JP3508568B2 - ポリカーボネートポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートポリオールの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成皮革、エラス
トマー、塗料等の各分野で使用されるポリウレタンの原
料として使用されるポリカーボネートポリオールの製造
方法に関する。さらに詳しくは、ジアリールカーボネー
トと脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応に
よって、着色が少なく、かつ副反応が少ないポリカーボ
ネートポリオールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアリールカーボネートとポリヒドロキ
シ化合物のエステル交換反応によりポリカーボネートポ
リオールを製造する方法としては、無触媒でポリカーボ
ネートポリオールを製造する方法(特公昭45−955
3号公報、特公昭46−4693号公報など参照)、あ
るいはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属
やアルカリ土類金属のアルコキシド、三塩化チタン、四
塩化チタン、テトラエチルチタネート、テトラ−iso
−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート
などの塩基性化合物や有機金属化合物を触媒とするポリ
カーボネートポリオールの製造方法(特開昭61−15
1235号公報、特開昭62−187725号公報、特
開昭64−118号公報、特開平2−49025号公
報、特開平2−175721号公報など参照)などが公
知である。しかし、これらの製造方法においては、ジメ
チルカーボネートやジエチルカーボネートなどのジアル
キルカーボネートを原料とした場合と比較して、例えば
ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート
から生成したポリカーボネートポリオールの着色が大き
いという問題がある。
【0003】一方、脂肪族カーボネート化合物、例えば
ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどのジ
アルキルカーボネートを原料とするポリカーボネートポ
リオールの製造方法では、エステル交換反応の速度が遅
いためにエステル交換触媒を用いることが報告されてい
る(特開昭51−83693公報、特開昭51−836
94公報、特開昭61−151263公報、特開平2−
284918号公報、特開平2−284919号公報な
ど参照)。
【0004】例えば、上記ポリカーボネートポリオール
の製造方法において、エステル交換触媒として塩基性が
比較的強いアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を使用
すれば、反応速度は速くなるが、副反応が起きて両末端
が水酸基のポリカーボネートポリオールができず、さら
にこのポリカーボネートポリオールからポリウレタンを
製造する際に、イソシアネートと異常反応を起こしウレ
タン化反応の制御ができない。また、エステル交換触媒
としてチタンやスズのアルコキシド等の有機金属化合物
を用いた場合は、副反応が抑えられ、着色も少ないポリ
カーボネートポリオールを製造することができる。しか
し、このポリカーボネートポリオールを用いてポリウレ
タンを製造した場合、残存する触媒の影響でイソシアネ
ート化合物とのウレタン化反応の制御が困難となった
り、反応中にゲル化したりするために、水等で触媒の不
活性化処理(特開昭64−1724号公報など参照)を
行わなければならず、工業的に経済的ではない。また、
ブレンステッド酸や酸性のアルカリ金属塩やアルカリ土
類金属塩などを添加する場合、これら添加剤には触媒作
用がなく、脂肪族カーボネート化合物とポリヒドロキシ
化合物のエステル交換反応が進行しない。
【0005】さらにまた、特開昭60−181125号
公報には、分子中に1個以上のエポキシ基を含有するエ
ポキシ基含有化合物と有機チタン化合物、無機チタン化
合物等のチタン化合物との存在下にジアリールカーボネ
ートとポリヒドロキシ化合物とのエステル交換を行うこ
とによって、着色が少ない高品位のポリカーボネートポ
リオールを製造する方法が開示されている。しかし、こ
の方法は、原料のジアリールカーボネートとして、例え
ばフェノールにホスゲンを作用させて得られるジフェニ
ルカーボネート等が使用される場合を対象とするもので
あり、原料のジアリールカーボネート中にもともと存在
するか、あるいはエステル交換反応中に発生するハロゲ
ン化水素を前記エポキシ基含有化合物と反応させること
によって生成するヒドロキシル基末端化合物を系外へ排
出せしめ、副反応および/または着色を防止しようとす
るものであるため、工程が煩雑であり、ポリカーボネー
トポリオールの製造方法としては経済的ではないという
欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ジアリール
カーボネートとポリヒドロキシ化合物から着色がなく、
かつ副反応の少ないポリカーボネートポリオールを製造
する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ジアリールカー
ボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化合物とからポリカー
ボネートポリオールを製造するに際して、ブレンステッ
ド酸あるいはリン酸化合物を添加して前記ジアリールカ
ーボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交
換反応を行わしめることにより、着色がなく、かつ副反
応の少ないポリカーボネートポリオールが得られること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、請求項1に記載の第1の発明
は、ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化
合物のエステル交換反応によってポリカーボネートポリ
オールを製造する方法において、上記反応をブレンステ
ッド酸の存在下に行うことを特徴とするポリカーボネー
トポリオールの製造方法を提供することで達成できる。
請求項2に記載の第2の発明は、ジアリールカーボネー
トと脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応に
よってポリカーボネートポリオールを製造する方法にお
いて、上記反応をリン酸化合物の存在下に行うことを特
徴とするポリカーボネートポリオールの製造方法を提供
することで達成できる。
【0009】また、請求項3に記載の第3の発明は、ブ
レンステッド酸を脂肪族ポリヒドロキシ化合物に対して
0.0001〜0.2モル%の割合で用いる上記第1の
発明に係わるポリカーボネートポリオールの製造方法
を、請求項4に記載の第4の発明は、リン酸化合物を脂
肪族ポリヒドロキシ化合物に対して0.0001〜0.
