JP2000178377A - セルロース複合体粉末 - Google Patents

セルロース複合体粉末

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JP2000178377A
JP2000178377A JP10357702A JP35770298A JP2000178377A JP 2000178377 A JP2000178377 A JP 2000178377A JP 10357702 A JP10357702 A JP 10357702A JP 35770298 A JP35770298 A JP 35770298A JP 2000178377 A JP2000178377 A JP 2000178377A
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cellulose
weight
composite powder
karaya gum
water
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English (en)
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Toshioki Nakayama
勤興 中山
Tetsuya Otani
哲也 大谷
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 懸濁安定性、乳化安定性、保形性、離水
防止性を示し、特に加熱環境、低pH環境、高塩濃度環
境においてもその機構を発揮する食品等の添加剤及び食
品を提供する。 【解決手段】 セルロース50〜94重量%とカラヤガ
ム5〜49重量%と分散剤1〜30重量%から成る組成
物であり、これを加熱処理して、パルスNMRでの緩和
時間T2,Lの値が400〜480μsの範囲に調整され
たセルロース複合体粉末、及びそれを配合して成る食品
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース複合体
粉末に関する。さらに詳しくはセルロースとカラヤガム
と分散剤から成る複合体粉末であり、食品、医薬品、塗
料、セラミック、樹脂、触媒、農薬、肥料、飼料等の用
途分野において、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定
剤、組織付与剤、クラウディー剤、研磨剤、食物繊維、
油脂代替物等として使用される物質に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、セルロースと水溶性高分子と
の複合体は多数知られている。特公昭56−31094
号公報及び特公昭57−14771号公報には、微結晶
セルロースと分散剤及び崩壊剤を配合した水分散体の複
合体に関する記載がある。また、特開平7−70365
号公報及び特開平7−268129号公報には、微細セ
ルロースと親水性物質等からなる粉末であり、水分散時
における固体粒子の大きさを、主としてコロイド分画と
言う概念で規定した水分散性の複合体に関する記載があ
る。特開平9−59301号公報には微小繊維状セルロ
ースと親水性物質を配合した組成物に関する記載があ
る。特開平9−121787号公報には微生物由来のセ
ルロースと高分子物質からなる複合化合物に関する記載
がある。しかしこれらはいずれも水分散液の安定性、特
に耐熱安定性、耐酸性に劣っていた。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、水分散液の
安定性、特に耐熱安定性、耐酸性に優れたセルロース複
合体粉末と、それを配合して成る食品組成物を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セルロー
スとカラヤガムと分散剤から成るセルロース複合体粉末
の水分散液の分散安定化機構について種々検討した結
果、セルロース複合体の粉末を加熱処理してやること
で、セルロース表面にカラヤガムが強固に吸着し、水中
でセルロース表面からカラヤガムが剥離せず、セルロー
スを保護し、安定に分散していることを発見した。この
ような複合体におけるセルロースとカラヤガムの分散状
態および界面におけるセルロース/カラヤガムの相互作
用の強さは水分散液としたときの安定性に大きな影響を
及ぼすが、同時にこれらの因子は、複合体粉末中に両成
分のバインダーとして働く水の存在状態とも深く相関し
ている。
【0005】本発明者らは、上記事実を基に、セルロー
スとカラヤガムの相互作用について、水とポリマーの分
子運動性という観点から、パルスNMRにて1H核の横
緩和時間T2の測定を行い、パルスNMRでの緩和時間
2,Lの値が400〜480μs(マイクロ秒)の範囲
のものが、セルロースとカラヤガムと分散剤から成る複
合体粉末を、水に分散させたときに、低pH環境や、濃
い塩濃度環境、あるいは加熱処理に対して極めて安定な
分散体を形成することを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、以下の通りである。
【0007】50〜94重量%のセルロースと5〜49
重量%のカラヤガムと1〜30重量%の分散剤から成る
粉末で、かつ、その水分率を8.0±0.5重量%に調
整した同粉体試料について、30℃で25MHz相当の
パルスNMRによりSolid echo法を用いて1
H核の横緩和時間T2を測定した場合に、下記式によっ
て表される待ち時間tと磁化Mtの関係式によって最適
化計算を行って得られる緩和時間T2,Lの値が400〜
480μsの範囲であることを特徴とするセルロース複
合体粉末およびこれを配合して成る食品組成物に関す
る。
【0008】Mt=M0[XGexp{−(t/T2,G2
/2}+(1−XG)×exp(−t/T2,L)] (但し、M0は緩和がほぼ終了した際の磁化であり、T
2,G、T2,L、XG及びM0はいずれも最適化計算に用いる
最適化係数である。) 以下、本発明につき詳しく説明する。
【0009】本発明のセルロース複合体粉末は、加熱処
理によりセルロース表面にカラヤガムを強固に吸着させ
たものであり、セルロースを50〜94重量%含有す
る。セルロース複合体は水中に分散した時に、セルロー
スと大部分のカラヤガムおよび分散剤は分離するが一部
のカラヤガムはセルロース表面に吸着している。セルロ
ースの基本粒子、すなわちセルロースそのものの粒子の
大きさは、それが水中で安定に懸濁するために、平均2
0μm以下であることが好ましい。セルロースの基本粒
