JP3520600B2 - エアロゲルの製法 - Google Patents

エアロゲルの製法

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勝 横山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカの多孔質骨格か
らなるエアロゲルの製法に関し、詳しくは、例えば、採
光性、光透過性、透明性及び高断熱性等を同時に要求さ
れる、太陽光集熱に有用な光透過性断熱材、住宅用開口
部断熱材、炉等に代表される高温装置用のぞき窓等の様
々な用途に用いることができ、また、通常の液体、固体
では実現し得ない小さい屈折率(具体的には1.001
〜1.17)を有するため、高エネルギー物理学分野で
は、クオークを分析するためのチェレンコフ検出装置の
媒体として有用な材料でもあるエアロゲルの製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、屈折率、密度、熱伝導率などが非
常に小さく、かつ、光透過性を有する材料として、シリ
カからなるエアロゲルが知られている。このエアロゲル
は、アルコキシシラン(シリコンアルコキシド、アルキ
ルシリケート等とも称される)を加水分解、重合して得
られるシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、
アルコ−ル、又は液化二酸化炭素等の溶媒(分散媒)の
存在下で、この溶媒の臨界点以上の超臨界状態で乾燥す
ることにより製造することができる。また、ケイ酸ナト
リウムを原料として同様にゲル状化合物を得、このゲル
状化合物を超臨界乾燥することによっても製造すること
ができる。このような製造方法により得られるエアロゲ
ルは、例えば、光透過性を有する断熱材料等として有用
な素材である。
【0003】しかし、このようなエアロゲルを得るため
には、その製造過程で、ゲル状化合物の構造を破壊する
ことなく、その中の溶媒を除去する必要があり、そのた
め、上記の方法のように、溶媒の超臨界状態でこれを除
去する、いわゆる超臨界乾燥法が用いられている。とこ
ろが、前記のようなシリカエアロゲルは吸湿性に優れて
いるため、経時的に水分を吸着し、性能の劣化や収縮を
起こす傾向にあった。また、このようなエアロゲルは非
常に密度が小さく、強度が小さいため、取り扱いが非常
に困難で、割れたり壊れたりしやすいといった欠点も有
していた。このエアロゲルの強度を向上させることを目
的として、または、チェレンコフ検出装置における分析
範囲拡大を図り、エアロゲルの密度を大きくすることが
検討されてきたが、従来の方法では、密度で0.3g/
cc程度、屈折率で1.06程度が限界であった。ま
た、エアロゲルの作製段階の中で、ゲル状化合物を緩や
かに風乾させて収縮を起こさせることにより、高密度な
シリカキセロゲルを作製することも検討されたが、この
方法は、非常に多大な時間を要すること、また収縮やク
ラック発生を伴うため、製品設計が困難なことなど問題
点が多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事実に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、透明
性、断熱性等を維持しつつ、密度及び屈折率の大きいエ
アロゲルの製法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エアロゲルの製法は、縮重合性を有するアルコキシシラ
ンのオリゴマーを加水分解したゾルを縮重合反応により
ゲル化させることによってゲル状化合物とし、このゲル
状化合物に超臨界乾燥を施すことによりエアロゲルを製
造するエアロゲルの製法において、前記ゾルの調製をす
る際に混合する水の量を、加水分解及び縮重合反応に必
要な理論量未満にすることを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2に係るエアロゲルの製法
は、前記ゾルの調製をする際に混合する水の量を、加水
分解及び縮重合反応に必要な理論量の0.3倍乃至1倍
未満にすることを特徴とする。
【0007】本発明の請求項3に係るエアロゲルの製法
は、前記アルコキシシランのオリゴマーが平均分子量が
250〜700のテトラメトキシシランのオリゴマーで
あることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項4に係るエアロゲルの製法
は、前記アルコキシシランのオリゴマーが平均分子量が
300〜900のテトラエトキシシランのオリゴマーで
あることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項5に係るエアロゲルの製法
は、前記ゲル状化合物に疎水化剤を用いて疎水化処理を
