JP3512040B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3512040B2 JP23160194A JP23160194A JP3512040B2 JP 3512040 B2 JP3512040 B2 JP 3512040B2 JP 23160194 A JP23160194 A JP 23160194A JP 23160194 A JP23160194 A JP 23160194A JP 3512040 B2 JP3512040 B2 JP 3512040B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、機械的強度、
成形加工性および難燃性に優れた芳香族ポリアミドイミ
ド系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドイミド樹脂は、耐熱
性、機械的強度、電気特性、難燃性、耐薬品性に優れた
プラスチック材料であり、従来、ワニス、フイルム等と
して使用されてきたが、成形加工性に劣り、そのほとん
どのものは射出成形が困難であるため、コンプレッショ
ンモールド法により成形加工を行っているのが現状であ
る。芳香族ポリアミドイミド樹脂は、(イ)芳香族トリ
カルボン酸無水物とジイソシアネートを溶媒中で反応さ
せるか(イソシアネ−ト法)、(ロ)芳香族トリカルボ
ン酸無水物ハライドとジアミンを溶媒中で反応させるこ
とによって製造するのが一般的であり、イソシアネート
法は特公昭44ー19274に開示されている。この方
法は(ロ)の方法で必要であった高温、長時間の後処理
を施すことなく高い耐熱性と強靭性を有するポリアミド
イミドを得ることが可能であり、またハロゲン残基がポ
リアミドイミドに残存しないため、最近の電子、電気用
途には好適な方法でもある。しかしながらこれらの方法
により製造したポリアミドイミドは、ワニス、キャスト
フイルム等の用途には好適であっても、溶融成形性に劣
るため溶融成形加工用途には不適であった。
【0003】一方、ポリエステル樹脂は、高い融点と、
優れた溶融流動性を有することが特徴であるが、ガラス
転移点温度は低く、ガラス繊維等の充填剤で補強しない
限り高い耐熱性は得られない。ちなみに代表的な芳香族
ポリエステルである、ポリブチレンテレフタレートのガ
ラス繊維強化物の熱変形温度は210℃と高いが、非強
化のポリブチレンテレフタレートの熱変形温度は、50
〜60℃にすぎない。また、ガラス繊維強化物の耐熱性
も、100℃以上の高温下での機械的特性の保持という
観点から見ると、低いガラス転移点温度が災いして十分
とはいえない。すなわち、ポリブチレンテレフタレート
のガラス繊維強化の室温での弾性率は、約10GPaで
あるが、100℃では3GPaまで低下してしまう。こ
のようにポリエステル樹脂、特に結晶性の芳香族ポリエ
ステル樹脂は、高い流動性、すなわち優れた成形加工性
を有する反面、本質的に耐熱性が劣るという欠点を有し
ている。さらに、ポリエステル樹脂は、難燃性に劣り、
例えば、ハロゲン系の難燃剤を多量に用いないと難燃性
を必要とする用途には使用できない。また、燐酸エステ
ル系の難燃剤を用いた場合は、効果が見られないだけで
なく、耐熱性が大幅に低下する。
【0004】そこで、芳香族ポリアミドイミド樹脂の優
れた耐熱性、難燃性でポリエステル樹脂の低い耐熱性お
よび難燃性を補い、同時に芳香族ポリアミドイミド樹脂
の流動性を改良する技術の創出が望まれる。これまで
に、これに対する試みもなされており、例えば、芳香族
ポリアミドイミド樹脂の成形加工性を芳香族ポリアミド
イミドより流動性の優れた全芳香族ポリエステル樹脂と
ブレンドする方法が特開昭59−8755公報、同57
−195766公報等により提案されている。しかしな
がら、これらの先行技術によっては、芳香族ポリアミド
イミド樹脂の成形加工性は改良されるものの、耐熱性お
よび難燃性の改良は不十分であり、さらに両樹脂の相溶
性不足のために機械的強度も劣った材料しか得られなか
った。更に、成形加工性を改良するために、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等に代
表される結晶性芳香族ポリエステル樹脂を芳香族ポリア
ミドイミド樹脂にブレンドしたところ、成形加工性は十
分に改良されるものの、耐熱性は低下し、さらに両樹脂
の相溶性不足のために、機械的強度も劣った材料しか得
られなかった。また、この材料も、難燃性を満足するも
のではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の芳香族ポリアミドイミド樹脂組成物にみられる
種々の問題点を解決したもので、芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂の成形加工性を改良すると共に、芳香族ポリアミ
ドイミド樹脂の有する優れた耐熱性、難燃性を保持し、
更に機械的強度に優れた芳香族ポリアミドイミド樹脂組
成物を提供するにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】即ち、本発明は、
(A)芳香族トリカルボン酸無水物および芳香族ジイソ
シアネ−トを溶媒中50〜100℃の温度範囲でまずア
ミド化反応を行い、アミド化反応が少なくとも70%
了後、次いで昇温し、105〜200℃の温度範囲でイ
ミド化反応を行って得られる、一般式(1)で示される
繰り返し単位を有する芳香族ポリアミドイミド樹脂10
〜70重量%および(B)ポリエステル樹脂30〜90
重量%からなる成形材料用樹脂組成物に関するものであ
り、さらには、上記(A)、(B)および(C)燐酸エ
ステル化合物からなる成形材料用樹脂組成物に関するも
のである。これらの樹脂組成物は、耐熱性、機械的強度
及び成形加工性に優れた芳香族ポリアミドイミド系樹脂
材料であり、さらに燐酸エステル化合物の添加により難
燃性及び機械的強度(特に引張り強度)が改良された芳
