JP3515944B2 - ヘテロバイポーラトランジスタ - Google Patents

ヘテロバイポーラトランジスタ

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JP3515944B2
JP3515944B2 JP2000181580A JP2000181580A JP3515944B2 JP 3515944 B2 JP3515944 B2 JP 3515944B2 JP 2000181580 A JP2000181580 A JP 2000181580A JP 2000181580 A JP2000181580 A JP 2000181580A JP 3515944 B2 JP3515944 B2 JP 3515944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、格子歪みが小さい
範囲内でSiGeC層を含むベース層を備えたヘテロバ
イポーラトランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エミッタ−ベース−コレクタ
間のいずれかの接合部において、バンドギャップが互い
に異なる2つの半導体材料のエネルギーバンドの境界に
形成されるヘテロ障壁を設け、このヘテロ障壁を利用し
てキャリアの蓄積や電流増幅率の改良などを図ろうとす
るヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)は、優れた
高周波特性を生かして、マイクロ波・ミリ波帯域での能
動デバイスとして用いられつつある。例えばGaAsな
どのIII-V 族化合物半導体を用いたHBTが最も精力的
に研究開発がなされているが、近年、シリコン基板上に
作製可能なIV−IV族化合物であるSiGe系の材料を用
いたHBT(SiGe−HBT)が注目を集めている。
また、SiGe−HBTは、Si−BJTに比べて、S
iGe層からなるベース層のバンドギャップが小さいこ
とにより、低電圧で動作可能となることについても注目
を集めている。
【0003】従来、提案されている高速化を図るための
SiGe−HBTとしては、SiGeベース層における
Ge含有率をエミッタ層側からコレクタ層側に向かう方
向に徐々に増加させた傾斜組成ベース層を備えたものと
(参考文献1)(L. Harameet al., "Optimization of
SiGe HBT Technology for High Speed Analog andMixe
d-Signal Applications," IEDM Tech. Dig. 1993, p.7
1.)、ベース層のGe含有率及びベース層の不純物のド
ーピング濃度を高くし、ベース層の厚みを非常に薄くし
た構造のもの(参考文献2)(A. Schuppen et al.,"En
hanced SiGe Heterojunction Bipolar Transistors wit
h 160 GHz-fmax," IEDM Tech. Dig. 1995, p.743. )の
2つのタイプが代表的である。
【0004】前者の傾斜組成ベース層を備えたトランジ
スタにおいては、ベース層に注入されたキャリアが、傾
斜組成によって生じる電界によって加速されてベース層
をドリフト走行する。ドリフト電界によるキャリアの走
行は、キャリアの拡散による走行に比べて高速であるた
め、傾斜組成ベース構造を有するトランジスタにより、
ベース層を走行するのに要する時間(ベース走行時間)
の短縮が図られ、良好な高周波特性が得られている。
【0005】一方、後者のヘテロバイポーラトランジス
タは、Ge含有率が高い均一組成のSiGeによって構
成されたナローバンドギャップを有するベース層を備え
ている。そして、ベース層に高濃度のキャリア用不純物
をドーピングすることにより、エミッタ・コレクタ間の
パンチスルーを抑制しつつベース層の薄層化を図り、ベ
ース走行時間の短縮を図っている。この場合は、ベース
層のバンドギャップがエミッタ層のバンドギャップより
も小さいことから、エミッタ・ベース間のPN接合のビ
ルトインポテンシャルが小さくなるため、低電圧で大き
なコレクタ電流や十分な高周波特性を得ることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の各ヘテロバイポーラトランジスタにおいては、それ
ぞれ以下のような不具合があった。
【0007】まず、上記傾斜組成ベース構造を有するヘ
テロバイポーラトランジスタにおいては、傾斜組成によ
るドリフト電界を大きくするために、組成の傾斜を大き
くする必要がある。すなわち、ベース層内のエミッタ層
に接する領域におけるGe含有率を小さく、コレクタ層
に接する領域におけるGe含有率を大きくする必要があ
る。このため、通常、ベース層内のエミッタ層に接する
領域においてはGeを含まずSiのみの組成としている
ことが多い。この時、ベース・エミッタ間のPN接合は
シリコンとシリコンのホモ接合となっているので、低電
圧動作は期待できない。また、ベース走行時間をさらに
短縮し、高周波特性を改善するためには、ベース層内の
コレクタ層に接する領域におけるGe含有率をさらに高
くする必要がある。しかしながら、Si基板上に形成さ
れたSiGe層においては、SiとGeの格子定数の相
違(格子不整合)により、Ge含有率を大きくしすぎる
とベース層内に転位が発生して信頼性の悪化等を招くた
め、Ge含有率の増大には限界がある。参考文献3
(S.R.Stiffler et.al.,"The thermal stability ofS
iGe films deposited by ultrahigh-vacuum chemical v
apor deposition," J.Appl.Phys.,70(3), pp.1416-142
0,1991. )によると、ヘテロバイポーラトランジスタの
ベース層に用いられる実用的なGe含有率の上限は10
%程度である。したがって、ベース層における組成の傾
斜を強めてさらなる高周波化や低電圧化は現状では困難
である。
【0008】一方、上記従来のヘテロバイポーラのうち
後者の均一組成ベースを用いた構造においても、上述の
ように、格子定数差による転位が発生する臨界膜厚が問
題となる。実際、参考文献2に記載されているSiGe
HBTでは、高いGe含有率を用いているため、高温で
の処理を必要とするプロセスを用いずに作製し、転位の
発生を抑制している。したがって、高温のプロセスを必
要とするシリコンプロセスには適用できず、BiCMO
Sデバイスなどの混載デバイスや集積回路を実現するこ
とは不可能である。したがって、ビルトインポテンシャ
ルのさらなる低減によるさらなる低電圧動作化には限界
がある。
【0009】本発明の目的は、コレクタ層のバンドギャ
ップやエミッタ層の平均的なバンドギャップと、ベース
層のバンドギャップとの差を大きくしてもベース層にお
ける格子歪み量を小さくしうる手段を講ずることによ
り、信頼性を高く維持しつつ、より低電圧動作、高速動
作が可能なヘテロバイポーラトランジスタを提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のヘテロバイポー
ラトランジスタは、基板上に、Siを成分として有する
半導体材料により構成される第1の半導体層と、Si,
Ge及びCを成分として有し上記第1の半導体層よりも
バンドギャップの小さい半導体材料により構成される上
層,中央層及び下層からなる第2の半導体層と、Siを
成分として有し上記第2の半導体層よりもバンドギャッ
プが大きい半導体材料により構成される第3の半導体層
とを順次積層して構成され、上記第1の半導体層と上記
第2の半導体層との間にヘテロ障壁が形成されていると
ともに、上記第1の半導体層に形成され、第1導電型不
純物を含むコレクタ層と、上記第2の半導体層に形成さ
れ、第2導電型不純物を含むベース層と、上記第3の半
導体層に形成され、第1導電型不純物を含むエミッタ層
とを備え、上記第2の半導体層の平均格子歪みが1.0
%以下であって、上記ヘテロバイポーラトランジスタの
基本構造において、上記第2の半導体層の中央層におい
て、第3の半導体層から第1の半導体層に向かう方向に
バンドギャップが減小している場合には、ベース層にお
いてキャリアを電界によって加速する機能が得られるの
で、ベース走行時間が短縮され、高速動作するヘテロバ
イポーラトランジスタを得ることができる
【0011】これにより、例えばSi1-x-y Gexy
(Geの含有率をx、Cの含有率をy)として表される
第2の半導体層のGe及びCの含有率の調整によって、
エミッタ・ベース間のPN接合のビルトインポテンシャ
ルの低減による低電圧動作化や、傾斜組成ベース構造に
よる動作速度の向上などを実現できる。その際、Si層
上にエピタキシャル成長されたSiGe層のように、格
子不整合による格子欠陥の発生防止のためにGe含有率
の厳しい上限を招くことがない。すなわち、Si,Ge
及びCを成分として有する第2の半導体層の場合には、
Siなどからなる第1,第3の半導体層との格子不整合
に起因する平均格子歪みを1.0%以下に抑制しつつ、
第1,第3の半導体層とのバンドギャップ差を拡大する
ことが可能である。したがって、信頼性の高いかつ機能
の優れたヘテロバイポーラトランジスタを得ることがで
きる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】この第2の半導体層において第3の半導体
層から第1の半導体層に向かう方向にバンドギャップを
減小させるための構造としては、以下の構造がある。
【0022】上記第3の半導体層は、Siのみによって
構成され、上記第2の半導体層の上層の組成は上記中央
層と連続的に変化して、その第3の半導体層に接する部
分はSiのみによって構成され、上記第2の半導体層の
上記中央層及び上層が、Ge及びCのうち少なくとも一
方の含有率が上記第3の半導体層から上記第1の半導体
層に向かう方向に増大するように傾斜する組成を有する
ようにすればよい。
【0023】その場合、上記第2の半導体層の上記中央
層及び上層において、GeとCとの含有率比を一定に保
ちながら両者の含有率を増大させることにより、電界に
よるキャリアの加速機能をより強化することができる。
【0024】また、第2の半導体層が傾斜組成を有する
ヘテロバイポーラトランジスタにおいて、上記第2の半
導体層の下層において、Cの含有率,あるいはC及びG
eの含有率が上記中央層から上記第1の半導体層に向か
う方向に減小している場合には、上述のように、ベース
・コレクタ接合部においてノッチなどのバンドオフセッ
トのないなめらかに変化するバンド構造を得ることがで
きる。
【0025】上記第2の半導体層が傾斜組成を有するヘ
