JP3503262B2 - 脱臭フィルター及び脱臭フィルターの製造方法 - Google Patents

脱臭フィルター及び脱臭フィルターの製造方法

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JP3503262B2
JP3503262B2 JP11215395A JP11215395A JP3503262B2 JP 3503262 B2 JP3503262 B2 JP 3503262B2 JP 11215395 A JP11215395 A JP 11215395A JP 11215395 A JP11215395 A JP 11215395A JP 3503262 B2 JP3503262 B2 JP 3503262B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粒子状脱臭剤と無機多孔
質系粒子体に脱臭性能を有する触媒物質を担持加工させ
たものをフィルター材に併用付着させることにより相互
の相乗効果により広範な臭気に対し脱臭性能を付加する
ことが可能な為空気清器やエアコン、冷蔵庫、トイレの
脱臭器等の脱臭フィルターとし広範な適用が可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術における脱臭性能を有する触
媒物質の使用法は無機物の表面にコーティング処理しハ
ニカム状に成形加工したものを直接脱臭フィルター材と
して使用した。しかし、常温での脱臭性能を考えた場合
これらの触媒物質はその化学的脱臭作用に依存していた
為、脱臭し得る臭気としては硫黄系や窒素系化合物など
極めて限られたに範囲に限定されていた。いわゆる空気
清浄器などの常温での脱臭フィルター材としては触媒物
質単独での使用は酸性ガス、塩基性ガスなど化学的に容
易に脱臭出来る臭気に限定されていた為、室内の空気清
浄を目的とした用途においてはタバコの臭気などさまざ
まな臭気が複合臭の状態で存在している為実質的にはほ
とんど効果がなかった。
【0003】化学的脱臭作用と物理的脱臭作用を併用し
た従来の技術における脱臭フィルター材としては、これ
ら2タイプの脱臭フィルター材を2層積層使用する方法
が考えられていたが、必然的に脱臭フィルター材の厚み
が厚くなり、かつ通気抵抗が高くなる傾向があるためエ
アコンなど薄型でかつ圧力損失を低く抑える必要のある
用途については適用することが出来なかった。また、活
性炭などの物理的脱臭作用による多孔質の吸着剤に化学
的脱臭作用を有する薬剤を直接添着処理方法も従来の技
術の範疇で有り得たがこの方法では多孔質の吸着剤の有
する物理的脱臭性能が薬剤を直接添着処理することによ
り低下するため本来の物理的脱臭性能を十分発揮するこ
とが出来なかった。更に、当該方法は使用中に薬剤が溶
け出したりして安全上問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来の問題点に着目してなされたものであり、鋭意検討を
行った結果これらの問題点を解決すべく、エアコンなど
薄型、低圧力損を要求させる用途においても広範な臭気
に対して脱臭性能を付加させるべく触媒物質等の化学的
脱臭剤と活性炭などの物理的脱臭剤を一体加工した請求
項1〜4の記載の脱臭フィルター材を提供する為下記課
題について解決の手法を見い出した。 脱臭フィルタ−加工時及び取り扱い時において触媒
物質が容易に溶出せぬ様触媒物質を担持するための最適
な無機多孔質系粒子体の選定。 触媒物質等の化学的脱臭剤と活性炭などの物理的脱
臭剤の最適使用比率とその製品化の方法。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の手段として、
ゼオライト、アルミナ、無機系化学脱臭剤等の無機多
孔質系粒子体10〜300メッシュに、脱臭性能を有す
る触媒物質を100:1〜100:10(重量部)の割
合で水中に分散させ、十分浸漬させた後、遠心分離、ま
たは減圧吸引濾過法にて脱水、洗浄を繰返し触媒物質が
容易に水中に溶け出すことのないように処理を施す。
これらの処理によって得られた触媒物質担持無機多孔
質系粒子体と粒子状脱臭剤をフィルター母材に併用付着
させる為の具体策として請求項11の脱臭フィルタ
ーの製造方法を考案した。
【0006】即ち、請求項の脱臭フィルターの製造方