香族ポリアミドイミド系樹脂材料である。この燐酸エス
テル化合物による機械的強度の改良は、従来予想し得な
い特異的効果を発現する。
【0007】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ポ
リアミドイミド樹脂の製造は、具体的には、重合温度、
反応時間、触媒添加方法を最適に保つことによりアミド
化反応とイミド化反応を制御することが出来るが、基本
的には、アミド化反応が実質的に終了するまで、即ち、
少なくとも70%、好ましくは80%以上、更に好まし
くは90%以上、最も好ましくは95%以上終了するま
でイミド化反応が起こらない条件下でアミド化反応を行
い、ついでイミド化反応を行う条件下で実施するのであ
れば差し支えない。アミド化反応が実質的に終了するま
でイミド化反応を開始しないためには、アミド基の成分
とイミド基の成分を重合反応の間追跡する必要がある
が、この方法は、公知の赤外分光法、ガスクロマトグラ
ム法等により可能である。
【0008】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ポ
リアミドイミド樹脂の製造において重合温度は重要な条
件であり、これを制御することにより、本発明の樹脂組
成物に使用される芳香族ポリアミドイミド樹脂を製造す
ることが出来る。即ち、アミド化反応の温度範囲は50
〜100℃、好ましくは60〜100℃、更に好ましく
は80〜100℃で行うことが必要である。また、イミ
ド化反応における温度範囲は105〜180℃、好まし
くは110〜130℃で行うことが必要である。アミド
化反応とイミド化反応における温度は、上記の温度範囲
内であればいかように設定してもよいが、一定温度に保
つのが好ましい。アミド化反応とイミド化反応における
反応温度が、これより低い場合は、アミド化及びイミド
化反応が完結せず、その結果、ポリアミドイミドの重合
度が上がらず脆いものとなり、高い場合には、アミド化
反応とイミド化反応が同時に進行し、これを用いて本発
明の樹脂組成物を製造しても溶融時の流動性及び滞留安
定性の劣ったものしか得られない。反応時間は、アミド
化反応は30分から5時間、好ましくは30分から2時
間、イミド化反応は30分から10時間、好ましくは1
時間から8時間である。反応時間が、これより短すぎる
と重合度は上がらず、長すぎると樹脂組成物の溶融時の
流動性及び滞留安定性が損なわれる。
【0009】本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族ポ
リアミドイミド樹脂を製造するための原料として用いら
れる芳香族トリカルボン酸無水物とは次の一般式(3)
で示される化合物である。
【0010】
【化3】 (式中Arは、少なくとも一つの炭素6員環を含む3価
の芳香族基を示す。)
【0011】一般式(1)、(3)におけるArの具体
的例としては、次の化4に挙げられるものが使用され
る。
【0012】
【化4】
【0013】これらのうち好ましいものは次の化5に示
すものである。
【0014】
【化5】
【0015】本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族ポ
リアミドイミド樹脂を製造するために使用する芳香族
イソシアネート化合物とは次の一般式(4)で表される
化合物である。 O=C=N−R−N=C=O (4) (ここでRは、2価の芳香族基ある)
【0016】2価の芳香族基具体例としては化8に示
すものが挙げられる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【化8】
【0021】また、特に好ましいものとしては次の化9
に示すものが挙げられる。
【0022】
【化9】
【0023】最も好ましいものは次のものである。
【0024】
【化10】
【0025】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ポ
リアミドイミド樹脂の製造に際しては、芳香族ジイソシ
アネートのモル数をP、芳香族トリカルボン酸無水物お
よび芳香族テトラカルボン酸無水物の合計のモル数をQ
としたとき、両者のモル比は、0.9<Q/P<1.1
に保たれることが好ましく、0.99<Q/P<1.0
1に保たれることがより好ましい。
【0026】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ポ
リアミドイミド樹脂の製造に際しては、原料として用い
られる芳香族トリカルボン酸無水物の0から50モル%
未満を、前記一般式(2)で示される、芳香族テトラカ
ルボン酸無水物で置き換えることも可能である。
【0027】前記一般式(2)におけるAr1 の具体例
としては次の化11に示すものが挙げられる。
【0028】
【化11】
【0029】一般式(2)、(3)および(4)の化合
物から誘導される各構造単位はポリアミドイミド樹脂中
に異なったAr,Ar1 ,Rに対応する一種以上が存在
しても良い。すなわち本発明の芳香族ポリアミドイミド
樹脂は、各種の共重合体の形態をとり得る。
【0030】本発明の樹脂組成物に好適に使用される芳
香族ポリアミドイミド樹脂の製造に用いられる溶媒は、
生成するポリアミドイミドに相溶性を有する、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルスルフォラ
ン、テトラメチレンスルフォン、ジフェニルスルフォ
ン、γーブチロラクトン等と、ポリアミドイミドと相溶
性を有しない極性溶媒、たとえば、ニトロベンゼン、ニ
トロトルエン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、アセ
トフェノン、ニトロメタン、ジクロロベンゼン、アニソ
ール等に大別されるが、これらは、単独で使用しても混
合して使用しても差し支えない。好ましいものは、ポリ
アミドイミドと相溶性を有する溶媒である。また、これ
らの溶媒は、モノマー原料の溶媒に対する割合で、0.
