JP3498628B2 - 超音波振動子とそれを用いた超音波流量計 - Google Patents

超音波振動子とそれを用いた超音波流量計

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波により気体
や液体の流量や流速の計測を行う超音波流量計に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の超音波流量計には、例えば
特開平9−133561号公報が知られており、標準状
態の非測定流体の温度(T0)と使用状態の非測定流体
の温度情報(Tsv)からT0/Tsvを補正係数とし
て流量の測定精度を高めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の超音波流量計では、流れが無い状態の測定結果(以降
ゼロ点とする)が温度変化によって0以外の値となった
場合、動作補償温度範囲全体を補正係数だけで0にする
ことは困難で、温度変化によるゼロ点の安定性が得られ
ないという課題を有していた。
【0004】本発明では上記課題を解決するもので、超
音波振動子の構成により温度変化によるゼロ点の安定性
を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、圧電体の不要振動モードとケースの共振周
波数が異なる周波数となるように構成したものである。
【0006】上記発明によれば、圧電体とケースが共振
することを阻害でき、一対の超音波振動子で送受信する
超音波パルスに対する不要振動の影響が低減できる。こ
のため温度変化によるゼロ点の安定性を向上させること
ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態の超音波振動
子は、電気信号と機械的振動を相互に変換する圧電体
と、前記圧電体の外側にケースと、整合層とを備え、前
記圧電体は前記ケースの天部の内壁側に固定され、前記
整合層は前記ケースの外壁側に固定され、前記圧電体の
不要振動モードの共振周波数と前記ケースの共振周波数
が異なる周波数であるように超音波振動子を構成したた
め、不要振動モードの影響を温度変化によるゼロ点の安
定性を向上させることができる。
【0008】本発明の第2の形態の超音波振動子は、第
1の形態の超音波振動子において、圧電体は縦振動及び
広がり振動する構成とし、縦振動の共振周波数又は広が
り振動する共振周波数を不要振動モードの周波数である
構成としたため、温度変化によるゼロ点の安定性を向上
させることができる。
【0009】本発明の第3の形態の超音波振動子は、第
1の形態の超音波流量計において、ケースの内壁側面又
は外壁側面に制振体を固定したため、不要振動モードの
影響を温度変化によるゼロ点の安定性を向上させること
ができる。
【0010】本発明の第4の形態の超音波振動子は、第
3の形態の超音波流量計において、制振体が剛体からな
るように構成したため、不要振動モードの影響を低減で
き温度変化によるゼロ点の安定性を向上させることがで
きる。
【0011】本発明の第5の形態の超音波振動子は、第
3の形態の超音波流量計において、制振体が弾性体から
なるよう構成したため、不要振動モードの影響を低減で
き温度変化によるゼロ点の安定性を向上させることがで
きる。
【0012】本発明の第6の形態の超音波振動子は、第
1の形態の超音波流量計において、ケースの側壁部に折
り曲げ部を設けたため、不要振動モードの影響を低減で
き温度変化によるゼロ点の安定性を向上させることがで
きる。
【0013】本発明の第7の形態の超音波流量計は、第
1の形態の超音波流量計において、ケースの天部が圧電
体の形状に類似した形状であるため、圧電体の方向がわ
かるようになり超音波流量計への取付が容易となる。
【0014】本発明の第8の形態の超音波流量計は、
測定流体が流れる流量測定部と、この流量測定部に設け
られ超音波を送受信する第1ないし7のいずれかの形態
の一対の超音波振動子と、一方の前記超音波振動子を駆
動する駆動回路と、他方の前記超音波振動子に接続され
超音波パルスを検知する受信検知回路と、前記超音波パ
ルスの伝搬時間を測定するタイマと、前記駆動回路と前
記タイマを制御する制御部と、前記タイマの出力より流
量を演算によって求める演算部とを備えた超音波流量計
であるため、不要振動モードの影響を低減でき温度変化
によるゼロ点の安定性を向上させることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。なお図面中で同一符号を付しているものは同