も施すことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項6に係るエアロゲルの製法
は、前記疎水化剤が、アルキル基又はフェニル基を有す
るトリアルコキシシシラン、ジアルコキシシラン、トリ
クロロシラン及びジクロロシランの群から選択される少
なくとも1種である重合性を有する有機シランであるこ
とを特徴とする。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるアルコキシシランとは、下記の一般式で表され
るアルコキシシランのオリゴマーである。
【0012】
【化1】
【0013】前記の一般式で表されるアルコキシシラ
ンのオリゴマーとしては、重合度が10(以下重合度が
nのものはn量体と記す。)以下であることが好ましい
が、無色透明な液状であれば、これに限定されない。前
記アルコキシシランのオリゴマーは、この重合度が均一
な化合物である必要はなく、重合度の分布が存在したり
分子構造が鎖状、分岐状及び環状で混在していても構わ
ない。物質としての安定性や、ゲル状化合物を作製する
ための反応時間を考慮すれば、2〜6量体のものが好ま
しい。前記アルコキシシランのオリゴマー内のRはアル
キル基、フェニル基を表し、中でも、メチル基(−CH
3 )、エチル基(−C2 5 )が好ましい。具体的には
メトキシシランのオリゴマーの場合には平均分子量が2
50〜700、エトキシシランのオリゴマーの場合には
平均分子量が300〜900のオリゴマーが好ましい。
【0014】本発明で前記アルコキシシランを効率よく
加水分解し、縮重合を行うためには、このアルコキシシ
ランを含む反応溶液に、予め触媒を添加しておくことが
好ましい。このような触媒としては、酸性触媒、塩基性
触媒等が挙げられる。具体的に述べると、酸性触媒とし
ては、塩酸、クエン酸、硝酸、硫酸、フッ化アンモニウ
ム等が用いられ、塩基性触媒としては、アンモニア、ピ
ペリジン等が用いられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0015】アルコキシシランの加水分解、縮重合に用
いられる溶媒としては、通常、原料となるアルコキシシ
ランと水とを均一に溶解混合するために、アルコ−ル、
アセトン等が用いられるが、これらに限定されるわけで
はなく、アルコキシシランと水との両方が溶解しやすい
溶媒であればよい。しかし、ゲル状化合物の生成過程の
加水分解反応でアルコ−ルが生成すること、また、超臨
界乾燥のことを考慮すると、溶媒としては、アルコール
が好ましい。
【0016】本発明に係るエアロゲルパネルの製法は、
前記ゾルの調製をする際に混合する水の量を、加水分解
及び縮重合反応に必要な理論量未満にする。すなわち、
前記の一般式で表されるアルコキシシランのオリゴマ
ー1モルに対して、水を(2n+2)未満の量だけ混合
し、さらにオリゴマーと水とを溶解する最小量の溶媒を
混合して上記オリゴマーの加水分解、重合によってゲル
状化合物を得る。
【0017】ゾル調製の際のオリゴマー、水、溶媒の配
合比については、要求されるエアロゲルの密度、屈折
率、透明性など性能によって適宜選択される。一般に、
本発明で目的とするような透明性に優れたエアロゲルを
作製するためには、オリゴマーのアルコキシル基を加水
分解すべき量に相当する理論モル量よりやや多くの水を
添加することが好ましい。しかし、水とオリゴマーとを
溶解させるためにはこの両者の混合比に応じた量の溶媒
が不可欠であり、本発明の大きな目的である高密度化に
は限界があった。具体的には密度で0.3g/cc、屈
折率で1.07程度が作製できる限界であった。本発明
によるエアロゲルの製法においては、オリゴマーに対す
る水の添加量を前記理論量未満にし、さらに添加する溶
媒の量をオリゴマーと水とを溶解させるために必要な最
小量とする。さらには最終的に要求されるエアロゲルの
透明性に応じて、添加する触媒の量を調整するものであ
る。ここでオリゴマーに対する水の添加量は前記理論量
未満であれば特には限定されないが、好ましくは理論量
の0.3倍以上1.0倍未満程度が有効である。
【0018】以上のようにして調製したゾルを放置する
ことでゲル状化合物を得る。次に、このゲル状化合物に
対して、疎水化剤を用いて疎水化処理を行うことが望ま
しい。疎水化剤は、重合性を有する有機シラン化合物で
あり、ゲル状化合物が有するシラノール基に対して反応
する官能基と疎水基を有しているものを用いる。シラノ
ール基に対して反応する官能基としては、例えば、ハロ
ゲン、アルコキシル基及び水酸基が挙げられる。疎水基
としては、例えば、アルキル基、フェニル基、及びそれ
らのフッ化物等が挙げられる。下記の一般式で表され
る有機シラン化合物による疎水化処理を施した後に、分
散媒の存在下で、この分散媒の臨界点以上の超臨界条件
