JP3498109B2 - 加圧鋳造装置 - Google Patents

加圧鋳造装置

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JP3498109B2
JP3498109B2 JP26492894A JP26492894A JP3498109B2 JP 3498109 B2 JP3498109 B2 JP 3498109B2 JP 26492894 A JP26492894 A JP 26492894A JP 26492894 A JP26492894 A JP 26492894A JP 3498109 B2 JP3498109 B2 JP 3498109B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キャビティ内に充填
された溶湯が凝固する段階において加圧ピンで溶湯を加
圧する加圧鋳造装置に関し、さらに詳しくは、加圧ピン
を微速で前進させるときに受ける反発力から溶湯の凝固
状態を検出して加圧を行う時期を決定する加圧鋳造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト法等の鋳造技術においては、
溶湯の凝固収縮に伴って発生する引け,巣等の欠陥の発
生を防止するために、キャビティ内に充填された溶湯が
凝固する段階において溶湯を加圧する加圧鋳造が行われ
る。かかる加圧鋳造において効果的な加圧を行うために
は、加圧ピン等の加圧手段を作動させるタイミングを適
切に設定することが極めて重要である。そこで、加圧ピ
ンによる加圧のタイミングを適切に設定するための方法
が開発されており、その一例が特開平4−182053
号公報に開示されている。この公報に記載された技術に
おいては、溶湯の充填後に加圧ピン駆動用油圧シリンダ
によって、まず加圧ピンを微速前進させる。そして、加
圧ピンの受ける反発力が所定の圧力を越えたときに溶湯
が所定の凝固状態になったものと判定して、加圧ピンを
高速で前進させて加圧を行う。このように、微速前進す
る加圧ピンの受ける反発力によって加圧のタイミングを
決定して、加圧鋳造が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記技術によって得ら
れる加圧鋳造の結果の一例について、図4を参照して説
明する。図4(A)は従来の加圧鋳造における加圧ピン
の移動量の経時変化を示す図であり、図4(B)は加圧
ピンに加わる圧力の経時変化を示す図である。図4
(A),(B)の縦軸は、各々加圧ピンの移動量Lと加
圧ピンに加わる圧力Pを示し、圧力paは上述した溶湯
の所定の凝固状態に対応する圧力である。なお、加圧ピ
ンに加わる圧力Pとしては、実際には加圧ピン自体に加
わる圧力を直接測定しているのではなく、加圧ピン駆動
用油圧シリンダの油圧回路に加わる圧力を測定してい
る。上記技術においては、溶湯が充填されてから一定時
間T10が経過した後に、溶湯の凝固状態を検出するた
めに加圧ピンを微速前進させる制御が行われる。ここ
で、図4(A)に示されるように、微速前進の制御が行
われてから実際に加圧ピンが前進を開始するまでに、加
圧ピンが動かない停滞時間T11が存在する。この停滞
時間T11は、圧力油に含まれるエア等に起因して油圧
回路内に弾性が存在するために生ずる遅れである。
【0004】さらに、加圧ピンが前進を開始してから所
定の速度に安定するまでの時間もあり、結局、図4
(B)に示されるように、制御が行われてから加圧ピン
が所定の微速前進状態になるまでには、立上り時間T1
2を要する。加圧ピンが微速前進を開始してから時間T
13後に加圧ピンに加わる圧力Pが所定圧力paに達す
るので、加圧ピン駆動用油圧シリンダに高い圧力が供給
されて加圧ピンが高速で前進し、時間T14の間溶湯の
加圧が行われる。このように、上記技術においては、加
圧ピンが所定の微速前進状態となって溶湯の凝固状態の
検出が可能になるまでに、立上り時間T12を必要とす
る。従って、高精度の加圧鋳造であって加圧開始タイミ
