JP3506820B2 - スパッタ用耐熱シート及びその使用方法 - Google Patents

スパッタ用耐熱シート及びその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接、溶断などの
作業中に飛散する火花、スパッタ、或はノロから、床面
や機材などを保護するために使用するスパッタ用耐熱シ
ート、及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタ用耐熱シート(以下、
「スパッタシート」ということがある)として、カーボ
ン繊維、ガラス繊維、或いは酸化アクリル繊維などの耐
熱性繊維からなる織物や、耐熱性繊維をニードルパンチ
して得られるフェルトなどに、シリコーン樹脂を両面に
コーティングしたもの、シリコーン樹脂と無機粉体との
混合物をコーティングしたもの、或いは使用する際に水
を含浸して使用するものが知られていた。しかしなが
ら、上記シリコーン樹脂(無機粉体との混合物を含む)
をコーティングしたスパッタシートは、200g/m2以上
という、大量のシリコーン樹脂をコーティングして耐熱
性をもたせているため、重く、作業性の悪いものであっ
た。また、水を含浸して使用する織物からなるスパッタ
シートは、その吸水能力及び保水能力が悪く、ノロによ
って貫通孔が生じるなど、十分な保護作用を有するもの
ではなく、他方、水を含浸して使用するフェルトからな
るスパッタシートは、吸水能力はあるものの、水を含浸
した後の強度がないため、作業性が悪いばかりでなく、
保水能力にも劣るため、カーテンのように吊る下げて使
用できないなど、使用方法が限定されるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、作業性に優れ、
十分な保護作用を有し、しかも使用方法の限定されない
スパッタ用耐熱シート、及びその使用方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のスパッタ用耐熱
シートは、 耐熱性繊維からなる繊維ウエブを、水流に
より絡合した目付50〜350g/m2の不織布であって、
少なくとも片面が凹凸状であり、該凹凸の幅が1〜3m
mであり、自重の5倍以上の保水能力を有するものであ
る。このように、本発明のスパッタシートは、耐熱性繊
維からなる繊維ウエブを水流により絡合しているため、
ニードルで絡合して得られる不織布よりも絡合の度合が
高く、50〜350g/m2という低目付であっても強度が
十分にあるため、作業性及び使用方法が限定されず、し
かも自重の5倍以上の保水能力を有するため、十分な保
護作用を有するものである。
【0005】本発明のスパッタ用耐熱シートの使用方法
は、上記のスパッタ用耐熱シートに、水を含ませた状態
で使用する方法であるため、作業性に優れ、十分な保護
作用を有する使用方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】このスパッタシートを構成する耐
熱性繊維は、スパッタやノロなどによって分解しにくい
ように、酸素限界指数(LOI値)が25以上であるの
が好ましい。この耐熱性繊維としては、例えば、酸化ア
クリル繊維、レーヨン系酸化繊維、カーボン繊維、ガラ
ス繊維、メタ又はパラ型アラミド繊維、ポリアミドイミ
ド繊維、芳香族ポリエーテルアミド繊維、ポリベンツイ
ミダゾール繊維、ノボロイド繊維などを単独で、或いは
混合して使用できる。これらの中でも酸化アクリル繊維
は、LOI値が50〜60と高く、しかも水流によって
絡みやすいため、好適に使用できる。
【0007】耐熱性繊維の繊度は、緻密な構造のスパッ
タシートとして、スパッタやノロによって貫通孔が生じ
ないように、10デニール以下であるのが好ましく、5
デニール以下であるのがより好ましい。また、繊維長は
耐熱性繊維同士が水流によって絡合しやすいように、3
〜110mmであるのが好ましく、5〜80mmであるのが
より好ましい。
【0008】これら耐熱性繊維から繊維ウエブを形成し
た後に、水流により絡合して不織布を形成する。この繊
維ウエブを形成する方法としては、例えば、湿式法や、
カード法、エアレイ法などの乾式法などの方法がある。
前者の湿式法は均一で、しかも緻密な構造の不織布を形
