JP3518151B2 - 白熱電球および反射形照明装置 - Google Patents

白熱電球および反射形照明装置

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JP3518151B2 JP07241896A JP7241896A JP3518151B2 JP 3518151 B2 JP3518151 B2 JP 3518151B2 JP 07241896 A JP07241896 A JP 07241896A JP 7241896 A JP7241896 A JP 7241896A JP 3518151 B2 JP3518151 B2 JP 3518151B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線反射膜を形
成した透光性気密容器にコイルフィラメントを収容して
なる小形の白熱電球およびこれを用いた反射形照明装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ハロゲン電球を含む白熱電球にお
いて、バルブの表面に多層干渉膜からなる可視光透過赤
外線反射膜を形成したランプが開発され、例えば特開昭
55−117861号公報(以下従来例1という)およ
び特開昭63−16548号公報(以下従来例2とい
う)などに開示されている。
【0003】バルブの表面に可視光赤外線反射膜を形成
すると、コイルフィラメントから放射された可視光は外
部へ透過し、しかしながら赤外線は赤外線反射膜にて反
射され、この反射赤外線がコイルフィラメントに戻され
てコイルフィラメントを加熱する。よって、コイルフィ
ラメントの温度上昇が促され、コイルフィラメントを加
熱する電力エネルギーを少なくすることができ、消費電
力を節約することができる利点がある。
【0004】従来例1に記載の電球は、赤外線反射膜を
形成したガラスバルブを回転楕円面形にしたものであ
り、コイルフィラメントを回転楕円面の2つの焦点間に
配置した構造となっている。
【0005】また、従来例2に記載の電球は、赤外線反
射膜を形成したガラスバルブを円筒部とその両側に半球
状部とを連設して構成したものである。半球状部の球中
心が焦点となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コイルフィ
ラメントは赤外線の帰還が無い場合、本来フィラメント
の中間部で温度が高く、両端部で温度が低いという温度
分布を有している。このような温度差を有すると温度の
高い部分でフィラメント材料の蒸発が早くなり、コイル
フィラメントの局部的なやせ細りにより早期断線を招
く。このためコイルフィラメントは全長に亘り温度分布
が均等であることが望まれる。
【0007】従来例1の場合、コイルフィラメントの両
端部を回転楕円面の2つの焦点に合わせるように配置す
れば、赤外線反射膜で反射された赤外線はコイルフィラ
メントの両端部に帰還されるのでコイルフィラメントの
端部の温度上昇に寄与することになる。しかしながら、
バルブ形状を単なる回転楕円面にしても、コイルフィラ
メントの温度分布を均一化するのに不十分な場合があ
る。
【0008】また、従来例2の場合、円筒部で反射され
る赤外線はこれに対向するコイルフィラメントの中間部
に帰還されるようになるから端部の温度上昇には大して
有効に働かず、しかも円筒部の長さがコイルフィラメン
トの長さに比べてかなり長いのでフィラメント端部の温
度を上昇させるには至らないものである。
【0009】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、帰還される赤外線
をコイルフィラメントの端部に有効に集め、これにより
コイルフィラメントの端部の温度を上昇させ、この結果
コイルフィラメントの温度分布を全長に亘り均等化され
た白熱電球およびこれを用いた反射形照明装置を提供し
ようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、それ
ぞれ実質焦点を有して互いに対向する回転2次曲面を備