ングが早いような場合には、この立上り時間T12内に
加圧開始タイミングがきてしまうため、適切な加圧開始
の制御ができない。
【0005】また、溶湯温度・金型温度等の鋳造条件の
変動によって充填された溶湯の凝固に要する時間も変化
し、加圧開始タイミングも早くなったり遅くなったりす
るが、長い立上り時間T12があるためにこのような加
圧開始タイミングの変動に柔軟に対処することが困難に
なる。さらに、立上り時間T12が存在することによっ
てサイクルタイムも長くなり、加圧鋳造工程の効率も低
下してしまう。さらに、図4(A)に示されるように、
加圧ピンが前進を開始してから所定の速度に安定するま
でに時間がかかるために、凝固状態の検出状態になる前
に余分なストロークL11が無駄に消費されてしまう。
このように、従来の加圧鋳造における加圧タイミングの
決定方法には、種々の問題点があった。かかる問題は、
加圧ピンを微速で前進させるためには油圧シリンダに供
給される圧力油を微量に制御する必要があり、油圧回路
内に存在する弾性が除去されるまでに長時間を要するた
めに生ずるものである。
【0006】そこで、本出願の請求項1及び請求項2に
係る発明においては、加圧ピンを微速前進させる前に、
加圧ピンを移動させることなく油圧回路内の弾性を速や
かに除去することによって、立上り時間を短くして加圧
鋳造の効率を上げるとともに高精度の加圧タイミング制
御を可能にし、しかも最大限の加圧ストロークを確保す
ることができる加圧鋳造装置を提供することを目的とす
る。また、請求項2に係る発明においては、より簡単な
構成で確実に上記の目的を達成することができる加圧鋳
造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで上記の課題を解決
するために、請求項1に係る発明においては、キャビテ
ィ内に充填された溶湯が凝固する段階で前記溶湯を加圧
するために前記キャビティに臨んで設けられた加圧ピン
と、圧力油が供給されることによって前記加圧ピンを駆
動して前記キャビティ方向へ前進させる油圧駆動手段と
を有し、前記加圧ピンを前記油圧駆動手段によって微速
で前進させて前記加圧ピンの受ける反発力から前記充填
された溶湯の凝固状態を検出して加圧を行う時期を決定
する加圧鋳造装置において、前記加圧ピンが静止した状
態で前記溶湯から受ける圧力を測定する静止圧力測定手
段と、前記加圧ピンを微速で前進させる前に前記静止圧
力測定手段で測定された圧力と釣り合う圧力の圧力油を
前記油圧駆動手段に供給する圧力油供給手段、とを有す
ることを特徴とする加圧鋳造装置を創出した。
【0008】ここで、「キャビティに臨んで」とは、加
圧ピンの先端がキャビティ内に突出し又は面しているこ
とをいう。また、「油圧駆動手段」としては、油圧シリ
ンダ,油圧モータ等の油圧を用いた駆動手段が含まれ
る。さらに、加圧ピンが前進する際に加圧ピンの受ける
反発力を測定する方法としては、油圧系の一部に圧力セ
ンサを取り付ける方式を始めとする種々の方式が含まれ
る。また、「静止圧力測定手段」としては、加圧ピンに
内蔵された圧力センサを始めとして、キャビティ内の加
圧ピンの先端近傍に加圧ピンとは別個に設けられた圧力
センサ等の種々の手段が含まれる。さらに、加圧鋳造に
おいて溶湯をキャビティ内に充填する方式としては、重
力鋳造,減圧鋳造,差圧鋳造,ダイカスト鋳造等の種々
の鋳造法が含まれる。
【0009】また、請求項2に係る発明においては、請
求項1に記載された加圧鋳造装置において、前記静止圧
力測定手段として前記加圧ピンに内蔵された圧力測定手
段を用いたことを特徴とする加圧鋳造装置を創出した。
ここで、「圧力測定手段」としては、ロードセル,圧電
センサを始めとする種々の圧力測定用のセンサ等が含ま
れる。
【0010】
【作用】さて、請求項1の発明に係る加圧鋳造装置にお
いては、キャビティ内に充填された溶湯が凝固する段階
で溶湯を加圧する加圧ピンが、キャビティに臨んで設け
られている。この加圧ピンは、油圧駆動手段に圧力油が
