JP3504279B2 - 皮膚の萎縮軽減剤、およびその使用法 - Google Patents

皮膚の萎縮軽減剤、およびその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ステロイド剤を局所的に使用する
と、ステロイドを投与した部位やその近辺で、皮膚の萎
縮、つまり表皮や真皮の減少という、いくつかの望まし
くない副作用が起こることが知られている。ステロイド
によるこの皮膚の萎縮は、一般的に、薄くなり、光沢が
でて、透明度が増し、毛細血管が拡張するいう特徴をも
つ。
【0002】ステロイド剤やヒドロキシル酸をベースに
した薬剤を用いた、数多くの治療法や、さまざまな治療
条件の論拠が知られている。本発明では、ヒドロキシル
酸塩、例えば乳酸塩を用いることにより、ステロイド剤
の局所的な使用による副作用が改善されることを見い出
した。このような記述はどの文献にもなく、新規な発明
である。
【0003】
【従来の技術】米国特許4,105,783では、α−
またはβ−ヒドロキシル酸や、そのアミドやそのアンモ
ニウム塩を、乾燥した皮膚、つまり“魚鱗癬”の治療に
使用した記述がある。乳酸やα−ヒドロキシプロピオン
酸は、いずれもここで言及したα−ヒドロキシル酸類の
一種である。
【0004】米国特許4,246,261では、さまざ
まな由来の乳酸塩類やα−ヒドロキシル酸塩類の使用に
よりステロイドの効果が増強したステロイド含有局所用
組成物を示している。
【0005】米国特許4,363,815では、皮膚の
炎症や不要な角質化を治療するための組成物について、
記述している。ヒドロキシル酸と塩基との反応生成類
が、その治療に有用であると開示している。
【0006】米国特許4,485,091では、乳酸ナ
トリウムおよび乳酸カリウムを緩衝液として含むスキン
クリームについて言及している。
【0007】欧州特許公開0273202では、ヒドロ
キシカルボキシル酸類や、その塩類を用いた治療薬の組
み合わせについて開示している。16ページでは、ベタ
メサゾンジプロピオネートと2−メチル乳酸とを含有す
る軟膏について、詳述している。
【0008】ウエストウッド スクイッブ ファルマス
−テイカルズ社(WestwoodSquibb Ph
armaceuticals,Inc.)(所在地:ニ
ューヨーク州、バッファロー)の製品Lac−Hydr
in▲R▼ローションは、アンモニア水で中和した12
%乳酸(すなわち乳酸アンモニウム)であることが、1
990年版のフィジシャンズ デスク リファレンス
(Physician’s Desk Referen
ce)の2285ページに記載されている。ローション
のpHは4.5−5.5であり、乾燥した鱗状の皮膚
(乾燥症)、魚鱗癬、およびこれらに付随したかゆみの
治療に有用であると開示している。
【0009】
【課題の解決】本発明では、ある種のα−ヒドロキシル
酸類の塩は、皮膚特に生上皮を厚くし、ある種の真皮の
構成物質(基底物質)を増加させるため、局所的なステ
ロイドの使用による萎縮作用を軽減することを発見し
た。
【0010】望ましい具体例として、1グループの被験
者の皮膚に、0.05%クロベタゾール17−プロピオ
ネートクリームを4週間にわたって毎朝投与した。ステ
ロイドの投与ごとに、投与の8時間後に、緩衝化された
乳酸アンモニウム(12%Lac−Hydri
▲R▼)を投与した。他のグループの人は、毎日1回
ずつ、ステロイドのみの投与か、乳酸アンモニウム塩の
みの投与を受けた。
【0011】ステロイドのみの皮膚投与を受けたグルー
プは厚みが51%も減少したのに対し、ステロイドに続
いて乳酸アンモニウムの投与を受けたグループは厚みが
35%しか減少しなかった。
【0012】本発明は、炭素数2〜7のα−ヒドロキシ
ル酸の塩を含有してなることを特徴とする、ステロイド
の局所使用によって生ずる皮膚萎縮 (skin atrophy) を
治療するための組成物を提供するものである
【0013】本発明は、炭素数2〜7のα−ヒドロキシ
ル酸の塩を含有してなることを特徴とする、ステロイド
の治療によって生ずる哺乳動物の皮膚の生育しうる上皮
(viable epidermis) の厚さの減少を軽減するための組
成物を提供するものである
【0014】本発明は、哺乳動物の皮膚の上皮の基質又
は基底物質(ground substance)を増加させるものであ
る。それゆえ、生物学的老化作用や化学薬品や光による
損傷作用が改善される。
【0015】本発明の組成物や方法は、ある種のα−ヒ
ドロキシル酸類の塩を有効量使用する。1種あるいはそ
れ以上のステロイド組成物も、随意に使用できる。
【0016】本発明の組成物と方法は、現在使用されて