え、これら対向する回転2次曲面は、2つの仮想焦点を
有する回転2次曲面を想定し、この仮想回転2次曲面を
これら2つの仮想焦点間で分割するとともにこれら分割
された曲面を相互に接近させてこれら分割された曲面の
仮想焦点が内側に移動することにより前記実質焦点とな
っており、これら対向する回転2次曲面を連設して構成
された透光性気密容器と;上記気密容器内に上記2つの
仮想焦点間に跨がって配置されたコイルフィラメント
と;上記気密容器の表面に形成された可視光透過赤外線
反射膜と;を具備したことを特徴とする。
【0011】請求項1の発明によれば、対向する曲面の
それぞれ実質焦点の距離が仮想焦点の距離より短くなっ
ているから、両端が仮想焦点に跨がるように設置された
コイルフィラメントの端部近傍に上記実質焦点が位置す
るようになる。これによりコイルフィラメントの両端近
傍の赤外線帰還率がコイルフィラメント中間部の赤外線
帰還率よりも高くなり、その結果コイルフィラメントの
温度分布が均等化される。
【0012】対向される回転2次曲面は、それぞれ長円
または回転楕円であってよく、また対向される回転2次
曲面は、相互に同じ形状であってもよくまたは異なる形
状であってもよい。さらに、対向される回転2次曲面の
それぞれ実質焦点は、それぞれの仮想焦点から等しい距
離接近されていてもよく、または互に異なる距離接近さ
れていてもよい。
【0013】気密容器は、硬質ガラスまたは石英ガラス
などが適用される。上記可視光透過赤外線反射膜は、気
密容器の外面に形成される場合が多いが、内面に形成し
てもよい。また、この可視光透過赤外線反射膜は、一般
的には多層干渉膜にて形成されており、既知の材料から
なるものを含む。コイルフィラメントは単コイルでも二
重コイルでもあるいはトリプルコイルでもよい。気密容
器内には希ガスまたはハロゲンが封入される。気密容器
の一端または両端には口金が設けられる。
【0014】なお、本発明の白熱電球は、自動車用、航
空機などの車両用電球への応用が可能であるが、特にこ
れに制約されるものではなく、一般照明用や映写機や投
光器用光源などにも適用可能である。
【0015】請求項2の発明は、上記回転2次曲面は回
転楕円面であることを特徴とする。回転2次曲面が回転
楕円面である場合は、その形状を規制しやすい。請求項
3の発明は、2つの仮想焦点が相互に接近して形成され
た実質焦点は、それぞれ上記コイルフィラメント外径の
1/5以上の距離だけ上記仮想焦点よりも離れているこ
とを特徴とする。
【0016】2つの仮想焦点と実質焦点との距離がコイ
ルフィラメント外径の1/5未満であると、赤外線がコ
イルフィラメントの端部近くに帰還してコイルフィラメ
ントの温度分布が全長に亘り均等化できなくなる。
【0017】なお、この場合、一方の仮想焦点と実質焦
点との距離は、他方の仮想焦点と実質焦点の距離と等し
くても、また等しくなくてもよい。請求項4の発明は、
対向される曲面が互に連結される部分は滑らかに連続し
た面で連設されていることを特徴とする。
【0018】対向される曲面が互いに滑らかな面で連結
されているから、局部的な変曲部が生じなくなり、可視
光の透過性、赤外線の反射性が均等になるとともに、点
灯中気密容器の温度分布も均等になる。
【0019】請求項5の発明は、上記滑らかに連続する
面は円筒面であることを特徴とする。対向される曲面間
に円筒面が形成されるから、コイルフィラメントの中間
部の赤外線帰還率が良くなる。
【0020】請求項6の発明は、上記円筒面の軸方向長
さは前記コイルフィラメントの長さより短いことを特徴
とする。円筒面の軸方向長さがコイルフィラメントの長
さより長いと、コイルフィラメントの端部近傍に帰還す
る赤外線が少なくなる。
【0021】請求項7の発明は、気密容器は一端に封止
部が形成されるとともに他端に細管が形成されているこ
とを特徴とする。これにより片封止形の電球が提供され
る。
【0022】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
7のいずれか一に記載の白熱電球と;この白熱電球が組
