JP3495749B2 - 可溶性のイネ澱粉合成酵素遺伝子及びその使用法 - Google Patents

可溶性のイネ澱粉合成酵素遺伝子及びその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イネの可溶性澱粉合成
酵素の遺伝子及びこの遺伝子の使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】澱粉は光合成の最終産物である。それゆ
え、澱粉の生合成に関する研究は、植物生理、生化学に
おける重要な研究課題の1つであるが、この生合成に関
する研究はあまり進んでいない。
【0003】澱粉の供給源である穀類は、我々にとって
主要なカロリー供給源であり、また脂質やタンパク質の
重要な摂取源でもある。したがって、穀類胚乳中の貯蔵
成分の質的・量的改良は、育種における主要な目標とな
っている。この目標達成のためには、前記成分に関する
遺伝資源の探索・収集とその遺伝・育種学的評価が必要
である。
【0004】ところで、トウモロコシでは胚乳成分に関
する多様な遺伝的変異(突然変異)が見出されており、
それらはトウモロコシの品質改良に重要な役割を果たし
ている。さらに、これらの突然変異は、植物体内での遺
伝的制御機構の解明を行なう際の貴重な情報となる。
【0005】一方、イネは粒食が主体であり、胚乳澱粉
中の多糖類の含有比率や澱粉の構造的変化が、胚乳すな
わちコメの食味や調理特性を大きく変える。また、コメ
以外の穀粒中の澱粉含量も、食味や加工特性と密接な関
係がある。
【0006】澱粉合成のメカニズムとして以下の3つの
段階が考えられている。まず、澱粉合成の鋳型となるオ
リゴサッカライドの合成、これの伸長反応、さらにはで
きた直鎖形の澱粉の枝つけ反応の順で合成される。
【0007】澱粉合成に関する酵素としては、ワキシー
(WX)タンパクなどのように、澱粉顆粒結合型の酵素
や、アミロペクチン合成に関与する澱粉枝つけ酵素など
がよく知られている。そのほかにも多数の酵素の関与が
あることが推測されているが、これらの酵素についての
知見はほとんど得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】澱粉合成の伸長反応に
関与する酵素としては、澱粉顆粒結合型の酵素の他に、
可溶性の澱粉合成酵素が存在することがわかっている。
この酵素は、植物の澱粉合成の中で大きな比重を占めて
おり、この酵素活性を高めることは、穀粒中の総澱粉量
を高めることにつながるので、作物育種上、大きな意義
がある。
【0009】しかしながら、この酵素による澱粉合成
は、動物のグリコーゲン合成の際の伸長反応に類似して
いると考えられているが、反応のメカニズムについては
全く明らかとなっていないばかりでなく、その構造に関
する知見も得られていなかった。さらに、その遺伝子も
未だ取得されていなかった。
【0010】近年、植物への遺伝子組換え技術の応用が
進んでいる。イネにおいてもこの技法を用いた育種が可
能となりつつあり(例えば、特開平4−104791号
公報)、遺伝子工学的手法によるイネの品種改良が待た
れている。
【0011】本発明は、かかる現状に鑑み、イネの遺伝
子のうち可溶性の澱粉合成酵素(以下、「澱粉合成酵
素」という。)の遺伝子を単離、クローニングし、構造
を解明し、この遺伝子を植物、特にイネの育種に応用す
ることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、イネ胚乳か
ら澱粉合成酵素を単離、精製し、この酵素タンパクのア
ミノ酸配列を明らかにし、イネ登熟種子から抽出したmR
NAを用いて調製したcDNAライブラリーから可溶性澱粉合
成酵素のcDNAの単離に成功し、本発明に至った。
【0013】すなわち本発明は、澱粉合成酵素の成熟酵
素をコードする遺伝子、澱粉合成酵素の前駆体をコード
する遺伝子、澱粉合成酵素のトランジットペプチドをコ
ードするDNA配列である。
【0014】また、本発明は、澱粉合成酵素をコードす
る配列の全部あるいは一部と、植物細胞内で発現可能な
プロモーターとを結合したDNA配列を導入したイネ、
さらに、澱粉合成酵素をコードする配列の全部あるいは
一部と、植物細胞内で発現可能なプロモーターとを結合
した配列を、植物細胞内に導入することによって可溶性
のイネ澱粉合成酵素活性を変化させる方法、及び澱粉合
成酵素のトランジットペプチドをコードする配列の下流
に任意のタンパクをコードする配列を連結し、これらの
配列を植物細胞に導入しこのタンパクを植物細胞中のア
ミロプラストに移行させる方法を提供する。
【0015】尚、本明細書においては、特記しない限
り、「澱粉合成酵素」とは、トランジットペプチドを含
めた酵素、あるいはトランジットペプチドを除いた酵素