子の大きさは、例えば水中で、約1%重量%濃度で機械
的に撹拌することにより、基本粒子が分離するので、こ
れを粒度分布計にて測定することによって求めることが
出来る。適当な粒度分布計としては、レーザー回折式粒
度分布測定装置を挙げることが出来る。この基本粒子の
70μm以上の成分は10%(体積基準、以下v%と
略)以下である。好ましくは平均粒径が10μm以下で
あって、30μm以上の成分が10v%以下である。さ
らに好ましくは平均粒径が6μm以下であって、20μ
m以上の成分が10v%以下である。特に好ましくは平
均粒径が4μm以下であって、10μm以上の成分が1
0v%以下である。平均粒径が20μmを越えると懸濁
安定性が劣る。また、70μm以上の成分が10v%を
越えて存在すると、喫食した場合、口中でザラツキ感が
著しく感じられる。平均粒径が小さいほどザラツキ感は
改良される傾向にあるが、その下限は、磨砕、粉砕の技
術及び装置により自ら限度があり、現在のところは通常
0.05μm程度と考えられる。セルロース複合体粉末
のセルロースの含量が50重量%未満だと、セルロース
の基本粒子の数が減少してしまい、安定性が低下してし
まう。また、94重量%以上だと、分散安定化に必要な
カラヤガムの量が減少するため、やはり安定性が低下し
てしまう。好ましくは、60〜90重量%である。さら
に好ましくは、70〜85重量%である。
【0010】セルロースは水中で容易に微粒子に分散で
きるものが好ましい。その例としては、結晶セルロー
ス、バクテリアセルロース等を挙げることが出来る。重
合度の高いセルロース粉末も使用できるが、サイズリダ
クションが困難であることから、基本粒子が微小となり
難く、工業的生産のためには不利である。好ましいセル
ロース原料は重合度が30〜375程度の結晶セルロー
スである。
【0011】本発明のセルロース複合体粉末は、カラヤ
ガムを5〜49重量%含有する。本発明で言うところの
カラヤガムとは、加水分解構成がラムノース/ガラクト
ース/ガラクツロン酸からなり、部分的にアセチル化さ
れ、酢酸量で10〜25重量%のものを言う。このカラ
ヤガムは5重量%以上配合することが必要である。5重
量%未満ではセルロース表面に吸着し得る量が不足し、
安定性が低下してしまう。また、49重量%を越えて配
合すると、セルロースの基本粒子の数が減少してしま
い、安定性が低下してしまう。好ましい配合量は10〜
40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%であ
る。
【0012】本発明のセルロース複合体粉末は、分散剤
を1〜30重量%含有する。本発明で言うところの分散
剤とは、水中での分散時にセルロース基本粒子の分散を
促進させるために配合するものを言う。分散剤の例とし
ては、デキストリン類(焙焼デキストリン、加水分解澱
粉等)、単糖類(キシロース、グルコース、フラクトー
ス等)、二糖類(シュークロース、トレハロース、マル
トース、ラクトース等)、糖アルコール(キシリトー
ル、マンニット、マルチトール、パラチニット等)、オ
リゴ糖類(フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆
オリゴ糖等)、アミノ酸類(グリシン、ベタイン等)、
乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル等)、油脂類(リノール酸、リノレン酸、オレイン
酸等)、等が挙げられる。好ましくはデキストリン類で
ある。特に好ましいのは加水分解澱粉である。これらの
分散剤は、1重量%以上配合することが必要である。1
重量%未満では、分散剤としての効果が発現されない。
30重量%を越えて配合するとカラヤガムの量が減少し
てしまい、安定性が低下してしまう。好ましい配合量は
5〜30重量%である。さらに好ましくは10〜20重
量%である。
【0013】セルロース原料としては、木材パルプ、精
製リンター、再生セルロース、穀物又は果実由来の植物
繊維、バクテリアセルロース等のセルロース系素材を酸
加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエク
スプロージョン分解、亜臨界水あるいは超臨界水による
加水分解等により、あるいはそれらの組み合わせにより
解重合処理して平均重合度30〜375とした結晶セル
ロースを含む低重合度セルロースや、同様のセルロース
系素材を水中で、高圧ホモジナイザー等の装置にて高速
剪断処理して製造される微小繊維状セルロースが使用で
きる。
【0014】本発明のセルロース複合体粉末の製造方法
は、一例を挙げれば、セルロース原料とカラヤガムと分
散剤を湿式で共磨砕し、次いで乾燥して製造することが
できる。
【0015】セルロース原料とカラヤガムと分散剤を湿
式で共磨砕する場合は、その水分含量によって状態が非
常に異なるので、それぞれ適当な磨砕機を選択する必要
がある。例えば水分の比較的高い、ゲル状からスラリー
状を呈するものを磨砕する場合は回転円筒式ミル、振動
ボールミル、遠心式ボールミル、媒体撹拌式ミル、コロ
イドミル、高圧ホモジナイザー、等を使用することが好
ましい。また、水分の比較的少ない、餅状を呈するもの
はニーダー、プラネタリーミキサー、押出機、等を使用
することが好ましい。これらの装置を用いて、平均粒径
は20μm以下で、かつ、70μm以上の成分が10v
%以下となるように磨砕を行う。セルロースの粒子径は
より小さいことが好ましく、その具体的な態様は前述の
通りである。
【0016】次に、このようにして得られたものを乾燥
する。本発明において乾燥とは、製品の水分を10重量
%以下に下げる操作を意味する。この場合、やはりその
水分含量によって状態が非常に異なるので、それぞれ適
当な乾燥方法を選択する必要がある。例えば水分含量の
比較的高い、スラリー状あるいはゲル状を呈するものを
乾燥する場合は液滴か、あるいはフィルム状にして乾燥
することが好ましい。装置としてはスプレードライヤ
ー、ベルトドライヤー、ドラムドライヤー、ディスクド
ライヤー等を使用することが出来る。また、凍結乾燥法
も適当な乾燥方法である。水分含量の比較的低い、餅状
を呈する場合は棚段乾燥機、ベルトドライヤー、流動乾
燥機、凍結乾燥機、真空マイクロ波加熱乾燥機等が使用
できる。必要に応じて、ピンミル、ハンマーミル、ジェ
ットミル、フラッシュミル等を使用して粉砕する。得ら
れた粉末は1mm以上の粒子が10重量%以下、好まし
くは500μm以上の粒子が10重量%以下である。
【0017】本発明のパルスNMRで測定した緩和時間
2,Lの値が400〜480μsの範囲とは、セルロー
