JP3499494B2 - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

インクジェット画像形成方法

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JP3499494B2
JP3499494B2 JP2000081881A JP2000081881A JP3499494B2 JP 3499494 B2 JP3499494 B2 JP 3499494B2 JP 2000081881 A JP2000081881 A JP 2000081881A JP 2000081881 A JP2000081881 A JP 2000081881A JP 3499494 B2 JP3499494 B2 JP 3499494B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,インクジェット式
画像形成装置において用いられる画像形成方法,即ちド
ット形成方法に係り,詳しくは,黒画素位置へのドット
形成を,相対的に乾燥時間が長い遅乾性黒インクのみに
よる第1のドット形成と,相対的に乾燥時間が短い速乾
性インクと上記遅乾性黒インクとを重ねる第2のドット
形成のいずれかにより,ドットサイズ可変にて行うイン
クジェット画像形成方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】インクジェット式の画像形成装置におい
ては,画像形成後のインクの乾燥時間がプリント処理全
体の効率を大きく左右する。特に,顔料系の黒インク
(以下,遅乾性黒インクという)は,黒の再現性が高く
高画質を得やすいが,乾燥に時間がかかるため,この遅
乾性黒インクのみを用いて黒ドットを形成すると,黒ベ
タなど,黒ドットの面積率が大きい画像の場合,インク
が乾燥するまでに長時間を要し,また完全に乾かないう
ちに搬送によって印刷面が擦られ,画像が汚れてしまう
といった問題点があった。そこで,例えば特願平7−1
49036号公報には,速乾性インク(例えばイエロ
ー,マゼンタ,シアンの3色の混合による黒インク)を
下地として印字し,その上に遅乾性黒インクによる黒ド
ットを重ねるドット形成技術が提案されている。このよ
うに,下地として速乾性インクドットを形成すること
で,遅乾性黒インクの用紙への浸透が促進され,乾燥時
間を短縮することが可能となり,また隣接するカラード
ットとの間での色滲み等も抑制できる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら,速乾性
インクによる黒ドットは黒の再現性が低いため,上記の
ように黒ドットを遅乾性黒インクと速乾性インクとで形
成すると,乾燥性は向上するものの,印字濃度の低下や
色相の変化が生じやすいという問題点があった。本発明
は,上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的と
するところは,黒画素の印字濃度や色相の変化を最小限
に抑えつつ,乾燥時間を十分に短くすることが可能なイ
ンクジェット画像形成方法を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】図2は,遅乾性黒インク
(図中では単にブラックインクと表示)の印字比率
(%)と印字濃度との関係を,その下地として印字した
イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の混色
による速乾性黒インクの印字比率(%)毎に示したもの
である。この図では,便宜上,ドットサイズ(理想ドッ
トサイズに対する比率)を印字比率としている。実際に
は,遅乾性黒インクの印字比率と速乾性黒インクの印字
比率の和は100%となるが,この実験では,速乾性黒
インクによるドットをドットサイズ一定(0%,17
%,…)で形成し,その上に遅乾性黒インクによるドッ
トをドットサイズを変化させながら形成したため,必ず
しも両者の印字比率(ドットサイズ)の和が100%と
はなっていない。同図より,遅乾性黒インクのドットサ