一なものであり、詳細な説明は省略する。
【0016】(実施例1) 図1は本発明の実施例1の超音波流量計を示すブロック
図である。図1において、1は被測定流体が流れる流量
測定部、2、3は流量測定部1の流れの方向に対し斜め
に対向して配置された超音波振動子、4は超音波振動子
2、3の使用周波数を発信する発振回路、5は発振回路
4に接続され超音波振動子2、3を駆動する駆動回路、
6は送受信する超音波振動子を切り替える切替回路、7
は超音波パルスを検知する受信検知回路、8は超音波パ
ルスの伝搬時間を計測するタイマ、9はタイマ8の出力
より流量を演算する演算部、10は駆動回路5とタイマ
8に制御信号を出力する制御部である。
【0017】まず動作、作用について説明する。例えば
非測定流体を空気、超音波振動子2、3の使用周波数に
は約500kHzを選択する。発振回路4は例えばコンデ
ンサと抵抗で構成され約500kHzの方形波を発信し、
駆動回路7では発振回路4の信号から超音波振動子2を
駆動するため方形波が3波のバースト信号からなる駆動
信号を出力可能とする。また測定手段には測定流量の分
解能を向上するため、例えばシングアラウンド法を用い
る。
【0018】制御部10では駆動回路5に送信開始信号
を出力すると同時に、タイマ8の時間計測を開始させ
る。駆動回路5は送信開始信号を受けると超音波振動子
2を駆動し、超音波パルスを送信する。送信された超音
波パルスは流量測定1内を伝搬し超音波振動子3で受信
される。受信された超音波パルスは超音波振動子3で電
気信号に変換され、受信検知回路7に出力される。受信
検知回路7では受信信号の受信タイミングを決定し、制
御部10に受信検知信号を出力する。制御部10では受
信検知信号を受けると、あらかじめ設定した遅延時間t
d経過後に再び駆動回路5に送信開始信号を出力し、2
回目の計測を行う。この動作をN回繰返した後、タイマ
8を停止させる。演算部10ではタイマ8で測定した時
間を測定回数のNで割り、遅延時間tdを引いて伝搬時
間t1を演算する。
【0019】引き続き切替回路6で駆動回路5と受信回
路7に接続する超音波振動子を切り替え、再び制御部1
0では駆動回路5に送信開始信号を出力すると同時に、
タイマ8の時間計測を開始させる。伝搬時間t1の測定
と逆に、超音波振動子3で超音波パルスを送信し、超音
波振動子2で受信する計測をN回繰返し、演算部9で伝
搬時間t2を演算する。
【0020】ここで、超音波振動子2と超音波振動子3
の中心を結ぶ距離をL、空気の無風状態での音速をC、
流量測定部1内での流速をV、非測定流体の流れの方向
と超音波振動子2と超音波振動子3の中心を結ぶ線との
角度をθとすると、伝搬時間t1、t2は、 t1=L/(C+Vcosθ) (1) t2=L/(C−Vcosθ) (2) で示される。(1)(2)式より音速Cを消去して、流
速Vを求めると V=L/2cosθ(1/t1−1/t2) (3) が得られる。L、θは既知であるのでt1とt2を測定
すれば流速Vが求められる。この流速Vと流量測定部1
の面積をS、補正係数をKとすれば、流量Qは Q=KSV (4) で演算できる。
【0021】次に流れが無い状態での流量計測における
不要振動モードの影響を考える。一般的にシングアラウ
ンド法では、超音波振動子2から送信された超音波パル
スの残響時間や超音波パルスを受信した超音波振動子3
の振動時間が伝搬時間t1よりも長い場合、時間計測に
おいてこれら振動の影響を受ける。そこでこれら振動に
使用周波数以外の周波数成分が含まれていると仮定し、
温度によるゼロ点の変動を計算する。使用する周波数を
f1、不要振動の周波数をf2とし、計算を簡易にする
ためf1、f2は連続する正弦波とし、不要振動の振幅
をAとする。なおf2には周波数のずれが存在し、その
周波数差をdf2とする。また空気の流れは無いので、
温度をTとすると超音波振動子間を伝搬する時間Pt
は、 Pt=L/(331+0.6・T) (5) で示される。
【0022】ここで超音波振動子2で送信する場合を、 R1=sin{2π・f1・(tーPt)}+Asin(2π・f2・t) (6) 超音波振動子3で送信する場合を、 R2=sin{2π・f1・(tーPt)}+Asin{2π・(f2+df2)・t} (7) とする。(6)、(7)式より温度Tを変えたときのR
1、R2が5回目にゼロと交差する時間t1、t2を求
め、(3)式を用いて流量を算出する。f1を500kH
z、f2を200kHz、Aを−60dBとして、df2が
0kHz、1kHz、5kHzでの計算結果を図2〜4に示す。