1〜4モル/リットルで使用するのが一般的である。
【0031】本発明の樹脂組成物に好適に使用される芳
香族ポリアミドイミド樹脂の製造には、従来技術に記載
されている各種触媒を使用することができるが、溶融成
形加工性を損なわないためには、その使用量は必要最小
限に制限されるべきであり、重合速度が十分な実用水準
にある限りは、使用しないことが好ましい。触媒を具体
的に例示するならば、ピリジン、キノリン、イソキノリ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、N,N−ジエチルアミン、γ−ピコリン、N−
メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチレ
ンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウ
ンデセン−7等の第三級アミン、酢酸コバルト、ナフテ
ン酸コバルト、オレイン酸ナトリウム等の弱酸の金属
塩、重金属塩、アルカリ金属塩等を挙げることができ
る。
【0032】また本発明の樹脂組成物に好適な、芳香族
ポリアミドイミド樹脂を製造するにあたり、溶媒、モノ
マー等から構成される重合系の含有水分は、500pp
m以下に保つことが好ましく、より好ましくは、100
ppm、最も好ましくは、50ppm以下に保たれる。
系内含有水分の量がこれらより多いと、溶融成形性を損
なう。
【0033】また、分子量調整剤の少量の使用は何等制
限されるものではない。代表的な分子量調節剤として
は、安息香酸等のモノカルボン酸類、無水フタル酸、無
水コハク酸、ナフタレンジカルボン酸無水物等のジカル
ボン酸無水物類、フェニルイソシアネート等のモノイソ
シアネート類、フェノール類といった一官能性化合物が
挙げられる。また本発明の樹脂組成物に好適な、芳香族
ポリアミドイミド樹脂の重合度は、ジメチルホルムアミ
ド中30℃で濃度1g/dlで測定した還元粘度で表示
するならば、0.1dl/gから2.0dl/g が好
適に用いられ、より好ましくは0.1dl/gから1.
0dl/gが、最も好ましくは、0.2dl/gから
0.7dl/gが好適に使用される。
【0034】本発明に好適に使用される、芳香族ポリア
ミドイミド樹脂は、メタノール、イソプロパノール等の
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、ヘプタン、トルエン等の脂肪族、芳香族炭化水素
類により沈澱、洗浄することにより回収されるが、重合
溶媒を直接濃縮して得ても構わない、さらには、ある程
度まで濃縮した後、押出機等により減圧下に溶媒を除去
しペレット化する方法も有力である。
【0035】本発明の樹脂組成物に用いられるポリエス
テル樹脂とは、分子の主鎖にエステル結合を有する熱可
塑性樹脂をいい、具体的には、ジカルボン酸またはその
誘導体と、2価のアルコールまたは2価のフェノール化
合物から得られる重縮合物;ジカルボン酸または、その
誘導体と環状エーテル化合物とから得られる重合体;ジ
カルボン酸の金属塩とジハロゲン化合物とから得られる
重縮合物;環状エステル化合物の開環重合物等が挙げら
れる。ここでジカルボン酸誘導体とは、酸無水物、エス
テル、酸ハライド等をいう。ジカルボン酸は、脂肪族系
であっても芳香族系であってもよい。また芳香族ジカル
ボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−
カルボキシルフェニル酢酸、p−フェニレンジ酢酸、m
−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコ
ール酸、ジフェニルジ酢酸、ジフェニル−p,p’−ジ
カルボン酸、ジフェニルエーテル−p,p’−ジカルボ
ン酸、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸、ジフェニ
ル−4,4’−ジ酢酸、ジフェニルメタン−p,p’−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−p,p’ジカルボン
酸、スチルベンジルカルボンン酸、ジフェニルブタン−
p,p−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジ
カルボン酸、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸、ナフ
タリン−1,5−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6−
ジカルボン酸、ナフタリン−2,7−ジカルボン酸、p
−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボキシフェノキ
シブチル酸、1,2−ジフェノキシプロパン−p,p−
ジカルボン酸、1,3−ジフェノキシプロパン−p,
p’−ジカルボン酸、1,4−ジフェノキシブタン−
p,p’−ジカルボン酸、1,5−ジフェノキシペンタ
ン−p,p’−ジカルボン酸、1,6−ジフェノキシヘ
キサン−p,p’−ジカルボン酸、p−(p−カルボキ
シフェノキシ)安息香酸、1,2−ビス(2−メトキシ
フェノキシ)−エタン−p,p’−ジカルボン酸、1,
3−ビス(2−メトキシフェノキシ)−プロパン−p,
p’−ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0036】また、脂肪族ジカルボン酸としては、例え
ば、蓚酸、琥珀酸、アジピン酸、コルク酸、マゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ウンデカンジ
カルボン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。好
ましいジカルボン酸の例は、芳香族ジカルボン酸であ
り、特にテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−
2,6−ジカルボン酸が好ましい。
【0037】2価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3
