JP3517334B2 - 反応器 - Google Patents

反応器

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JP3517334B2
JP3517334B2 JP17105297A JP17105297A JP3517334B2 JP 3517334 B2 JP3517334 B2 JP 3517334B2 JP 17105297 A JP17105297 A JP 17105297A JP 17105297 A JP17105297 A JP 17105297A JP 3517334 B2 JP3517334 B2 JP 3517334B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、攪拌機が不要であ
って爆発などの恐れのない液体又は気体の反応器に関
し、特に、冷媒を流通させて化学反応熱を徐冷したり、
或いは、熱媒体を流通させて加熱反応を促進させること
のできる反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、反応器には攪拌機が設けられて
おり、この攪拌機の翼を回転運動又は往復運動させるこ
とによって混合物を均一分散させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法による均一分散には、動力機構が必要であるという煩
雑さの他に、攪拌に多大の時間を要するという問題点が
ある。また、反応物の種類や混合条件によっては異常反
応を誘発して爆発などが生じる恐れもあった。また、化
学反応により物質を重縮合する場合、反応時に化学反応
熱が発生することによって不純物が多発する場合があ
る。これを防止するには、適宜な速度で徐々に冷却させ
る徐冷処理が必要となる。一方、これとは逆に、加熱処
理によって化学反応を促進させたい場合もある。本発明
は、これらの問題点に着目してなされたものであって、
攪拌に必要な翼などの動力機構を必要とせず、しかも、
爆発などの恐れもない反応器を提供することを目的とす
る。また、徐冷処理や加熱処理が必要な場合にも好適に
対応できる他、気液を微細微粒子化して高圧で連続的に
接触させて反応、重合させることのできる反応器を提供
することをも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る反応器は、同心円状に配置された異な
る口径の複数個の金属筒の中に、熱間等方加圧焼結体か
らなる金属多孔質体チャンバーを形成してなる第1反応
筒を主要要素とする反応器であって、前記第1反応筒の
一方側には、前記各チャンバー用の流入口が設けられて
おり、径方向最外部を除いた前記各チャンバーには、前
記流入口からの軸方向流路を遮る遮蔽板が、径方向外側
に位置するチャンバーほど前記流入口から段階的に遠ざ
かるように設けられており、径方向最外部に位置するも
のを除き、前記各金属筒の外周部には、内側に位置する
前記遮蔽板に近接して前記遮蔽板より流入口側に透孔が
穿設されており、径方向内側のチャンバーを移動した流
体は、前記各透孔を通して径方向外側のチャンバーに移
動して、熱間等方加圧焼結体からなる金属多孔質体の中
で、他の流体と混合し反応するようになっており、前記
第1反応筒の外周部、及び/又は、前記第1反応筒の他
方側に熱交換用の流路が形成されている。また、遮蔽板
の位置を逆にすることにより、径方向外側のチャンバー
を移動した流体が、各透孔を通して径方向内側のチャン
バーに移動するようにしても良い。
【0005】ここで、金属多孔質体チャンバーは、粒度
や材種の異なる複数種の金属粉末を金属筒の間に個々に
充填して熱間等方加圧処理するか、各金属筒の形状に合
わせて、個別に気孔率や気孔径の異なる熱間等方加圧焼
結体を成形した後、これを、同心円状に配置された金属
筒に圧入嵌合するのが好適である。また、金属多孔質体
チャンバーを形成する金属粉末の表面を、予め、Zn,
Cr,Cu,Ag,Pt,Tiなどの金属メッキ又は蒸
着によってコートするようにすれば、化学反応時におけ
る金属触媒の作用を行わせることができる。なお、熱間
等方加圧処理とは、圧力容器中に処理材を挿入し、高温
下においてガスを圧力媒体として高い等方圧力を加える
ことにより、高温、高圧の相乗効果を利用して、金属粉
末の加圧焼結をする処理をいう。但し、高温・高圧に過
ぎると気孔率が小さくなり、一方、高温・高圧が不足す
ると粒子間の接着力に欠けるので、使用する金属粉末な
どの種類に応じて、最適な温度や圧力に調整する必要が