イズ(印字比率)が67%以上の場合には,速乾性黒イ
ンクのドットサイズ(印字比率)がどのような値であっ
ても,印字濃度が1.20を超えており,遅乾性黒イン
ク単独での印字とほぼ同等の濃度が得られていることが
わかる。即ち,遅乾性黒インクの印字比率を67%以上
(速乾性黒インクの印字比率を33%以下)にすれば,
十分な印字濃度が得られるものと言える。 【0005】また,図3は,遅乾性黒インクの印字比率
(%)と色差との関係を,その下地として印字したY,
M,Cの混色による速乾性黒インクの印字比率(%)毎
に示したものである。ここで,縦軸に示す色差の値は,
それぞれ次のような評価に対応している。 1:見分けることのできない色差 2:色差が分からない 3:感覚的な印象として同じ色として判断 4:同じ系統の色として判断 5:別系統の色と判断 6:全く異なる色と判断 ここで,図3において,遅乾性黒インクの印字比率
(%)が67%以上の場合には,色差は上記1〜3のい
ずれかとなり,遅乾性黒インク単独での印字に比べて色
相の変化が殆どないと判断できる。以上の結果より,遅
乾性黒インクの乾燥時間を短縮するために速乾性黒イン
クを下地処理する場合,遅乾性黒インクの印字比率を6
7%以上とすることにより,濃度の低下や色相の変化に
よる画質の低下を最小限に抑えることができると言え
る。 【0006】そこで,上記目的を達成するために本発明
は,黒画素位置へのドット形成をドットサイズ可変にて
行うインクジェット画像形成方法であって,対象となる
黒画素の理想ドットサイズに対するドットサイズが50
%を超え,且つ上記対象となる黒画素を中心とする所定
領域内の黒ドット面積率が50%を超える場合,及び/
又は対象となる黒画素の理想ドットサイズに対するドッ
トサイズが50%を超え,且つ上記対象となる黒画素を
中心とする所定領域内にカラードットが存在する場合
に,相対的に乾燥時間が短い,イエロー,マゼンダ及び
シアン各色の速乾性インクの混合により生成される速乾
性黒インクによるドットを下地として形成するととも
に,相対的に乾燥時間が長い遅乾性黒インクによるドッ
トを上記速乾性黒インクとの合計に対する比率を少なく
とも67%として上記下地の上に形成して,上記対象と
なる黒画素についてドット形成を行うことを特徴とする
インクジェット画像形成方法として構成されている。こ
れにより,黒画素の印字濃度や色相の変化を最小限に抑
えつつ,乾燥時間を短くすることが可能となる。また,
遅乾性黒インクの比率を上記範囲内で最も小さい67%
とすることで,黒画素の印字濃度や色相の変化をより
切な範囲に維持しつつ,乾燥時間を十分に短くすること
可能である。 【0007】また,対象となる黒画素の理想ドットサイ
ズに対するドットサイズが50%を超え,且つ上記対象
となる黒画素を中心とする所定領域内の黒ドット面積率
が50%を超える場合に,前掲のようにしてドットを形
成するため,黒ドット同士の重なり面積が大きくなって
乾燥時間が極端に長くなることに起因する不都合を回避
できる。また,対象となる黒画素の理想ドットサイズに
対するドットサイズが50%を超え,且つ上記対象とな
る黒画素を中心とする所定領域内にカラードットが存在
する場合に,前掲のようにしてドットを形成するため,
上記対象となる黒画素とカラードットとが隣接してしか
もそれらの重なりが大きいことに起因する不都合,すな
わち滲みを防止することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は本発明を具
体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する
性格のものではない。 【0009】本実施の形態に係るインクジェット画像形
成方法は,イエロー(Y)インク,マゼンタ(M)イン
ク,シアン(C)インクの3種類のカラーインクと,顔
料系の遅乾性黒インクとを,それぞれドットサイズ可変
にて吐出可能な印字ヘッドを具備するインクジェット式
画像形成装置(ここではインクジェットプリンタZ1と
する)への適用を想定している。 【0010】図4は,上記インクジェットプリンタZ1