み込まれた反射体と;を備えたことを特徴とする反射形
照明装置である。請求項8の発明によれば、請求項1な
いし請求項7のいずれか一に記載の白熱電球の利点をも
つ反射形照明装置が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明について、図1ないし
図6に示す第1の実施の形態にもとづき説明する。この
実施形態は片封止形ハロゲン電球およびこれを用いた反
射形照明装置に適用した例を示し、図1は光源として使
用される片封止形ハロゲン電球の正面図、図2は同ハロ
ゲン電球の斜視図、図3は赤外線反射膜を構成する多層
干渉膜の構造を模式的に示す断面図、図4はコイルフィ
ラメントの温度分布を示す特性図、図5はバルブの形状
を説明する図、図6はハロゲン電球を光源とした反射形
照明装置の断面図である。
【0024】図1および図2に示す片封止形ハロゲン電
球1は、石英ガラスからなる気密容器すなわちバルブ2
を有し、このバルブ2は一端に圧潰封止部3が形成され
ており、この封止部3に連続して円筒部4が形成されて
いる。さらにバルブ2は上記円筒部4に連続して膨出径
部5を有している。この膨出径部5は本発明の形状をな
しており、これについては後で説明する。
【0025】膨出径部5の他端にはバルブ中心軸O1
1 上に位置して細管6が突設されている。この細管6
は、実質的に排気管を封止切りして残った突出部を利用
している。
【0026】上記バルブ2の外面(内面でも可)には可
視光透過赤外線反射膜7が形成されている。上記赤外線
反射膜7は、図3に示すように、高屈折率層71…と低
屈折率層72…とを交互に、例えば合計6〜80層の多
層膜として構成したものであり、このような多層積層膜
は多層干渉作用により赤外線を反射し、しかしながら可
視光を透過する作用を奏する。上記高屈折率層71…
は、酸化チタン(TiO2 )、酸化タンタル(Ta2
5 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、硫化亜鉛(Zn
S)などの少なくとも1種にて構成されており、また低
屈折率層72…は、酸化ケイ素(シリカ=SiO2 )、
ふっ化マグネシウム(MgF2 )などから構成されてい
る。そして、このような赤外線反射膜7は、400nm〜
770nm範囲の可視光を含む光線の透過率が90%以上
であり、770nm〜1100nm範囲の赤外線の反射率が
50%以上の特性を有している。
【0027】上記バルブ2内には、コイルフィラメント
8が収容されている。コイルフィラメント8は、タング
ステンワイヤにて単コイル、二重コイルまたはトリプル
コイル(本例では二重コイル)に形成されており、その
コイル軸O2 −O2 が上記バルブ中心線O1 −O1 と一
致するように配置されている。このコイルフィラメント
8は、全長CLが mm〜 mmとなっており、フィラ
メント外径df がmm以下に形成されている。
【0028】上記コイルフィラメント8は、一対の内部
リード線10、11間に架設されている。これら内部リ
ード線10および11は、基端部が上記圧潰封止部3に
封着されたモリブデンMoなどからなる金属箔導体1
2,13に接続されており、先端部はバルブ2の円筒部
4を通って膨出径部5に導かれている。これら一対の内
部リード線10、11は、途中が円筒部4内においてブ
リッジガラス9により連結されており、これによりこれ
ら内部リード線10、11は相互の間隔が保たれてい
る。
【0029】上記一対の内部リード線10、11は膨出
径部5に伸びており、一方の内部リード線10は膨出径
部5の他端側に伸びている。この内部リード線10の先
端部は前記細管6に差し込まれており、この差し込み部
が細管6に機械的に係止されて係止部10aをなしてい
る。そして、この一方の内部リード線10の先端は、上
記細管6内の係止部10aからさらにバルブ中心線O1
−O1 に沿ってコイルフィラメント8の他端側に伸びて
いる。他方の内部リード線11は、バルブ中心線O1
1 に沿ってコイルフィラメント8の一端側に導かれて
いる。
【0030】前記フィラメント8は両端部にコイル形状
