JP3492410B2 - 水酸化マグネシウム水懸濁液およびその製造方法 - Google Patents

水酸化マグネシウム水懸濁液およびその製造方法

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JP3492410B2
JP3492410B2 JP02216794A JP2216794A JP3492410B2 JP 3492410 B2 JP3492410 B2 JP 3492410B2 JP 02216794 A JP02216794 A JP 02216794A JP 2216794 A JP2216794 A JP 2216794A JP 3492410 B2 JP3492410 B2 JP 3492410B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中和剤や脱硫剤として
有用な水酸化マグネシウム水懸濁液およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】排煙脱硫や排水などの中和に水酸化マグ
ネシウム水懸濁液が使用されている。この水酸化マグネ
シウム水懸濁液を製造する方法として、海水中の塩化マ
グネシウムと消石灰とを反応させる方法、および天然産
マグネサイトを焼成して得られる軽焼マグネシアを水和
する方法等が知られている(例えば、特開平3−252
311号公報参照)。
【0003】排煙脱硫や排水等の中和に水酸化マグネシ
ウム水懸濁液を用いる場合、反応を円滑に進行させ、効
率よく中和処理するためには、粒子径を小さくする必要
がある。しかし、粒子径を小さくすると、スラリー粘度
が高くなる。一方、低粘度化のため、粒子径を大きくす
ると、中和効率が低下すると共に沈澱物が生成しやす
い。また、水酸化マグネシウム濃度の高い懸濁液では、
粘度が著しく上昇し、移液や輸送も困難となり、取扱性
が低下する。
【0004】このように、水酸化マグネシウム水懸濁液
において、分散安定性を維持しながら、高濃度化と低粘
度化という相反する特性を両立させることはできない。
【0005】また、水酸化マグネシウムは比重が大きい
ため、その水懸濁液の分散安定性を長期間保持すること
は困難である。すなわち、水酸化マグネシウム水懸濁液
を長期間保存すると、流動性が低下したり、沈澱物が密
に固化して硬質のケーキが生成し、容易に再分散ができ
なくなる。
【0006】なお、チェコスロバキア特許第23662
6号公報には、反応速度を増大させるため、界面活性剤
の存在下で、マグネシアを水和する水酸化マグネシウム
の製造法が開示されている。しかし、高濃度でしかも粘
度の低い水酸化マグネシウム水懸濁液は得られていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高濃度であっても粘度の低い水酸化マグネウム水懸
濁液およびその製造方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、分散安定性および保
存安定性が高く、沈澱物のケーキが生成したとしても再
分散が容易な水酸化マグネシウム水懸濁液およびその製
造方法を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、水酸化マグネ
シウム水懸濁液を、高い生産効率で簡易に製造する方法
を提供することにある。
【0010】
【発明の構成】本発明者は、前記目的を達成するため、
鋭意検討した結果、高分子界面活性剤に、水酸化マグネ
シウム水懸濁液の粘度を著しく低下させる効果があるこ
とを見出だし、本発明を完成した。
【0011】 すなわち、本発明は、水酸化マグネシウ
ム、水および高分子界面活性剤(ただし、分子内にカル
ボキシル基0.5〜15モル%とスルホン酸基0.5〜
15モル%とを合わせ持つポリビニルアルコール系共重
合体を除く)を含む水酸化マグネシウム水懸濁液であっ
て、前記高分子界面活性剤の分子量が1×103以上で
あり、前記高分子界面活性剤が、陰イオン界面活性剤お
よび非イオン界面活性剤から選択された少なくとも一種
であり、前記陰イオン界面活性剤が、天然または半合成
高分子カルボン酸であるカルボン酸型陰イオン界面活性
剤、あるいはスルホン酸型陰イオン界面活性剤であり、
前記天然または半合成高分子カルボン酸が、アルギン
酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシカルボキ
シメチルセルロース、カルボキシメチル化澱粉、アラビ
アゴム、トラガントゴム、ペクチン、またはヒアルロン
酸であり、前記スルホン酸型陰イオン界面活性剤が、メ
ラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、トリアジンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、ポリエチレンスルホン酸、ポリ
スチレンスルホン酸またはリグニンスルホン酸である水
酸化マグネシウム水懸濁液を提供する。
【0012】本発明は、また、水酸化マグネシウム、水
および前記高分子界面活性剤を混合する前記水酸化マグ
ネシウム水懸濁液の製造方法を提供する。
【0013】 本発明は、さらに、前記高分子界面活性
剤を含む水性媒体および塩基触媒(アルカリ金属水酸化
物など)の存在下、マグネシアを水和する水酸化マグネ
シウム水懸濁液の製造方法を提供する。
【0014】本発明の水酸化マグネシウム水懸濁液にお
いて、前記水酸化マグネシウムは、特に限定されず、マ
グネシアの水和反応、マグネシウム塩(例えば、塩化物
などのハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩など)
とアルカリ(例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ムなど)との反応など、何れの方法により得られたもの
であってもよい。
【0015】前記高分子界面活性剤としては、界面活性
能を有する高分子であればよい。前記高分子界面活性剤
の分子量は、好ましくは1×103 以上(例えば1×1