成でき、後者の乾式法は、強度的により優れた不織布を
形成できる。なお、カード法により繊維ウエブを形成す
る場合、繊維ウエブの流れ方向に対して交差する交差ウ
エブを含ませると、より繊維同士が絡みやすく、しかも
横方向の強度にも優れる不織布を形成できるため、好適
である。また、湿式法により形成した繊維ウエブと、乾
式法により形成した繊維ウエブとを積層したり、繊度、
繊維長、組成、或いは配合比など、種類の違う繊維ウエ
ブを形成し、積層することにより、密度差を設け、保水
分布を変化させることもできる。
【0009】本発明の水流による絡合条件としては、例
えば、径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2〜3.0mmで配
置したノズルから、噴出圧力10〜300kg/cm2の水流
を、繊維ウエブに対して、好適には90゜の角度で作用
させる。なお、水流は、1回以上、片面又は両面から作
用させる。また、水流で絡合する際に使用する支持体と
しては、50メッシュ以上のネットや、孔間距離0.1
5〜3.0mmの多孔板を使用して、不織布に開孔部が生
じないようにするのが好ましい。
【0010】なお、本発明のスパッタシートは少なくと
も片面が凹凸状であるので、スパッタやノロがスパッタ
シート上に落下した時に、厚さのある凸部で受け止めら
れるので、凹部が蒸発する水蒸気の逃げ道となり、落下
したスパッタやノロの周辺部全体の昇温を低く抑えるこ
とができ、しかもこの凸部は多くの水を保持しているた
め、瞬時にスパッタやノロを冷却できると同時に、蒸発
した水を毛細管効果の作用で、速やかに補充できるた
め、スパッタやノロが十分に冷却され、スパッタシート
に貫通孔を形成することがないので、好適な構造であ
る。
【0011】このスパッタシート表面の凹凸は、スパッ
タシートの一方向に連続していても良いし、点状であっ
ても良い。一方向に連続して形成する方法としては、例
えば、水流を噴出するノズルのピッチを長く、具体的に
は、1.0〜3.0mmとしたり、繊維ウエブの支持体とし
て、主として繊維ウエブの流れ方向に連続した孔を、長
い間隔をおいて有する多孔板、具体的には、1.0〜3.
0mmの径を有する孔を、1.0〜3.0mmのピッチで配置
した多孔板を使用することにより形成できる。前者の方
法は、より繊維を絡合しやすいため、より好適である。
他方、点状に形成する方法としては、例えば、一方向に
連続して形成する方法と同様にして水流を作用させる際
に、ノズルと繊維ウエブとの間に邪魔板を設置し、水流
の作用しない領域を形成すれば良い。これらの中でも、
凹凸を一方向に連続して有していると、より毛細管効果
による水の補充を効率的に行なえるため、より好適であ
る。なお、スパッタシート表面の凹凸は少なくとも片面
にあれば良い。
【0012】このスパッタシート表面における凹凸の幅
(一方向に連続している場合には、不連続側)は、1〜
mm である。1mm未満であると、水蒸気が逃げにくくな
ったり、保水量が少なくなり、3mmを越えると、毛細管
効果による水の補充を十分に行えなくなるためである。
【0013】本発明のスパッタシートは絡合の度合を高
く、微細な空隙を形成して、自重の5倍以上、より好ま
しくは、6倍以上の保水能力を有するようにする。な
お、この保水能力は次のようにして得られる値をいう。
まず、10(cm)×10(cm)に裁断したスパッタシー
トの重量(a)を測定する。次にスパッタシートを純水
中に10分間浸漬して、十分に保水させた後、空気中に
10分間吊るし、その時の重量(b)を測定する。この
時、(b−a)/aを保水能力(倍)とする。
【0014】このように、本発明のスパッタシートは絡
合の度合が高く、少量の繊維でも強度及び保護作用に優
れているため、50〜350g/m2という低目付とするこ
とが可能となり、作業性に優れたものとなった。より好
ましい目付は、100〜250g/m2である。
【0015】この絡合の度合が高いことは、スパッタシ
ートの引張強度から知ることができ、幅5cmのスパッタ
シートを純水中に10分間浸漬して、十分に純水を保水
させた後の引張強度はたて、よことも6kg/5cm幅以上を
有し、より好ましくは10kg/5cm幅以上を有する。な
