JP3510057B2 - パンツ型の使い捨ておむつ - Google Patents
パンツ型の使い捨ておむつInfo
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- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F13/00—Bandages or dressings; Absorbent pads
- A61F13/15—Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、パンツ型の使い
捨ておむつに関し、より詳しくは、側縁部にローマ字等
の文字が画かれた該おむつに関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、パンツ型のおむつは周知である。
かかるおむつを着用したときのフィット性をよくするた
めに、胴周り開口や脚周り開口の周縁部に周り方向へ伸
縮する弾性部材を配設することは慣用手段として知られ
ている。また、前胴周り域（前身頃）や後胴周り域（後
身頃）に周り方向へ伸縮する弾性部材を配設することも
よく知られている。このおむつが非着用状態にあるとき
には、弾性部材が収縮することにより、おむつの外面に
多数のひだ（ギャザー）が生じる。着用状態にあるとき
には、そのひだの多くが消失する。こうしたおむつの中
には、装飾等のために、前胴周り域や後胴周り域におむ
つの外から視認できる文字等を画いたものがある。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】前胴周り域や後胴周り
域にひだを有する前記おむつは、それが着用されてひだ
が殆ど消失したときに胴周り域の文字が容易に視認でき
るもので、おむつが非着用状態にあるときには、文字の
視認が難しい。それゆえ、おむつ需用者または供給者に
とって非着用状態で視認できることが好ましい文字、例
えばおむつのサイズ、種別、商品名等を表示する文字
は、ひだの多い胴周り域に画いても、それら表示の目的
を達成することが困難である。 【０００４】そこで、この発明は、非着用状態にあるパ
ンツ型のおむつでも、おむつに画いた文字を容易に視認
できるようにすることを課題にしている。 【０００５】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が前提とするのは、透液性表面シートと不
透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、前後の
長手方向が前胴周り域と後胴周り域とこれら両域間に位
置する股下域とからなり、前記前後胴周り域それぞれの
左右各側縁部を構成するシート材料が互いに合掌状に重
なり合って固着し、パンツ型を呈している使い捨ておむ
つである。 【０００６】かかる前提において、この発明が特徴とす
るところは、前記側縁部における前記シート材料の固着
部位は、該部位周囲の非固着部位よりも厚みが薄く形成
されて凹部を画成し、該凹部が、前記側縁部に沿う胴周
りの縦方向上下域における胴周り開口に隣接する固着部
位および脚周り開口に隣接する固着部位と前記縦方向中
央域における前記おむつの外から視認可能な平仮名，片
仮名，ローマ字および数字のいずれかの文字を画いた固
着部位とから成り、前記文字を画いた固着部位の剥離強
度が前記胴周り開口に隣接する固着部位および脚周り開
口に隣接する固着部位のそれよりも低く、かつ、前記固
着部位が、該部位の容易な視認を可能にする前記非固着
部位よりも高い光線透過率および／または光線反射率を
有していることにある。 【０００７】 【発明の実施の形態】添付の図面を参照し、この発明に
係るパンツ型の使い捨ておむつの詳細を説明すると、以
下のとおりである。説明において、固着というときは、
当接するものどうしが実質的に剥離不能な状態にあるこ
とを意味し、接着というときは、接着剤または粘着剤を