テロバイポーラトランジスタにおいて、上記第2の半導
体層の上層がGe及びCのうち少なくともいずれか一方
を含むSiにより構成されている場合には、Ge又はC
の含有率を上記第3の半導体層から上記第1の半導体層
に向かう方向に変化させればよい。
【0026】このような傾斜組成を有する構造の例とし
て、以下のものがある。
【0027】上記第2の半導体層の中央層が圧縮歪みを
受ける組成を持たせる場合には、Cの含有率が一定でG
eの含有率が第3の半導体層から第1の半導体層に向か
う方向に増大する傾斜組成を有しているもの、Geの含
有率が一定でCの含有率が第3の半導体層から第1の半
導体層に向かう方向に減小する傾斜組成を有しているも
の、第3の半導体層から第1の半導体層に向かう方向
に、Geの含有率が増大しCの含有率が減小する傾斜組
成を有しているもの、第3の半導体層から第1の半導体
層に向かう方向にGe及びCの含有率が増大する傾斜組
成を有しているもの、などがある。
【0028】また、上記第2の半導体層の中央層が引っ
張り歪みを受ける組成を持たせる場合には、Cの含有率
が一定でGeの含有率が第3の半導体層から第1の半導
体層に向かう方向に減小する傾斜組成を有しているも
の、Geの含有率が一定でCの含有率が第3の半導体層
から第1の半導体層に向かう方向に増大する傾斜組成を
有しているもの、第3の半導体層から第1の半導体層に
向かう方向にGeの含有率が減小しCの含有率が増大す
る傾斜組成を有しているもの、第3の半導体層から第1
の半導体層に向かう方向にGeの含有率が増大しCの含
有率が増大する傾斜組成を有しているもの、などがあ
る。
【0029】このように、圧縮歪み又は引っ張り歪みの
いずれか一方のみを有する領域内で第2の半導体層の中
央層に傾斜組成を持たせることにより、SiGeCによ
って構成される中央層が格子整合するような領域を通ら
ずにSiGeC含有率が変化するので、第2の半導体層
の中央層において逆のバンドギャップ勾配が発生するな
どの不具合を回避することができる。
【0030】なお、第2の半導体層の中央層が傾斜組成
を有しているヘテロバイポーラトランジスタにおいて
も、上記第2の半導体層の上層において、Cの含有率,
あるいはC及びGeの含有率が第3の半導体層から上記
中央層に向かう方向に増大していることが好ましい。
【0031】また、上記第2の半導体層の下層におい
て、Cの含有率,あるいはC及びGeの含有率が上記中
央層から第1の半導体層に向かう方向に減小しているこ
とが好ましい。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【発明の実施の形態】−ベース層をSiGeC層によっ
て構成することの利点− 各実施形態について説明する前に、Si,Ge及びCを
含む三元混晶半導体であるSiGeC層によってヘテロ
バイポーラトランジスタのベース層を構成することの利
点について説明する。
【0038】図18は、従来のSiGe−HBTなどに
おけるSi層の上に形成されたSiGe膜のGe含有率
と格子歪み,臨界膜厚との関係を示す特性図である。H
BTとして実用的な最小ベース層の膜厚は25nm程度
であることを考慮すると、SiGe膜においては、格子
歪みが0.5%以内となる組成を選ぶ必要があることが
わかる。
【0039】一方、SiGeC三元混晶半導体のバンド
ギャップについては、参考文献4(K.Brunner et.a
l.,"SiGeC :Band gaps, band offsets, optical proper
ties, and potential applications," J.Vac.Sci.Techn
ol.B 13(3), pp.1701-1706,1998)に一部が記載されて
いる。それによると、SiGeC三元混晶半導体はSi
単結晶よりもバンドギャップが小さく、かつ、Si単結
晶の上にSiGeC層を形成することにより格子歪みが
小さい半導体層を形成できることがわかる。
【0040】ここで、図19は、本発明者達の実験によ
って得られたデータであって、一般式Si1-x-y Gex
y で表されるSiGeC結晶層について、950℃下
で15sec間の熱処理(RTA)を行なったときの結
晶性の変化を示すデータである。同図において、横軸は
Ge含有率を表し、縦軸はC含有率を表し、かつ、歪み
量(圧縮歪み及び引っ張り歪みを含む),バンドギャッ
プがそれぞれ一定となる組成条件を直線によって示して
いる。同図の○印は、結晶性が良好に保持されたGe,
C含有率の値を示し、同図の×印は結晶性が劣化したG
e,C含有率の値を示している。同図からわかるよう
に、Si1-x-y Gexy 結晶層の場合には、ひずみが
0.5%を越えても、1.0%以内であれば結晶性が崩
れずに良好に保たれていることがわかる。図19には、
圧縮ひずみを生じる場合のデータしか示されていない
が、原理的に、引っ張りひずみについても同様のひずみ
量が臨界値と考えられる。
【0041】図20(a)〜(d)は、Si1-x Gex
結晶層及びSi1-x-y Gexy 結晶層の各組成におけ
る熱処理によるX線回折スペクトルの変化を示す図であ
る。そのうち、図20(a),(d)は、それぞれGe
含有率が13.2%,30.5のSi1-x Gex 結晶層
のX線回折スペクトルのみを示し、図20(b),
(c)は、Ge含有率が21.5%,26.8%におけ
るSi1-x-y Gexy 結晶層とSi1-x Gex 結晶層
とにおける熱処理によるX線回折スペクトルの変化を示
す図である。図20(b),(c)に示すSi1-x-y
xy 結晶層の組成は、図19中の測定点に含まれて
いる。
【0042】例えば、図20(a)を参照すると、0次
の回折ピークの両側における二次,三次,…の回折ピー
クは、熱処理を行なった後もそれほど変化していない
(崩れていない)ことから、Si1-x Gex 結晶層の結
晶性は比較的良好に保たれていると考えられる。この組
成は、図18に示すひずみが0.5%付近であるSi1-
x Gex 結晶層の組成に相当する。また、図20(d)
に示すように、Ge含有率が30.5%になると、熱処
理を行なった後では、0次の回折ピークの両側における
二次,三次,…の回折ピークパターンがほとんどわから
なくなっていることから、Si1-x Gex 結晶層の結晶
性は悪化していると考えられる。この組成は、図18に
示すひずみが1.0%以上の範囲にあるSi1-x Gex
結晶層の組成に相当する。
【0043】一方、図20(b)を参照すると、Cの含
有率が0.33%であるSi1-x-yGexy 結晶層に
おいては、0次の回折ピークの両側における二次,三
次,…の回折ピークは、熱処理を行なった後もそれほど
変化していない(崩れていない)ことから、Si1-x-y
Gexy 結晶層の結晶性は比較的良好に保たれてい
る。ところが、Cの含有率が0つまりSi1-x Gex
晶層の場合、熱処理を行なった後では、0次の回折ピー
クの両側における二次,三次,…の回折ピークパターン
が不明瞭になっていることから、Si1-x Gex 結晶層
の結晶性が悪化していることがわかる。図20(c)に
ついても同様である。
【0044】図1は、SiGeC三元混晶半導体におけ
るGe及びCの含有率とバンドギャップ,格子歪みの関
係を示す状態図である。同図において、横軸はGe含有
率を表し縦軸はC含有率を表し、かつ、歪み量(圧縮歪
み及び引っ張り歪みを含む),バンドギャップがそれぞ
れ一定となる組成条件を直線によって示している。図1
9,図20(a)〜(d)に示すデータから裏付けられ
るように、図1中、ドットハッチングを施した領域は、
Si層上のSiGeC層における格子歪み量が1.0%
以内で、かつバンドギャップが従来の実用的なSiGe
(Ge含有率が約10%)のバンドギャップよりも小さ
くできる領域である。この領域は、Si 1-x-y Gex
y とあらわされるSiGeCにおいて、Geの含有率を
x、Cの含有率をyとした場合、次の4つの直線 直線 :y=0.122x−0.032 直線 :y=0.1245x+0.028 直線 :y=0.2332x−0.0233(Ge含
有率が22%以下) 直線 :y=0.0622x+0.0127(Ge含
有率が22%以下) によって囲まれる領域である。なお、図中、格子歪みが
0%と記された直線上の組成を有するSiGeC層は、
下地のSi層と格子整合している。
【0045】したがって、エミッタ層、ベース層、コレ
クタ層からなるヘテロバイポーラトランジスタにおい
て、ベース層を図1のドットハッチングで示された領域
の組成からなるSiGeCによって構成することで、従
来のSiGeでは、格子歪みにより実用上問題であった
ナローバンドギャップベースを実現することができる。
【0046】したがって、本発明によれば、ベース層に
バンドギャップが小さく、かつ格子歪み量が小さくなる
材料としてSiGeC三元混晶半導体材料を選択するこ
とにより、信頼性が高く、低電圧動作、高速動作が可能
なヘテロバイポーラトランジスタを実現することができ
る。
【0047】なお、図1は、SiGeC層の下地層がS
i単一組成を有する場合の状態図であるが、下地層がS
iにGeやCを多少含む場合であっても、SiGeC層
の格子歪みが1.0%以下で、かつ、下地層とSiGe
C層とバンドギャップの差を大きく確保できる限り、同
様の効果を発揮することができる。
【0048】−ヘテロバイポーラトランジスタの全体構
造及び製造工程の例− 図2は、本発明を適用しうる1つの例である,Si結晶
からなるコレクタ層と、SiGeC結晶からなるベース
層とを有するヘテロバイポーラトランジスタの断面図で
ある。
【0049】図2に示すように、Si基板1の上には、
LOCOS膜2によって囲まれる第1の活性領域Re1と
第2の活性領域Re2とが設けられている。Si基板1内
には、n型不純物を含むサブコレクタ層3aが形成され
ており、このサブコレクタ層3aはSi基板1内におい
て第1の活性領域Re1と第2の活性領域Re2との間に亘
っている。また、Si基板1においてサブコレクタ層3
aの上にはエピタキシャル成長によって形成された第1
の半導体層であるSiエピタキシャル層20が設けられ
ており、このSiエピタキシャル層20のうち第1の活
性領域Re1にはコレクタ層3bが、第2の活性領域Re2
にはコレクタウォール層3cがそれぞれ設けられてい
る。さらに、Siエピタキシャル層20の第1の活性領
域Re1の上には、エピタキシャル成長によって順次形成
された第2の半導体層であるSiGeC層4と、第3の
半導体層であるSi層5とが形成されている。ただし、
SiGeC層4及びSi層5は、基板のSiエピタキシ
ャル層20が露出している部分の上では単結晶膜となる
が、LOCOS膜2の上では多結晶膜となっている。S
iGeC層4におけるコレクタ層3bの上方に位置する