お、この引張強度はテンシロン(東洋ボールドウィン社
製、UTM-III-100)により、測定長さ200mm、引張速
度20mm/minで測定した値をいう。
【0016】なお、引張強度をより向上させるために、
上記のようにして形成した不織布を2枚以上積層し、バ
インダにより一体化するのが好適な実施態様である。こ
のように、2枚以上の不織布を積層一体化することによ
り、引張強度が向上する以外に、スパッタやノロによっ
て、より貫通孔が生じにくくなり、しかも、水流により
絡合して、繊維が不織布の厚さ方向に配列するためか、
バインダで接着することにより、大部分の繊維が固定さ
れるため、繊維の抜けがなく、耐磨耗性も向上するとい
う利点が生じる。
【0017】このバインダとしては、例えば、シリコー
ン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリベンゾイミダゾール
系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、クロロス
ルホン化ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂など
を使用でき、これらの中でもクロロスルホン化ポリエチ
レン系樹脂は、柔軟性に優れ、コスト的にも有利である
ため、好適に使用できる。
【0018】なお、これらバインダにセラミックを混合
して、耐熱性を向上させるのが、より好適な実施態様で
ある。このセラミックとしては、例えば、二酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ベリリウ
ム、酸化チタン、酸化ウラン、酸化トリウムなどの酸化
物、これら酸化物の複合酸化物、炭化ケイ素、炭化チタ
ン、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化モリブデ
ン、炭化タングステン、炭化ホウ素などの炭化物、窒化
アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素などの窒
化物、チタン、ジルコニウム、モリブデン、タングステ
ン、白金、ロジウム、イリジウム、タンタル、ホウ素、
炭素などの単体、炭酸マグネシウム、あわガラス、セッ
コウ、或は、ケイ石(石英、トリジマイト、クリストバ
ライト、石英ガラス)、カオリナイト、パオロフィライ
ト、モンモリロライト、陶石、ボーキサイト、ダイアス
ポア、長石、滑石、ケイソウ土、白土、フライアッシ
ュ、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリ
ガラス、鉛ガラス、シャモットレンガ、ロウ石レンガ、
高アルミナレンガ、ゼオライト、雲母などのシリカ成分
及び/又はアルミナ成分を主成分とするセラミックを、
単独で、又は混合して使用できる。これらセラミックの
中でも、耐熱性に優れるシリカ成分及び/又はアルミナ
成分を主成分とするセラミックを混合するのが好まし
く、その中でも、雲母はバインダとの混合作業などの取
り扱い性及び耐熱性に優れ、しかもコスト的にも有利で
あるため、好適に使用できる。
【0019】このセラミックの混合比率は、耐熱性に優
れるように、バインダ全体の5重量%以上であるのが好
ましく、より好ましくは20重量%以上であり、バイン
ダの接着力を低下させないように、バインダ全体の50
重量%以下であるのが好ましく、40重量%以下である
のがより好ましい。
【0020】なお、このバインダによって重量が大きく
なり、作業性が低下しないように、1m2あたり150g
以下であるのが好ましく、100g以下であるのがより
好ましい。このバインダは、例えば、エアドクタコー
タ、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、ス
クイズコータ、含浸コータ、リバースロールコータ、ト
ランスファロールコータ、グラビアコータ、キスロール
コータ、キャストコータ、スプレイコータ、カーテンコ
ータ、カレンダコータ、或は押出コータなどを用いて不
織布表面に塗布し、別の不織布を積層することにより、
容易に積層一体化できる。
【0021】本発明のスパッタシートは水を含ませた状
態で使用し、スパッタやノロが落下した際には、水の気
