JP3501319B2 - 波長固定装置、集光装置及び光ディスク装置 - Google Patents

波長固定装置、集光装置及び光ディスク装置

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JP3501319B2
JP3501319B2 JP25215095A JP25215095A JP3501319B2 JP 3501319 B2 JP3501319 B2 JP 3501319B2 JP 25215095 A JP25215095 A JP 25215095A JP 25215095 A JP25215095 A JP 25215095A JP 3501319 B2 JP3501319 B2 JP 3501319B2
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青児 西脇
潤一 麻田
圭一 松▲崎▼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体レーザーの
出力光の波長を固定するための波長固定装置、波長固定
装置を用いた集光装置及びこれらを用いて光ディスクの
信号を再生する光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、昭和61年電子通信学会、光・
電波部門全国大会、分冊2、194、p.23(198
6)やApplied Optics Vol.32,
No.12, PP2031−2038(1993)
等に記載された従来の回折格子を用いた波長固定装置に
ついて、その構成を示す断面図である図20を参照しつ
つ説明する。図20において、半導体レーザー1から出
射された光6は、焦点距離fのコリメーターレンズ2に
より平行光7となり、回折格子24に入射する。回折格
子24のグレーティングは紙面に直交する方向に配列さ
れている。回折格子24のグレーティングピッチをΛ、
回折格子面の法線25と光軸10のなす角をθとする
と、以下の(数6)で与えられる波長の光が、回折格子
により反射され、回折されて光源1側に帰還する。
【0003】
【数6】
【0004】半導体レーザー1の出力端面1aには、回
折格子24からの帰還光が入力しやすいようにARコー
ティングが施されている。光の帰還がない場合の半導体
レーザー1の波長(基準波長)をλ0とすると、λ、λ0
が次式の範囲にある時、帰還光により半導体レーザー1
の波長はλに固定され、半導体レーザー1の他方の端面
1bから放射される光26も波長が固定される。
【0005】
【数7】
【0006】上記(数7)の右辺の値の大きさは、端面
1aの反射率が小さいほど、また光源(半導体レーザ
ー)1と回折格子24の距離が小さいほど大きくなる。
波長λの光が正確に端面1aに帰還する場合を考える
と、波長λ+Δの光は回折格子24での回折角が変化す
るので、図20における破線6Sで示す如く帰還し、そ
の集光点が端面1aからずれる。半導体レーザー1の波
長がλに固定されることの強さは、端面1aへの帰還効
率(出射光量に対する帰還光量の比)に比例し、波長選
択性における分解能は、帰還光量が最適の状態の半分と
なるΔの値により表現しうる。従来の波長固定装置にお
ける分解能は近似的に以下の(数8)で与えられる。
【0007】
【数8】
【0008】従って、分解能を高める(Δを小さくす
る)には、コリメーターレンズ2の焦点距離fが長いこ
とが必要である。例えば、0.2nm以下の分解能を得
るためには、f=6mm以上のコリメーターレンズを用
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の波長固定装
置において、帰還光を正確に端面1aに入力させるため
に、コリメーターレンズ2とレーザー光源1とを3軸方
向及び2軸の回転方向に高精度に調整する必要があり、
回折格子24を例えば紙面に対して厳密に直交させる必
要がある。さらに、上記(数6)及び(数7)を満たす
ために、回折格子24の格子面の法線25と光軸10の
なす角θを精密に調整する必要がある。しかしながら、
これらの調整作業は容易でない。また、波長選択性にお
ける分解能を高めるためには、焦点距離fの大きなコリ
メーターレンズを用いなければならず、装置を小さくす
ることは困難であった。
【0010】本発明は上記従来例の問題点に鑑み、調整
が容易で波長選択性における高分解能を維持したまま、
小型化が可能な波長固定装置を提供し、合わせてこの波
長固定装置を用いた集光性能の良好な集光装置及び光デ
ィスク装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の波長固定装置は、レーザー光源と、入射面
が前記レーザー光源から出射されたレーザー光の光軸と
直交するように設けられた透明基板と、前記透明基板上
に形成された等価屈折率Nの導波層と、前記導波層の上
面又は下面に形成され前記光軸を中心とするピッチΛの
同心円状の周期構造を有する光結合手段とを具備し、前
記レーザー光は前記光結合手段により前記導波層内で周
期構造の中心から外周側及び外周側から中心に伝搬する
導波光を励起し、前記導波光の一部を前記導波層の前記
入射面に略直交する方向に放射し、放射光を前記レーザ
ー光源に帰還させることにより前記レーザー光の波長λ
をλ=NΛの大きさに固定するように構成されている。
【0012】上記構成において、前記レーザー光源と前
記導波層との間に前記レーザー光を集光し及び平行光に
する集光手段を配置し、前記レーザー光を略垂直に前記
導波層の入射面に入射させることが好ましい。
【0013】また、本発明の別の波長固定装置は、レー
ザー光源と、入射面が前記レーザー光源から出射されレ
ーザー光の光軸と直交するように設けられた透明基板
と、前記透明基板上に形成された導波層と、前記導波層
の上面又は下面に形成され前記光軸を中心とする同心円
状周期構造を有する光結合手段とを具備し、前記レーザ
ー光は前記光結合手段により前記導波層内で周期構造の
外周側から中心に伝搬する導波光を励起し、前記導波光
は中心を経て前記光結合手段により放射され、該放射光
が前記レーザー光源に帰還し、前記レーザー光の波長を
固定するように構成されている。
【0014】上記構成において、前記導波層の等価屈折
率N0、前記光結合手段のピッチΛ、前記光結合手段へ
の前記レーザー光の入射角をθ、前記透明基板の屈折率
をnとして、(数1)の条件を満足することが好まし
い。
【0015】また、 レーザー光源と、入射面が前記レ
ーザー光源から出射されレーザー光の光軸と直交するよ
うに設けられた透明基板と、前記透明基板上に形成され
た導波層と、前記導波層の上面又は下面に形成され前記
光軸を中心とする同心円状周期構造を有する光結合手段
とを具備し、前記光結合手段は、前記光軸からの半径r
0を境として外周側結合部及び内周側結合部に分割さ
れ、前記外周側結合部では周期構造の外周側から中心側
に伝搬する導波光が励起され、前記内周側結合部では周
期構造の中心側から外周側に伝搬する導波光が励起さ
れ、前記外周側結合部に入力し外周側から中心側に伝搬
する導波光は半径r0の境界線を越え前記内周側結合部
により放射され、該放射光が前記レーザー光源に帰還し
てレーザー光の波長を固定させることが好ましい。
【0016】また、前記導波層の等価屈折率N0、前記
光結合手段への前記レーザー光の入射角をθ、前記透明
基板の屈折率をnとして、前記光軸からの半径rの点に
おける前記光結合手段の周期構造のピッチΛが(数2)
の条件を満足することが好ましい。
【0017】また、前記外周側結合部は、前記内周側結
合部とは等価屈折率が異なり、前記内周側結合部では周
期構造の中心から外周側に伝搬する導波光が励起され、
前記外周側結合部では周期構造の外周側から中心側に伝
搬する導波光が励起され、前記外周側から中心側に伝搬
する導波光は前記内周側結合部から放射され、該放射光
が前記レーザー光源に帰還してレーザー光の波長を固定
させることが好ましい。
【0018】また、前記外周側結合部の最内周半径をr
0、最外周半径をr1として、半径(r0+r1)/2及び
半径rにおける前記光結合手段への前記導波光の入射角
をθ 1及びθ1、前記光結合手段の周期構造のピッチΛ、
半径rの点における前記導波層の等価屈折率N、前記透
明基板の屈折率をnとして、(数3)の条件を満足する
ことが好ましい。
【0019】また、前記導波層の半径r0からr1におけ
る輪帯領域での厚さが他の領域の厚さに比べて薄くなっ
ていることが好ましい。
【0020】また、本発明のさらに別の波長固定装置
は、レーザー光源と、前記レーザー光源から出射される
レーザー光の光軸と直交するように設けられた透明基板
と、前記透明基板上に形成された導波層と、前記導波層
の上面又は下面に形成され前記光軸を中心とする同心円
状周期構造を持つ第1の光結合手段と、前記導波層の上
面又は下面の前記第1の光結合手段を取り囲む領域に前
記光軸を中心とする同心円状周期構造を有する第2の光
結合手段とを具備し、前記レーザー光は前記第1の光結
合手段により周期構造の中心側から外周側に伝搬する第
1の導波光を励起し、前記第1の導波光は前記第2の光
結合手段により放射されて反射面上に集光され、前記反
射面により反射される光は前記第2の光結合手段により
周期構造の外周側から中心側に伝搬する第2の導波光を
励起し、前記第2の導波光が前記第1の光結合手段によ
り放射され、該放射光が前記レーザー光源に帰還し、前
記レーザー光の波長を固定するように構成されている。
【0021】上記構成において、前記導波層の等価屈折
率N0、前記第1の光結合手段のピッチΛ0、前記第1の
光結合手段のピッチΛ1、前記第2の光結合手段への前
記レーザー光の入射角をθ0、前記第2の光結合手段か
らの放射光の出射角をθ1、前記透明基板の屈折率をn
として、前記第1及び第2の光結合手段の周期構造のピ
ッチΛ0及びΛ1が(数4)の条件を満足することが好ま
しい。
【0022】また、前記第1の光結合手段と第2の光結
合手段の間において、前記透明基板に段差構造が設けら
れ、前記段差構造により前記導波層が折り曲げられる段
差部を形成し、前記導波光が前記段差部を通過すること
により前記段差構造により導波モードが変化することが
好ましい。
【0023】また、前記段差部を通過する前の導波光に
対する等価屈折率をN0、前記段差部を通過した後の導
波光に対する等価屈折率をN1、前記第1の光結合手段
への前記レーザー光の入射角をθ0、前記第2の光結合
手段からの放射光の出射角をθ1、前記透明基板の屈折
率をnとして、前記第1及び第2の光結合手段のピッチ
Λ0及びΛ1が(数5)の条件を満足することが好まし
い。
【0024】一方、本発明の集光装置は、レーザー光源
と、前記レーザー光源から出射されるレーザー光の光軸
と直交するように設けられた透明基板と、前記透明基板
上に形成された導波層と、前記導波層の上面又は下面に
形成され前記光軸を中心とする同心円状周期構造を持つ
第1の光結合手段と、前記導波層の上面又は下面の前記
第1の光結合手段を取り囲む領域に前記光軸を中心とす
る同心円状周期構造を有する第2の光結合手段とを具備