供給されることによって駆動されて、キャビティ方向へ
前進して溶湯の加圧を行う。この加圧を行う時期は、加
圧ピンを油圧駆動手段によって微速で前進させて、加圧
ピンの受ける反発力から充填された溶湯の凝固状態を検
出することによって決定される。さらに、加圧鋳造装置
には、加圧ピンが静止した状態で溶湯から加圧ピンが受
ける圧力を測定する静止圧力測定手段が設けられてい
る。かかる加圧鋳造装置において、溶湯の凝固状態を検
出するため加圧ピンを微速で前進させる前に、静止圧力
測定手段で測定された圧力と釣り合う圧力の圧力油が、
圧力油供給手段によって油圧駆動手段に供給される。こ
れによって、圧力油中のエア等に起因して油圧回路内に
存在する弾性要因が速やかに除去され、しかも溶湯から
受ける圧力と釣り合う圧力が供給されるため、加圧ピン
は前進せず、加圧ピンのストロークが無駄に消費される
ことがない。
【0011】このようにして立上り時間の生ずる原因と
なる弾性要因が除去された後に、圧力油供給手段が微量
の圧力油を供給する状態に切り替えられて、溶湯の凝固
状態の検出が行われる。これによって、溶湯の凝固状態
の検出が可能になるまでの立上り時間が著しく短縮さ
れ、瞬時に凝固状態の検出が可能になるため、早い加圧
タイミングでも正確に検出し決定することができる。ま
た、立上り時間が短くなることによって、鋳造工程のサ
イクルタイムも短縮される。さらに、弾性要因を除去す
る際に加圧ピンが前進することがないため、加圧ピンの
全ストロークを実際に溶湯を加圧するために有効に利用
できる。このようにして、鋳造工程の効率が向上すると
ともに、高精度の加圧タイミング制御を可能にし、しか
も最大限の加圧ストロークを確保することができる加圧
鋳造装置となる。
【0012】また、請求項2の発明に係る加圧鋳造装置
は、静止圧力測定手段として、加圧ピンと別個にキャビ
ティ内に圧力センサ等を設けるのではなく、加圧ピンに
内蔵された圧力測定手段を用いている。これによって、
加圧鋳造装置の構成が簡単かつ小型になり、しかも加圧
ピンが静止した状態で溶湯から受ける圧力が正確に測定
される。従って、弾性要因を除去する際に溶湯から受け
る圧力と釣り合う圧力を正確に供給することができ、加
圧ピンが前進することなく、かつ速やかに弾性要因を除
去することができる。このようにして、より簡単な構成
で確実に、鋳造工程の効率を向上させ、高精度の加圧タ
イミング制御を可能にし、しかも最大限の加圧ストロー
クを確保することができる加圧鋳造装置となる。
【0013】
【実施例】次に、本発明を具現化した一実施例につい
て、図1〜図3を参照して説明する。まず、本実施例の
加圧鋳造装置の全体構成を、図1を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施例の加圧鋳造装置2は加
圧ピン10を有し、加圧ピン10の先端は図示しないキ
ャビティに臨んでいる。この加圧ピン10の後端は加圧
用油圧シリンダ4の油圧ピストン8に固定されており、
油圧系の作動によって油圧ピストン8と一体に前後進す
る。加圧鋳造装置2の油圧系は、油圧発生源20,電磁
方向弁30,電磁開閉弁40,流量調整弁50,圧力調
整弁70,及びこれらを接続する油圧配管等から構成さ
れている。油圧発生源20から供給される圧力油は、油
圧配管22A,電磁方向弁30,油圧配管22B,22
C,電磁開閉弁40又は流量調整弁50,油圧配管22
E,圧力調整弁70,油圧配管22Fを介して、加圧用
油圧シリンダ4の後室6Aに導かれる。なお、図1にお
いては、油圧ピストン8がストロークの後端位置にあ
り、後室6Aの体積がほとんどない状態となっている。
【0014】油圧配管22Bからは油圧配管22Cが分
岐しており、油圧配管22Bは電磁開閉弁40に、油圧
配管22Cは流量調整弁50にそれぞれ接続されてい
る。さらに、油圧配管22Cは逆流防止弁52を有する
バイパス配管22Dを有している。これらの油圧配管2
2C,22Dは、電磁開閉弁40と圧力調整弁70とを