スとカラヤガムと分散剤から成る粉末を水分率8.0±
0.5重量%に調整し、30℃で25MHz相当のパル
スNMRによりSolidecho法を用い1H核の横
緩和時間T2を測定した場合に、下記式によって表され
る待ち時間tと磁化Mtの関係式によって最適化計算し
て得られる最適化係数の一つであるT2,Lが400〜4
80μsであることを意味する。
【0018】Mt=M0[XGexp{−(t/T2,G2
/2}+(1−XG)×exp(−t/T2,L)] P.Mansfield et.al.,Phys.R
ev.137,A9 61(1965) (但し、M0は緩和がほぼ終了した際の磁化であり、T
2,G、T2,L、XG及びM0はいずれも最適化計算に用いる
最適化係数である。) ここでパルスNMR測定においては、データ観測幅を
1.0ms(ミリ秒)とし、3.0s(秒)以上の遅延
時間(Delay Time)をとるものとする。ま
た、データ積算回数を16回以上行うものとする。これ
らの解析の結果得られる、T2,Gを持つ成分は分子運動
論的に固体の状態にあるセルロースおよびカラヤガムの
1H核に対応している。これに対し、T2,Lの値はT2,G
の50倍近く長い値を持ち、複合体固体中に吸着された
水に対応すると考えられる(例えば、H.Ono e
t.al.,CELLULOSE,4,57(199
7))。一般に、T2が大きな値を持つほど、対象とし
ている1H核は速い分子運動性を有することが知られて
いるので、同一条件でセルロースとカラヤガムと分散剤
から成る複合体粉末のT2,Lを比較すると、複合体粉末
中に含まれる吸着水がポリマーとの相互作用により束縛
されているものほど短いT2,Lの値を示すことになる。
定性的には、セルロース複合体粉末中で、セルロース粒
子の間にカラヤガムがより高度に分散しているものほど
水分子はよりミクロなレベルで分散しており、この結果
強い束縛を受けると考えられ、短いT2,Lを示す。この
ような短いT2,Lを持つ粉末において水分散体としたと
きに高度な安定性を示す。
【0019】具体的には、緩和時間T2,Lの値が480
μsを越える場合には、低pH、高塩濃度、加熱処理な
どの過酷条件にて、分散安定性が低下してしまう。分散
安定性の向上のためには緩和時間T2,Lの値が400〜
480μsの範囲であることが必要である。好ましくは
緩和時間T2,Lの値が430〜480μsの範囲であ
る。特に好ましくは450〜480μsの範囲である。
何故ならば、緩和時間T2,Lの値が400μs未満で
は、セルロース表面へのカラヤガムの吸着が強固で、水
受容性が極端に低下すると思われ、これを使ったセルロ
ース複合体粉末の水分散液から沈降が生じ、分散安定性
が低下してしまうからである。特にT2,Lの値が400
〜480μsの範囲では、セルロース表面へのカラヤガ
ムの吸着や分散状態が最適で、セルロース表面をカラヤ
ガムが適度に保護し、この保護作用により、極めて安定
化機能が高いものと推定される。
【0020】本発明のセルロース複合体粉末はセルロー
スとカラヤガムと分散剤から成るセルロース複合体の粉
末を加熱処理することにより得られる。ここで言う加熱
処理とは、水分10重量%以下の物質を100℃以上の
温度に保持することを意味する。より高温で水分率2重
量%以下の低水分率となるように加熱処理すれば短時間
で緩和時間T2,Lの値400〜480μsの範囲のもの
が得られる。処理時間は15分から20時間程度であ
り、温度との兼ね合いで決定される。例えば、100℃
では、4〜20時間程度、130℃では、15分〜6時
間程度の加熱処理が適当である。
【0021】本発明のセルロース複合体粉末は、種々の
食品に使用できる。例を挙げると、コーヒー、紅茶、抹
茶、ココア、汁粉、ジュース等の嗜好飲料、生乳、加工
乳、乳酸菌飲料、豆乳等の乳性飲料、カルシウム強化飲
料等の栄養強化飲料並びに食物繊維含有飲料等を含む各
種の飲料類、アイスクリーム、アイスミルク、ソフトク
リーム、ミルクシェーキ、シャーベット等氷菓類、バタ
ー、チーズ、ヨーグルト、コーヒーホワイトナー、ホイ
ッピングクリーム、カスタードクリーム、プリン等の乳
製品類、マヨネーズ、マーガリン、スプレッド、ショー
トニング等の油脂加工食品類、各種のスープ、シチュ
ー、ソース、タレ、ドレッシング等の調味料類、練りか
らしに代表される各種練りスパイス、ジャム、フラワー
ペーストに代表される各種フィリング、各種のアン、ゼ
リーを含むゲル、ペースト状食品類、パン、麺、パス
タ、ピザ、各種プレミックスを含むシリアル食品類、キ
ャンディー、クッキー、ビスケット、ホットケーキ、チ
ョコレート、餅等を含む和、洋菓子類、蒲鉾、ハンペン
等に代表される水産練り製品、ハム、ソーセージ、ハン
バーグ等に代表される畜産製品、クリームコロッケ、中
華用アン、グラタン、ギョーザ等の各種の惣菜類、塩
辛、カス漬等の珍味類、ペットフード類及び経管流動食
類等である。
【0022】本発明のセルロース複合体粉末は、これら
の用途において、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定
剤、泡安定剤、クラウディー剤、組織付与剤、流動性改
善剤、保形剤、離水防止剤、生地改質剤、粉末化基剤、
食物繊維基剤、油脂代替などの低カロリー化基剤として
作用するものである。また、上記の食品がレトルト食
品、粉末食品、冷凍食品、電子レンジ用食品等、形態ま
たは用時調整の加工手法が異なっていても本発明の効果
は発揮される。特にレトルト殺菌を施す食品、特に飲料
において優れた機能を発揮する。
【0023】本発明のセルロース複合体粉末を食品に使
用する場合、各食品の製造で一般に行われる方法と同様
の機器を使用して、主原料の他、必要に応じて、香料、
pH調整剤、増粘安定剤、塩類、油脂類、蛋白類、乳化
剤、酸味料、色素等と配合して、混合、混練、撹拌、乳
化、加熱等の操作を行えばよい。
【0024】食品中での本発明のセルロース複合体粉末
の配合量は、食品の種類等により異なるが、食品全体に
対して0.01〜15重量%程度が好ましい。安定剤と
しての機能を主に考える場合、0.02〜3重量%程度
が好ましい。また、食物繊維素材、油脂代替素材として
主に考える場合は、0.5〜15重量%程度が好まし
い。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0026】なお、測定は以下の通り行った。
【0027】<パルスNMRによる緩和時間T2,L> (1)試料5.0gをアルミ皿に入れ、20℃で59〜
60%RHの恒温恒湿の雰囲気中に放置し、水分率8.