の脚部8a、8bを有しており、これら脚部8a,8b
が上記内部リード線10、11のそれぞれ先端部に継線
されている。これによりフィラメント8はこれら内部リ
ード線10、11間に架設されている。
【0031】圧潰封止部3に封着されたモリブデンMo
などからなる金属箔導体12,13には、図1に示すよ
うに、外部リード線14、15が接続されている。バル
ブ2の圧潰封止部3は、セラミック製の絶縁ベース16
が被冠されており、この絶縁ベース16は圧潰封止部3
に対して接着剤17により接合されている。絶縁ベース
16は、捩じ込み形口金18および外部端子19を有
し、上記外部リード線14、15はこれら捩じ込み形口
金18および外部端子19に接続されている。
【0032】基本的に上記のような構成を有するハロゲ
ン電球1は、上記膨出径部5が図5に示すように形成さ
れている。すなわち、膨出径部5は、基本的に回転2次
曲面の形状を有しており、楕円球面を基本形としてい
る。しかし、図5の(a)図に示す楕円球面は仮想楕円
球面50であり、この仮想楕円球面50は所定距離を有
する2つの仮想焦点f1 およびf2 を有している。膨出
径部5に収容されるコイルフィラメント8は発光に寄与
する部分の端部がこれら仮想焦点f1 およびf2に重な
るような長さを有している。
【0033】しかし、本発明の膨出径部5は、上記仮想
楕円球面50を仮想焦点f1 、f2間で左右に分断し、
これら分割された第1の楕円球面5aと第2の楕円球面
5bは図5の(b)図に示すように、相互に仮想焦点間
距離が短くなるように接近させてある。つまり、分割さ
れた第1の楕円球面5aおよび第2の楕円球面5bは、
曲率が上記仮想楕円球面50の曲率と同じに形成されて
おり、しかしながら相互に接近させてある。これにより
これら分割された第1および第2の楕円球面5a、5b
の実質焦点F1 およびF2 は、それぞれ仮想焦点f1
、f2 よりも寸法a1 およびa2 だけ内側に寄ってい
る。なお、上記移動寸法a1 およびa2 は互に等しく
(a1 =a2 )てもよく、または等しくなくてもよい。
【0034】上記移動寸法a1 およびa2 は、コイルフ
ィラメント8の外径df の1/5以上とされており、こ
れら移動寸法a1 およびa2 がコイルフィラメント外径
dfの1/5未満であると、赤外線がコイルフィラメン
トの端部近くに帰還するようになり、仮想楕円球面50
のバルブを用いるのと変わりなくなって、コイルフィラ
メントの温度分布が全長に亘り均等化できなくなる。
【0035】このような構造の膨出径部5にすると、実
質焦点F1 およびF2 が仮想焦点f1 、f2 に比べてコ
イルフィラメント8の端部よりも中央側に移動した位置
に形成されるようになる。
【0036】なお、分割された第1および第2の楕円球
面5a、5bが相互に対向される部分は滑らかな面で連
結されており、本例では分割された楕円球面5a、5b
間に、図5の(c)図に示すように、円筒部5cが形成
されている。この円筒部5cの軸方向長さはコイルフィ
ラメント8の全長より短く形成されている。
【0037】このような構成のハロゲン電球1は、図6
に示すように、反射体20に収容されて使用される。図
6に示す反射体20は、反射面21が形成されたリフレ
クタ22を有し、このリフレクタ22はガラス、金属、
樹脂などからなり、この内面に形成された反射面21は
アルミニウムなどを蒸着して形成してもよいが、高屈折
率層と低屈折率層とを交互に積層とした多層干渉膜によ
り可視光を反射し、しかしながら赤外線を透過する可視
光反射膜にて形成してもよい。このようなリフレクタ2
2にはセラミックなどからなる絶縁ベース23が接合さ
れている。この絶縁ベース23にはソケット24が取り
付けられており、上記ハロゲン電球1の捩じ込み形口金
18はこのソケット24に脱着可能に取り付けられ、こ
れにより反射体20に収容されるようになっている。絶
縁ベース23の端部には捩じ込み形口金24および外部
端子25が設けられており、これら捩じ込み形口金24
および外部端子25は電源に接続されるようになってい