結ぶ油圧配管22Eに合流している。圧力調整弁70は
さらに油圧配管22Fによって、油圧シリンダ4の後室
6Aに接続されている。一方、加圧用油圧シリンダ4の
前室6Bには油圧配管24が接続されており、前記電磁
方向弁30,油圧配管26を介して、油タンク28に戻
る油圧経路が構成されている。電磁方向弁30,電磁開
閉弁40及び圧力調整弁70は、各々制御信号線64,
66,72を通じて制御コンピュータ60から送られる
制御信号によって作動する。
【0015】電磁方向弁30は三つの弁室34A,34
B,34Cを有し、電磁ソレノイド32の非作動時に
は、スプリング36の付勢力によって弁室34Cが各配
管に接続される。すなわち配管22Aと24、配管22
Bと26が連通した状態となり、配管22A,24を経
て加圧用油圧シリンダ4の前室6Bに油圧が供給され
る。この結果、油圧ピストン8が後退し、後室6A内の
油は配管22F,22E,22D,逆流防止弁52,配
管22C,22B,26を経て油タンク28に戻され
る。制御コンピュータ60によって電磁ソレノイド32
が低い励磁力の状態に制御されると、各弁室がスプリン
グ36の付勢力に抗して移動し、中央の弁室34Bが各
配管に接続された図1の状態となる。すなわち、各配管
22A,22B,24,26はいずれも閉状態のポート
に接続されて、加圧用油圧シリンダ4が油圧発生源20
から遮断されるため、油圧ピストン8は停止する。さら
に、高い励磁力が制御されると弁室34Aが各配管に接
続され、油圧配管22A,22Bから電磁開閉弁40あ
るいは流量調整弁50を経て、加圧用油圧シリンダ4の
後室6Aに油圧が供給される。これによって、油圧ピス
トン8が前進し、前室6B内の油は配管24,26を経
て油タンク28に戻される。
【0016】一方、電磁開閉弁40は二つの弁室44
A,44Bを有しており、電磁ソレノイド42の非作動
時においては、スプリング46の反発力によって閉状態
の弁室44Bが配管22Bに接続されている(図1に示
される状態)。この状態で電磁方向弁30の弁室34A
が各配管に接続されると、圧力油は流量調整弁50を経
て加圧用油圧シリンダ4の後室6Aに供給される。流量
調整弁50の流量は予め微少量に調節されており、これ
によって油圧ピストン8とともに加圧ピン10が微速で
前進する。制御コンピュータ60からの制御信号によっ
て電磁ソレノイド42が励磁されると、弁室44A,4
4Bがスプリング46の反発力に抗して移動して、開状
態の弁室44Aが配管22B,22Eに接続される。こ
れによって、配管22Bからの圧力油は弁室44Aを通
って加圧用油圧シリンダ4の後室6Aに大量に供給さ
れ、油圧ピストン8とともに加圧ピン10が高速で前進
する。このようにして、電磁開閉弁40の開閉によっ
て、加圧ピン10の前進速度が制御される。
【0017】ここで、加圧ピン10は圧力センサ12を
内蔵しており、この圧力センサ12によって、加圧ピン
10の先端に対して溶湯から加わる圧力の大きさが測定
される。圧力センサ12による測定データは、測定信号
線14によって制御コンピュータ60に入力される。さ
らに、油圧配管22Fには圧力センサ54が取り付けら
れており、この圧力センサ54によって加圧用油圧シリ
ンダ4の後室6Aに加わる油圧の大きさ、すなわち加圧
ピン10の受ける圧力が測定される。圧力センサ54に
よる測定データは、測定信号線68によって制御コンピ
ュータ60に入力される。
【0018】また、制御コンピュータ60はメモリ62
を有しており、このメモリ62には設定圧力P1及び設
定圧力P2が記憶されている。設定圧力P1は、加圧ピ
ン10の受ける圧力が、溶湯が高圧で充填されることに
よって一旦急激に上昇し、その後充填された溶湯が次第
に凝固することによって下降して、油圧回路内の弾性要
因除去の操作開始に適した程度の圧力まで下がったこと
の目安となる圧力である。この設定圧力P1のデータ
と、信号線14によって入力される圧力センサ12によ
る測定圧力とが制御コンピュータ60で比較されて、設