0±0.5重量%になるように調湿を行う。
【0028】(2)水分調整した(1)の試料をNMR
試料管(日本電子製:10mmφ×180mm)に約
0.5g入れる。
【0029】(3)パルスNMR(日本電子製:JNM
−Mu25)にて緩和時間T2,Lを測定する。その時の
測定条件は、Solid echo法にて、測定温度:
30℃、周波数:25MHz、パルス幅:2.0μs/
90°、データ取込み時間(Acquisition
Time):1.0s、遅延時間(DelayTim
e):3.0s、データ観測幅:1.0ms、データ点
数:1000、積算回数:16回である。
【0030】(4)緩和時間T2,Lは下記式の最適化計
算にて求める。(例を図1に示す) Mt=M0[XGexp{−(t/T2,G2/2}+(1
−XG)×exp(−t/T2,L)] (但し、M0は緩和がほぼ終了した際の磁化であり、T
2,G、T2,L、XG及びM0はいずれも最適化計算に用いる
最適化係数である。) <水分率> (1)自動水分計(kett製)を使い、試料1.0g
(Ws)を試料皿に入れ、温度120℃で乾燥させ、下
記式にて乾燥減量(Wo)から水分率(f)を求める。
【0031】 f=100×(Ws−Wo)/Ws (%) <耐熱分散安定性> (1)試料(固形分)3.0gに蒸留水を入れ、全量を
300gとする。
【0032】(2)エースホモジナイザー(日本精機
製:AM−T)にて15000rpmで5分間分散す
る。
【0033】(3)耐熱瓶(300ml)に(2)を2
00g入れ、温浴中で80℃の60分間加熱処理を行
う。
【0034】(4)25℃で24時間静置後、離水状態
を観察し、下記の指標で判定する。
【0035】 ◎:離水率0〜5%未満 ○:離水率5%以上〜10%未満 △:離水率10%以上〜50%未満 ×:離水率50%以上 但し、離水率とは、耐熱瓶中の水分散液が上層(希薄
層)と下層(濃厚層)に分離する時の上層部の体積%を
言う。
【0036】離水率%=[分離した上層部の体積/全水
分散液の体積]×100 <耐酸性> (1)上記と同様にして、試料1%水分散液を調製し、
さらに、これをクエン酸にてpH3.0に調整し、7日
間室温に静置して、離水と凝集状態を観察し、下記の指
標で判定する。
【0037】 ○:離水、凝集なし ×:離水、凝集あり 実施例1 市販DPパルプを2.5M塩酸中で105℃で15分間
加水分解して得られた酸不溶性残査をろ過、洗浄し、重
合度190の加水分解セルロースのウエットケーク(固
形分含有46重量%)を得た。次に、この加水分解セル
ロースを80重量%とカラヤガムを10重量%と加水分
解澱粉を10重量%の割合で配合し、ニーダーを用いて
3時間磨砕混練した。さらにこれをほぐして60℃の熱
風乾燥機で乾燥した後、粉砕した。得られた粉末の水分
は5〜8重量%だった。さらにこのセルロース複合体の
粉末を乾燥機で、(A)100℃で7時間加熱処理、
(B)120℃で2時間加熱処理、(C)140℃で3
0分加熱処理して、セルロース複合体粉末(A)〜
(C)を得た。得られたセルロース複合体粉末の調湿後
の水分率とパルスNMRでの緩和時間T2,L、及び水に
分散した時の耐熱安定性と耐酸性を表1に示す。
【0038】実施例2 実施例1と同様に操作し、重合度190の加水分解セル
ロースのウエットケーク(固形分含有46重量%)を得
た。次に、この加水分解セルロースを68重量%とカラ
ヤガムを20重量%と加水分解澱粉12重量%の割合で
配合し、ニーダーを用いて3時間磨砕混練した。さらに
これをほぐして60℃の熱風乾燥機で乾燥した後、粉砕
した。得られた粉末の水分は5〜8重量%だった。さら
にこのセルロース複合体の粉末を乾燥機で、(D)10
0℃で7時間加熱処理、(E)120℃で2時間加熱処
理、(F)140℃で30分加熱処理して、セルロース
複合体粉末(D)〜(F)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0039】実施例3 実施例1と同様に操作し、重合度190の加水分解セル
ロースのウエットケーク(固形分含有46重量%)を得
た。次に、この加水分解セルロースを55重量%とカラ
ヤガムを30重量%と加水分解澱粉15重量%の割合で
配合し、ニーダーを用いて3時間磨砕混練した。さらに
これをほぐして60℃の熱風乾燥機で乾燥した後、粉砕
した。得られた粉末の水分は5〜8重量%だった。さら
にこのセルロース複合体の粉末を乾燥機で、(G)10
0℃で7時間加熱処理、(H)120℃で2時間加熱処
理、(I)140℃で30分加熱処理して、セルロース
複合体粉末(G)〜(I)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0040】比較例1 加熱処理を行わない以外は、実施例1と同様に操作し、
加水分解セルロースを80重量%とカラヤガムを10重
量%と加水分解澱粉を10重量%の割合で配合した、セ
ルロース複合体粉末(J)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0041】比較例2 加熱処理を行わない以外は、実施例2と同様に操作し、
加水分解セルロースを68重量%とカラヤガムを20重
量%と加水分解澱粉を12重量%の割合で配合した、セ
ルロース複合体粉末(K)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0042】比較例3 加熱処理を行わない以外は、実施例3と同様に操作し、
加水分解セルロースを55重量%とカラヤガムを30重
量%と加水分解澱粉を15重量%の割合で配合した、セ
ルロース複合体粉末(L)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0043】実施例4 セルロース複合体粉末を懸濁安定剤等の目的で配合し、
ココア飲料を作成した。まず、セルロース複合体粉末
(B)0.3重量%、ココア末0.5重量%、砂糖5.
0重量%、全脂粉乳0.8重量%、食塩0.05重量
%、ステアリン酸モノグリセリド0.2重量%を75℃
の温水(93.15重量%)中に加え、TKホモミキサ
ー(特殊機化工業製)を用いて8000rpmで10分
間分散した後、ホモジナイザー(マントンゴーリン社
製)を用いて、一回目150kg/cm2、二回目20
0kg/cm2の圧力で2パスさせて、均質化した。続
いて、耐熱瓶に充填した後、オートクレーブを用いて、
121℃で30分間殺菌し、ココア飲料を得た。
【0044】このココア飲料を、100ml容の、目盛
と栓のついたガラス製沈降管にて25℃で7日間静置し
た時のココア末の分散量は100%であり、層分離は生
じなかった。また、沈降物も確認されなかった。
【0045】実施例5 懸濁安定剤としてセルロース複合体粉末(B)のかわり
に、セルロース複合体粉末(H)を用いる以外は実施例
4と同様に操作し、ココア飲料を得た。このココア飲料
を25℃7日間静置後のココア末の分散量は95%だっ
た。この沈降物を再分散させるために必要な振とう回数
(沈降管を倒立させ、それを元に戻す操作を1回と数え
る)は1回だった。
