増粘剤 |
| TWI306017B (en) * | 2004-12-06 | 2009-02-11 | Asahi Kasei Chemicals Corp | Composition composed of highly dispersible cellulose complex and polysaccharide |
| JP2008048602A (ja) * | 2004-12-06 | 2008-03-06 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 水分散性セルロースと少なくとも１種の多糖類を含有する増粘剤 |
| WO2006131025A1 (fr) * | 2005-06-10 | 2006-12-14 | Sen Huang | Boisson de the aux myrtilles et son procede de preparation |
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1998
- 1998-07-30 JP JP21562198A patent/JP3522115B2/ja not_active Expired - Lifetime
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