領域はp型不純物を含む真性ベース層8aとなってお
り、真性ベース層8aの側方の領域には、SiGeC層
4,Si層5及びSi基板1内の各部分8x,8y及び
8zに亘る外部ベース層8bが形成されている。さら
に、Si層5における真性ベース層8aの上方に位置す
る領域には、n型不純物を含むエミッタ層9が形成され
ている。
【0050】ここで、真性ベース層8aとコレクタ層3
bとの境界は、図2においては単一の線によって示され
ているが、実際には不純物が導入された状態に応じてベ
ース・コレクタ間の境界となるPN接合部が変化する。
したがって、真性ベース8a−コレクタ層3b間の境界
と、Siエピタキシャル層20−SiGeC層4間の境
界とは、ほとんど一致することがない。真性ベース層8
a−エミッタ層9間の境界と、SiGeC層4−Si層
5間の境界との位置関係についても同様である。Siエ
ピタキシャル層20,SiGeC層4及びSi層5同士
の境界と、コレクタ層3b,真性ベース層8a及びエミ
ッタ層9同士の境界との位置関係については、後に詳し
く説明する。
【0051】さらに、Si層5の上には高濃度のp型不
純物を含むBSG(Boron SilicateGlass)膜6が設け
られていて、上述の外部ベース層8bには、このBSG
膜6から拡散したp型不純物であるボロンがドープされ
ている。そして、BSG膜6の開口の側面には絶縁体サ
イドウォール10が形成されており、開口内には高濃度
のn型不純物(例えばリン)を含むポリシリコンからな
るエミッタ電極11が形成されている。そして、このエ
ミッタ電極11からエミッタ層9内にn型不純物(例え
ばリン)を拡散させてなる高濃度エミッタ層9aが形成
されている。なお、エミッタ層9内には、あらかじめn
型不純物(リン又は砒素)がエピタキシャル成長時にin
-situ ドープによって導入されていてもよい。
【0052】また、Si基板1内の第2の活性領域Re2
の上には、n型不純物(例えばリン)を含むコレクタ電
極12が形成されている。そして、コレクタウォール層
3cの上には、コレクタ電極12から拡散されたn型不
純物を含むコレクタコンタクト層14が形成されてい
る。
【0053】さらに、基板の主面上には、酸化シリコン
からなる層間絶縁膜13が形成されていて、この層間絶
縁膜13に形成されたコンタクトホールを介して上述の
エミッタ電極11,Si層5,コレクタ電極12にそれ
ぞれ接続されるAl配線21,22,23が設けられて
いる。ここで、上述のSi層5及びSiGeC層4の多
結晶膜となっている部分は、結晶膜となっている部分に
形成された外部ベース層8bにつながるものであり、い
わばベース電極として機能している。
【0054】この例におけるヘテロバイポーラトランジ
スタは、エピタキシャル成長されたSiGeC層4及び
Si層5の上に、開口を有する不純物ドープ用のBSG
膜6を形成し、このBSG膜6からp型不純物であるボ
ロンを拡散させて外部ベース層8bを形成する一方、B
SG膜6の開口に形成されたエミッタ電極11からエミ
ッタ層9内にn型不純物を拡散させて高濃度エミッタ層
9aを形成したものである。つまり、外部ベース層8b
と高濃度エミッタ層9aとはいずれもBSG膜6の開口
に自己整合的に形成されている。ただし、必ずしも外部
ベース層8bと高濃度エミッタ層9aとをいずれもBS
G膜6の開口に自己整合的に形成する必要はない。
【0055】次に、図3(a)〜(k)を参照しなが
ら、本実施形態に係るヘテロバイポーラトランジスタの
製造方法について説明する。
【0056】まず、図3(a)に示す工程で、Si基板
1内に高濃度のn型不純物が注入されたサブコレクタ層
3aを形成した後、LP−CVD法により、低濃度のn
型不純物を含むSiエピタキシャル層20をエピタキシ
ャル成長させて、このSiエピタキシャル層20の上に
第1,第2活性領域Re1,Re2を囲むLOCOS膜2を
形成する。エピタキシャル成長されたSiエピタキシャ
ル層20は、第1の活性領域Re1ではコレクタ層3bと
なり、第2の活性領域Re2ではコレクタウォール層3c
となっている。
【0057】次に、図3(b)に示す工程で、基板の全
面上に、UHV−CVD法により、上端部及び下端部を
除く部分にボロンをドープした厚み約50nmのp型S
iGeC層4と、ノンドープの厚み約20nmのSi層
5とを順次エピタキシャル成長により形成する。この
時、SiGeC層4及びSi層5は、シリコン表面が露
出した部分の上では単結晶膜であり、LOCOS膜2の
上には多結晶膜である。このとき、SiGeC層4を成
長させる際には、UHV−CVD装置内で、ジシラン
(Si26 )の流量を7.5ml/min.、ゲルマ
ン(GeH4 )の流量を20ml/min.、メチルシ
ラン(10%SiH3 CH3 /H2 )の流量を10ml
/min.とし、成長温度を500℃とし、成長圧力を
約0.53Pa(4×10-3Torr)とする。また、
Si層5を成長させる際には、UHV−CVD装置内
で、ジシラン(Si26 )の流量を7.5ml/mi
n.とし、成長温度を550℃とし、成長圧力を約0.
27(2×10-3Torr)とする。そして、SiGe
C層4をエピタキシャル成長させる際のボロンを導入す
るタイミングを制御することで、後述するように、コレ
クタ・ベース接合部とSi層5−SiGeC層4間の境
界との位置関係を適宜調整することができる。
【0058】また、Si層5(Si単結晶膜及びSi多
結晶膜)をエピタキシャル成長させるときに、比較的高
濃度のn型不純物(リン又は砒素)をin-situ ドープに
より導入しておいてもよい。
【0059】次に、図3(c)に示す工程で、SiGe
C層4及びSi層5のうち活性ベース層と引き出しベー
ス電極として機能する部分を残して、他の部分はドライ
エッチングによって除去する。
【0060】次に、図3(d)に示す工程で、基板の全
面上に8%程度のボロンを含む厚み約200nmのBS
G(Boron Silicate Glass)膜6を常圧CVD法により
堆積した後、フォトリソグラフィー工程及びドライエッ
チング工程により、BSG膜6をパターニングして、B
SG膜6のうち第2の活性領域Re2の部分は全面的に除
去する一方、BSG膜6のうち第1の活性領域Re1の上
にエミッタ電極形成用の開口6aを形成する。
【0061】次に、図3(e)に示す工程で、CVD法
により、基板の全面上に厚み約100nmの保護窒化膜
7を堆積する。この保護窒化膜7は次工程でのBSG膜
6からのボロン拡散の際に、BSG膜6から気相中にボ
ロンが抜け出し、シリコン表面が露出した部分に付着し
て、基板内に拡散することを防止する働きをする。
【0062】次に、図3(f)に示す工程で、RTA
(Rapid Thermal Anneal)法により、950℃で10秒
間の熱処理を行い、BSG膜6中のボロンを、Si層5
のうちBSG膜6の下方に位置する部分(つまり開口6
aの周囲に位置する部分),SiGeC層4のうちBS
G膜6の下方に位置する部分,及びコレクタ層3bのう
ちBSG膜6の下方に位置する部分に拡散させる。この
工程により、Si層5及びコレクタ層3bのうちBSG
膜6の下方に位置する部分8x,8z(つまり開口6a
の周囲に位置する部分)はp型になり、SiGeC層4
のうちBSG膜6の下方に位置する部分8yはp型不純
物濃度がさらに濃くなって低抵抗化する。その結果、開
口6aの周囲に位置する部分においては、Si層5,S
iGeC層4及びコレクタ層3b内の各部分8x,8
y,8zに亘る外部ベース層8bが形成される。このと
き、上述の図19,図20(a)〜(d)に示すよう
に、本発明のSiGeC層の結晶性は悪化することな
く、良好に保たれる。
【0063】次に、図3(g)に示す工程で、異方性ド
ライエッチングにより、保護窒化膜7をエッチバックし
て、BSG膜6の側面にサイドウォール10を形成す
る。このサイドウォール10は、後に形成される高濃度
エミッタ層と外部ベース層との耐圧を十分に確保するた
めのものである。
【0064】次に、図3(h)に示す工程で、エミッタ
電極およびコレクタ電極となる高濃度にリンがドープさ
れたポリシリコン膜をLPCVD法により堆積した後、
ドライエッチングにより、このポリシリコン膜をパター
ニングして、第1の活性領域Re1上にはエミッタ電極1
1を、第2の活性領域Re2上にはコレクタ電極12をそ
れぞれ形成する。
【0065】次に、図3(i)に示す工程で、CVD法
により、酸化シリコンからなる層間絶縁膜13を堆積す
る。
【0066】次に、図3(j)に示す工程で、950
℃,15secの熱処理(RTA)により、エミッタ電
極11からエミッタ層9及びSiGeC層4の上端部に
リンを拡散させて高濃度エミッタ層9aを形成するとと
もに、コレクタ電極12からコレクタウォール層3c内
にリンを拡散させてコレクタコンタクト層14を形成す
る。このときにも、上述の図19,図20(a)〜
(d)に示すように、本発明のSiGeC層の結晶性は
悪化することなく、良好に保たれる。
【0067】次に、図3(k)に示す工程で、ドライエ
ッチングにより、層間絶縁膜13にエミッタ電極11,
Si層5及びコレクタ電極12にそれぞれ到達するコン
タクトホールを形成した後、各コンタクトホール内及び
層間絶縁膜13の上に亘って、Al配線21,22,2
3を形成する。
【0068】以下の各実施形態においては、図1に示す
組成,引っ張り歪み,バンドギャップ等の特性を参照し
ながら、図2に示す構造を有し図3(a)〜(k)に示
す工程で形成されるヘテロバイポーラトランジスタを例
として、エミッタ,ベース及びコレクタの構造について
説明する。ただし、本発明のヘテロバイポーラトランジ
スタの構造や製造工程は、図2に示す構造や図3(a)
〜(k)に示す製造工程に限定されるものではない。
【0069】(第1の実施形態)まず、真性ベース層8
aが均一組成のSiGeC層4により構成されたSiG
eC−HBTに関する第1の実施形態について説明す
る。
【0070】図4(a)〜(c)は、それぞれ順に、従
来のNPN型Si−BJTのエネルギーバンド構造、従
来の均一組成ベース層を有するNPN型SiGe−HB
Tのエネルギーバンド構造、本発明による均一組成Si
GeCベース層を有するNPN型SiGeC−HBTの
エネルギーバンド構造をそれぞれ示すバンド図である。
【0071】図4(a)に示すように、従来のNPN型
Si−BJTにおいては、エミッタ−ベース間における
伝導帯同士のポテンシャル差A1と価電子帯同士のポテ
ンシャル差B1とは互いに等しい。また、ベース−コレ
クタ間における伝導帯同士のポテンシャル差A2と価電
子帯同士のポテンシャル差B2とは互いに等しい。
【0072】それに対し、図4(b)に示すように、従
来のNPN型SiGe−HBTにおいては、価電子帯同