のデータ処理回路のブロック図である。このデータ処理
回路は,例えば上記インクジェットプリンタZ1の制御
装置内に設けられている。尚,図4において,R,G,
B,および,Y,M,C,Kは,それぞれレッド,グリ
ーン,ブルー,及びイエロー,マゼンタ,シアン,ブラ
ックの各画素データ(各色データ)を表している。ま
た,各ブロック間を結ぶラインにおいて「//」とともに
付加した「3」または「4」の数字は,その部分のデー
タ数(データライン数)を表している。上記データ処理
回路内での画素データの流れを簡単に説明する。 【0011】RGB系の画素データは,フレームメモリ
32を経てRGB/YMCK変換回路34にてYMCK
系の画素データに変換される。そして,各色データ(画
素データ)に対応するラインメモリ36Y,36M,3
6C,36Kに入力される。尚,元の画素データがYM
CK系のデータであれば,RGB/YMCK変換回路3
4は不要である。ラインメモリ36Y,36M,36
C,36Kに入力された各色データは,順次,面積率処
理回路38に送られ,ここで後述するデータ変換処理
(図1)が行われ,変換処理後,再度ラインメモリ36
Y,36M,36C,36Kに入力される。そして,上
記ラインメモリ36Y,36M,36C,36K内の各
画素データに基づいて,ヘッドドライバ40Y,40
M,40C,40Kにより,それぞれイエローヘッド1
1Y,マゼンタヘッド11M,シアンヘッド11C,ブ
ラックヘッド11Kが駆動され,用紙上に画像が形成さ
れる。 【0012】ここで,各ラインメモリ36Y,36M,
36C,36Kは,同一のメモリ構成を有している為,
以下の説明では便宜上これらを重ね合わせて1つのライ
ンメモリとして説明する。即ち,各ラインメモリ36
Y,36M,36C,36Kにおいて,以下で説明する
アドレスの等しいセルCoを1つとして考え,このセル
Coには,各色データの情報が格納されているものとす
る。図5はラインメモリのメモリ構造を示す図である。
ラインメモリは,プリントデータ領域(記録画像領域)
と第1及び第2補正用データ領域と第1及び第2ダミー
データ領域と,各領域の行・列に対して付与されている
アドレスとから構成されている。 【0013】プリントデータ領域はプリントデータの一
部を格納する為のm行×n列のセルCo…から構成され
たメモリマップからなっている。このプリントデータ領
域を構成する各セルCoは,上記のドット形成位置と1
対1に対応しており,各セルCoによって各ドット形成
位置に形成すべきドットの情報であるデータが格納され
ている。このデータは,ドットを形成するか否かに応じ
てそれぞれ1か0かの値を有している。具体的にi行j
列のセルCoであるセルCoijに格納されているデータ
Dijに関しては,セルCoijに対応するドット形成位置
にドットを形成する場合はデータDij=1であり,セル
Coijに対応するドット形成位置にドットを形成しない
場合はデータDij=0である。なお,添字「ij」はi行
j列を示すものとし,以下では,特に行列上の位置を特
定する場合にのみ付記するものとする。またデータDは
各色データを区別しない一般的な説明の場合に用い,各
色データを区別するデータDを表す場合には,それぞれ
データY・M・C・Kと表すことにする。 【0014】また,プリントデータ領域は,プリントデ
ータを副走査方向に分割して順次記憶するように構成さ
れている。つまりプリントデータ領域の1行に含まれる
セルCo…は,主走査方向(記録用紙の幅方向)におけ
る1行分の全データを格納可能となっており,プリント
データ領域の1列に含まれるセルCo…は,副走査方向
における分割されたデータの1列分を格納可能となって
いる。また,プリントデータ領域内のm行×n列のセル
Co…には,先頭行から最終行にそれぞれ1からmの行
番号(チャンネル,row.),先頭列から最終列にそれぞ
れ1からnの列番号(col.)が付与されている。 【0015】第1及び第2補正用データ領域と第1及び
第2ダミーデータ領域とは,実際のプリント画像におい