いる他の皮膚病治療法に比べて、いくつかの利点があ
る。
【0017】主要な利点のひとつに、局所的なステロイ
ドやその他の薬剤の使用によく付随して起こる皮膚の萎
縮を、軽減する点がある。
【0018】もうひとつの利点として、本発明の塩類
は、ステロイドのような薬剤の副作用のうちのひとつあ
るいはそれ以上を軽減する一方で、これらの薬剤の効果
を決して減弱しないという点がある。従って、本発明
は、使用したステロイドの“マスキング作用”や“希釈
作用”によるものではない。
【0019】その他の利点として、本発明の塩類は、ス
テロイド類や他の局所用治療剤と適合性が良いという点
がある。よってステロイドを含有する処方に、塩類を容
易に加えることができる。
【0020】これゆえ本発明の塩類は、ステロイドや他
の局所用薬剤とともに投与するか、別々の段階、つまり
ステロイドや他の薬剤の投与前や投与後に投与するか、
いずれであってもよい。ステロイドを使用した後にこの
塩を使用すると、ステロイドの有用な作用を変化させる
ことなく、ステロイドの萎縮作用を軽減させることを見
い出した。
【0021】本発明の塩類は、一時的に上皮を厚くする
ことを期待して行うすべての方法に、使用することがで
きる。例えば、日光や特定の整髪剤、化粧品といったあ
る種の薬剤に対して感受性が強い人々や、皮膚が生物学
的に老化してしまった人々は、有害な要因に皮膚をさら
す前に本発明の方法を使用することにより、皮膚を強く
したり、感受性を軽減することができる。
【0022】本発明の、これまでに述べてきた利点、も
しくはその他の利点は、以下の記述や請求項を考察する
ことにより、明らかになるであろう。
【0023】以下の条件で4週間処置した後の、被験者
の上皮と真皮の光学顕微鏡拡大図を検討するとその利点
が理解できる。 1a コントロール 1b 12%乳酸アンモニウム投与 1c クロベタゾールプロピオネート投与 1d クロベタゾールプロピオネート投与に続く12%
乳酸アンモニウム投与
【0024】1aから1dまでの各試験における薬剤の
投与量は、0.2mlである。
【0025】本発明は、皮膚を厚くするための、そして
局所におけるステロイドの使用による萎縮作用を軽減す
るための、組成物および方法に関するものである。
【0026】特に記載がない限り、ここに記載されたす
べてのパーセントは、組成物全体の重量に対する重量パ
ーセントである。
【0027】ここで取り上げたすべての参考出版物を、
参考として添付した。
【0028】本発明の組成物および方法は、ある種の塩
類と任意のステロイド類を、そしてもし望むなら通常の
処方で常套的に用いられるさまざまな添加物を使用す
る。
【0029】有用な塩類は、一般的に、適当な塩基類を
式Iに示すα−ヒドロキシル酸類と反応させることによ
り得られる。
【化1】 (ここで、Rは水素、または炭素数1−5の炭化水素原
子団である。)
【0030】Rは、炭素数1−3のアルキル基が望まし
く、メチル基やエチル基が特に望ましい。最も望ましい
Rはメチル基であり、それゆえ、α−ヒドロキシプロピ
オン酸つまり乳酸から得られた塩類が、最も望ましい。
酸類の混合物を用いることもできる。
【0031】本発明の塩類を製造するために用いる塩基
類は、いずれも窒素原子を含んでおり、アンモニウムイ
オン類、アミン窒素、金属イオン類の形で存在してい
る。
【0032】使用するアンモニウムを含有する分子種
は、例えば、NHOH、HN(ROH、N(R
OHのようなものであり、ここでRは各々独立
に、炭素数1−8のアルキル基またはアリル基である。
混合物類も使用できる。アンモニウムヒドロキシドは、
望ましい反応材料である。
【0033】本発明の塩類を製造するために使用する窒
素含有反応材料のもうひとつの一群に、アミン類があ
る。有用なアミン類は、窒素原子を1−3個含有する、
一級、二級、三級有機アミン類である。これらアミン類
の有機原子団は、一般的に、炭素数1−8のアルキル基
またはアリル基であり、任意にひとつあるいはそれ以上
の水酸基で置換される。望ましいアミン類は、アルカノ
ールアミン類、ジアミン類、ジアルキルアミン類、ジア
ルカノールアミン類、アルキルアルカノールアミン類、
トリアルキルアミン類、トリアルカノールアミン類、ア
ルキルジエタノールアミン類である。
【0034】本発明の塩類は、金属イオンを含有する試
薬を用いて製造することもできる。ナトリウム原子、カ
リウム原子、カルシウム原子、マグネシウム原子、リチ
ウム原子を含む塩類を得る金属イオン含有塩基類が望ま
しい。典型的な金属イオン含有反応材料は、ヒドロキシ
ド類である。混合物の使用も考えられる。
【0035】本発明の塩類は、アンモニウムヒドロキシ
