JP3502279B2 - 傾斜組成硬化被膜層が形成された被覆物品及びその製造方法 - Google Patents

傾斜組成硬化被膜層が形成された被覆物品及びその製造方法

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JP3502279B2 JP30714098A JP30714098A JP3502279B2 JP 3502279 B2 JP3502279 B2 JP 3502279B2 JP 30714098 A JP30714098 A JP 30714098A JP 30714098 A JP30714098 A JP 30714098A JP 3502279 B2 JP3502279 B2 JP 3502279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面に、耐摩
耗性、耐熱性、耐薬品性、耐久性、耐候性及び基材との
密着性に優れた硬化被膜を形成した被覆物品、及び、そ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コート材、成形体などの主成分
材料、又はフィラーとして用いられる無機材料は、高硬
度、高耐熱性などの特徴を持つが、液相もしくは溶液か
ら迅速に緻密な固相を形成するには加熱焼成を必要とす
る。また、これらの無機材料は、有機溶媒や有機物相と
の親和性が良くない。一方、有機材料は、可撓性や常温
での迅速な成膜性などの特徴を持つが、硬度や耐熱性が
劣る。
【0003】このため、従来より、無機材料と有機材料
の特徴を併せ持ち、しかも上記の欠点を改善した無機−
有機ハイブリッド材料が開発され、また室温付近の温度
で迅速に製造できる有効な製造方法の開発が望まれてい
る。
【0004】例えば、特開平1−108272号公報に
は、無機−有機ハイブリッド塗料が開示されている。こ
の塗料は、エポキシシランの部分加水分解物とカルボニ
ル基含有化合物と非シラン系ベースの脂肪族ポリアミン
との反応生成物からなる耐摩耗性コーティング材料であ
る。しかし、この塗膜中の無機構造は、有機ポリマーに
導入された一部分に限られ、しかも室温付近での有機反
応による塗膜形成中に無機構造部分が成長したり成膜し
たりすることがないので、無機材料の特徴を十分に発現
させることができず、有機ポリマーに比べて物性等の飛
躍的な向上は望めない。
【0005】そこで、本出願人は、少なくともアルコキ
シ基と有機基とを有するオルガノアルコキシシランのア
ルコキシ基の加水分解・脱水縮合により形成された4面
体構造層と、Mg、Al、Ni、Co、Cu、Mn、F
e、Li、V及びZrからなる群より選ばれる少なくと
も1種の金属を中心原子とする8面体構造層からなる結
晶性の積層構造体フィラー、分子内に少なくとも1個の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、及び活
性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤からなる被覆
材組成物及びそれを用いた耐摩耗性物品の製造方法につ
いて出願した(特開平8−12899号公報)。この被
覆材組成物によれば、無機部と有機部とが強固な結合を
し、堅牢で緻密な固相を形成した重合体被膜を形成で
き、かつ無機部と有機部との比率を容易に制御できると
いう特徴から、優れた耐摩耗性物品を提供できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した被
覆材組成物を用いて表面を被覆した耐摩耗性物品におい
て、耐摩耗性を無機材料と同レベルまでに高め、しかも
耐久性、耐候性等を更に向上すべくなされたものであ
る。
【0007】すなわち本発明の目的は、基材の表面上
に、無機材料と同等の耐摩耗性を有し、耐擦傷性、耐熱
性、耐薬品性、耐久性、耐候性及び基材との密着性に優
れた硬化被膜を形成した被覆物品、及び無機部と有機部
との比率を容易に制御でき、上述の各特性に優れた被覆
物品を容易に製造できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、基材の表面上に、特定
のハイブリッド層状高分子材料構造体等を用いて高度な
耐摩耗性を有する硬化被膜を形成するに際し、被覆材組
成物を塗布した後、所定時間加熱処理することによっ
て、ハイブリッド層状高分子材料構造体と有機材料との
組成比が基材面側と大気側との間で連続的又は層状に変
化している傾斜組成硬化被膜層を形成することにより、
耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、耐久性、耐候性等に優れ
た被覆物品が得られることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0009】すなわち、本発明の被覆物品は、基材の表
面上に、(A)分子内にアルコキシ基と有機基とを有す
るオルガノアルコキシシランのアルコキシ基の加水分解
・脱水縮合により形成された有機構造層と、Mg、A
l、Ni、Co、Cu、Mn、Fe、Li、V、Zr、
Ca、Y、Ga、In、Tl、Sb、Rh、Ru、P
d、Sn、Zn、Pb及びCeから成る群より選ばれる
少なくとも1種の金属を中心とする無機結晶構造とが互
いに共有結合により層状に結合されているハイブリッド
層状高分子材料構造体5〜95重量部、及び(B)分子
内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を
有する化合物95〜5重量部を含んで成る被覆材組成物
の硬化被膜層を有し、かつ前記硬化被膜層は、層中の
(A)成分と(B)成分との組成比が前記基材面側と大
気側との間で連続的又は層状に変化している傾斜組成硬
化被膜層であることを特徴とする被覆物品である。
【0010】また、本発明の被覆物品の製造方法は、基
材の表面上に、(A)分子内にアルコキシ基と有機基と
を有するオルガノアルコキシシランのアルコキシ基の加
水分解・脱水縮合により形成された有機構造層と、M