る。したがって、ハロゲン電球1を上記絶縁ベース23
のソケット24に取り付けると、このハロゲン電球1は
口金24および外部端子25を介して電源と接続される
ようになっている。
【0038】このような構成の片封止形ハロゲン電球の
作用を説明する。外部リード線14,15に電源電圧が
加えられるとフィラメント8に電流が流れ、よってフィ
ラメント8が発光する。この光は周囲に放出され、バル
ブ2の膨出径部5を透過して外部に放射される。そし
て、この光が膨出径部5の外面に形成した赤外線反射膜
7を透過する時に可視光は透過されるが赤外線は反射さ
れる。
【0039】上記赤外線反射膜7で反射された赤外線は
バルブ2の内部に戻され、この帰還した赤外線はフィラ
メント8を加熱する。この場合、フィラメント8はその
コイル軸O2 −O2 がバルブ中心線O1 −O1 と一致す
るように配置されているとともに、第1の楕円球面5a
の実質焦点F1 および第2の楕円球面5bの実質焦点F
2 がフィラメント8の端部より内側に配置されているか
ら、第1の楕円球面5aおよび第2の楕円球面5bの赤
外線反射膜7で反射された赤外線はそれぞれ実質焦点F
1 およびF2 付近に戻される原則により、フィラメント
8の端部近傍に帰還する。よって、帰還赤外線によりフ
ィラメント8端部の温度が上昇する。
【0040】一般に、コイルフィラメント8を裸で発光
させると、その赤外線エネルギーの発生強度は図4に特
性Aで示されるように、フィラメント8の中央部で赤外
線エネルギーが高く、端部では低くなる。このような温
度差をなして点灯を継続すると温度の高い部分でフィラ
メント材料の蒸発が早くなり、コイルフィラメントの局
部的なやせ細りが生じて早期断線を招く。
【0041】これに対し、第1の楕円球面5aおよび第
2の楕円球面5bの外面に形成した赤外線反射膜7で反
射された赤外線は、これら楕円球面5aおよび5bの実
質焦点F1 およびF2 がフィラメント8の端部より内側
に配置されているから、フィラメント8の端部近傍に帰
還する。よって、帰還赤外線によるエネルギー強度は図
4に特性Bで示されるように、フィラメント8の端部に
集める。
【0042】この結果、フィラメント自身の発熱による
赤外線エネルギーAと帰還赤外線による赤外線エネルギ
ーBが共同して赤外線エネルギーの総和Cとなり、この
赤外線エネルギーの総和Cはフィラメントの長さ方向に
沿ってほぼ均等なエネルギー強度を呈することになる。
【0043】このため、フィラメントの長さ方向に沿う
温度分布が均等化し、局部的な温度差が解消されるから
コイルフィラメントの局部的なやせ細りを防止し、早期
断線を防ぐことができる。
【0044】このようなことから、帰還赤外線を有効に
活用することができ、効率に優れたハロゲン電球1を実
現することができる。第1の楕円球面5aおよび第2の
楕円球面5bの実質焦点F1 およびF2 は、それぞれ仮
想焦点f1 、f2 よりも寸法a1 およびa2 だけ内側に
寄っており、これら移動寸法a1 およびa2 はコイルフ
ィラメント8の外径df の1/5以上であることが望ま
しい。つまり、これら移動寸法a1 およびa2 がコイル
フィラメント外径df の1/5未満であると、実質焦点
F1 およびF2 がそれぞれ仮想焦点f1 、f2 に近づ
き、仮想楕円球面50のコイルフィラメントを収容する
ことと大差なくなる。このため、反射された赤外線がコ
イルフィラメントの端部近くに帰還するようになり、コ
イルフィラメントの端部の温度が高くなり、赤外線エネ
ルギーの総和特性Cが波形になってしまい、コイルフィ
ラメントの温度分布が全長に亘り均等化できなくなる。
【0045】なお、上記実施例のハロゲン電球1は、膨
出径部5の一端に円筒部4が連設されているとともに他
端に細管6が連設されている。これら円筒部4および細
管6は膨出径部5に比較して相対的に大きくなると、赤
外線反射膜7の有効面積が小さくなり、帰還赤外線の量
が減少する。このことから、円筒部4および細管6の大
きさを制限することが望まれる。図1においては、フィ
ラメント中心から円筒部4と膨出径部5との境界部を臨