ドと乳酸との反応のような、常套的な酸塩基反応により
製造される。常套的な反応容器類が用いられる。使用す
る反応温度は、選択した反応材料の種類や他の反応条件
に依存する。
【0036】乳酸アンモニウムの有用な入手先のひとつ
に、ウエストウッド スクイッブファルマスーテイカル
社(Westwood Squibb Pharmac
eutical Co.)から“Lac−Hydrin
▲R▼”という商品名で販売されている12%ローショ
ンがある。
【0037】本発明の塩類は、処方中で単独で使用され
る場合、約1%から約53%の範囲で、好ましくは約2
%から約38%の範囲で、処方中に含まれる。
【0038】本開示は塩基類とα−ヒドロキシル酸類と
の塩類に関するものであるが、このタイプの薬剤の単な
る混合物も使用できる。従って、米国特許4,105,
783で開示してあるような酸類と塩基類の混合物も、
本発明中で使用できる。
【0039】本発明で使用するステロイド類は、一般的
にコルチコステロイド類に分類される広範囲にわたる物
質のうち、いずれでもよい。
【0040】ステロイド類は、その基本形ままで、ある
いは、エステル型、アミド型、エーテル型などの薬物調
剤に常套的に使用される形で、使用される。
【0041】一般的に、ステロイド類はその効力の強さ
により、高、中、低効力に分類されている。本発明で高
い有用性が見い出されたクロベタゾールプロピオネート
は、高い効力をもつステロイドである。しかしながら、
低効力あるいは中効力のステロイド、例えばドロカスチ
ゾン(低効力)あるいはベタメサゾン−17−バレレー
ト(中効力)も、有用であると予想される。
【0042】本発明中で使用される好ましいステロイド
薬物の中で、コルチコステロイド類は皮膚病の局所用処
方の中で常套的に使用される。例として、コルチコステ
ロイド類を含む有用な薬剤の一覧表を、以下に示す。ア
ルクロメサゾンジプロピオネート、ベタメサゾン、ベタ
メサゾンベンゾエート、ベタメサゾンジプロピオネー
ト、ベタメサゾンバレレート、クロベタゾールプロピオ
ネート、クロベタゾールバレレート、デプロドンプロピ
オネート、デスフルロトリアムシノロン、デキサメサゾ
ン、デキサメサゾンアセテート、デキサメサゾンソディ
ウムフォスフェート、ジフロラゾンジアセテート、フル
メサゾンバレレート、フルオシノロンアセタミド、ハロ
ベタゾールプロピオネート、および米国特許4,61
9,921記載のその他のステロイド類、ハイドロコル
チゾン、ハイドロコルチゾンアセテート、ハイドロコル
チゾンバレレート、モメサゾンフロエート、トリアムシ
ノロンアセトニド
【0043】上記で記載した化合物のうち、ひとつある
いはそれ以上を構成成分とする混合物も、使用できる。
【0044】さらに、他の常套的なステロイド薬剤、例
えば上記一覧中の薬剤のフリー型の薬剤や他のエステル
型や他のアミド型の薬剤(例えばデキサメサゾンバレレ
ート)も、単独での使用か混合物での使用かにかかわら
ず使用できる。
【0045】本発明の塩類は、ステロイド(類)とは別
に局所的に投与することができるが、ステロイド(類)
と混合して(すなわち同一の処方中で)投与することも
できる。
【0046】塩類とステロイド類が同一の処方中で用い
られるとき、塩の濃度は約1%から約53%、好ましく
は約2%から約38%となる。ステロイドの濃度は、約
0.0005%から約3.0%、好ましくは約0.01
%から約1.0%となる。
【0047】本発明の処方は局部的に用いる(すなわち
処置を受ける被験者の皮膚に投与し、その皮膚から吸収
される)ものなので、そのような使用に適するように、
通常処方中にはいくつかのさらなる成分を含む。これゆ
え、乳化剤、希釈剤、賦形剤、防腐剤、保湿剤、強化
剤、着色料、香料、緩衝剤などのさまざまな常套的成分
を、おおよそ0.05%からおおよそ99.5%の範囲
で、本組成物中に加えることができる。
【0048】本発明の局所用処方は、一般的に、クリー
ム、ローション、軟膏、ゲル、スプレーの形で使用する
ものである。他の、液体形態や半固形態での処方も、考
えられる。これらの形態で使用するのに適した添加剤
も、予想できる。
【0049】他の治療剤も、本発明の処方中で使用でき
る。例えば、抗真菌剤(例えばイミダゾール類)、麻酔
薬(例えばメチルソリシレート)、吸湿剤(例えばグリ
セリン)、抗細菌剤(例えばエリスロマイシン、クリン
ダマイシン)、あるいはこれらと類似のものが、使用で
きる。添加する治療剤は、その治療剤が存在することに
より処方中の塩の作用あるいは塩とステロイドとの組み
合わせの作用を妨害しないような種類および量にしなけ
ればならない。一般的に、このような追加の治療剤は、