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて、この発
明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る反応器
1の外観図であり、図2は、その平面図(a)と一部断
面図(b)を図示したものである。図示の通り、反応器
1は、同心3重構造からなる上部反応筒2と、ロート状
に形成された下部反応筒3とが装着されると共に、その
間に中空チャンバー4を設けて構成されている(図
2)。上部反応筒2、下部反応筒3、および中空チャン
バー4の外周部には、所要の間隙を設けて、冷却用のウ
ォータジャケットケーシング27,28が装着されてい
る。上部ウォータジャケット27には、そのケーシング
に流路27a,27bが連設されていて、必要に応じ
て、冷却装置や加熱装置と連通するようになっている。
同様に、下部ウォータジャケット28も、流路28a,
28bを介して、冷却装置や加熱装置と連通するように
なっている。このように構成しているのは、反応には、
一般に、最適温度範囲があり、その温度より高くなると
副反応が起きて不純物が大量に発生して生成が困難とな
るからである。触媒活性を速く劣化させ、逆に低すぎる
と、所定の反応速度が得られないからである。中空チャ
ンバー4の中には、冷却用などに用いるコイル29が内
装されている。コイル29は、図示の通り渦巻状をして
おり、コイル29の外周部には多数のフィン部材30が
装着されている。なお、コイル29は、ウォータジャケ
ット28を通過して、流路29a,29bに連通してい
る。上部反応筒2は、ステンレス、チタン、合金などの
耐食性金属で形成された大中小の金属円筒5,6,7の
中に、所定の気孔率と所定の気孔径を有する金属多孔質
体8,9,10が圧入嵌合されて、多孔質体チャンバー
2A〜2Cが形成されている(図4〜図6)。そして、
小径円筒5の内周部には円板11が密着されており、小
径円筒5と中径円筒6との間には、環状板12が密着さ
れている(図5、図6)。小径円筒5と中径円筒6の外
周部には、それぞれ、円板11の上側と環状板12の上
側に近接して、透孔5aと透孔6aが周方向に複数個形
成されている。この透孔5a,6aは、円板11と環状
板12の上側に設けられており、円板11と環状板12
が金属円筒5,6に密着しているので、透孔5aは、チ
ャンバー2Aからチャンバー2Bへの流路として機能
し、透孔6aは、チャンバー2Bからチャンバー2Cへ
の流路として機能することになる。
【0007】金属多孔質体8,9,10は、円柱状また
は円筒状に形成された熱間等方加圧焼結体であり、その
焼結原料粉末には、例えば、ステンレス鋼系(SUS3
04,SUS630など)、工具鋼系(SKD61,S
KD11など)、マルエージング鋼系(18Ni系、2
0Ni系など)、高速度鋼(SKH51,SKH55な
ど)、非鉄金属系(アルミ合金、チタン合金など)の各
種金属が使用される。金属多孔質体の気孔率や気孔径
は、必要に応じて適宜に選択されるが、気孔率を7.0
〜50.0%、気孔径を500μm以下とする場合に
は、特願平6−255228号の出願明細書に開示され
たところによるのが望ましい。すなわち、気孔率や気孔
径に対応した粒径の原料粉末をカプセルに真空密封し、
高緻密質の焼結体における処理条件より、低温・低圧・
短時間の処理条件にて熱間等方加圧焼結(HIP)処理
を行う。例えば、ステンレス鋼や合金工具鋼系粉末を原
料粉末とするHIP処理では、温度400〜800℃程
度、加圧力50〜150MPa程度、処理時間0.5〜
4Hr程度とし、高速度鋼系粉末を原料粉末とする場合
は、温度300〜800℃程度、加圧力50〜150M
Pa程度、処理時間0.5〜4Hr程度とする。なお、
焼結体として得られる金属多孔体の気孔率や気孔径は、
加圧温度や加圧力や処理時間などを制御因子として調整
される。また、HIP処理の後、融点の60〜90%の
温度域に2〜10Hr程度の時間保持する熱処理を施せ
ば、焼結体の気孔率や気孔径に実質的な変化を生じさせ
ずに、粒子同志の結合を強化することができる。或いは
又、原料粉末をゴム型に充填し、冷間等方加圧成形を行
って圧粉成形体を成形し、次いで、その粉末成形体をカ
プセルに封入するか、又は封入することなくHIP処理
しても良い。この製造プロセスにおいては、原料粉末の
粒度、冷間加圧成形圧力、及び、その圧粉成形体のHI
P処理条件(温度・圧力・時間)によって、焼結体の気
孔率や気孔径を制御することができる。
【0008】金属多孔質体8,9,10は、上記のよう
な方法によって製造されるが、各多孔質体の気孔率や気
孔径は、中心に位置する円柱多孔質体8が最も大きく、