士のポテンシャル差B1がエミッタ−ベース間における
伝導帯同士のポテンシャル差A1よりも大きい。言い換
えると、ビルトインポテンシャルを低減することができ
る。したがって、エミッタからベースに流れるキャリア
(ここでは電子)の流量を一定に確保するために必要な
電圧を低くでき、低電圧動作化を実現することができ
る。
【0073】ただし、上述のように、SiGeベース層
のGe含有率は、格子不整合に起因する転位の発生を抑
制するために、一般的には10%以下である。したがっ
て、SiGe層とSi層とのバンドギャップ差をそれほ
ど大きくすることができず、価電子帯同士のポテンシャ
ル差B1,B2と伝導帯同士のポテンシャル差A1,A
2との差(B1−A1)や(B2−A2)もそれほど大
きくすることはできない。したがって、低電圧動作化に
も限界がある。
【0074】一方、図4(c)に示すように、本発明の
NPN型SiGeC−HBTにおいては、エミッタ層9
−真性ベース層8a間における価電子帯同士のポテンシ
ャル差B1と伝導帯同士のポテンシャル差A1との差
(B1−A1)や、真性ベース層8a−コレクタ層3b
間における価電子帯同士のポテンシャル差B2と伝導帯
同士のポテンシャル差A2との差(B2−A2)を、従
来のNPN型SiGe−HBTよりも大きくすることが
できる。すなわち、本実施形態においては、真性ベース
層8aが包含されるSiGeC層4の組成を、図1中の
ドットハッチングを施した領域内の組成とすることによ
り、真性ベース層8a内の格子歪みを1.0%以内に抑
制し、かつ、真性ベース層8aのバンドギャップが従来
の実用的なSiGe層(Geの含有率が約10%)より
小さくすることができる。したがって、上述の低電圧動
作化をより顕著に進めることができる。
【0075】ここで、従来のSi−BJT,従来のSi
Ge−HBT及び本発明のSiGeC−HBTにおける
ベース層を構成するSi,SiGe及びSiGeCのバ
ンドギャップの相違について説明する。
【0076】例えば、本実施形態では、ベース層を構成
するSiGeCの組成をGe含有率が30%でC含有率
が2.1%としている。図1に示すように、この組成に
おいては、格子歪みが1.0%以下であり、Si,実用
的なSiGe,本実施形態におけるSiGeCのバンド
ギャップを比較すると、 Si :1.12eV SiGe(Ge含有率10%) :1.04eV SiGeC(Ge含有率30%,C含有率2.1%):0.95eV となる。したがって、このような組成を有するSiGe
C層によって構成される真性ベース層を有するヘテロバ
イポーラトランジスタは、SiはもとよりSiGeによ
って構成されるベース層を有するバイポーラトランジス
タに比べて、バンドギャップが小さいベース層を実現す
ることができる。そして、このことにより、図4(c)
に示すように、エミッタ層9−真性ベース層8a間にお
ける価電子帯同士のポテンシャル差B1と伝導帯同士の
ポテンシャル差A1との差(B1−A1)や、真性ベー
ス層8a−コレクタ層3b間における価電子帯同士のポ
テンシャル差B2と伝導帯同士のポテンシャル差A2と
の差(B2−A2)が極めて大きい,低電圧動作化され
たヘテロバイポーラトランジスタを得ることができるの
である。
【0077】図5は、本実施形態に係るヘテロバイポー
ラトランジスタのベース・コレクタ電流のベース電圧依
存特性(ガンメルプロット)を従来のSi−BJT,S
iGe−HBTと比較して示す図である。本実施形態の
ごとく、バンドギャップが小さいSiGeCにより構成
されるベース層をヘテロバイポーラトランジスタに設け
ることにより、エミッタ・ベース間のPN接合における
ビルトインポテンシャルが小さくなり、従来の均一組成
SiGeHBTと比べて、低電圧で大きなコレクタ電流
が得られる。つまり、本実施形態のSiGeC−HBT
においては、従来にない低電圧動作が実現されている。
【0078】また、図21,図22は、Ge含有率が2
1.5%,26.8%のときのSi 1-x Gex 結晶層及
びSi1-x-y Gexy 結晶層をベース層として有する
バイポーラトランジスタのエミッタ接地におけるVCE
−IC 特性(コレクタ−エミッタ間電圧とコレクタ電流
との関係)を示す図である。図21,22からわかるよ
うに、Si1-x Gex 結晶層を用いたバイポーラトラン
ジスタにおいては、コレクタ電流IC がほぼフラット
になる領域がほとんど存在せず、コレクタ電流のVCE
存性が非常に大きい。すなわち、このバイポーラトラン
ジスタは正常な増幅作用を行なうことが困難であること
がわかる。すなわち、Si1-x Gex 結晶層を用いたバ
イポーラトランジスタにおいては、Ge含有率が10%
までが実用的な限界であることが裏付けられている。
【0079】それに対して、Si1-x-y Gexy 結晶
層を用いたバイポーラトランジスタにおいては、コレク
タ電流IC がほぼフラットになる領域が存在し、コレク
タ電流のVCE依存性はそれほど大きくない。したがっ
て、本実施形態のSi1-x-y Gexy 結晶層をベース
層として用いたバイポーラトランジスタは、Ge含有率
が21.5%,26.8%という極めて高い値であって
も、安定したバイポーラ動作を行なうことができること
が示されている。
【0080】−Si層・SiGeC層の境界付近の構造
− ここでは、本実施形態におけるNPNヘテロバイポーラ
トランジスタのリンを含むエミッタ層9,ボロン(B)
を含む真性ベース層8a及びリンを含むコレクタ層3b
の形成位置と、Siエピタキシャル層20,SiGeC
層4及びSi層5の形成位置との関係について、図6
(a),(b)〜図9(a),(b)を参照しながら説
明する。図6(a),(b)〜図9(a),(b)にお
いては、Siエピタキシャル層20,SiGeC層4及
びSi層5の形成位置をGe及びCの有無によって区別
し、エミッタ層9,真性ベース層8a及びコレクタ層3
bの形成位置をボロンの有無によって区別している。つ
まり、Siエピタキシャル層20及びSi層5にはG
e,Cはいずれも導入されていないことから、Ge含有
率とC含有率とが記載されているSiGeC層4層と、
Siエピタキシャル層20及びSi層5との境界が明示
されている。また、エミッタ層9及びコレクタ層3bに
はボロンが導入されていないことから、ボロンの濃度プ
ロファイルが記載されている真性ベース層8aと、エミ
ッタ層9及びコレクタ層3bとの境界が明示されてい
る。なお、図6(a),図7(a),図8(a)及び図
9(a)において、エミッタ層9及びコレクタ層3bに
導入されたリンの濃度は記載されていない。
【0081】また、図6(b),図7(b),図8
(b)及び図9(b)においては、エミッタ層,真性ベ
ース層及びコレクタ層に亘る伝導帯端と価電子帯端との
形状のみを表している。
【0082】図6(a)は、全体的に均一組成のSiG
eC層4を備え、ベース層8aを構成するためのボロン
がSiGeC層4よりも広い範囲,つまりSiエピタキ
シャル層20及びSi層5内にドープされたヘテロバイ
ポーラトランジスタのSiエピタキシャル層20及びS
i層5の位置と、真性ベース層8a,エミッタ層9及び
コレクタ層3bの位置との関係を示す図である。図6
(b)は、図6(a)に示す不純物プロファイルを有す
るトランジスタのエネルギーバンド図である。図6
(b)に示すように、SiGeC層4の外側にエミッタ
・ベース接合、ベース・コレクタ接合があり、Si−S
iGeC間のヘテロ接合界面が階段状に急峻な界面で形
成された場合は、各々の接合部に図6(a)に示すよう
な寄生バリアが生じ、キャリアの走行を阻害し、高周波
特性を劣化させる。また、エミッタからキャリアの注入
に要する電圧が高くなり、低電圧化の妨げとなる。これ
は、バンドギャップの大きなシリコンエミッタ層、シリ
コンコレクタ層がp型となっているためである。したが
って、真性ベース層8aやSiGeC層4からはみ出し
た広い範囲にまで形成するのは適切ではない。
【0083】図7(a)は、全体的に均一組成のSiG
eC層4を備え、ベース層8aを構成するためのボロン
がSiGeC層4内のみにドープされたヘテロバイポー
ラトランジスタのSiエピタキシャル層20及びSi層
5の位置と、真性ベース層8a,エミッタ層9及びコレ
クタ層3bの位置との関係を示す図である。図7(b)
は、図7(a)に示す不純物プロファイルを有するトラ
ンジスタのエネルギーバンド図である。図7(b)に示
すように、この場合には図7(a)に示すようなヘテロ
障壁に寄生バリアは形成されないが、各接合の空乏層領
域にノッチが生じる。このノッチも、また、キャリア
(ここでは電子)の走行を阻害する要因となる。これ
は、従来のSiGe−HBTでは見られないものであ
る。従来のSi/SiGeヘテロ接合の場合、バンドギ
ャップ差は、主に価電子帯におけるバンドオフセットΔ
Ev として現れ、伝導帯にはほとんどポテンシャルの段
差が生じないのに対して、Si/SiGeCヘテロ接合
の場合には、伝導帯にもバンドオフセットΔEcが生じ
ることに起因している。また、このSi/SiGeCヘ
テロ接合に生じる伝導帯バンドオフセットはC含有率が
大きくなるほど大きくなる。したがって、キャリア(こ
こでは電子)がエミッタ層9から真性ベース層8aを経
てコレクタ層3bに流れること自体はそれほど阻害され
ないが、寄生ノッチにキャリアが蓄積される分だけキャ
リアの流れが遅くなる。つまり、図7(a)に示す構造
は、ボロンをSiGeC層4内のみに導入している点で
は好ましいが、SiGeC層4のC含有率及びGe含有
率を一定としてSiGeC層4を全体的に均一な組成に
していることは適切ではない。
【0084】なお、ボロンなどのp型不純物がSiGe
C層4から外にはみ出ていても、n型不純物が導入され
ている領域とp型不純物が導入されている領域とがオー
バーラップしていることにより、p型領域がSiGeC
層4内に包含されていればよい。
【0085】図8(a)は、中央層4aが均一組成で、
両側の端部領域である下層4b及び上層4cが傾斜組成
のSiGeC層4を備え、ベース層8aを構成するため
のボロンがSiGeC層4内のみにドープされたヘテロ
バイポーラトランジスタのSiエピタキシャル層20及
びSi層5の位置と、真性ベース層8a,エミッタ層9
及びコレクタ層3bの位置との関係を示す図である。S
iGeC層4の下層4bにおいて、Ge含有率及びC含
有率が中央層4aからSiエピタキシャル層20に向か
う方向に徐々に減小している。また、SiGeC層4の
上層4cにおいて、Ge含有率及びC含有率がSi層5
から中央層に向かう方向に徐々に増大している。そし
て、Bが導入された領域である真性ベース層8aは、G
e含有率及びC含有率が一定の均一組成を有する中央層
4a内に包含されている。
