JPH08164462A - 加圧鋳造方法 - Google Patents

加圧鋳造方法

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JPH08164462A
JPH08164462A JP30634394A JP30634394A JPH08164462A JP H08164462 A JPH08164462 A JP H08164462A JP 30634394 A JP30634394 A JP 30634394A JP 30634394 A JP30634394 A JP 30634394A JP H08164462 A JPH08164462 A JP H08164462A
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JP
Japan
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pressure
time
casting
pressurizing
molten metal
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Application number
JP30634394A
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English (en)
Inventor
Mikinari Nozaki
美紀也 野崎
Mitsuhiro Karaki
満尋 唐木
Naoya Yamamoto
直哉 山本
Mitsuru Inui
満 乾
Taketo Futamura
健人 二村
Akira Saito
明 斎藤
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Toyota Motor Corp
Gifu Seiki Kogyo KK
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Gifu Seiki Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 引け,巣等の欠陥の発生を確実に防止しつ
つ、鋳造のサイクルタイムを短縮することができる加圧
鋳造方法を提供する。 【構成】 加圧鋳造の開始時には電磁開閉弁40が閉じ
られ、冷却水通路12に冷却水が送られない状態が保た
れる。キャビティ10内に溶湯が充填されてから所定時
間経過後に、油圧ピストン24と一体に加圧ピン28が
微速前進して溶湯の凝固状態の検出が開始され、同時に
制御コンピュータ50内のカウンタで経過時間T2が測
定される。加圧ピン28の受ける圧力が設定圧力に達し
た時点で溶湯の加圧が開始され、一定時間後に加圧ピン
28が停止して加圧が終了する。同時に経過時間T2が
算出され、設定時間T1未満の場合には冷却水が送られ
ない状態のまま次回の鋳造が行われる。一方、T1≦T
2の場合には電磁開閉弁40を開いて冷却水を供給し、
鋳造金型4を冷却しながら次回の鋳造が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キャビティ内に充填
された溶湯が凝固する段階において加圧ピンで溶湯を加
圧する加圧鋳造方法に関し、さらに詳しくは、加圧ピン
を微速で前進させるときに受ける反発力から溶湯の凝固
状態を検出して加圧を行う時期を決定する加圧鋳造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト法等の鋳造技術においては、
溶湯の凝固収縮に伴って発生する引け,巣等の欠陥の発
生を防止するために、キャビティ内に充填された溶湯が
凝固する段階において溶湯を加圧する加圧鋳造が行われ
る。かかる加圧鋳造において効果的な加圧を行うために
は、加圧ピン等の加圧手段を作動させるタイミングを適
切に設定することが極めて重要である。そこで、加圧ピ
ンによる加圧のタイミングを適切に設定するための方法
が開発されており、その一例が特開平4−182053
号公報に開示されている。この公報に記載された技術に
おいては、溶湯の充填後に加圧ピン駆動用油圧シリンダ