介して当接するものどうしが、剥離可能な状態にある
か、または実質的に剥離不能な状態にあることを意味し
ている。 【０００８】図１に部分破断斜視図で示されたパンツ型
のおむつ１は、左右の幅方向が縮んだ状態にある。おむ
つ１は、透液性の表面シート２と、不透液性の裏面シー
ト３と、これら両シート２，３間に介在する吸液性コア
４とによって構成され、表裏面シート２，３は、コア４
の周縁から延出する部分において重なり合い、ホットメ
ルト接着剤（図示せず）によって接着している。 【０００９】おむつ１は、前胴周り域（前身頃）６と、
後胴周り域（後身頃）７と、これら両域６，７間に位置
する股下域８とを有する。前後胴周り域６，７は、それ
らの左右側縁部で互いに合掌状に重なり合い、複数の部
位９において固着し、胴周り開口１１と、左右一対の脚
周り開口１２とを形成している。胴周りと脚周りの開口
１１，１２の縁部では、それぞれの周り方向へ延びる胴
周り弾性部材１３と脚周り弾性部材１４とが表裏面シー
ト２，３間にあって、延伸状態でそれらシート２，３の
少なくとも一方の内面に接着している。図において、こ
れら弾性部材１３，１４は、収縮状態にある。 【００１０】表面シート２は、透液性の開孔を有する熱
可塑性プラスチックフィルムや熱可塑性合成繊維不織
布、これらフィルムと不織布の積層体等によって構成さ
れている。裏面シート３は、熱可塑性合成樹脂エラスト
マーからなる伸縮性の内側シート３Ａと、熱可塑性合成
繊維不織布からなる非伸縮性の外側シート３Ｂとによっ
て構成され、前後胴周り域６，７のうちの少なくとも前
胴周り域６には、それら両シート３Ａ，３Ｂが互いに固
着する多数の部位２１と、おむつ１の上下方向へ延びる
多数のひだ２２とを有する。コア４は、粉砕パルプや、
粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物の賦型品であ
る。 【００１１】図２，３は、図１において仮想線２０で囲
まれた部分の裏面シート３の平面図と、図２のＩＩＩ−
ＩＩＩ線端面図である。裏面シート３の内側シート３Ａ
は、おむつ幅方向に伸縮性を有し、これらの図では、収
縮した状態にある。外側シート３Ｂは、おむつ１のおお
むね上下方向へ延びる多数のひだ２２を有する。これら
内外側シート３Ａと３Ｂとは、固着部位２１において、
少なくとも一方の合成樹脂成分が溶融固化して互いに一
体化している。かかる固着部位２１は、所要の方向へ向
かって延びる仮想線上に、互いに接近して配設されるも
ので、図２では、右上りの勾配を有する多数の互いに平
行な仮想線２６、および右下がりの勾配を有する多数の
互いに平行な仮想線２７それぞれの上に配設された状態
にある。互いに隣接する２本の線２６と、これらと交叉
し、互いに隣接する２本の線２７とは、ほぼ矩形の区域
２８を画成し、それぞれの区域２８では、外側シート３
Ｂが内側シート３Ａから浮き上がり、ひだ２２を形成し
ている。ひだ２２は、不定形であって、その条数を明確
に数えられるものではないが、ひだ２２の頂部２９に着
目すると、図３の端面図において１つの区域２８に頂部
２９が１つ存在する場合と、２つ以上存在する場合とが
ある。裏面シート３は、内側シート３Ａが弾性的に延
び、外側シート３Ｂのひだ２２が延び切ったところで止
まる。 【００１２】かかる裏面シート３は、伸縮性のシート３
Ａの原反をおむつ１の幅方向に対応する方向へ所要倍率
で伸長し、それに非伸縮性のシート３Ｂの原反を重ね、
これら両シート３Ａ，３Ｂの原反を熱エンボスロール間
に通して所要レイアウトの固着部位２１を有する積層シ
ートを得ればよい。この積層シートは、裏面シート３の
原反であって、伸長状態にあるシート３Ａを使用して製
造されたおむつ１において、シート３Ａが収縮すると、
図１に例示のようにその収縮方向と交叉する方向へ延び
るひだ２２が現われる。ただし、ひだ２２が現われる態
様は、固着部位２１のレイアウトによって様々に変化す