【0086】ただし、このGe含有率やC含有率の変化
は、連続的な変化でなくステップ状の変化であってもよ
い。後述の各実施形態においても同様である。
【0087】図8(b)は、図8(a)に示す不純物プ
ロファイルを有するトランジスタのエネルギーバンド図
である。図8(b)に示すように、この場合にはヘテロ
障壁に寄生バリアも寄生ノッチも現れない。つまり、G
e含有率及びC含有率が徐々に変化することにより、伝
導帯端には明瞭なポテンシャル段差が発生せず、伝導帯
端がスムーズに変化するエネルギーバンド構造を示して
いる。これは、SiGeC層4の下層4b,上層4cに
おいて、伝導帯端にバンドオフセットを生じさせる原因
となるCが徐々に変化しているためである。その結果、
キャリア(ここでは電子)がエミッタから真性ベースを
経てコレクタに流れる作用自体が阻害されることはな
く、キャリアの流れが遅くなることもない。すなわち、
真性ベース層8aをSiGeC層4の中央層4aに包含
させるとともに、SiGeC層4のうちSiエピタキシ
ャル層20に隣接する下層4bにおいて、Ge含有率及
びC含有率を中央層4aからSiエピタキシャル層20
に向かう方向に徐々に減小させることにより、ヘテロバ
イポーラトランジスタの伝導帯におけるSiGeC層4
からSiエピタキシャル層20につながる部分で寄生バ
リアやノッチが発生するのを有効に防止することができ
る。同様に、真性ベース層8aをSiGeC層4の中央
層4aに包含させるとともに、SiGeC層4のうちS
i層5に隣接する上層4cにおいて、Ge含有率及びC
含有率をSi層5から中央層4aに向かう方向に徐々に
増大させることにより、ヘテロバイポーラトランジスタ
の伝導帯におけるSiGeC層4からSi層5につなが
る部分で寄生バリアやノッチが発生するのを有効に防止
することができる。
【0088】なお、Bが導入された領域である真性ベー
ス層8aがSiGeC層4の両端部4b,4cに跨って
いても、真性ベース層8aがSiGeC層4からはみ出
ていない限り、寄生バリアは発生することがなく、ノッ
チの発生も抑制することができる。
【0089】また、SiGeC層4の下層4b,上層4
cにおいて、Ge含有率及びC含有率は図8(a)に示
すように必ずしも直線的に増大している必要はなく、多
少の曲がりなどがあってもよい。特に、真性ベース層8
aがSiGeC層4のうち中央層4aに包含されている
場合には、SiGeC層4の端部領域4b,4cにおけ
るGe含有率やC含有率の変化する形状において階段状
の部分があってもよい。
【0090】図9(a)は、中央層4aが均一組成で下
層4b,上層4cが傾斜組成(Cのみ)のSiGeC層
4を備え、ベース層8aを構成するためのボロンがSi
GeC層4内のみにドープされたヘテロバイポーラトラ
ンジスタのSiエピタキシャル層20及びSi層5の位
置と、真性ベース層8a,エミッタ層9及びコレクタ層
3bの位置とを示す図である。SiGeC層4の下層4
bにおいて、Ge含有率は一定でC含有率がSiエピタ
キシャル層20から中央層4aに向かう方向に徐々に減
小している。また、SiGeC層4の上層4cにおい
て、Ge含有率が一定でC含有率がSi層5から中央層
4aに向かう方向に徐々に増大している。そして、Bが
導入された領域である真性ベース層8aは、Ge含有率
及びC含有率が一定の均一組成を有する中央層4a内に
包含されている。
【0091】図9(b)は、図9(a)に示す不純物プ
ロファイルを有するトランジスタのエネルギーバンド図
である。図9(b)に示すように、この場合にはヘテロ
障壁に寄生バリアも寄生ノッチも現れない。つまり、C
含有率が徐々に変化することにより、伝導帯端には明瞭
なポテンシャル段差が発生せず、伝導帯端がスムーズに
変化するエネルギーバンド構造を示している。これは、
SiGeC層4の下層4b,上層4cにおいて、伝導帯
端にバンドオフセットを生じさせる原因となるCが徐々
に変化しているためである。その結果、キャリアがエミ
ッタから真性ベースを経てコレクタに流れる作用自体が
阻害されることはなく、キャリアの流れが遅くなること
もない。すなわち、真性ベース層8aをSiGeC層4
の中央層4aに包含させるとともに、SiGeC層4の
うちSiエピタキシャル層20に隣接する下層4bにお
いて、Ge含有率は一定であってもC含有率を中央層4
aからSiエピタキシャル層20に向かう方向に徐々に
減小させることにより、ヘテロバイポーラトランジスタ
の伝導帯におけるSiGeC層4からSiエピタキシャ
ル層20につながる部分で寄生バリアやノッチが発生す
るのを有効に防止することができる。同様に、真性ベー
ス層8aをSiGeC層4の中央層4aに包含させると
ともに、SiGeC層4のうちSi層5に隣接する上層
4cにおいて、Ge含有率は一定であってもC含有率を
Si層5からSiGeC層4の中央層4aに向かう方向
に徐々に増大させることにより、ヘテロバイポーラトラ
ンジスタの伝導帯におけるSiGeC層4からSi層5
につながる部分で寄生バリアやノッチが発生するのを有
効に防止することができる。
【0092】なお、Bが導入された領域である真性ベー
ス層8aがSiGeC層4の下層4b,上層4cに跨っ
ていても、SiGeC層4からはみ出ていない限り、寄
生バリアは発生することがなく、ノッチの発生も抑制す
ることができる。
【0093】以上のように、SiGeC層4とSi層5
又はSi端結晶膜20との間のヘテロ接合界面でC含有
率やGe含有率が徐々に変化する傾斜組成とすることに
より、キャリア(電子)の走行を阻害することなく、ま
た、動作電圧の上昇を招くことなく、高周波特性に優
れ、低電圧で動作する実用的なヘテロバイポーラトラン
ジスタを形成することができる。
【0094】また、SiGeC層4の下層4b,上層4
cにおいて、C含有率は必ずしも直線的に増大している
必要はなく、多少の曲がりなどがあってもよい。特に、
真性ベース層8aがSiGeC層4のうち中央層4aに
包含されている場合には、SiGeC層4の下層4b,
上層4cにおける含有率が変化するプロファイル中に階
段状の部分があってもよい。
【0095】また、本実施形態では、真性ベース層8a
をGe含有率が30%、C含有率が2.1%で残部がS
iからなるSiGeC(Si0.679 Ge0.300.021
により構成している。この組成を有するSiGeC層を
Si層上にエピタキシャル成長させた場合、SiGeC
層は約1.0%の圧縮歪みを受けた状態となっている。
このような、圧縮歪みを受けた状態の組成を選択した理
由は、格子整合系と比較して、圧縮歪みを受けている系
では、低いGe含有率及び低いC含有率を有していて
も、高いGe含有率又はC含有率を有し格子整合したS
iGeC層のバンドギャップと同程度のバンドギャップ
が得られるからである。具体的には、本実施形態におけ
る圧縮歪みを受けたSi0.679 Ge0.300.021層のバ
ンドギャップは0.95eVであるが、これと同等の小
さいバンドギャップを格子整合系で実現する場合には、
Ge含有率を42%、C含有率を5.1%にする必要が
ある。つまり、Ge含有率もC含有率も大きくする必要
があり、C含有率の増大に伴う結晶性の悪化が生じる可
能性もある。また、上述のノッチもC含有率が大きくな
ると発生しやすい。
【0096】図10は、すでに説明した図1を簡略化し
て、1.0%以下の圧縮歪みを受ける領域を示す状態図
である。そして、図10中のドットハッチングを施した
領域Raは、格子整合条件を含まずに、格子歪みが1.
0%以下の圧縮歪みを受ける領域である。上述のよう
に、C含有率の増大を抑制しつつ、有効な効果を発揮し
得るほどに小さなバンドギャップを真性ベース層に持た
せるためには、図10中のドットハッチングを施して示
す領域Raの組成を有するSiGeC層を用いてベース
層を構成することが望ましい。
【0097】このように、Siエピタキシャル層20の
上にエピタキシャル成長により形成されたSiGeC層
4を有するヘテロバイポーラトランジスタにおいて、S
iGeC層4によって包含される真性ベース層8aを設
け、かつ、SiGeC層4を格子歪みが1.0%以内で
バンドギャップが小さくなるような条件でGe,Cを含
む均一組成のSiGeCで構成することにより、低電圧
で動作しうる動作速度の高いヘテロバイポーラトランジ
スタを実現することができる。また、このようなSi/
SiGeC系のヘテロバイポーラトランジスタは、現在
汎用されているシリコンプロセスを用いて容易に形成す
ることができるので、シリコン基板の上に集積化するこ
とも容易である。
【0098】なお、本実施形態においては、コレクタ層
3b及びエミッタ層9をSi単一組成を有する結晶によ
り構成したが、本発明はかかる実施形態に限定されるも
のではない。たとえば、Siエピタキシャル層20や、
Si層5にGeやCを含ませても、SiGeC層4の格
子歪みが1.0%以下である限り、本実施形態と同様の
効果を発揮することは可能である。
【0099】(第2の実施形態)次に、真性ベース層8
aが傾斜組成SiGeCにより構成されたSiGeC−
HBTに関する第2の実施形態について説明する。
【0100】図11(a)〜(c)は、それぞれ従来の
傾斜組成のベース層を有するSiGe−HBTのエネル
ギーバンド図、本実施形態に係る傾斜組成のベース層を
有するSiGeC−HBTのエネルギーバンド図、及び
本実施形態のSiGeC−HBTのGe含有率,C含有
率及びB(ボロン)濃度を示す図である。
【0101】図11(a)に示すように、従来のSiG
eヘテロバイポーラトランジスタにおいては、例えばベ
ース層のうちエミッタ層に接する端部におけるGe含有
率が最小(例えば0%)で、ベース層のうちコレクタ層
に接する端部におけるGe含有率が最大(例えば10
%)となるような傾斜組成SiGe層によってベース層
を構成することにより、SiGeベース層におけるエミ
ッタ層に接する部分のバンドギャップが最大値C1で、
SiGeベース層におけるコレクタ層に接する部分のバ
ンドギャップが最小値C2となるように構成できる。そ
して、このような傾斜組成を有するSiGeにより構成
されるベース層においては、伝導帯端の傾斜によってキ
ャリアをコレクタ層に向かう方向に加速する電界が生じ
る。このようなドリフト走行の場合には、キャリアの拡
散による走行よりも走行速度が高いので、ヘテロバイポ
ーラトランジスタの動作速度をさらに向上させることが
可能になる。しかし、従来の傾斜ベース構造を有するS
iGe−HBTでは、平均格子歪みが0.5%であるこ
とという制限から、ベース層におけるコレクタに接する
部分のGe含有率を20%程度までしか大きくすること
ができなかったので、バンドギャップの最小値C2を
0.97eV以下にすることは困難であった。そのた
め、ベース層における伝導帯端の傾斜の程度も、(1.