【0046】比較例4 懸濁安定剤としてセルロース複合体粉末(B)のかわり
に、セルロース複合体粉末(J)を用いる以外は実施例
4と同様に操作し、ココア飲料を得た。このココア飲料
を25℃7日間静置後のココア末の分散量は23%であ
り、この沈降物を再分散させるために必要な振とう回数
は3回だった。
【0047】
【発明の効果】本発明のセルロース複合体粉末は、水に
分散したときに、極めて安定な分散状態を形成する性質
を有する。そのため、該複合体粉末を配合して成る食品
は顕著な懸濁安定性、乳化安定性、泡安定性、保形性、
離水防止性を示し、特に加熱環境、低pH環境、高塩濃
度環境においてもその機能を発揮する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】T2,L緩和曲線(Mt vs t)の測定デー
タと最適化計算によるフィッティング曲線(実線)の例
を示すもので、下図は部分拡大図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月14日(2000.3.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 セルロース複合体粉末
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース複合体
粉末に関する。さらに詳しくはセルロースとカラヤガム
と分散剤から成る複合体粉末であり、食品、医薬品、塗
料、セラミック、樹脂、触媒、農薬、肥料、飼料等の用
途分野において、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定
剤、組織付与剤、クラウディー剤、研磨剤、食物繊維、
油脂代替物等として使用される物質に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、セルロースと水溶性高分子と
の複合体は多数知られている。特公昭56−31094
号公報及び特公昭57−14771号公報には、微結晶
セルロースと分散剤及び崩壊剤を配合した水分散体の複
合体に関する記載がある。また、特開平7−70365
号公報及び特開平7−268129号公報には、微細セ
ルロースと親水性物質等からなる粉末であり、水分散時
における固体粒子の大きさを、主としてコロイド分画と
言う概念で規定した水分散性の複合体に関する記載があ
る。特開平9−59301号公報には微小繊維状セルロ
ースと親水性物質を配合した組成物に関する記載があ
る。特開平9−121787号公報には微生物由来のセ
ルロースと高分子物質からなる複合化合物に関する記載
がある。しかしこれらはいずれも水分散液の安定性、特
に耐熱安定性、耐酸性に劣っていた。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、水分散液の
安定性、特に耐熱安定性、耐酸性に優れたセルロース複
合体粉末と、それを配合して成る食品組成物を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セルロー
スとカラヤガムと分散剤から成るセルロース複合体粉末
の水分散液の分散安定化機構について種々検討した結
果、セルロース複合体の粉末を加熱処理してやること
で、セルロース表面にカラヤガムが強固に吸着し、水中
でセルロース表面からカラヤガムが剥離せず、セルロー
スを保護し、安定に分散していることを発見した。この
ような複合体におけるセルロースとカラヤガムの分散状
態および界面におけるセルロース/カラヤガムの相互作
用の強さは水分散液としたときの安定性に大きな影響を
及ぼすが、同時にこれらの因子は、複合体粉末中に両成
分のバインダーとして働く水の存在状態とも深く相関し
ている。
【0005】本発明者らは、上記事実を基に、セルロー
スとカラヤガムの相互作用について、水とポリマーの分
子運動性という観点から、パルスNMRにて1H核の横
緩和時間T2の測定を行い、パルスNMRでの緩和時間
2,Lの値が400〜480μs(マイクロ秒)の範囲
のものが、セルロースとカラヤガムと分散剤から成る複
合体粉末を、水に分散させたときに、低pH環境や、濃
い塩濃度環境、あるいは加熱処理に対して極めて安定な
分散体を形成することを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、以下の通りである。
【0007】50〜94重量%のセルロースと5〜49
重量%のカラヤガムと1〜30重量%の分散剤から成る
粉末で、かつ、その水分率を8.0±0.5重量%に調
整した同粉体試料について、30℃で25MHz相当の
パルスNMRによりSolid echo法を用いて1
H核の横緩和時間T2を測定した場合に、下記式によっ
て表される待ち時間tと磁化Mtの関係式によって最適
化計算を行って得られる緩和時間T2,Lの値が400〜
480μsの範囲であることを特徴とするセルロース複
合体粉末およびこれを配合して成る食品組成物に関す
る。
【0008】Mt=M0[XGexp{−(t/T2,G2
/2}+(1−XG)×exp(−t/T2,L)] (但し、M0は緩和がほぼ終了した際の磁化であり、T
2,G、T2,L、XG及びM0はいずれも最適化計算に用いる
最適化係数である。) 以下、本発明につき詳しく説明する。
【0009】本発明のセルロース複合体粉末は、加熱処
理によりセルロース表面にカラヤガムを強固に吸着させ
たものであり、セルロースを50〜94重量%含有す
る。セルロース複合体は水中に分散した時に、セルロー
スと大部分のカラヤガムおよび分散剤は分離するが一部
のカラヤガムはセルロース表面に吸着している。セルロ
ースの基本粒子、すなわちセルロースそのものの粒子の
大きさは、それが水中で安定に懸濁するために、平均2
0μm以下であることが好ましい。セルロースの基本粒
子の大きさは、例えば水中で、約1%重量%濃度で機械
的に撹拌することにより、基本粒子が分離するので、こ
れを粒度分布計にて測定することによって求めることが
出来る。適当な粒度分布計としては、レーザー回折式粒
度分布測定装置を挙げることが出来る。この基本粒子の
70μm以上の成分は10%(体積基準、以下v%と
略)以下である。好ましくは平均粒径が10μm以下で
あって、30μm以上の成分が10v%以下である。さ
らに好ましくは平均粒径が6μm以下であって、20μ
m以上の成分が10v%以下である。特に好ましくは平
均粒径が4μm以下であって、10μm以上の成分が1
0v%以下である。平均粒径が20μmを越えると懸濁
安定性が劣る。また、70μm以上の成分が10v%を
越えて存在すると、喫食した場合、口中でザラツキ感が
著しく感じられる。平均粒径が小さいほどザラツキ感は
改良される傾向にあるが、その下限は、磨砕、粉砕の技
術及び装置により自ら限度があり、現在のところは通常
0.05μm程度と考えられる。セルロース複合体粉末
のセルロースの含量が50重量%未満だと、セルロース
の基本粒子の数が減少してしまい、安定性が低下してし
まう。また、94重量%を越えると、分散安定化に必要
なカラヤガムの量が減少するため、やはり安定性が低下