る。 【００１３】図４は、図１のＩＶ−ＩＶ線端面図であ
る。図１に示されるとおり、おむつ１の側縁部における
固着部位９は、その側縁部に沿う胴周りの縦方向上下域
において左右方向へ延びる複数条の直線的な部位９Ａ
と、その縦方向中央域においてＯＹＡＳＵＭＩと表記さ
れたローマ字の部位９Ｂとで構成されている。図４から
明らかなように、各固着部位９Ａ，９Ｂは、非固着部位
３１によって囲まれ、部位９Ａが厚みｔＡを有し、部位
９Ｂが厚みｔＢを有する。一方の非固着部位３１は、厚
みＴを有する。これらの厚みは、ｔＡ，ｔＢ＜Ｔ，であ
って、好ましくはｔＡ，ｔＢ＜Ｔ×２／３、より好まし
くはｔＡ，ｔＢ＜Ｔ×１／２の関係にある。また、ｔＡ
≧０，ｔＢ＞０であって、ｔＡ＝０のときとは、おむつ
側縁部に小さな開孔３２が形成されている場合であっ
て、開孔３２の周縁で前後胴周り域６，７を構成するシ
ートが固着している（図４の左端部参照）。側縁部で
は、固着部位９Ａ，９Ｂのうちの少なくとも部位９Ｂ
が、側縁部の前側および／または後側に凹部３３を形成
しており、その凹部３３が前記ローマ字を画いている。
凹部３３は、ローマ字の他に、平仮名，片仮名，数字，
漢字等の文字を画くことができる。これらの文字は、お
むつの外側から視認できるから、おむつの商品名を表示
したり、ＢＯＹやＧＩＲＬなどと書いてそのおむつが男
子用または女子用であること表示したりすることに利用
できる。また、固着部位９Ａは、前記側縁部に沿う胴周
りの縦方向上下域における胴周り開口に隣接する固着部
位および脚周り開口に隣接する固着部位とからなってお
り、該凹部３３を形成している。 【００１４】かかる固着部位９Ａ，９Ｂを形成するに
は、熱可塑性の合成樹脂成分を含む表面シート２，３を
重ね合わせ、これらシート２，３を局部的に加熱・加圧
すればよい。加熱・加圧部位では、樹脂分が溶融固化し
て各シート２，３が一体となり、薄いフィルム状の部位
９Ａや９Ｂを形成し、非加熱・非加圧部位では、シート
２，３がそれらの原形を保持し、厚い非固着部位３１を
形成するから、これらの結果として凹部３３が得られ
る。図１のように複数の固着部位９Ａが側縁部に沿う縦
方向上下域において胴周り方向へ延び、かつ、互いに密
接して並行している状態では、側縁部がおむつ着用中に
胴周り開口１１や脚周り開口１２を基端として剥離し、
前後に分離するのを防ぐことができる。上下域がそのよ
うに丈夫に固着していると、上下の中央域では、上下域
ほどに固着域が密でなくてもよいようになる。それゆ
え、中央域に使用する文字の選択は、形状，大きさ，文
字どうしの離間寸法等の選択が比較的自由になる。その
ようにして中央域の剥離強度を相対的に低くすることが
できると、汚れたおむつ１を前後に剥離して脱がせると
きに大きな力を必要としないので母親に好まれるように
なる。 【００１５】画かれた文字は、周囲の非固着部位３１と
明瞭に識別でき、容易に読み取ることができるように、
固着部位９Ｂの厚みｔＢと非固着部位３１の厚みＴとの
差をなるべく大きくすることが好ましい。ただし、フィ
ルム状の固着部位９Ｂの厚みｔＢを大きく変化させるこ
とはできないから、厚みの差を大きくするには、表裏面
シート２，３のいずれかに比較的かさのある不織布を使
用し、非固着部位３１の見かけの厚みＴが大きくなるよ
うにすればよい。ちなみに、部位３１の厚みＴや不織布
の厚みは、ＪＩＳ Ｌ １０９６に準拠し、加圧条件７
ｇｆ／ｃｍ２で測定し、部位９Ｂの厚みｔＢはマイクロ
メーターで測定する。読み取りが容易な文字は、固着部
位９Ｂと非固着部位３１とにおける光線透過率や光線反
射率に大きな差をもたせることによっても得ることがで
きる。例えば、固着部位９Ｂには表面平滑で相対的に光
線透過率の高いフィルムが形成され、非固着部位３１は
表裏面シート２，３が単に重なり合うだけであって、部
位９Ｂよりも透過率が低いと、部位９Ｂが部位３１に比
べて透明性または半透明性の高い部分となって非着固着