し、前記レーザー光は前記第1の光結合手段により周期
構造の中心側から外周側に伝搬する導波光を励起し、前
記導波光は前記第2の光結合手段により放射され、所定
の集光点に集光され、前記集光点近傍に設けられた反射
面により反射された光は前記第2の光結合手段により外
周側から中心に伝搬する第2の導波光を励起し、前記第
2の導波光は前記第1の光結合手段により放射光を励起
し、前記放射光を前記レーザー光源に帰還させることに
より前記レーザー光の波長を固定するように構成されて
いる。
【0025】また、前記導波層の等価屈折率N0、前記
第1の光結合手段のピッチΛ0、前記第2の光結合手段
のピッチΛ1、前記第2の光結合手段への前記レーザー
光の入射角をθ0、前記第2の光結合手段からの放射光
の出射角をθ1、前記透明基板の屈折率をnとして、前
記第1及び第2の光結合手段の周期構造のピッチΛ0
びΛ1が(数4)の条件を満足することが好ましい。
【0026】また、前記第1の光結合手段と第2の光結
合手段の間において、前記透明基板は段差構造を有し、
前記段差構造により前記導波層が折り曲げられる段差部
を形成し、前記導波光が前記段差部を通過することによ
り導波モードが変化することが好ましい。
【0027】また、前記段差部を通過する前の導波光に
対する等価屈折率をN0、前記段差部を通過した後の導
波光に対する等価屈折率をN1、前記第1の光結合手段
への前記レーザー光の入射角をθ0、前記第2の光結合
手段からの放射光の出射角をθ1、前記透明基板の屈折
率をnとして、前記第1及び第2の光結合手段のピッチ
Λ0及びΛ1が(数5)の条件を満足することが好まし
い。
【0028】さらに、本発明の光ディスク装置は、レー
ザー光源と、前記レーザー光源から出射されるレーザー
光の光軸と直交するように設けられた透明基板と、前記
透明基板上に形成された導波層と、前記導波層の上面又
は下面に形成され前記光軸を中心とする同心円状周期構
造を持つ第1の光結合手段と、前記導波層の上面又は下
面の前記第1の光結合手段を取り囲む領域に前記光軸を
中心とする同心円状周期構造を有する第2の光結合手段
とを具備し、前記第1の光結合手段と第2の光結合手段
の間において、前記透明基板は段差構造を有し、前記段
差構造により前記導波層が折り曲げられ段差部を形成
し、前記レーザー光は前記第1の光結合手段により周期
構造の中心側から外周側に伝搬する第1の導波光を励起
し、前記第1の導波光は前記第2の光結合手段により放
射されて光ディスクの反射面上に集光され、前記反射面
により反射される光は前記第2の光結合手段により周期
構造の外周側から中心側に伝搬する第2の導波光を励起
し、前記第1及び第2の導波光が前記段差部を通過する
ことにより導波モードの異なる導波光を励起し、前記導
波モードの異なる第1の導波光の一部が前記第1の光結
合手段により放射され、該第1の放射光が前記レーザー
光源に帰還し、前記レーザー光の波長を固定させ、前記
導波モードの異なる第2の導波光の一部が前記第1の光
結合手段により前記レーザー光源とは別の角度に放射さ
れ、該第2の放射光はその放射方向に配置された光検出
器により検出され、前記光検出器の信号により、前記反
射面の信号を再生するように構成されている。
【0029】上記構成において、前記第2の光結合手段
の外周側に接する2個以上の中空扇状領域に形成され、
前記光軸を中心とする同心円状周期構造を有する第3の
光結合手段を具備し、前記中心側から外周側に伝搬する
第1の導波光の一部が前記第3の光結合手段から放射さ
れ、前記反射面の手前及び奥に集光され、前記反射面に
より反射された光は前記第3の光結合手段により周期構
造の外周側から中心側に伝搬する第3の導波光を励起
し、前記段差部を通過することにより導波モードが変化
した第3の導波光が前記第1の光結合手段により前記レ
ーザー光源とは別角度の方向に放射され、該第3の放射
光はその放射方向にあって第3の光結合手段に対応する
方位に配置された2個以上の光検出器により検出され、
前記光検出器の差分信号により、前記反射面のフォーカ
スエラー信号を得ることが好ましい。
【0030】また、前記反射面上に凹凸又は濃淡信号が
形成され、前記凹凸又は濃淡信号により前記レーザー光
源側に帰還する光量が変化し、該変化により前記レーザ
ー光源の発振光量が変化し、前記発振光量の変化に基づ
いて前記反射面上の信号を読みとることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
【実施例1】実施例1は、本発明の波長固定装置に関す
るものであり、図1を参照しつつ説明する。図1は実施
例1における波長固定装置の構成を示す断面図である。
図1において、石英等で形成された透明基板3上には、
SiN、SiONやTa25等の膜、若しくはTa25
とSiO2の混合膜、又はこれらを積層して作製された
導波層4が形成されており、導波層4上には点Oを中心
とする同心円状のグレーティング5(ピッチΛ0)が形成
され、カプラとして機能する(以下、グレーティングカ
プラ5とする)。半導体レーザー1から出射された光6
は、焦点距離fのコリメーターレンズ2により平行光7
となり、光軸10に直交するように設けられた透明基板
3を通過し、導波層4に垂直入射する。半導体レーザー
1は、その光軸10がグレーティングカプラ5の中心O
を通るように配置されている。グレーティングカプラ5
の各位置に入射する光は、中心Oから外周側に向かう導
波光8a及び外周側から中心Oに向かう導波光8bを同
時に励起し、これらの導波光8a及び8bは、いずれも
導波層4に直交する方向へ放射する光9a及び9bを励
起する。放射光9aは、コリメーターレンズ2により半
導体レーザー1に帰還される。導波層4の等価屈折率を
0とすると、グレーティングカプラ5が導波光を励起
する、すなわち、半導体レーザー1へ放射光9aを帰還
させる条件は、以下の(数9)で与えられる。
【0032】
【数9】
【0033】(数9)より、半導体レーザー1へ帰還す
る放射光9a(帰還光)は波長選択性を有することがわ
かる。この帰還光の光量が所定のレベルを越えると(一
般に、端面反射率30%のレーザーでは10%程度の帰
還光量で)、レーザー波長を固定させる作用をなす。す
なわち、(数9)で示された波長λと半導体レーザー1
の基準波長λ0が(数7)の範囲にある時、半導体レー
ザー1の波長がλに固定される。
【0034】ここで、半導体レーザー1から波長λの光
が出射され、グレーティングカプラ5での入出力を経
て、正確に半導体レーザー1の出力端面1aに帰還する
場合を考える。半導体レーザー1から出射された光のう
ち、例えば波長λ+Δの光は、グレーティングカプラ5
での入力が最適入力条件(数9)から乖離するので、入
力効率が劣化する。さらに、グレーティングカプラ5か
らの出力光(放射光9a)の出射方向が導波層4の法線
と傾きをなすので、その集光点が端面1aから光軸方向
にそれる(図1の破線6S参照)。波長固定装置の波長
選択性における分解能はこれらの相乗効果で決まり、実
施例1における分解能は近似的に以下の(数10)で与
えられる。
【0035】
【数10】
【0036】コリメーターレンズ2は、レーザー光源1
に対し3軸方向及び2軸の回転方向に調整する。しかし
ながら、光軸10と波長固定素子(導波層4とグレーテ
ィングカプラ5を含む透明基板3上の素子)が垂直な位
置関係にあるので、波長固定素子の調整はグレーティン
グカプラ5の中心Oの光軸10に垂直な面内での位置調
整だけでよい。そのため、従来例と比較して調整が極め
て簡単になるという有利点を有する。なお、グレーティ
ングカプラ5のグレーティングを導波層4の下、すなわ
ち、透明基板3の上に形成しても同様の効果が得られ
る。また、半導体レーザー1の出力端面1aに帰還光が
入力し易いように、ARコーティングを施しても良い。
【0037】
【実施例2】実施例2は、本発明の波長固定装置に関す
るものであり、図2及び図3を参照しつつ説明する。な
お、実施例1と同じ構成は同一番号を付す。図2は実施
例2における波長固定装置の構成を示す断面図であり、
図3は実施例2におけるグレーティングピッチΛと半径
rとの関係を表わす図である。図2において、石英等で
形成された透明基板3上には、点Oを中心とする同心円
状のグレーティングカプラ5が形成され、この上にSi
N、SiONやTa25等の膜、若しくはTa 25とS
iO2の混合膜、又はこれらを積層して作製された導波
層4が形成されている。半導体レーザー1から出射され
た光6は、光軸10に直交するように設けられた透明基
板3を通過し、導波層4に入射する。半導体レーザー1
は、その光軸10がグレーティングカプラ5の中心Oを
通るように配置されている。グレーティングカプラ5の
各位置に入射する光は、外周側から中心Oに向かう導波
光8を励起し、この導波光8は中心Oを経て導波光8R
となる。導波光8Rはその伝搬位置における入力導波光
の逆進波であるので、導波光8Rがグレーティングカプ
ラ5から放射されると、放射光6Rもその放射位置にお
ける入力光の逆進波となる。すなわち、放射光6Rは半
導体レーザー1に正確に帰還する。導波層4の等価屈折
率をN0とすると、グレーティングカプラ5が外周側か
ら中心Oに向かう導波光を励起する、すなわち、半導体
レーザー1へ放射光6Rを帰還させる条件は以下の(数
11)で与えられる。
【0038】
【数11】
【0039】ただし、nは透明基板3の屈折率、θはグ
レーティングカプラ5への入射角であり、Λはこの入射
位置でのグレーティングピッチである。図3において、
曲線27は(数11)におけるグレーティングピッチΛ
と半径rとの関係を表しており(rとθとの関係は幾何
的に決定される)、Λ0は中心Oの位置でのグレーティ
ングピッチである。
【0040】(数11)は、グレーティングカプラ5に
より帰還される放射光6Rが波長選択性を有することを
示す。放射光6Rがレーザー端面1aに帰還することに
より、レーザー波長を固定させる作用をなす。すなわ
ち、(数11)で示された波長λと半導体レーザー1の
基準波長λ0が(数7)の範囲にある時、半導体レーザ
ー1の波長がλに固定される。
【0041】ここで、実施例1と同様に、半導体レーザ
ー1から波長λの光が出射され、グレーティングカプラ
5での入出力を経て、正確に半導体レーザー1の出力端
面1aに帰還する場合を考える。半導体レーザー1から
出射された光のうち、例えば波長λ+Δの光はグレーテ
ィングカプラ5での入力が最適入力条件(数11)から
乖離するので、入力効率が劣化する。さらに、放射光6
Rがその放射位置における入力光の逆進方向からずれ
て、図2における破線6Sの如く帰還し、その集光点が
半導体レーザー1の端面1aから光軸方向にそれる。波
長固定装置の波長選択性における分解能はこれらの相乗
効果で決まり、第2の実施例における分解能は近似的に
以下の(数12)で与えられる。
【0042】
【数12】
【0043】ただし、fはグレーティングカプラ5の焦
点距離(すなわち、(光源である半導体レーザー1とグ
レーティングカプラ5の距離)−(透明基板3の板厚)
/(透明基板3の屈折率))であり、(0.6〜1.