12−0.97)(eV)/t=0.15eV/t(t
はベース層の厚み)以上に大きくすることができない。
【0102】一方、図11(b),(c)に示すよう
に、本実施形態の真性ベース層8aを包含するSiGe
C層4の中央層4aは、Si層5(エミッタ層)に接す
る部分においてはGe含有率及びC含有率を0(つまり
Si単独の組成)とし、Si結晶膜20(コレクタ層)
に接する部分においてはGe含有率を40%,C含有率
を1%としている。そして、SiGeC層4において、
Si層5からSiエピタキシャル層20に向かう方向に
Ge含有率およびC含有率が直線的に大きく増大する構
造となっている。ただし、SiGeC層4におけるGe
含有率とC含有率との比は一定(40:1)に保たれて
いる。また、SiGeC層4の下層4bにおいては、G
e含有率及びC含有率が中央層4aからSiエピタキシ
ャル層20に向かう方向に徐々に減小している。ただ
し、本実施形態においては、SiGeC層4のうちSi
層5に接する部分がSi単一組成であるので、中央層4
aと上層4cとが連続した組成を有し、一体化されてい
る。
【0103】この場合、Ge含有率が40%,C含有率
が1.0%のSiGeC層のバンドギャップは0.83
eVである。したがって、(1.12−0.83)(e
V)/t=0.29eV(290meV)/t(tはベ
ース層の厚み)の伝導帯端の傾斜を実現することができ
る。そして、SiGeC層4における伝導帯端の傾斜
は、Ge含有率,C含有率を変化させることによってさ
らに大きくすることも可能である。したがって、本発明
のSiGeC層によって構成される真性ベース層におい
ては、転位の発生を招かない平均格子歪み(1.0%)
(最大格子歪み2.0%)の範囲内でバンドギャップの
傾斜をさらに大きくすることが可能である。
【0104】すなわち、本実施形態のヘテロバイポーラ
トランジスタによると、Ge含有率及びC含有率の調整
により、真性ベース層8aにおける格子歪みを抑制しつ
つ真性ベース層8aにおけるコレクタ層に接する部分の
バンドギャップを極めて小さくすることができることか
ら、バンドギャップがエミッタ側からコレクタ側に向か
う方向に減小する傾斜の度合いの大きい,電界によるキ
ャリアの加速機能の高いHBTを実現することができ
る。
【0105】特に、本実施形態のように、SiGeC層
4を、Si層5(エミッタ側)からSiエピタキシャル
層20(コレクタ側)に向かう方向にGe含有率及びC
含有率が直線的に増大していく傾斜組成構造とすること
により、バンドギャップがエミッタ側からコレクタ側に
向かう方向に直線的に減小している傾斜電界加速機能の
高いHBTを実現することができる。具体的には、上述
のようなSiGeC層4の組成によって、SiGeC層
4のうちSi層5に接する部分の格子歪みが1.2%と
なる。この値は、上述の転位の発生を招かないための平
均格子歪み1.0%よりも大きい値である。しかし、真
性ベース層8aを構成するSiGeC層4が傾斜組成構
造の場合は、SiGeC層4全域にわたる平均的な格子
歪みが重要な値となる。本実施形態のSiGeC層4に
おいては、SiGeC層4の平均的な格子歪みは0.6
%であり、この値は1.0%以下の値であるので、真性
ベース層8aにおける転位の発生を招くことはなく、問
題はない。そして、真性ベース層8aを構成するSiG
eC層4をこのような傾斜組成構造とすることにより、
SiGeC層4のエミッタ側端部からコレクタ側端部に
亘って290meVものバンドギャップの変化が得られ
るので、キャリア(ここでは電子)に対するより強い電
界加速機能を発揮することができ、超高速動作が可能な
SiGeC−HBTを得ることができる。
【0106】なお、SiGeC層4内においてエネルギ
ーギャップがSi層5からSiエピタキシャル層20に
向かう方向に増大する形状が必ずしも直線的である必要
はないが、直線的に増大する場合には、SiGeC層4
内において常に一定の加速度をキャリアに与えることが
でき、キャリアを加速する機能が特に大きい。
【0107】ここで、SiGeC層4の全域にわたる平
均的な格子歪みが1.0%以下となる状態とは、以下の
ような場合をいう。例えば、図11(c)に示すごとく
真性ベース層8aを構成するSiGeC層4のうちSi
層5に接する部分(エミッタ側端部)の組成をSi単一
組成とし、SiGeC層4内においてSi層5に接する
部分からSi結晶膜20に接する部分(コレクタ側端
部)に向かう方向にGe含有率およびC含有率が直線的
に増加していく三角形のプロファイルをもつ場合には、
Ge含有率およびC含有率がピークとなる中央層4aの
コレクタ側端部における組成の格子歪み量が2%以下と
なるような場合である。
【0108】本実施形態では、SiGeC層4が圧縮歪
みを受けている領域Ra(図10参照)における組成を
有するSiGeC層4が傾斜組成を有する場合について
説明したが、その際、以下の事項に留意する必要があ
る。
【0109】図12は、図1と同じSiGeC三元混晶
半導体におけるGe及びCの含有率とバンドギャップ,
格子歪みの関係を示す図であって、Ge含有率及びC含
有率を両者の比を一定としながら直線的に変化させる場
合の組成の変化方向を矢印によって示している。図12
からわかるように、SiGeC層4を格子整合させた状
態で(図12における格子歪みが0%の直線上の部分)
バンドギャップを傾斜させる場合には、SiGeC層4
の組成制御を十分に行わないと、その組成が仕様から若
干ずれた場合には、バンドギャップの等高線に対して垂
直に近い方向に変化するので、バンドギャップの変動が
大きく再現性に問題がある。したがって、格子整合した
状態でバンドギャップを傾斜させる構造は回避して、S
iGeC層4の圧縮歪みを受けた領域又は引っ張り歪み
を受けた領域のいずれかのみにおいて傾斜組成を持たせ
るほうが望ましい。また、結晶成長の観点からも、圧縮
歪みをうけた領域での傾斜組成としたほうが、GeやC
の含有率をできるだけ少なくしつつ、より小さなバンド
ギャップを実現することができる点で望ましい。
【0110】以上のことから、本実施形態の真性ベース
層8aを構成するSiGeC層4においては、格子整合
条件に適合する部分(図12における格子歪みが0%の
直線上の部分)を含まずに、SiGeC層4の全域に亘
る平均的な格子歪みが1.0%以下の圧縮歪みを受ける
領域内において、Ge含有率およびC含有率を変化させ
ておくことが望ましい。
【0111】また、本実施形態においては、図11
(c)に示すように、SiGeC層4の下層4bにおけ
るGe含有率及びC含有率を中央部4aからSiエピタ
キシャル層20に向かう方向に徐々に減小させているの
で、第1の実施形態と同様に、ベース・コレクタ接合界
面(SiGeC層4−Siエピタキシャル層20間のヘ
テロ障壁)において、寄生バリア(図6(a)参照)や
ノッチ(図7(a)参照)の発生を抑制し、伝導帯にお
ける明瞭なポテンシャル段差の発生を抑制して、スムー
ズなバンド構造を得ることができる。
【0112】ただし、下層4bにおけるC含有率のみを
中央層からSiエピタキシャル層20に向かう方向に徐
々に減小させてもよい。また、ノッチなどのバンドオフ
セットが深刻な不具合を招くことがない種類のバイポー
ラトランジスタにおいては、下層4bに傾斜組成を持た
せる必要は必ずしもない。
【0113】このように、本実施形態の傾斜組成を有す
るSiGeC層4によって構成される真性ベース層8a
を備えたSiGeC−HBTにおいて、さらに、Si/
SiGeCヘテロ接合界面でC含有率やGe含有率が変
化する傾斜組成とすることにより、キャリアの走行を阻
害することなく、高周波特性に優れた実用的なヘテロバ
イポーラトランジスタを形成することができる。
【0114】(第3の実施形態)次に、真性ベース層8
aが傾斜組成SiGeCにより構成され、かつエミッタ
−ベース間のビルトインポテンシャルが低減されたSi
GeC−HBTに関する第3の実施形態について説明す
る。
【0115】図13(a),(b)は、それぞれ、本実
施形態における傾斜組成SiGeC−HBTのエネルギ
ーバンド図、及びGe含有率,C含有率及びB(ボロ
ン)濃度を示す図である。本実施形態においては、真性
ベース層8aを構成するSiGeC層4の中央層4aの
うち,エミッタを構成するSi層5に接する部分をSi
単一組成ではなく、Siよりもバンドギャップの小さい
SiGe又はSiGeCにより構成している。また、真
性ベース層8aを構成するSiGeC層4の中央層4a
のうち,コレクタを構成するSiエピタキシャル層20
に接する部分をSiよりもバンドギャップの小さいSi
GeCにより構成している。そして、SiGeC層4の
下層4bにおいては、Ge含有率及びC含有率が中央層
4aからSiエピタキシャル層20に向かう方向に徐々
に減小している。さらに、SiGeC層4の上層4cに
おいても、Ge含有率及びC含有率がSi層5から中央
層4aに向かう方向に徐々に増大している。
【0116】そして、SiGeC層4とSi層9との伝
導帯同士のポテンシャル差A1は、SiGeC層4とS
i層9との価電子帯同士のポテンシャル差B1よりも小
さくしている。すなわち、エミッタ・ベース間のPN接
合のビルトインポテンシャルを小さくし、低電圧動作を
可能としている。なお、第2の実施形態と同様に、Si
GeC層4とSiエピタキシャル層20との伝導帯同士
のポテンシャル差A2は、SiGeC層4とSiエピタ
キシャル層20との価電子帯同士のポテンシャル差B2
よりも小さい。
【0117】また、SiGeC層4内において、Si層
5と接する部分のバンドギャップC1はSiエピタキシ
ャル層20に接する部分のバンドギャップC2よりも大
きい。つまり、真性ベース層8aを構成するSiGeC
層4のバンドギャップはSi層5(エミッタ側)からS
iエピタキシャル層20(コレクタ側)に向かう方向に
直線的に減小している。つまり、SiGeC層4は傾斜
組成を有しており、これにより、真性ベース層8aでの
傾斜電界が生じ、真性ベース層8aを走行するキャリア
に加速度を与えて高速動作を可能としている。なお、S
iGeC層全域にわたる平均的な歪み量は1.0%以下
となる組成を選んでいる。以上のような構成にすること
により、低電圧動作が可能でかつ高周波特性に優れたヘ
テロバイポーラトランジスタを実現できる。
【0118】次に、本実施形態において採用したSiG
eC層4の具体的な組成について説明する。例えば、S
iGeC層4のうちSi層5に接する部分(エミッタ
側)のGe含有率を30%、C含有率を3.3%とし、
Siエピタキシャル層20(コレクタ側)に接する部分
のGe含有率を40%、C含有率を3.3%とする。つ
まり、SiGeC層4の両端部におけるC含有率は互い
に等しい。そして、SiGeC層4内において、Ge含
有率がSi層5(エミッタ側)からSiエピタキシャル
層20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に増大して
いる。
【0119】なお、本実施形態においても、SiGeC
層4内においてエネルギーギャップがSi層5からSi
エピタキシャル層20に向かう方向に増大する形状が必
ずしも直線的である必要はないが、直線的に増大する場
合には、SiGeC層4内において常に一定の加速度を
キャリアに与えることができ、キャリアを加速する機能
が特に大きい。
【0120】この時、SiGeC層4のうちSi層5に
接する部分(Ge30%、C3.3%)において、バン
ドギャップが0.99eVで、格子歪みが0.1%であ
る。SiGeC層4のうちSiエピタキシャル層20に
接する部分(Ge40%、C3.3%)において、バン
ドギャップが0.91eVで、格子歪みが0.5%であ
る。このような構造により、SiGeC層4の全域にわ
たる平均的な格子歪みは0.3%程度となり、実用上も
問題がない。このような組成のSiGeC層4により真
性ベース層8aを構成することによって、従来のSiG
e−HBTよりエミッタ側バンドギャップが小さく、低
電圧で動作しかつ高速動作が可能なSiGeC−HBT
を得ることができる。
【0121】また、結晶成長の観点からも歪みがないよ
りは圧縮歪みを受けた領域での傾斜組成としたほうが、
Cの含有率が少ない状態でより小さなバンドギャップを
実現できるため、本実施形態においても、圧縮歪みを受
けたSiGeCを用いて真性ベース層8aを構成してい
る。すでに説明したが、図12からわかるように、Si
GeC層4内において格子整合した状態でバンドギャッ
プを傾斜させようとすると、組成制御を十分に行わない
と、組成が若干ずれた場合のバンドギャップの変動が大
きく再現性に問題がある。そこで、格子整合した状態で
の傾斜バンドギャップ構造は回避して、圧縮歪みを受け
た領域Ra、または、引っ張り歪みを受けた領域Rbの
いずれかにおいて、SiGeC層4の組成がSi層5
(エミッタ側)からSiエピタキシャル層20(コレク
