JP3508256B2 - 樹脂被覆金属板 - Google Patents

樹脂被覆金属板

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、潤滑性と接着性に優れ
た樹脂被覆金属板、詳しくは、高度のプレス加工性が要
求され、かつ接着接合が必要とされる、電気冷蔵庫、洗
濯機、鋼製家具および自動車用等の素材として用いられ
る樹脂被覆金属板に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、電気冷蔵庫や洗濯機の外箱を製
造する場合、以前は冷延鋼板やめっき鋼板を所定形状に
切断・加工し、それらをスポット溶接して組み立てた
後、塗装を施していたが、近年では、予め平板に塗装を
施したプレコート鋼板等の樹脂被覆鋼板を用い、これを
所定形状に切断・加工した後組み立てる方法が主流とな
りつつある。この方法によれば、組立後に塗装を行わな
くても済むため、従来、家電製品等のメーカーで行われ
ている種々の工程や設備の削減が可能となる。 【0003】ところが、塗装鋼板は通電性がないため、
組立時に一般に多用されているスポット溶接を行うこと
ができず、機械的かん合法が主として用いられていた。
しかし、製品のデザイン上機械的かん合が困難な部位に
ついては、樹脂被覆金属板を使用できないという問題が
生じていた。 【0004】このような問題に対処し得る技術として、
特公平2−34672号公報や特開平5−245435
号公報等に溶接可能型塗装金属板が提案されている。こ
れらの公報に記載される技術は、裏面の樹脂被覆層を薄
膜化することによって導電性を付与し、あるいは、表面
と裏面の表面粗さを規定することにより、コイルに巻き
取った際に裏面の汚染物が表面に付着したり、裏面の凹
凸が表面に転写されるいわゆる耐プレッシャーマーク性
を改善するものであるが、表面及び裏面の粗さを各別に
制御することは難しく、実操業で製品歩留まりを向上さ
せることは困難である。また、導電性を付与した裏面に
スポット溶接を施した場合、表面に溶接痕が残るという
外観上の問題がある。 【0005】また、接着剤を用いて塗装金属板を接合す
る技術についても検討がなされており、特開昭55−1
167号公報、特開昭62−225341号公報および
特開昭64−85753号公報等に接着性を改善するた
めの技術が開示されている。 【0006】しかし、潤滑性と接着性を両立させるため
の手段については何ら記載されていない。 【0007】一方、良好な成形性を確保するためには、
皮膜中へのポリオレフィン系ワックスの添加が有効なこ
とが知られている。これはポリオレフィン系ワックスが
皮膜表面に濃化し、皮膜と金型との直接の接触が回避さ
れることによるものである。 【0008】しかし、ポリオレフィン系ワックスを添加
し過ぎると接着性が急激に低下し、接着剤と樹脂被覆層
の界面での剥離が生じる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みてなされたもので、厳しいプレス加工に耐え
得る潤滑性有するとともに、優れた接着性を具備した樹
脂被覆金属板を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、樹脂被覆
層と各種接着剤との接着性について検討を重ねた結果、
以下の知見を得た。つまり、良好な潤滑性を発現させる
ためには、ポリオレフィン系ワックスを添加してこれを
樹脂被覆層表面にある程度露出させ、樹脂と金型との直
接の接触を回避することが重要である。しかしながら、
潤滑性を向上させるために過度のワックスを添加する
と、接着剤を用いて接合する際の接着面積が減少し、ひ
いては接着性が低下する。これは、表面張力が小さく、
接着剤との濡れ性の悪いポリオレフィン系ワックスが表
面に多量に露出することによるものである。 【0011】このような知見に基づき、本発明者らはさ
らに検討を行った結果、表面に露出するワックスは低真
空SEMあるいは電解放射型のSEMを用いることによ
って観察が可能であること、この観察像を画像処理する
ことによって樹脂被覆層全体に占めるワックスの比率
(投影面積比率)を求め得ること、さらに、ワックスの
投影面積比率が1%以上30%以下で、かつワックスの
粒径が所定の条件を満たしている場合に良好な潤滑性と