んだ場合の広がり角度をθ1 、フィラメント中心から細
管6と膨出径部5との境界部を臨んだ場合の広がり角度
をθ2 とした場合、これら広がり角度をθ1 およびθ2
はいずれも30°以下(θ1 ≦30°、θ2 ≦30°)
であることが望ましい。このようにすれば、膨出径部5
に比較して円筒部4および細管6が相対的に大きくなら
ず、よって第1の楕円球面5aおよび第2の楕円球面5
bの面積を大きく確保することができ、赤外線反射膜7
の有効面積を大きくすることができる。よって、帰還赤
外線の量を大きくすることができ、効率の向上に有効と
なる。
【0046】上記構成のハロゲン電球1は、図6に示す
反射体20に収容された場合、バルブ2および赤外線反
射膜7を透過した可視光は反射面21で反射され、リフ
レクタ22の前面開口部から前方を照射する。
【0047】このような反射形照明装置によれば、ハロ
ゲン電球1の効率が向上するから、その利点を活用する
ことができ、効率の優れた照明装置となる。なお、本発
明は、図7に示す第2の実施の形態のように構成するこ
ともできる。すなわち、図7に示すハロゲン電球は、封
止部3に連続して楕円球部5が形成されており、この楕
円球部5内にバルブ中心線O1 −O1 と交差してコイル
フィラメント8が収容されている。楕円球部5は、図5
に示した構造と同様に、仮想楕円球面50を分断し、こ
れら分割された第1の楕円球面5aと第2の楕円球面5
bを相互に接近させ、これら第1の楕円球面5aおよび
第2の楕円球面5bの実質焦点F1 およびF2 が、それ
ぞれ仮想焦点f1 、f2 よりもフィラメント8の中心側
に寄った形状となっており、これら第1の楕円球面5a
および第2の楕円球面5bの対向する端部が相互に連設
されている。これら第1の楕円球面5aおよび第2の楕
円球面5bの連設部は円筒部5cにより連結されてい
る。
【0048】そして、この実施例では封止部5および排
気細管6が上記円筒部5cの位置に形成されている。こ
のようにしても、赤外線反射膜7で反射された赤外線が
コイルフィラメント8の端部近くに帰還するようにな
り、コイルフィラメントの端部の温度が高くなり、コイ
ルフィラメントの温度分布が全長に亘り均等化する。
【0049】しかも、封止部5および排気細管6が円筒
部5cの位置されているから、第1の楕円球面5aおよ
び第2の楕円球面5bの有効面積を大きく確保すること
ができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
ると、コイルフィラメントの端部近傍に赤外線が効果的
に帰還されるようになり、コイルフィラメントの温度分
布が全長に亘り均等化される。このため、コイルフィラ
メントの局部的な細りが防止され、寿命特性が向上す
る。
【0051】請求項2の発明によれば、回転2次曲面は
回転楕円面であるからその形状を規制しやすい。請求項
3の発明によれば、2つの仮想焦点と実質焦点との距離
は、それぞれコイルフィラメント外径の1/5以上であ
るから、赤外線がコイルフィラメントの端部近くに良好
に帰還し、コイルフィラメントの温度分布を全長に亘り
均等化できる。
【0052】請求項4の発明によれば、対向される曲面
が滑らかに連続した面で連設されているから、局部的な
変曲部が生じなくなり、可視光の透過性、赤外線の反射
性が均等になるとともに、点灯中気密容器の温度分布も
均等になる。
【0053】請求項5の発明によれば、対向された曲面
間に円筒面が形成されるから、コイルフィラメントの中
間部の赤外線帰還率が良くなる。請求項6の発明によれ
ば、円筒面の軸方向長さは前記コイルフィラメントの長
さより短いから、コイルフィラメントの端部近傍に帰還
する赤外線が多くなる。
【0054】請求項7の発明によれば、片封止形の電球
が提供される。請求項8の発明によれば、請求項1ない
し請求項6のいずれか一に記載の白熱電球の利点をもつ
反射形照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、ハロゲン電
球の正面図。
【図2】同実施例のハロゲン電球の斜視図。