タ側)に向かう方向に変化しているような傾斜組成にす
るほうが望ましい。ただし、圧縮歪みを受けた領域Ra
でバンドギャップを傾斜させる場合と、引っ張り歪みを
受けた領域Rbでバンドギャップを傾斜させる場合とで
は、GeおよびC含有率の傾斜の方向が異なるので注意
が必要である。以下、バンドギャップを傾斜させるため
の組成傾斜方法について、圧縮歪みを受けた領域Raと
引っ張り歪みを受けた領域Rbとに分けて説明する。
【0122】−圧縮歪みを受けた領域における組成傾斜
方法の例− 図14は、SiGeC層4の状態図における圧縮歪みを
受けた領域Raにおいてバンドギャップを傾斜させるた
めに好ましい組成傾斜方法の例を説明するための図であ
る。バンドギャップを減小させるためには、直線Co1〜
Co4に示すようないく通りかの方法がある。
【0123】図15(a)〜(d)は、図14の直線C
o1〜Co4にそれぞれ対応する組成傾斜方法を示す図であ
る。
【0124】図15(a)は、図14に示す直線Co1に
沿って、SiGeC層4におけるC含有率を一定とし、
Ge含有率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタキ
シャル層20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に増
大させた場合のGe含有率及びC含有率を示す図であ
る。
【0125】図15(b)は、図14に示す直線Co2に
沿って、SiGeC層4におけるGe含有率を一定と
し、C含有率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタ
キシャル層20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に
減小させた場合のGe含有率及びC含有率を示す図であ
る。
【0126】図15(c)は、図14に示す直線Co3に
沿って、SiGeC層4におけるGe含有率をSi層5
(エミッタ側)からSiエピタキシャル層20(コレク
タ側)に向かう方向に直線的に増大させ、かつ、C含有
率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタキシャル層
20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に減小させた
場合のGe含有率及びC含有率を示す図である。
【0127】図15(d)は、図14に示す直線Co4に
沿って、SiGeC層4におけるGe含有率をSi層5
(エミッタ側)からSiエピタキシャル層20(コレク
タ側)に向かう方向に直線的に増大させ、かつ、C含有
率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタキシャル層
20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に増大させた
場合のGe含有率及びC含有率を示す図である。
【0128】−引っ張り歪みを受けた領域における組成
傾斜方法の例− 図16は、SiGeC層4の状態図における引っ張り歪
みを受けた領域Rbにおいてバンドギャップを傾斜させ
るために好ましい組成傾斜方法の例を説明するための図
である。バンドギャップを減小させるためには、直線T
e1〜Te4に示すようないく通りかの方法がある。
【0129】図17(a)〜(d)は、図16の直線T
e1〜Te4にそれぞれ対応する組成傾斜方法を示す図であ
る。
【0130】図17(a)は、図16に示す直線Te1に
沿って、SiGeC層4におけるC含有率を一定とし、
Ge含有率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタキ
シャル層20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に減
小させた場合のGe含有率及びC含有率を示す図であ
る。
【0131】図17(b)は、図16に示す直線Te2に
沿って、SiGeC層4におけるGe含有率を一定と
し、C含有率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタ
キシャル層20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に
増大させた場合のGe含有率及びC含有率を示す図であ
る。
【0132】図17(c)は、図16に示す直線Te3に
沿って、SiGeC層4におけるGe含有率をSi層5
(エミッタ側)からSiエピタキシャル層20(コレク
タ側)に向かう方向に直線的に減小させ、かつ、C含有
率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタキシャル層
20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に増大させた
場合のGe含有率及びC含有率を示す図である。
【0133】図17(d)は、図16に示す直線Te4に
沿って、SiGeC層4におけるGe含有率をSi層5
(エミッタ側)からSiエピタキシャル層20(コレク
タ側)に向かう方向に直線的に増大させ、かつ、C含有
率をSi層5(エミッタ側)からSiエピタキシャル層
20(コレクタ側)に向かう方向に直線的に増大させた
場合のGe含有率及びC含有率を示す図である。
【0134】上述のように、SiGeC層4のSi層5
(エミッタ側)に接する部分の組成を格子整合条件に一
致するように(歪みが0%の直線上)にした場合には、
SiGeCの組成の制御を正確に行わないと、SiGe
Cの組成の傾斜方向によっては、逆のバンドギャップ勾
配(コレクタ側からエミッタ側にバンドギャップが減小
する勾配)をもつことがあるので、SiGeC層4のS
i層5に接する部分の組成を格子整合条件からずらし、
圧縮歪みを受ける領域Ra内もしくは引っ張り歪みを受
ける領域Rb内のいずれか一方のみでSiGeC層4の
組成を傾斜させることが望ましい。
【0135】本実施形態によると、SiGeC−HBT
の真性ベース層8aを構成するSiGeC層4のうち,
エミッタ層9を構成するSi層5に接する部分の組成を
Si単独組成ではなくGe及びCのうち少なくともいず
れか一方を含む組成とし、SiGeC層4のSi層5と
接する部分のバンドギャップをSi層5よりも小さくす
るようにしたので、上記第2の実施形態と同様の効果に
加えて、エミッタ・ベース間のPN接合のビルトインポ
テンシャルを低減することにより、SiGeC−HBT
の低電圧動作化を図ることができる。
【0136】なお、本実施形態においても、SiGeC
層4の全域に亘る平均的な歪み量が1.0%以下となる
ようなSiGeCの組成を選択している。このように構
成することにより、低電圧動作が可能でかつ高周波特性
に優れたヘテロバイポーラトランジスタを実現できる。
【0137】なお、本実施形態においては、SiGeC
層4のうちSi層5に接する部分の組成がSi,Ge及
びCを含む組成としているが、図14,図16からわか
るように、圧縮歪みを受けた領域Ra内で傾斜組成制御
を行なう場合には、Cを含まずSi及びGeを含む組成
としてもよいし、引っ張り歪みを受けた領域Rb内で傾
斜組成制御を行なう場合にはGeを含まずSi及びCを
含む組成としてもよい。
【0138】また、本実施形態においては、図13
(b)に示すように、SiGeC層4の下層4bにおけ
るGe含有率及びC含有率を中央部4aからSiエピタ
キシャル層20に向かう方向に徐々に減小させ、かつ、
SiGeC層4の上層4cにおけるGe含有率及びC含
有率をSi層5から中央部4aに向かう方向に徐々に増
大させているので、第1の実施形態と同様に、ベース・
コレクタ接合界面(SiGeC層4−Siエピタキシャ
ル層20間のヘテロ障壁)及びエミッタ・ベース接合界
面において、寄生バリア(図6(a)参照)やノッチ
(図7(a)参照)の発生を抑制し、伝導帯における明
瞭なポテンシャル段差の発生を抑制して、スムーズなバ
ンド構造を得ることができる。
【0139】ただし、下層4b,上層4cにおけるC含
有率のみを中央層からSiエピタキシャル層20又はS
i層5に向かう方向に徐々に減小させてもよい。また、
ノッチなどのバンドオフセットが深刻な不具合を招くこ
とがない種類のバイポーラトランジスタにおいては、下
層4b,上層4cに傾斜組成を持たせる必要は必ずしも
ない。
【0140】このように、本実施形態の傾斜組成を有す
るSiGeC層4によって構成される真性ベース層8a
を備えたSiGeC−HBTにおいて、さらに、Si/
SiGeCヘテロ接合界面でC含有率やGe含有率が徐
々に変化する傾斜組成とすることにより、キャリアの走
行を阻害することなく、高周波特性に優れた実用的なヘ
テロバイポーラトランジスタを形成することができる。
【0141】なお、上記各実施形態では、図2に示すヘ
テロバイポーラトランジスタ単体の構造を前提としてそ
の特性の向上対策について説明したが、当然のことなが
ら、バイポーラトランジスタとCMOSを集積化したB
iCMOSデバイスのバイポーラトランジスタを本発明
によるSiGeC−HBTによって構成してもかまわな
い。
【0142】また、本発明の実施形態では、NPN型S
iGeC−HBTを例にとって説明したが、本発明をP
NP型SiGeC−HBTにも適用しうることはいうま
でもない。
【0143】
【発明の効果】本発明のヘテロバイポーラトランジスタ
によると、基板上に、第1の半導体層を含むエミッタ層
と、第1の半導体層よりもバンドギャップの小さいSi
GeC結晶からなる第2の半導体層内に形成されたベー
ス層と、第2の半導体層よりもバンドギャップの大きい
第3の半導体層を含むコレクタ層とを備え、上記第2の
半導体層の平均格子歪みを1.0%以下としたので、格
子不整合を招くことなく第2の半導体層と第1,第3の
半導体層とのバンドギャップ差を拡大することにより、
ビルトイン電圧の低減による電流増幅率の増大や傾斜組
成ベース構造による動作速度の向上などを実現でき、よ
って、信頼性の高いかつ機能の優れたヘテロバイポーラ
トランジスタの提供を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SiGeC三元混晶半導体におけるGeおよび
Cの含有率とバンドギャップ,格子歪みの関係を示す状
態図である。
【図2】本発明の実施形態におけるヘテロバイポーラト
ランジスタの断面図である。
【図3】(a)〜(k)は、本発明の実施形態における
ヘテロバイポーラトランジスタの製造工程を示す断面図
である。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ順に、従来のNP
N型Si−BJTのエネルギーバンド構造、従来の均一
組成ベース層を有するNPN型SiGe−HBTのエネ
ルギーバンド構造、本実施形態の均一組成SiGeCベ
ース層を有するNPN型SiGeC−HBTのエネルギ
ーバンド図である。
【図5】本発明の実施形態に係るヘテロバイポーラトラ
ンジスタのベース・コレクタ電流のベース電圧依存特性
(ガンメルプロット)を従来のSi−BJT,SiGe
−HBTと比較して示す図である。
【図6】(a),(b)は、それぞれ順に、ベース層用
のボロンが全体的に均一組成を有するSiGeC層より
も広い範囲にドープされたヘテロバイポーラトランジス
タの各結晶層の位置とベース,エミッタ,コレクタの位
置との関係を示す図、及びトランジスタのエネルギーバ
ンド図である。
【図7】(a),(b)は、それぞれ順に、ベース層用
のボロンが全体に均一組成を有するSiGeC層内にド
ープされたヘテロバイポーラトランジスタの各結晶層の
位置とベース,エミッタ,コレクタの位置との関係を示
す図、及びトランジスタのエネルギーバンド図である。
【図8】(a),(b)は、それぞれ順に、ベース層用
のボロンが、中央層が均一組成で両側の下層,上層が傾
斜組成のSiGeC層内のみにドープされたヘテロバイ
ポーラトランジスタの各結晶層の位置とベース,エミッ
タ,コレクタの位置との関係を示す図、及びトランジス
タのエネルギーバンド図である。
【図9】(a),(b)は、ベース層用のボロンが、中
央層が均一組成で両側の下層,上層が傾斜組成(Cの
み)のSiGeC層内のみにドープされたヘテロバイポ
ーラトランジスタの各結晶層の位置とベース,エミッ
タ,コレクタの位置との関係を示す図、及びトランジス
タのエネルギーバンド図である。
【図10】図1と同様のパラメータについて、1.0%
以下の圧縮歪みを受ける領域を示す状態図である。
【図11】(a)〜(c)は、それぞれ従来の傾斜組成
のベース層を有するSiGe−HBTのエネルギバンド
図、第2の実施形態に係る傾斜組成のベース層を有する
SiGeC−HBTのエネルギーバンド図、及び第2の
実施形態のSiGeC−HBTのGe含有率,C含有率
及びB(ボロン)濃度を示す図である。