少量、すなわち約10%あるいはそれ未満、好ましくは
約0.001%から約5%の範囲で、使用される。
【0050】ここで述べられている方法のpHは厳密な
ものではなく、一般的に組成物の最終pHはおおよそ
3.0から7.5の範囲にあり、望ましくはおおよそ
4.0から6.0の範囲で使用できる。これらのpHの
範囲は、処方中の塩の有用な性質を最大限に確保するも
のである。
【0051】処方中のステロイドと他の治療剤によって
は、やや低めのpHでの使用が有用である。
【0052】一般的に、本発明の局所用処方は、1日あ
たりおおよそ1回からおおよそ3回、好ましくは1日あ
たり1回から2回投与される。
【0053】塩をステロイドと同時に投与しないとき
は、ステロイドを投与した4−24時間前、あるいは4
−24時間後、好ましくは約8時間前、あるいは約8時
間後に、塩を投与できる。ステロイド投与後に、塩を投
与するのが望ましい。
【0054】塩を含有する処方を患者の皮膚を一時的に
厚くするために使用するときは、その処方を1日あたり
1回から4回使用することが示唆される。
【0055】患者個々の必要性や、医者の希望によって
は、上記のやり方から逸脱することが必要となる。
【0056】“被験者”という単語は、皮膚や他の真皮
表面に本発明の組成物を投与され得るすべての哺乳動物
を意味している。一般的に、本発明を投与される被験者
は、人間の患者であることが望ましい。
【0057】本発明の塩を含有する処方は、局所的なス
テロイド使用による皮膚病誘発作用を改善するために、
未成年の患者に使用することができる。
【0058】顕微鏡での観察は、4週間にわたり開放系
で、無投与(a)、12%乳酸アンモニウム投与
(b)、クロベタゾールプロピオネート投与(c)、乳
酸アンモニウムとクロベタゾールプロピオネートとの組
み合わせの投与(d)後の、同一被験者の上皮と真皮の
変化の流れを示している。
【0059】a.コントロール。通常の上皮(E)は網
***線(rete ridge:rr)がよく発達して
いるので、真皮と上皮の界面が波状になっている。角質
層(H)は、パラフィン固定された標本に典型的な“編
み籠”型を呈している。乳頭状真皮(PD)には、大量
の毛細血管(mv)と通常量のグリコサミノグリカン類
が含まれる。拡大倍率は、200倍である。
【0060】b.12%乳酸アンモニウム投与。生きて
いる上皮(E)はコントロールよりも厚く、グリコサミ
ノグリカン類が存在していることを示す青く着色された
領域が明確にみられる。角質層(H)は、コントロール
の標本でみられた“編み籠”型を維持している。乳頭状
真皮(PD)には、グリコサミノグリカン堆積量の劇的
な増加がみられる。mvは、毛細血管である。
【0061】c.クロベタゾールプロピオネート投与。
生きている上皮(E)はコントロールよりも著しく薄
く、角質層(H)は実質的になくなっている。乳頭状真
皮(PD)は圧縮されたように見え、グリコサミノグリ
カン類の量と、血管(mv)像に著しい減少がみられ
る。
【0062】d.乳酸アンモニウムとクロベタゾールプ
ロピオネートとの組み合わせによる投与。生上皮(E)
はコントロールの標本のものと同じくらいの厚さに見
え、角質層(H)は“編み籠”型を依然維持している。
乳頭状真皮(PD)には、著しい量のグリコサミノグリ
カンと大量の毛細血管(mv)がみられる。
【0063】一般的に、乳酸アンモニウム投与後、生き
ている上皮(E)はより厚くなり、顆粒層はより顕著に
なる。乳酸アンモニウム投与後、“編み籠”型の角質層
(H)が保存されていることは注目される。乳酸アンモ
ニウム投与後、真皮(D)の細胞質は増加していない。
それは拡大倍率は、150倍で観察したものである。
【0064】以下の実施例は本発明を説明するためのも
のでる。
【0065】
【実施例1】強力な局所用コルチコステロイドの生物学
的利用率に対するLac−Hydrin▲R▼の効果
【0066】19歳から60歳の範囲の年齢の10人の
健康な成人ボランティアがこの試験に参加した。女性が
5人、男性が5人であった。
【0067】前腕を無刺激の石鹸(Ivory▲R▼
で洗浄し、軟らかいタオルで軽くたたくように乾燥させ
た後、前腕の手のひらの面に、3つの直径1.2cmの
円をインクで描いた。試験物質(0.05%Temov
ate▲R▼(クロベタゾールプロピオネート)軟膏、
Lac−Hydrin▲R▼12%ローション、および
両者の組み合わせ)各20μlずつを、描かれた円の中
に投与した。
【0068】試験の初日の朝、各前腕に描かれた円のう
ちの2つに、Lac−Hydrin▲R▼を投与した。
被験者はその日の6−8時間後に戻ってきて、3番目の