をいい、特にトランジットペプチドを除いた酵素を「成
熟酵素」という。また、澱粉合成酵素cDNAを遺伝子とし
て使用する場合は、これを「澱粉合成酵素遺伝子」とい
う。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】<1>澱粉合成酵素の精製 遺伝子を単離するには、例えば、酵素を精製し、アミノ
酸配列を決定し、この配列をもとに合成オリゴヌクレオ
チドプローブを作製し、ハイブリダイゼーションにより
遺伝子ライブラリーから選択する方法がある。そのため
に、イネから澱粉合成酵素を精製する方法を以下に例示
する。
【0018】イネの登熟種子を、氷冷しながらジューサ
ーを用いて粉砕し、緩衝液に懸濁する。この懸濁液の不
溶性の画分を、ろ過や遠心分離によって取り除いた後、
硫酸アンモニウムを加えて総タンパク質を沈澱させる。
沈澱したタンパク画分を、DEAE-セルロース等によるク
ロマトグラフィー、BSA-maltotrioseを結合させたセフ
ァロース4Bを用いたアフィニティークロマトグラフィ
ー、SDS-PAGE等によってさらに精製する。
【0019】精製の各段階において、澱粉合成酵素を含
む画分はGhoshとPreissの方法(Biochemistry 10, 4253
(1965))等で、酵素活性により検定すればよい。このよ
うにして精製した酵素のN末端のアミノ酸配列を決定す
れば、この配列をもとにプローブを作製することができ
る。本発明において決定された澱粉合成酵素のN末端の
アミノ配列を、配列番号2に示した。
【0020】<2>イネ登熟種子由来のcDNAライブラリ
ーの構築 cDNAライブラリーは、イネ登熟種子からmRNAを抽出
し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、ポリメラーゼ反
応によって2本鎖化したものをベクターに挿入し、大腸
菌等に形質転換することにより作製することができる。
cDNAクローニングキットが市販されているのでこれらを
使用してもよい。
【0021】ライブラリーの作製に用いるベクターは、
多数種市販されており、これらを使用することができ
る。DNAの切断、連結、形質転換、遺伝子の塩基配列
の決定、ハイブリダイゼーション等一般の遺伝子組換え
に必要な方法は、各操作に使用する市販の酵素等に添付
されている説明書や、Molecular cloning (Maniatis T.
et al. Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載
されている。
【0022】<3>澱粉合成酵素cDNAのクローニングと
植物細胞における発現 精製した酵素から決定したアミノ酸配列をもとに作製し
たプローブを用い、プラークハイブリダイゼーション等
を行うことにより、澱粉合成酵素遺伝子を得ることがで
きる。得られた遺伝子の、全部あるいは一部をプローブ
として用い、プラークハイブリダイゼーション等により
植物の遺伝子ライブラリーから他の澱粉合成酵素遺伝子
を選択することができ、こうして得られる遺伝子も本発
明に使用することができる。
【0023】クローン化されたcDNAの塩基配列の決定
は、Maxam-Gilbert法あるいは、ダイデオキシ法により
行う。ダイデオキシ法による塩基配列の決定は、市販さ
れているキットを用いて行うことができ、配列決定を自
動的に行うオートシークエンサーを使用してもよい。
【0024】このようにして得られた澱粉合成酵素遺伝
子の塩基配列を配列番号1に示した。この澱粉合成酵素
遺伝子とカリフラワーモザイクウイルス由来のプロモー
ターなど植物で発現可能なプロモーターと結合すること
によって、人工的な澱粉合成酵素の発現系を構築するこ
とができる。
【0025】このようにして構築された発現系を、イ
ネ、タバコなどの植物に導入することにより、植物の形
質転換を行い、形質転換植物の澱粉の含量を任意に変化
させることができる。
【0026】植物の形質転換は、エレクトロポレーショ
ン(電気的穿孔法)あるいはアグロバクテリウムのTi
プラスミドを利用する方法などによって、プロトプラス
トにDNAを導入することによって行うことができる。
以下に、イネにおける、プロトプラストの調製、エレク
トロポレーションによるプロトプラストへのDNAの導
入、及び形質転換細胞の植物体への再生法を例示する。
【0027】イネのプロトプラストの調製は、例えば以
下のようにして行う。イネの種子未成熟胚から形成させ
たカルスを、R2無機塩(Ohira, K. et al.Plant Cell
Physiol. 14, 1113 (1973))、B5ビタミン(Gambor
g, O. et al.Expt. Cell Res. 50, 151 (1968))、0.