外周部に位置する円環柱多孔質体10が最も小さく設定
されている。なお、この例では、多孔質体8〜10を金
属円筒5〜7に圧入嵌合させているが、これに限定され
る必要はなく、各金属円筒5,6,7を等間隔に配置し
た状態で、粒径の異なる原料粉末を充填してHIP処理
しても良い。この場合には、気孔分布を異にする3重構
造の金属多孔質体が一体成形されて好ましいが、金属円
筒5,6,7は、図7のような断面形状とするのが好適
である。また、多孔質体8,9,10それぞれを、軸方
向に多層構造としても良く、そうすれば、上部反応筒2
の径方向だけでなく、軸方向についても気孔分布を異な
らせることができて好ましい。この場合、例えば、多孔
質体8〜10の上部から下部に向けて気孔率などを小さ
く形成すれば良いが、その製造方法は、特願平7−11
1593号の明細書に開示したところによる。つまり、
粒度や材質の異なる複数種の金属粉末などを積層充填
し、温度0.2〜0.85mpK、加圧力0.5〜15
0MPaの条件下で熱間等方加圧処理を行って複層金属
多孔質体7,8,9を製造すれば良い。なお、mpKは
粉末の融点(絶対温度)であって、異材種の粉末が積層
充填される場合には、低融点粉末の融点をいう。また、
粒度や材質の異なる複数種の金属粉末などを積層充填
し、冷間加圧処理の後、熱間等方加圧処理を行うように
しても良い。下部反応筒3は、図8に示すように、金属
円筒13と、その内側の金属多孔質体14と、ロート筒
15とで構成されている。この下部反応筒3は、HIP
処理により製造された金属多孔質体14を金属円筒13
に圧入嵌合するか、或いは、金属円筒13の中に金属粉
末を充填して、HIP処理によって一体成形して製造さ
れる。なお、ロート筒15は、前加工または後加工にお
いて、金属円筒13に溶接などにより固着する。
【0009】続いて、図1に示す反応器1の組立て状態
を説明すると、取付け台16に取付けられた下部ウォー
タジャケット・ケーシング28の内部に、所要の間隙を
もたせて、冷却水が循環するように構成して、下部反応
筒3を嵌着するとともに、ロート15の下方にスクリュ
ーポンプ24を介して反応物移送管18を装着する。ま
た、下部反応筒3の上に上部反応筒2を嵌着し、上部反
応筒2の外周部にも、所要の間隙をもたせて冷却水が循
環するように形成した上部ウォータジャケット・ケーシ
ング27を装着して固定する。上部反応筒2の上部に
は、耐圧ケーシングカバー19を装着するが、ケーシン
グカバー19には、金属多孔体8,9,10からなるチ
ャンバーに、液体又は気体を圧入するための圧入パイプ
8P,9P,10Pが装備されている。そして、このケ
ーシングカバー19は、固定ボルト20によって緊定固
着されている。なお、ケーシングカバー19、上部ウォ
ータジャケット・ケーシング27、下部ウォータジャケ
ット・ケーシング28は、それぞれフランジ部19F,
27F,28Fを介して連結されている。
【0010】図9は、本発明に係る反応器1の使用例を
示すフローシートである。液ホッパー21a,21b,
21cの液体A,B,Cは、開閉バルブ22と加圧ポン
プ23を介して反応器1に圧入供給される。一方、反応
器1の出力は、ポンプ24と逆止弁25を介して次段に
供給される。なお、加圧ポンプ23は、コンピュータ制
御器26で制御されており、添加液ホッパー21dと触
媒ホッパー21eには、添加液と触媒が貯留されてい
る。図示の通り、この反応器1の場合には、ウォータジ
ャケット27,28は共にラジエータ30に接続されて
おり、循環ポンプ30Pによって加圧された冷却水がウ
ォータジャケット27,28に供給されている。また、
冷却用渦巻コイル29は冷却器31に接続されており、
加圧ポンプ31Pによって加圧された冷媒が冷却用渦巻
コイル29に供給されている。このように、この反応器
1には、冷却水や冷媒が循環しているので、化学反応時
の発熱を徐冷することができ、不純物などの発生を未然
に防止することができる。
【0011】続いて、図9を参照しつつ、図1〜図2に
示す反応器1の動作内容の一例について説明する。液ホ
ッパー21a〜21cからA液〜C液は、それぞれ圧入
パイプ8P〜10Pを通って多孔質体チャンバー2A〜
2Cに供給される。なお、多孔質体チャンバー2A〜2
Cの気孔率は、それぞれ相違するが、コンピュータ制御
器26は、この気孔率の相違も勘案して、加圧ポンプ2
3を最適な作動状態に制御している。多孔質体チャンバ
ー2A〜2Cに圧入された各液2A〜2Cに圧入された
各液A〜Cは、金属多孔質体8,9,10(2A,2
B,2C)によってそれぞれ細分化された微粒子化され
る。この時の流速は、多孔質体の気孔率や液体の圧力に