円およびLac−Hydrin▲R▼を投与した円のう
ちのひとつに、Temovate▲R▼軟膏の投与を受
けた。
【0069】その後、片方の前腕をプラスチック性Sa
ran Wrap▲R▼で密閉し、もう片方の腕の各円
を、中央に1cmの穴を開けた円形状のプラスチック性
チャンバーで覆った。チャンバーは各円すべてに装着
し、へりをたたいて、衣服が皮膚の表面をこすったり衣
服が皮膚の表面と接触するのを防いだ。午後の投与から
16時間後、防御チャンバーとSaran Wrap
▲R▼を取り除き、両前腕を再び石鹸と水で洗浄し、タ
オルで水分を吸い取り乾燥した。
【0070】試験物質を皮膚から洗い流した30分後、
つまり投与16−17時間後と、最後の投与から24時
間後の計2回、各試験円における漂白の程度を評価し
た。
【0071】漂白の程度の評価は、試験物質の割り当て
を知らず、かつ試験物質の投与を受けていない試験者に
より、標準照明の下、盲見法により遂行された。以下の
判定基準が用いられた。 0=血管収縮なし。 1=目に見える軽微な漂白。 2=界面のはっきりした明らかな漂白。 3=さらに重度な漂白。 4=投与部位より外にも広がる重度な漂白。
【0072】両測定時(16時間後と24時間後)にお
ける、各試験物質の個々の血管収縮スコアおよびその合
計スコアを、表1および表2に記載した。開放系投与に
おいても、密閉系投与においても、漂白の程度は0から
3の範囲にあった。どの試験部位においても、両腕の血
管収縮スコアの平均値は、16時間後のものと24時間
後のものとに差がなかった。Lac−Hydrin
▲R▼単独を投与した部位には漂白が観察されなかっ
た。開放系投与(表1)でも密閉系投与(表2)でも、
Lac−Hydrin▲R▼の事前の投与は、クロベタ
ゾールプロピオネート軟膏の血管収縮作用に影響を与え
なかった。
【0073】両腕の個々のスコアをt−検定により比較
した結果、Lac−Hydrin▲R▼を事前に投与し
ても、漂白の程度に有意な差がないことがわかった。こ
れゆえ、強力な局所用コルチコステロイドを投与する前
にLac−Hydrin▲R▼を前腕に投与しても、コ
ルチコステロイドの生物学的利用率は変化しないことが
わかった。
【表1】
【表2】
【0074】
【実施例2】Lac−Hydrin▲R▼の、正常なヒ
トの皮膚およびコルチコステロイドを投与したヒトの皮
膚に対する効果
【0075】この実施例中の“組み合わせ”および“塩
とステロイドの組み合わせ”という用語は、塩を一度に
投与し、ステロイドをその8時間後に投与することを意
味している。
【0076】6人の健康な若い成人男性(年齢20−3
4)がボランティアとして参加した。実施例1と同様な
方法を用いて、前腕の内側の1ヶ所に、クロベタゾール
−17−プロピオネートクリーム(0.2ml;Tem
ovate▲R▼、Glaxo社)が4週間にわたって
毎日投与された。前腕の内側の別の部位には、緩衝化さ
れた乳酸アンモニウム(0.2ml;12%Lac−H
ydrin▲R▼、Westwood社)が4週間にわ
たって毎日投与された。第3に部位には、Lac−Hy
drin▲R▼を朝(だいたい8:00am頃)、Te
movate▲R▼を8時間後(だいたい4:00pm
頃)という組み合わせ投与を、4週間にわたって毎日受
けた。4週間の投与期間の終了時に、局所麻酔下で各投
与部位から3mmの生検断片を1つずつ採取した。
【0077】無投与のコントロールの生検断片も、4週
間の試験終了時に採取した。
【0078】3mmの各生検断片を、10%ホルマリン
で固定し、常套的にパラフィン組織切片を作製した。
【0079】パラフィン切片の酸性ムコ多糖類を、ヘマ
トキシリン、エオシン、Hales鉄コロイドを用いて
染色した。これらの切片を用いて、組織学的解析および
組織幾何学的解析を行った。
【0080】上皮の厚みを測定するために、切片を表面
に対して垂直に注意深く切断した。生上皮組織領域の測
定は、ヘマトキシリンエオシン染色切片およびHale
s染色切片の両方について、コンピューターによるイメ
ージ解析を用いて行った。1つの生検断片あたり、互い
に50μm離れた少なくとも4つの切片について、厚み
を測定した。
【0081】基底物質を測定するため、Hales鉄コ
ロイド染色切片について、微量分光光度計Vicker
s M−85を用いた組織測定を行った。
【0082】以下の記述は、表3に示すデータをもとに
考察したものである。
【0083】Temovate▲R▼を4週間にわたっ
て毎日投与すると、6人の被験者全員の生上皮が著しく
減少した。生上皮の厚みは、平均の上皮の厚さ66,8
03平方μm/mmから、32,476平方μm/mm