で乾燥することによりエアロゲルを得る。
【0019】
【化2】
【0020】前記有機シラン化合物は、アルキル基又は
フェニル基を有するトリアルコキシシシラン、ジアルコ
キシシラン、トリクロロシラン及びジクロロシランの群
から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
さらに疎水化剤の構造式としては前記一般式に記した
ような2官能又は3官能の有機シラン化合物を用いる。
具体的には、2官能のものとしては、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ
クロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニル
メチルジクロロシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルシランジオールなどの有機シラン化合物
が挙げられ、3官能のものとしては、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロ
ロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロ
ロシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシ
ルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン
等の有機シラン化合物が挙げられる。ここで疎水化剤
は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよ
い。
【0021】疎水化剤が上記のような重合性を有する有
機シラン化合物の場合、疎水化剤が、ゲル状化合物内の
シリカ表面と反応しながらシリカ表面において重合成長
するため、最終的に得られるエアロゲルの高密度化、高
屈折率化をさらに助長する。さらに、十分な疎水性をエ
アロゲルに付与させ、湿度による経時的な性能劣化のな
いエアロゲルが得られる効果がある。
【0022】ここで、疎水化処理は、超臨界乾燥を行う
前に予め液体を媒体として行うか、後述する超臨界乾燥
中に超臨界流体を媒体として行う。これらの媒体として
は、疎水化剤との反応性が低く、かつ、疎水化剤を溶解
するものであればよく、特に限定されない。反応につい
ては必要に応じて加熱を行う。
【0023】超臨界乾燥を行う際に用いられる溶媒とし
ては、特に限定されないが、例えば、エタノ−ル、メタ
ノ−ル、イソプロパノール、ジクロロジフルオロメタ
ン、二酸化炭素、水等の単独系または2種以上の混合系
を挙げることができる。混合系ではなく単一の溶媒で超
臨界乾燥を行う場合は、一般的にはオ−トクレ−ブ中に
溶媒と、同一の溶媒に溶媒置換を行ったゲル状化合物を
一緒に入れ、その溶媒の臨界点以上の温度、圧力まで上
昇させた後に溶媒を徐々に除き、最終的に常温常圧の状
態に戻すことによって乾燥を終了する。また、2種以上
の混合系で超臨界乾燥を行う場合は、乾燥容器内でその
混合系での超臨界状態になるよう設定した温度、圧力ま
で上昇させる方法、乾燥容器内でゲル状化合物の第1の
溶媒から超臨界状態にしたい第2の溶媒に置換し、ほぼ
溶媒置換を完結させてから、第2の溶媒の超臨界状態で
溶媒を除去する方法等がなされている。ここでは特に、
二酸化炭素が第2の溶媒として有用である。この様にし
て得たゲル状化合物を、分散媒の存在下で、この分散媒
の臨界点以上の超臨界条件で乾燥することによりエアロ
ゲルを得る。
【0024】本発明に係るエアロゲルの製法による高密
度のエアロゲルは、従来のエアロゲルと同様、非常に微
細なシリカ粒子からなる構造体で、その粒子径は光の波
長よりもはるかに小さく空隙構造も非常に均質であるこ
とから、多孔体であるにもかかわらず透明性を有する。
ここで光透過性とは、例えば、可視光波長領域等に対す
る視覚的な透明性や、赤外領域に対する透過性である
が、これに限定されない。しかも疎水性を有するため耐
湿性に優れ、性能や寸法が経時的に安定な材料である。
さらに、本発明に係るエアロゲルの製法によれば、従来
では作製が困難であった大きな密度、具体的には0.3
〜0.7g/ccの高密度なエアロゲルが作製できる。
この高密度のエアロゲルは強度も優れるため取り扱い性
が容易であることに加え、高エネルギー物理学分野での
チェレンコフ検出器用媒体として有用な材料である。
【0025】
【作用】本発明の請求項1乃至請求項4に係るエアロゲ
ルの製法は、例えば、平均分子量が250〜700のテ
トラメトキシシランのオリゴマー又は平均分子量が30
0〜900のテトラエトキシシランのオリゴマーのよう
なアルコキシシランのオリゴマーを用い、かつ、ゾルの
調製をする際に混合する水の量を、加水分解及び縮重合
反応に必要な理論量の例えば、0.3倍乃至1倍未満に