g、Al、Ni、Co、Cu、Mn、Fe、Li、V、
Zr、Ca、Y、Ga、In、Tl、Sb、Rh、R
u、Pd、Sn、Zn、Pb及びCeから成る群より選
ばれる少なくとも1種の金属を中心とする無機結晶構造
とが互いに共有結合により層状に結合されているハイブ
リッド層状高分子材料構造体5〜95重量部、(B)分
子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基
を有する化合物95〜5重量部[(A)成分及び(B)
成分の合計量を100重量部とする。]、及び(C)活
性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤0.1〜10
重量部を含んで成る被覆材組成物を塗布する工程と、前
記被覆材組成物の塗布膜に加熱処理を施すことにより、
該塗布膜中の(A)成分と(B)成分との組成比を前記
基材面側と大気側との間で連続的又は層状に変化させる
工程と、前記加熱処理後の塗布膜に活性エネルギー線を
照射することにより、層中の(A)成分と(B)成分と
の組成比が前記基材面側と大気側との間で連続的又は層
状に変化している傾斜組成硬化被膜層を形成する工程と
を有することを特徴とする被覆物品の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0012】[(A)成分について](A)成分は、分
子内にアルコキシ基と有機基とを有するオルガノアルコ
キシシランのアルコキシ基の加水分解・脱水縮合により
形成された有機構造層と、Mg、Al、Ni、Co、C
u、Mn、Fe、Li、V、Zr、Ca、Y、Ga、I
n、Tl、Sb、Rh、Ru、Pd、Sn、Zn、Pb
及びCeから成る群より選ばれる少なくとも1種の金属
を中心とする無機結晶構造とが互いに共有結合により層
状に結合されているハイブリッド層状高分子材料構造体
である。
【0013】この(A)成分は、(a−i)分子内にア
ルコキシ基と、ラジカル重合可能な官能基を含む有機基
とを有するオルガノアルコキシシラン、(a−ii)M
g、Al、Ni、Co、Cu、Mn、Fe、Li、V、
Zr、Ca、Y、Ga、In、Tl、Sb、Rh、R
u、Pd、Sn、Zn、Pb及びCeから成る群より選
ばれる少なくとも1種の金属の無機塩、有機塩、又はア
ルコキシド、必要に応じて(a−iii)分子内にアルコ
キシ基を有し、ラジカル重合可能な官能基を有し ない
アルコキシシラン、及び、必要に応じて(a−iv)極性
溶媒の存在下における反応により得られた構造体である
ことが好ましい。
【0014】例えば、(a−i)成分、(a−ii)成
分、及び必要に応じて(a−iii)成分を、(a−iv)
成分である極性溶媒中に溶解又は分散させて、pHを弱
アルカリ性に調整する。これにより、金属を中心原子と
する無機結晶構造層が先行して成長しつつ、これに追従
して(a−i)成分であるオルガノアルコキシシランの
ケイ素が、アルコキシ基の加水分解後の脱水縮合により
無機結晶構造層に結合し、このケイ素を中心に有機構造
層が成長するものと推測される。
【0015】なお、(a−iii)成分であるアルコキシ
シランも、(a−i)成分であるオルガノアルコキシシ
ランと同様にしてハイブリッド層状高分子材料構造体に
組み込まれる。したがって、(a−iii)成分であるラ
ジカル重合可能な有機基を有さないアルコキシシラン
を、(a−i)成分に対して所望の比率で併用すること
により、(A)成分であるハイブリッド層状高分子材料
構造体中のラジカル重合可能な官能基の割合を調整でき
る。
【0016】(a−i)成分は、分子内にアルコキシ基
と、ラジカル重合可能な官能基を含む有機基とを有する
オルガノアルコキシシランである。この(a−i)成分
は、ハイブリッド層状高分子材料構造体に有機基を供給
するために用いられ、アルコキシ基と有機基と数の比
が、アルコキシ基/有機基=3/1の比率から、アルコ
キシ基/有機基=1/3の比率のものまで用いることが
できる。
【0017】(a−i)成分の具体例としては、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキ
シシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルト
リエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
4−ビニルブチルトリメトキシシラン、8−ビニルオク
チルトリメトキシシラン、3−ビニルオキシプロピルト
リメトキシシラン、スチリルシランなどが挙げられる。
これらの単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
【0018】(a−i)成分の使用量は、(a−i)〜
(a−iii)成分の合計100重量部中、10〜99重
量部が好ましい。(a−i)成分の使用量を10重量部
以上にすれば、(A)成分中にケイ素と共に導入される
有機部が多くなり、他の有機相に対する膨潤性と相溶性
が良好となる。また、99重量部以下にすれば、無機結
晶部を形成する金属原子を相対的に多くでき、(A)成
分であるハイブリッド層状高分子材料構造体の形成が容
易になる。(a−i)成分の使用量は、さらに30〜7
0重量部が好ましい。
【0019】(a−ii)成分は、Mg、Al、Ni、C
o、Cu、Mn、Fe、Li、V、Zr、Ca、Y、G
a、In、Tl、Sb、Rh、Ru、Pd、Sn、Z
n、Pb及びCeから成る群より選ばれる少なくとも1
種の金属の無機塩、有機塩、又はアルコキシドである。
この(a−ii)成分は、(A)成分であるハイブリッド
層状高分子材料構造体の無機結晶層の中心原子を供給す
るために用いられる。
【0020】(a−ii)成分において、金属と塩を形成
すべき無機塩、有機塩、アルコキシドの種類は特に限定
されない。なお(A)成分の合成する反応過程におい
て、(a−ii)成分中の金属の一部は、有機結合層の中
心原子であるケイ素と置換する場合がある。
【0021】(a−ii)成分の使用量は、(a−i)〜