に減少し、これは51%の厚みの減少に相当する。
【0084】組み合わせ投与を4週間にわたって毎日受
けると、6人の被験者全員の生上皮が著しく減少した
が、その減少の程度は小さかった。
【0085】生上皮の厚みは、平均の上皮の厚さ66,
803平方μm/mmから、42,821平方μm/m
mに減少し、これは35%の厚みの減少に相当する。T
emovate▲R▼単独投与と比較すると、Lac−
Hydrin▲R▼とTemovate▲R▼の組み合
わせ投与は上皮の厚みの減少度が16%も小さく、この
値は0.05の危険度で有意な差である。
【0086】Lac−Hydrin▲R▼を4週間にわ
たって毎日投与すると、6人中5人の被験者の生上皮の
厚みが増加した。ひとりの被験者(#6)は実質的に全
く変化がなく、もうひとりの被験者(#5)の反応は微
弱であった。生きている上皮の厚みは、66,803平
方μm/mmから、78,837平方μm/mmに増加
し、これは20%の厚みの増加に相当する(表3)。コ
ントロールと比較すると、この変化は0.01の危険度
で有意である。
【0087】これらの発見は、最も強力ではないにして
も強力な局所用コルチコステロイド類のひとつであるク
ロベタゾールプロピオネートの投与間や投与後にLac
−Hydrin▲R▼を使用すると、生きている上皮が
薄くなる作用に対する有意な軽減効果を示すことを意味
している。
【0088】この試験では、Lac−Hydrin
▲R▼単独の使用で、生きている上皮を有意に厚くし
た。このことは、ステロイドの萎縮作用を部分的に打ち
消すことになる。
【0089】作用理論を制限されることは望まないが、
真皮中のHalesで染色される物質の増加が観察され
たことから、Lac−Hydrin▲R▼が繊維芽を刺
激し、より多くの基底物質(グリコサミノグリカン類)
を合成させるという作用機構が示唆される。繊維芽の合
成活性が抑制されると基底物質が減少し、これが局所用
コルチコステロイド類の主要な作用のひとつであること
はよく知られている。これゆえ、Lac−Hydrin
▲R▼がステロイド類の繊維芽に対する抑制作用を打ち
消すという作用機構も示唆される。
【表3】
【0090】
【実施例3】Rhus皮膚炎(アメリカつたうるし)の
ステロイドによる治療作用に対する、乳酸アンモニウム
の作用に関する試験
【0091】この実施例は、両性から成る12人の健康
なボランティアの被験者が参加して行われた、局所的抗
炎症作用についての試験である。12人はすべて、局部
的にRhus抽出抗原を投与して4ヵ所に炎症反応を起
こした後、登録された。4ヵ所の試験部位(各前腕2ヵ
所ずつ)に、以下の(1)Lac−Hydrin▲R▼
12%ローション;(2)Temovate▲R▼(ク
ロベタゾールプロピオネート)0.05%クリーム;
(3)午前と午後に別々に投与するTemovate
▲R▼とLac−Hydrin▲R▼との組み合わせ;
(4)米国薬局方ワセリン(コントロール)を、毎日一
定量(20μl)ずつ投与した。指定された部位に試験
物質を投与した後、バンドエイドでその部位を覆った。
試験物質を5日連続(月曜日から金曜日)して1日1回
ずつ投与し、金曜日の午後に、皮膚病医がその部位の浮
腫、紅斑、水泡などを視覚的に評価した。
【0092】試験物質の効力は、皮膚炎の消散の程度を
コントロール投与部位と比較することにより、測定され
た。
【0093】試験物質は研究者から供給され、A、B、
C等のアルファベットのラベルが付けられた。4ヵ所の
試験部位を、投与A、投与B、投与A+B(あるいはB
+A)、投与Cのいずれかに割り当てた。各投与記号の
説明を以下に示す。A=Lac−Hydrin
▲R▼(乳酸アンモニウム)12%ローション;1ot
#57B161(有効期限1992年10月)、ウエス
トウッド ファルマス−ティカルズ社(Westwoo
d Pharmaceuticals,Inc.)バッ
ファロー、ニューヨーク州14213(アメリカ合衆
国)、午前の訪問時に投与した。B=Temovate
▲R▼(クロベタゾールプロピオネート)0.05%ク
リーム;1ot#Z774ODA(有効期限1992年
5月)、グラクソ デルマトロジー プロダクツ、グラ
クソ社(GlaxoDermatology Prod
ucts,Glaxo、Inc.)、リサーチ トライ
アングル パーク(Research Triangl
e Park)、ノースカロライナ州27709(アメ
リカ合衆国)、午後の訪問時に投与した。A+B=La
c−Hydrin▲R▼12%ローションを午前の訪問
時に投与し、Temovate▲R▼0.05%クリー
ムを午後の訪問時に投与した。B+A=Temovat