部位３１と区別され、文字の読み取りが容易になる。部
位９Ｂは、光線反射率の高いフィルムであってもよい。 【００１６】この発明は、図示例のおむつ１のように、
前後胴周り域６，７のいずれかにシート状弾性部材（内
側シート）３Ａが伸長状態で配設され、非着用状態にあ
るときの裏面シート３に多数のひだ２２が形成される態
様で実施する他に、シート状弾性部材３Ａを帯状弾性部
材に代えたり、弾性部材３Ａがなくて前後胴周り域６，
７にひだ２２が殆どがない態様で実施することもでき
る。裏面シート３に多数のひだ２２があっても、側縁部
では内側シート３Ａが自由に収縮するか、または固着部
位９Ａ，９Ｂによってその収縮が抑制されるので、殆ど
ひだを生じることがない。このような側縁部に画かれる
文字は、おむつが着用状態であるか否かにかかわらず、
容易に視認できる。 【００１７】固着部位９Ｂで画かれる文字は、印刷文字
による代替が可能である。そのときの印刷用インクに
は、乳幼児に安全無害なものが使用されることは当然で
あるが、それでもそのインクが乳幼児の口に触れること
は極力避けるべきであろう。その意味において、文字
は、印刷によるよりも固着部位９Ｂによって画かれるこ
とが好ましい。 【００１８】 【発明の効果】この発明に係る使い捨ておむつでは、ギ
ャザーが生じにくい側縁部に文字が画かれているから、
おむつが着用状態にあるか否かにかかわらず、その文字
の視認が可能になる。
捨ておむつに関し、より詳しくは、側縁部にローマ字等
の文字が画かれた該おむつに関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、パンツ型のおむつは周知である。
かかるおむつを着用したときのフィット性をよくするた
めに、胴周り開口や脚周り開口の周縁部に周り方向へ伸
縮する弾性部材を配設することは慣用手段として知られ
ている。また、前胴周り域（前身頃）や後胴周り域（後
身頃）に周り方向へ伸縮する弾性部材を配設することも
よく知られている。このおむつが非着用状態にあるとき
には、弾性部材が収縮することにより、おむつの外面に
多数のひだ（ギャザー）が生じる。着用状態にあるとき
には、そのひだの多くが消失する。こうしたおむつの中
には、装飾等のために、前胴周り域や後胴周り域におむ
つの外から視認できる文字等を画いたものがある。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】前胴周り域や後胴周り
域にひだを有する前記おむつは、それが着用されてひだ
が殆ど消失したときに胴周り域の文字が容易に視認でき
るもので、おむつが非着用状態にあるときには、文字の
視認が難しい。それゆえ、おむつ需用者または供給者に
とって非着用状態で視認できることが好ましい文字、例
えばおむつのサイズ、種別、商品名等を表示する文字
は、ひだの多い胴周り域に画いても、それら表示の目的
を達成することが困難である。 【０００４】そこで、この発明は、非着用状態にあるパ
ンツ型のおむつでも、おむつに画いた文字を容易に視認
できるようにすることを課題にしている。 【０００５】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が前提とするのは、透液性表面シートと不
透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、前後の
長手方向が前胴周り域と後胴周り域とこれら両域間に位
置する股下域とからなり、前記前後胴周り域それぞれの
左右各側縁部を構成するシート材料が互いに合掌状に重
なり合って固着し、パンツ型を呈している使い捨ておむ
つである。 【０００６】かかる前提において、この発明が特徴とす
るところは、前記側縁部における前記シート材料の固着
部位は、該部位周囲の非固着部位よりも厚みが薄く形成
されて凹部を画成し、該凹部が、前記側縁部に沿う胴周
りの縦方向上下域における胴周り開口に隣接する固着部