法はバインダー中に乾燥残量比でバインダー:触媒物質
担持無機多孔質系粒子体が、10:1〜1:10と目的
に応じ適宜調整し添加、分散させた触媒物質担持無機多
孔質系粒子体含有バインダーを作成しフィルター母材に
含浸、乾燥加工を施した後、当該バインダーのタック力
を利用し粒子状脱臭剤を後付着せしめる方法である。触
媒物質担持無機多孔質系粒子体含有バインダーを作成す
るにあたっては触媒物質担持無機系粒子体がバインダー
樹脂分に対して(1:10以上)過剰だと最終製品の段
階で粉落ちが多くなり、商品化に際し不具合が生ずるた
め好ましくなく、又少な過ぎる(10:1以下)と目的
とする脱臭性能が得られない為この点を留意し設計する
必要がある。従って請求項の手法による最適配合比率
としてはバインダー樹脂:触媒物質担持無機多孔質系粒
子体の配合比率を乾燥重量対比で10:2.5とするの
が最適である事が実験の結果明らかになった。この結
果、即ち、当該脱臭フィルターの脱臭性能及び活性炭の
粉落ち性に対する実施例を表5に示す(実施例5〜7、
比較例2)。またこの時のフィルターの状態を模写図と
して図3に示す。
【0007】本発明は、その配合割合から察するに触媒
物質担持無機多孔質系粒子体が、バインダー樹脂分に対
して少な過ぎる為、脱臭性能への影響が懸念されるが、
表5の結果の様に活性炭等の粒子状脱臭剤を併用付着せ
しめることにより、その相乗効果により活性炭等の脱臭
剤では脱臭レベルの低い窒素系化合物や硫黄系化合物に
対して脱臭性能を向上させる事が出来る。
【0008】触媒物質を担持させる無機系多孔質系粒子
体としては、ゼオライト、アルミナの様に多孔質構造を
有する吸着剤を母材として用いることにより、比較的多
くの触媒物質を担持させることが出来、しかも触媒物質
が溶出しにくいといった特徴を有する為、製造加工時及
び製品化後の取り扱いにおいて安全性に優れている。
【0009】請求項記載の脱臭フィルターの製造方法
は、あらかじめフイルター母材にバインダーを含浸、乾
燥加工を施した後、任意の割合に混合した触媒物質担持
無機多孔質系粒子体と粒子状脱臭剤を後付着にて併用付
着せしめる方法であり、表6の実験結果から判かる様
に、混合の割合を任意の割合に調整する事により目的に
応じた脱臭フィルターを提供できる特徴を有する。該脱
臭フィルターの触媒物質担持無機多孔質系粒子体と粒子
状脱臭剤との配合割合に対する脱臭性能についての実施
例を表6に示す(実施例8〜10、比較例3)。また図
4に、この時のフィルターへの触媒物質担持無機多孔質
系粒子体及び粒子状脱臭剤の付着状態の模写図を示す。
【0010】請求項記載の脱臭フィルターの製造方法
は、触媒物質担持無機多孔質系粒子体と粒子状脱臭剤の
混合品を任意の水に分散させた後ラテックスと混練しス
ラリーを作成する。その後フィルター母材を当該スラリ
ーに含浸し乾燥処理する。この様にして得られた脱臭フ
ィルターは請求項5,6記載の製造方法により得られた
脱臭フィルターに比較し脱臭性能は劣るものの請求項
記載の製造方法により得られた脱臭フィルターと同様、
触媒物質担持無機多孔質系粒子体と粒子状脱臭剤の混合
の割合を任意の割合に調整する事により目的に応じた低
圧力損失の脱臭フィルターを提供する事が出来る。該脱
臭フィルターの脱臭性能に対する実施例を表7に示す
(実施例11〜13、比較例4)。また、この時のフィ
ルターへの両粒子体の付着状態の模写図を図5に示す。
【0011】
【作用】多孔質を有する無機多孔質系粒子体の孔内及び
表面に付着した触媒物質を用いていることにより、製造
加工時及び製品化後の取り扱いにおいて安全性に優れて
いる為、加工性の良い三次元網状化構造を有するポリウ
レタンフォーム等の有機系のフィルター母材を用いるこ
とが可能である。また、触媒物質担持無機多孔質系粒子
体と粒子状脱臭剤を併用付着させる事により相乗的脱臭
効果を得ることが出来る。特に、三次元網状化構造を有
するポリウレタンフォームをフィルターの母材として用
いることにより、比較的低圧力損失で、且つ多次にわた
り臭気と接触することが可能となる為、脱臭効率を最大
限に発揮することが出来る。請求項3〜4により得られ
た脱臭フィルターは目的に応じた脱臭フィルターを設計
する事が可能である。
【0012】
【実施例】以下、更に具体的に本発明を説明する。
【0013】[実施例1〜4・比較例1]実施例1〜4