(a−iii)成分の合計100重量部中、1〜80重量
部が好ましい。(a−ii)成分の使用量を1重量部以上
にすれば、(A)成分であるハイブリッド層状高分子材
料構造体の無機結晶部の構追規則性が良好となる。ま
た、80重量部以下にすれば、無機結晶部を構成する金
属原子に対して、ケイ素とともに導入される有機部が多
くなり、これにより他の有機相に対する膨潤性や相溶性
が良好となり、被覆材として塗布することが容易とな
る。(a−ii)成分の使用量は、さらに10〜60重量
部が好ましい。
【0022】(a−iii)成分は、分子内にアルコキシ
基を有し、ラジカル重合可能な官能基を有しないアルコ
キシシランである。この(a−iii)成分は、ハイブリ
ッド層状高分子材料構造体中のラジカル重合可能な官能
基の含有量を調整するために、必要に応じて(a−i)
成分であるオルガノアルコキシシランと併用される。こ
の(a−iii)成分としては、アルコキシ基を1個有す
るものから、4個有するものまで使用できる。
【0023】なお、(a−iii)成分として、テトラメ
チルオルソシリケート(テトラメトキシシラン)等のア
ルコキシ基を4個有するもの、すなわち有機基を有しな
いものを用いる場合は、これを(a−i)成分に対して
所望の比率で併用することにより、ハイブリッド層状高
分子材料構造体中の有機基の割合も調整できる。(a−
iii)成分の使用量は、(a−i)〜(a−iii)成分の
合計100重量部中、0〜70重量部が好ましい。
【0024】(a−iii)成分の具体例としては、テト
ラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケ
ート、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキ
シシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリ
メトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシル
トリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラ
ン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシランなどが挙げられる。
【0025】(a−iv)成分は、無機系又は有機系の極
性溶媒であり、例えば、水、アルコール、アセトン、有
機酸、無機酸などの溶媒の1種類、又はこれらの2種類
以上の混合溶媒が使用できる。(a−iv)成分の使用量
は、(a−i)〜(a−iii)成分の合計100重量部
に対して、0〜2000重量部が好ましい。
【0026】先に述べたように、(A)成分は、例えば
(a−i)成分、(a−ii)成分、及び必要に応じて
(a−iii)成分を、(a−iv)成分である極性溶媒中
に溶解又は分散させて、pHを弱アルカリ性に調整する
ことにより合成できる。すなわち、(a−i)成分、
(a−ii)成分、及び(a−iii)成分は、(a−iv)
成分である溶媒に必ずしも完全に溶解する必要はなく、
ある程度の分散状態であっても足りる。
【0027】ここで、弱アルカリ性のpHは、ハイブリ
ッド層状高分子材料構造体としての結晶化、すなわちゲ
ル化が希望する程度以上の速度で起こり、かつ有機基が
損なわれない程度であればよく、原料成分の種類などに
応じて適宜決定すればよい。通常はpH8〜10程度で
ある。このpH調整は、溶解液又は分散液にアルカリ成
分を添加することにより行えばよく、アルカリ成分の種
類に制限は無い。
【0028】また、この(A)成分を合成する反応(ゲ
ル化プロセス)は、室温程度の温度でも十分に起こる
が、有機基が損なわれない程度のある程度高い温度条件
下でゲル化させてもよい。このゲル化プロセスは、原料
系の選択や反応条件次第で直ちに完了する場合もあり、
ある程度(例えば1〜2日間程度)のエージングを要す
る場合もある。得られた結晶状のハイブリッド層状高分
子材料構造体は、一旦溶媒を排除して乾燥粉末として回
収してもよく、ゲル状のままで用いてもよい。
【0029】以上の様にして得られる(A)成分として
のハイブリッド層状高分子材料構造体の使用量は、
(A)成分及び(B)成分の合計100重量部中、5〜
95重量部である。(A)成分の使用量が5重量部未満
では、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られず、9
5重量部を越えると、硬化被膜にクラックが生じ易くな
り、耐熱性や耐久性が不足する。(A)成分の使用量
は、さらに5〜70重量部が好ましく、10〜60重量
部が特に好ましい。
【0030】[(B)成分について](B)成分は、分
子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基
を有する化合物である。この(B)成分は、(A)成分
であるハイブリッド層状高分子材料構造体のバインダー
成分として用いられ、被膜層の耐久性、耐熱性等を向上
させる。
【0031】(B)成分としては、例えば、脂肪族、脂
環族又は芳香族のモノ又はポリアルコールのモノ又はポ
リ(メタ)アクリレートや、脂肪族、脂環族又は芳香族
のウレタンポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ
(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。なお、本発明において「(メ
タ)アクリレート」とは、「アクリレート及び/又はメ
タクリレート」を示す。これらの具体例としては、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、無水
フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
との付加物などのモノ(メタ)アクリレート化合物;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−
ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレー
ト、ポリブチレングリコール(n=2〜15)ジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、トリメチロールプロパンジ(メタ)アク
リレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレートなどのジ
(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メ
タ)アクリレート化合物;ビスフェノールA型ジエポキ
シと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メ
タ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させ
たウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールエタンとコハク酸及び(メ
タ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンとコハク酸、エチ
レングリコール、及び(メタ)アクリル酸とを反応させ
たポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。なお(B)成分として、
架橋反応可能な成分、すなわち分子内に2個以上の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を少なくとも
一部に用いることにより、架橋した硬化被膜層を形成す
ることが好ましい。
【0032】(B)成分の使用量は、(A)成分及び
(B)成分の合計100重量部中、95〜5重量部であ
る。(B)成分の使用量が5重量部未満では、十分な耐
久性及び耐熱性を有する硬化被膜が得られず、95重量
部を越えると耐摩耗性が低下する。さらに95〜30重
量部が好ましく、90〜40重量部が特に好ましい。
【0033】[(C)成分について](C)成分は、活
性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤であり、被覆
材組成物に添加し、それらを重合硬化させる成分であ
る。一般に、活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始
剤は、ラジカル発生速度が速く、また低温でもラジカル
が発生するので、各種耐摩耗性物品を生産性よく製造で
きる。
【0034】(C)成分の具体例としては、ベンゾイ
ン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェ
ニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェ
ノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリ
オキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オンなどの紫外線感応性カルボニル
化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフイドなどの硫黄化合物;2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
サイドなどのアシルフォスフィンオキサイド;カンファ
ーキノンなどの紫外線、あるいは可視光線感応性のラジ
カル重合開始剤を挙げることができる。
【0035】(C)成分の使用量は、(A)成分及び
(B)成分の合計100重量部に対して、0.1〜10
重量部が好ましい。この(C)成分の使用量を0.1重
量部以上とすれば、被覆組成物の硬化性が良好となる。
また、10重量部以下とすれば、被覆硬化膜の黄変が生
じ難く、またコストの面からも好ましい。この(C)成
分の使用量は、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0036】本発明においては、以上説明した(A)成
分〜(C)成分を、被覆材組成物の構成成分として用い
るが、これら以外にも、例えば、被覆材組成物を塗布す
る際に、その液粘度を調整する目的で有機溶剤、及びこ
れらの混合物であるシンナーを使用してもよい。この場
合、(A)成分〜(C)成分は、必ずしも有機溶剤に完
全に溶解する必要はなく、ある程度の分散状態であって
もよい。
【0037】また、被覆材組成物を塗布する際には、ハ
ケ塗り、スプレー法、ディッピング法、スピン法、フロ
ー法などが用いられるが、各々の方法に適した液粘度に
適宜調整すればよい。
【0038】この有機溶剤の具体例としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール、メトシキブタノール、メトキシプロパ
ノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸ジエチレングリコールなどのエステル系溶
剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン系溶剤;トルエン、キシレンなどの
芳香族系溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルス
ピリットなどの炭化水素系溶剤;などが挙げられる。こ
れらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいが、通常、2
種以上を混合して用いることが好ましい。
【0039】有機溶剤の使用量は、(A)成分〜(C)
成分の合計100重量部に対して、0〜1000重量部
が好ましく、10〜800重量部がより好ましい。
【0040】また本発明において、被覆材組成物には、
以上説明した各成分以外にも、さらに必要に応じて、酸
化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング
剤、顔料、レベリング剤、沈降防止剤、消泡剤、増粘
剤、帯電防止剤、防曇剤など、各種の添加剤を使用して
もよい。
【0041】本発明の傾斜組成被膜を有する被覆物品を
製造する際には、例えば、熱可塑性プラスチック、木
材、紙又は金属等の基材の表面に(A)成分、(B)成
分、(C)成分、及び必要に応じて有機溶剤等からなる
被覆材組成物を塗布し、この塗膜に加熱処理を施し、次
いで活性エネルギー線の照射によりラジカル重合させ
て、耐摩耗性の傾斜組成硬化被膜層を形成する。
【0042】ここで、硬化被膜層中の(A)成分と
(B)成分との組成比を基材面側と大気側との間で連続
的又は層状に変化させるには、塗布後の加熱処理条件が
重要である。この加熱処理方法としては、温熱風又は赤
外線あるいはこれらの組み合わせによる熱源を用いるの
が好ましく、基材表面温度が30℃〜150℃となるよ
うに加熱することが好ましい。この加熱時間は通常は5
秒間〜1時間、好ましくは10秒〜30分間であり、そ
の雰囲気は空気、あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガ
ス中でもよい。その基材がプラスチック基材等の場合
は、その変形を招かないように、基材表面温度がガラス
転移温度を越えないように加熱すればよい。
【0043】この加熱処理を行うことで、塗付された被
覆材組成物中の(A)成分と(B)成分との組成比が基
材面側と大気側との間で連続的又は層状に変化した傾斜
組成となる。具体的には、層の基材面側では(A)成分
の割合が少なく、大気側では(A)成分の割合が多い組
成になる。
【0044】加熱処理温度が高い程、又は加熱時間が長
い程、耐摩耗性発現成分である(A)成分が大気側表面
側に多く存在する傾斜組成となり、硬化被膜層自体の耐
摩耗性が向上する。
【0045】ただし、耐摩耗性が向上する反面、耐熱性
や耐候性、耐久性は低下するので、両者の特性を考慮す
ると、基材表面温度が50℃〜130℃の範囲となる加
熱処理条件を選ぶことが特に好ましく、さらに好ましい
のは60℃〜120℃の範囲である。
【0046】なお、この硬化被膜層の傾斜組成は、例え
ば X線光電子スペクトロメーターを用いてシリコン濃
度[シリコンは(A)成分の構成元素]を測定すること
により分析可能である。
【0047】この加熱処理は、同時に、塗布された塗料
組成物中の有機溶剤の除去、基材への密着性の向上など
の作用も奏し得る。
【0048】この硬化被膜層の膜厚は、1〜500μm
が好ましく、3〜100μmがより好ましい。加熱処理
後の活性エネルギー線の照射には、例えば、化学反応用
ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドラン
プ、フュージョンランプ、太陽光などの光源を用いるこ
とができる。これらの光源からの波長が200〜600
nmである活性エネルギー線を100〜5000mJ/
cm2となるように照射する。照射する雰囲気は、空気
でもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中でもよ
い。
【0049】本発明の傾斜組成被膜を適用できる基材
は、特に限定されない。その具体例としては、メタクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂ポリ
スチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのプラ
スチック基材;各種無垢木材、合板、ラワン板などの木
質基材;鉄板、ステンレス板、アルミニウム板、銅板な
どの金属基材;ガラス板、陶器、セラミックスなどの無
機質基材;又は紙基材;などが挙げられる。
【0050】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
を更に詳しく説明する。なお、例中の「部」は「重量
部」を示す。
【0051】<ハイブリッド層状高分子(A−1)の合
成>1Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlに水38
00mlを加えて希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(x
液)を調製した。これとは別に、メタノール1000m
lに、(a−i)成分として3−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン49.6部、及び(a−i
i)成分として塩化マグネシウム6水和物20.3部を加
え、よく撹拌してy液を調製した。このy液を撹拌しな
がらx液を添加混合することによって pHを弱アルカ
リ性に調整し、ゲル状のハイブリッド層状高分子を合成
した。このゲル化物を濾過、水洗、真空乾燥して、白色
の粉末状ハイブリッド層状高分子(A−1)を得た。
【0052】<ハイブリッド層状高分子(A−2)の合
成>1Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlに水38
00mlを加えて希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(x
液)を調製した。これとは別に、メタノール1000m
lに、(a−i)成分として3−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン33.0部、及び(a−i
i)成分として塩化ニッケル6水和物23.8部を加え、
よく撹拌してy液を調製した。このy液を撹拌しながら
x液を添加混合混合することによって pHを弱アルカ
リ性に調整し、ゲル状のハイブリッド層状高分子を合成
した。このゲル化物を濾過、水洗、真空乾燥して、緑色
の粉末状ハイブリッド層状高分子(A−2)を得た。
【0053】<ハイブリッド層状高分子(A−3)の合
成>1Nの水酸化ナトリウム水溶液300mlに水37
00mlを加えて希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(x