2)の係数の大きさはレーザー光の広がり角に関係し、
広がり角が大きいほど小さくなる(0.6の値は全角3
5度の広がり角に相当する)。
【0044】実施例2では、光軸10と波長固定素子
(導波層4とグレーティングカプラ5を含む透明基板3
上の素子)が垂直な位置関係にあるので、波長固定素子
の調整は光源(半導体レーザー)1との距離調整及びグ
レーティングカプラ5の中心Oの光軸10に垂直な面内
での位置調整だけでよく、従来例に比べ極めて調整が簡
単である。また、従来例や実施例1と比べてコリメータ
ーレンズ2が不要となり、構成が簡素化される。さら
に、f=2〜4mm程度の焦点距離で0.2nm以下の
分解能が得られるので、高分解能を維持したまま、従来
例に比べて装置の構成を数分の1の大きさにすることが
できる。なお、グレーティングカプラ5のグレーティン
グを導波層4の上に形成しても同様の効果が得られる。
また、半導体レーザー1の出力端面1aに、帰還光が入
力し易いように、ARコーティングを施しても良い。
【0045】
【実施例3】実施例3は、本発明の波長固定装置に関す
るものであり、図4及び図5を参照しつつ説明する。な
お、実施例2と同じ構成は同一番号を付してその説明を
省略する。図4は実施例3の波長固定装置の構成を示す
断面図であり、グレーティングのピッチ仕様の違いを除
いて実施例2と同様の構成である。また、図5は実施例
3におけるグレーティングピッチΛと半径rとの関係を
表わす図である。図4において、グレーティングカプラ
5の各位置に入射する光は、半径r0の内側では中心側
から外周側に向かう導波光8を励起し、半径r0の外側
では外周側から中心Oに向かう導波光8Rを励起する。
導波層4の等価屈折率をN0とすると、グレーティング
カプラ5が導波光8及び8Rを励起する条件は以下の
(数13)で与えられる。
【0046】
【数13】
【0047】ただし、nは透明基板3の屈折率、θはグ
レーティングカプラ5への入射角であり、Λは入射角θ
の位置でのグレーティングピッチである。図5におい
て、曲線28A及び28Bは(数13)におけるグレー
ティングピッチΛと半径rとの関係を表しており、Λ0
は中心Oの位置でのグレーティングピッチである。導波
光8Rが半径r0を経てその内側に至り、グレーティン
グカプラ5により放射されると、放射光6Rはその放射
位置における入力光の逆進波となる。すなわち、放射光
6Rは半導体レーザー1に正確に帰還する。(数13)
はグレーティングカプラ5からの光帰還である放射光6
Rが波長選択性を有することを示している。放射光6R
が半導体レーザー1の端面1aに帰還することにより、
レーザー波長を固定させる作用をなす。すなわち、(数
13)で示された波長λと半導体レーザー1の基準波長
λ0が(数7)の範囲にある時、半導体レーザー1の波
長がλに固定される。
【0048】ここで、実施例1及び2と同様に、半導体
レーザー1から波長λの光が出射され、グレーティング
カプラ5での入出力を経て、正確に半導体レーザー1の
出力端面1aに帰還する場合を考える。半導体レーザー
1から出射された光のうち、例えば波長λ−Δの光はグ
レーティングカプラ5での入力が最適入力条件(数1
3)から乖離するので、入力効率が劣化する。さらに、
放射光6Rがその放射位置における入力光の逆進方向か
らずれるので、図4の破線6Sの如く帰還し、その集光
点が半導体レーザー1の端面1aから光軸方向にそれ
る。波長固定装置の波長選択性における分解能はこれら
の相乗効果で決まり、実施例3における分解能は実施例
2とほぼ同じく近似的に前記(数12)で与えられる。
【0049】実施例3では、光軸と波長固定素子(導波
層4とグレーティングカプラ5を含む透明基板3上の素
子)が垂直な位置関係にあるので、波長固定素子の調整
は光源との距離調整とグレーティングカプラの中心Oの
光軸10に垂直な面内での位置調整だけでよく、従来例
に比べ極めて調整が簡単である。また従来例や実施例1
と比較してコリメーターレンズ2が不要となり、構成が
簡素化される。さらに、f=2〜4mm程度の焦点距離
で0.2nm以下の分解能が得られるので、高分解能を
維持したまま、従来例に比べて装置の構成を数分の1の
大きさにすることができる。なお、グレーティングカプ
ラ5のグレーティングを導波層4の上に形成しても同様
の効果が得られる。また、半導体レーザー1の出力端面
1aに、帰還光が入力し易いように、ARコーティング
を施しても良い。
【0050】
【実施例4】実施例4は、本発明の波長固定装置に関す
るものであり、図6、図7及び図8を参照しつつ説明す
る。なお、実施例2と同じ構成は同一番号を付してその
説明を省略する。図6は実施例4における波長固定装置
の構成を示す断面図であり、グレーティングのピッチ仕
様及び導波層4の膜厚仕様の違いを除いて実施例2と同
様の構成である。実施例4におけるグレーティングのピ
ッチ仕様は、図7の曲線29に示すように、実施例3に
おける半径r0の内側における関係が全領域まで拡張さ
れた形であり、以下の(数14)で表される。
【0051】
【数14】
【0052】ただし、nは透明基板3の屈折率、θはグ
レーティングカプラ5への入射角であり、Λはこの入射
位置でのグレーティングピッチである。一方、導波層4
は半径r0からr1の輪帯領域4Aがエッチングされ、他
の領域に比べ薄くなっている。その結果、図8に示すよ
うに、導波層の等価屈折率Nが半径r0からr1の領域で
他の領域に比べδだけ低くなり、以下の(数15)で表
される。
【0053】
【数15】
【0054】(数14)及び(数15)より、半径r0
の内側では、グレーティングカプラ5の各位置に入射す
る光は、中心側から外周側に向かう導波光8を励起す
る。一方、θ1を半径(r0+r1)/2の位置でのグレ
ーティングカプラ5への入射角とすると、δ=2n・s
inθ1とすることにより、半径(r0+r1)/2の位
置では、外周側から中心Oに向かう導波光8Rを励起
し、半径がr0<r<r1の領域でも大きく位相整合条件
がずれないので、全体として外周側から中心Oに向かう
導波光8Rを励起することになる。導波光8Rが半径r
0を経てその内側に至り、グレーティングカプラ5によ
り放射されると、放射光6Rはその放射位置における入
力光の逆進波となる。すなわち、放射光6Rは半導体レ
ーザー1に帰還する。
【0055】上記(数14)は、グレーティングカプラ
5からの光帰還である放射光6Rが波長選択性を有する
ことを示す。放射光6Rが半導体レーザー1の端面1a
に帰還することにより、レーザー波長を固定させる作用
をなす。すなわち、(数14)で示された波長λと半導
体レーザー1の基準波長λ0が(数7)の範囲にある
時、半導体レーザー1の波長がλに固定される。
【0056】ここで、上記各実施例と同様に、半導体レ
ーザー1から波長λの光が出射され、グレーティングカ
プラ5での入出力を経て、正確に半導体レーザーの出力
端面1aに帰還する場合を考える。半導体レーザー1か
ら出射された光のうち、例えば波長λ−Δの光はグレー
ティングカプラ5での入力が最適入力条件(数14)か
ら乖離し、入力効率が劣化する。さらに、放射光6Rが
その放射位置における入力光の逆進方向からずれるの
で、図6における破線6Sの如く帰還し、その集光点が
半導体レーザー1の端面1aから光軸方向にそれる。波
長固定装置の波長選択性における分解能はこれらの相乗
効果で決まり、実施例4における分解能は、実施例3と
同じく近似的に前記(数12)で与えられる。
【0057】実施例4では、光軸と波長固定素子(導波
層4とグレーティングカプラ5を含む透明基板3上の素
子)が垂直な位置関係にあるので、波長固定素子の調整
は光源との距離調整とグレーティングカプラの中心Oの
光軸10に垂直な面内での位置調整だけでよく、従来例
に比べ極めて調整が簡単である。また、従来例や実施例
1と比較してコリメーターレンズ2が不要となり、構成
が簡素化される。さらに、f=2〜4mm程度の焦点距
離で0.2nm以下の分解能が得られるので、高分解能
を維持したまま、従来例に比べて装置の構成を数分の1
の大きさにすることができる。また、実施例3における
ピッチ仕様が図5に示すように半径に対し不連続な関係
を有するのに対し、実施例4では、図7に示すようにピ
ッチが半径に対し連続な関係にある。そのため、導波層
のエッチング工程が増えるものの、グレーティング形成
は容易になる。なお、グレーティングカプラ5のグレー
ティングを導波層4の上に形成してもよい。また、導波
層4をエッチングすることにより、この領域4Aの等価
屈折率を下げたが、導波層4の全面に装荷層(SiO2
等の低屈折率の透明層)を製膜し、4Aの領域だけ装荷
層を除去することにより、等価屈折率の差別化を行う方
法を用いても同様の効果が得られる。
【0058】
【実施例5】実施例5は、本発明の波長固定装置に関す
るものであり、図9及び図10を参照しつつ説明する。
なお、実施例2と同じ構成は同一番号を付してその説明
を省略する。図9は実施例5における波長固定装置の構
成を示す断面図である。図9において、石英等で形成さ
れた透明基板3上の点Oを中心とする円形の領域及びこ
れを取り巻く輪帯の領域には、点Oを中心とする同心円
状のグレーティングカプラ5及び14がそれぞれ形成さ
れ、それらの上にSiN、SiON、Ta25等の膜、
若しくはTa25とSiO2の混合膜、又はこれらを積
層して作製された導波層4が形成されている。半導体レ
ーザー1から出射された光6は、光軸10に直交するよ
うに設けられた透明基板3を通過し、導波層4に入射す
る。半導体レーザー1は、その光軸10がグレーティン
グカプラ5の中心Oを通るように配置されている。グレ
ーティングカプラ5のピッチ仕様は、図10における曲
線29Aに示すように、第4の実施例と同様に(数1
4)で表される。一方、グレーティングカプラ14のピ
ッチ仕様は、図10における曲線29Bに示すように、
以下の(数16)で表される。
【0059】
【数16】
【0060】ただし、θはグレーティングカプラ5から