及び比較例1は、本発明の請求項6に基づく無機多孔質
系粒子体を、脱臭性能を有する触媒物質に担持加工する
にあたり最適な無機多孔質系粒子体を選定する為の実験
に関するものであり、無機系粒子体としては平均粒径
4.7μmの天然ゼオライト(日東粉化工業(株)製C
SP−600)を用い、触媒としては比較的安価でかつ
良好な酸化触媒作用を示す市販の酸化マンガン系触媒ス
ラリー(固形分43%)[カルト(株)製]を用いた。
【0014】尚、脱臭性能を有する触媒としては、酸化
触媒、還元触媒、光励起触媒等の各触媒を使用すること
ができる。
【0015】また、実施例1〜4迄の無機系粒子体に触
媒を担持させる方法としては浸漬法によった。まず、全
体量を100とした配合系の内、水を64.6wt%、
酸化マンガン系スラリーを3wt%、泥しょう安定剤を
0.1wt%、天然ゼオライトを32.3wt%加え撹
拌させながら1hr. 以上保持する。その後1500r
pm×5min程度の低速、短時間で遠心分離し上液を
廃棄、更に水を加えながら再度撹拌した後、同様に遠心
分離を行ない上液がほぼ透明になる迄この作業を繰り返
す。その後沈降物のうちチョコレート色をした上層のみ
をかきとり下層のグレー色の酸化マンガン系触媒担持ゼ
オライトを乾燥し粉砕する。以上の処理によって得られ
た酸化マンガン系触媒担持ゼオライトは水へ再分散させ
ても酸化マンガン系触媒が容易に流出する事がない為、
安全に製造加工出来るという利点を有する。なお、比較
例1は、上記実施例のうち、最も酸化マンガン系触媒の
担持量の多い実施例1について、酸化マンガン系触媒を
担持する前の状態を示した。
【0016】担持体として用いる無機多孔質系粒子体
は、その平均粒子が2500〜1.0μmである以外は
特に限定されないが、当実施例において、担持体として
天然ゼオライトを用いた理由としては実施例1〜4に示
す様に、その他各種無機多孔系粒子体における前記と
同様の手法によって得られた酸化マンガン系触媒担持品
の蛍光X線での担持量の測定の結果、表1より他の各種
無機多孔質系粒子体よりも担持量が多くかつ製造加工製
もよく安価であるという理由からである。また、表2〜
4における常温及び200℃加熱時の脱臭性能の確認評
価においても実施例1記載のタイプはベンゼン、トリメ
チルアミン、メチルメルカプタンの特徴ある3臭気に対
して、良好な脱臭性能及び触媒性能を示した。触媒性能
の評価は200℃加熱時の脱臭性能と二酸化炭素の発生
濃度より評価した。
【0017】実験方法としては、図1の評価試験機を用
い通気法にて検知管法により、ベンゼン、メチルメルカ
プタン、トリメチルアミンの3臭気それぞれの常温及び
200℃時の脱臭性能と触媒反応の指標として二酸化炭
素発生量をを測定した。標準ガスの発生方法は(株)ガ
ステック製のパーミカルパーミエーター(PB−1B)
用い、ベンゼン100ppm、トリメチルアミン10p
pm、メチルメルカプタン12ppmに調整した。また
この時のキャリアガスとしては酸素20%、窒素80%
の混合ガスを用い、発生ガス流量を1L/min に調整し
た。試料は全て0.5g とし内径30φ、長さ220mm
のガラス製カラムのほぼ中央部にセットした。カラム内
は吸着作用のないグラスウールを詰め試料の上下には吸
着作用のないガラス製の濾紙をセットし試料が上下に移
動することのない様に配慮した。またガラス製のカラム
の上下には耐熱栓をセットしガラス製の3方コックを取
り付けた。
【0018】加熱時の評価はガラス製のカラムの表面に
パイプヒーターを取り付け温度コントロールユニットで
200℃に制御した。ガス濃度の測定はガラス製のカラ
ムの上下にセットした3方コックを切り換えることによ
り行ない(株)ガステック製の検知管、ベンゼン(NO.1
21)、トリメチルアミン(NO.180)、 メチルメルカプタン(N
O.71) また、触媒作用を確認する為に二酸化炭素(NO.2L
L)の検知管を用いた。加熱時のガス濃度の測定は、図1
の様に常温にガスを冷却させ検知管が熱の影響を受けぬ
様配慮した。
【0019】[実施例5〜7、比較例2]実施例5〜7
は、本発明の請求項2に記載の脱臭フィルターあり、前
記実施例1の触媒物質担持天然ゼオライトと粒子状脱臭
剤として北越炭素工業(株)製のY−60C椰子殻活性
炭を用いた。フィルター母材としては(株)ブリヂスト
ン製エバーライトSF、セル10PPI、250mm×