3%カゼイン水解物、1ppmの2,4−D、及び3%
スクロースを含む液体培地に移し、25℃、500ルク
スの蛍光灯光の照射下で、60rpmに設定したロータリ
ーシェーカーで培養する。
【0028】一週毎に、新鮮な上記培地でサブカルチャ
ーを行い、サブカルチャー5日目の細胞1gを、1%マ
セロザイム(Macerozyme)R10、4%セルラーゼRS
(以上、(株)近畿ヤクルト製)、0.5% CaCl2・2H2
O、0.5% デキストラン硫酸カリウム、0.4M マ
ンニトールを含む10mlの酵素溶液と混合する。
【0029】この溶液のpHを5.5に調整し、27℃
で3時間振盪(40rpm)し、続いて3時間静置する。
酵素処理により生じたプロトプラスト懸濁液を、40μ
mのナイロンスクリーンを通して破砕物を除く。
【0030】このようにして得られるプロトプラスト
へ、エレクトロポレーションによりDNAを導入する方
法(Tada, Y. et al. Theor. Appl. Genet. 80, 475 (1
990))を説明する。
【0031】プロトプラストを、エレクトロポレーショ
ン緩衝液(70mM KCl、5mM CaCl2、5mM 2-[モルフォリノ]エタンスル
ホン酸(MES)、0.4M マンニトール)に、2×106個/m
lとなるように懸濁し、0〜20μgのDNAを加え
る。DNAとしては、導入するDNA(澱粉合成酵素遺
伝子を含むDNA)の他にハイグロマイシン耐性遺伝子
を発現するプラスミドを加える。ハイグロマイシン耐性
遺伝子を発現するプラスミドが導入されたプロトプラス
トには、導入しようとするDNAも同時にco-transform
ationされる確率が高いので、ハイグロマイシンを用い
た選択により、効率よく形質転換細胞を選択することが
できる。
【0032】プロトプラストとDNAの混合液を0℃で
20分間放置した後、氷冷したエレクトロポレーション
・チャンバに移し、電気パルスを与える。電気パルス
は、例えば、初期電界475V/cm、時間減衰係数T
1/2が30.0ミリ秒となるように与える。エレクトロ
ポレーションには、装置が市販されているのでこれを使
用すればよい。電気パルスは、例えば、初期電界475
V/cm、時間減衰係数T1/2が30.0ミリ秒となる
ように与える。
【0033】次に、上記のようにして得られた形質転換
細胞の植物体への再生法(Fujimura, T. et al. Plant
Tissue Culture Lett. 2, 74(1985))を説明する。エレ
クトロポレーションを行ったプロトプラストを、遠心分
離(50×g、5分)により、R2無機塩、0.4Mグ
ルコースを含む洗滌培地で4回洗滌した後、2ppmの
2,4−D、0.5ppmベンジルアデニン、3%スク
ロースを添加したN6培地(Chu, C.-C. Proceedings o
f Symposium on Plant Tissue Culture (Scientific Pr
ess, Peking) p.43 (1978))に懸濁し、細胞数を106
個/mlに調整して25℃、暗下で培養する。
【0034】培養14日目に、培地にハイグロマイシン
を50μg/ml添加し、さらに2週間培養し、コロニ
ーを同濃度のハイグロマシンを含む新鮮な培地に移す。
コロニーが直径2mmまで生育したら、ハイグロマイシ
ンを含まないN6ホルモンフリー培地に移し、蛍光灯照
射下(3000ルクス)で培養して分化させる。試験管
内で高さが約10cmに生長した苗を、順化させた後に
温室内のポットに移し、植物体まで再生させる。
【0035】澱粉合成酵素遺伝子が含まれているクロー
ンの選択は、カルスあるいは植物体の細胞を採り、サザ
ンハイブリダイゼーション等の方法で確認することによ
り行えばよい。また、再生後に、植物体の葉の抽出液等
のタンパク中の酵素量をウエスタン解析等により調べる
一方、澱粉合成酵素遺伝子が導入されていることをサザ
ン解析等により確認することが好ましい。
【0036】<4>トランジットペプチドをコードする
配列の利用 澱粉合成酵素は、アミロプラストに効率的に移行するた
めの配列であるトランジットペプチドをN末端側に有し
ている。配列番号1に示した澱粉合成酵素遺伝子には、
このトランジットペプチドをコードする部分も包含され
ており、114〜452番の塩基配列がこれに相当す
る。
【0037】このトランジットペプチドをコードする配
列の下流に、任意のタンパクをコードする配列をフレー
ムを併せて連結すると、これらの配列を植物細胞中で発
現させた際に、このタンパクをアミロプラストに効率的
に移行させることができる。
【0038】
【作用】本発明によって得られた澱粉合成酵素のcDNA
は、配列番号1に示すようにイネの当該酵素タンパクの
全領域をコードしている。したがって、この配列と植物
で発現可能なプロモーターと結合したものを植物に導入
することによって、得られた形質転換植物の澱粉の含量
を任意に変化させることができ、米の食味性および収量
の著しい向上を可能にする。このように、本発明の澱粉
合成酵素をコードするDNA配列は、食物の新たな育
種、ひいては澱粉合成酵素の工業的生産、あるいは食品
製造、酵素工業等の技術分野に有用である。
【0039】また、本発明の可溶性のイネ澱粉合成酵素
のcDNAにコードされているトランジットペプチドは、イ
ネにおいて後続するタンパクを効率的にアミロプラスト