の放射角であり、Λは放射角θの位置でのグレーティン
グピッチである。(数14)に基づいて、グレーティン
グカプラ5の各位置に入射する光は中心側から外周側に
向かう導波光8Aを励起する。この導波光8Aは外周側
まで伝搬し、グレーティングカプラ14により放射され
て放射光15となる。放射光15は収束性の光であり、
光軸10に直交するように設けられた反射面17上の点
Fに集光する。反射面17により反射される反射光18
はグレーティングカプラ14に入射し、(数16)に基
づいて、外周側から中心側に向かう導波光19Bを励起
する。グレーティングカプラ5まで伝搬した帰還導波光
19Aは、その伝搬位置における入力導波光の逆進波で
ある。そのため、導波光19Aがグレーティングカプラ
5により放射されると、放射光6Rもその放射位置にお
ける入力光の逆進波となる。すなわち、放射光6Rは半
導体レーザー1に正確に帰還する。
【0061】(数14)及び(数16)は、グレーティ
ングカプラ5及びグレーティングカプラ14における光
入出力を経た光帰還である放射光6Rが波長選択性を有
することを示している。放射光6Rが半導体レーザー1
の出力端面1aに帰還することにより、レーザー波長を
固定させる作用をなす。すなわち、(数14)及び(数
16)で示された波長λと半導体レーザー1の基準波長
λ0が(数7)の範囲にある時、半導体レーザー1の波
長がλに固定される。
【0062】ここで、上記各実施例と同様に、半導体レ
ーザー1から波長λの光が出射され、グレーティングカ
プラ5及び14での入出力を経て、正確に半導体レーザ
ーの出力端面1aに帰還する場合を考える。半導体レー
ザー1から出射された光のうち、例えば波長λ−Δの光
はグレーティングカプラ5での入力が最適入力条件(数
14)から乖離するので、入力効率が劣化する。さら
に、グレーティングカプラ14での放射光の放射角が変
化し、その集光位置が破線15Sに示す如く光軸方向に
それるので、反射面17により反射されグレーティング
カプラ14に入射する光の導波光への入力効率も劣化す
る。さらに、グレーティングカプラ5からの放射光6R
がその放射位置における入力光の逆進方向からずれ、破
線6Sの如く帰還し、その集光点がレーザー端面1aか
ら光軸方向にそれる。波長固定装置の波長選択性におけ
る分解能はこれらの相乗効果で決まるが、実施例2と比
較して、グレーティングカプラ14における光入出力の
効果も加わるので、実施例5における分解能は(数1
2)で表される分解能の数分の1程度の大きさとなる。
【0063】実施例5ではコリメーターレンズ2が不要
な反面、反射面17を必要とし、光源と波長固定素子
(導波層4とグレーティングカプラ5、14を含む透明
基板3上の素子)との位置調整だけでなく、波長固定素
子と反射面17との間の位置調整も必要とする。そのた
め、構造及び調整とも複雑になるが、波長選択性におけ
る分解能の点では従来例及び他の実施例よりも遥かに高
性能のものが得られる有利点を有する。なお、グレーテ
ィングカプラ5及び14のグレーティングを導波層4の
上に形成しても同様の効果が得られる。また、半導体レ
ーザー1の出力端面1aに、帰還光が入力し易いよう
に、ARコーティングを施しても良い。
【0064】
【実施例6】実施例6は、本発明の集光装置及びそれを
用いた光ディスク装置に関するものであり、図11から
図15を参照しつつ説明する。図11は実施例6におけ
る集光装置及び光ディスク装置の構成を示す部分破断斜
視図である。図11において、透明基板3上にはAlや
Cr等の金属反射層11が成膜され、点Oを中心にした
円形領域12がエッチングされている。金属反射層11
の上には、SiO2等のバッファー層13、SiN、S
iON、Ta25等の膜、若しくはTa25とSiO2
の混合膜、又はこれらを積層して作製された導波層4が
形成されている。円形領域12において、バッファー層
13は透明基板3と直接接し、バッファー層13の表面
が円形領域12の外縁部4Sにおいて段差構造をなし、
この位置4Sで導波層4が折れ曲がっている。導波層4
上には、円形領域12内に含まれる位置で、点Oを中心
とする同心円状のグレーティングカプラ5(ピッチ
Λ0)が形成されている。また、円形領域12の外側に
対応する輪帯状の位置において、点Oを中心とする同心
円状のグレーティングカプラ14(ピッチΛ1)が形成
されている。半導体レーザー1から出射された光6は、
コリメーターレンズ2により平行光7となり、光軸10
に直交するように設けられた透明基板3を通過し、バッ
ファー層13を経て、光軸10がグレーティングカプラ
5の中心Oを通るように、導波層4に垂直入射する。実
施例1と同様に、グレーティングカプラ5の各位置に入
射する光は、中心Oから外周側に向かう1次モード導波
光と外周側から中心Oに向かう1次モード導波光を同時
に励起し、これらの導波光はいずれも導波層4に直交す
る方向へ放射する光を励起し、その一部はコリメーター
レンズ2により半導体レーザー1に帰還され、レーザー
波長を固定する作用をなす。
【0065】導波層4の1次モード導波光8Aに対する
等価屈折率をN0とすると、グレーティングカプラ5が
導波光を励起する、すなわち、半導体レーザー1への光
を帰還させる条件は既に前記(数9)で与えられる。1
次モード導波光8Aは導波層4の段差部4Sを通過する
ことにより、その一部が0次モード導波光8Bに変化す
る。この導波光8Bは、グレーティングカプラ14から
放射される。この放射光15は点Fへの収束光である。
導波層4の0次モード導波光8Bに対する等価屈折率を
1、放射光15と導波層法線(すなわち入射光軸1
0)のなす角をθとして、グレーティングカプラ14の
ピッチΛ1は、以下の(数17)の関係を満たしてい
る。
【0066】
【数17】
【0067】放射光15は、透明な光ディスク基板16
を経て光ディスク反射面17上の点Fに集光し、反射面
17からの反射光18はグレーティングカプラ14に入
射し、0次モード導波光19Bを励起する。この導波光
19Bは段差部4Sを通過してもモード変化のない成分
が残り、この成分がグレーティングカプラ5から放射さ
れる。この放射光20は入射光軸10に対しsin
-1(N1−N0)に相当する角度をなして放射し、光検出
器21により受光される。当然、1次モード導波光の状
態でグレーティングカプラ5に帰還し放射される成分も
あり、これは第5の実施例と同じく半導体レーザー1に
帰還し、レーザー波長を固定させる作用を強める。
【0068】(数17)に示したように、グレーティン
グカプラ14からの放射光15は波長変動によりその放
射角θが変化しやすく、焦点Fの位置も大きく変化する
(仮に1nmの波長変化があれば、グレーティングカプ
ラ14の焦点距離2mmとして、16μm程度の焦点変
位を示す)。従って、光源1にモードホッピングが発生
すれば集光位置も大きくホッピングするため、グレーテ
ィングカプラを用いた集光素子は、従来光ディスク用光
ヘッドとしての集光素子としては不適切であった。しか
しながら、実施例6の構成によれば、グレーティングカ
プラ5からの帰還光が半導体レーザー1のレーザー波長
を固定させる作用を行うので、モードホッピングは発生
せず、集光点位置の変位もない。また、レーザーの再生
モードと記録モードとの間(すなわち発光量の高低の
差)で発生する波長変動もないので、従来の記録用光ヘ
ッドで試みられているレンズ系の色消し(分散特性の異
なる硝材を組み合わせて波長変化に伴う集光点の変位を
キャンセルすること)の工夫を必要としない。さらに、
モードホッピングが発生しないため、従来の光ヘッドで
採用されている高周波重畳回路(モードホッピングに伴
うノイズの発生を抑えるためにレーザーの発振をマルチ
モード化して干渉性を落とすための回路)が不要とな
り、光ヘッドの低コスト化が実現できる等の有利点を有
する。
【0069】次に、実施例6において、光ディスクの信
号を再生する場合について説明する。光ディスク等のよ
うに反射面17に凹凸信号や濃淡信号(反射率差のある
信号)が形成されている場合、信号上を収束光が走査す
ることにより光検出器21により検出される光量が変化
する。そのため、光検出器21により検出される光量の
変化を再生信号とすることができるが、次のような信号
再生原理も考えられる。すなわち、信号上を収束光が走
査することにより、グレーティングカプラ5に帰還し放
射される光の光量が変化し、半導体レーザー1への帰還
光量も変化する。図12に示すように、一般に、半導体
レーザー1への帰還光量が増大すると、レーザーのIL
特性(駆動電流Iに対する出力光量Lの関係)が低電流
側(曲線34から35へ)にシフトする。そこで、駆動
電流をI1に固定して光出力の変化(L1からL2へ)を
検出することにより、反射面17上の信号を読みとるこ
とができる。当然、光出力が一定であるように制御され
ている場合には、反射面17上の信号が駆動電流値の変
化として現れるので、電流値変化(又はこれを変換して
得られる電圧値変化)を再生信号とすることも可能であ
る。一般に、半導体レーザー1への帰還光量の変化を利
用した信号再生は、帰還光によるノイズの増大が問題と
なる。その原因は、異なる周波数(波長)間のモードが
ビートを起こすことが原因とされる。しかしながら、帰
還光の波長に選択性がある本実施例の場合、ビートの発
生が抑制されるので、低ノイズの信号再生が可能であ
る。
【0070】実施例6における集光装置において、波長
固定機能に伴う縦収差特性の変化を図14に示す。図1
3に示すように、放射光15と導波層法線(すなわち入
射光軸10)のなす角θは、幾何的な関係から放射位置
の半径rと焦点距離fにより以下の(数18)で与えら
れる(図11に示すように、集光点Fとの間に透明基板
16が挟まる場合、さらに複雑な関係式になるが、ここ
では透明基板16がない場合を想定して説明する)。
【0071】
【数18】
【0072】波長ロックがかからない場合、(数17)
及び(数18)を連立させて、導波層4の膜厚と屈折率