250mm、厚み5tを用い、また混合用バインダーと
しては宗研化学(株)製のアクリル系エマルジョン(水
系)品番E−1054−6を用いた。尚、上記セル数P
PIは、1インチ直線上でのセル(孔)の数を表わす。
まず、バインダー中に実施例1の触媒物質担持天然ゼオ
ライトを表5の割合で添加し、本混合バインダ−がフィ
ルタ−材に対して30g/m2 dryとなる様に含浸、
乾燥加工を施した。次に本混合バインダ−のタック力を
利用しY−60C椰子殻活性炭をドライ状態で後付着せ
しめた。なお、比較例2は触媒物質担持天然ゼオライト
をバインダーに添加せず、単に活性炭のみをドライ状態
で付着させたものである。
【0020】当該評価方法としては、図2の評価試験機
にて行ないカラム径は20φとし、長さ220mmのガラ
ス管を用い、試料は当該カラムのほぼ中央部にセットし
た。ガス発生方法及びガス検知方法は[実施例1]の方
法に準じた。但し当該評価は常温のみの評価とし二酸化
炭素発生濃度は確認しなかった。これは、実施例1〜4
・比較例1・表2〜4の実験結果からも判かる様に常温
時には触媒物質は化学脱臭剤として働く為、触媒性能そ
のものの評価は意味を持たないからである。また粉落ち
性の評価は白厚紙(105mm×150mm)の片面全面に
両面テープを貼り合わせたものを用意し、5t ×80mm
×110mmにカッティングした試料を本粘着シート板の
中央部にセットし更に試料の上面に厚紙(105mm×1
50mm)をセットさせ厚紙の上面より0.8t ×25mm
×300mm(40〜50g)の鉄板で平行に全面を4
回、往復8回軽くたたいた。タタキ終了後試料を取り除
き粘着テープ面に付着した活性炭量を粉落ち度合いとし
て目視にて[実施例5〜7・比較例2」を相対比較評価
した。
【0021】表5より、バインダー樹脂分に対し実施例
1の触媒物質担持天然ゼオライトの添加の割合が増すに
つれトリメチルアミンやメチルメルカプタンの脱臭性能
が向上する傾向にある事が確認された。但し同時にバイ
ンダーのタック力が低下する為、後付着による活性炭の
付着量が除々に低下し、また実施例7に示す様に活性炭
の粉落ちが目立ってくる為、実施例5に示す様にバイン
ダー樹脂分に対する実施例1の添加量の割合は10:
2.5程度が最適であることが判明した。
【0022】請求項2記載の当該仕様の脱臭フィルター
は単位体積当たりの活性炭付着量が非常に多く取ること
が出来かつ触媒物質と併用使用する事により窒素系化合
物や硫黄系化合物の吸着性能をその相乗効果により比較
的少ない触媒物質の使用量で高める事が出来る特徴を有
する。従って、物理的脱臭性能を極限まで高め更に窒素
系化合物や硫黄系化合物など広範な臭気に対してもより
安全にカバーするといった面で非常に優れた脱臭性能を
有する。更にフィルター母材のセル数や厚みを及び粒子
状脱臭剤の粒度をコントロールする事により圧力損失や
脱臭性能を任意に調整する事が出来るといった特徴を有
する。
【0023】[実施例8〜10・比較例3]実施例8〜
10は、請求項3記載の脱臭フィルタ−であり、フィル
ター母材としては(株)ブリヂストン製エバーライトS
F、セル10PPI、厚み5t を用い、バインダーとし
ては宗研化学(株)製のアクリル系エマルジョン(水
系)品番E−1054−6を用いた。触媒物質を担持さ
せる無機多孔質系粒子体としては、日東粉化工業(株)
製ZO2号の天然ゼオライトを後述の活性炭と同一メッ
シュである25メッシュに振るい分けて用いた。
【0024】触媒物質の担持方法は実施例1と同様の方
法で行ない、触媒物質としてはカルト(株)製の酸化マ
ンガン系触媒を担持させた。また、本触媒物質担持天然
ゼオライトと任意の割合で混合する粒子状脱臭剤として
は北越炭素工業(株)製のY−20/32の椰子殻活性
炭を用いた。まず、フィルター母材にバインダーが40
g/m2 dryとなる様に含浸乾燥させ、あらかじめ表
6の割合によく混合した上記触媒物質担持天然ゼオライ
トと活性炭をドライ状態で1300g/m2 になる様に
付着加工した。当該脱臭フィルターの評価方法として
は、実施例1の方法と同様の方法で行なった。なお、比
較例3は活性炭のみを付着させた場合を示す。
【0025】表6より、触媒物質担持天然ゼオライトの
混合割合を増すにつれトリメチルアミンやメチルメルカ
プタンの脱臭性能は向上するが同時に活性炭の混合割合