するので、溶媒量も減らすことができ、エアロゲルが高
密度になる。
【0026】本発明の請求項5及び請求項6に係るエア
ロゲルの製法は、前記ゲル状化合物に疎水化剤を用いて
疎水化処理をも施し、前記疎水化剤が、アルキル基又は
フェニル基を有するトリアルコキシシシラン、ジアルコ
キシシラン、トリクロロシラン及びジクロロシランの群
から選択される少なくとも1種である重合性を有する有
機シランであるので、エアロゲルが、疎水性を有し、さ
らに、高密度、高屈折率になる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0028】以下に、この発明の具体的な実施例及び比
較例を示すが、この発明は、下記実施例に限定されるも
のではない。
【0029】(実施例1)平均分子量470、平均重合
度4及び平均1分子あたりメトキシ基を10個含有する
テトラメトキシシランのオリゴマー〔コルコート株式会
社製;商品名メチルシリケート51〕に、エタノール、
及び0.075Nアンモニア水とを室温で混合し、モル
比で前記オリゴマー:エタノール:水=1:3:5の、
混合比の反応溶液(以下、ゾルと称する)を得た。
【0030】前記ゾルを直径51mmの円形容器に流し
込んだ。その後、室温で約10分静置させて、ゾルがゲ
ル化するのを待った。さらに室温で1日間放置した後、
このゲル状化合物を容器から取り出して、直径51mm
で厚み10mmの円盤状ゲル状化合物を得た。
【0031】次に、ゲル状化合物を高圧容器内に入れ、
エタノールを満たした。この容器内に18℃、55kg
/cm2 の二酸化炭素を添加し、ゲル内および容器内の
エタノ−ルを二酸化炭素に置換した。その後、容器内を
二酸化炭素の超臨界条件である、80℃、160kg/
cm2 にし、超臨界乾燥(溶媒除去) を2時間行った。
その後、超臨界状態の二酸化炭素を流通した後に減圧
し、ゲル状化合物に含まれるエタノールを除去し、直径
51mm厚み10mmの多孔質骨格からなる疎水性のエ
アロゲル試料を得た。
【0032】得られたエアロゲルの試料を用いて、エア
ロゲルの嵩密度、光屈折率及び可視光透過率を測定し、
その結果を表1に示した。
【0033】ここで、可視光透過率は、可視光域の光透
過率分布を測定し、可視光透過率をJIS−R3106
に基づいて求め、光屈折率は、波長534nmのレーザ
ー光で測定した。
【0034】(実施例2)実施例1において、直径51
mmで厚み10mmの円盤状ゲル状化合物を得た後に、
疎水化溶液として、疎水化剤処理媒体がエタノールであ
るメチルトリメトキシシラン〔トーレダウコーニングシ
リコーン株式会社製;商品名AY43−043〕の2.
4モル/リットルエタノール溶液を調製し、この疎水化
溶液中に上記ゲル状化合物を浸漬し、室温で1週間放置
し、さらにゲル状化合物を疎水化溶液から取り出し、エ
タノール洗浄を行った後に、このゲル状化合物を高圧容
器内に入れ、エタノールを満たした以外は、実施例1と
同様にして、直径51mm厚み10mmのエアロゲル試
料を得て、エアロゲルの嵩密度、光屈折率及び可視光透
過率を測定し、その結果を表1に示した。
【0035】(実施例3)実施例2において、疎水化剤
としてメチルトリメトキシシランの代わりに、n−ヘキ
シルトリメトキシシランを用いた以外は、実施例2と同
様にして、直径51mm厚み10mmのエアロゲル試料
を得て、エアロゲルの嵩密度、光屈折率及び可視光透過
率を測定し、その結果を表1に示した。
【0036】(実施例4)平均分子量470、平均重合
度4及び平均1分子あたりメトキシ基を10個含有する
テトラメトキシシランのオリゴマー〔コルコート株式会
社製;商品名メチルシリケート51〕に、エタノール、
及び0.015Nアンモニア水とを室温で混合し、モル
比で前記オリゴマー:エタノール:水=1:5:10
の、混合比のゾルを得た。
【0037】前記ゾルを直径51mmの円形容器に流し
込んだ。その後、室温で約40分静置させて、ゾルがゲ
ル化するのを待った。さらに室温で1日間放置した後、
このゲル状化合物を容器から取り出して、直径51mm
で厚み10mmの円盤状ゲル状化合物を得た。
【0038】次に、ゲル状化合物を高圧容器内に入れ、
エタノールを満たした。この容器内に18℃、55kg
/cm2 の二酸化炭素を添加し、ゲル内および容器内の
エタノ−ルを二酸化炭素に置換した。その後、容器内を
二酸化炭素の超臨界条件である、80℃、160kg/
cm2 にし、超臨界乾燥(溶媒除去) を2時間行った。
次いでこの高圧容器内に160kg/cm2 でジメチル
ジメトキシシラン〔トーレダウコーニングシリコーン株
式会社製;商品名AY43−004〕を注入し、80℃
のまま1夜間放置した。その後、超臨界状態の二酸化炭
素を流通した後に減圧し、ゲル状化合物に含まれるエタ
ノールを除去し、直径51mm厚み10mmの多孔質骨
格からなる疎水性のエアロゲル試料を得た。