によって、まず加圧ピンを微速前進させる。そして、加
圧ピンの受ける反発力が所定の圧力を越えたときに溶湯
が所定の凝固状態になったものと判定して、加圧ピンを
高速で前進させて加圧を行う。このように、微速前進す
る加圧ピンの受ける反発力によって加圧のタイミングを
決定して、加圧鋳造が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来技術において連続的に鋳造を行う場合には、次第に
鋳造金型の温度が上昇するために、溶湯が所定の凝固状
態になるまでに要する時間が次第に長くなっていく。従
って、加圧が実際に開始されるまでに要する時間も鋳造
回数に伴って増加し、鋳造のサイクルタイムが長くなっ
て鋳造効率が低下してしまう。一方、鋳造効率を確保す
るために鋳造金型の型締めから型開きまでの時間を一定
にして対処すると、加圧が開始されるまでの時間が次第
に長くなる結果、加圧が完了しない段階で型開きされる
ことになる。このため、引け,巣等の欠陥が完全に潰さ
れていない不良品の割合が増加してしまうという問題点
があった。
【0004】そこで、本出願の請求項1及び請求項2に
係る発明においては、引け,巣等の欠陥の発生を確実に
防止しつつ、鋳造のサイクルタイムを短縮することがで
きる加圧鋳造方法を提供することを目的とする。また、
請求項2に係る発明においては、より的確かつ精密に鋳
造のサイクルタイムの制御を行って、効率的な加圧鋳造
を実現することができる加圧鋳造方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで上記の課題を解決
するために、請求項1に係る発明においては、鋳造金型
のキャビティ内に充填された溶湯が凝固する段階で加圧
ピンを微速で前進させて前記加圧ピンの受ける反発力か
ら前記充填された溶湯の凝固状態を検出して加圧を行う
時期を決定する加圧時期決定工程と、該決定された加圧
時期に前記加圧ピンを高速で前進させて加圧を行う加圧
工程とを有する加圧鋳造方法において、前記加圧時期決
定工程の開始から前記加圧工程の終了までの所要時間を
測定する工程と、該測定された所要時間が設定時間以上
であったときには前記加圧ピンで加圧される前記キャビ
ティの近傍において前記鋳造金型を冷却する工程とを有
することを特徴とする加圧鋳造方法を創出した。
【0006】また、請求項2に係る発明においては、鋳
造金型のキャビティ内に充填された溶湯が凝固する段階
で加圧ピンを微速で前進させて前記加圧ピンの受ける反
発力から前記充填された溶湯の凝固状態を検出して加圧
を行う時期を決定する加圧時期決定工程と、該決定され
た加圧時期に前記加圧ピンを高速で前進させて加圧を行
う加圧工程とを有する加圧鋳造方法において、前記加圧
時期決定工程の開始から前記加圧工程の終了までの所要
時間を測定する工程と、該測定された所要時間の長さに
応じて冷却の程度を変化させて、前記加圧ピンで加圧さ
れる前記キャビティの近傍において前記鋳造金型を冷却
する工程とを有することを特徴とする加圧鋳造方法を創
出した。
【0007】
【作用】さて、請求項1の発明に係る加圧鋳造方法にお
いては、キャビティ内に充填された溶湯が凝固する段階
で加圧ピンを微速で前進させて、加圧ピンの受ける反発
力から充填された溶湯の凝固状態を検出して加圧を行う
時期が決定される。そして、決定された加圧時期に加圧
ピンを高速で前進させて加圧が行われる。ここで、加圧
ピンを微速で前進させる加圧時期決定工程の開始から、
加圧ピンを高速で前進させる加圧工程の終了までの所要
時間が測定される。そして、測定された所要時間が予め
定められた設定時間以上になった場合には、加圧ピンで
加圧されるキャビティの近傍において、鋳造金型の冷却
が行われる。所要時間が設定時間以上になったというこ
とは、鋳造金型が予め定められた適切な温度以上に加熱
されたため溶湯が加圧できる凝固状態まで達する時間が
長くなったということである。従って、加圧されるキャ
ビティの近傍において鋳造金型を冷却することによっ
て、加圧される部分の溶湯が所定の凝固状態に達する時
間を短縮して、上記所要時間を短くすることができる。
これによって、鋳造のサイクルタイムが短縮されること