−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,
4−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジ
オール、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、tr
ans−2−ブテン−1,4−ジオール、テトラメチレ
ングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメ
チレングリコール、デカメチレングリコール等が挙げら
れる。好ましい2価のアルコールの例は、エチレングリ
コール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,
3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−
1,4−ジオールを挙げることができ、さらに好ましく
は、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオールを
挙げることができる。2価フェノール化合物としては、
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ケトン、4−ヒドロキシフェニル−3−ヒド
ロキシフェニルケトン等を挙げることができる。
【0038】前記、環状エーテル化合物としては、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等を挙げること
ができ、また前記環状エステル化合物としては、ε−カ
プロラクトン、δ−バレロラクロンを挙げることができ
る。ジカルボン酸金属塩と反応させる、ジハロゲン化合
物とは、上記2価アルコールまたは、2価フェノール化
合物の水酸基を塩素、または、臭素等のハロゲン原子で
置換することによって得られる化合物である。本発明の
樹脂組成物に使用される、ポリエステルは、以上の原料
を使用し公知の方法例えば、エステル交換法、直接脱水
縮合、界面重縮合による脱ハロゲン化金属等の方法によ
って製造されたものであれば良い。
【0039】本発明の樹脂組成物の溶融成形性と耐熱性
バランスを好適に発現するために好ましいポリエステル
樹脂とは、芳香族ジカルボン酸およびこれの誘導体と二
価のアルコールを原料とする結晶性芳香族ポリエステル
類であり、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のテレフタル酸またはその
誘導体を原料とするポリエステル類;ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチレンナフタエート等のナフタリンジ
カルボン酸、特にナフタリン−2,6−ジカルボン酸ま
たは、その誘導体を原料とするポリエステル類を挙げる
ことができる。さらに好ましいものは、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のテレフ
タル酸または、これの誘導体と二価のアルコールを原料
とするポリエステル類であり、最も好ましいものは、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トである。
【0040】本発明の樹脂組成物に用いられる燐酸エス
テル化合物とは、種々の燐酸とアルコールから誘導され
るエステルをいい、具体例として、非ハロゲン燐酸エス
テルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、
トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホ
スフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレ
ニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフ
ェニルホスフェート、前記化合物とフェノール類との縮
合燐酸エステル等が挙げられる。また、含ハロゲン燐酸
エステルとしては、トリス(クロロエチル)ホスフェー
ト、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス
(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロ
モネオペンチル)ホスフェート、前記化合物とフェノー
ルとの縮合燐酸エステル等が挙げられる。これらのう
ち、好ましいものは、トリフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、
クレジルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニル
ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホス
フェートおよび前記化合物とフェノール類との縮合燐酸
エステルか挙げられる。特に、好ましくは、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェートおよび前記
化合物とフェノール類との縮合燐酸エステルが挙げられ
る。縮合燐酸エステルの一例として化12に示すものが
あげられる。
【0041】
【化12】
【0042】本発明の樹脂組成物における(A)芳香族
ポリアミドイミド樹脂と(B)ポリエステル樹脂の割合
は、両者の合計100重量%に対して(A)成分の芳香
族ポリアミドイミド樹脂を10〜70重量%、好ましく
は10〜65重量%、最も好ましくは10〜50重量%
の範囲で配合する。また(B)成分であるポリエステル
樹脂は30〜90重量%、好ましくは35〜90重量
、最も好ましくは50〜90重量%の範囲で配合す
る。(A)成分がこの量より多いと溶融時の流動性が低
下し、少ないと耐熱性は低下する。さらに、(C)燐酸
エステル化合物は、(A)と(B)の合計100重量部