に移行させる能力を有する。したがって、トランジット
ペプチドをコードする塩基配列の後に可溶性の澱粉合成
酵素をコードする塩基配列に代えて、任意のタンパクを
コードする塩基配列を結合した場合、そのタンパクを効
率的にアミロプラストに移行させることができる。
【0040】さらに、可溶性の澱粉合成酵素の酵素活性
を有するタンパクをコードしている塩基配列は、インビ
トロの転写系などの人工的な手法、あるいは大腸菌など
の微生物を用いて遺伝子の発現を行なうことによって、
可溶性の澱粉合成酵素を大量に、かつ純粋な形で得るこ
とができる。得られた可溶性の澱粉合成酵素は効率的に
澱粉合成を行なう酵素活性を有することから、澱粉の量
的改変を行なう際に有効である。またこの酵素処理を行
なうことによって澱粉の質的向上を図ることが可能とな
った。
【0041】本発明で得られたcDNAの塩基配列を用い
て、部位特異的置換あるいはPCR法を利用したカセット
変異などの手法を用いて、この塩基配列の一部を特異的
に変異せしめ、澱粉合成酵素の機能向上や、機能発現に
関する研究にも用いることができる。
【0042】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。操作の手順は特に記述しない限りCurrent Protocol
s in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編集、John Wil
ey& Sons,Inc.,1987)に記載されている方法にしたがっ
た。
【0043】<1>澱粉合成酵素の精製 圃場で育てたコシヒカリ品種のイネの登熟種子を、氷冷
しながらジューサーを用いて粉砕し、50mM Tris-HCl(pH
8.5)、5mM EDTA、5mMメルカプトエタノ−ルを含む緩衝
液に懸濁した。この懸濁液の不溶性の画分を、ろ過と遠
心分離によって取り除いた後、硫酸アンモニウムを加え
て総タンパク質を沈澱させた。
【0044】沈澱したタンパク画分を50mM Tris-HCl(pH
7.5)、5mM EDTA、5mMメルカプトエタノールからなる緩
衝液に溶解し、透析後、DEAE-セルロース(Whatman DE-5
2)を用いてクロマトグラフィーを行なった。可溶性のイ
ネ澱粉合成酵素を含む画分はGhoshとPreissの方法(Bioc
hemistry 10, 4253 (1965))で検定した。
【0045】次に、活性画分をBSA-maltotrioseを結合
させたセファロース4Bを用いて、アフィニティークロマ
トグラフィーを行なった。その結果、可溶性のイネ澱粉
合成酵素は、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
-PAGE)により、57kDaの単一なタンパクのバンドとして
分離が可能な程度に精製された。精製された澱粉合成酵
素を抗原としてウサギを免疫して、抗血清を作成した。
この抗血清は、後述するウエスタン分析に用いた。
【0046】<2>澱粉合成酵素のN-末端アミノ酸配列
の決定 前述の澱粉合成酵素溶液をSDS-PAGEによって分離し、澱
粉合成酵素活性を有するタンパクのバンドからタンパク
質を回収し、PVDFメンブラン(ミリポア社製)に吸
着させた。これを、タンパク分析装置(Applied Biosys
tems Inc.製)を用いてN-末端からそのアミノ酸配列を
調べた。その結果、得られたアミノ酸配列は、配列表の
配列番号2に示した通りであった。ただし、1番目のXa
aはThr又はLys、2番目のXaaはTrp又はGluである。
【0047】<3>イネ登熟種子由来のcDNAライブラリ
ーの構築 イネニホンバレ(オリサ゛・サティハ゛(Oryza sativa))登熟種子
20gより塩化リチウム法に準じて全RNAを調製した。
さらに、オリゴdTセルロースカラムクロマトグラフィー
により、mRNAを含むポリ(A)RNAを単離した。続いて、こ
のポリ(A)RNAを鋳型として、オリゴdTプライマーと逆転
写酵素を用いてcDNAを合成した。これらの操作には、フ
ァルマシア製のcDNA合成キットを用いた。
【0048】得られたcDNAは、EcoRIリンカーを介し
て、ベクターであるλgt11アームと連結した後、in vit
roパッケージングキット(Stratagene社製、GIGAPACK Go
ld)を用い、パッケージングを行なった。これを大腸菌Y
1090株に感染させることによって多数の組換えλファー
ジを得、イネ登熟種子のcDNAライブラリーとした。ライ
ブラリーの大きさは3.3x106であった。
【0049】<4>澱粉合成酵素cDNAのクローニング 前述の澱粉合成酵素のN-末端のアミノ酸配列から、この
部分に相当する遺伝子にハイブリダイズする配列を推定
し、配列番号3記載の配列の合成DNAを作成した。尚、
配列中のNで表される塩基はイノシン酸である。
【0050】前述のイネcDNAライブラリー中のおよそ50
0,000個の独立したクローンのプラークを寒天培地上に
形成させた。これらのプラークをナイロン膜に転写後、
前述の合成DNAを32Pラベルしたものをプローブとして
用い、プラークハイブリダイゼーション法により、澱粉
合成酵素のcDNAのスクリーニングを行なった。その結
果、4個のハイブリダイゼーション陽性を示すクローン
が得られた。
【0051】これらのクローンからファージDNAを調製
し、挿入断片の大きさを調べ、最も大きな断片である2.