【図3】赤外線反射膜を構成する多層干渉膜の構造を模
式的に示す断面図。
【図4】赤外線エネルギー分布を示す特性図。
【図5】(a)図ないし(c)図は膨出径部の形状を説
明する図。
【図6】図1および図2に示したハロゲン電球を光源と
した反射形照明装置の断面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示し、ハロゲン電
球の正面図。
【符号の説明】
1…ハロゲン電球 2…バルブ 3…封止部 4…円筒部 5…膨出径部 5a…第1の分割楕円球面 5b…第2の分割楕円球面 5c…円筒部 6…細管 7…赤外線反射膜 8…コイルフィラメント F1 ,F2 …実質焦点 f1 ,f2 …仮想焦点 50…仮想楕円球 20…反射体 21…反射面 22…リフレクタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−16548(JP,A) 特開 昭60−77347(JP,A) 特開 平7−45254(JP,A) 特開 平6−338303(JP,A) 特開 平6−310108(JP,A) 特開 平6−290760(JP,A) 特開 平6−290759(JP,A) 特開 平6−283146(JP,A) 特開 平3−283350(JP,A) 実開 昭64−34753(JP,U) 特表 平10−501368(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01K 1/00 - 1/70

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ実質焦点を有して互いに対向す
    る回転2次曲面を備え、これら対向する回転2次曲面
    は、2つの仮想焦点を有する回転2次曲面を想定し、こ
    の仮想回転2次曲面をこれら2つの仮想焦点間で分割す
    るとともにこれら分割された曲面を相互に接近させてこ
    れら分割された曲面の仮想焦点が内側に移動することに
    より前記実質焦点となっており、これら対向する回転2
    次曲面を連設して構成された透光性気密容器と;上記気
    密容器内に上記2つの仮想焦点間に跨がって配置された
    コイルフィラメントと;上記気密容器の表面に形成され
    た可視光透過赤外線反射膜と;を具備したことを特徴と
    する白熱電球。
  2. 【請求項2】 上記回転2次曲面は回転楕円面であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の白熱電球。
  3. 【請求項3】 上記2つの仮想焦点が相互に接近して形
    成された実質焦点は、それぞれ上記コイルフィラメント
    外径の1/5以上の距離だけ上記仮想焦点よりも接近さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の白熱電球。
  4. 【請求項4】 上記対向する曲面が相互に連結される部
    分は滑らかに連続した面で連設されていることを特徴と
    する請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の白熱
    電球。
  5. 【請求項5】 上記滑らかに連続する面は円筒面である
    ことを特徴とする請求項4に記載の白熱電球。
  6. 【請求項6】 上記円筒面の軸方向長さは前記コイルフ
    ィラメントの長さより短いことを特徴とする請求項5に
    記載の白熱電球
  7. 【請求項7】 気密容器は一端に封止部が形成されると
    ともに他端に細管が形成されていることを特徴とする請
    求項1ないし請求項6のいずれか一に記載の白熱電球。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか一に
    記載の白熱電球と;この白熱電球が組み込まれた反射体
    と;を備えたことを特徴とする反射形照明装置。
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