に対して1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、
より好ましくは3〜20重量部を配合する。(C)成分
がこの量より多いと、耐熱性が低下し、少ないと、良好
な難燃性が得られない。
【0043】本発明の樹脂組成物は各成分を溶融混練し
て製造されるが、溶融混練の温度は200〜400℃、
好ましくは230〜380℃で、混練方法は押出機、ニ
ーダー、バンバリーミキサー、ロールその他で行うこと
ができる。好ましい方法は2軸押出機による方法であ
る。
【0044】本発明の樹脂組成物には、所望に応じて、
充填材、顔料、滑剤、可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、
難燃助剤の各種の添加剤、他の樹脂、エラストマーな
ど、その他の成分が適宜配合され得る。充填材の例とし
ては、ガラスビーズ、ウオラストナイト、マイカ、タル
ク、クレー、アスベスト、炭カル、水酸化マグネシウ
ム、シリカ、ケイソウ土、グラファイト、カーボランダ
ム、二硫化モリブデンで示される鉱物質充填剤;ガラス
繊維、ミルドファイバー、チタン酸カリウム繊維、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅、アルミニウム、亜鉛な
どの金属繊維等の無機繊維;炭素繊維、アラミド繊維に
代表される有機繊維;アルミニウムや亜鉛のフレークを
挙げることができる。充填材は全樹脂と充填材の合計1
00重量%に対して1〜50重量%使用することが好ま
しい。好ましい充填材は、ミルドファイバー、ガラス繊
維であり、これらをエポキシ系、アミノ系等のシランカ
ップリング剤で処理したものも好適に使用される。
【0045】顔料としては、酸化チタン、硫化亜鉛、酸
化亜鉛等が例示される。
【0046】滑剤としては、鉱油、シリコンオイル、エ
チレンワックス、ポリプロピレンワックス、ステアリン
酸のナトリウム、リチウムなどの金属塩、モンタン酸の
ナトリウム、リチウム、亜鉛などの金属塩、モンタン酸
のアミド、エステル、などが代表的なものとして例示さ
れる。
【0047】また各種の添加剤の例をあげると、この樹
脂組成物には、難燃助剤を使用してもよく、その例とし
てはアンチモン、ほう素、亜鉛あるいは鉄の化合物など
が挙げられる。さらにその他の添加剤として立体障害性
フェノール、フォスファイト系化合物のごとき安定剤;
しゅう酸ジアミド系化合物、立体障害性アミン系化合物
で例示される紫外線吸収剤などがある。
【0048】前述の他の樹脂の例としては、エピクロル
ヒドリンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン等の2価フェノールより製造されるエポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂;ナイロン−6、ナイロン−10、
ナイロン−12、ナイロン−6,6、ナイロン−MX
D,6、ナイロン−4,6、ナイロン−6,T、ナイロ
ン−6,I等の脂肪族、芳香族の結晶性ポリアミド;脂
肪族、芳香族の非晶性ポリアミド;ハイドロキノン、レ
ゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、4
−ヒドロキシフェニル−3−ヒドロキシフェニルケトン
等の二価フェノールとホスゲンあるいはジフェニルカー
ボネート、ジメチルカーボネートをモノマーとして使用
製造されるポリカーボネート類;二価フェノールとホス
ゲンあるいはジフェニルカーボネート、ジメチルカーボ
ネートおよび前述のジカルボン酸およびその誘導体をモ
ノマーとして使用し製造されるポリエステルカーボネー
ト類;2,6−ジメチルフェノールの酸化カップリング
重合により得られるポリフェニレンエーテル;ポリスル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミ
ド、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン等の芳香族樹脂などが例示的
に挙げられる。これらの中で好ましいものは、ポリカー
ボネート類であり、特に二価フェノールとして、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用する
ポリカーボネートである。
【0049】またエラストマーの例としては、前述の二
価のアルコールとテレフタル酸からなる、アルキレンテ
レフタレート単位を主体とする高融点ハードセグメント
とポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロ
ピレンオキサイド)グリコール等のポリエーテルグリコ
ール、もしくは、脂肪族ジカルボン酸と二価のアルコー
ルから製造される脂肪族ポリエステルからなるソフトセ
グメントとのブロック共重合体に代表されるポリエステ
ルエラストマー(代表的商品としては東洋紡製ペルプレ
ン、デユポン製ハイトレルが挙げられる);ナイロン1
1およびナイロン12等のハードセグメントとポリエー
テル、もしくは、ポリエステルのソフトセグメントのブ
ロック共重合体に代表されるポリアミドエラストマー
(代表的商品としてはEMS CHEMIE製グリルア
ミドが挙げられる);低密度、高密度、超高分子量、直
鎖低密度等の各種ポリエチレン;ポリプロピレン;エチ
レン、プロピレンの共重合体であるEPエラストマー;
エチレン、プロピレンとノルボルネン類、シクロペンタ
ジエン類、1,4−ヘキサジエン等の非共役の共重合体
であるEPDMエラストマー;エチレン、プロピレン、
ブテン−1等のα−オレフィンとグリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等のα、β−不飽和酸の
グリシジルエステルとの共重合体エラストマー;エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1等のα−オレフィンと酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル等の不飽和エステルとの共重合体エラス