2モル%の割合で用いる上記第2の発明に係わるポリカ
ーボネートポリオールの製造方法を、それぞれ、提供す
ることで達成できる。
【0010】さらにまた、請求項5に記載の第5の発明
は、ジアリールカーボネートに対する脂肪族ポリヒドロ
キシ化合物のモル比が1.01〜3.00である上記第
1〜第4の発明のいずれか1つに係わるポリカーボネー
トポリオールの製造方法を提供することで達成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の方法を詳しく説
明する。本発明に用いるジアリールカーボネートのアリ
ール基には各種置換基を持っていてもよく、また、アリ
ール基の種類としては同一でも異なっていても良い。こ
のようなアリール基として具体的には、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ア
ントリル基、フェナントリル基、クロルフェニル基およ
びニトロフェニル基などが挙げられるが、本発明に用い
るジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボ
ネートが特に好ましい。
【0012】本発明に用いるのに適した脂肪族ポリヒド
ロキシ化合物は、エチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプ
タンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−
ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2
−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグ
リコール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−
1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オク
タンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
ルコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどの脂肪族ジオール、1,3−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2’−ビス
−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,
2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオ
ールなどの環状脂肪族ジオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリ
オールなどの脂肪族トリオール、およびペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソル
ビトールなどの脂肪族ポリオールなどである。これらの
脂肪族ポリヒドロキシ化合物は、単独もしくは2種以上
の混合物として使用することができる。
【0013】本発明の方法においては、前記ジアリール
カーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエス
テル交換反応によって、着色がなく、かつ副反応の少な
いポリカーボネートポリオールを製造するに際して、ブ
レンステッド酸あるいはリン酸化合物を存在させる必要
がある。本発明に用いる前記ブレンステッド酸として、
具体的には、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、トリポリ
リン酸、ホウ酸、シュウ酸、蟻酸、酢酸、プロピオン
酸、アジピン酸、安息香酸およびベンゼンスルホン酸な
どを挙げることができる。これらの中でもホウ酸、シュ
ウ酸およびリン酸が好ましく、ホウ酸およびリン酸が特
に好ましい。なお、これらブレンステッド酸は、25℃
の水溶液中でのpKaが10以下の酸化合物である。こ
こにpKaとは、25℃の水溶液中での酸の解離定数を
Ka(モル/リットル)とするとき、下記数式(I)
【0014】
【数1】
【0015】として定義される数値であり、pKaの値
が小さいほど、酸としては強いものとなる。使用する酸
化合物の25℃における水溶液中でのpKaが10より
大きくなると、前記ジアリールカーボネートと前記脂肪
族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応により得ら
れるポリカーボネートポリオールが着色するので好まし
くない。
【0016】また、本発明に用いる前記リン酸化合物の
具体例としては、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二
ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ルビ
ジウム、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸水素カリウ
ム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、
リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸マグネ
シウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、ビスリン
酸二水素カルシウムなどのリン酸のアルカリ金属塩また
はアルカリ土類金属塩が挙げられ、これらの中でも特に
リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど
のリン酸ナトリウム塩、およびリン酸水素二カリウム、
リン酸二水素カリウムなどのリン酸カリウム塩が好まし
い。
【0017】本発明の方法において、前記ブレンステッ
ド酸あるいは前記リン酸化合物の使用量は、前記脂肪族
ポリヒドロキシ化合物に対して0.0001〜0.2モ
ル%、好ましくは0.001〜0.1モル%であること
が望ましい。前記ブレンステッド酸あるいは前記リン酸
化合物の使用量が0.0001モル%より少ない場合
は、前記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒド
ロキシ化合物のエステル交換反応により得られるポリカ
ーボネートポリオールが着色することがある。一方、前
記ブレンステッド酸あるいは前記リン酸化合物の使用量
を0.2モル%より多くすると、得られたポリカーボネ
ートポリオール中に残存するこれらブレンステッド酸あ
るいはリン酸化合物の影響で、該ポリカーボネートポリ
オールからポリウレタンを製造する際にポリウレタンの
物性低下をもたらす場合がある。
【0018】本発明の方法によりポリカーボネートポリ
オールを製造する場合、前記脂肪族ポリヒドロキシ化合
物を仕込む割合は、前記ジアリールカーボネートに対す
るモル比で1.01〜3.00であることが望ましい。
前記ジアリールカーボネートに対する前記脂肪族ポリヒ
ドロキシ化合物のモル比が1.01より小さい場合、得
られるポリカーボネートポリオールの分子末端がすべて
水酸基にならない。また、3.00より大きいときは、
前記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物のエステル交換反応に何ら有利な点はなく、過
剰量の前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物を留去しなけれ
ばならなくなるなど、工業的に不経済である。
【0019】本発明のポリカーボネートポリオールの製
造に際しての反応温度は特に制限するものではないが、
100〜300℃、好ましくは150〜250℃、さら
に好ましくは150℃〜220℃であることが望まし
い。反応温度が高温であれば、副反応として脱炭酸反応
や脱水反応が起こり、得られるポリカーボネートポリオ
ールの分子内にエーテル結合や、分子末端にビニル基が
できたりすることがある。また、低温度の場合には、エ
ステル交換反応の速度が遅く、極めて長い反応時間を要
したり、生成物の収率が低くなるなど経済的ではない。
【0020】また、反応圧力についても特に制限するも
のではなく、加圧、常圧、減圧のいずれの条件下で行う
ことも可能であり、本発明において使用する前記ジアリ
ールカーボネートに由来するヒドロキシアリール化合物
と前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物の沸点を考慮して決
定すればよい。例えば、反応初期には180℃以下の低
い温度で1〜4時間程度、続いて150〜250℃、好
ましくは150〜220℃程度で数時間、さらに同温度
で最終的に20mmHg以下となる圧力下で数時間、前
記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキシ
化合物のエステル交換反応を行うなど、公知の方法で行
うことができる。
【0021】また、本発明の方法における反応装置は特
に制限されるものではなく、槽型の反応器を用いてもよ
いし、管型の反応器を用いてもよいが、生成したヒドロ
キシアリール化合物と原料のジアリールカーボネートや
脂肪族ポリヒドロキシ化合物との分離が可能な装置とし
て蒸留塔を備えた反応器を用いることが望ましい。
【0022】なお、本発明のエステル交換反応では、生
成するヒドロキシアリール化合物を連続的に系外へ抜き
出して反応を進行させる必要がある。そこで、このヒド
ロキシアリール化合物の系外への抜き出しを助けるため
に、少量の窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを
減圧、常圧または加圧下に流通させながら前記反応を行
ってもよいし、常圧または加圧下に前記不活性ガスを封
入して前記反応を行ってもよい。
【0023】さらにまた、本発明の方法では、ポリカー
ボネートポリオールの製造に際してエステル交換触媒を
存在させる必要はないが、エステル交換触媒の存在下に
前記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物との反応を行うことを妨げるものではない。エ
ステル交換触媒の存在下に前記ジアリールカーボネート
と前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応
を行う場合、該反応には、エステル交換で通常用いられ
る触媒として、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アル
ミニウム、銅、スズ、鉛、アンチモンおよびセリウムの
ような金属ならびにこれら金属のアルコキシド;有機酸