誤差により発生する等価屈折率誤差(N0、N1に対して
dN 0、dN1の誤差)に伴う集光点位置の変化量df
(焦点距離の変化量)を求めたのが次の(数19)であ
る。
【0073】
【数19】
【0074】これに対し、波長ロック時には(数9)が
成り立ち、この条件を前提に(数17)及び(数18)
を連立させて、変化量dfを求めたのが(数20)であ
る。
【0075】
【数20】
【0076】(数20)において、右辺の(sinθ+
1)の項と(N0dN1/dN0)の項は一般に大きさが
接近しており、その差分は互いにキャンセルしあうこと
が予想できる。図14は、波長ロックがかからない場合
(曲線22)とかかる場合(曲線23)の縦収差特性の
違いを比較しており、横軸に放射位置sinθ、縦軸に
縦収差量df/fdN1を置いている(曲線22は−d
f/fdN1の値をプロット)。縦収差量df/fdN1
の値はゼロである必要はなく、開口内でのばらつき(偏
差)が問題であり、偏差が小さい方(できればゼロ)が
好ましい。曲線22と曲線23を比較すると、波長ロッ
クがかからない場合、縦収差量の偏差が少ない開口はN
A(=sinθ)=0.4〜0.7の輪帯内に限定され
るが、波長ロックがかかる場合にはこの制限はかなり緩
和され、NA=0.15〜0.7といった円形に近い開
口も許容できる。このように、第6の実施例によれば、
波長ロックがかかることにより、導波層4の等価屈折率
誤差に伴う収差の影響もキャンセルすることができ、開
口に加わる制限条件も大幅に緩和されるという有利点を
有する。なお、曲線23の計算に当たっては、導波層4
の分散特性が必要である。図15は導波層の分散特性の
一例を示し、屈折率1.90の導波層が屈折率1.45
の透明媒質に挟まれている場合における、導波層厚tと
各モードの等価屈折率Nの関係を示す。t=0.4μm
とし、TM1モードでグレーティングカプラ5に入力
し、TM0モードでグレーティングカプラ14から放
射、集光する場合を考えれば、N0≒1.77、N1
1.47、dN1/dN0≒1.0であり、曲線23はこ
の条件下での解である。
【0077】なお、実施例6ではグレーティングカプラ
5及び14を導波層4上に形成した場合について説明し
たが、導波層4の下側、すなわち、透明基板3又はバッ
ファー層13上に形成しても同様の効果が得られる。ま
た、コリメーターレンズ2によりレーザー光6を平行に
する場合について説明したが、波長固定方法が第2の実
施例から第5の実施例で示したようにコリメーターレン
ズ2を省略してもよい。また、実施例6では、グレーテ
ィングカプラ5での入力導波モード8Aとグレーティン
グカプラ14での放射前の導波モード8Bが異なる場合
について説明したが、これらが同じモードであっても同
様の効果が得られる。また、0次モードや1次モード等
の次数はそれぞれ他の次数であっても良いことは言うま
でもない。
【0078】
【実施例7】実施例7は、本発明の集光装置及びそれを
用いた光ディスク装置に関するものであり、図16及び
図17を参照しつつ説明する。図16は実施例7におけ
る集光装置及び光ディスク装置の構成を示す斜視図であ
り、図17の(a)、(b)及び(c)はそれぞれフォ
ーカスエラー信号検出原理を示す特性図である。図16
に示す実施例7では、グレーティングカプラ14の外側
に、2つのグレーティングカプラ30A及び30Bが設
けられている。また、光検出器21の分割構造が変わっ
た以外は、前記実施例6と同様の構成である。
【0079】グレーティングカプラ30A及び30B
は、導波層4上(又は下)に点Oを中心として同心円状
にグレーティングが形成されたものであり、それぞれ対
角位置に位置する対称な中空扇形状をなす。グレーティ
ングカプラ30A及び30Bにおけるグレーティングの
ピッチ仕様は、グレーティングカプラ14における仕様
とは異なる。グレーティングカプラ5に入力し、グレー
ティングカプラ14を経た導波光は、グレーティングカ
プラ30A及び30Bから放射され、光軸10上の点F
A及びFBに集光される。一方、グレーティングカプラ1
4からの放射光はFAとFBの中点Fに集光される。光軸
10に直交するように設けられた反射面17により反射
され、グレーティングカプラ30A、30B、及び14
に入力して帰還する導波光のうち、グレーティングカプ
ラ5における入力導波モードと異なる導波モードで帰還
した成分は、グレーティングカプラ5から放射され、輪
帯状の光検出器21に向かう。光検出器21は、グレー
ティングカプラ30A及び30Bに対応して、それぞれ
対角位置に位置する対称な中空扇形状の領域21A及び
21Bに分割されている。
【0080】グレーティングカプラ5による入力導波光
の等価屈折率をN0、グレーティングカプラ5から光検
出器側に放射される導波光の等価屈折率をN1とする
と、N1>N0の時、グレーティングカプラ30A及び3
0B側から伝搬した帰還導波光はそれぞれ光検出器21
B及び21A側に、N1<N0の時はそれぞれ光検出器2
1A及び21B側に放射される。後者の場合で説明する
と、反射面17のディフォーカスにより、光検出器21
Aと21Bの受光信号31A及び31Bはそれぞれ図1
7における(a)及び(b)に示す特性を有する。曲線
32はグレーティングカプラ14による入力成分であ
る。反射面17上に存在する凹凸信号や濃淡信号により
光が散乱され、グレーティングカプラ30A及び30B
の領域まで反射光が回折される。そのため、反射面17
が点FA側に近づくことにより、グレーティングカプラ
30Aによる入力成分が増幅され、曲線32Aのこぶが
発生する。同様に、反射面17が点FB側に近づくこと
により、グレーティングカプラ30Bによる入力成分が
増幅され、曲線32Bのこぶが発生する。従って、差分
回路34により受光信号31Aと31Bの差分信号31
Cをとることにより、図17における(c)に示すよう
なS字曲線33が得られ、これを反射面17のフォーカ
スエラー信号とすることができる。フォーカスエラー信
号がゼロになるような制御がなされると、グレーティン
グカプラ14からの放射光の集光点Fが反射面17上に
位置制御され、検出器21の和信号や帰還光量変化によ
る半導体レーザー1のIL特性の変化により、反射面1
7上の信号再生が可能となる。
【0081】
【実施例8】実施例8は、本発明の集光装置及びそれを
用いた光ディスク装置に関するものであり、図18及び
図19を参照しつつ説明する。図18は実施例8におけ
る集光装置及び光ディスク装置の構成を示す斜視図であ
り、図19の(a)、(b)及び(c)はそれぞれフォ
ーカスエラー信号検出原理を示す特性図である。実施例
8では、グレーティングカプラ14の外側に、4つのグ
レーティングカプラ30A、30B、30a及び30b
が設けられている。また、光検出器21の分割構造が変
わった以外は、前記実施例6と同様の構成である。な
お、実施例6及び7と同じ構成は同一番号を付す。
【0082】グレーティングカプラ30A、30B、3
0a及び30bは、導波層4上(又は下)に点Oを中心
として同心円状にグレーティングが形成されたものであ
り、それぞれ対角位置に位置する対称な中空扇形状をな
す。グレーティングカプラ30Aと30a、30Bと3
0bはそれぞれ対角位置に位置する。グレーティングカ
プラ30A、30B、30a及び30bにおけるグレー
ティングのピッチ仕様はグレーティングカプラ14にお
ける仕様とは異なる。
【0083】グレーティングカプラ5に入力し、グレー
ティングカプラ14を経た導波光は、グレーティングカ
プラ30A、30aから放射され、光軸10上の点FA
に集光される。また、グレーティングカプラ30B、3
0bからも放射され、光軸10上の点FBに集光され
る。グレーティングカプラ14からの放射光は、FA
Bの中点Fに集光される。光軸10に直交するように
設けられた反射面17により反射され、グレーティング
カプラ30A、30B、30a、30b及び14に入力
して帰還する導波光のうち、グレーティングカプラ5に
おける入力導波モードと異なる導波モードで帰還した成
分は、グレーティングカプラ5から放射され、輪帯状の
光検出器21に向かう。
【0084】光検出器21はグレーティングカプラ30
A、30B、30a及び30bに対応して、対称な中空
扇形状の領域21A、21B、21a及び21bに分割
されている。領域21Aと21a、21Bと21bはそ
れぞれ対角位置に位置する。グレーティングカプラ5に
よる入力導波光の等価屈折率をN0、グレーティングカ
プラ5から光検出器側に放射される導波光の等価屈折率
をN1とすると、N1>N0の場合、グレーティングカプ
ラ30A、30B、30a及び30b側から伝搬した帰
還導波光は、それぞれ光検出器21の領域21a、21
b、21A、21B側に放射される。一方、N1<N0
場合、それぞれ光検出器21の領域21A、21B、2
1a、21b側に放射される。
【0085】後者の場合で説明すると、反射面17のデ
ィフォーカスにより、光検出器21Aと21aの和信号
31A、21Bと21bの和信号31Bは、それぞれ図
19における(a)及び(b)に示す特性を有する。各
図において、曲線32はグレーティングカプラ14によ
る入力成分である。反射面17が点FA側に近づくこと
により、グレーティングカプラ30A及び30aによる
入力成分が増幅され、曲線32Aのこぶが発生する。一
方、反射面17が点FB側に近づくことにより、グレー
ティングカプラ30B及び30bによる入力成分が増幅
され、曲線32Bのこぶが発生する。従って、差分回路
34により受光信号31Aと31Bの差分信号31Cを
とることにより、図19における(c)に示すように、
S字曲線33が得られ、これを反射面17のフォーカス
エラー信号とすることができる。フォーカスエラー信号
がゼロになるような制御がなされると、グレーティング
カプラ14からの放射光の集光点Fが反射面17上に位
置制御され、検出器21の和信号や帰還光量変化による
半導体レーザー1のIL特性の変化により、反射面17