になる。このようにして、引け,巣等の欠陥の発生を確
実に防止しつつ、鋳造のサイクルタイムを短縮すること
ができる加圧鋳造方法となる。
【0008】また、請求項2の発明に係る加圧鋳造方法
においては、請求項1の加圧鋳造方法と同様に、加圧時
期決定工程の開始から加圧工程の終了までの所要時間が
測定される。そして、測定された所要時間の長さに応じ
て冷却の程度を変化させて、加圧ピンで加圧されるキャ
ビティの近傍において鋳造金型の冷却が行われる。すな
わち、測定された所要時間が長い場合は、鋳造金型がよ
り高温になって溶湯が加圧できる凝固状態まで冷却され
るのに要する時間が長くなったということであるから鋳
造金型がより強力に冷却される。また、所要時間が短い
場合は、鋳造金型が比較的低温であるということなの
で、鋳造金型の冷却が緩やかにされる。このように、請
求項2の加圧鋳造方法においては、上記所要時間の長短
で示される鋳造金型の温度の高低に応じて、鋳造金型の
冷却の程度が加減される。これによって、溶湯が加圧で
きる凝固状態まで冷却されるのに要する時間が、常に長
すぎず短すぎない適切な時間に制御される。このように
して、より的確かつ精密に鋳造のサイクルタイムの制御
を行って、効率的な加圧鋳造を実現することができる加
圧鋳造方法となる。
【0009】
【実施例】
実施例1 次に、本発明を具現化した実施例1について、図1及び
図2を参照して説明する。本実施例は、主として請求項
1の発明に対応している。まず、本実施例の加圧鋳造方
法において用いられる加圧鋳造装置の全体構成につい
て、図1を参照して説明する。図1に示されるように、
本実施例の加圧鋳造方法に用いられる加圧鋳造装置2
は、鋳造金型4を有している。鋳造金型4は可動型6と
固定型8からなり、これら可動型6と固定型8が組み合
わされることによって、内部に製品形状に対応したキャ
ビティ10が形成される。キャビティ10には、図示し
ない湯口,ランナ,ゲートを通じて、溶湯が注入され
る。可動型6には加圧ピン28がスライド可能に貫通し
ており、加圧ピン28の先端28aはキャビティ10に
臨んでキャビティ10の一部を形成している。この加圧
ピン28はピストンロッド26と一体になっており、ピ
ストンロッド26の後端は加圧用油圧シリンダ20の油
圧ピストン24に固定されている。そして、加圧ピン2
8は、加圧鋳造装置2の油圧系の作動によって油圧ピス
トン24と一体に前後進する。
【0010】加圧鋳造装置2の油圧系は、油圧発生源,
油圧用電磁方向弁,油圧用電磁開閉弁,油圧用流量調整
弁及びこれらを接続する油圧配管等から構成されている
(いずれも図示省略)。油圧発生源の圧力油は、これら
の油圧系を介して、加圧用油圧シリンダ20の後室22
Aまたは前室22Bに導かれる。圧力油が後室22Aに
流入すると、油圧ピストン24と一体に加圧ピン28が
前進し、加圧ピン先端28aがキャビティ10内に入り
込む方向に動く。一方、圧力油が前室22Bに流入する
と油圧ピストン24と一体に加圧ピン28が後退し、加
圧ピン先端28aがキャビティ10内から抜け出る方向
に移動する。
【0011】油圧用電磁開閉弁が開かれると、大量の圧
力油が後室22Aに供給され、加圧ピン28が高速で前
進する。一方、油圧用電磁開閉弁が閉じられると、油圧
用流量調整弁のみから微量の圧力油が後室22Aに供給
され、加圧ピン28は微速度で前進する。このように油
圧用電磁開閉弁の開閉によって、加圧ピン28の前進速
度が制御される。さらに、前述の油圧系には圧力センサ
が取り付けられており、この圧力センサによって加圧用
油圧シリンダ20の後室22Aに加わる油圧の大きさ、
すなわち加圧ピン28の受ける圧力が測定される。この
圧力センサによる測定データは、測定信号線によって制
御コンピュータ50に入力される。
【0012】さらに、可動型6の内部には、キャビティ
10の加圧ピン28側の近傍において、冷却水通路12
が設けられている。この冷却水通路12は、加圧鋳造装
置2の冷却水供給系に接続されている。加圧鋳造装置2
の冷却水供給系は、冷却水圧送ポンプ30,電磁開閉弁
40及びこれらを接続する冷却水配管32A,32B,
32C,32D等から構成されている。冷却水圧送ポン
プ30から圧送される冷却水は、冷却水配管32A,電