接着性が得られることを見いだした。 【0012】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、その要旨は、下記の樹脂被覆金属板にある。 【0013】樹脂被覆層の最表面にポリオレフィン系ワ
ックスが投影面積比率で1%以上30%以下露出し、か
つ、粒径が2μm以上20μm以下のポリオレフィン系
ワックスの投影面積が、表面に露出するポリオレフィン
系ワックスの全投影面積の50%以上であることを特徴
とする潤滑性と接着性に優れた樹脂被覆金属板。 【0014】ここで、投影面積比率とは、樹脂被覆層表
面に対して90度の角度から電子線を入射した場合の、
すなわちワックスの凹凸部分を考慮せずに真上から観察
した場合のワックス粒子の占有率で、通常の低真空型S
EMや電解放射型SEM(FE−SEM)で観察するこ
とにより求めることができる。 【0015】図1の(a)は樹脂被覆層の断面を模式的
に示す図であり、(b)はその投影面積を示す図である
が、真の表面積は、図1(a)の破線で示すように、表
面に露出したワックス2による凸部がそのまま含まれる
面積であるのに対し、投影面積は、図1(b)に示すよ
うに、凸部は真上からの光により平面上に投影された面
積(S1 、S2 、S3 およびS4 )として示される。な
お、斜線を付したS1およびS2 は粒径が2μm以上2
0μm以下のポリオレフィン系ワックスの投影面積を意
味する。 【0016】図1(b)において、全投影表面積をSと
すると、本発明の樹脂被覆金属板は、{(S1 +S2
3 +S4 )/S}×100が1%以上30%以下であ
り、かつ、{(S1 +S2 )/(S1 +S2 +S3 +S
4 )}×100が50%以上であることが必要である。 【0017】 【作用】以下、本発明の樹脂被覆金属板の構成及びその
作用効果について詳述する。 【0018】(1)金属板 母材として使用される金属板の種類は特に限定されな
い。冷延鋼板、亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっ
き鋼板等の表面処理鋼板、ステンレス鋼板、さらにはア
ルミニウム板や銅板等であってもよい。めっき鋼板の場
合は、めっき目付量が片面当たり10g/m2 〜120
g/m2 であるものが望ましい。 【0019】(2)下地処理 通常の樹脂被覆金属板の下地処理に用いられるものであ
れば特に限定されないが、通常使用される塗布型クロメ
ート処理、電解クロメート処理、燐酸亜鉛処理等が施さ
れたものであればよい。この際、塗布型クロメート処理
されたものであれば、Cr付着量で片面20mg/m2
〜100mg/m2 が好ましく、燐酸亜鉛処理であれ
ば、片面の付着量が0.2g/m2 〜1.5g/m2
あるのが望ましい。 【0020】次に、樹脂被覆層について詳述する。樹脂
被覆層は2層被覆が一般的ではあるが、場合によっては
1層のみ、あるいは3層被覆としてもよい。3層被覆の
場合には、1層目と2層目を下塗り樹脂被覆層と称す
る。 【0021】(3)下塗り樹脂被覆層 下塗り樹脂被覆層は必須ではないが、密着性や隠ぺい性
の向上、さらには端面耐食性確保のために、設けられて
いるのが望ましい。 【0022】下塗り樹脂被覆層に使用される樹脂系は、
特に限定されないが、加工性と密着性をバランスよく有
するように、ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂
系、エポキシ樹脂系あるいはこれらの樹脂系が併用され
たものが好ましい。 【0023】さらに、下塗り樹脂被覆層中には、端面耐
食性向上のために防錆顔料が含有されているのが好まし
い。防錆顔料としては、例えばクロム酸塩系、燐酸塩
系、モリブデン酸塩系、バナジン酸塩系等の顔料が挙げ
られる。 【0024】クロム酸塩系の防錆顔料としては、クロム
酸ストロンチウムやクロム酸亜鉛、クロム酸カルシウム
およびクロム酸バリウム等が挙げられる。また、燐酸塩
系の防錆顔料としては、燐酸亜鉛、燐酸カルシウム等が
あり、モリブデン酸塩系の防錆顔料としては、モリブデ
ン酸カルシウム系、リンモリブデン酸アルミニウム等が
挙げられるが、これらの顔料の単独での使用は防錆力の
点から困難であり、クロム酸塩系の防錆顔料と併用され