してしまう。好ましくは、60〜90重量%である。さ
らに好ましくは、70〜85重量%である。
【0010】セルロースは水中で容易に微粒子に分散で
きるものが好ましい。その例としては、結晶セルロー
ス、バクテリアセルロース等を挙げることが出来る。重
合度の高いセルロース粉末も使用できるが、サイズリダ
クションが困難であることから、基本粒子が微小となり
難く、工業的生産のためには不利である。好ましいセル
ロース原料は重合度が30〜375程度の結晶セルロー
スである。
【0011】本発明のセルロース複合体粉末は、カラヤ
ガムを5〜49重量%含有する。本発明で言うところの
カラヤガムとは、加水分解構成がラムノース/ガラクト
ース/ガラクツロン酸からなり、部分的にアセチル化さ
れ、酢酸量で10〜25重量%のものを言う。このカラ
ヤガムは5重量%以上配合することが必要である。5重
量%未満ではセルロース表面に吸着し得る量が不足し、
安定性が低下してしまう。また、49重量%を越えて配
合すると、セルロースの基本粒子の数が減少してしま
い、安定性が低下してしまう。好ましい配合量は10〜
40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%であ
る。
【0012】本発明のセルロース複合体粉末は、分散剤
を1〜30重量%含有する。本発明で言うところの分散
剤とは、水中での分散時にセルロース基本粒子の分散を
促進させるために配合するものを言う。分散剤の例とし
ては、デキストリン類(焙焼デキストリン、加水分解澱
粉等)、単糖類(キシロース、グルコース、フラクトー
ス等)、二糖類(シュークロース、トレハロース、マル
トース、ラクトース等)、糖アルコール(キシリトー
ル、マンニット、マルチトール、パラチニット等)、オ
リゴ糖類(フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆
オリゴ糖等)、アミノ酸類(グリシン、ベタイン等)、
乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル等)、油脂類(リノール酸、リノレン酸、オレイン
酸等)、等が挙げられる。好ましくはデキストリン類で
ある。特に好ましいのは加水分解澱粉である。これらの
分散剤は、1重量%以上配合することが必要である。1
重量%未満では、分散剤としての効果が発現されない。
30重量%を越えて配合するとカラヤガムの量が減少し
てしまい、安定性が低下してしまう。好ましい配合量は
5〜30重量%である。さらに好ましくは10〜20重
量%である。
【0013】セルロース原料としては、木材パルプ、精
製リンター、再生セルロース、穀物又は果実由来の植物
繊維、バクテリアセルロース等のセルロース系素材を酸
加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエク
スプロージョン分解、亜臨界水あるいは超臨界水による
加水分解等により、あるいはそれらの組み合わせにより
解重合処理して平均重合度30〜375とした結晶セル
ロースを含む低重合度セルロースや、同様のセルロース
系素材を水中で、高圧ホモジナイザー等の装置にて高速
剪断処理して製造される微小繊維状セルロースが使用で
きる。
【0014】本発明のセルロース複合体粉末の製造方法
は、一例を挙げれば、セルロース原料とカラヤガムと分
散剤を湿式で共磨砕し、次いで乾燥して製造することが
できる。
【0015】セルロース原料とカラヤガムと分散剤を湿
式で共磨砕する場合は、その水分含量によって状態が非
常に異なるので、それぞれ適当な磨砕機を選択する必要
がある。例えば水分の比較的高い、ゲル状からスラリー
状を呈するものを磨砕する場合は回転円筒式ミル、振動
ボールミル、遠心式ボールミル、媒体撹拌式ミル、コロ
イドミル、高圧ホモジナイザー、等を使用することが好
ましい。また、水分の比較的少ない、餅状を呈するもの
はニーダー、プラネタリーミキサー、押出機、等を使用
することが好ましい。これらの装置を用いて、平均粒径
は20μm以下で、かつ、70μm以上の成分が10v
%以下となるように磨砕を行う。セルロースの粒子径は
より小さいことが好ましく、その具体的な態様は前述の
通りである。
【0016】次に、このようにして得られたものを乾燥
する。本発明において乾燥とは、製品の水分を10重量
%以下に下げる操作を意味する。この場合、やはりその
水分含量によって状態が非常に異なるので、それぞれ適
当な乾燥方法を選択する必要がある。例えば水分含量の
比較的高い、スラリー状あるいはゲル状を呈するものを
乾燥する場合は液滴か、あるいはフィルム状にして乾燥
することが好ましい。装置としてはスプレードライヤ
ー、ベルトドライヤー、ドラムドライヤー、ディスクド
ライヤー等を使用することが出来る。また、凍結乾燥法
も適当な乾燥方法である。水分含量の比較的低い、餅状
を呈する場合は棚段乾燥機、ベルトドライヤー、流動乾
燥機、凍結乾燥機、真空マイクロ波加熱乾燥機等が使用
できる。必要に応じて、ピンミル、ハンマーミル、ジェ
ットミル、フラッシュミル等を使用して粉砕する。得ら
れた粉末は1mm以上の粒子が10重量%以下、好まし
くは500μm以上の粒子が10重量%以下である。
【0017】本発明のパルスNMRで測定した緩和時間
2,Lの値が400〜480μsの範囲とは、セルロー
スとカラヤガムと分散剤から成る粉末を水分率8.0±
0.5重量%に調整し、30℃で25MHz相当のパル
スNMRによりSolidecho法を用い1H核の横
緩和時間T2を測定した場合に、下記式によって表され
る待ち時間tと磁化Mtの関係式によって最適化計算し
て得られる最適化係数の一つであるT2,Lが400〜4
80μsであることを意味する。
【0018】Mt=M0[XGexp{−(t/T2,G2
/2}+(1−XG)×exp(−t/T2,L)] P.Mansfield et.al.,Phys.R
ev.137,A9 61(1965) (但し、M0は緩和がほぼ終了した際の磁化であり、T
2,G、T2,L、XG及びM0はいずれも最適化計算に用いる
最適化係数である。) ここでパルスNMR測定においては、データ観測幅を
1.0ms(ミリ秒)とし、3.0s(秒)以上の遅延
時間(Delay Time)をとるものとする。ま
た、データ積算回数を16回以上行うものとする。これ
らの解析の結果得られる、T2,Gを持つ成分は分子運動
論的に固体の状態にあるセルロースおよびカラヤガムの
1H核に対応している。これに対し、T2,Lの値はT2,G
の50倍近く長い値を持ち、複合体固体中に吸着された
水に対応すると考えられる(例えば、H.Ono e
t.al.,CELLULOSE,4,57(199
7))。一般に、T2が大きな値を持つほど、対象とし
ている1H核は速い分子運動性を有することが知られて
いるので、同一条件でセルロースとカラヤガムと分散剤
から成る複合体粉末のT2,Lを比較すると、複合体粉末
中に含まれる吸着水がポリマーとの相互作用により束縛
されているものほど短いT2,Lの値を示すことになる。
定性的には、セルロース複合体粉末中で、セルロース粒