定圧力P1まで低下したか否かが判定される。また、設
定圧力P2は、充填された溶湯の凝固状態が加圧開始に
適した状態になったときに、微速前進する加圧ピンの受
ける反発力に相当する圧力である。この設定圧力P2の
データと、信号線68によって入力される圧力センサ5
4による測定圧力とが制御コンピュータ60で比較され
て、設定圧力P2に達したか否かが判定される。
【0019】さて、以上のような構造を有する加圧鋳造
装置2を用いた加圧鋳造の手順について、図1を参照し
つつ図2のフローチャートに従って説明する。図2は、
本実施例の加圧鋳造装置2における加圧鋳造の手順を示
すフローチャートである。加圧鋳造の開始時点において
は、加圧用油圧シリンダ4の油圧ピストン8は後端位置
にある。また、電磁方向弁30は弁室34Bが各配管に
接続された全閉状態になっており、電磁開閉弁40及び
圧力調整弁70も閉じられている(図1に示される状
態)。ステップS10で制御が開始されると、加圧鋳造
装置2の射出プランジャが前進して、鋳造金型の湯口,
ランナ,ゲートを通じてキャビティ内に溶湯が充填され
る。(ステップS12)。この射出プランジャの前進と
同時に、電磁方向弁30の弁室34A,電磁開閉弁40
の弁室44Aが各配管に接続された状態となる。すなわ
ち、電磁弁30,40が共に開かれて(ステップS1
4)、これによって多量の圧力油が配管22Bから弁室
44Aを通って配管22Eまで供給される。この時点で
は、圧力調整弁70が未だ閉じられているため、配管2
2Aから配管22Eまでの油圧回路内に高圧がかかり、
この範囲内に存在するエア等の弾性要因がまず除去され
る。
【0020】続いて、溶湯の圧力が設定圧力P1まで下
がったか否かが判定される(ステップS16)。この判
定は、上述の如く、メモリ62に記憶された設定圧力P
1のデータと、信号線14によって入力される加圧ピン
10の圧力センサ12による測定圧力とを制御コンピュ
ータ60で比較することによって行われる。この判定結
果がYESとなったら、圧力調整弁70が内蔵圧力セン
サ12の測定圧力と同じ圧力に調整されて開かれる(ス
テップS18)。これによって、溶湯の圧力と釣り合う
圧力の圧力油が加圧用油圧シリンダ4の後室6Aに供給
され、加圧ピン10を後端位置に保持したままで、圧力
調整弁70,配管22F,後室6Aまでに存在するエア
等の弾性要因が除去される。圧力調整弁70が開かれて
から設定時間tが経過した後に、電磁開閉弁40が閉じ
られて流量調整弁50のみを経た微量の圧力油が加圧用
油圧シリンダ4の後室6Aに供給され、加圧ピン10が
微速前進状態に切り替わる。すなわち、加圧タイミング
の検知操作が開始される(ステップS20)。ここで、
設定時間tは、圧力調整弁70から後室6Aの間に存在
する弾性要因を除去するのに必要な時間であり、予め経
験的に求められ、設定されている。
【0021】そして、加圧ピン10の受ける圧力(すな
わち圧力センサ54による測定値)が設定圧力P2に達
したか否かの判定が行われる(ステップS22)。この
判定がYESになるまで加圧ピン10は微速前進を続
け、設定圧力P2に達した時点で溶湯の加圧が開始され
る(ステップS24)。すなわち、電磁開閉弁40を開
く制御信号が出力されて、加圧用油圧シリンダ4の後室
6Aに再び高圧が加えられ、加圧ピン10が高速で前進
して溶湯の加圧が行われる。電磁開閉弁40が開かれて
から一定時間後に、電磁方向弁30の弁室34Bが各配
管に接続されて加圧ピン10が停止する(ステップS2
6)。さらに一定時間経過後に、弁室34Cが各配管に
接続された状態に切り替えられ、油圧ピストン8ととも
に加圧ピン10が後退して原位置に戻され、加圧制御が
終了する(ステップS28)。溶湯が十分に冷却凝固し
た後に鋳造金型が開かれ、キャビティ内の鋳造品が取り
出されて、一回の鋳造工程が完了する。
【0022】このようにして実施される加圧鋳造によっ
て得られる結果について、図3及び図4を参照して説明
する。図3(A)は、本実施例の加圧鋳造装置における