化熱によってスパッタシートに貫通孔が生じるのを防
ぎ、床面や機材などを保護するものである。この水を含
ませる方法は特に限定するものではなく、例えば、スパ
ッタシートを水中に浸漬したり、スパッタシートに水を
散布するなどの方法で含ませることができる。また、水
の保水量は、スパッタシートによる保護作用を発揮する
ために、自重の2倍以上、好ましくは3倍以上、最も好
ましくは4倍以上とする。なお、スパッタシートの片表
面のみが凹凸状である場合には、スパッタやノロを受け
止める面が凹凸状であるように配置して使用すると、よ
り保護作用に優れている。
【0022】このように、本発明のスパッタシートは軽
くて強度があり、しかも保水能力に優れているため、溶
接、溶断などの作業現場の床面、機材上に置いて、或い
はカーテン様に吊る下げるなど、自由な使い方のできる
ものである。また、本発明のスパッタシートは水流で絡
合した不織布であり、しかも絡合の度合が高いため、裁
断しても、織物のように、端部から解れるという問題も
生じないので、適当な大きさに裁断して使用できるもの
である。
【0023】
【実施例】(実施例1)耐熱性繊維として酸化アクリル
繊維(LOI値50〜60、瞬間耐熱温度1,000
℃、繊度2デニール、繊維長51mm)をカード機により
開繊した繊維ウエブを、クロスレイヤーで交差させて交
差繊維ウエブを形成した。次いで、この交差繊維ウエブ
を5m/分で移動する80メッシュのネット上に載せ、
孔径0.18、ピッチ2.4mmで一列に配列したノズルか
ら圧力90kg/cm2、交差繊維ウエブに対する角度90゜
で水流を噴出した後、交差繊維ウエブを反転して、孔径
0.12、ピッチ0.6mmで一列に配列したノズルから圧
力90kg/cm2、交差繊維ウエブに対する角度90゜で水
流を噴出して交差繊維ウエブを絡合し、凹凸を片面に一
方向に連続して形成した、目付200g/m2、凸部の厚さ
1.5mm、凸部の幅2mm、凹部の幅0.5mm、保水能力
7.5倍、引張強度(たて−よこ)10kg/5cm幅−14k
g/5cm幅のスパッタシートを形成した。
【0024】(実施例2)80メッシュのネットの移動
速度を10m/分とした以外は、実施例1と全く同様に
して、凹凸を片面に、一方向に連続して形成した、目付
100g/m2、凸部の厚さ1.2mm、凸部の幅2mm、凹部
の幅0.5mm、保水能力7.5倍、引張強度(たて−よ
こ)7kg/5cm幅−11kg/5cm幅のスパッタシートを形成
した。
【0025】(実施例3)耐熱性繊維として、メタ型ア
ラミド繊維(LOI値30〜32、分解開始温度415
℃、繊度2デニール、繊維長51mm)を使用した以外
は、実施例1と全く同様にして、凹凸を片面に一方向に
連続して形成した、目付200g/m2、凸部の厚さ1.4m
m、凸部の幅2mm、凹部の幅0.5mm、保水能力7.0
倍、引張強度(たて−よこ)20kg/5cm幅−50kg/5cm
幅のスパッタシートを形成した。
【0026】(比較例1)実施例1と同様にして形成し
た交差繊維ウエブを、針密度2,000本/cm2でニード
ルパンチし、目付200g/m2、厚さ2.3mm、保水能力
4.9倍、引張強度(たて−よこ)12kg/5cm幅−8kg/
5cm幅のスパッタシートを形成した。
【0027】(比較例2)酸化アクリル繊維からなる、
織密度(たて×よこ)10×10本/インチ、目付50
0g/m2、厚さ1.8mmの平織布をスパッタシートとし
た。この保水能力は2.5倍であった。
【0028】(水の移行性試験)スパッタシートの長さ
方向に対して平行に、幅25mmで裁断した、実施例1〜
3及び比較例1〜2の短冊状スパッタシートの、下端2
0mmを純水中に浸漬し、15時間後にスパッタシートが
吸い上げた高さ(mm)を測定した。この結果は表1に示
すが、本発明のスパッタシートは水の移行性に優れてい
ることがわかる。
【0029】
【表1】
【0030】(実施例4)実施例1と同様の交差繊維ウ
エブを、5m/分で移動する80メッシュのネット上に
載せ、孔径0.18mm、ピッチ1.2mmで一列に配列した
ノズルから圧力90kg/cm2、交差繊維ウエブに対する角
度90゜で水流を噴出した後、交差繊維ウエブを反転さ
せて、孔径0.12、ピッチ1.2mmで一列に配列したノ