子の間にカラヤガムがより高度に分散しているものほど
水分子はよりミクロなレベルで分散しており、この結果
強い束縛を受けると考えられ、短いT2,Lを示す。この
ような短いT2,Lを持つ粉末において水分散体としたと
きに高度な安定性を示す。
【0019】具体的には、緩和時間T2,Lの値が480
μsを越える場合には、低pH、高塩濃度、加熱処理な
どの過酷条件にて、分散安定性が低下してしまう。分散
安定性の向上のためには緩和時間T2,Lの値が400〜
480μsの範囲であることが必要である。好ましくは
緩和時間T2,Lの値が430〜480μsの範囲であ
る。特に好ましくは450〜480μsの範囲である。
何故ならば、緩和時間T 2,Lの値が400μs未満で
は、セルロース表面へのカラヤガムの吸着が強固で、水
受容性が極端に低下すると思われ、これを使ったセルロ
ース複合体粉末の水分散液から沈降が生じ、分散安定性
が低下してしまうからである。特にT2,Lの値が400
〜480μsの範囲では、セルロース表面へのカラヤガ
ムの吸着や分散状態が最適で、セルロース表面をカラヤ
ガムが適度に保護し、この保護作用により、極めて安定
化機能が高いものと推定される。
【0020】本発明のセルロース複合体粉末はセルロー
スとカラヤガムと分散剤から成るセルロース複合体の粉
末を加熱処理することにより得られる。ここで言う加熱
処理とは、水分10重量%以下の物質を100℃以上の
温度に保持することを意味する。より高温で水分率2重
量%以下の低水分率となるように加熱処理すれば短時間
で緩和時間T2,Lの値400〜480μsの範囲のもの
が得られる。処理時間は15分から20時間程度であ
り、温度との兼ね合いで決定される。例えば、100℃
では、4〜20時間程度、130℃では、15分〜6時
間程度の加熱処理が適当である。
【0021】本発明のセルロース複合体粉末は、種々の
食品に使用できる。例を挙げると、コーヒー、紅茶、抹
茶、ココア、汁粉、ジュース等の嗜好飲料、生乳、加工
乳、乳酸菌飲料、豆乳等の乳性飲料、カルシウム強化飲
料等の栄養強化飲料並びに食物繊維含有飲料等を含む各
種の飲料類、アイスクリーム、アイスミルク、ソフトク
リーム、ミルクシェーキ、シャーベット等氷菓類、バタ
ー、チーズ、ヨーグルト、コーヒーホワイトナー、ホイ
ッピングクリーム、カスタードクリーム、プリン等の乳
製品類、マヨネーズ、マーガリン、スプレッド、ショー
トニング等の油脂加工食品類、各種のスープ、シチュ
ー、ソース、タレ、ドレッシング等の調味料類、練りか
らしに代表される各種練りスパイス、ジャム、フラワー
ペーストに代表される各種フィリング、各種のアン、ゼ
リーを含むゲル、ペースト状食品類、パン、麺、パス
タ、ピザ、各種プレミックスを含むシリアル食品類、キ
ャンディー、クッキー、ビスケット、ホットケーキ、チ
ョコレート、餅等を含む和、洋菓子類、蒲鉾、ハンペン
等に代表される水産練り製品、ハム、ソーセージ、ハン
バーグ等に代表される畜産製品、クリームコロッケ、中
華用アン、グラタン、ギョーザ等の各種の惣菜類、塩
辛、カス漬等の珍味類、ペットフード類及び経管流動食
類等である。
【0022】本発明のセルロース複合体粉末は、これら
の用途において、懸濁安定剤、乳化安定剤、増粘安定
剤、泡安定剤、クラウディー剤、組織付与剤、流動性改
善剤、保形剤、離水防止剤、生地改質剤、粉末化基剤、
食物繊維基剤、油脂代替などの低カロリー化基剤として
作用するものである。また、上記の食品がレトルト食
品、粉末食品、冷凍食品、電子レンジ用食品等、形態ま
たは用時調整の加工手法が異なっていても本発明の効果
は発揮される。特にレトルト殺菌を施す食品、特に飲料
において優れた機能を発揮する。
【0023】本発明のセルロース複合体粉末を食品に使
用する場合、各食品の製造で一般に行われる方法と同様
の機器を使用して、主原料の他、必要に応じて、香料、
pH調整剤、増粘安定剤、塩類、油脂類、蛋白類、乳化
剤、酸味料、色素等と配合して、混合、混練、撹拌、乳
化、加熱等の操作を行えばよい。
【0024】食品中での本発明のセルロース複合体粉末
の配合量は、食品の種類等により異なるが、食品全体に
対して0.01〜15重量%程度が好ましい。安定剤と
しての機能を主に考える場合、0.02〜3重量%程度
が好ましい。また、食物繊維素材、油脂代替素材として
主に考える場合は、0.5〜15重量%程度が好まし
い。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0026】なお、測定は以下の通り行った。
【0027】<パルスNMRによる緩和時間T2,L> (1)試料5.0gをアルミ皿に入れ、20℃で59〜
60%RHの恒温恒湿の雰囲気中に放置し、水分率8.
0±0.5重量%になるように調湿を行う。
【0028】(2)水分調整した(1)の試料をNMR
試料管(日本電子製:10mmφ×180mm)に約
0.5g入れる。
【0029】(3)パルスNMR(日本電子製:JNM
−Mu25)にて緩和時間T2,Lを測定する。その時の
測定条件は、Solid echo法にて、測定温度:
30℃、周波数:25MHz、パルス幅:2.0μs/
90°、データ取込み時間(Acquisition
Time):1.0s、遅延時間(DelayTim
e):3.0s、データ観測幅:1.0ms、データ点
数:1000、積算回数:16回である。
【0030】(4)緩和時間T2,Lは下記式の最適化計
算にて求める。(例を図1に示す) Mt=M0[XGexp{−(t/T2,G2/2}+(1
−XG)×exp(−t/T2,L)] (但し、M0は緩和がほぼ終了した際の磁化であり、T
2,G、T2,L、XG及びM0はいずれも最適化計算に用いる
最適化係数である。) <水分率> (1)自動水分計(kett製)を使い、試料1.0g
(Ws)を試料皿に入れ、温度120℃で乾燥させ、下
記式にて乾燥減量(Wo)から水分率(f)を求める。
【0031】 f=100×(Ws−Wo)/Ws (%) <耐熱分散安定性> (1)試料(固形分)3.0gに蒸留水を入れ、全量を
300gとする。
【0032】(2)エースホモジナイザー(日本精機
製:AM−T)にて15000rpmで5分間分散す
る。
【0033】(3)耐熱瓶(300ml)に(2)を2
00g入れ、温浴中で80℃の60分間加熱処理を行
う。
【0034】(4)25℃で24時間静置後、離水状態
を観察し、下記の指標で判定する。
【0035】 ◎:離水率0〜5%未満 ○:離水率5%以上〜10%未満 △:離水率10%以上〜50%未満 ×:離水率50%以上 但し、離水率とは、耐熱瓶中の水分散液が上層(希薄
層)と下層(濃厚層)に分離する時の上層部の体積%を
言う。
【0036】離水率%=[分離した上層部の体積/全水
分散液の体積]×100 <耐酸性> (1)上記と同様にして、試料1%水分散液を調製し、
さらに、これをクエン酸にてpH3.0に調整し、7日
間室温に静置して、離水と凝集状態を観察し、下記の指
標で判定する。
【0037】 ○:離水、凝集なし ×:離水、凝集あり 実施例1 市販DPパルプを2.5M塩酸中で105℃で15分間