ているのが望ましい。 【0025】これらの防錆顔料の含有量は、樹脂被覆層
の乾燥重量に対して4〜60重量%が好ましい。4重量
%未満では耐食性が十分ではなく、60重量%を超える
と加工性が著しく低下する。より好ましくは10〜50
重量%である。 【0026】また、場合によっては酸化チタンやカーボ
ンブラック等の着色顔料や、シリカ、カオリン等の体質
顔料が併用されていてもよい。 【0027】(4)上塗り樹脂被覆層 樹脂 上塗り樹脂被覆層に用いられる樹脂は、特に限定されな
い。要求される性能や接着剤の種類等によって適宜選択
すればよい。但し、折り曲げ加工性と硬度のバランスを
考慮すると、ポリエステル系、エポキシ系、ポリウレタ
ン系の樹脂が好ましい。 【0028】架橋剤 樹脂と共に使用され、焼き付け硬化過程において反応す
る架橋剤は、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒ
ド樹脂やイソシアネート化合物、エポキシ樹脂等一般に
使用されるものであれば特に限定されない。使用する樹
脂や要求性能に応じて適宜選択されたものであればよ
い。 【0029】 ポリオレフィン系ワックス 樹脂被覆金属板を成形する際に、樹脂被覆層の摩擦係数
が高いとロールフォーマーやプレスの金型と樹脂被覆層
が直接接触し、塗膜剥離や母材の破断が起こったりする
ので、樹脂被覆層の摩擦係数低減のためにワックスが添
加されていることが必須である。 【0030】この時、用いられるポリオレフィン系ワッ
クスの表面露出量が多いと、上述したように接着性が低
下する。また、表面露出量が少なすぎると十分な潤滑性
能が得られない。これらの理由により、本発明ではワッ
クスの表面露出量を投影面積比率で1%以上30%以下
と限定した。より好ましい範囲は2%以上15%以下で
ある。 【0031】さらに、本発明の樹脂被覆金属板において
は、表面に露出するポリオレフィン系ワックスの粒径が
重要で、表面に露出している個々のワックスの粒径が2
μm以上20μm以下であると接着性および潤滑性のバ
ランスが良好となる。そして、表面に露出する全ワック
スの投影面積の合計に対する前記粒径範囲のワックス粒
子の投影面積の合計の比率(以下、「粒径が2μm以上
20μm以下のワックス比率」という)が50%以上で
ある場合には、上記の良好なバランスが維持される。 【0032】しかし、この比率が50%に満たない場合
は、潤滑性あるいは接着性のどちらかが低下する。すな
わち、粒径が2μm未満のワックスが多すぎると、潤滑
性は向上するものの全投影表面積に対するワックス(表
面に露出するワックス)の投影表面積の比率が大きくな
るので接着性が低下し、逆に粒径が20μmを超えるワ
ックスが多すぎると、十分な潤滑性が発現されないばか
りか、摺動時にワックスが樹脂被覆層から脱離していわ
ゆる「粉ふき」が生じる。粒径2〜20μmのワックス
比率のより好ましい範囲は、粒径が2μm以上20μm
以下の粒子が占める投影面積比率が表面に露出する全ワ
ックスの投影面積の合計に対して70%以上である。 【0033】(5)塗装・焼き付け方法 上記本発明の樹脂被覆金属板を製造するにあたって、塗
装方法は、通常、樹脂被覆金属板の製造に使用される方
法であれば特に限定されない。ロールコート法を用いて
もよいし、カーテンフローコート法、スプレー法等を用
いてもよい。 【0034】焼き付けに際しては、表面に濃化するポリ
オレフィン系ワックスの量を制御するために、オーブン
内の熱風風速を板面で0.5m/秒〜3.0m/秒にす
ることが好ましい。風速が0.5m/秒未満では、ワッ
クスの表面への濃化が促進され、投影面積比率が大きく
なりすぎる場合があり、また、風速が3.0m/秒を超
えると、逆にワックスの表面濃化量が抑制されるため
に、潤滑性が低下するからである。なお、風速の測定に
は、熱式流速計である熱線式流速計あるいはサーミスタ
ー流速計等の慣用の測定器を用いればよい。 【0035】 【実施例1】厚さ0.6mmの溶融亜鉛めっき鋼板(め
っき付着量:片面60g/m2 ,めっき中のFe含有
率:0.3重量%,Al含有率:0.2重量%,Pb含
有率:30ppm)を母材とし、その表面を清浄化した
後、下地処理としてまず燐酸亜鉛溶液に浸漬して燐酸亜
鉛化成皮膜(燐酸亜鉛付着量0.6g/m2 )を形成