トマー;以上のポリエチレン、ポリプロピレン、EP、
EPDM、α−オレフィン共重合体エラストマーの無水
マレイン酸に代表されるα、β−不飽和ジカルボン酸無
水物、あるいは、グリシジルメタクリレート等のα、β
−不飽和酸のグリシジルエステルのグラフト変性体;ス
チレン等のビニル芳香族化合物のA成分とブタジエン、
イソプレン等のジエン成分のBよりなる、A−B−
A’、A−B型エラストマー状ブロック共重合体;B成
分が水添されたA−B−A’、A−B型エラストマー状
ブロック共重合体、更には、無水マレイン酸に代表され
るα、β−不飽和ジカルボン酸無水物、あるいは、グリ
シジルメタクリレート等のα、β−不飽和酸のグリシジ
ルエステルによりグラフト変性されたA−B−A’、A
−B型エラストマー状ブロック共重合体および同様にグ
ラフト変性され、B成分が水添されたA−B−A’、A
−B型エラストマー状ブロック共重合体;ポリスルフィ
ドゴム、シリコンゴムなどが例示される。
【0050】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリアミドイミド樹脂お
よびポリエステル樹脂からなる樹脂組成物は、従来技術
の芳香族ポリアミドイミド樹脂とポリエステル樹脂から
なる樹脂組成物の耐熱性、溶融成形性および機械的強度
を改良したものであり、また、本発明の芳香族ポリアミ
ドイミド樹脂とポリエステル樹脂および燐酸エステル化
合物からなる樹脂組成物は、上記改良に加えて、更に難
燃性、および機械的強度(特に引張り強度)を改良した
ものである。これらの樹脂組成物は、高耐熱性と高い機
械的強度と優れた溶融成形性、更に優れた難燃性を必要
とされる成形材料用途に好適に使用される。
【0051】以下、参考例、実施例、および比較例によ
って本発明の樹脂組成物を更に詳細に説明する。また、
参考例では、製造した芳香族ポリアミドイミド樹脂を示
し、実施例、比較例の結果は、表1〜4に示した。
【0052】
【実施例】
参考例1 水分含有量15ppmのN−メチルピロリドン3リット
ルを、攪拌機、温度計及び先端に塩化カルシウムを充填
した乾燥管を装着した還流冷却器を備えた反応器(容量
5リットル)に仕込んだ。ここに無水トリメリット酸5
55g(全モノマー成分のモル数の和に対し50モル
%)、次いで2,4−トリレンジイソシアネート50
3.3g(同50モル%)を加えた。この時の系内水分
は30ppmであった。最初室温から20分を要して内
容物温度を90℃とし、この温度で50分間重合を行っ
た。重合を行いながら、2,4−トリレンジイソシアネ
ートのイソシアネート基の減少量とイミド基の生成量を
測定した。測定法は、少量の反応液を注射器でサンプリ
ングし、赤外法でイソシアネート基の2276cm-1
吸収を定量することによって行った。50分間重合を行
ったところでイソシアネート基の量は50モル%に減少
した。この時イミド基の1780cm-1の吸収は全く認
められなかった。これによりイミド化反応が起こる以前
に、アミド化反応が終了したことを確認した。この後1
5分を要して115℃に昇温し、この温度に保ったまま
重合を8時間継続した。重合終了後、ポリマー溶液をN
−メチルピロリドンの2倍容のメタノール中に強力な攪
拌下に滴下した。析出したポリマーを吸引濾別し、さら
にメタノール中に再分散させてよく洗浄後濾別し、20
0℃で10時間減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド粉末
を得た。ジメチルホルムアミド溶液(濃度1.0g/d
l)でこのものの30℃における還元粘度を測定したと
ころ0.25dl/gであった。
【0053】参考例2 参考例1を重合温度だけを変更して実施した。すなわ
ち、最初に室温から30分を要して内容物温度を115
℃とし、この温度で8時間重合を継続した。重合の間、
参考例1と同様にイソシアネート基の減少量とイミド基
の生成量を、赤外法により追跡した。115℃に達した
時点でイソシアネート基の減少量は、30モル%である
にもかかわらず、既にイミド基の吸収が相当量認められ
アミド化とイミド化が同時に進行していることが確認さ
れた。重合終了後、参考例1と同様に処理してポリアミ
ドイミド粉末を得た。ジメチルホルムアミド溶液(濃度
1.0g/dl)でこのものの還元粘度を測定したとこ
ろ0.24dl/gであった。
【0054】参考例3 参考例1の無水トリメリット酸555gに変えて、無水
トリメリット酸543.9g(全モノマー成分のモル数
の和に対し49モル%)と2無水ピロメリット酸12.
6g(同1モル%)とを使用した以外は参考例1と同様
に繰り返した。なお、この時の系内水分は30ppmで
あった。参考例1と同様に昇温し、90℃で50分間重
合を行った。重合を行いながら、参考例1と同様にイソ
シアネート基の減少量とイミド基の生成量を、赤外法に
より追跡したところ、50分間重合を行ったところでイ
ソシアネート基の量は51モル%に減少した。この時イ
ミド基の吸収は全く認められなかった。これにより、イ
ミド化反応が起こる以前に、アミド化反応が終了したこ
とを確認した。この後15分を要して115℃に昇温
し、この温度に保ったまま重合を8時間継続した。重合
終了後、参考例1と同様に処理してポリアミドイミド粉
末を得た。ジメチルホルムアミド溶液(濃度1.0g/
dl)でこのものの還元粘度を測定したところ0.23
dl/gであった。
【0055】実施例1 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド50重量%
とポリブチレンテレフタレート(PBT、三菱レーヨン
(株)製N1100C)50重量%を2軸押出機を用い
て280℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたペ
レットより、1mm厚の燃焼試験片及び1/8インチ厚
の試験片を射出成形した。1mm厚の試験片より、得ら
れた材料の難燃性をULー94法に基づき測定した。1
/8インチ厚の試験片より、耐熱性評価を目的として、
18.6kg/cm2 応力下の熱変形温度(HDT)
を、また機械的強度は曲げ強度及び引張り強度を測定し