加圧ピンの移動量の経時変化を示す図であり、図3
(B)は、加圧ピンに加わる圧力の経時変化を示す図で
ある。図3(A)の縦軸は加圧ピンの移動量Lを示し、
図3(B)の縦軸は加圧ピンに加わる圧力Pを示してい
る。また、圧力P2は、加圧を開始すべき溶湯の凝固状
態に対応する圧力である。なお、圧力Pとしては、実際
に加圧ピン10自体に加わる圧力である内蔵圧力センサ
12の測定値ではなく、加圧用油圧シリンダ4の後室6
Aに接続された配管22Fに加わる圧力を圧力センサ5
4で測定した値を示している。
【0023】本実施例においては、図3(A)に示され
るように、停滞時間は存在せず、時刻T1において直ち
に所定の微速前進状態となる。また、図3(B)に示さ
れるように、本実施例においても立上り時間に相当する
時間T2は存在するが、この立上り時間T2は上述の如
く溶湯の充填と同時に開始される。図4(B)に示され
るように、従来技術においては、溶湯が充填されてから
一定時間T10が経過した後に凝固状態の検出のための
制御が開始されており、本実施例では立上り時間T2を
この待機時間T10とほぼ同じにしているため、実質的
には立上り時間は存在しないことになる。また、立上り
時間T2が待機時間T10より長い場合であっても、実
質的な立上り時間は、従来技術における立上り時間T1
2に比べて著しく短縮される。加圧ピン10が微速前進
を開始してから時間T3後に加圧ピン10に加わる圧力
Pが所定圧力P2に達するので、加圧用油圧シリンダ4
に高い圧力が供給されて加圧ピン10が高速で前進し、
時間T4の間溶湯の加圧が行われる。
【0024】このように、本実施例の加圧鋳造装置2を
用いた加圧鋳造においては、立上り時間の生ずる原因と
なる弾性要因が除去された後に、加圧ピン10が微速前
進状態に切り替えられて、溶湯の凝固状態の検出が行わ
れる。これによって、溶湯の凝固状態の検出が可能にな
るまでの立上り時間が実質的になくなり、瞬時に凝固状
態の検出が可能になるため、早い加圧タイミングでも正
確に検出し決定することができる。また、立上り時間が
なくなることによって、鋳造工程のサイクルタイムも短
縮される。さらに、弾性要因を除去する際に加圧ピン1
0が前進することがないため、加圧ピン10の全ストロ
ークを実際に溶湯を加圧するために有効に利用できる。
従って、鋳造工程の効率が向上するとともに、高精度の
加圧タイミング制御を可能にし、しかも最大限の加圧ス
トロークを確保できることから充分に溶湯を加圧するこ
とができ、引け,巣等のない高品質の鋳造品が安定して
得られる。
【0025】本実施例においては、加圧ピン10の油圧
駆動手段として加圧用油圧シリンダ4及び油圧ピストン
8を使用しているが、油圧モータ等の他の油圧駆動手段
を用いることも可能である。また、静止状態の加圧ピン
10が溶湯から受ける圧力を測定する手段(静止圧力測
定手段)として、加圧ピン10に内蔵されたロードセル
型の圧力センサ12を用いているが、内蔵された圧力測
定手段としては、他にも加圧ピン10を貫通して先端部
に測定部を有する圧力センサを取り付ける等、種々の方
式を用いることができる。さらに、静止圧力測定手段を
加圧ピン10に内蔵させることは、請求項1の発明につ
いては必須用件ではなく、キャビティ内の加圧ピン10
の先端近傍に加圧ピン10とは別個に設けられた圧力セ
ンサ等、他の方式の圧力測定手段を用いることも可能で
ある。また、加圧タイミング測定時に加圧ピン10の受
ける圧力を測定する手段として油圧配管22Fに圧力セ
ンサ54を取り付けているが、その他の方式の圧力測定
手段を用いることも可能である。加圧鋳造装置のその他
の部分の構成,形状,大きさ,材料,数,接続関係等に
ついても、本実施例に限定されるものではない。
【0026】
【発明の効果】請求項1に係る発明においては、加圧ピ
ンを微速前進させる前に溶湯の圧力と釣り合う圧力の圧
力油を供給して加圧ピンを停止させたまま油圧回路内の
弾性を速やかに除去する加圧鋳造装置を創出したため
に、立上り時間を短くして、加圧鋳造の効率を上げると