て,プリントデータ領域に対応する部分の周辺部に対応
しているデータ領域である。これらは,プリントデータ
領域の最外周において,後述する黒ドット面積率Sk1
を算出する際に用いられるデータを格納している。第1
及び第2補正用データ領域はそれぞれプリントデータ領
域の先頭行の直前の行及び最終行の直後の行を成すセル
Co…から構成されており,0及びm+1の行番号が付
与されている。そして,第1及び第2補正用データ領域
には,それぞれの直前にプリントデータ領域に記憶され
ていたrow =mのデータ(チャンネル1補正用デー
タ),及びその直後にプリントデータ領域に記憶される
row =1のデータ(チャンネルm補正用データ)が格納
されている。また,第1及び第2ダミーデータ領域は,
それぞれプリントデータ領域の先頭列の直前(図左側)
の列及び最終列の直後(図右側)の列を成すセルCo…
から構成されており,それぞれ0及びn+1の列番号が
付与されている。これら第1及び第2ダミーデータ領域
は,記録用紙の両端部において画像が形成されない領域
(プリントデータが存在しない領域,余白部)に対応し
ているため,全セルCo…にデータD=0が格納されて
いる。 【0016】以上の各領域を構成する各行及び各列に対
して,それぞれアドレスRad及びアドレスCadが付与さ
れている。このアドレスRad及びアドレスCadは,それ
ぞれ行番号,及び列番号を2進数で表したものである。
なお,アドレスRad及びアドレスCadを下位ビットから
順に(1桁目,2桁目,…),それぞれアドレスRad2
0,Rad21,…,及びアドレスCad20,Cad21…と表
す。 【0017】次に,上記面積率処理回路38によりライ
ンメモリ36上のプリントデータのデータ変換について
説明する。本インクジェットプリンタZ1は,上述した
ようにドットサイズ可変である(ドットサイズ変調され
ている)ため,ラインメモリの各セルCoに格納される
データDにはドットサイズ(理想ドットサイズに対する
割合)が格納されるものとする。ここでは,ドットサイ
ズを理想ドットサイズに対して100%,83%,75
%,67%,50%,33%,25%,17%の8段階
に変化させることができるものとする。 【0018】ここで,上記各ドットサイズのドットを形
成した場合におけるドットサイズを有するドット同士の
重なりについて説明する。注目位置に上記各ドットサイ
ズを有するドットが形成された場合に,注目位置に対し
て水平・垂直方向(行・列方向)及び斜め方向に隣接す
る位置に上記各ドットサイズを有するドットが形成され
たときの,注目位置のドットとそれに隣接する位置のド
ットとの間での重なりの有無は表1のように表すことが
できる。 【表1】 表1では,注目位置のドットとそれに隣接する位置のド
ットとの間での重なりがある場合を「×」,重なりがな
い場合を「○」で表している。また,ドットピッチ比
は,ドットピッチに対するドットサイズの比率を表して
いる。表1からわかるように,注目位置のドットのドッ
トサイズが50%以下の場合において,ドット同士の重
なりが生じるのは,注目位置のドットのドットサイズが
50%であり,且つ,水平または垂直方向のドットサイ
ズ100%の隣接ドットが存在する場合のみである。た
だし,この場合であっても,ドットピッチと各ドットサ
イズとを考慮すると,重なり部分の面積は小さいことが
わかる。そこで,本実施の形態においては注目位置のド
ットがドットサイズが50%を超える黒ドットである,
つまり,注目セルCaに格納されているデータKが50
%を超える(データK=67%,75%,83%,10
0%)場合をデータ変換を行う条件とする(条件1)。 【0019】次に,注目位置を含む領域の黒ドットの密
度によってデータ変換を行う条件について説明する。ド
ットサイズ変調されている場合において,m行×n列の
ドット形成位置によって構成される所定領域の黒ドット
の密度を示す値として,黒ドット面積率Sk2(ドット
面積率)を式(1)により定義する。 (黒ドット面積率Sk2)=p2/(m行×n列) … (1) 但し,p2は所定領域内に形成される黒ドットのドット