た。さらに、溶融成形性は、270℃、30kg/cm
2 応力下の溶融流れ値を高化式フローテスターにより測
定した。結果を表1に示す。
【0056】実施例2〜3 実施例1の芳香族ポリアミドイミド及びPBTを、それ
ぞれ表1の組成に変えて繰り返した。結果を表1に示
す。
【0057】実施例4 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド30重量
%、PBT30重量%、ガラス繊維(GF、旭ファイバ
ーグラス(株)製03JAFT540)40重量%を2
軸押出機を用いて280℃で溶融混練し、ペレット化し
た。得られたペレットより、実施例1と同様にして、試
験片を射出成形し、HDT、曲げ強度及び引張り強度、
難燃性の測定を行い、更に溶融流れ値を測定した。結果
を表1に示す。
【0058】実施例5 実施例4のPBTをポリエチレンテレフタレ−ト(PE
T、三菱レーヨン(株)製PA200D)に変えて繰り
返した。結果を表1に示す。
【0059】実施例6 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド50重量
%、PBT50重量%及びトリフェニルホスフェート
(TPP、大八化学工業(株)製、芳香族ポリアミドイ
ミドとPBTとの合計100重量部あたり7重量部)を
2軸押出機を用いて280℃で溶融混練し、ペレット化
した。得られたペレットより、実施例1と同様にして、
試験片を射出成形し、HDT、曲げ強度及び引張り強
度、難燃性の測定を行い、更に、溶融流れ値を測定し
た。結果を表2に示す。
【0060】実施例7 参考例1で製造した芳香族ポリアミドイミド30重量
%、PBT30重量%、ガラス繊維40重量%及びTP
P(芳香族ポリアミドイミドとPBTとの合計100重
量部あたり7重量部)を2軸押出機を用いて280℃で
溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットより、
実施例1と同様にして、試験片を射出成形し、HDT、
曲げ強度及び引張り強度、難燃性の測定を行い、更に、
溶融流れ値を測定した。結果を表2に示す。
【0061】実施例8 実施例7のPBTをPETに変えて繰り返した。結果を
表2に示す。
【0062】実施例9 実施例7のPBT及びTPPをPET及びトリクレジル
ホスフェート(TCP、大八化学工業(株)製)に変え
て繰り返した。結果を表2に示す。
【0063】実施例10 実施例8のTPPを縮合燐酸エステル(CR733S、
大八化学工業(株)製)に変更し、更に、その組成を変
えて繰り返した。結果を表2に示す。
【0064】実施例11 実施例6を参考例3で製造した芳香族ポリアミドイミド
に変えて繰り返した。結果を表3に示す。
【0065】比較例1 実施例1を参考例2で製造した芳香族ポリアミドイミド
に変えて繰り返した。結果を表3に示す。
【0066】比較例2〜3 比較例1の芳香族ポリアミドイミド及びPBTを、それ
ぞれ表3の組成に変えて繰り返した。結果を表3に示
す。
【0067】比較例4 実施例4を参考例2で製造した芳香族ポリアミドイミド
に変えて繰り返した。結果を表3に示す。
【0068】比較例5 比較例4のPBTをPETに変えて繰り返した。結果を
表4に示す。
【0069】比較例6 実施例6を参考例2で製造した芳香族ポリアミドイミド
に変えて繰り返した。結果を表4に示す。
【0070】比較例7 実施例8を参考例2で製造した芳香族ポリアミドイミド
に変えて繰り返した。結果を表4に示す。
【0071】比較例8 PET60重量%、ガラス繊維40重量%及びTPP
(PET100重量部あたり7重量部)を2軸押出機を
用いて280℃で溶融混練し、ペレット化した。得られ
たペレットより、実施例1と同様にして試験片を射出成
形し、HDT、曲げ強度および引張り強度、難燃性の測
定を行い、更に、溶融流れ値を測定した。結果を表4に
示す。
【0072】比較例9 比較例8のPETをPBTに変えて繰り返した。結果を
表4に示す。
【0073】
【発明の効果】本発明は、従来の芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂とポリエステル樹脂からなる樹脂組成物の耐熱性
と機械的強度および溶融流動性、さらに難燃性を大幅に
改良し、エンジニアリングプラスチックとして十分に使
用できる材料を提供する。本発明の樹脂組成物は、高耐
熱性と高い機械的強度と優れた成形性、さらに優れた難
燃性を必要とされる成形材料用に好適に使用される。
【0074】
【表1】 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 アミドイミド 種類 参考例1 参考例1 参考例1 参考例1 参考例1 (重量%) 50 40 30 30 30 ポリエステル 種類 PBT PBT PBT PBT PET (重量%) 50 60 70 30 30 燐酸エステル 種類 (重量部) 0 0 0 0 0 ガラス繊維 (重量%) 0 0 0 40 40 熱変形温度 (℃) 208 202 184 225 235 曲げ強度 (MPa) 95 92 81 165 195 引張り強度 (MPa) 35 36 32 65 67 難燃性 * * * * Vー1 溶融流れ値 (cc/sec) 0.09 0.12 0.13 0.12 0.14 難燃性;*印は、炎が試験片の上部まで燃え上がり、測
定不能を示す。
【0075】
【表2】 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 アミドイミド 種類 参考例1 参考例1 参考例1 参考例1 参考例1 (重量%) 50 30 30 30 30 ポリエステル 種類 PBT PBT PET PET PET (重量%) 50 30 30 30 30 燐酸エステル 種類 TPP TPP TPP TCP CR733S (重量部) 7 7 7 7 3 ガラス繊維 (重量%) 0 40 40 40 40 熱変形温度 (℃) 208 225 239 235 240 曲げ強度度 (MPa) 96 165 195 175 190 引張り強度 (MPa) 79 117 127 125 131 難燃性 Vー0 Vー0 Vー0 Vー0 Vー0 溶融流れ値 (cc/sec) 0.09 0.12 0.16 0.15 0.17