液)を調製した。これとは別に、メタノール1000m
lに、(a−i)成分として3−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン49.6部、及び(a−i
i)成分として塩化セリウム7水和物37.3部を加え、
よく撹拌してy液を調製した。このy液を撹拌しながら
x液を添加混合することによって pHを弱アルカリ性
に調整し、ゲル状のハイブリッド層状高分子を合成し
た。このゲル化物を濾過、水洗、真空乾燥して、黄色の
粉末状ハイブリッド層状高分子(A−3)を得た。
【0054】<ハイブリッド層状高分子(A−4)の合
成>1Nの水酸化ナトリウム水溶液400mlに水36
00mlを加えて希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(x
液)を調製した。これとは別に、メタノール1000m
lに、(a−i)成分として3−アクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン49.6部、及び(a−ii)
成分として塩化スズ水和物46.7部を加え、よく撹拌
してy液を調製した。このy液を撹拌しながらx液を添
加混合することによって pHを弱アルカリ性に調整
し、ゲル状のハイブリッド層状高分子を合成した。この
ゲル化物を濾過、水洗、真空乾燥して、白色の粉末状ハ
イブリッド層状高分子(A−4)を得た。
【0055】<ハイブリッド層状高分子(A−5)の合
成>1Nの水酸化ナトリウム水溶液300mlに水37
00mlを加えて希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(x
液)を調製した。これとは別に、メタノール1500m
lとアセトン500mlの混合溶媒に、(a−i)成分
として3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン37.2部、(a−iii)成分としてデシルトリメ
トキシシラン12.4部、及び(a−ii)成分として塩
化アルミニウム6水和物24.1部を加え、よく撹拌し
てy液を調製した。このy液を撹拌しながらx液を添加
混合することによって pHを弱アルカリ性に調整し、
ゲル状のハイブリッド層状高分子を合成した。このゲル
化物を濾過、水洗、真空乾燥して、青色の粉末状ハイブ
リッド層状高分子(A−5)を得た。
【0056】[実施例1] <1.被覆材組成物の調製>(A)成分としてハイブリ
ッド層状高分子(A−1)45部、(B)成分として、
イソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート2.1モルからなるウレタンジアク
リレート15部及び1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート55部、(C)成分として1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン[商品名:イルガキュア18
4、チバガイギー社製]3部、及び、紫外線吸収剤とし
て2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−ベン
ゾトリアゾール[商品名:チヌビンP、チバガイギー社
製]8部、希釈有機溶剤としてn−ブタノール130部
及び2−メトキシプロパノール60部を攪件混合し、被
覆材組成物を得た。
【0057】<2.架橋硬化被膜層の形成>この被覆材
組成物を、基材のポリカーボネート樹脂板[PC、GE
社製の商品名レキサンLS−2(色調クリアー)を、射
出成形により100mm×100mm×3mm(厚さ)
の大きさに成形した板]に、ディップ法により塗布し
た。具体的には、被覆材組成物の液に基材を1分間浸漬
した後、0.5cm/sec.の定速で引き上げた。こ
の塗布板を、120℃の熱風乾燥機中に5分間放置し
て、基材表面温度を95℃とした後、高圧水銀灯(80
W/cm、2kW)を3本用いて、照射距離20cmで
コンベア速度2m/min.の条件で2500ml/c
2の紫外線エネルギーを 照射した。
【0058】<3.耐摩耗性物品の評価>この耐摩耗性
ポリカーボネート樹脂板の被膜の膜厚は、約5μmであ
った。この耐摩耗性ポリカーボネート樹脂板について、
次のような方法で、その性能(1)〜(6)を評価し
た。
【0059】(1)透明性 ASTM D−1033に準拠して曇価(ヘイズ)を測
定した。
【0060】(2)耐摩耗性(テーバー摩耗性) ASTM D−1044に従って評価した。具体的に
は、テーバー摩耗輪としてCS−10Fを用いて、各々
の輪に荷重500gをかけて500回転摩耗した後、摩
耗部分の曇価(ヘイズ)を測定した。耐摩耗性は、摩耗
後のへイズから摩耗前のへイズを引いた値で示した。
【0061】(3)密着性 被覆被膜面にカミソリで縦、横それぞれ11本の基材に
達する傷を1.5mm間隔で入れ100個のます目を作
り、セロハンテープ(幅25mm、ニチバン製)をこの
上に密着させて急激に剥した後、剥がれなかったます目
を数えた。
【0062】(4)耐熱水性 耐摩耗性ポリカーボネート樹脂板を、80℃の熱水に2
時間浸漬し、室温で1時間放置後、外観変化と密着性を
評価した。密着性の評価は、上記(3)の方法によって
行った。
【0063】(5)耐薬品性 耐摩耗性ポリカーボネート樹脂板に、アセトン、トルエ
ン、5%NaOH水溶液、5%硫酸水溶液をスポット
(径8〜10mm)し、室温で24時間放置後の変化を
目視観察した。
【0064】(6)耐候性 耐摩耗性ポリカーボネート樹脂板を、カーボンアークウ
エザーメーター[スガ試験器製WEL−SUN、試験条
件:ブラックパネル温度63℃、12分間照射降雨、4
8分間照射の繰り返しサイクル]にて2000時間曝露
し、外観変化と密着性を評価した。
【0065】これら性能(1)〜(6)の評価結果を表
2に示す。
【0066】さらに、実施例1で得た耐摩耗性ポリカー
ボネート樹脂板の膜表面(空気界面側)近傍のシリコン