【0023】図2のように、f2にずれが無い場合は、
温度によるゼロ点の変動は見られない。一方df2が1
kHz、5kHzである図3と図4では、温度によりゼロ点が
周期的な変動している。またdf2の大きさによって、
振幅に変化が見られる。以上の計算結果から、不要振動
モードの影響で温度によりゼロ点が周期的な変動をする
ことが推定できる。
【0024】そこで超音波振動子の構成と使用周波数、
不要振動周波数の関係を示す。超音波振動子11の構成
の一例を図5、この超音波振動子11に用いる圧電体を
図6、7に示す。超音波振動子11は圧電体12とケー
ス13と整合層14、裏ぶた15からなる。ケース13
には厚み0.2mmのステンレスを用い、深さが約3mmと
なるよう成形加工する。このケース13に裏ぶた15だ
けを取り付けた形状の振動解析を有限要素法を用いて行
うと、約200kHz付近に共振モードが存在する。超音
波振動子11に用いる圧電体12は、電極面の1辺が約
8mmの正方形で、高さが約2.7mmとする。この形状の
圧電体12は縦振動できないので、図6のように圧電体
16に縦の溝17を3本、図7のように圧電体18に縦
横の溝19を各3本設け、縦振動可能な構成とする。こ
れら構成の圧電体16、圧電体18のインピーダンス特
性を図8、図9に示す。図8のインピーダンス特性では
200kHz付近に不要振動モードの共振が見られる。こ
れに対し図9のインピーンダス特性では200kHz付近
の不要振動モードの共振がほぼ見られない。
【0025】圧電体16、圧電体18を用いた超音波振
動子を構成し、温度変化によるゼロ点の変動を測定した
実験結果を図10、図11に示す。図10では温度変化
によりゼロ点が周期性的な変動を示している。これに対
し図11では温度変化によるゼロ点の変動に周期的な現
象が見られない。
【0026】上記結果より、圧電体12の不要振動モー
ドの共振周波数とケース13の共振周波数が近い値のと
き温度変化によりゼロ点が周期的な変動し、圧電体12
の不要振動モードの共振周波数とケース13の共振周波
数が異なる周波数となるように圧電体12を構成すると
温度変化に依存せずゼロ点が安定することがわかる。
【0027】なお実施例1では流量計測にシングアラウ
ンド法を用いるとしたが、上記条件に限定されるわけで
なく、1回だけの計測でも、周期的な計測をN回行いそ
の平均値を測定する方法に用いてもよい。また非測定流
体を空気としたが、空気以外のLPガスや都市ガスのよ
うな気体でも、水やガソリンのような液体でも構わな
い。
【0028】また一対の超音波振動子を流れに対して斜
めに対向するように配置したが、流れに対して平行に配
置しても構わないし、流量測定部の内壁面での反射を利
用するような位置に配置しても構わない。また超音波振
動子の使用周波数を500kHz、不要振動の周波数を2
00kHzとしたが、上記条件に限定されるわけでなく、
使用周波数は気体であれば10kHz〜1MHz、液体であれ
ば100kHz〜10MHz程度の範囲が一般的である。また
圧電体の電極面の1辺が8mmの正方形で高さが2.7mm
の直方体としたが、上記寸法以外の直方体でも、薄い円
板、円柱、多角形の柱でも構わない。
【0029】(実施例2) 以下、本発明の実施例2について、図面を参照しながら
説明する。図12は実施例2の超音波振動子の断面図で
ある。20は超音波振動子、22はケース、23は整合
層、24は裏ぶたで、以上は図5の構成と同様なもので
ある。図5の構成と異なるのは、圧電体12を円柱状と
した点である。なお動作原理は実施例1と同様なので省
略する。
【0030】例えば直径1.5mm、高さが2.7mmの円
柱状の9本の圧電体21と、整合層23をケース22の
天部に接着固定して、裏ぶた24をケース22に電気溶
接する。圧電体21では広がり振動の共振周波数のほう
が縦振動の共振周波数より高周波に存在する。このため
広がり振動を不要振動とすれば、圧電体21の不要振動
モードの共振周波数とケース22の共振周波数が異なる
周波数となるため、不要振動モードの影響が低減でき実
施例1と同様に温度変化に依存せずゼロ点が安定する。
【0031】なお実施例2では円柱状の圧電体の縦振動
を用いるとしたが、多角形の柱状圧電体の縦振動でも構
わないし、薄い円板の広がり振動でも構わない。また圧
電体21を9本設けるとしたが、必要な数量を用いれば
よく、1本以上なら何本でも構わない。
【0032】(実施例3) 以下、本発明の実施例3について、図面を参照しながら
説明する。図13は実施例3の超音波振動子の断面図で