【0076】
【表3】 実施例11 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 アミドイミド 種類 参考例3 参考例2 参考例2 参考例2 参考例2 (重量%) 50 50 40 30 30 ポリエステル 種類 PBT PBT PBT PBT PBT (重量%) 50 50 60 70 30 燐酸エステル 種類 TPP (重量部) 7 0 0 0 0 ガラス繊維 (重量%) 0 0 0 0 40 熱変形温度 (℃) 210 182 152 148 203 曲げ強度 (MPa) 98 50 42 39 100 引張り強度 (MPa) 80 23 31 21 57 難燃性 Vー0 * * * * 溶融流れ値 (cc/sec) 0.09 0.004 0.006 0.009 0.05 難燃性;*印は、炎が試験片の上部まで燃え上がり、測
定不能を示す。
【0077】
【表4】 比較例5 比較例6 比較例7 比較例8 比較例9 アミドイミド 種類 参考例2 参考例2 参考例2 (重量%) 30 50 30 ポリエステル 種類 PET PBT PET PET PBT (重量%) 30 50 30 60 60 燐酸エステル 種類 TPP TPP TPP TPP (重量部) 0 7 7 7 7 ガラス繊維 (重量%) 40 0 40 40 40 熱変形温度 (℃) 205 132 205 195 185 曲げ強度 (MPa) 130 32 125 176 151 引張り強度 (MPa) 59 12 45 70 81 難燃性 Vー1 Vー0 Vー0 * * 溶融流れ値 (cc/sec) 0.06 0.004 0.02 0.55 0.45 難燃性;*印は、炎が試験片の上部まで燃え上がり、測
定不能を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−135450(JP,A) 特開 昭59−8755(JP,A) 特開 昭59−135253(JP,A) 特開 昭61−166854(JP,A) 特開 平3−166258(JP,A) 特開 平4−41559(JP,A) 特開 平5−156154(JP,A) 特開 平6−240124(JP,A) 特開 平6−322060(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 79/00 - 79/08 C08G 73/00 - 73/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族トリカルボン酸無水物およ
    芳香族ジイソシアネートを溶媒中50〜100℃の温
    度範囲でまずアミド化反応を行い、アミド化反応が少な
    くとも70%終了後、次いで昇温し、105〜200℃
    の温度範囲でイミド化反応を行って得られる、一般式
    (1)で示される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミ
    ドイミド樹脂10〜70重量%および(B)ポリエステ
    ル樹脂30〜90重量%からなる成形材料用樹脂組成
    物。 【化1】 (一般式(1)においてArは少なくとも一つの炭素6
    員環を含む3価の芳香族基、Rは2価の芳香族及び/ま
    たは脂肪族基を示す。)
  2. 【請求項2】 (A)芳香族トリカルボン酸無水物、下
    記一般式(2)で示される芳香族テトラカルボン酸およ
    芳香族ジイソシアネートを溶媒中50〜100℃の温
    度範囲でまずアミド化反応を行い、アミド化反応が少な
    くとも70%終了後、次いで昇温し、105〜200℃
    の温度範囲でイミド化反応を行って得られる、一般式
    (1)で示される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミ
    ドイミド樹脂10〜70重量%および(B)ポリエステ
    ル樹脂30〜90重量%からなる成形材料用樹脂組成
    物。 【化2】 (一般式(2)においてAr1 は、少なくとも一つの炭
    素6員環を含む4価の芳香族基である。)
  3. 【請求項3】 (A)芳香族トリカルボン酸無水物およ
    芳香族ジイソシアネートを溶媒中50〜100℃の温
    度範囲でまずアミド化反応を行い、アミド化反応が少な
    くとも70%終了後、次いで昇温し、105〜200℃
    の温度範囲でイミド化反応を行って得られる、一般式
    (1)で示される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミ
    ドイミド樹脂10〜70重量%、(B)ポリエステル樹
    30〜90重量%および(C)燐酸エステル化合物
    (A)と(B)の合計100重量部に対して1〜50重
    量部からなる成形材料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)芳香族トリカルボン酸無水物、一
    般式(2)で示される芳香族テトラカルボン酸および
    香族ジイソシアネートを溶媒中50〜100℃の温度範
    囲でまずアミド化反応を行い、アミド化反応が少なくと
    も70%終了後、次いで昇温し、105〜200℃の温
    度範囲でイミド化反応を行って得られる、一般式(1)
    で示される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミドイミ
    ド樹脂10〜70重量%、(B)ポリエステル樹脂30
    〜90重量%および(C)燐酸エステル化合物を(A)
    と(B)の合計100重量部に対して1〜50重量部
    らなる成形材料用樹脂組成物。
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