上の信号再生が可能となる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の波長固定
装置によれば、レーザー光源と、入射面がレーザー光源
から出射されたレーザー光の光軸と直交するように設け
られた透明基板と、透明基板上に形成された等価屈折率
Nの導波層と、導波層の上面又は下面に形成され、光軸
を中心とするピッチΛの同心円状の周期構造を有する光
結合手段、例えばグレーティングカプラとを具備するの
で、レーザー光は光結合手段により導波層内で周期構造
の中心から外周側及び外周側から中心に伝搬する導波光
を励起し、導波光の一部を導波層の入射面に略直交する
方向に放射し、放射光をレーザー光源に帰還させること
ができる。そのため、レーザー光の波長λをλ=NΛの
大きさに固定することができる。また、光軸と少なくと
も光結合素子を含む波長固定素子とが垂直な位置関係に
あるため、波長固定素子の調整が光結合素子の中心の光
軸に垂直な面での位置調整だけよく、従来例と比較して
調整が簡単になる。
【0087】また、レーザー光源と導波層との間にレー
ザー光を集光し及び平行光にする集光手段、例えばコリ
メーターレンズを配置することにより、レーザー光を略
垂直に導波層の入射面に入射させることができる。
【0088】また、本発明の別の波長固定装置によれ
ば、レーザー光源と、入射面がレーザー光源から出射さ
れレーザー光の光軸と直交するように設けられた透明基
板と、透明基板上に形成された導波層と、導波層の上面
又は下面に形成され光軸を中心とする同心円状周期構造
を有する光結合手段とを具備するので、レーザー光は光
結合手段により導波層内で周期構造の外周側から中心に
伝搬する導波光を励起し、導波光は中心を経て光結合手
段により放射され、該放射光がレーザー光源に帰還す
る。そのため、レーザー光の波長を固定することができ
るとともに、コリメーターレンズ等の集光手段を省略す
ることができ、構成を簡単にすることができる。
【0089】また、導波層の等価屈折率N0、光結合手
段のピッチΛ、光結合手段へのレーザー光の入射角を
θ、透明基板の屈折率をnとして、(数1)の条件を満
足させることにより、導波層への結合効率を高める一
方、光結合手段からの放射光のレーザー光源への帰還効
率を高めることができる。また、光結合手段により放射
される放射光は波長選択性を有するため、(数1)で示
された波長λとレーザー光源の基準波長λ0が(数7)
の範囲にあるときに、レーザー光源の波長がλに固定さ
れる。
【0090】また、光結合手段を、光軸からの半径r0
を境として外周側結合部及び内周側結合部に分割し、外
周側結合部では周期構造の外周側から中心側に伝搬する
導波光を励起し、内周側結合部では周期構造の中心側か
ら外周側に伝搬する導波光を励起させるように構成する
ことにより、外周側結合部に入力し外周側から中心側に
伝搬する導波光が半径r0の境界線を越え内周側結合部
により放射させることにより、該放射光をレーザー光源
に帰還させ、レーザー光の波長を固定させることができ
る。
【0091】例えば、光軸からの半径rの点における光
結合手段の周期構造のピッチΛを(数2)の条件を満足
させることにより、外周側から中心側に伝搬する導波光
が半径r0の境界線を越え内周側結合部により放射され
た場合に、放射光を入力光の逆進波とすることができ
る。そのため、放射光をレーザー光源に正確に帰還させ
ることができる。また、(数2)の条件を満足させるこ
とにより、光結合手段により放射される放射光が波長選
択性を有する。そのため、(数2)で示された波長λと
レーザー光源の基準波長λ0が(数7)の範囲にあると
きに、レーザー光源の波長がλに固定される。
【0092】または、光結合手段のうち、光軸からの半
径r0からr1の輪帯領域の等価屈折率を他の部分とは異
ならせることにより、輪帯結合部の内側では周期構造の
中心から外周側に伝搬する導波光が励起され、輪帯結合
部では周期構造の外周側から中心側に伝搬する導波光が
励起され、外周側から中心側に伝搬する導波光が輪帯結
合部よりも内側の領域から放射されるように構成するこ
とにより、該放射光をレーザー光源に帰還させ、レーザ
ー光の波長を固定させることができる。
【0093】例えば、半径(r0+r1)/2及び半径r
における光結合手段への導波光の入射角をθ1及びθ1
光結合手段の周期構造のピッチΛ、半径rの点における
導波層の等価屈折率N、透明基板の屈折率をnとして、
(数3)の条件を満足することにより、半径(r0
1)/2の位置では、外周側から中心に向かう導波光
を励起し、半径がr0<r<r1の領域でも大きく位相整
合条件がずれないので、全体として外周側から中心に向
かう導波光を励起することができる。導波光が半径r0
を経てその内側に至り、内周側での光結合手段により放
射されると、放射光はその放射位置における入力光の逆
進波となるので、放射光をレーザー光源に帰還させるこ
とができる。また、(数3)の条件を満足させることに
より、光結合手段からの光帰還である放射光が波長選択
性を有する。(数3)で示された波長λと半導体レーザ
ー1の基準波長λ0が(数7)の範囲にあるとき、レー
ザー光源の波長がλに固定される。
【0094】また、導波層の半径r0からr1における輪
帯領域の等価屈折率を変えるには、この領域での厚さを
エッチング等により他の領域の厚さに比べて薄くするこ
とにより、容易に実現できる。
【0095】また、本発明のさらに別の波長固定装置に
よれば、レーザー光源と、レーザー光源から出射される
レーザー光の光軸と直交するように設けられた透明基板
と、透明基板上に形成された導波層と、導波層の上面又
は下面に形成され光軸を中心とする同心円状周期構造を
有する第1の光結合手段と、導波層の上面又は下面の第
1の光結合手段を取り囲む領域に光軸を中心とする同心
円状周期構造を有する第2の光結合手段とを具備するの
で、レーザー光は第1の光結合手段により周期構造の中
心側から外周側に伝搬する第1の導波光を励起し、第1
の導波光は第2の光結合手段により放射されて反射面上
に集光され、反射面により反射される光は第2の光結合
手段により周期構造の外周側から中心側に伝搬する第2
の導波光を励起し、第2の導波光が第1の光結合手段に
より放射され、該放射光をレーザー光源に帰還させるこ
とができる。そのため、レーザー光の波長を固定するこ
とができる。
【0096】また、導波層の等価屈折率N0、第1の光
結合手段のピッチΛ0、第1の光結合手段のピッチΛ1
第1の光結合手段へのレーザー光の入射角をθ0、第2
の光結合手段からの放射光の出射角をθ1、透明基板の
屈折率をnとして、第1及び第2の光結合手段の周期構
造のピッチΛ0及びΛ1が(数4)の条件を満足させるこ
とにより、第1の光結合手段の各位置に入射する光は中
心側から外周側に向かう導波光を励起し、この導波光は
外周側まで伝搬し、第2の光結合手段により放射され、
収束性の放射光となり、光軸に直交するように設けられ
た反射面上の集光点に集光する。反射面により反射され
る反射光は第2の光結合手段に入射し、(数4)に基づ
いて、外周側から中心側に向かう導波光を励起する。第
1の光結合手段まで伝搬した帰還導波光は、その伝搬位
置における入力導波光の逆進波であるため、導波光が第
1の光結合手段により放射されると、放射光もその放射
位置における入力光の逆進波となり、放射光をレーザー
光源に正確に帰還させることができる。レーザー光源に
向かう放射光は、第1及び第2の光結合手段における光
入出力を経た光帰還であるため、(数4)に示す波長選
択性を有する。そのため、放射光がレーザー光源の出力
端面に帰還することにより、(数4)で示された波長λ
とレーザー光源の基準波長λ0が(数7)の範囲にある
とき、レーザー光源の波長がλに固定される。
【0097】また、第1の光結合手段と第2の光結合手
段の間において、透明基板に段差構造が設けられ、段差
構造により導波層を折り曲げ、段差部を形成することに
より、導波光が段差部を通過することにより導波モード
を変化させることができる。そのため、導波光のうち導
波モードが変化されなかった成分をレーザー光源に帰還
させ、レーザー光源の波長を固定させるとともに、導波
モードが変化された成分を他の用途、例えば光ディスク
信号の読みとり等に使用することができる。
【0098】また、段差部を通過する前と後との導波光
に対する等価屈折率をN0及びN1、第1の光結合手段へ
のレーザー光の入射角をθ0、第2の光結合手段からの
放射光の出射角をθ1、透明基板の屈折率をnとして、
第1及び第2の光結合手段のピッチΛ0及びΛ1が(数
5)の条件を満足することにより、導波光のうち導波モ
ードが変化されなかった成分を正確にレーザー光源に帰
還させることができる。
【0099】一方、本発明の集光装置によれば、レーザ
ー光源と、レーザー光源から出射されるレーザー光の光
軸と直交するように設けられた透明基板と、透明基板上
に形成された導波層と、導波層の上面又は下面に形成さ
れ光軸を中心とする同心円状周期構造を持つ第1の光結
合手段と、導波層の上面又は下面の第1の光結合手段を
取り囲む領域に光軸を中心とする同心円状周期構造を有
する第2の光結合手段とを具備するので、レーザー光は
第1の光結合手段により周期構造の中心側から外周側に
伝搬する導波光を励起し、導波光は第2の光結合手段に
より放射され、所定の集光点に集光され、集光点近傍に
設けられた反射面により反射された光は第2の光結合手
段により外周側から中心に伝搬する第2の導波光を励起
し、第2の導波光は第1の光結合手段により放射光を励
起し、放射光をレーザー光源に帰還させることにより、
レーザー光の波長を固定することができる。
【0100】また、第1及び第2の光結合手段の周期構
造のピッチΛ0及びΛ1が(数4)の条件を満足すること
により、第1の光結合手段の各位置に入射する光は中心
側から外周側に向かう導波光を励起し、この導波光は外
周側まで伝搬し、第2の光結合手段により放射され、収
束性の放射光となり、光軸に直交するように設けられた