ある。25は超音波振動子、26は圧電体、27はケー
ス、29は整合層、30は裏ぶたで、以上は図5の構成
と同様なものである。図5の構成と異なるのは、ケース
27の内壁側面に制振体27を設けた点である。なお動
作原理は実施例1と同様なので省略する。
【0033】例えば厚みが0.3mmで幅が2.5mmのス
テンレス製リングからなる制振体27をケース28の内
壁側面に接着固定する。圧電体26は制振体28に接触
すると特性が劣化するので、圧電体26と制振体27は
接触しないように構成する。整合層23と裏ぶた30を
取り付けて、超音波振動子25を構成する。圧電体26
の不要振動モードの共振周波数は図8に示すように約2
00kHzである。ケース28は制振体27が接着された
ため、質量が増加し、共振周波数が200kHzよりも低
周波側にシフトする。さらに剛性も向上するため、振動
しにくくなる。
【0034】上記構成の超音波振動子25を用いた超音
波流量計で温度変化によるゼロ点の変動を測定した実験
では、実施例1の図11とほぼ等しい結果が得られた。
以上のように圧電体26には200kHzの不要振動モー
ドがあっても、ケース28に剛体からなる制振体27を
設けて圧電体26の不要振動モードの周波数と異なる共
振周波数となるようにすれば、温度変化に依存せずゼロ
点が安定することがわかる。さらに制振体27はケース
28に内包されているため、非測定流体に直接触れるこ
とがほとんど無いため非測定流体による腐食が防止で
き、長期信頼性も向上できる。
【0035】なお実施例3では制振体27は厚みが0.
3mmで幅が2.5mmのステンレス製リングとしたが、寸
法、材質、形状を変更してよく、複数の棒や板でも構わ
ない。また制振体27をケース28の内壁側面に接着固
定するとしたが、接着以外の手段で固定しても良いし、
外壁側面に設けてもよい。
【0036】(実施例4) 以下、本発明の実施例4について、図面を参照しながら
説明する。図14は実施例4の超音波振動子の断面図で
ある。31は超音波振動子、32は圧電体、34はケー
ス、35は整合層、36は裏ぶたで、以上は図5の構成
と同様なものである。図5の構成と異なるのは、ケース
34の外壁側面に制振体33を設けた点である。なお動
作原理は実施例1と同様なので省略する。
【0037】例えば厚みが50μmのポリイミドと25
μmのシリコン系の接着剤からなるカプトンテープを制
振体33として用いる。シリコン系接着剤は低温でも硬
度が変化しにくいので広い温度範囲で弾性体として用い
ることが可能である。またポリイミドは制振体33の質
量を増加させて、制振効果を増加させる作用を有す。ケ
ース34に圧電体32と整合層35を接着し、裏ぶた3
6を電気溶接したのち、ケース34の外壁側面にカプト
ンテープを数周巻付けて制振体33を構成する。超音波
振動子31の200kHz付近の共振は、制振体33を設
けることにより共振が少しだけ弱められることを確認し
た。これは弾性体である制振体33がケース34の振動
エネルギを吸収、損失させ、機械的Qを低減したためと
考えられる。
【0038】上記構成の超音波振動子31を用いた超音
波流量計で温度変化によるゼロ点の変動を測定した実験
では、実施例1の図11とほぼ等しい結果が得られた。
以上のように圧電体32とケース34は200kHzの不
要振動モードがあっても、ケース34に弾性体からなる
制振体33を設けて超音波振動子31の共振を弱めれ
ば、温度変化に依存せずゼロ点が安定することがわか
る。さらに制振体33は非常に薄いため、超音波振動子
31をあまり大きくすることなくゼロ点の安定性が向上
できる。
【0039】なお実施例4では制振体33はポリイミド
とシリコン系接着剤からなるカプトンテープをケース3
3の外壁に巻付けて構成するとしたが、カプトンテープ
以外のテープでも構わないし、筒状やリング状のゴム成
形品をケース33の外壁や内壁にはめ込む構成や、ケー
ス34の外壁や内壁にゴムあるいは制振塗料などを塗布
して構成しても構わない。
【0040】(実施例5) 以下、本発明の実施例5について、図面を参照しながら
説明する。図15は実施例5の超音波振動子の断面図で
ある。37は超音波振動子、38は圧電体、39はケー
ス、41は整合層、42は裏ぶたで、以上は図5の構成
と同様なものである。図5の構成と異なるのは、ケース
39の側壁にケース39の剛性を高めるため天部と同心
円状の折り曲げ部40を設けた点である。なお動作原理
は実施例1と同様なので省略する。
【0041】厚み0.2mmのステンレス板から天部を
するケース39を成型加工する。このとき、側壁には天