5kbの挿入断片を有するクローンを選択した。この挿入
断片は、ファージDNAを制限酵素EcoRIで限定分解し、挿
入断片とベクターとの連結部位のみを切断することによ
って単離した。続いて、得られた断片をプラスミドpUC1
9のEcoRI部位に挿入し、プラスミドクローン(pRS1)とし
て、澱粉合成酵素cDNAを得た。
【0052】<5>澱粉合成酵素cDNAの塩基配列の解析 pRS1にクローニングされたcDNAの塩基配列を、ダイデオ
キシ法(Messing, Methods in Enzymol., 101, 20-78
(1983))により決定した。得られた塩基配列を、配列番
号1に示す。すなわち、この配列は、澱粉合成酵素のcD
NAの塩基配列及びこの配列から推定されるアミノ酸配列
を示したものである。このアミノ酸配列の中で、トラン
ジットペプチドに対応する配列は、114〜452番目
の塩基配列によってコードされる配列(アミノ酸番号1
〜113)である。
【0053】上記アミノ酸配列を、澱粉合成酵素のタン
パクから決定したアミノ酸配列と比較したところ、一致
する配列が見いだされ、プラークハイブリダイゼーショ
ンにより単離されたcDNAが澱粉合成酵素のcDNAであるこ
とが確認された。
【0054】さらに詳細な塩基配列の検討を行ない、澱
粉合成酵素がアミロプラストへ移行するために重要な働
きを行なうトランジットペプチドを有することが明らか
となった。配列番号1に示したアミノ酸配列中において
トランジットペプチドは、114〜452番目の塩基配
列によってコードされる配列(アミノ酸番号1〜11
3)に相当する。
【0055】<6>トランジットペプチドをコードする
配列の応用 トランジットペプチドを、澱粉合成酵素以外の他のタン
パクをアミロプラストに効率的に移行させるのに応用す
るために、部位特異的置換により、トランジットペプチ
ドをコードする配列の3'末端へ制限酵素切断部位を導入
した。部位特異的置換は、以下のようにして行った。
【0056】pRS1を制限酵素EcoRIで切断し、イネ澱粉
合成酵素遺伝子の配列に対応する領域を切り出した。こ
の断片をプラスミドpUC119のEcoRI部位に挿入し、組換
えプラスミドpRS1191を得た。pUC119は、アンピシリン
耐性を有するプラスミドベクターであり、内部にM13
ファージのIG領域を含むため、これをベクターとして
用いた場合、ヘルパーファージK07を用いて、M13
と類似の一本鎖DNAを得ることができる。
【0057】そこで、ヘルパーファージを用いてpRS119
1の一本鎖DNAを調製した。この一本鎖DNA 0.2
μgと配列番号4に示した塩基配列を有する合成DNA
0.2μgと10mM塩化ナトリウム-6.5mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)とを混合し、70℃で10分間加熱し
た。加熱後、混合液を徐々に冷却し、pRS1191の一本鎖
DNAと合成DNAとのアニーリングを行なった。
【0058】この混合液にdATP、dCTP、dGTP、dTTPの混
合液と、DNAポリメラーゼを加え、30℃で15分間反
応を行なった。さらに、ATPを含むT4 DNAリガーゼ反応
用の緩衝液を加え、さらにT4 DNAリガーゼを加えて16
℃で10時間保持して連結を行った。この反応液を用い
て大腸菌JM109株を形質転換し、多数のアンピシリン耐
性の形質転換株を得た。これらの大腸菌に含まれるプラ
スミドDNAを抽出し、制限酵素SacIで切断を行ない、ア
ガロースゲル電気泳動によって分析を行なった。その結
果、いくつかの形質転換株に含まれるプラスミドがSacI
での切断点が増加していることが見いだされた。これら
のうちの一つを選択し、pRSX2と命名した。
【0059】pRSX2の大量調製を行ない、制限酵素切断
地図を作成したところ、SacIによる切断がpRS1に比べて
1カ所増加している他は全く同じ切断パターンを示し
た。またトランジットペプチドをコードしている領域の
近辺の塩基配列を調べたところ、配列番号1の462〜
470番目の配列が、計画通りGAGTCTGAGから
GAGCTCGAGに変異していることがわかり、トラ
ンジットペプチドをコードする塩基配列の末端にSacI切
断部位(GAGCTC)が導入されていることが確認さ
れた。
【0060】pRSX2は、このSacI切断部位を利用して、
任意のタンパクをコードする配列を挿入することができ
る。こうして得られるプラスミドを用いて植物の形質転
換を行うと、そのタンパクを効率的にアミロプラストに
移行させることができる。
【0061】<7> 植物細胞内で発現可能な澱粉合成
酵素遺伝子の構築とイネの形質転換 pRS1をEcoRIで切断することによって、澱粉合成酵素を
コードする全領域を含む断片を単離した後、T4 DNA pol
ymeraseを用いてこの断片の末端を平滑化した。これをp
BI221のSmaI部位にクローニングし、プラスミドpBIRS3
を得た。
【0062】pBIRS3は、pBI221に由来するカリフラワー
モザイクウイルスの35Sプロモーターの下流に、澱粉合
成酵素のcDNAがこのプロモーターに結合した形で存在し
ている。このプラスミドに乗っている澱粉合成酵素のコ
ード領域は、植物細胞内で、前記35Sプロモーターによ
って発現可能であり、植物体内で可溶性澱粉の合成を行
なうことができる。
【0063】次に、pBIRS3を用いたイネの形質転換を、
前述の方法により行った。尚、ハイグロマイシン耐性遺
伝子を有するプラスミドとして、10μgのpUC19
−HPTを用い、20μgのpBIRS3とともに、イネ(ニ
ホンバレ)の胚細胞由来のプロトプラストに導入した。
エレクトロポレーションは、初期電圧475V/cm、
1/2が30ミリ秒である電気パルスを与えることによ
り行った。
【0064】前述した方法により形質転換細胞を再生さ
せ、形質転換したイネが3株得られた。これらの形質転
換株の葉の粗抽出液を用いて、前述の抗血清を使用した
ウエスタン分析により生成物の解析を行なったところ、
澱粉合成酵素の発現量は、コントロールとして用いた無
処理のニホンバレに比べて著しく高いことが確認され
た。
【0065】
【発明の効果】本発明により、可溶性のイネ澱粉合成酵
素遺伝子が得られ、構造が明らかにされた。この遺伝子