が低下する為ベンゼンの様な物理的吸着に依存するガス
成分については反対に低下する傾向がある。従って上記
粒子体を任意の割合に混合することにより目的に応じた
脱臭フィルターを提供できる特徴を有する。いわゆるト
イレ臭や冷蔵庫の匂の脱臭など窒素系化合物や硫黄系化
合物がメインとなる用途には触媒物質担持天然ゼオライ
トの混合割合を増し対処する事が望ましい。また空気清
浄器等広範な臭気をカバーする必要がある用途に対して
は活性炭の混合割合を増し対処する事が望ましい。更に
フィルタ−母材のセル数や厚み及び粒子状脱臭剤及び触
媒物質担持粒子状脱臭剤の粒度をコントロールする事に
より圧力損失や脱臭性能を任意に調整する事が出来る。
【0026】[実施例11〜13・比較例4]実施例1
1〜13・比較例4は、請求項4記載の脱臭フィルター
であり、フィルター母材としては(株)ブリヂストン製
エバーライトSF、セル10PPI、250mm×25
0mm、厚み5t を用いた。まず、実施例1に記載の触
媒物質担持天然ゼオライトと北越炭素工業(株)製椰子
殻活性炭Y−300Cを表7の割合で混合させ水に分散
させた後、日本合成ゴム(株)製アクリル系ラテックス
AE−932と混練し固形分45%のスラリーを作成し
た。この時のラテックスと触媒物質担持天然ゼオライト
の混合割合は乾燥重量対比で5(混合粉体):1(ラテ
ックス)とした。なお、比較例4は活性炭のみの場合を
示す。
【0027】表7より、触媒物質担持天然ゼオライトの
混合割合を増すにつれトリメチルアミンやメチルメルカ
プタンの脱臭性能は向上するが、同時に活性炭の混合割
合が低下する為ベンゼンの様な物理的吸着に依存するガ
ス成分については反対に低下する傾向がある。従って前
記の請求項3記載の脱臭フィルターと同様、触媒物質担
持天然ゼオライトと活性炭の混合割合を任意の割合に混
合することにより目的に応じた脱臭フィルターを低圧損
で提供できる特徴を有する。
【0028】
【発明の効果】請求項記載の脱臭フィルターの製造方
法により得た脱臭フィルターは粒子状脱臭剤と触媒物質
担持無機多孔質系粒子体を併用付着する事によりその相
乗効果により広範な臭気に対し優れた脱臭性能を示す脱
臭フィルターを提供する事が出来る。請求項記載の脱
臭フィルターの製造方法により得た脱臭フィルターは粒
子状脱臭剤と触媒物質担持無機多孔質系粒子体の混合割
合を任意に変化させる事により用途に応じた脱臭フィル
ターを提供する事が出来る。請求項記載の脱臭フィル
ターの製造方法により得た脱臭フィルターは含浸タイプ
であるため請求項及び請求項記載の脱臭フィルター
の製造方法により得た脱臭フィルターに比べ脱臭性能は
劣るものの圧力損失的に厳しい用途に対しては低圧力損
失でかつ請求項記載の脱臭フィルターの製造方法によ
り得た脱臭フィルターと同様粒子状脱臭剤と触媒物質担
持無機多孔質系粒子体の混合割合を任意に変化させる事
により用途に応じた脱臭フィルターを提供する事が出来
る。
【0029】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜記載の脱臭性能を有する触媒物質
を無機多孔質系粒子体に担持加工するにあたり当該加工
品の最適品の評価の為、実際に脱臭性能の測定を常温及
び200℃加熱時で行なう為の評価試験機の該略図であ
る。
【図2】請求項1〜記載の脱臭フィルターの常温にお
ける脱臭性能を測定する為の評価試験機の概略図であ
る。
【図3】請求項に基づく実施例5〜7記載の脱臭フィ
ルターに関する該略図である。
【図4】請求項に基づく実施例8〜10記載の脱臭フ
ィルターに関する該略図である。
【図5】請求項に基づく実施例11〜13記載の脱臭
フィルターに関する該略図である。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)粒子状脱臭剤と(2)無機多孔質
    系粒子体に脱臭性能を有する触媒物質を担持加工させた
    ものをバインダーを用いてフィルター材に付着せしめ
    (1)と(2)を併用付着させることを特徴とする脱臭
    フィルター。
  2. 【請求項2】 前記(1)粒子状脱臭剤の平均粒径が1
    0〜300メッシュ(2500〜85μm)であり、前
    記無機多孔質系粒子体の平均粒径が2500〜1.0μ
    mである請求項1記載の脱臭フィルター。