部と同心円状の折り曲げ部40を同時に成型加工する。
部の内壁側に圧電体38、外壁側に整合層41を接着
固定し、裏ぶた42を電気溶接して超音波振動子37を
組み立てる。ケース39は実施例1のケース13とほぼ
同じ構成をしているが、折り曲げ部40が設けられたた
め剛性が増大し側壁部は振動しにくくなる。またケース
39の共振周波数は200kHzよりも高周波側にシフト
し、圧電体38の不要振動モードの周波数とは異なる周
波数となる。このように圧電体38に200kHzの不要
振動モードが存在しても、折り曲げ部40を設けてケー
ス39の剛性を増大させれば、ケース39に制振体など
の部品を取り付けたり、大きさを変えたりしなくても容
易に温度変化に依存しない安定したゼロ点が得られる。
【0042】なお実施例5では折り曲げ部40を天部と
同心円状に構成するとしたが、折り曲げ部40は2ケ所
以上設けても良く、例えば図16に示すように、複数の
ビード43や、図17に示すように縦方向に折り曲げ部
44を設けても構わない。また圧電体が例えば四角形の
場合、図18のように天部45が四角形に類似した形状
となるよう成型加工するとケースに内包された圧電体の
方向がわかるようになり、流量測定部1への取付が容易
となる。なお圧電体が四角形以外の多角形の場合、少な
くとも天部の形状は圧電体の形状に合わせて変化させれ
ばいいということは言うまでもない。
【0043】なお、実施例1、3〜5ではケースがステ
ンレスとしたが、非測定流体中で使用可能な材料ならな
んでも良い。またケースの厚みを0.2mmとしたが、こ
の厚みよりも厚くても薄くても構わないし、ケース全体
の厚みを同一にする必要もない。また圧電体の使用周波
数を500kHz、不要振動周波数を200kHzとしたが、
使用する圧電体の形状や振動モードのより使用周波数や
不要振動周波数が変化することは言うまでもない。
【0044】以上のように各実施例によれば、次の効果
が得られる。
【0045】第1の超音波振動子は、電気信号と機械的
振動を相互に変換する圧電体と、前記圧電体の外側にケ
ースと、整合層とを備え、前記圧電体は前記ケースの天
部の内壁側に固定され、前記整合層は前記ケースの外壁
側に固定され、前記圧電体の不要振動モードの共振周波
数と前記ケースの共振周波数が異なる周波数であるよう
に超音波振動子を構成したため、不要振動モードの影響
を温度変化によるゼロ点の安定性を向上させることがで
きる。
【0046】第2の超音波振動子は、第1の形態の超音
波振動子において、圧電体は縦振動及び広がり振動する
構成とし、縦振動の共振周波数又は広がり振動する共振
周波数を不要振動モードの周波数である構成としたた
め、温度変化によるゼロ点の安定性を向上させることが
できる。
【0047】第3の形態の超音波振動子は、第1の形態
の超音波流量計において、ケースの内壁側面又は外壁側
面に制振体を固定したため、不要振動モードの影響を温
度変化によるゼロ点の安定性を向上させることができ
る。
【0048】第4の超音波振動子は、第3の形態の超音
波流量計において、制振体が剛体からなるように構成し
たため、不要振動モードの影響を低減でき温度変化によ
るゼロ点の安定性を向上させることができる。
【0049】第5の超音波振動子は、第3の形態の超音
波流量計において、制振体が弾性体からなるよう構成し
たため、不要振動モードの影響を低減でき温度変化によ
るゼロ点の安定性を向上させることができる。
【0050】第6の超音波振動子は、第1の形態の超音
波流量計において、ケースの側壁部に折り曲げ部を設け
たため、不要振動モードの影響を低減でき温度変化によ
るゼロ点の安定性を向上させることができる。
【0051】第7の超音波流量計は、第1の形態の超音
波流量計において、ケースの天部が圧電体の形状に類似
した形状であるため、圧電体の方向がわかるようになり
超音波流量計への取付が容易となる。
【0052】第8の超音波流量計は、被測定流体が流れ
る流量測定部と、この流量測定部に設けられ超音波を送
受信する第1ないし7のいずれかの一対の超音波振動子
と、一方の前記超音波振動子を駆動する駆動回路と、他
方の前記超音波振動子に接続され超音波パルスを検知す
る受信検知回路と、前記超音波パルスの伝搬時間を測定
するタイマと、前記駆動回路と前記タイマを制御する制
御部と、前記タイマの出力より流量を演算によって求め
る演算部とを備えた超音波流量計であるため、不要振動
モードの影響を低減でき温度変化によるゼロ点の安定性
を向上させることができる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