のマグネシウム、カルシウム、セリウム、バリウム、亜
鉛、スズなどの金属塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブ
チル錫ジラウレートなどの有機錫化合物などを用いるこ
とができる。ただし、前記ジアリールカーボネートと前
記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応に際
して存在させる上記エステル交換触媒と前記ブレンステ
ッド酸あるいはリン酸化合物の組み合わせによっては、
得られるポリカーボネートポリオールが着色してしまう
(例えば、前記ジアリールカーボネートとして炭酸ジフ
ェニルを使用する場合、エステル交換触媒としてチタン
触媒や炭酸カリウム等を使用すると、ポリカーボネート
ポリオールが着色する)などの問題が生じるので、上記
エステル交換触媒の選定には注意が必要である。
【0024】なお、上記エステル交換触媒の使用量は、
出発原料である前記ジアリールカーボネートおよび前記
脂肪族ポリヒドロキシ化合物の総重量の0.0001〜
1.0%が適当であり、好ましくは0.001〜0.2
%であることが望ましい。触媒の使用量が出発原料の総
重量の0.0001%より少ない場合は、前記ジアリー
ルカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエ
ステル交換反応が遅くなりポリカーボネートポリオール
の収率が低下することがある。また、出発原料の総重量
の1.0%より多く使用しても前記ジアリールカーボネ
ートと前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換
反応に何ら有利な点はなく、1.0%が必要かつ十分な
量である。
【0025】
【実施例】次に、実施例および比較例を述べて本発明の
方法をさらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施
例および比較例によって何ら限定を受けるものではな
い。なお、以下の実施例および比較例において、得られ
たポリカーボネートポリオールの諸物性は、それぞれ、
下記の方法によって求めた。
【0026】(1)水酸基価(OHv) JIS K1557に準じて、ポリカーボネートポリオ
ールを無水フタル酸でエステル化し、過剰の無水フタル
酸を水酸化ナトリウムで逆滴定することにより測定し
た。
【0027】(2)数平均分子量(Mn) 前記第(1)項で求められた水酸基価(OHv)から次
式(II)により算出した。
【0028】
【数2】
【0029】(3)溶融色(APHA) JIS K1557に準じて、所定量の試料(ポリカー
ボネートポリオール)を比色管に採り、APHA標準液
と比較して求めた。
【0030】(4)分子鎖中に含まれるエーテル基の含
有量 試料(ポリカーボネートポリオール)のNMRを測定す
ることにより、カーボネート基に対するエーテル基の含
有割合(%)として求めた。NMR測定に使用した機器
は、GSX−400(日本電子社製)である。
【0031】比較例1 ジフェニルカーボネート(東京化成社製、試薬特級品、
分子量:214.2、以下において同じ);21.42
g(0.100モル)と、1,6−ヘキサンジオール
(宇部興産(株)製、水酸基価:950mgKOH/
g、分子量:118.2、以下において同じ);17.
73g(0.150モル)とをヴィグリュー型分留管、
温度計および窒素導入管を付けた内容積50mlのフラ
スコに入れた。これら原料の仕込みはすべて窒素ガス雰
囲気下で行った。そこで、フラスコ内を減圧しながら仕
込んだ反応液を徐々に加熱し、180℃、減圧度200
torrに調整して1時間還流させた。次に、反応温度
を180℃に保持したまま、徐々に減圧度を上げていく
と、ジフェニルカーボネートに由来するフェノールが留
出してきた。反応が進行していきフェノールの留出がほ
とんどなくなった時点で、さらに減圧度を上げていき、
1,6−ヘキサンジオールを抜き出して反応を完結し
た。減圧度は最終的には7torrであった。なお、全
反応時間は6時間であった。
【0032】フェノールと1,6−ヘキサンジオールの
抜き出し量の合計は22.63gであり、その成分組成
は、1,6−ヘキサンジオール;21重量%、フェノー
ル;79重量%であった。また、得られたポリカーボネ
ートジオールの収量は15.25gであった。そこで、
このポリカーボネートジオールの水酸基価を測定したと
ころ、74.9mgKOH/gであり、前記式(II)に
より求められた数平均分子量は1500であった。
【0033】また、400MHzのNMR分析装置(日
本電子社製、型式:GSX−400)を用いて上記ポリ
カーボネートジオールの構造分析を行ったところ、分子
末端にフェノキシ基が確認されなかった。また、分子末
端の水酸基が脱水反応を起こす結果生成するビニル基も
確認されなかったことから、得られたポリカーボネート
ジオールの分子末端がすべて水酸基になっていることが
分かった。また、上記得られたポリカーボネートジオー
ルの分子鎖中に含まれるエーテル基の割合はカーボネー
ト基に対して0.42%であった。さらにまた、上記ポ
リカーボネートジオールの着色度を調べるために、溶融
色(APHA)を測定したところ、200であり着色が
認められた。
【0034】実施例1 ジフェニルカーボネート;21.65g(0.101モ
ル)、1,6−ヘキサンジオール;17.85g(0.