は、酵素がアミロプラストに移行するために必要なトラ
ンジットペプチドをN末端に有している。
【0066】また、本遺伝子を、イネプロトプラストに
導入することによって、澱粉合成酵素の発現量を増大す
ることに成功した。さらに、本発明で得られたトランジ
ットペプチドをコードする塩基配列は、この配列の下流
に任意のタンパクをコードする塩基配列を結合すること
により、そのタンパクを効率的にアミロプラストに移行
させるのに用いることができる。
【0067】
【配列表】
【0068】配列番号:1 配列の長さ:2533 配列の形:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:オリザ サティバ(Oryza sativa) 組織の種類:登熟期種子 直接の起源 ライブラリー名:イネ登熟期種子cDNAライブラリー クローン名:pRS1 配列の特徴 特徴を示す記号:5'UTR 存在位置:1..113 特徴を決定した方法:P 特徴を示す記号:mRNA 存在位置:1..2533 特徴を決定した方法:P 特徴を示す記号:transit peptide 存在位置:114..452 特徴を決定した方法:S 特徴を示す記号:mature peptide 存在位置:453..1991 特徴を決定した方法:E 特徴を示す記号:3'UTR 存在位置:1992..2533 特徴を決定した方法:P 配列 CGCGACTCAG CCCACTCCTC TCTCTCCACC ACCACCACCA CCACCACCAC CGCCCGCCAA 60 GCGCGGCCCG CCCGACACAG CAGCAGCAGG ATCGGCGGAG AGGAGGGGGG ATC ATG 116 Met 1 GCG ACG GCG GCG GGG ATG GGG ATC GGG GCG GCG TGC CTG GTG GCG CCG 164 Ala Thr Ala Ala Gly Met Gly Ile Gly Ala Ala Cys Leu Val Ala Pro 5 10 15 CAG GTG AGG CCG GGG AGG AGG TTG CGG CTC CAG CGG GTG CGG AGG CGG 212 Gln Val Arg Pro Gly Arg Arg Leu Arg Leu Gln Arg Val Arg Arg Arg 20 25 30 TGC GTG GCG GAG CTG AGC AGG GAC GGT GGG TCG GCG CAC GGC CCG CTG 260 Cys Val Ala Glu Leu Ser Arg Asp Gly Gly Ser Ala His Gly Pro Leu 35 40 45 GCA CCG GCG CCG CTG GTG AAG CAG CCG GTC CTG CCG ACC TTC CTC GTG 308 Ala Pro Ala Pro Leu Val Lys Gln Pro Val Leu Pro Thr Phe Leu Val 50 55 60 65 CCG ACG TCG ACG CCA CCC GCG CCC ACG CAG TCG CCG GCG CCG GCG CCG 356 Pro Thr Ser Thr Pro Pro Ala Pro Thr Gln Ser Pro Ala Pro Ala Pro 70 75 80 ACC CCG CCG CCG TTG CCG GAC TCC GGC GTG GGG GAG ATC GAG CCC GAT 404 Thr Pro Pro Pro Leu Pro Asp Ser Gly Val Gly Glu Ile Glu Pro Asp 85 90 95 CTA GAA GGT CTC ACA GAA GAT TCC ATC GAC AAA ACA ATT TTT GTG GCT 452 Leu Glu Gly Leu Thr Glu Asp Ser Ile Asp Lys Thr Ile Phe Val Ala 100 105 110 AGT GAG CAG GAG TCT GAG ATC ATG GAT GTG AAG GAG CAA GCT CAA GCT 500 Ser Glu Gln Glu Ser Glu Ile Met Asp Val Lys Glu Gln Ala Gln Ala 115 120 125 AAA GTA ACA CGC AGC GTT GTC TTT GTA ACC GGT GAA GCT TCT CCT TAT 448 Lys Val Thr Arg Ser Val Val Phe Val Thr Gly Glu Ala Ser Pro Tyr 130 135 140 145 GCA AAG TCA GGT GGA CTA GGA GAT GTT TGT GGT TCA CTG CCA ATT GCT 596 Ala Lys Ser Gly Gly Leu Gly Asp Val Cys Gly Ser Leu Pro Ile Ala 150 155 160 CTT GCT CTT CGT GGT CAT CGT GTG ATG GTT GTA ATG CCG AGA TAC ATG 644 Leu Ala Leu Arg Gly His Arg Val Met Val Val Met Pro Arg Tyr Met 165 170 175 AAC GGG GCC TTG AAC AAA AAT TTT GCA AAC GCA TTT TAC ACT GAG AAG 692 Asn Gly Ala Leu Asn Lys Asn Phe Ala Asn Ala Phe Tyr Thr Glu Lys 180 185 190 CAC ATT AAG ATT CCA TGC TTT GGC GGA GAA CAT GAA GTT ACT TTT TTT 740 His Ile Lys Ile Pro Cys Phe Gly Gly Glu His Glu Val Thr Phe Phe 195 200 205 CAC GAG TAT AGG GAT TCT GTT GAT TGG GTG TTT GTT GAT CAT CCC TCA 788 His Glu Tyr Arg Asp Ser Val Asp Trp Val Phe Val Asp His Pro Ser 210 215 220 225 TAT CAT AGA CCT GGA AAT