よって定まるが、多孔質体チャンバー2Aの気孔率は大
きいので、一般に、流速と流量が大きい状態にある。そ
して、多孔質体チャンバー2Aを降したA液は金属円筒
5の外周に設け透孔5aより流出して、多孔質体チャン
バー2Bの中に流入する。一方、多孔質体チャンバー2
Bの気孔率は、多孔質体チャンバー2Aの気孔率より小
さく形成されているので、一般に流下するB液の流量が
A液より少ないが、圧力は高いので逆流することはな
く、透孔5aを流出した付近でA液とB液が均一に混合
し合成される。同様に、多孔質体チャンバー2Cの気孔
率は、多孔質体チャンバー2Bの気孔率より更に小さく
形成されているので、A液+B液は透孔6aを流出した
付近でC液と均一に混合し合成される。その後、合成液
A+B+Cは、中空チャンバー4に流出するが下部反応
筒2に充填された多孔質体14を通過することによって
合成液A+B+Cは、更に細分化され、均一分散されて
反応液が形成される。なお、重合反応すると、反応液の
粘性が増す場合があるが、このような場合には、下部反
応筒2のロート取出口に吸引排出用の真空装置を設け
る。
【0012】ところで、金属多孔質体8,9,10,1
4の内部は、ミクロン単位の孔が曲折した通路となって
いることから、流れに対して抵抗力が働くことになる。
そのため、上部反応筒2の多孔質体8,9,10内部を
流れる流体は、ポンプによって加圧されて多孔質体8,
9,10内の細孔を押し出されてチャンバー4内に流出
するが、流出した液体の粘液性によっては、下部反応筒
3の多孔質体14を通過できず、チャンバー4内に滞留
して充満することとなる。滞留した混合液は、チャンバ
ー4内の自重力で下部反応筒3の多孔質14より流出す
るのが望ましいが、液体の表面張力や粘性度によって
は、流出が阻害されてチャンバー4内の圧力が上昇し、
混合液が第1反応筒2に逆流して反応作用を阻害する場
合もある。そこで、下部反応筒3の多孔質体14は、混
合液の性質に応じて、気孔率や気孔径を上部反応筒2の
金属多孔質体8,9,10より大きく形成することが好
ましい。さらに、チャンバー4内の圧力を調整するため
に、図13に示すように、下部反応筒3の中央部に穴3
3を穿ってネジ部33’を形成し、図14に示す連通管
34を挿入してネジ35で緊定固定し、下部に安全バル
ブSVを装着して安全性を高めるのが好ましい。また、
高粘度にすぎる場合は、下部反応筒3の内部に透孔36
を複数個穿って形成すれば(図14参照)、更に減圧効
果を高めることができる。その上、下部反応筒3のロー
ト取出口に設けた吸引排出用ポンプ24を稼動すればさ
らに効果的である。図11及び図12には、連通管34
を備える反応器を示している。この実施例の反応器1で
は、多孔質体14の気孔率や気孔径の大きく形成した図
13の下部反応筒3に、図14の連通管34を貫通して
固定している。また、連通管34の下部には、安全バル
ブSVが設けられており、中空チャンバー4から下部反
応筒3へ逃がす圧力を調整することができる構成とされ
ている。また、中空チャンバー4を軸方向に大きくと
り、内部の液体の自重力によって流出されやすくしてい
る。なお、下部反応筒3には、図11に示すように、外
周壁を貫通して点検窓32が設けられており、この点検
窓32を通して反応器1内の動作確認をすることができ
る。この点検窓32は開閉可能に構成されており、点検
窓32を開けて連通管34の下部に設けられた安全バル
ブSVの調整をすることもできる。
【0013】以上、液体混合について説明したが、本発
明に係る反応器は、気体混合に用いることもできるのは
勿論である。また、化学反応を伴う場合であっても、万
一異常反応をしても爆発の危険が少なく安全率が高い。
これは多孔質体の内部が微細に分割された極微の空洞が
形成されているためである。例えば、1cm3 の活性炭内
の微細空洞内の内面積を積算すると30m2 に匹敵する
と言われているが、同様には論じられないものの、金属
多孔質体の微細空洞の内面積の大きさが、爆発の危険性
を有効に解消している。また、多孔質体チャンバー2A
〜2Cを形成する金属粉末に、Pt、Ag、Cu、Z
n、Cr、Niなどを選択してHIP焼結加工するか、
或いは、これらの金属をメッキ又は蒸着した金属粉末を
HIP焼結加工して金属触媒を形成すれば、各種の反応
機構を形成することができる。この化学反応機構につい
ては、前記のように化学反応熱の徐冷が必要な場合は冷
却装置を加動させて対応し、逆に、化学反応を促進する
為に加熱を必要とする場合には、加熱した媒質(気体や
液体)を循環させて対応できるように形成している。し