  3. 【請求項3】 前記無機多孔質系粒子体が、多孔質構造
    を有するゼオライト又はアルミナであり、前記脱臭性能
    を有する触媒物質が酸化マンガン系触媒である請求項1
    又は2記載の脱臭フィルター。
  4. 【請求項4】 前記フィルター材が三次元網状骨格構造
    を有するポリウレタンフォーム、樹脂ネット体、又は不
    織布であり、前記バインダーが水系エマルジョンである
    請求項1,2又は3記載の脱臭フィルター。
  5. 【請求項5】 (1)粒子状脱臭剤と(2)無機多孔質
    系粒子体に脱臭性能を有する触媒物質を担持加工させた
    ものをバインダーを用いてフィルター材に付着せしめ、
    (1)と(2)を併用付着させた脱臭フィルターの製造
    方法であって、 あらかじめ(2)無機多孔質系粒子体に脱臭性能を有す
    る触媒物質を担持加工せしめたものをバインダーに添加
    ・分散したうえフィルター材に含浸・乾燥させ、本バイ
    ンダーのタック力を利用し、更に当該フィルター材に粒
    子状脱臭剤を後付着せしめフィルター材の表面及び内部
    にこの粒子状脱臭剤が接触して固着され残部が露出した
    ことを特徴とする脱臭フィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 (1)粒子状脱臭剤と(2)無機多孔質
    系粒子体に脱臭性能を有する触媒物質を担持加工させた
    ものをバインダーを用いてフィルター材に付着せしめ、
    (1)と(2)を併用付着させた脱臭フィルターの製造
    方法であって、 あらかじめフィルター材にバインダーを含浸・乾燥せし
    め粒子状脱臭剤及び無機多孔質系粒子体に脱臭性能を有
    する触媒物質を担持加工したものを付着せしめフィルタ
    ー材の表面及び内部にこれらの触媒物質担持加工品が接
    触して固着され残部が露出したことを特徴とする脱臭フ
    ィルターの製造方法。
  7. 【請求項7】 (1)粒子状脱臭剤と(2)無機多孔質
    系粒子体に脱臭性能を有する触媒物質を担持加工させた
    ものをバインダーを用いてフィルター材に付着せしめ、
    (1)と(2)を併用付着させた脱臭フィルターの製造
    方法であって、 無機多孔質系粒子体に脱臭性能を有する触媒物質を担持
    加工せしめたものと粒子状脱臭剤の混合品をバインダー
    に添加・分散したうえフィルター材に含浸・乾燥させる
    ことを特徴とする脱臭フィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記(1)粒子状脱臭剤の平均粒径が1
    0〜300メッシュ(2500〜85μm)であり、前
    記無機多孔質系粒子体の平均粒径が2500〜1.0μ
    mである請求項5,6又は7記載の脱臭フィルターの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記(2)無機多孔質系粒子体に脱臭性
    能を有する触媒物質を担持加工させたものが、前記無機
    多孔質系粒子体に、脱臭性能を有する触媒物質を10
    0:1〜100:10(重量部)の割合で水中に分散さ
    せ、十分浸漬させた後、遠心分離、または減圧吸引濾過
    法にて脱水、洗浄を繰返し触媒物質が容易に水中に解け
    出すことのないように処理を施したものである請求項
    乃至のいずれか1項に記載の脱臭フィルターの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記無機多孔質系粒子体が、多孔質構
    造を有するゼオライト又はアルミナであり、前記脱臭性
    能を有する触媒物質が酸化マンガン系触媒である請求項
    乃至のいずれか1項に記載の脱臭フィルターの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記フィルター材が三次元網状骨格構
    造を有するポリウレタンフォーム、樹脂ネット体、又は
    不織布であり、前記バインダーが水系エマルジョンであ
    る請求項乃至10のいずれか1項に記載の脱臭フィル
    ターの製造方法。
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