151モル)およびリン酸二水素カリウム(KH2 PO
4 、和光純薬工業社製、試薬特級品、分子量:136.
1);7.8mg(0.057ミリモル)を、比較例1
と同様のヴィグリュー型分留管、温度計および窒素導入
管を備えた内容積50mlのフラスコに入れた。これら
原料の仕込みはすべて窒素ガス雰囲気下で行った。そこ
で、フラスコ内を減圧しながら仕込んだ反応液を徐々に
加熱し、180℃、減圧度200torrに調整して1
時間還流させた。次に、反応温度を180℃に保持した
まま、徐々に減圧度を上げていくと、ジフェニルカーボ
ネートに由来するフェノールが留出してきた。反応が進
行していきフェノールの留出がほとんどなくなった時点
で反応温度を190℃に上げ、さらに減圧度を上げてい
き、1,6−ヘキサンジオールを抜き出すことにより反
応を完結した。減圧度は最終的には7torrになり、
全反応時間は6時間であった。
【0035】フェノールと1,6−ヘキサンジオールの
抜き出し量の合計は23.76gであり、その成分組成
は、1,6−ヘキサンジオール;19.4重量%、フェ
ノール;80.0重量%およびジフェニルカーボネー
ト;0.6重量%であった。そして、得られたポリカー
ボネートジオールの収量は15.17gであった。そこ
で、このポリカーボネートジオールの水酸基価を測定し
たところ、54.2mgKOH/gであり、前記式(I
I)により求められた数平均分子量は2070であっ
た。
【0036】また、比較例1で用いたのと同様の400
MHzのNMR分析装置を用いて上記ポリカーボネート
ジオールの構造分析を行ったところ、分子末端には、原
料のジフェニルカーボネートに由来するフェノキシ基、
および、分子末端の水酸基が脱水反応を起こして生成す
るビニル基のいずれも確認されなかったことから、得ら
れたポリカーボネートジオールの分子末端がすべて水酸
基になっていることが分かった。また、上記得られたポ
リカーボネートジオールの分子鎖中に含まれるエーテル
基の割合はカーボネート基に対して0.20%であっ
た。さらにまた、上記ポリカーボネートジオールの着色
度を調べるために、溶融色(AHPA)を測定したとこ
ろ、25であり着色は認められなかった。このようにリ
ン酸化合物であるKH2 PO4 を使用することにより、
着色がなくかつ高品質のポリカーボネートジオールを得
ることができた。
【0037】実施例2 実施例1と同様のフラスコ内に、実施例1におけるジフ
ェニルカーボネートおよび1,6−ヘキサンジオールの
仕込み量に変えて、それぞれ、ジフェニルカーボネー
ト;21.34g(0.100モル)および1,6−ヘ
キサンジオール;17.61g(0.149モル)を仕
込んだこと、また、リン酸二水素カリウム;7.8mg
(0.057ミリモル)に代えて、リン酸水素二カリウ
ム(K2 HPO4 、和光純薬工業社製、試薬特級品、分
子量:174.2);8.1mg(0.046ミリモ
ル)を仕込んだこと以外は、実施例1と全く同様の操作
により反応を行った。得られたポリカーボネートジオー
ルの収量は15.2gであり、そして、水酸基価は3
3.0mgKOH/g、分子量は3400、APHAは
25、カーボネート基に対するエーテル基含有量は0.