ともに高精度の加圧タイミング制御を可能にし、しかも
最大限の加圧ストロークを確保することができる。これ
によって、充分に溶湯を加圧することができ、引け,巣
等のない高品質の鋳造品が安定して効率よく得られる実
用的な加圧鋳造装置となる。
【0027】また、請求項2に係る発明においては、請
求項1に係る発明における静止圧力測定手段として加圧
ピンに内蔵された圧力測定手段を用いた加圧鋳造装置を
創出したために、より簡単な構成で確実に、鋳造工程の
効率を向上させ、高精度の加圧タイミング制御を可能に
し、しかも最大限の加圧ストロークを確保することがで
きる。これによって、より簡単な構成で確実に、充分に
溶湯を加圧して引け,巣等のない高品質の鋳造品が安定
して効率よく得ることができる、極めて実用的な加圧鋳
造装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加圧鋳造装置の一実施例の全体構
成を示す図である。
【図2】加圧鋳造装置の一実施例における加圧鋳造の手
順を示すフローチャートである。
【図3】加圧鋳造装置の一実施例における加圧ピンの移
動量及び加圧ピンに加わる圧力の経時変化を示す図であ
る。
【図4】従来の加圧鋳造装置における加圧ピンの移動量
及び加圧ピンに加わる圧力の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
2 加圧鋳造装置 4,8 油圧駆動手段 10 加圧ピン 12 静止圧力測定手段 20,22,30,40,50,70 圧力油供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐木 満尋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 乾 満 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精 機工業株式会社第1事業部内 (72)発明者 児玉 孝司 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精 機工業株式会社第1事業部内 (72)発明者 斎藤 明 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精 機工業株式会社第1事業部内 (72)発明者 岡部 賢一 北海道苫小牧市字勇払145番1 トヨタ 自動車北海道株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−182053(JP,A) 特開 平1−40158(JP,A) 実開 平1−54957(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ内に充填された溶湯が凝固す
    る段階で前記溶湯を加圧するために前記キャビティに臨
    んで設けられた加圧ピンと、圧力油が供給されることに
    よって前記加圧ピンを駆動して前記キャビティ方向へ前
    進させる油圧駆動手段とを有し、前記加圧ピンを前記油
    圧駆動手段によって微速で前進させて前記加圧ピンの受
    ける反発力から前記充填された溶湯の凝固状態を検出し
    て加圧を行う時期を決定する加圧鋳造装置において、 前記加圧ピンが静止した状態で前記溶湯から受ける圧力
    を測定する静止圧力測定手段と、 前記加圧ピンを微速で前進させる前に前記静止圧力測定
    手段で測定された圧力と釣り合う圧力の圧力油を前記油
    圧駆動手段に供給する圧力油供給手段、とを有すること
    を特徴とする加圧鋳造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された加圧鋳造装置にお
    いて、 前記静止圧力測定手段として前記加圧ピンに内蔵された
    圧力測定手段を用いたことを特徴とする加圧鋳造装置。
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