位および脚周り開口に隣接する固着部位と前記縦方向中
央域における前記おむつの外から視認可能な平仮名，片
仮名，ローマ字および数字のいずれかの文字を画いた固
着部位とから成り、前記文字を画いた固着部位の剥離強
度が前記胴周り開口に隣接する固着部位および脚周り開
口に隣接する固着部位のそれよりも低く、かつ、前記固
着部位が、該部位の容易な視認を可能にする前記非固着
部位よりも高い光線透過率および／または光線反射率を
有していることにある。 【０００７】 【発明の実施の形態】添付の図面を参照し、この発明に
係るパンツ型の使い捨ておむつの詳細を説明すると、以
下のとおりである。説明において、固着というときは、
当接するものどうしが実質的に剥離不能な状態にあるこ
とを意味し、接着というときは、接着剤または粘着剤を
介して当接するものどうしが、剥離可能な状態にある
か、または実質的に剥離不能な状態にあることを意味し
ている。 【０００８】図１に部分破断斜視図で示されたパンツ型
のおむつ１は、左右の幅方向が縮んだ状態にある。おむ
つ１は、透液性の表面シート２と、不透液性の裏面シー
ト３と、これら両シート２，３間に介在する吸液性コア
４とによって構成され、表裏面シート２，３は、コア４
の周縁から延出する部分において重なり合い、ホットメ
ルト接着剤（図示せず）によって接着している。 【０００９】おむつ１は、前胴周り域（前身頃）６と、
後胴周り域（後身頃）７と、これら両域６，７間に位置
する股下域８とを有する。前後胴周り域６，７は、それ
らの左右側縁部で互いに合掌状に重なり合い、複数の部
位９において固着し、胴周り開口１１と、左右一対の脚
周り開口１２とを形成している。胴周りと脚周りの開口
１１，１２の縁部では、それぞれの周り方向へ延びる胴
周り弾性部材１３と脚周り弾性部材１４とが表裏面シー
ト２，３間にあって、延伸状態でそれらシート２，３の
少なくとも一方の内面に接着している。図において、こ
れら弾性部材１３，１４は、収縮状態にある。 【００１０】表面シート２は、透液性の開孔を有する熱
可塑性プラスチックフィルムや熱可塑性合成繊維不織
布、これらフィルムと不織布の積層体等によって構成さ
れている。裏面シート３は、熱可塑性合成樹脂エラスト
マーからなる伸縮性の内側シート３Ａと、熱可塑性合成
繊維不織布からなる非伸縮性の外側シート３Ｂとによっ
て構成され、前後胴周り域６，７のうちの少なくとも前
胴周り域６には、それら両シート３Ａ，３Ｂが互いに固
着する多数の部位２１と、おむつ１の上下方向へ延びる
多数のひだ２２とを有する。コア４は、粉砕パルプや、
粉砕パルプと高吸水性ポリマーとの混合物の賦型品であ
る。 【００１１】図２，３は、図１において仮想線２０で囲
まれた部分の裏面シート３の平面図と、図２のＩＩＩ−
ＩＩＩ線端面図である。裏面シート３の内側シート３Ａ
は、おむつ幅方向に伸縮性を有し、これらの図では、収
縮した状態にある。外側シート３Ｂは、おむつ１のおお
むね上下方向へ延びる多数のひだ２２を有する。これら
内外側シート３Ａと３Ｂとは、固着部位２１において、
少なくとも一方の合成樹脂成分が溶融固化して互いに一
体化している。かかる固着部位２１は、所要の方向へ向
かって延びる仮想線上に、互いに接近して配設されるも
ので、図２では、右上りの勾配を有する多数の互いに平
行な仮想線２６、および右下がりの勾配を有する多数の
互いに平行な仮想線２７それぞれの上に配設された状態
にある。互いに隣接する２本の線２６と、これらと交叉
し、互いに隣接する２本の線２７とは、ほぼ矩形の区域
２８を画成し、それぞれの区域２８では、外側シート３
Ｂが内側シート３Ａから浮き上がり、ひだ２２を形成し
ている。ひだ２２は、不定形であって、その条数を明確
に数えられるものではないが、ひだ２２の頂部２９に着
目すると、図３の端面図において１つの区域２８に頂部
２９が１つ存在する場合と、２つ以上存在する場合とが
ある。裏面シート３は、内側シート３Ａが弾性的に延
び、外側シート３Ｂのひだ２２が延び切ったところで止