磁開閉弁40,冷却水配管32Bを介して、冷却水通路
12の入口14に導かれる。一方、冷却水通路12の出
口16には冷却水配管32Cが接続されており、前記電
磁開閉弁40,冷却水配管32Dを介して、冷却水タン
ク34に戻る冷却水経路が構成されている。電磁開閉弁
40は、制御信号線54を通じて制御コンピュータ50
から送られる制御信号によって作動する。
【0013】電磁開閉弁40は二つの弁室44A,44
Bを有しており、電磁ソレノイド42の非作動時におい
ては、スプリング46の反発力によって閉状態の弁室4
4Bが配管32Aに接続されている(図1に示される状
態)。制御コンピュータ50からの制御信号によって電
磁ソレノイド42が励磁されると、弁室44A,44B
がスプリング46の反発力に抗して移動して、開状態の
弁室44Aが配管32A,32B,32C,32Dに接
続される。これによって、配管32Aからの圧力冷却水
は弁室44Aを通って配管32Bから冷却水通路12の
入口14に供給される。そして、冷却水通路12内を通
過して出口16から配管32C,弁室44A,配管32
Dを経由して、冷却水タンク34に戻される。
【0014】また、制御コンピュータ50はメモリ52
を有しており、このメモリ52には設定時間T1が記憶
されている。また、メモリ52には、所要時間T2の測
定値が格納される。設定時間T1は、鋳造金型4の温度
が所定の適切な温度である場合に、加圧ピン28の微速
前進による凝固状態検出が開始されてから加圧ピン28
による溶湯の加圧工程が完了するまでに要する時間であ
る。これに対して、所要時間T2は、実際の鋳造におい
て、加圧ピンの微速前進開始から加圧工程完了までに要
した時間であり、この所要時間T2の測定は、制御コン
ピュータ50内のカウンタによって行われる。そして、
後述するように、これらの設定時間T1と所要時間T2
の比較が制御コンピュータ50において行われる。
【0015】さて、以上のような構造を有する加圧鋳造
装置2を用いた加圧鋳造の手順について、図1を参照し
つつ、図2のフローチャートに従って説明する。図2に
は、連続して加圧鋳造が行われる場合の各回ごとの鋳造
手順が示されている。加圧鋳造が開始される前において
は、加圧用油圧シリンダ20の油圧ピストン24は後退
位置にあり、従って加圧ピン28も後退位置にある。ま
た、電磁開閉弁40は、図1に示されるように弁室44
Bが各配管32A,32B,32C,32Dに接続され
て閉じられた状態になっている。図2のステップS10
において加圧鋳造の制御が開始されると、同時に鋳造金
型の冷却制御が開始される(ステップS12)。まず、
加圧鋳造の開始時においては、電磁開閉弁40が閉じら
れて、冷却水が送られない状態に保たれる(ステップS
14)。この状態において、溶湯の充填が行われる。す
なわち、図示しない射出プランジャが前進して、鋳造金
型4の湯口,ランナ,ゲートを通じてキャビティ10内
に溶湯が充填される(ステップS16)。
【0016】充填完了から所定の時間が経過した後に、
加圧ピン28による溶湯の凝固状態の検出動作が開始さ
れる(ステップS18)。すなわち、油圧発生源から微
量の圧力油が加圧用油圧シリンダ20の後室22Aに供
給されて、油圧ピストン24と一体に加圧ピン28がキ
ャビティ10内に向かって微速前進を開始する。同時
に、制御コンピュータ50内のカウンタによって、所要
時間T2の測定が開始される。続いて、加圧ピン28の
受ける圧力(すなわち油圧系に取り付けられた圧力セン
サによる測定値)が設定圧力に達したか否かが判定さ
れ、設定圧力に達した時点で溶湯の加圧が開始される。
すなわち、加圧用油圧シリンダ20の後室22Aに大量
の圧力油が供給されて、加圧ピン28が高速で前進して
キャビティ10内の溶湯の加圧が行われる。加圧開始か
ら一定時間後に、制御コンピュータ50によって油圧系
が制御されて加圧ピン28が停止し、加圧が終了する。
これと同時に、所要時間T2の測定データが制御コンピ
ュータ50のメモリ52に格納され、所要時間T2が算
出される(ステップS20)。
【0017】次に、連続鋳造の作業を終了するか否かの
判定が行われる(ステップS22)。鋳造作業を終了す