し、次いでクロメート処理液でリンスしてCr付着量5
mg/m2 のクロメート皮膜を形成した。その上に下塗
り樹脂被覆層を設け、更に、上塗り樹脂被覆層を形成し
て樹脂被覆鋼板を得た。 【0036】下塗り樹脂被覆塗料には、関西ペイント製
のポリエステル樹脂系塗料であるKP8690(不揮発
分(NV)=40%)を用い、乾燥膜厚が約6μmにな
るようバーコーターで塗布した後、最高到達鋼板温度
(PMT)が224℃になるよう50秒で焼き付け硬化
させた。 【0037】上塗り樹脂被覆層の形成は次のようにして
行った。すなわち、分子量が17000、ガラス転移温
度が40℃の共重合ポリエステル樹脂100重量部(以
下、「部」は「重量部」を意味する)に白色顔料である
酸化チタン(石原産業製CR−95)を110部加え、
サンドミルを用いて分散させた後、架橋剤として三井サ
イアナミッド社製のメチロール型メラミンであるサイメ
ル370を20部添加し、さらに融点が116℃、平均
粒径が11μmのポリエチレンワックスを0.5〜12
部添加した後、シクロヘキサノン及びソルベッソ150
(商品名)を1:1に混合したシンナーで希釈して得た
種々の塗料(NV=45%)を用い、この塗料を乾燥膜
厚が16μmになるようにバーコーターで塗布した後、
板面風速を0.3〜5.0m/秒の範囲で変化させなが
ら、焼き付け時間50秒でPMTが232℃となるよう
に焼き付け硬化した。 【0038】なお、使用した鋼板の機械特性値は、降伏
点(YS)18.0kgf/mm2、引張強度(TS)
32.1kgf/mm2 、伸び(EL)40%、降伏点
伸び(YPE)0%であった。 【0039】上記のようにして得られた各樹脂被覆鋼板
の性能評価を下記に従って行った。 【0040】〔潤滑性〕バウデンレーベン型摩擦試験機
を用い、皮膜(樹脂被覆層)の動摩擦係数を測定した。
評価基準は下記の4段階とし、◎及び○の場合、良好と
した。 【0041】 ◎:摩擦係数が0.1未満の場合 ○: 〃 0.1以上0.15未満の場合 △: 〃 0.15以上0.2未満の場合 ×: 〃 0.2以上の場合 〔成形性〕成形性の評価は、円筒絞り試験により行っ
た。ポンチ径は40mmφ、ブランク径96mmφ、絞
り比2.4、絞り速度60mm/分の条件で円筒絞りを
行い(絞り抜き)、絞り抜けたサンプルについては、そ
の後壁面の外観を目視により観察した。評価基準は下記
の4段階とし、◎及び○の場合、良好とした。 【0042】 ◎:壁面外観異常無し(外観良好) ○:壁面にカジリ跡若干あり(外観概ね良好) △:カジリ発生(但し絞り抜きは可能) ×:皮膜の潤滑性不足のため母材破断発生(絞り抜き不
可) 〔接着性〕エポキシ系接着剤としてサンスター技研製1
液型熱硬化タイプ(型番:E−6973)を使用した。
スペーサーを用いて接着剤厚みが150μmになるよう
に塗布した後、165℃×25分の条件で焼き付け硬化
させ、試験片を作製した。 【0043】接着性の評価は、T剥離強度を測定すると
ともに剥離形態を調査し、剥離形態が接着剤の凝集破壊
の場合、良好とした。 【0044】試験結果を表1に示す。なお、同表にはポ
リエチレンワックスの添加量、焼き付け時のオーブン内
の板面での風速(表中では、「オーブン風速」と略記し
た)、ワックスの投影面積比率及び粒径が2μm以上2
0μm以下のワックス比率も併せ記載した。また、剥離
形態の欄のDは接着剤の凝集破壊を、Cは接着剤−トッ
プコート界面での剥離を表す。 【0045】表1において、 No.1〜7は本発明例であ
り、潤滑性、成形性及び接着性のいずれも良好な結果を
示したのに対し、 No.8〜11では、ワックスの投影面
積比率が本発明で規定する範囲外であるために、潤滑性
及び成形性あるいは接着性が劣っている。 【0046】 【実施例2】厚さ0.7mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼
板(めっき付着量:片面45g/m2 、めっき皮膜中の
Fe含有率:9.5重量%、Al含有率:0.15重量
%、Pb含有率:100ppm)を母材とし、その表面
を清浄化した後、ロールコーターで塗布型クロメート処
理液(日本ペイント製NRC300)を片面の付着量が
Cr換算で50mg/m2 になるように塗布し、PMT
130℃で乾燥してクロメート皮膜を形成した。その後