まる。 【００１２】かかる裏面シート３は、伸縮性のシート３
Ａの原反をおむつ１の幅方向に対応する方向へ所要倍率
で伸長し、それに非伸縮性のシート３Ｂの原反を重ね、
これら両シート３Ａ，３Ｂの原反を熱エンボスロール間
に通して所要レイアウトの固着部位２１を有する積層シ
ートを得ればよい。この積層シートは、裏面シート３の
原反であって、伸長状態にあるシート３Ａを使用して製
造されたおむつ１において、シート３Ａが収縮すると、
図１に例示のようにその収縮方向と交叉する方向へ延び
るひだ２２が現われる。ただし、ひだ２２が現われる態
様は、固着部位２１のレイアウトによって様々に変化す
る。 【００１３】図４は、図１のＩＶ−ＩＶ線端面図であ
る。図１に示されるとおり、おむつ１の側縁部における
固着部位９は、その側縁部に沿う胴周りの縦方向上下域
において左右方向へ延びる複数条の直線的な部位９Ａ
と、その縦方向中央域においてＯＹＡＳＵＭＩと表記さ
れたローマ字の部位９Ｂとで構成されている。図４から
明らかなように、各固着部位９Ａ，９Ｂは、非固着部位
３１によって囲まれ、部位９Ａが厚みｔＡを有し、部位
９Ｂが厚みｔＢを有する。一方の非固着部位３１は、厚
みＴを有する。これらの厚みは、ｔＡ，ｔＢ＜Ｔ，であ
って、好ましくはｔＡ，ｔＢ＜Ｔ×２／３、より好まし
くはｔＡ，ｔＢ＜Ｔ×１／２の関係にある。また、ｔＡ
≧０，ｔＢ＞０であって、ｔＡ＝０のときとは、おむつ
側縁部に小さな開孔３２が形成されている場合であっ
て、開孔３２の周縁で前後胴周り域６，７を構成するシ
ートが固着している（図４の左端部参照）。側縁部で
は、固着部位９Ａ，９Ｂのうちの少なくとも部位９Ｂ
が、側縁部の前側および／または後側に凹部３３を形成
しており、その凹部３３が前記ローマ字を画いている。
凹部３３は、ローマ字の他に、平仮名，片仮名，数字，
漢字等の文字を画くことができる。これらの文字は、お
むつの外側から視認できるから、おむつの商品名を表示
したり、ＢＯＹやＧＩＲＬなどと書いてそのおむつが男
子用または女子用であること表示したりすることに利用
できる。また、固着部位９Ａは、前記側縁部に沿う胴周
りの縦方向上下域における胴周り開口に隣接する固着部
位および脚周り開口に隣接する固着部位とからなってお
り、該凹部３３を形成している。 【００１４】かかる固着部位９Ａ，９Ｂを形成するに
は、熱可塑性の合成樹脂成分を含む表面シート２，３を
重ね合わせ、これらシート２，３を局部的に加熱・加圧
すればよい。加熱・加圧部位では、樹脂分が溶融固化し
て各シート２，３が一体となり、薄いフィルム状の部位
９Ａや９Ｂを形成し、非加熱・非加圧部位では、シート
２，３がそれらの原形を保持し、厚い非固着部位３１を
形成するから、これらの結果として凹部３３が得られ
る。図１のように複数の固着部位９Ａが側縁部に沿う縦
方向上下域において胴周り方向へ延び、かつ、互いに密
接して並行している状態では、側縁部がおむつ着用中に
胴周り開口１１や脚周り開口１２を基端として剥離し、
前後に分離するのを防ぐことができる。上下域がそのよ
うに丈夫に固着していると、上下の中央域では、上下域
ほどに固着域が密でなくてもよいようになる。それゆ
え、中央域に使用する文字の選択は、形状，大きさ，文
字どうしの離間寸法等の選択が比較的自由になる。その
ようにして中央域の剥離強度を相対的に低くすることが
できると、汚れたおむつ１を前後に剥離して脱がせると
きに大きな力を必要としないので母親に好まれるように
なる。 【００１５】画かれた文字は、周囲の非固着部位３１と
明瞭に識別でき、容易に読み取ることができるように、
固着部位９Ｂの厚みｔＢと非固着部位３１の厚みＴとの
差をなるべく大きくすることが好ましい。ただし、フィ
ルム状の固着部位９Ｂの厚みｔＢを大きく変化させるこ
とはできないから、厚みの差を大きくするには、表裏面
シート２，３のいずれかに比較的かさのある不織布を使
用し、非固着部位３１の見かけの厚みＴが大きくなるよ