▲R▼0.05%クリームを午前の訪問時に投与し、
Lac−Hydrin▲R▼12%ローションを午後の
訪問時に投与した。C=Vaseline▲R▼米国薬
局方白色ワセリン;1ot#938−C、チェセブロウ
−ポンズ社(Chesebrough−Pond’s,
Inc.)、グリニッジ、コネチカット州06830
(アメリカ合衆国)、午前の訪問時に投与した。
【0094】Rhus抗原抽出物(ホリスタ−スティア
ラボラトリーズ(Hollister−Stier
Laboratories))を19人のボランティア
の両腕の指定の部位に以下に記載するような方法で投与
し、アメリカつたうるしによる強い皮膚炎を起こさせ
た。このうち12人が、4ヵ所すべてに同程度な急性小
胞性皮膚炎を起こした。それ以外の7人は、反応が弱す
ぎたか、あるいは程度にばらつきがあったので、本試験
から除外した。同程度な急性小胞性皮膚炎を起こした1
2人の被験者は、さらに本試験を継続し、以下に記載す
る計画の投与を受けた。
【0095】無刺激性の石鹸(Ivory)で前腕を洗
浄し、やわらかいタオルで軽くたたくようにして乾燥さ
せた後、インクで4ヵ所(各前腕の手のひらの面に2ヵ
所ずつ)の円が描かれた。皮膚炎を誘発するため、50
倍希釈したアメリカつたうるし含油樹脂(Hollis
ter−Stier Laboratories)10
μlを、0.6cmのディスク濾紙にしみ込ませた。そ
の後、ディスク濾紙を皮膚にのせ、不透過性プラスチッ
クテープ(Blenderm,3M▲R▼)で固定し
た。Blendermテープを、不織性外科用テープ
(Scanpor)でさらに固定した。このパッチを、
そのまま6時間放置した。6時間後、パッチを除去し、
パッチを貼っていた領域を石鹸と水で洗浄し、乾燥し
た。
【0096】誘発用パッチは、1990年11月9日の
金曜日に投与された。ボランティア達は11月12日の
月曜日の朝、研究室に戻ってきて、試験部位の検査と判
定を受けた。4ヵ所の部位すべてに同程度な反応(皮膚
炎)を起こした者だけが、この試験を継続した。
【0097】各部位には、上記記載のA、B、A+B、
Cをおおよそ20μlずつ投与された。研究者によって
作成されたランダム化計画(添付文書B)に基づき、試
験物質の投与をランダム化した。試験物質を清潔なガラ
ス製の棒を用いてこれらの部位に穏やかにすり込み、衣
服などでこすれることのないようにバンドエイドで覆っ
た。6人のボランティア(#1、#2、#3、#4、#
5、#11)については、まずLac−Hydrin
▲R▼を最初(午前)に投与し、続いてTemovat
▲R▼を午後に投与した。一方、残りの6人のボラン
ティア(#6、#7、#8、#9、#10、#12)に
ついては逆順序で、つまりまずTemovate▲R▼
を午前に投与し、続いてLac−Hydrin▲R▼
午後に投与した。残りの3ヵ所の部位にはそれぞれ、L
ac−Hydrin▲R▼単独を午前に、Temova
te▲R▼単独を午後に、ワセリンを午前に、投与し
た。
【0098】投与は5日間連続して続けられた。最終日
に、試験物質の割り当てを知らず、かつ試験物質の投与
を受けていない研究者が、それらの部位を視覚的に評価
した。評価後、前腕の写真の撮影も行った。
【0099】Rhus誘発皮膚炎の評価には、以下の判
定基準が用いられた。 0=全くきれいな皮膚 1=わずかに悪化した皮膚炎、あるいは明白な境界をも
つ淡い紅斑 2=広範囲の浮腫あるいは明白な浸潤と中等度の紅斑が
観察されるさらに悪化した皮膚炎。 3=重度の浮腫、紅斑、、かさぶたが観察される一様に
悪化した皮膚炎 4=際立った浮腫、重度の紅斑と水泡。
【0100】被験者は、不都合な症状が起こったらどの
ようなものでも即座に報告するように研究者から指示さ
れた。副作用はすべて記録され、詳細(特徴と程度)が
記載された。そのような不都合な反応が起こった日付
を、必然的な治療の中止や休止にかかわる詳細な記述の
日付とともに、すべて記録した。すべての副作用は、主
催者に直ちに電話で報告し、5日以内に文書で報告する
ことになっていた。
【0101】もともと参加した19人のボランティアの
うち、表4および表5に記載された12人だけがこの試
験の継続の資格を得て、記載してきた試験を完了した。
不都合な反応や予期せぬ副作用等は、どのような種類の
ものも生じなかった。
【0102】試験の始めに記録された投与前の反応スコ
アを、表4に示す。各試験部位の平均スコア(±SD)
は、3.4±0.5であった。投与最終日に記録された
スコアを、表5に示す。
【表4】
【表5】
【0103】Lac−Hydrin▲R▼投与は、米国
薬局方ワセリン投与に比べて平均反応スコアに大差がな