たがって、単なる混合から精密合成化学、すなわち、高
度の化学反応による重合反応、重縮合反応や、高温高圧
を必要とする反応機構としても使用することができる。
なお、実施例の説明は本発明を限定するものではなく、
発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能であ
る。例えば、実施例の場合には、小径円筒5→中径円筒
6→大径円筒7の順に流体が移動したが、逆に、大径円
筒7→中径円筒6→小径円筒5の順に流体を移動させて
も良い。この場合には、図10のように、中径円筒6と
大径円筒7の間に環状板11Aを設け、小径円筒5と中
径円筒6の間に環状板12Aを設けると共に、内径円筒
5と中径円筒6の外周に、それぞれ、環状板12A,1
1Aに近接して透孔5a,6aを設ける。また、図12
〜図14の実施例では、下部反応筒3に連通管34を貫
通させているが、この構造に限定される必要はなく、チ
ャンバー4から外部に配管を導出し、外部に調整バルブ
を設け、配管を通して再び下部反応筒3の下部空間に戻
すようにしても良い。この構成の場合には、点検窓32
を開ける必要がなくなる。なお、チャンバー4での冷却
作用が不要であるなど、場合によっては下部反応筒3に
多孔質体14を設けないようにしても良い。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は単なる混
合器としても攪拌の為に翼の回転や往復運動の動力機構
を必要とせず、複数の液や気体を流通するだけで、混合
物を均一分散させることができる。また、気液を微細微
粒子化して高圧で連続的に接触させて反応重合させるこ
とができ、しかも、最適温度範囲を維持できて、多目的
に有効に機能する極めて優秀な反応器である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反応器の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の反応器の平面図(a)と一部断面図
(b)である。
【図3】図2のA−A断面図(a)、B−B断面図
(b)、C−C断面図(c)である。
【図4】上部反応筒の構成要素である金属多孔質体を図
示したものである。
【図5】上部反応筒の構成要素である金属円筒を図示し
たものである。
【図6】大中小の金属円筒の配置状態を図示したもので
ある。
【図7】金属円筒の断面形状を図示したものである。
【図8】下部反応筒を図示したものである。
【図9】図1の反応器の使用状態を示すフローシートで
ある。
【図10】本発明の変形例を示す図面である。
【図11】本発明に係る反応器の他の実施例を示す斜視
図である。
【図12】図11の反応器の平面図(a)と一部断面図
(b)である。
【図13】図8の反応筒の他の実施例を示す図である。
【図14】本発明の中空チャンバーと下部反応筒を貫通
してロート管を連通する連通管を示す図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 上部(第1)反応筒 2A〜2C 多孔質体チャンバー 3 下部(第2)反応筒 4 中空チャンバー(中空筒部) 5〜7 大中小の金属円筒 5a,6a 透孔 8〜10 金属多孔質体(熱間等方加圧焼結体) 8P〜10P 圧入パイプ(流入口) 11〜12 底板 27〜28 ウォータジャケット・ケーシング(熱交
換用流路) 29 渦巻状コイル(熱交換用流路) 32 点検窓 33 連通管挿入口 33’ ネジ部 34 連通管 35 緊定ネジ SV 安全バルブ(逃し弁,安全弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 勝 大阪府吹田市津雲台2丁目2番C43− 202 (72)発明者 元木 龍太郎 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ 枚方製造所内 (72)発明者 船越 淳 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ 枚方製造所内 (72)発明者 西 隆 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ 枚方製造所内 (72)発明者 小阪 晃 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ 枚方製造所内 (56)参考文献 特開 平9−131524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/00 - 19/32