超音波振動子によれば次の効果が得られる。
【0054】第1の超音波振動子は、電気信号と機械的
振動を相互に変換する圧電体と、前記圧電体 の外側にケ
ースと、整合層とを備え、前記圧電体は前記ケースの天
部の内壁側に固定され、前記整合層は前記ケースの外壁
側に固定され、前記圧電体の不要振動モードの共振周波
数と前記ケースの共振周波数が異なる周波数であるよう
に超音波振動子を構成したため、不要振動モードの影響
温度変化によるゼロ点の安定性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における超音波流量計のブロ
ック図
【図2】同流量計において周波数差df2が0kHzの場
合について計算した特性図
【図3】同流量計において周波数差df2が1kHzの場
合について計算した特性図
【図4】同流量計において周波数差df2が5kHzの場
合について計算した特性図
【図5】同流量計における超音波振動子の断面図
【図6】同流量計における超音波振動子の断面図
【図7】同流量計における圧電体(縦横溝)の外観斜視
【図8】同流量計における圧電体(縦溝)のインピーダ
ンス特性図
【図9】同流量計における圧電体(縦横溝)のインピー
ダンス特性図
【図10】同流量計において縦溝の圧電体を用いて測定
した特性図
【図11】同流量計において縦横溝の圧電体を用いて測
定した特性図
【図12】本発明の実施例2における超音波振動子の断
面図
【図13】本発明の実施例3における超音波振動子の断
面図
【図14】本発明の実施例4における超音波振動子の断
面図
【図15】本発明の実施例5における超音波振動子の断
面図
【図16】同超音波振動子の変形例1の断面図
【図17】同超音波振動子の変形例2の側面図
【図18】同超音波振動子の変形例3の外観図
【符号の説明】
1 流量測定部 2、3、20、25、31、37 超音波振動子 5 駆動回路 7 受信検知回路 8 タイマ 9 演算部 10 制御部 12、21、26、32、38 圧電体 13、22、28、34、39 ケース 27、33 制振体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04R 17/00 330 H04R 17/00 330Y (72)発明者 佐藤 利春 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特表 平9−511570(JP,A) 国際公開97/21985(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/00 - 9/02 H04R 1/44 H04R 17/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天部と側壁部を有するケースと、前記天部
    の内壁側に固定され電気信号と機械的振動を相互に変換
    する圧電体と、前記天部の外壁側に固定される整合層と
    を備え、前記圧電体の不要振動モードの共振周波数と前
    記ケースの共振周波数が異なる周波数である超音波振動
    子。
  2. 【請求項2】圧電体の縦振動の共振周波数又は広がり振
    動する共振周波数を不要振動モードの周波数とした請求
    項1記載の超音波振動子。
  3. 【請求項3】ケースの内壁側面又は外壁側面に制振体を
    固定した請求項1記載の超音波振動子。
  4. 【請求項4】制振体が剛体からなる請求項3記載の超音
    波流量計。
  5. 【請求項5】制振体が弾性体からなる請求項3記載の超
    音波流量計。
  6. 【請求項6】ケースの側壁部に折り曲げ部を設けた請求
    項1記載の超音波流量計。
  7. 【請求項7】ケースの天部が圧電体の形状に類似した形
    状である請求項1記載の超音波振動子。
  8. 【請求項8】被測定流体が流れる流量測定部と、この流
    量測定部に設けられ超音波を送受信する請求項1ないし
    7のいずれか一項記載の一対の超音波振動子と、一方の
    前記超音波振動子を駆動する駆動回路と、他方の前記超
    音波振動子に接続され超音波パルスを検知する受信検知
    回路と、前記超音波パルスの伝搬時間を測定するタイマ
    と、前記駆動回路と前記タイマを制御する制御部と、 前記タイマの出力より流量を演算によって求める演算部
    とを備えた 超音波流量計。
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