【図12】図1と同様のパラメータについて、第2の実
施形態においてGe及びC含有率を両者の比を一定とし
ながら直線的に変化させる場合の組成の変化方向を示す
状態図である。
【図13】(a),(b)は、それぞれ、第3の実施形
態における傾斜組成SiGeC−HBTのエネルギーバ
ンド図、及びGe含有率,C含有率及びB(ボロン)濃
度を示す図である。
【図14】SiGeC層の状態図における圧縮歪みを受
けた領域においてバンドギャップを傾斜させるために好
ましい組成傾斜方法の例を説明するための図である。
【図15】(a)〜(d)は、図14の直線Co1〜Co4
にそれぞれ対応する組成傾斜方法を示す図である。
【図16】SiGeC層の状態図における引っ張り歪み
を受けた領域においてバンドギャップを傾斜させるため
に好ましい組成傾斜方法の例を説明するための図であ
る。
【図17】(a)〜(d)は、図16の直線Te1〜Te4
にそれぞれ対応する組成傾斜方法を示す図である。
【図18】従来のSiGe−HBTなどにおけるSi層
の上に形成されたSiGe膜のGe含有率と格子歪み,
臨界膜厚との関係を示す特性図である。
【図19】一般式Si1-x-y Gexy で表されるSi
GeC結晶層について、950℃下で15sec分間の
熱処理(RTA)を行なったときの結晶性の変化を示す
データである。
【図20】(a)〜(d)は、Si1-x Gex 結晶層及
びSi1-x-y Gexy 結晶層の各組成における熱処理
によるX線回折スペクトルの変化を示す図である。
【図21】Ge含有率が21.5%であるSi1-x Ge
x 結晶層及びSi1-x-y Gex y 結晶層をベース層と
して有するバイポーラトランジスタのエミッタ接地にお
けるVCE −IC 特性を示す図である。
【図22】Ge含有率が26.8%であるSi1-x Ge
x 結晶層及びSi1-x-y Gex y 結晶層をベース層と
して有するバイポーラトランジスタのエミッタ接地にお
けるVCE −IC 特性を示す図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 LOCOS膜 3a サブコレクタ層 3b コレクタ層 3c コレクタウォール層 4 SiGeC層(第2の半導体層) 5 Si層(第3の半導体層) 6 BSG膜 7 保護酸化膜 8a 真性ベース層 8b 外部ベース層 9 エミッタ層 9a 高濃度エミッタ層 10 サイドウォール 11 エミッタ電極 12 コレクタ電極 13 層間絶縁膜 14 コレクタコンタクト層 20 Si単結晶膜(第1の半導体層) 21 Al配線 22 Al配線 23 Al配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神澤 好彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−116794(JP,A) 特開 平5−102177(JP,A) Lanzerotti,L.D. e t.al.,Si/Sil−x−yGe xCy/Si Heterojunct ion Bipolar Transi stors,IEEE Electro n Device Letters, 1996年 7月,Vol.17, No. 7,pp.334−337 Orner,B.A.& Kolod zey,J. ,Sil−x−yGex Cy alloy band stru ctures by linear c ombination of atmi c orbitals,Journal of Applied Physic s,1997年 5月15日,vol.81, no.10,pp.6773−6780 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/331 H01L 29/165 H01L 29/737

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、Siを成分として有する半導
    体材料により構成される第1の半導体層と、Si,Ge
    及びCを成分として有し上記第1の半導体層よりもバン
    ドギャップの小さい半導体材料により構成される上層,
    中央層及び下層からなる第2の半導体層と、Siを成分
    として有し上記第2の半導体層よりもバンドギャップが
    大きい半導体材料により構成される第3の半導体層とを
    順次積層して構成され、上記第1の半導体層と上記第2
    の半導体層との間にヘテロ障壁が形成されているととも
    に、 上記第1の半導体層に形成され、第1導電型不純物を含
    むコレクタ層と、 上記第2の半導体層に形成され、第2導電型不純物を含
    むベース層と、 上記第3の半導体層に形成され、第1導電型不純物を含
    むエミッタ層とを備え、 上記第2の半導体層の平均格子歪みが1.0%以下であ
    ることを特徴とするヘテロバイポーラトランジスタにお
    いて、上記第2の半導体層の中央層において、第3の半導体層
    から第1の半導体層に向かう方向にバンドギャップが減
    小していることを特徴とするヘテロバイポーラトランジ
    スタ
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第3の半導体層は、Siのみによって構成され、 上記第2の半導体層の上層の組成は上記中央層と連続的
    に変化して、その第3の半導体層に接する部分はSiの
    みによって構成され、 上記第2の半導体層の上記中央層及び上層は、Ge及び
    Cのうち少なくとも一方の含有率が上記第3の半導体層
    から上記第1の半導体層に向かう方向に増大するように
    傾斜する組成を有することを特徴とするヘテロバイポー
    ラトランジスタ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第2の半導体層の上記中央層及び上層において、G
    eとCとの含有率比を一定に保ちながら両者の含有率が
    増大していることを特徴とするヘテロバイポーラトラン
    ジスタ。
  4. 【請求項4】 請求項に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第2の半導体層の下層において、Cの含有率が上記
    中央層から上記第1の半導体層に向かう方向に減小して
    いることを特徴とするヘテロバイポーラトランジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第2の半導体層の下層において、Ge及びCの含有
    率が上記中央層から上記第1の半導体層に向かう方向に
    減小していることを特徴とするヘテロバイポーラトラン
    ジスタ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第2の半導体層の上層は、Ge及びCのうち少なく
    ともいずれか一方を含むSiにより構成されており、 Ge又はCの含有率が上記第3の半導体層から上記第1
    の半導体層に向かう方向に変化するように第2の半導体
    層の組成が傾斜していることを特徴とするヘテロバイポ
    ーラトランジスタ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、圧縮歪みを受ける組成
    を有しており、かつ、Cの含有率が一定でGeの含有率
    が第3の半導体層から第1の半導体層に向かう方向に増
    大する傾斜組成を有していることを特徴とするヘテロバ
    イポーラトランジスタ。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、圧縮歪みを受ける組成
    を有しており、かつ、Geの含有率が一定でCの含有率
    が第3の半導体層から第1の半導体層に向かう方向に減
    小する傾斜組成を有していることを特徴とするヘテロバ
    イポーラトランジスタ。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のヘテロバイポーラトラ
    ンジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、圧縮歪みを受ける組成
    を有しており、かつ、第3の半導体層から第1の半導体
    層に向かう方向に、Geの含有率が増大しCの含有率が
    減小する傾斜組成を有していることを特徴とするヘテロ
    バイポーラトランジスタ。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のヘテロバイポーラト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、圧縮歪みを受ける組成
    を有しており、かつ、第3の半導体層から第1の半導体
    層に向かう方向に、Ge及びCの含有率が増大する傾斜
    組成を有していることを特徴とするヘテロバイポーラト
    ランジスタ。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載のヘテロバイポーラト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、引っ張り歪みを受ける
    組成を有しており、かつ、Cの含有率が一定でGeの含
    有率が第3の半導体層から第1の半導体層に向かう方向
    に減小する傾斜組成を有していることを特徴とするヘテ
    ロバイポーラトランジスタ。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載のヘテロバイポーラト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、引っ張り歪みを受ける
    組成を有しており、かつ、Geの含有率が一定でCの含
    有率が第3の半導体層から第1の半導体層に向かう方向
    に増大する傾斜組成を有していることを特徴とするヘテ
    ロバイポーラトランジスタ。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載のヘテロバイポーラト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、引っ張り歪みを受ける
    組成を有しており、かつ、第3の半導体層から第1の半
    導体層に向かう方向にGeの含有率が減小しCの含有率
    が増大する傾斜組成を有していることを特徴とするヘテ
    ロバイポーラトランジスタ。
  14. 【請求項14】 請求項6に記載のヘテロバイポーラト
    ランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の中央層は、引っ張り歪みを受ける
    組成を有しており、かつ、第3の半導体層から第1の半
    導体層に向かう方向にGeの含有率が増大しCの含有率
    が増大する傾斜組成を有していることを特徴とするヘテ
    ロバイポーラトランジスタ。
  15. 【請求項15】 請求項6〜14のうちいずれか1つに
    記載のヘテロバイポーラトランジスタにおいて、 上記第2の半導体層のうち上記中央層と第3の半導体層
    との間に介在する縦方向における端部領域において、C
    の含有率が第3の半導体層から上記中央層に向かう方向
    に増大していることを特徴とするヘテロバイポーラトラ
    ンジスタ。
  16. 【請求項16】 請求項6〜14のうちいずれか1つに
    記載のヘテロバイポーラトランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の上層において、C及びGeの含有
    率が第3の半導体層から上記中央層に向かう方向に増大
    していることを特徴とするヘテロバイポーラトランジス
    タ。
  17. 【請求項17】 請求項6〜14のうちいずれか1つに
    記載のヘテロバイポーラトランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の下層において、Cの含有率が上記
    中央層から第1の半導体層に向かう方向に減小している
    ことを特徴とするヘテロバイポーラトランジスタ。
  18. 【請求項18】 請求項6〜14のうちいずれか1つに
    記載のヘテロバイポーラトランジスタにおいて、 上記第2の半導体層の下層において、C及びGeの含有
    率が上記中央層から第1の半導体層に向かう方向に減小
    していることを特徴とするヘテロバイポーラトランジス
    タ。
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