反射面上の集光点に集光させることができる。
【0101】また、第1の光結合手段と第2の光結合手
段の間において、透明基板は段差構造を有し、段差構造
により導波層を折り曲げ、段差部を形成することによ
り、導波光が段差部を通過することにより導波モードを
変化させることができる。そのため、導波光のうち導波
モードが変化されなかった成分をレーザー光源に帰還さ
せ、レーザー光源の波長を固定させるとともに、導波モ
ードが変化された成分を他の用途、例えば光ディスク信
号の読みとり等に使用することができる。
【0102】また、段差部を通過する前と後との導波光
に対する等価屈折率をN0及びN1、第1の光結合手段へ
のレーザー光の入射角をθ0、第2の光結合手段からの
放射光の出射角をθ1、透明基板の屈折率をnとして、
第1及び第2の光結合手段のピッチΛ0及びΛ1が(数
5)の条件を満足することにより、導波光のうち導波モ
ードが変化されなかった成分を正確にレーザー光源に帰
還させることができる。
【0103】さらに、本発明の光ディスク装置によれ
ば、レーザー光源と、レーザー光源から出射されるレー
ザー光の光軸と直交するように設けられた透明基板と、
透明基板上に形成された導波層と、導波層の上面又は下
面に形成され光軸を中心とする同心円状周期構造を持つ
第1の光結合手段と、導波層の上面又は下面の第1の光
結合手段を取り囲む領域に光軸を中心とする同心円状周
期構造を有する第2の光結合手段とを具備し、第1の光
結合手段と第2の光結合手段の間において、透明基板は
段差構造を有し、段差構造により導波層が折り曲げられ
る段差部を形成することにより、レーザー光は第1の光
結合手段により周期構造の中心側から外周側に伝搬する
第1の導波光を励起し、第1の導波光は第2の光結合手
段により放射されて光ディスクの反射面上に集光され、
反射面により反射された光は第2の光結合手段により周
期構造の外周側から中心側に伝搬する第2の導波光を励
起し、第1及び第2の導波光が段差部を通過することに
より導波モードの異なる導波光を励起し、導波モードの
異なる第1の導波光の一部が第1の光結合手段により放
射され、該第1の放射光がレーザー光源に帰還する。そ
のため、レーザー光の波長を固定させることができると
ともに、導波モードの異なる第2の導波光の一部が第1
の光結合手段によりレーザー光源とは別の角度に放射さ
れ、該第2の放射光はその放射方向に配置された光検出
器により検出され、光検出器の信号により、反射面の信
号を再生することができる。
【0104】また、第2の光結合手段の外周側に接する
2個以上の中空扇状領域に形成され、光軸を中心とする
同心円状周期構造を有する第3の光結合手段を具備する
ことにより、中心側から外周側に伝搬する第1の導波光
の一部が第3の光結合手段から放射され、反射面の手前
及び奥に集光され、反射面により反射された光は第3の
光結合手段により周期構造の外周側から中心側に伝搬す
る第3の導波光を励起し、段差部を通過することにより
導波モードが変化した第3の導波光が第1の光結合手段
によりレーザー光源とは別角度の方向に放射され、該第
3の放射光はその放射方向にあって第3の光結合手段に
対応する方位に配置された2個以上の光検出器により検
出され、これらの検出信号は反射面の信号情報を含んで
いるので、光検出器の差分信号により、反射面のフォー
カスエラー信号を得ることができる。
【0105】また、反射面上に凹凸又は濃淡信号を形成
することにより、凹凸又は濃淡信号によりレーザー光源
側に帰還する光量が変化し、該変化によりレーザー光源
の発振光量が変化し、発振光量の変化に基づいて反射面
上の信号を読みとることができる。
【0106】以上の各効果により、調整が簡単で構成が
簡素化され他波長固定装置を提供することができる。ま
た、波長選択性における高分解能を維持したまま、従来
例に比べて装置の構成を数分の1の大きさにすることが
できる。さらに、本発明の波長固定装置を用いることに
より、光源のモードホッピングが発生しないので、集光
点位置の変位がなく、レーザーの再生モードと記録モー
ドとの間で発生する波長変動による集光点位置の変位が
ない集光装置を提供することができ、従来の光ヘッドで
採用されている高周波重畳回路が不要となり、光ヘッド
の低コスト化が実現できる。さらに、導波層の等価屈折
率誤差に伴う収差の影響がキャンセルでき、開口に加わ
る制限条件も大幅に緩和される。また、半導体レーザー
への帰還光量の変化を利用した信号再生の場合、帰還光
の波長に選択性があるため低ノイズの信号再生が可能で
ある等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における波長固定装置の構成
を示す断面図
【図2】本発明の実施例2における波長固定装置の構成
を示す断面図
【図3】実施例2におけるグレーティングピッチと半径
の関係を示す図
【図4】本発明の実施例3における波長固定装置の構成
を示す断面図
【図5】実施例3におけるグレーティングピッチと半径
の関係を示す図
【図6】本発明の実施例4における波長固定装置の構成
を示す断面図
【図7】実施例4におけるグレーティングピッチと半径
の関係を示す図
【図8】実施例4における等価屈折率と半径の関係を示
す図
【図9】本発明の実施例5における波長固定装置の構成
を示す断面図
【図10】実施例5におけるグレーティングピッチと半
径の関係を示す図
【図11】本発明の実施例6における集光装置及び光デ
ィスク装置の構成を示す断面図
【図12】実施例6における光ディスク装置の信号再生
原理図
【図13】実施例6における波長固定機能に伴う縦収差
特性の変化を示す図
【図14】実施例6における縦収差特性の違いを比較し
た図
【図15】実施例6における導波層の分散特性図
【図16】本発明の実施例7における集光装置の構成及
び光ディスク装置の構成を示す斜視図
【図17】(A)、(B)及び(C)はそれぞれ実施例
7における光検出器の受光信号の特性及びフォーカスエ
ラー信号検出原理を示す説明図
【図18】本発明の実施例8における集光装置の構成及
び光ディスク装置の構成を示す斜視図
【図19】(A)、(B)及び(C)はそれぞれ実施例
8における光検出器の受光信号の特性及びフォーカスエ
ラー信号検出原理を示す説明図
【図20】従来の波長固定装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
1・・・半導体レーザー、 1a・・・半導体レーザー出射端面、 3・・・透明基板、 4・・・導波層、 5・・・同心円状グレーティングカプラ 6・・・レーザー光、 6R、6S・・・帰還レーザー光、 8、8R・・・導波光、 10・・・光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−120613(JP,A) 特開 平5−206580(JP,A) 特開 平3−241883(JP,A) 特開 平2−125670(JP,A) 特開 平1−175276(JP,A) 特開 平1−157585(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光源と、入射面が前記レーザー
    光源から出射されたレーザー光の光軸と直交するように
    設けられた透明基板と、前記透明基板上に形成された等
    価屈折率Nの導波層と、前記導波層の上面又は下面に形
    成され前記光軸を中心とするピッチΛの同心円状の周期
    構造を有する光結合手段とを具備し、前記レーザー光は
    前記光結合手段により前記導波層内で周期構造の中心か
    ら外周側及び外周側から中心に伝搬する導波光を励起
    し、前記導波光の一部を前記導波層の前記入射面に略直
    交する方向に放射し、放射光を前記レーザー光源に帰還
    させることにより前記レーザー光の波長λをλ=NΛの
    大きさに固定する波長固定装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザー光源と前記導波層との間に
    前記レーザー光を集光し及び平行光にする集光手段を配
    置し、前記レーザー光を略垂直に前記導波層の入射面に
    入射させる請求項1記載の波長固定装置。
  3. 【請求項3】 レーザー光源と、入射面が前記レーザー
    光源から出射されレーザー光の光軸と直交するように設
    けられた透明基板と、前記透明基板上に形成された導波
    層と、前記導波層の上面又は下面に形成され前記光軸を
    中心とする同心円状周期構造を有する光結合手段とを具
    備し、前記レーザー光は前記光結合手段により前記導波
    層内で周期構造の外周側から中心に伝搬する導波光を励
    起し、前記導波光は中心を経て前記光結合手段により放
    射され、該放射光が前記レーザー光源に帰還し、前記レ
    ーザー光の波長を固定させる波長固定装置。
  4. 【請求項4】 前記導波層の等価屈折率N0、前記光結
    合手段のピッチΛ、前記光結合手段への前記レーザー光
    の入射角をθ、前記透明基板の屈折率をnとして、 【数1】 の条件を満足する請求項3記載の波長固定装置。
  5. 【請求項5】 レーザー光源と、入射面が前記レーザー
    光源から出射されレーザー光の光軸と直交するように設
    けられた透明基板と、前記透明基板上に形成された導波
    層と、前記導波層の上面又は下面に形成され前記光軸を
    中心とする同心円状周期構造を有する光結合手段とを具
    備し、前記光結合手段は、前記光軸からの半径r0を境
    として外周側結合部及び内周側結合部に分割され、前記
    外周側結合部では周期構造の外周側から中心側に伝搬す
    る導波光が励起され、前記内周側結合部では周期構造の
    中心側から外周側に伝搬する導波光が励起され、前記外
    周側結合部に入力し外周側から中心側に伝搬する導波光
    は半径r0の境界線を越え前記内周側結合部により放射