る場合(YESの場合)には、そのまま加圧鋳造の制御
を終了する(ステップS28)。一方、鋳造作業を続行
する場合(NOの場合)には、制御コンピュータ50に
おいて設定時間T1と所要時間T2の比較が行われる
(ステップS24)。そして、所要時間T2が設定時間
T1未満(NO)の場合には、鋳造金型4の温度が所定
の適切な温度未満であることになるので、ステップS1
4に戻って、冷却水が送られない状態のままステップS
16以降で次回の鋳造が行われる。これに対して、所要
時間T2が設定時間T1以上(YES)の場合には、鋳
造金型4の温度が所定の適切な温度以上になったことに
なるので、ステップS26に進んで、冷却水の供給が開
始される。すなわち、電磁開閉弁40の弁室44Aが各
配管32A,32B,32C,32Dに接続されて開か
れ、入口14から冷却水通路12内に冷却水が供給され
る。これによって、可動型6のキャビティ10の近傍、
つまり加圧ピン28で加圧される部分の近傍が冷却され
る。そして、ステップS16に戻って、可動型6を冷却
しながら次回の鋳造が行われる。
【0018】このようにして、ステップS22で鋳造作
業終了となるまで、毎回所要時間T2が設定時間T1と
比較されながら鋳造が行われ、T1≦T2の場合には冷
却水を流して鋳造金型4を冷却し、T1>T2の場合に
は冷却が停止される。このように、本実施例の加圧鋳造
方法においては、所要時間T2が設定時間T1以上にな
った場合、すなわち鋳造金型4が予め定められた適切な
温度以上に加熱された場合には、加圧されるキャビティ
10の近傍において鋳造金型4を冷却しながら連続鋳造
が行われる。これによって、加圧される部分の溶湯が所
定の凝固状態に達するまでの時間が短縮されて、所要時
間T2を短くすることができ、鋳造のサイクルタイムを
短縮することができる。このようにして、引け,巣等の
欠陥の発生を確実に防止しつつ鋳造のサイクルタイムを
短縮することができ、引け,巣等のない高品質の鋳造品
が効率的に得られる。
【0019】実施例2 次に、本発明を具現化した実施例2について、図3及び
図4を参照して説明する。本実施例は、主として請求項
2の発明に対応している。まず、本実施例の加圧鋳造方
法において用いられる加圧鋳造装置の全体構成につい
て、図3を参照して説明する。図3に示されるように、
本実施例の加圧鋳造装置62の構成は、実施例1の加圧
鋳造装置2とほぼ同様である。実施例1と異なるのは、
冷却水供給系に電磁開閉弁40の代わりに電磁流量調整
弁80が設けられている点である。この電磁流量調整弁
80は、冷却水圧送ポンプ70から冷却水配管72Aを
通じて圧送される冷却水の流量を連続的に調整すること
ができる。流量が調整された冷却水は、冷却水配管72
Bを介して冷却水通路12の入口14に導かれ、出口1
6から冷却水配管72Cを介して冷却水タンク74に戻
される。流量の調整は、制御コンピュータ90から制御
信号線94を通じて送られる制御信号によって、電磁ソ
レノイド82の励磁度が増減されて電磁流量調整弁80
の開度が制御されることによって行われる。制御コンピ
ュータ90のメモリ92には、測定された所要時間T2
のデータが格納される。その他の金型構造や加圧ピン2
8の進退機構等については実施例1と同様であるので、
同一符号を付して説明を省略する。
【0020】さて、以上のような構造を有する加圧鋳造
装置62を用いた加圧鋳造の手順について、図3を参照
しつつ、図4のフローチャートに従って説明する。図4
のステップS30で加圧鋳造の制御が開始されると、同
時に鋳造金型の冷却制御が開始される(ステップS3
2)。まず、加圧鋳造の開始時においては、電磁流量調
整弁80の開度が最小に調整されて、最小流量V1の冷
却水が配管72Bを通じて入口14から冷却水通路12
内に供給される(ステップS34)。これによって、可
動型6のキャビティ10の近傍がわずかに冷却される。
この状態で図示しない射出プランジャが前進して、鋳造
金型4の湯口,ランナ,ゲートを通じてキャビティ10
内に溶湯が充填される(ステップS36)。充填完了か
ら所定時間経過後に、加圧ピン28による溶湯の凝固状
態の検出が開始される(ステップS38)。すなわち、
微量の圧力油が加圧用油圧シリンダ20の後室22Aに