サイズの合計(%)を,mは所定領域内のドット形成位
置の行数を,nは所定領域内のドット形成位置の列数を
それぞれ示している。本実施の形態では,上記m=3,
n=3とし,注目セルCaを中心とする3行×3列の領
域(以下,注目セル領域という)の黒ドット面積率Sk
2をその注目セルCaの黒ドット面積率Sk2とする。
そして,注目セルCaの黒ドット面積率Sk2が50%
を越える場合をデータ変換を行う条件とする(条件
2)。 【0020】上記条件1及び条件2を共に満たす黒画素
については,遅乾性黒インクのみでドット形成を行うと
極端に乾燥時間が長くなるため,Y,M,Cの3色のカ
ラーインクの混色(速乾性黒インクという)による黒ド
ットを下地として形成し,その上から遅乾性黒ドットを
形成する。これにより,下地として形成した速乾性黒ド
ットによって遅乾性黒ドットの用紙への浸透が促進され
ることになり,乾燥時間の短縮を図ることができる。但
しこの時,遅乾性黒インクの比率が小さくなればなるほ
ど,画像濃度の低下や色相の変化が大きくなり,画質が
低下してしまうが,上述したように,遅乾性黒インクと
速乾性黒インクとを併用する場合には,遅乾性黒インク
の比率を67%以上とすることで,画像濃度の低下や色
相の変化による画質の低下を最小限に抑えることができ
る。本実施の形態では,画質の低下を最小限に抑えつ
つ,乾燥時間をなるべく短くするため,上記条件1及び
条件2を満たす場合には,速乾性黒インクの比率33%
(ドットサイズ33%),遅乾性黒インクの比率67%
(ドットサイズ67%)でドット形成を行うものとす
る。具体的には,変換前のデータと変換後のデータの対
応関係を次のように設定する。 【表2】 尚,条件2を満たさない場合であっても,その注目セル
Caがカラー領域との境界に位置する場合には,カラー
領域に黒ドットが滲むことを防止するため,乾燥時間を
短縮するために速乾性黒インクを併用することが望まし
い。そこで,本実施の形態では,その注目セル領域内に
カラードットが存在する場合(条件3)であって,且つ
条件1を満たす場合は,条件1及び条件2を満たす場合
と同様にしてドットを形成する。 【0021】上記のようにしてドットを形成する為のデ
ータ変換について,図6から図8に基づいて説明する。
図6から図8は,ラインメモリのプリントデータ領域内
のデータ変換を示す説明図である。図6は変換前のデー
タD,図7は各セルCoの黒ドット面積率Sk2,図8
は変換後のデータDを示している。尚,図6から図8に
おいては,黒ドットを形成するセルCo…に斜線を付与
している。また,カラードットを形成するセルCo…に
関しては単に「Y」,「M」,「C」を表示している。
図6に示すデータDを有するプリントデータ領域内にお
いて,黒データを有する全セルCo…に対して,順次各
セルCoの黒ドット面積率Sk2が求められる。その結
果,各セルCoの黒ドット面積率Sk2は図7に示すよ
うになる。黒ドット面積率Sk2は各セルCoに保存さ
れるものではないが,説明のため図7では各セルCoに
対応する黒ドット面積率Sk2を表示している。図6に
示す変換前データDによって,注目セルCaが上記条件
1または条件3を満たす過否かが判別される。また図7
に示す黒ドット面積率Sk2によって,注目セルCaが
上記条件2を満たすか否かが判別される。そして,条件
1及び条件2,又は条件1及び条件3を満たす場合に
は,上記表2に示すデータ変換が行われ,図8に示すよ
うなデータDが得られる。 【0022】以上の処理(面積率処理回路38における
処理)を,図1に示すフローチャートに従って更に具体
的に説明する。まず,ラインメモリ36からi行j列目
(初期値はi=1,j=1)の黒画素データ(注目セル
データという)kijが取得され,その注目セルデータが
黒画素であるか否かが判断される(ステップS0,S
1)。ここで,注目セルデータが黒画素でない場合(k
ij=0)には後述のステップS8へ進む。一方,注目セ
ルデータが黒画素である場合(kij=1)には,その注
目セルを中心とする注目セル領域内(ここでは3×3の
領域)における黒ドットサイズの合計p2を算出し(ス