かった。(それぞれの平均スコアは2.8と2.9)。
さらに、Temovate▲R▼単独を投与した部位
と、Temovate▲R▼とLac−Hydrin
▲R▼とを組み合わせ投与した部位には、投与の順序に
かかわらず、明確な違いがみられなかった。
【0104】この結果により、Lac−Hydrin
▲R▼はワセリン以上の顕著な作用をもたず、Temo
vate▲R▼の抗炎症作用に影響を与えないことが確
証された。
【0105】Temovate▲R▼の単独投与、ある
いはLac−Hydrin▲R▼との組み合わせ投与
は、ワセリンの単独投与やLac−Hydrin▲R▼
の単独投与に比べ、皮膚炎を消散を促進する非常に有意
な(P=0.0001)効果を示した。
【0106】
【発明の効果】Lac−Hydrin▲R▼をコルチコ
ステロイド類の後に使用すると、生上皮の減少を抑制す
ることは確実である。実施例1および実施例3により、
この減少抑制効果は、ステロイドの希釈作用やステロイ
ドの作用の減弱作用によるものでないことがわかる。
【0107】Lac−Hydrin▲R▼を正常な皮膚
に投与したときのデータ(実施例2)をみると、上皮や
真皮の形態を変化させている(上皮を厚くし、基底物質
を増加させている)点から、この物質はレチノイドのよ
うな挙動を示すことが示唆される。Lac−Hydri
▲R▼の作用はレチノイドの作用ほど強くはないが、
いかなる炎症の臨床所見を示すことなく、劇的な変化が
得られる。このことは、老化などの症状に対する治療に
おいて、レチノイド治療に比べ、主要な利点となる。
【0108】よって、Lac−Hydrin▲R▼を局
所的に長期間使用すると、レチノイドほどの炎症を起こ
すことなく、老化した皮膚に通常生じる変化(上皮や真
皮が薄くなる変化)をいくらか回復させることができる
と予想される。
【0109】適当な変更、例えば当該技術分野で生じる
変更は、本発明の範囲内で行うことができる。
フロントページの続き (72)発明者 ロバート ラブカー アメリカ合衆国ペンシルベニア州 19355 マルバーン パイクランド ロ ード アールディ 1−155 (72)発明者 ジェームズ レイデン アメリカ合衆国ペンシルベニア州 19401 ハーバーフォード グレイス レーン 360 (56)参考文献 特開 昭63−166837(JP,A) 特開 昭53−96329(JP,A) Robert M. Lavker et al.,Clinical Re search,1991年,vol.39, no.2,507A J.E.F. Reynolds,M artindale, The Ext ra Parmacoeia,The Pharmaceutical Pre ss, London,1989年,29th edition,1542 R. Berkow et al., The Merk Manual of Diagosis and Ther apy,Merk & Co., In c., Rahway, NJ,1987 年,15th edition,2246− 5528 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/00 - 31/80 A61P 17/00 - 17/16 CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2〜7のα−ヒドロキシル酸の塩
    を含有してなることを特徴とする、ステロイドの局所使
    用によって生ずる皮膚萎縮を治療するための組成物
  2. 【請求項2】 炭素数2〜7のα−ヒドロキシル酸の塩
    を含有してなることを特徴とする、ステロイドの治療に
    よって生ずる哺乳動物の皮膚の生育しうる上皮の厚さの
    減少を軽減するための組成物
  3. 【請求項3】 該塩が全組成物重量の1〜52重量%の
    量で存在する請求項1又は2記載の組成物
  4. 【請求項4】 該塩が全組成物重量の2〜38重量%の
    量で存在する請求項1又は2記載の組成物
  5. 【請求項5】 該塩がアンモニウム塩である請求項1又
    は2記載の組成物
  6. 【請求項6】 該塩が乳酸アンモニウムである請求項5
    記載の組成物
  7. 【請求項7】 該組成物が0.0005〜3wt%のス
    テロイドをさらに含有する請求項1〜6のいづれか1項
    記載の組成物
  8. 【請求項8】 該組成物が0.01〜1wt%のステロ
    イドをさらに含有する請求項1〜7のいづれか1項記載
    の組成物
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