供給されて加圧ピン28が微速前進を開始し、同時に制
御コンピュータ90内のカウンタによって、所要時間T
2の測定が開始される。
【0021】続いて、加圧ピン28の受ける圧力が設定
圧力に達したか否かが判定され、設定圧力に達した時点
で加圧用油圧シリンダ20の後室22Aに大量の圧力油
が供給され、加圧ピン28が高速で前進してキャビティ
10内の溶湯が加圧される。そして、一定時間後に油圧
系の制御によって加圧ピン28が停止して加圧が終了
し、所要時間T2の測定データが制御コンピュータ90
のメモリ92に格納されて、所要時間T2が算出される
(ステップS40)。次に、この所要時間T2の値に応
じて、制御コンピュータ90において適切な冷却水流量
V2の値が算出される。この演算は、予め経験的に求め
られて制御コンピュータ90のメモリ92に記憶された
関係式に基づいて実行される。そして、算出された冷却
水流量V2で可動型6のキャビティ10の近傍が冷却さ
れる(ステップS42)。すなわち、電磁流量調整弁8
0の開度が調整されて、流量V2の冷却水が冷却水通路
12内に供給される。
【0022】続いて、連続鋳造の作業を終了するか否か
の判定が行われ(ステップS44)、鋳造作業を終了す
る場合には加圧鋳造の制御も終了する(ステップS4
6)。一方、鋳造作業を続行する場合には、ステップS
36に戻って、可動型6のキャビティ10の近傍が適切
に冷却された状態で次回の鋳造が実施される。このよう
にして、ステップS44で鋳造作業終了となるまで、毎
回所要時間T2の測定値に応じて冷却水の流量V2が調
整されながら鋳造が行われる。このように、本実施例の
加圧鋳造方法では、所要時間T2の長短で示される鋳造
金型4の温度の高低に応じて、鋳造金型4の冷却の程度
が加減される。これによって、溶湯が加圧できる凝固状
態まで冷却されるのに要する時間が長すぎず短すぎない
適切な時間に制御される。このようにして、引け,巣等
の欠陥の発生を確実に防止しつつ、より的確かつ精密に
鋳造のサイクルタイムを短縮することができ、引け,巣
等のない高品質の鋳造品が効率的に得られる。
【0023】上記の各実施例においては、鋳造金型4の
可動型6のキャビティ10近傍を冷却する方法として、
可動型6に冷却水通路12を設けて冷却水供給系によっ
て冷却水を流す方法を採用しているが、その他の冷却方
法を用いることも可能である。例えば、通路12にオイ
ル,液体窒素,低温エア等のその他の冷却媒体を流す方
法や、鋳造金型4(特に可動型6)の外側から水,液体
窒素,低温エア等の冷却媒体を吹きつける方法等であ
る。また、加圧ピン28を前進させる駆動手段として加
圧用油圧シリンダ20及び油圧ピストン24を使用して
いるが、エアシリンダ等の他の流体シリンダ機構や、油
圧モータ等、あるいは電動モータ等の電気的な駆動機構
等のその他の駆動手段を用いても良い。さらに、加圧ピ
ン28の受ける反発力を測定する手段としては、油圧系
に取り付けられた圧力センサ以外にも、エアシリンダ等
の配管系に取り付けられた圧力センサや、温度センサ,
超音波センサ等、油圧モータ,電動モータ等の回転駆動
機構に設けられたトルク計や、電気回路に設けられた電
力計,電流計等、あるいは加圧ピン28に直接設けられ
たロードセル等の圧力センサ等を用いることができる。
また、加圧鋳造において溶湯をキャビティ内に充填する
方式としては、重力鋳造,減圧鋳造,差圧鋳造,ダイカ
スト鋳造等の種々の鋳造法が含まれる。加圧鋳造方法の
その他の工程の内容や、加圧鋳造装置のその他の部分の
構成,形状,大きさ,材料,数,接続関係等について
も、上記の各実施例に限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】請求項1に係る発明においては、加圧ピ
ンによる加圧時期検出工程及び加圧工程に要する時間の
合計が設定時間より長くなったときには鋳造金型を冷却
する加圧鋳造方法を創出したために、溶湯が加圧できる
凝固状態になるまでの時間が長くなることが防止され
て、鋳造のサイクルタイムが確実に短縮される。これに
よって、短時間で充分に溶湯を加圧することができ、引
け,巣等のない高品質の鋳造品が効率良く得られる実用
的な加圧鋳造方法となる。