テップS22),面積率Sk2を求める(ステップS2
3)。ここで,黒ドットサイズの合計p2から黒ドット
面積率Sk2を求める場合には,除算を行うことなく黒
ドットサイズの合計p2と黒ドット面積率Sk2との対
応関係を表にした面積率変換テーブル(図示しない)を
用いることにより,演算処理に要する時間を大幅に短縮
することができる。勿論,上記p2の値をそのまま次の
ステップS24における判断に用いてもよい。 【0023】続くステップS24では,注目セルCaij
の黒ドット面積率Sk2に対する判定を行う。ステップ
S24において,黒ドット面積率Sk2が50%を超え
ていれば(上記条件2),ステップS28において注目
セルデータに対して上記表2を用いたデータ変換処理が
行われる。また,上記ステップS24において黒ドット
面積率Sk2が50%以下であった場合でも,続くステ
ップS5において注目セル領域内のカラードットをカウ
ントし,そのカウント数ckが1以上であれば(上記条
件3),ステップS28において注目セルデータに対し
て上記表2を用いたデータ変換処理が行われる。それ以
外の場合には,注目セルデータの変換処理は行われない
(ステップS27)。 【0024】ここで,上記表2では,変換前のドットサ
イズが50%以下の場合にはデータ変換がされないよう
になっている。従って,ステップS28において実際に
データデータ変換が行われるのは,上記条件1,条件2
を共に満たす場合,若しくは上記条件1,条件3を共に
満たす場合のいずれかとなる。また,上記ステップS2
8では,変換前のドットサイズが67%以上の場合に
は,変換後のデータは,遅乾性黒ドットがドットサイズ
67%,カラーインクの混色による速乾性黒ドットがド
ットサイズ33%となる。即ち,遅乾性黒インクと速乾
性黒インクとを併用する場合には,常に遅乾性黒インク
の比率が67%となる。従って,黒画素の印字濃度や色
相の変化を最小限に抑えつつ,乾燥時間を十分に短くす
ることが可能となる。上記ステップS1以降の処理が,
全てのセルについて繰り返される(ステップS8〜S1
1→S1→…)。 【0025】以上説明したように,本実施の形態に係る
インクジェット画像形成方法によれば,黒ドットの重な
りが大きくインクの乾燥時間が特に長くなる場合(上記
条件1,条件2を共に満足する場合),或いは黒ドット
がカラードットに隣接する場合(上記条件1,条件3を
共に満足する場合)に,速乾性黒ドットの上に遅乾性黒
ドットを重ねて形成することにより乾燥時間を短縮する
ことが可能であると共に,上記遅乾性黒ドットの比率を
67%(速乾性黒ドットの比率を33%)とすること
で,速乾性黒ドットの併用による黒画素の印字濃度の低
下や色相の変化を最小限に抑えることが可能である。
尚,上記の例では,速乾性黒ドットの上に遅乾性黒ドッ
トを重ねて形成する際の遅乾性黒ドットの比率を67%
としたが,それ以上の値に設定してもよい。但し,遅乾
性黒ドットの比率が大きくなればなるほど,黒画素の印
字濃度は高くなり,色相の変化も小さくなるが,逆に乾
燥性が悪くなる点に注意が必要である。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように,本発明は,黒画素
位置へのドット形成をドットサイズ可変にて行うインク
ジェット画像形成方法であって,対象となる黒画素の理
想ドットサイズに対するドットサイズが50%を超え,
且つ上記対象となる黒画素を中心とする所定領域内の黒
ドット面積率が50%を超える場合,及び/又は対象と
なる黒画素の理想ドットサイズに対するドットサイズが
50%を超え,且つ上記対象となる黒画素を中心とする
所定領域内にカラードットが存在する場合に,相対的に
乾燥時間が短い,イエロー,マゼンダ及びシアン各色の
速乾性インクの混合により生成される速乾性黒インクに
よるドットを下地として形成するとともに,相対的に乾
燥時間が長い遅乾性黒インクによるドットを上記速乾性
黒インクとの合計に対する比率を少なくとも67%とし
て上記下地の上に形成して,上記対象となる黒画素につ
いてドット形成を行うことを特徴とするインクジェット