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心円状に配置された異なる口径の複数
    個の金属筒の中に、熱間等方加圧焼結体からなる金属多
    孔質体チャンバーを形成してなる第1反応筒を主要要素
    とする反応器であって、 前記第1反応筒の一方側には、前記各チャンバー用の流
    入口が設けられており、 径方向最外部を除いた前記各チャンバーには、前記流入
    口からの軸方向流路を遮る遮蔽板が、径方向外側に位置
    するチャンバーほど前記流入口から段階的に遠ざかるよ
    うに設けられており、 径方向最外部に位置するものを除き、前記各金属筒の外
    周部には、内側に位置する前記遮蔽板に近接して前記遮
    蔽板より流入口側に透孔が穿設されており、 径方向内側のチャンバーを移動した流体は、前記各透孔
    を通して径方向外側のチャンバーに移動して、熱間等方
    加圧焼結体からなる金属多孔質体の中で、他の流体と混
    合し反応するようになっており、 前記第1反応筒の外周部、及び/又は、前記第1反応筒
    の他方側に熱交換用の流路が形成されていることを特徴
    とする反応器。
  2. 【請求項2】 同心円状に配置された異なる口径の複数
    個の金属筒の中に、熱間等方加圧焼結体からなる金属多
    孔質体チャンバーを形成してなる第1反応筒を主要要素
    とする反応器であって、 前記第1反応筒の一方側には、前記各チャンバー用の流
    入口が設けられており、 中心部を除く前記各チャンバーには、前記流入口からの
    軸方向流路を遮る遮蔽板が、径方向内側に位置するチャ
    ンバーほど前記流入口から段階的に遠ざかるように設け
    られており、 径方向最外部に位置するものを除き、前記各金属筒の外
    周部には、外側に位置する前記遮蔽板に近接して前記遮
    蔽板より流入口側に透孔が穿設されており、 径方向外側のチャンバーを移動した流体は、前記各透孔
    を通して径方向内側のチャンバーに移動して、熱間等方
    加圧焼結体からなる金属多孔質体の中で、他の流体と混
    合し反応するようになっており、 前記第1反応筒の外周部、及び/又は、前記第1反応筒
    の他方側に熱交換用の流路が形成されていることを特徴
    とする反応器。
  3. 【請求項3】 前記金属多孔質体チャンバーを形成する
    金属粉末の表面を、予めZn,Cr,Cu,Ag,P
    t,Tiなどの金属メッキ又は蒸着によってコートした
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反応
    器。
  4. 【請求項4】 前記第1反応筒の他方側には、中空筒部
    を隔てて、第2反応筒が装着されており、 この第2反応筒にも、金属筒の中に熱間等方加圧焼結体
    からなる金属多孔質体チャンバーが形成されており、 前記中空筒部に熱交換用の流路が設けられていることを
    特徴とする請求項3に記載の反応器。
  5. 【請求項5】 前記第1反応筒の金属筒は、大中小の3
    つの円筒からなり、前記第1反応筒の金属多孔質体チャ
    ンバーは、小径円筒内部の焼結体と、小径円筒と中径円
    筒の間の焼結体と、大径円筒と中径円筒の間の焼結体と
    で、気孔率や気孔径を異ならせたことを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の反応器。
  6. 【請求項6】 前記第1反応筒の金属多孔質体チャンバ
    ーは、大中小の円筒の形状に合わせて個別に熱間等方加
    圧焼結体を成形した後、これらを、同心円状に配置され
    た大中小の円筒に圧入嵌合するようにしたことを特徴と
    する請求項5に記載の反応器。
  7. 【請求項7】 前記反応筒は、同心円状に配置された大
    中小の円筒に、所定粒度の金属粉末を充填して熱間等方
    加圧焼結して成形したことを特徴とする請求項5に記載
    の反応器。
  8. 【請求項8】 前記第2反応筒内の金属多孔質体は、気
    孔率や気孔径が前記第1反応筒内の金属多孔質体よりも
    更に大きく形成され、及び/又は、複数個の透孔が穿っ
    て形成され、 前記第2反応筒の中央部に、連通管が貫通して固定さ
    れ、 この連通管の下部に、チャンバー内の圧力を自動調整す
    る安全弁が装着されていることを特徴とする請求項4に
    記載の反応器。
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