    され、該放射光が前記レーザー光源に帰還してレーザー
    光の波長を固定させる波長固定装置。
  6. 【請求項6】 前記導波層の等価屈折率N0、前記光結
    合手段への前記レーザー光の入射角をθ、前記透明基板
    の屈折率をnとして、前記光軸からの半径rの点におけ
    る前記光結合手段の周期構造のピッチΛが 【数2】 の条件を満足する請求項5記載の波長固定装置。
  7. 【請求項7】 前記外周側結合部は、前記内周側結合部
    とは等価屈折率が異なり、前記内周側結合部では周期構
    造の中心から外周側に伝搬する導波光が励起され、前記
    外周側結合部では周期構造の外周側から中心側に伝搬す
    る導波光が励起され、前記外周側から中心側に伝搬する
    導波光は前記内周側結合部から放射され、該放射光が前
    記レーザー光源に帰還してレーザー光の波長を固定させ
    る請求項5記載の波長固定装置。
  8. 【請求項8】 前記外周側結合部の最内周半径をr0
    最外周半径をr1として、半径(r0+r1)/2及び半
    径rにおける前記光結合手段への前記導波光の入射角を
    θ0及びθ1、前記光結合手段の周期構造のピッチΛ、半
    径rの点における前記導波層の等価屈折率N、前記透明
    基板の屈折率をnとして、 【数3】 の条件を満足する請求項7記載の波長固定装置。
  9. 【請求項9】 前記導波層の半径r0からr1における輪
    帯領域での厚さを他の領域の厚さに比べて薄くすること
    により、(数3)の条件を満足することを特徴とする請
    求項8記載の波長固定装置。
  10. 【請求項10】 レーザー光源と、前記レーザー光源か
    ら出射されるレーザー光の光軸と直交するように設けら
    れた透明基板と、前記透明基板上に形成された導波層
    と、前記導波層の上面又は下面に形成され前記光軸を中
    心とする同心円状周期構造を持つ第1の光結合手段と、
    前記導波層の上面又は下面の前記第1の光結合手段を取
    り囲む領域に前記光軸を中心とする同心円状周期構造を
    有する第2の光結合手段とを具備し、前記レーザー光は
    前記第1の光結合手段により周期構造の中心側から外周
    側に伝搬する第1の導波光を励起し、前記第1の導波光
    は前記第2の光結合手段により放射されて反射面上に集
    光され、前記反射面により反射される光は前記第2の光
    結合手段により周期構造の外周側から中心側に伝搬する
    第2の導波光を励起し、前記第2の導波光が前記第1の
    光結合手段により放射され、該放射光が前記レーザー光
    源に帰還し、前記レーザー光の波長を固定させる波長固
    定装置。
  11. 【請求項11】 前記導波層の等価屈折率N0、前記第
    1の光結合手段のピッチΛ0、前記第1の光結合手段の
    ピッチΛ1、前記第2の光結合手段への前記レーザー光
    の入射角をθ0、前記第2の光結合手段からの放射光の
    出射角をθ1、前記透明基板の屈折率をnとして、前記
    第1及び第2の光結合手段の周期構造のピッチΛ0及び
    Λ1が 【数4】 の条件を満足する請求項10記載の波長固定装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の光結合手段と第2の光結合
    手段の間において、前記透明基板に段差構造が設けら
    れ、前記段差構造により前記導波層が折り曲げられる段
    差部を形成し、前記導波光が前記段差部を通過すること
    により前記段差構造により導波モードが変化する請求項
    10記載の波長固定装置。
  13. 【請求項13】 前記段差部を通過する前の導波光に対
    する等価屈折率をN0、前記段差部を通過した後の導波
    光に対する等価屈折率をN1、前記第1の光結合手段へ
    の前記レーザー光の入射角をθ0、前記第2の光結合手
    段からの出射光の放射角をθ1、前記透明基板の屈折率
    をnとして、前記第1及び第2の光結合手段のピッチΛ
    0及びΛ1が 【数5】 の条件を満足する請求項12記載の波長固定装置。
  14. 【請求項14】 レーザー光源と、前記レーザー光源か
    ら出射されるレーザー光の光軸と直交するように設けら
    れた透明基板と、前記透明基板上に形成された導波層
    と、前記導波層の上面又は下面に形成され前記光軸を中
    心とする同心円状周期構造を持つ第1の光結合手段と、
    前記導波層の上面又は下面の前記第1の光結合手段を取
    り囲む領域に前記光軸を中心とする同心円状周期構造を
    有する第2の光結合手段とを具備し、前記レーザー光は
    前記第1の光結合手段により周期構造の中心側から外周
    側に伝搬する導波光を励起し、前記導波光は前記第2の
    光結合手段により放射され、所定の集光点に集光され、
    前記集光点近傍に設けられた反射面により反射された光
    は前記第2の光結合手段により外周側から中心に伝搬す
    る第2の導波光を励起し、前記第2の導波光は前記第1
    の光結合手段により放射光を励起し、前記放射光を前記
    レーザー光源に帰還させることにより前記レーザー光の
    波長を固定する集光装置。
  15. 【請求項15】 前記導波層の等価屈折率N0、前記第
    1の光結合手段のピッチΛ0、前記第2の光結合手段の
    ピッチΛ1、前記第2の光結合手段への前記レーザー光
    の入射角をθ0、前記第2の光結合手段からの放射光の
    出射角をθ1、前記透明基板の屈折率をnとして、前記
    第1及び第2の光結合手段の周期構造のピッチΛ0及び
    Λ1が前記(数4)の条件を満足する請求項14記載の
    集光装置。
  16. 【請求項16】 前記第1の光結合手段と第2の光結合
    手段の間において、前記透明基板は段差構造を有し、前
    記段差構造により前記導波層が折り曲げられる段差部を
    形成し、前記導波光が前記段差部を通過することにより
    導波モードが変化する請求項14又は15に記載の集光
    装置。
  17. 【請求項17】 前記段差部を通過する前の導波光に対
    する等価屈折率をN0、前記段差部を通過した後の導波
    光に対する等価屈折率をN1、前記第1の光結合手段へ
    の前記レーザー光の入射角をθ0、前記第2の光結合手
    段からの放射光の出射角をθ1、前記透明基板の屈折率
    をnとして、前記第1及び第2の光結合手段のピッチΛ
    0及びΛ1が(数5)の条件を満足する請求項16記載の
    集光装置。
  18. 【請求項18】 レーザー光源と、前記レーザー光源か
    ら出射されるレーザー光の光軸と直交するように設けら
    れた透明基板と、前記透明基板上に形成された導波層
    と、前記導波層の上面又は下面に形成され前記光軸を中
    心とする同心円状周期構造を持つ第1の光結合手段と、
    前記導波層の上面又は下面の前記第1の光結合手段を取
    り囲む領域に前記光軸を中心とする同心円状周期構造を
    有する第2の光結合手段とを具備し、前記第1の光結合
    手段と第2の光結合手段の間において、前記透明基板は
    段差構造を有し、前記段差構造により前記導波層が折り
    曲げられ段差部を形成し、前記レーザー光は前記第1の
    光結合手段により周期構造の中心側から外周側に伝搬す
    る第1の導波光を励起し、前記第1の導波光は前記第2
    の光結合手段により放射されて光ディスクの反射面上に
    集光され、前記反射面により反射される光は前記第2の
    光結合手段により周期構造の外周側から中心側に伝搬す
    る第2の導波光を励起し、前記第1及び第2の導波光が
    前記段差部を通過することにより導波モードの異なる導
    波光を励起し、前記導波モードの異なる第1の導波光の
    一部が前記第1の光結合手段により放射され、該第1の
    放射光が前記レーザー光源に帰還し、前記レーザー光の
    波長を固定させ、前記導波モードの異なる第2の導波光
    の一部が前記第1の光結合手段により前記レーザー光源
    とは別の角度に放射され、該第2の放射光はその放射方
    向に配置された光検出器により検出され、前記光検出器
    の信号により、前記反射面の信号を再生する光ディスク
    装置。
  19. 【請求項19】 前記第2の光結合手段の外周側に接す
    る2個以上の中空扇状領域に形成され、前記光軸を中心
    とする同心円状周期構造を有する第3の光結合手段を具
    備し、前記中心側から外周側に伝搬する第1の導波光の
    一部が前記第3の光結合手段から放射され、前記反射面
    の手前及び奥に集光され、前記反射面により反射された
    光は前記第3の光結合手段により周期構造の外周側から
    中心側に伝搬する第3の導波光を励起し、前記段差部を
    通過することにより導波モードが変化した第3の導波光
    が前記第1の光結合手段により前記レーザー光源とは別
    角度の方向に放射され、該第3の放射光はその放射方向
    にあって第3の光結合手段に対応する方位に配置された
    2個以上の光検出器により検出され、前記光検出器の差
    分信号により、前記反射面のフォーカスエラー信号を得
    る請求項18記載の光ディスク装置。
  20. 【請求項20】 前記反射面上に凹凸又は濃淡信号が形
    成され、前記凹凸又は濃淡信号により前記レーザー光源
    側に帰還する光量が変化し、該変化により前記レーザー
    光源の発振光量が変化し、前記発振光量の変化に基づい
    て前記反射面上の信号を読みとる請求項18又は19記
    載の光ディスク装置。
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