加水分解して得られた酸不溶性残渣をろ過、洗浄し、重
合度190の加水分解セルロースのウエットケーク(固
形分含有46重量%)を得た。次に、この加水分解セル
ロースを80重量%とカラヤガムを10重量%と加水分
解澱粉を10重量%の割合で配合し、ニーダーを用いて
3時間磨砕混練した。さらにこれをほぐして60℃の熱
風乾燥機で乾燥した後、粉砕した。得られた粉末の水分
は5〜8重量%だった。さらにこのセルロース複合体の
粉末を乾燥機で、(A)100℃で7時間加熱処理、
(B)120℃で2時間加熱処理、(C)140℃で3
0分加熱処理して、セルロース複合体粉末(A)〜
(C)を得た。得られたセルロース複合体粉末の調湿後
の水分率とパルスNMRでの緩和時間T2,L、及び水に
分散した時の耐熱安定性と耐酸性を表1に示す。
【0038】実施例2 実施例1と同様に操作し、重合度190の加水分解セル
ロースのウエットケーク(固形分含有46重量%)を得
た。次に、この加水分解セルロースを68重量%とカラ
ヤガムを20重量%と加水分解澱粉12重量%の割合で
配合し、ニーダーを用いて3時間磨砕混練した。さらに
これをほぐして60℃の熱風乾燥機で乾燥した後、粉砕
した。得られた粉末の水分は5〜8重量%だった。さら
にこのセルロース複合体の粉末を乾燥機で、(D)10
0℃で7時間加熱処理、(E)120℃で2時間加熱処
理、(F)140℃で30分加熱処理して、セルロース
複合体粉末(D)〜(F)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0039】実施例3 実施例1と同様に操作し、重合度190の加水分解セル
ロースのウエットケーク(固形分含有46重量%)を得
た。次に、この加水分解セルロースを55重量%とカラ
ヤガムを30重量%と加水分解澱粉15重量%の割合で
配合し、ニーダーを用いて3時間磨砕混練した。さらに
これをほぐして60℃の熱風乾燥機で乾燥した後、粉砕
した。得られた粉末の水分は5〜8重量%だった。さら
にこのセルロース複合体の粉末を乾燥機で、(G)10
0℃で7時間加熱処理、(H)120℃で2時間加熱処
理、(I)140℃で30分加熱処理して、セルロース
複合体粉末(G)〜(I)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0040】比較例1 加熱処理を行わない以外は、実施例1と同様に操作し、
加水分解セルロースを80重量%とカラヤガムを10重
量%と加水分解澱粉を10重量%の割合で配合した、セ
ルロース複合体粉末(J)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0041】比較例2 加熱処理を行わない以外は、実施例2と同様に操作し、
加水分解セルロースを68重量%とカラヤガムを20重
量%と加水分解澱粉を12重量%の割合で配合した、セ
ルロース複合体粉末(K)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0042】比較例3 加熱処理を行わない以外は、実施例3と同様に操作し、
加水分解セルロースを55重量%とカラヤガムを30重
量%と加水分解澱粉を15重量%の割合で配合した、セ
ルロース複合体粉末(L)を得た。得られたセルロース
複合体粉末の調湿後の水分率とパルスNMRでの緩和時
間T2,L、及び水に分散した時の耐熱分散安定性と耐酸
性を表1に示す。
【0043】実施例4 セルロース複合体粉末を懸濁安定剤等の目的で配合し、
ココア飲料を作成した。まず、セルロース複合体粉末
(B)0.3重量%、ココア末0.5重量%、砂糖5.
0重量%、全脂粉乳0.8重量%、食塩0.05重量
%、ステアリン酸モノグリセリド0.2重量%を75℃
の温水(93.15重量%)中に加え、TKホモミキサ
ー(特殊機化工業製)を用いて8000rpmで10分
間分散した後、ホモジナイザー(マントンゴーリン社
製)を用いて、一回目150kg/cm 2、二回目20
0kg/cm2の圧力で2パスさせて、均質化した。続
いて、耐熱瓶に充填した後、オートクレーブを用いて、
121℃で30分間殺菌し、ココア飲料を得た。
【0044】このココア飲料を、100ml容の、目盛
と栓のついたガラス製沈降管にて25℃で7日間静置し
た時のココア末の分散量は100%であり、層分離は生
じなかった。また、沈降物も確認されなかった。
【0045】実施例5 懸濁安定剤としてセルロース複合体粉末(B)のかわり
に、セルロース複合体粉末(H)を用いる以外は実施例
4と同様に操作し、ココア飲料を得た。このココア飲料
を25℃7日間静置後のココア末の分散量は95%だっ
た。この沈降物を再分散させるために必要な振とう回数
(沈降管を倒立させ、それを元に戻す操作を1回と数え
る)は1回だった。
【0046】比較例4 懸濁安定剤としてセルロース複合体粉末(B)のかわり
に、セルロース複合体粉末(J)を用いる以外は実施例
4と同様に操作し、ココア飲料を得た。このココア飲料
を25℃7日間静置後のココア末の分散量は23%であ
り、この沈降物を再分散させるために必要な振とう回数
は3回だった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明のセルロース複合体粉末は、水に
分散したときに、極めて安定な分散状態を形成する性質
を有する。そのため、該複合体粉末を配合して成る食品
は顕著な懸濁安定性、乳化安定性、泡安定性、保形性、
離水防止性を示し、特に加熱環境、低pH環境、高塩濃
度環境においてもその機能を発揮する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】T2,L緩和曲線(Mt vs t)の測定デー
タと最適化計算によるフィッティング曲線(実線)の例
を示すもので、下図は部分拡大図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50〜94重量%のセルロースと5〜4
    9重量%のカラヤガムと1〜30重量%の分散剤から成
    る粉末であり、かつ、その水分率を8.0±0.5重量
    %に調整した同粉末試料について、30℃で25MHz
    相当のパルスNMRによりSolid echo法を用
    1H核の横緩和時間T2を測定した場合に、下記式によ
    って表される待ち時間tと磁化Mtの関係式によって最
    適化計算を行って得られる緩和時間T2,Lの値が400
    〜480μsの範囲であることを特徴とするセルロース
    複合体粉末。 Mt=M0[XGexp{−(t/T2,G2/2}+(1
    −XG)×exp(−t/T2,L)] (但し、M0は緩和がほぼ終了した際の磁化であり、T
    2,G、T2,L、XG及びM0はいずれも最適化計算に用いる
    最適化係数である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセルロース複合体粉末を
    配合して成ることを特徴とする食品組成物。
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