【0039】得られたエアロゲルの試料を用いて、エア
ロゲルの嵩密度、光屈折率及び可視光透過率を測定し、
その結果を表1に示した。
【0040】(比較例1)実施例1において、モル比で
オリゴマー:エタノール:水=1:9:20にした以外
は、実施例1と同様にして、直径51mm厚み10mm
のエアロゲル試料を得て、エアロゲルの嵩密度、光屈折
率及び可視光透過率を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0041】試料の主な内容及び測定結果を表1に示し
た。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果、実施例のエアロゲルは、光透
過性を有しており、かつ比較例に比べて、光屈折率及び
密度が大きいことが確認できた。
【0044】本発明に係るエアロゲルの製法によって得
られるエアロゲルは、断熱性等、多孔質材料に特有の機
能を有しながら、かつ光透過性を有するというエアロゲ
ルの特徴を保持しており、さらに、従来になかった大き
な密度を有している。この高密度化は、従来のエアロゲ
ルの欠点のひとつであった取扱いの困難性を改善できる
ものである。特に高密度化による屈折率の増大は、高エ
ネルギー物理学分野でのチェレンコフ検出器用媒体とし
ての応用範囲を拡大できるものである。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1乃至請求項4に係るエ
アロゲルの製法によると、平均分子量が250〜700
のテトラメトキシシランのオリゴマー又は平均分子量が
300〜900のテトラエトキシシランのオリゴマーの
ようなアルコキシシランのオリゴマーを用い、かつ、ゾ
ルの調製をする際に混合する水の量を、加水分解及び縮
重合反応に必要な理論量の0.3倍乃至1倍未満にする
ので、溶媒量も減らすことができ、高密度のエアロゲル
が得られる。
【0046】本発明の請求項5及び請求項6に係るエア
ロゲルの製法によると、前記ゲル状化合物に疎水化剤を
用いて疎水化処理をも施し、前記疎水化剤が、アルキル
基又はフェニル基を有するトリアルコキシシシラン、ジ
アルコキシシラン、トリクロロシラン及びジクロロシラ
ンの群から選択される少なくとも1種である重合性を有
する有機シランであるので、疎水性を有し、さらに、高
密度、高屈折率のエアロゲルが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−135712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/00 - 83/16 C08G 77/00 - 77/62

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮重合性を有するアルコキシシランのオ
    リゴマーを加水分解したゾルを縮重合反応によりゲル化
    させることによってゲル状化合物とし、このゲル状化合
    物に超臨界乾燥を施すことによりエアロゲルを製造する
    エアロゲルの製法において、前記ゾルの調製をする際に
    混合する水の量を、加水分解及び縮重合反応に必要な理
    論量未満にすることを特徴とするエアロゲルの製法。
  2. 【請求項2】 前記ゾルの調製をする際に混合する水の
    量を、加水分解及び縮重合反応に必要な理論量の0.3
    倍乃至1倍未満にすることを特徴とする請求項1記載の
    エアロゲルの製法。
  3. 【請求項3】 前記アルコキシシランのオリゴマーが平
    均分子量が250〜700のテトラメトキシシランのオ
    リゴマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のエアロゲルの製法。
  4. 【請求項4】 前記アルコキシシランのオリゴマーが平
    均分子量が300〜900のテトラエトキシシランのオ
    リゴマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のエアロゲルの製法。
  5. 【請求項5】 前記ゲル状化合物に疎水化剤を用いて疎
    水化処理をも施すことを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載のエアロゲルの製法。
  6. 【請求項6】 前記疎水化剤が、アルキル基又はフェニ
    ル基を有するトリアルコキシシシラン、ジアルコキシシ
    ラン、トリクロロシラン及びジクロロシランの群から選
    択される少なくとも1種である重合性を有する有機シラ
    ンであることを特徴とする請求項5記載のエアロゲルの
    製法。
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