(Si)濃度をXPS(X線光電子スペクトロメータ
ー)にて分析を行った。その結果を表3に示す。表3に
示すように、表面近傍のSi濃度が高くなっており、膜
の表面(空気界面側)の(A)成分比率が多い傾斜組成
硬化被膜層が得られていることが確認できた。
【0067】[実施例2〜4]塗装後の加熱処理温度と
基材表面温度を、それぞれ下記のように変化させたこと
以外は、実施例1と同様にして耐摩耗性ポリカーボネー
ト樹脂板を得、同様に評価した。
【0068】実施例2:塗装後の加熱処理温度100
℃、基材表面温度86℃、 実施例3:塗装後の加熱処理温度80℃、基材表面温度
71℃、 実施例4:塗装後の加熱処理温度60℃、基材表面温度
55℃。
【0069】[実施例5〜6](A)〜(C)成分の量
を表1に示すように変化させたこと以外は、実施例1と
同様にして耐摩耗性ポリカーボネート樹脂板を得、同様
に評価した。
【0070】[実施例7]基材として、メタクリル樹脂
板[PMMA、三菱レイヨン(株)製の商品名アクリペ
ット(登録商標)VH001(色調クリアー)を、射出
成形により100mm×100mm×3mm(厚さ)の
大きさに成形した板]を用い、実施例1と同様にして被
覆材組成物をディップ法により塗布した。この塗布板
を、80℃の熱風乾燥機中に5分間放置した後、高圧水
銀灯(80W/cm、2kW)を3本用いて、照射距離
20cmでコンベア速度2m/min.の条件で700
mJ/cm2の紫外線エネルギーを照射した。得られた
耐摩耗性メタクリル樹脂板を、実施例1と同様に評価し
た。
【0071】[実施例8]希釈有機溶剤としてn−ブタ
ノール200部及び2−メトキシプロパノール100部
を用いたこと以外は実施例1と同様にして被覆材組成物
を得た。これをスプレー法により、基材のベニア塗装化
粧板[100mm×100mm×1mm(厚さ)]に塗
布し、60℃の熱風乾燥機中に15分間放置した後、高
圧水銀灯(80W/cm、2kW)を用いて、照射距離
20cmでコンベア速度2m/min.の条件で700
mJ/cm2の紫外線エネルギーを照射した。得られた
耐摩耗性化粧板を、実施例1と同様に評価した。ただ
し、評価項目の内、透明性、耐摩耗性(テーパー)に関
してはヘイズの測定が不可能なので、目視検査した。
【0072】[実施例9]実施例1の架橋硬化被膜層の
形成の条件において、塗布板を40℃の熱風乾燥機中に
3分間放置して、基材表面温度を34℃としたこと以外
は実施例1と同様にして、耐摩耗性ポリカーボネート樹
脂板を得、同様に評価した。さらに実施例1と同様にし
て、シリコン(Si)濃度分析も行った。
【0073】[比較例1]塗料組成物の塗布後の加熱処
理を行わず、室温(25℃)で15分間保持した後に紫
外線照射を行って硬化させたこと以外は、実施例1と同
様に耐摩耗性ポリカーボネート樹脂板を得、同様に評価
した。
【0074】さらに、この耐摩耗性ポリカーボネート樹
脂板の膜表面近傍のシリコン濃度を実施例1と同様に分
析した結果を表3に示す。表3に示すように、加熱処理
を行わない本比較例では傾斜組成は認められなかった。
【0075】[比較例2〜3](A)〜(C)成分の量
を表1に示すように変化させたこと以外は、実施例1と
同様にして耐摩耗性ポリカーボネート樹脂板を得、同様
に評価した。
【0076】[比較例4]実施例1で用いたポリカーボ
ネート樹脂板基材のみについて、実施例1と同様に評価
した。
【0077】[比較例5]実施例7で用いたメタクリル
樹脂板基材のみについて、実施例7と同様に評価した。
【0078】[比較例6]実施例8で用いたベニア塗装
化粧板基材のみについて、実施例8と同様に評価した。
【0079】以上の各実施例及び比較例の組成、膜厚等
を下記表1に、評価結果を下記表2及び表3にまとめて
示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被覆物品
は、基材の表面上に傾斜組成硬化被膜層が形成されてい
るので、従来なし得なかった高度な耐摩耗性を有し、耐
擦傷性、耐熱性、耐薬品性、耐久性、耐候性及び基材と
の密着性に優れている。
【0084】また、本発明の製造方法は、傾斜組成硬化
被膜層を容易に形成でき、無機部と有機部との比率を容
易に制御でき、上述の各特性に優れた耐摩耗性被覆物品
が容易に得られる方法である。
【0085】このような効果を有する故に、本発明は、
各種の基材、例えばプラスチック、金属、木材、紙など
の基材の表面特性を向上させるコーティング技術として
極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 283/12 C08F 283/12 C08J 7/04 C08J 7/04 M C09D 4/02 C09D 4/02 (73)特許権者 000003207 トヨタ自動車株式会社 愛知県豊田市トヨタ町1番地 (74)上記1名の代理人 100088328 弁理士 金田 暢之 (外2名) (72)発明者 福島 洋 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究 所内 (72)発明者 田村 操 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究 所内 (72)発明者 矢野 一久 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡本 一夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福嶋 喜章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 谷 昌明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鬼頭 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 永井 隆之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 水谷 克彌 愛知県名古屋市中村区名駅4−7−23 豊田ビル 豊田通商株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−268202(JP,A) 特開2000−336281(JP,A) 特開 平8−12899(JP,A) 特開 平10−180933(JP,A) 特開 平10−264291(JP,A) 特開 平6−25555(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 5/00 - 7/24 C08J 7/04 - 7/06 C09D 1/00 - 201/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面上に、(A)分子内にアルコ