ズルから圧力90kg/cm2、交差繊維ウエブに対する角度
90゜で水流を噴出して交差繊維ウエブを絡合し、凹凸
を片面に一方向に連続して形成した、目付170g/m2
凸部の厚さ1.2mm、凸部の幅1mm、凹部の幅0.5mm、
保水能力7.8倍、引張強度(たて−よこ)11kg/5cm
幅−23kg/5cm幅の不織布を形成した。なお、前記の
(水の移行性試験)と同様にして測定した、この不織布
の水の移行性は、4.3mmであった。また、この不織布
の耐磨耗性をJIS L0849に規定された方法によ
り測定したところ、3級であった。
【0031】他方、クロロスルホン化ポリエチレンとマ
イカ粉とを、7:3の重量比で混合したバインダを調合
した。次いで、このバインダを前記不織布の平滑面上
に、スクイズコータにより40g/m2コーティングし、乾
燥した。その後、このコーティング面に、ウレタン系接
着剤を20g/m2コーティングし、次いで、前記不織布と
同じ不織布の凹凸面が外側になるように積層し、乾燥す
ることにより一体化して、目付400g/m2、引張強度
(たて−よこ)25kg/5cm幅−43kg/5cm幅のスパッタ
シートを形成した。このスパッタシートの耐磨耗性をJ
IS L0849に規定された方法により測定したとこ
ろ、4〜5級であった。
【0032】(保護作用の試験)実施例1〜4及び比較
例1〜2のスパッタシートに、水を含浸し(実施例1〜
3及び比較例1については自重の4倍量の水、実施例4
については1枚の不織布の重量の4倍量の水、比較例2
については自重の1.5倍量の水)、地面に載置(実施
例1〜3は平滑面が地面と接する)した。このスパッタ
シートから300mm離れた上方に幅20cm、厚さ28mm
の鋼板を設置し、この鋼板をガス溶断して、火花、スパ
ッタ、或はノロを発生させた。このガス溶断作業後、ス
パッタシートの状態を観察し、保護作用を評価した。こ
の結果も表1に示すように、本発明のスパッタシートは
ノロに対しても優れた保護作用を有することがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明のスパッタ用耐熱シートは、耐熱
性繊維からなる繊維ウエブを、水流により絡合した目付
50〜350g/m2の不織布が自重の5倍以上の保水能力
を有するため、作業性に優れ、十分な保護作用を有し、
しかも使用方法の限定されないものである。
【0034】本発明のスパッタ用耐熱シートの使用方法
は、上記のスパッタ用耐熱シートに、水を含ませた状態
で使用する方法であるため、作業性に優れ、十分な保護
作用を有する使用方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−221628(JP,A) 特開 平6−238452(JP,A) 実開 平6−61374(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 B23K 9/00 - 10/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性繊維からなる繊維ウエブを、水流
    により絡合した目付50〜350g/m2の不織布であっ
    て、少なくとも片面が凹凸状であり、該凹凸の幅が1〜
    3mmであり、自重の5倍以上の保水能力を有すること
    を特徴とする、スパッタ用耐熱シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスパッタ用耐熱シート
    が、2枚以上積層され、バインダにより一体化されてい
    ることを特徴とする、スパッタ用耐熱シート。
  3. 【請求項3】 セラミックを含むバインダであることを
    特徴とする、請求項2記載のスパッタ用耐熱シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    スパッタ用耐熱シートを、水を含ませた状態で、スパッ
    タやノロを受け止める面が凹凸状であるように配置して
    使用することを特徴とするスパッタ用耐熱シートの使用
    方法。
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