2%であった。また、実施例1と同様の操作による構造
分析の結果として分子末端にフェノキシ基ならびにビニ
ル基は確認されなかった。このようにリン酸化合物であ
るK2 HPO4 を使用することにより、着色がなくかつ
高品質のポリカーボネートジオールを得ることができ
た。
【0038】実施例3 実施例1と同様のフラスコ内に、実施例1におけるジフ
ェニルカーボネートおよび1,6−ヘキサンジオールの
仕込み量に変えて、それぞれ、ジフェニルカーボネー
ト;21.52g(0.100モル)および1,6−ヘ
キサンジオール;17.75g(0.150モル)を仕
込んだこと、またリン酸二水素カリウム;7.8mg
(0.057ミリモル)に代えて、オルトホウ酸(H3
BO3 、和光純薬工業社製、試薬特級品、分子量:6
1.8、25℃の水溶液におけるPKa:9.24)を
仕込んだこと以外は、実施例1と全く同様の操作により
反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの収
量は15.7gであり、そして、水酸基価は55.5m
gKOH/g、分子量は2020、APHAは30、カ
ーボネート基に対するエーテル基含有量は0.3%であ
った。また、実施例1と同様の操作による構造分析の結
果として分子末端にフェノキシ基ならびにビニル基は確
認されなかった。このように25℃の水溶液中でのpK
aが9.24のブレンステッド酸であるH3 BO3 を使
用することにより、着色がなくかつ高品質のポリカーボ
ネートジオールを得ることができた。
【0039】実施例4 実施例1と同様のフラスコ内に、実施例1におけるジフ
ェニルカーボネートおよび1,6−ヘキサンジオールの
仕込み量に変えて、それぞれ、ジフェニルカーボネー
ト;21.42g(0.100モル)および1,6−ヘ
キサンジオール;17.73g(0.150モル)を仕
込んだこと、そして、リン酸二水素カリウム;7.8m
g(0.057ミリモル)に代えて、シュウ酸(C2
2 4 ・2H2 O、和光純薬工業社製、試薬特級品、分
子量:126.0、25℃の水溶液におけるpKa:
1.04)を6.4mg(0.051ミリモル)仕込ん
だこと以外は、実施例1と全く同様の操作により反応を
行った。得られたポリカーボネートジオールの収量は1
6.3gであり、そして、水酸基価は33.0mgKO
H/g、分子量は810、APHAは60、カーボネー
ト基に対するエーテル基含有量は0.2%であった。ま
た、実施例1と同様の操作による構造分析の結果として
分子末端にフェノキシ基ならびにビニル基は確認されな
かった。このように25℃の水溶液中でのpKaが1.
04のブレンステッド酸であるシュウ酸を使用すること
により、着色がなくかつ高品質のポリカーボネートジオ
ールを得ることができた。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれ
ば、ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化
合物のエステル交換反応によってポリカーボネートポリ
オールを製造するに際して、ブレンステッド酸またはリ
ン酸化合物を添加剤として加えることにより、着色がな
く、かつ副反応の少ない高品質のポリカーボネートポリ
オールを提供することができる。したがって、本発明の
方法により製造されるポリカーボネートポリオールは、
合成皮革、エラストマー、塗料等の各分野で使用され
る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性等に優れ、かつ経済
的に高品位のポリウレタンの原料として好適に使用され
得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−3003(JP,A) 特開 昭61−151235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒ
    ドロキシ化合物のエステル交換反応によってポリカーボ
    ネートポリオールを製造する方法において、上記反応を
    ブレンステッド酸の存在下に行うことを特徴とするポリ
    カーボネートポリオールの製造方法。
  2. 【請求項2】 ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒ
    ドロキシ化合物のエステル交換反応によってポリカーボ
    ネートポリオールを製造する方法において、上記反応を
    リン酸化合物の存在下に行うことを特徴とするポリカー
    ボネートポリオールの製造方法。
  3. 【請求項3】 ブレンステッド酸を脂肪族ポリヒドロキ
    シ化合物に対して0.0001〜0.2モル%の割合で
    用いる請求項1に記載のポリカーボネートポリオールの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 リン酸化合物を脂肪族ポリヒドロキシ化
    合物に対して0.0001〜0.2モル%の割合で用い
    る請求項2に記載のポリカーボネートポリオールの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 ジアリールカーボネートに対する脂肪族
    ポリヒドロキシ化合物のモル比が1.01〜3.00で
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネ
    ートポリオールの製造方法。
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