うにすればよい。ちなみに、部位３１の厚みＴや不織布
の厚みは、ＪＩＳ Ｌ １０９６に準拠し、加圧条件７
ｇｆ／ｃｍ２で測定し、部位９Ｂの厚みｔＢはマイクロ
メーターで測定する。読み取りが容易な文字は、固着部
位９Ｂと非固着部位３１とにおける光線透過率や光線反
射率に大きな差をもたせることによっても得ることがで
きる。例えば、固着部位９Ｂには表面平滑で相対的に光
線透過率の高いフィルムが形成され、非固着部位３１は
表裏面シート２，３が単に重なり合うだけであって、部
位９Ｂよりも透過率が低いと、部位９Ｂが部位３１に比
べて透明性または半透明性の高い部分となって非着固着
部位３１と区別され、文字の読み取りが容易になる。部
位９Ｂは、光線反射率の高いフィルムであってもよい。 【００１６】この発明は、図示例のおむつ１のように、
前後胴周り域６，７のいずれかにシート状弾性部材（内
側シート）３Ａが伸長状態で配設され、非着用状態にあ
るときの裏面シート３に多数のひだ２２が形成される態
様で実施する他に、シート状弾性部材３Ａを帯状弾性部
材に代えたり、弾性部材３Ａがなくて前後胴周り域６，
７にひだ２２が殆どがない態様で実施することもでき
る。裏面シート３に多数のひだ２２があっても、側縁部
では内側シート３Ａが自由に収縮するか、または固着部
位９Ａ，９Ｂによってその収縮が抑制されるので、殆ど
ひだを生じることがない。このような側縁部に画かれる
文字は、おむつが着用状態であるか否かにかかわらず、
容易に視認できる。 【００１７】固着部位９Ｂで画かれる文字は、印刷文字
による代替が可能である。そのときの印刷用インクに
は、乳幼児に安全無害なものが使用されることは当然で
あるが、それでもそのインクが乳幼児の口に触れること
は極力避けるべきであろう。その意味において、文字
は、印刷によるよりも固着部位９Ｂによって画かれるこ
とが好ましい。 【００１８】 【発明の効果】この発明に係る使い捨ておむつでは、ギ
ャザーが生じにくい側縁部に文字が画かれているから、
おむつが着用状態にあるか否かにかかわらず、その文字
の視認が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】おむつの部分破断斜視図。
【図２】裏面シートの部分図。
【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線端面図。
【図４】図１のＩＶ−ＩＶ線端面図。
【符号の説明】
１ おむつ
２ 表面シート
３ 裏面シート
４ コア
６ 前胴周り域
７ 後胴周り域
８ 股下域
９，９Ａ，９Ｂ 固着部位
３１ 非接合部位
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 透液性表面シートと不透液性裏面シート
との間に吸液性コアが介在し、前後の長手方向が前胴周
り域と後胴周り域とこれら両域間に位置する股下域とか
らなり、前記前後胴周り域それぞれの左右各側縁部を構
成するシート材料が互いに合掌状に重なり合って固着
し、パンツ型を呈している使い捨ておむつであって、 前記側縁部における前記シート材料の固着部位は、該部
位周囲の非固着部位よりも厚みが薄く形成されて凹部を
画成し、該凹部が、前記側縁部に沿う胴周りの縦方向上
下域における胴周り開口に隣接する固着部位および脚周
り開口に隣接する固着部位と前記縦方向中央域における
前記おむつの外から視認可能な平仮名，片仮名，ローマ
字および数字のいずれかの文字を画いた固着部位とから
成り、前記文字を画いた固着部位の剥離強度が前記胴周
り開口に隣接する固着部位および脚周り開口に隣接する
固着部位のそれよりも低く、かつ、前記固着部位が、該
部位の容易な視認を可能にする前記非固着部位よりも高
い光線透過率および／または光線反射率を有しているこ
とを特徴とする前記おむつ。
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