TTG TAT GGA GAT AAT TTT GGT GCT TTT GGC 836 Tyr His Arg Pro Gly Asn Leu Tyr Gly Asp Asn Phe Gly Ala Phe Gly 230 235 240 GAT AAT CAG TTC AGA TAC ACA CTC CTG TGC TAT GCG GCG TGT GAA GCC 884 Asp Asn Gln Phe Arg Tyr Thr Leu Leu Cys Tyr Ala Ala Cys Glu Ala 245 250 255 CCA TTA ATT CTT GAA CTG GGA GGA TAT ATC TAT GGA CAG AAA TGC ATG 932 Pro Leu Ile Leu Glu Leu Gly Gly Tyr Ile Tyr Gly Gln Lys Cys Met 260 265 270 TTT GTT GTG AAT GAT TGG CAT GCC AGT CTT GTG CCA GTC CTT CTT GCT 980 Phe Val Val Asn Asp Trp His Ala Ser Leu Val Pro Val Leu Leu Ala 275 280 285 GCA AAA TAT AGA CCA TAT GGT GTT TAC AGG GAT GCC CGC AGT GTT CTT 1028 Ala Lys Tyr Arg Pro Tyr Gly Val Tyr Arg Asp Ala Arg Ser Val Leu 290 295 300 305 GTC ATA CAT AAT CTA GCA CAT CAG GGT GTG GAG CCT GCC AGT ACA TAT 1076 Val Ile His Asn Leu Ala His Gln Gly Val Glu Pro Ala Ser Thr Tyr 310 315 320 CCT GAC CTG GGA TTG CCA CCT GAA TGG TAT GGA GCA TTA GAA TGG GTG 1124 Pro Asp Leu Gly Leu Pro Pro Glu Trp Tyr Gly Ala Leu Glu Trp Val 325 330 335 TTT CCA GAG TGG GCA AGG CGG CAT GCC CTT GAC AAG GGT GAG GCA GTC 1172 Phe Pro Glu Trp Ala Arg Arg His Ala Leu Asp Lys Gly Glu Ala Val 340 345 350 AAT TTT TTA AAA GGC GCA GTT GTG ACA GCA GAT CGA ATT GTG ACT GTC 1220 Asn Phe Leu Lys Gly Ala Val Val Thr Ala Asp Arg Ile Val Thr Val 355 360 365 AGC CAG GGG TAT TCA TGG GAG GTC ACA ACT GCT GAA GGT GGG CAA GGC 1268 Ser Gln Gly Tyr Ser Trp Glu Val Thr Thr Ala Glu Gly Gly Gln Gly 370 375 380 385 CTC AAT GAG CTC TTA AGC TCC CGG AAG AGT GTA TTG AAT GGA ATT GTA 1316 Leu Asn Glu Leu Leu Ser Ser Arg Lys Ser Val Leu Asn Gly Ile Val 390 395 400 AAT GGA ATT GAC ATT AAT GAT TGG AAC CCA TCC ACA GAC AAG TTT CTC 1364 Asn Gly Ile Asp Ile Asn Asp Trp Asn Pro Ser Thr Asp Lys Phe Leu 405 410 415 CCT TAT CAT TAT TCT GTT GAT GAC CTG TCC GGA AAG GCC AAG TGT AAA 1412 Pro Tyr His Tyr Ser Val Asp Asp Leu Ser Gly Lys Ala Lys Cys Lys 420 425 430 GCT GAA TTG CAG AAG GAG CTG GGT TTA CCT ATA AGG CCC GAT GTG CCT 1460 Ala Glu Leu Gln Lys Glu Leu Gly Leu Pro Ile Arg Pro Asp Val Pro 435 440 445 CTG ATT GGC TTT ATT GGA AGA TTG GAC TAT CAA AAA GGC ATT GAT CTA 1508 Leu Ile Gly Phe Ile Gly Arg Leu Asp Tyr Gln Lys Gly Ile Asp Leu 450 455 460 465 ATT AAA CTT GCC ATT CCA GAT CTC ATG CGG GAC AAT ATT CAA TTC GTC 1556 Ile Lys Leu Ala Ile Pro Asp Leu Met Arg Asp Asn Ile Gln Phe Val 470 475 480 ATG CTT GGA TCT GGT GAC CCA GGT TTT GAA GGA TGG ATG AGA TCC ACA 1604 Met Leu Gly Ser Gly Asp Pro Gly Phe Glu Gly Trp Met Arg Ser Thr 485 490 495 GAA TCA GGG TAC AGG GAT AAA TTT CGT GGA TGG GTT GGA TTT AGT GTT 1652 Glu Ser Gly Tyr Arg Asp Lys Phe Arg Gly Trp Val Gly Phe Ser Val 500 505 510 CCA GTT TCC CAC CGA ATA ACT GCA GGT TGC GAT ATA TTG TTG ATG CCA 1700 Pro Val Ser His Arg Ile Thr Ala Gly Cys Asp Ile Leu Leu Met Pro 515 520 525 TCC AGA TTC GAA CCT TGT GGC CTC AAT CAG CTA TAT