    キシ基と有機基とを有するオルガノアルコキシシランの
    アルコキシ基の加水分解・脱水縮合により形成された有
    機構造層と、Mg、Al、Ni、Co、Cu、Mn、F
    e、Li、V、Zr、Ca、Y、Ga、In、Tl、S
    b、Rh、Ru、Pd、Sn、Zn、Pb及びCeから
    成る群より選ばれる少なくとも1種の金属を中心とする
    無機結晶構造とが互いに共有結合により層状に結合され
    ているハイブリッド層状高分子材料構造体5〜95重量
    部、及び(B)分子内に少なくとも1個の(メタ)アク
    リロイルオキシ基を有する化合物95〜5重量部を含ん
    で成る被覆材組成物の硬化被膜層を有し、 かつ前記硬化被膜層は、層中の(A)成分と(B)成分
    との組成比が前記基材面側と大気側との間で連続的又は
    層状に変化している傾斜組成硬化被膜層であることを特
    徴とする被覆物品。
  2. 【請求項2】 ハイブリッド層状高分子材料構造体
    (A)が、(a−i)分子内にアルコキシ基と、ラジカ
    ル重合可能な官能基を含む有機基とを有するオルガノア
    ルコキシシラン10〜99重量部、(a−ii)Mg、A
    l、Ni、Co、Cu、Mn、Fe、Li、V、Zr、
    Ca、Y、Ga、In、Tl、Sb、Rh、Ru、P
    d、Sn、Zn、Pb及びCeから成る群より選ばれる
    少なくとも1種の金属の無機塩、有機塩、又はアルコキ
    シド1〜80重量部、(a−iii)分子内にアルコキシ
    基を有し、ラジカル重合可能な官能基を有しないアルコ
    キシシラン0〜70重量部[(a−i)〜(a−iii)
    成分の合計量を100重量部とする。]、及び、(a−
    iv)極性溶媒0〜2000重量部の存在下における反応
    により得られた構造体である請求項1記載の被覆物品。
  3. 【請求項3】 硬化被覆層は、被覆材組成物を基材表面
    温度が30〜150℃となるように加熱して形成した層
    である請求項1記載の被覆物品。
  4. 【請求項4】 硬化被覆層は、被覆材組成物を基材表面
    温度が50〜150℃となるように加熱して形成した層
    である請求項1記載の被覆物品。
  5. 【請求項5】 基材の表面上に、(A)分子内にアルコ
    キシ基と有機基とを有するオルガノアルコキシシランの
    アルコキシ基の加水分解・脱水縮合により形成された有
    機構造層と、Mg、Al、Ni、Co、Cu、Mn、F
    e、Li、V、Zr、Ca、Y、Ga、In、Tl、S
    b、Rh、Ru、Pd、Sn、Zn、Pb及びCeから
    成る群より選ばれる少なくとも1種の金属を中心とする
    無機結晶構造とが互いに共有結合により層状に結合され
    ているハイブリッド層状高分子材料構造体5〜95重量
    部、(B)分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロ
    イルオキシ基を有する化合物95〜5重量部[(A)成
    分及び(B)成分の合計量を100重量部とする。]、
    及び(C)活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤
    0.1〜10重量部を含んで成る被覆材組成物を塗布す
    る工程と、 前記被覆材組成物の塗布膜に加熱処理を施すことによ
    り、該塗布膜中の(A)成分と(B)成分との組成比を
    前記基材面側と大気側との間で連続的又は層状に変化さ
    せる工程と、 前記加熱処理後の塗布膜に活性エネルギー線を照射する
    ことにより、層中の(A)成分と(B)成分との組成比
    が前記基材面側と大気側との間で連続的又は層状に変化
    している傾斜組成硬化被膜層を形成する工程とを有する
    ことを特徴とする被覆物品の製造方法。
  6. 【請求項6】 ハイブリッド層状高分子材料構造体
    (A)が、(a−i)分子内にアルコキシ基と、ラジカ
    ル重合可能な官能基を含む有機基とを有するオルガノア
    ルコキシシラン10〜99重量部、(a−ii)Mg、A
    l、Ni、Co、Cu、Mn、Fe、Li、V、Zr、
    Ca、Y、Ga、In、Tl、Sb、Rh、Ru、P
    d、Sn、Zn、Pb及びCeから成る群より選ばれる
    少なくとも1種の金属の無機塩、有機塩、又はアルコキ
    シド0〜70重量部、(a−iii)分子内にアルコキシ
    基を有し、ラジカル重合可能な官能基を有しないアルコ
    キシシラン0〜70重量部[(a−i)〜(a−iii)
    成分の合計量を100重量部とする。]、及び、(a−
    iv)極性溶媒0〜2000重量部の存在下における反応
    により得られた構造体である請求項5記載の被覆物品の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 被覆材組成物の塗布膜の加熱処理を、3
    0〜150℃の範囲で行う請求項5記載の被覆物品の製
    造方法。
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