下塗り樹脂被覆層および上塗り樹脂被覆層を設けて樹脂
被覆鋼板を得た。 【0047】下塗り樹脂被覆層の形成は、大日本インキ
化学製のポリエステル樹脂系塗料であるPB10P(N
V=38%)を乾燥膜厚が7μmになるようにロールコ
ーターで塗布した後、焼き付け時間50秒でPMT22
0℃とすることによって行った。 【0048】上塗り樹脂被覆層の形成は、数平均分子量
が14000でガラス転移温度が23℃の共重合ポリエ
ステル樹脂100部に、表2に示すイ〜ホの7種類の平
均粒径の異なるポリオレフィン系ワックス(融点98
℃)のいずれかを3.5部、架橋剤として住友バイエル
ウレタン製のヘキサメチレンジイソシアネートであるS
BU890を12部および酸化チタン(石原産業製CR
−95)を100部添加して調製した各種塗料を用い、
この塗料を乾燥膜厚18μmになるようにロールコータ
ーで塗布した後、焼き付け時間50秒でPMTが232
℃となるように、オーブンの板面における風速を2.0
m/秒に制御しながら焼き付け硬化することによって行
った。 【0049】なお、使用した鋼板の機械特性値は、降伏
点(YS)17.2kgf/mm2、引張強度(TS)
30.0kgf/mm2 、伸び(EL)49%、降伏点
伸び(YPE)0%であった。 【0050】上記のように作成した各種樹脂被覆鋼板の
性能評価を実施例1におけると同様の方法を用いて行っ
た。但し、接着性については、電気化学製のウレタン系
接着剤であるUX2050を使用し、接着剤を塗布した
後直ちに170℃のオーブン内で10分間焼き付け硬化
させ、試験片を作成した。また、接着強度の測定はT剥
離試験によった。 【0051】試験結果を表3に示す。なお、同表にはポ
リエチレンワックスの平均粒径、焼き付け時のオーブン
内の板面での風速(表中では、「オーブン風速」と略記
した)、ワックスの投影面積比率及び粒径が2μm以上
20μm以下のワックス比率も併せ記載した。 【0052】表3に示したように、本発明で定める範囲
内の組成を有する樹脂被覆金属板(No.1〜6)は、潤
滑性、成形性及び接着性のいずれにも優れている。これ
に対して比較例( No.7〜10)では、潤滑性、成形性
および接着性の少なくとも一つが劣っている。 【0053】以上の実施例1および実施例2の結果か
ら、ポリオレフィン系ワックスの投影面積比率を1%以
上30%以下にし、かつ、粒径が2μm以上20μm以
下のワックス比率が50%以上を占める場合に、非常に
優れた潤滑性と接着性がバランスよく発現することがわ
かる。 【0054】 【表1】 【0055】 【表2】 【0056】 【表3】【0057】 【発明の効果】本発明の樹脂被覆金属板は、非常に優れ
た潤滑性と接着性をバランスよく有しており、高度のプ
レス加工性が要求され、かつ接着接合が必要とされる、
電気冷蔵庫、洗濯機、鋼製家具および自動車用等の素材
として好適である。
【図面の簡単な説明】 【図1】投影面積比率の説明図で、(a)は樹脂被覆層
の断面を模式的に示す図であり、(b)はその投影面積
を示す図である。 【符号の説明】 1:樹脂被覆層、2:ワックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薄木 智亮 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 福井 清之 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−51763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B05D 1/00 - 7/26

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】樹脂被覆層の最表面にポリオレフィン系ワ
    ックスが投影面積比率で1%以上30%以下露出し、か
    つ、粒径が2μm以上20μm以下のポリオレフィン系
    ワックスの投影面積が、表面に露出するポリオレフィン
    系ワックスの全投影面積の50%以上であることを特徴
    とする潤滑性と接着性に優れた樹脂被覆金属板。
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