【0025】また、請求項2に係る発明においては、加
圧ピンによる加圧時期検出工程及び加圧工程に要する時
間の合計の長さに応じて鋳造金型を冷却する程度を変化
させる加圧鋳造方法を創出したために、溶湯が加圧でき
る凝固状態まで冷却されるのに要する時間が、常に長す
ぎず短すぎない適切な時間に制御される。このようにし
て、より的確かつ精密に鋳造のサイクルタイムを制御し
て高品質の鋳造品が安定して効率良く得られる、極めて
実用的な加圧鋳造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加圧鋳造方法の実施例1における
加圧鋳造装置の全体構成を示す図である。
【図2】加圧鋳造方法の実施例1における加圧鋳造の手
順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る加圧鋳造方法の実施例2における
加圧鋳造装置の全体構成を示す図である。
【図4】加圧鋳造方法の実施例2における加圧鋳造の手
順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 加圧鋳造装置 4 鋳造金型 10 キャビティ 28 加圧ピン T1 設定時間 T2 所要時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 直哉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 乾 満 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精機 工業株式会社第1事業部内 (72)発明者 二村 健人 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精機 工業株式会社第1事業部内 (72)発明者 斎藤 明 岐阜県岐阜市六条南1−9−6 岐阜精機 工業株式会社第1事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造金型のキャビティ内に充填された溶
    湯が凝固する段階で加圧ピンを微速で前進させて前記加
    圧ピンの受ける反発力から前記充填された溶湯の凝固状
    態を検出して加圧を行う時期を決定する加圧時期決定工
    程と、該決定された加圧時期に前記加圧ピンを高速で前
    進させて加圧を行う加圧工程とを有する加圧鋳造方法に
    おいて、 前記加圧時期決定工程の開始から前記加圧工程の終了ま
    での所要時間を測定する工程と、 該測定された所要時間が設定時間以上であったときには
    前記加圧ピンで加圧される前記キャビティの近傍におい
    て前記鋳造金型を冷却する工程、とを有することを特徴
    とする加圧鋳造方法。
  2. 【請求項2】 鋳造金型のキャビティ内に充填された溶
    湯が凝固する段階で加圧ピンを微速で前進させて前記加
    圧ピンの受ける反発力から前記充填された溶湯の凝固状
    態を検出して加圧を行う時期を決定する加圧時期決定工
    程と、該決定された加圧時期に前記加圧ピンを高速で前
    進させて加圧を行う加圧工程とを有する加圧鋳造方法に
    おいて、 前記加圧時期決定工程の開始から前記加圧工程の終了ま
    での所要時間を測定する工程と、 該測定された所要時間の長さに応じて冷却の程度を変化
    させて、前記加圧ピンで加圧される前記キャビティの近
    傍において前記鋳造金型を冷却する工程、とを有するこ
    とを特徴とする加圧鋳造方法。
JP30634394A 1994-12-09 1994-12-09 加圧鋳造方法 Pending JPH08164462A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004011777A (ja) * 2002-06-06 2004-01-15 Toyooki Kogyo Co Ltd 液圧駆動装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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