画像形成方法として構成されているため,黒画素の印字
濃度や色相の変化を最小限に抑えつつ,乾燥時間を短く
することが可能となる。ここで,遅乾性黒インクの比率
を上記範囲内で最も小さい67%とすることで,黒画素
の印字濃度や色相の変化をより適切な範囲に維持しつ
つ,乾燥時間を十分に短くすること可能である。 【0027】また,対象となる黒画素の理想ドットサイ
ズに対するドットサイズが50%を超え,且つ上記対象
となる黒画素を中心とする所定領域内の黒ドット面積率
が50%を超える場合に,前掲のようにしてドットを形
成するため,黒ドット同士の重なり面積が大きくなって
乾燥時間が極端に長くなることに起因する不都合を回避
することができる。また,対象となる黒画素の理想ドッ
トサイズに対するドットサイズが50%を超え,且つ上
記対象となる黒画素を中心とする所定領域内にカラード
ットが存在する場合に,前掲のようにしてドットを形成
するため,上記対象となる黒画素とカラードットとが隣
接してしかもそれらの重なりが大きいことに起因する不
都合,すなわち滲みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施の形態に係るインクジェット画
像形成方法の処理手順を示すフローチャート。 【図2】 遅乾性黒インクの印字比率(%)と印字濃度
との関係を,その下地に印字したY,M,Cの混色によ
る速乾性黒インクの印字比率(%)毎に示したグラフ。 【図3】 遅乾性黒インクの印字比率(%)と色差との
関係を,その下地に印字したY,M,Cの混色による速
乾性黒インクの印字比率(%)毎に示したグラフ。 【図4】 本発明の実施の形態に係るインクジェット画
像形成方法の適用対象であるインクジェットプリンタZ
1のデータ処理回路の概略構成を示すブロック図。 【図5】 上記インクジェットプリンタZ1のラインメ
モリのメモリ構造を示す説明図。 【図6】 データ変換前の画素データDの一例を示す
図。 【図7】 図6に示す画素データDの各セルCoにおけ
る黒ドット面積率Sk2を示す図。 【図8】 上記図6に示す画素データDにデータ変換処
理を行った結果を示す図。 【符号の説明】 11Y,11M,11C,11K…インクジェットヘッ
ド 36Y,36M,36C,36K…ラインメモリ 40Y,40M,40C,40K…ヘッドドライバ 38…面積率処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−136310(JP,A) 特開 平6−135006(JP,A) 特開 平10−324009(JP,A) 特開 平8−187880(JP,A) 特開 平7−149036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/21 B41J 2/01 B41M 5/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 黒画素位置へのドット形成をドットサイ
    ズ可変にて行うインクジェット画像形成方法であって, 対象となる黒画素の理想ドットサイズに対するドットサ
    イズが50%を超え,且つ上記対象となる黒画素を中心
    とする所定領域内の黒ドット面積率が50%を超える場
    合,及び/又は対象となる黒画素の理想ドットサイズに
    対するドットサイズが50%を超え,且つ上記対象とな
    る黒画素を中心とする所定領域内にカラードットが存在
    する場合に, 相対的に乾燥時間が短い,イエロー,マゼンダ及びシア
    ン各色の速乾性インクの混合により生成される速乾性黒
    インクによるドットを下地として形成するとともに,相
    対的に乾燥時間が長い遅乾性黒インクによるドットを上
    記速乾性黒インクとの合計に対する比率を少なくとも6
    7%として上記下地の上に形成して, 上記対象となる黒画素についてドット形成を行うことを
    特徴とするインクジェット画像形成方法。
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