GCT ATG CAA TAT 1748 Ser Arg Phe Glu Pro Cys Gly Leu Asn Gln Leu Tyr Ala Met Gln Tyr 530 535 540 545 GGT ACA GTG CCT GTT GTT CAT GGA ACT GGA GGC CTC AGA GAT ACA GTG 1796 Gly Thr Val Pro Val Val His Gly Thr Gly Gly Leu Arg Asp Thr Val 550 555 560 GAG AAT TTT AAC CCG TTT GCT GAG AAA GGA GAG CAG GGT ACA GGG TGG 1844 Glu Asn Phe Asn Pro Phe Ala Glu Lys Gly Glu Gln Gly Thr Gly Trp 565 570 575 GCA TTC TCG CCA CTA ACC ATT GAA AAA AAT GCT GTG GGC ATT GCG GAT 1892 Ala Phe Ser Pro Leu Thr Ile Glu Lys Asn Ala Val Gly Ile Ala Asp 580 585 590 GGC AAT TTC GAC ATA CAG GGA ACA CAA GTC CTC TTG GGA GGG TCT AAT 1940 Gly Asn Phe Asp Ile Gln Gly Thr Gln Val Leu Leu Gly Gly Ser Asn 595 600 605 GAA GCG AGG CAT GTC AAG CGA CTT TAC ATG GGA CCA TGC CGC CTC ACA 1988 Glu Ala Arg His Val Lys Arg Leu Tyr Met Gly Pro Cys Arg Leu Thr 610 615 620 625 GTA TGAACAGATC TTCGAATGGG CCTTCATGGA TCAACCATAT GTCATGTAAA 2041 Val TGGATTTGAA GGAAGCAGCG AATTTCTCCG AGGACCCTCA ATCTTCCTGT CTTTCATGAG 2101 CGGAATGAAA ACTTTGTACA CTACATGGAA AGGGAACCAG TTATGCAAAG TTGCAAACGA 2161 TCACTCAAGG TTACCCTTGT AGGCCTGCTA CTTGGCCAAT ATGGTTCCAG TGACCATATG 2221 CAGAGTCAGG TTCAGATGAA TGGCACTTGT GAGTAGTGAA GAATAAGATG AGGATGCTTG 2281 AAGCGGTTTC ACATGTGGCT GATACCACGC AAGCAACCTC TCAATGCATC GAAATGTGAG 2341 TCTTGGAATC AATAGGATTT AGCTCCCATC AATTACAGTT GTACCCTTTT TTGCTTAATA 2401 CTTTGTCGCC TGTGCTGTTC TTATATTTGT GTGAAGATAA ATTTTAGTCC ATTAGGTAAC 2461 TGTATTGTTG AGTCTTAAGG TGAAGACTAA ATAGTGTTTG GAAGCTGTAG CTACTGCGAT 2521 GTCAAGTGTC AA 2533
【0069】配列番号:2 配列の長さ:16 配列の形:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:オリザ サティバ(Oryza sativa) 組織の種類:登熟期種子 配列 Ser Glu Gln Glu Ser Glu Ile Met Asp Val Xaa Xaa Gln Ala Gln Ala 1 5 10 15
【0070】配列番号:3 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TGCCANGTNA CRTCCATNAT YTCAGAYTCY TG 32
【0071】配列番号:4 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTGGCTAGTG AGCAGGAGCT CGAGATCAT GGAT 34
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−104791(JP,A) 国際公開91/019806(WO,A1) Plant Physiol (1993),Vol.103,No.2,p. 565−573 Plant J.(1992),Vol. 2,No.2,p.193−202 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 A01H 5/00 C12N 5/00 SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示す114〜626番のア
    ミノ酸配列からなる可溶性のイネ澱粉合成酵素の成熟酵
    素をコードする遺伝子。
  2. 【請求項2】 配列番号1に示す1〜626番のアミノ
    酸配列からなる可溶性のイネ澱粉合成酵素前駆体をコー
    ドする遺伝子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の遺伝子と、植
    物細胞内で発現可能なプロモーターとを結合したDNA
    配列を導入することにより、イネ澱粉合成酵素の発現量
    が上昇するように改変された植物細胞。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の遺伝子と、植
    物細胞内で発現可能なプロモーターとを結合したDNA
    配列を導入することにより、イネ澱粉合成酵素の発現量
    が上昇するように改変されたイネ。
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Plant J.(1992),Vol.2,No.2,p.193−202
Plant Physiol(1993),Vol.103,No.2,p.565−573

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