3〜1×106 )、さらに好ましくは1×103 〜1
×105 、特に好ましくは2×103 〜1×105 程度
である。分子量の低い界面活性剤では、十分な低粘化効
果が得られない。
【0016】高分子界面活性剤の重合度は、水酸化マグ
ネシウム水懸濁液の流動性、分散性を損なわない範囲で
適宜選択できる。高分子界面活性剤の1重量%水溶液の
25℃における粘度として、例えば1.2〜1000c
ps(センチポイズ)、なかでも1.5〜500cp
s、特に1.8〜200cps程度が好ましい。
【0017】前記高分子界面活性剤には、陰イオン界面
活性剤および非イオン界面活性剤が含まれる。このよう
な高分子界面活性剤を用いると、高い分散安定性および
保存安定性を維持しつつ、高濃度の水酸化マグネシウム
水懸濁液であっても低粘度化できる。
【0018】前記陰イオン界面活性剤としては、慣用の
陰イオン界面活性剤が使用でき、例えば、分子内にカル
ボキシル基を有する高分子カルボン酸、またはその塩で
あるカルボン酸型陰イオン界面活性剤;分子内にスルホ
ン酸基を有する高分子スルホン酸またはその塩であるス
ルホン酸型陰イオン界面活性剤;分子内に酸性硫酸エス
テル基を有する酸性高分子硫酸エステルまたはその塩で
ある硫酸型陰イオン界面活性剤;分子内に酸性リン酸エ
ステル基または酸性亜リン酸エステル基を有する高分子
リン酸、高分子亜リン酸またはそれらの塩であるリン酸
型陰イオン界面活性剤などが例示できる。なお、前記カ
ルボキシル基、スルホン酸基、酸性硫酸エステル基、酸
性リン酸エステル基、酸性亜リン酸エステル基などの酸
性基またはそれらの塩を、アニオン性基ということがあ
る。
【0019】カルボン酸型陰イオン界面活性剤には、合
成高分子カルボン酸および天然または半合成高分子カル
ボン酸が含まれる。前記合成高分子カルボン酸として、
例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、クロトン酸などの不飽和カルボ
ン酸、またはその塩もしくは酸無水物をモノマー原料と
するホモポリマーおよびコポリマー、またはそれらの塩
などが挙げられる。
【0020】不飽和カルボン酸と共重合可能な重合性単
量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オ
クチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系
単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテ
ルなどのビニルエーテル系単量体等が挙げられる。
【0021】合成高分子カルボン酸の具体例としては、
例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、(メタ)
アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸コポリマー、
ビニルエーテル−不飽和カルボン酸コポリマー(例え
ば、ブチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー
など)、ポリクロトン酸、スチレン−(メタ)アクリル
酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマーな
どが例示できる。
【0022】前記合成高分子カルボン酸がコポリマーの
場合、合成高分子カルボン酸の酸価は、水溶性を付与で
きる範囲、例えば30〜800、好ましくは50〜50
0程度である。
【0023】前記天然または半合成高分子カルボン酸と
しては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ル化澱粉、アラビアゴム、トラガントゴム、ペクチン、
ヒアルロン酸などのカルボキシル基を有する多糖類また
はそれらの塩などが含まれる。
【0024】スルホン酸型陰イオン界面活性剤として
は、例えば、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、トリアジン
スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリエチレンスルホン
酸、ポリスチレンスルホン酸、リグニンスルホン酸な
ど、およびこれらの塩等が挙げられる。
【0025】硫酸型陰イオン界面活性剤としては、硫酸
化ポリビニルアルコール、硫酸セルロース、カラギーナ
ン、寒天、コンドロイチン硫酸など、およびこれらの塩
等が例示できる。
【0026】リン酸型陰イオン界面活性剤としては、リ
ン酸化ポリビニルアルコール、リン酸セルロース、亜リ
ン酸セルロースなど、およびこれらの塩等が挙げられ
る。
【0027】また、前記陰イオン界面活性剤が塩の場
合、その塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム
塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム
塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;亜鉛塩など
の周期表12族に属する金属の塩;アンモニア、アミン
(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノ
ール、モルホリンなど)もしくは塩基性含窒素複素環化
合物(ピリジンなど)とのアンモニウム塩;テトラエチ
ルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウムなど
の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。好ましい塩
には、アルカリ金属塩、アンモニアまたはアミンとのア
ンモニウム塩、前記第4級アンモニウム塩等が含まれ
る。分子内に複数個の酸性基を有する場合、各酸性基の
対イオンは同一であってもよく異なっていてもよい。
【0028】上記の陰イオン界面活性剤のなかでも、カ
ルボン酸型、スルホン酸型、硫酸型の陰イオン界面活性
剤などが好ましい。特に、カルボン酸型陰イオン界面活
性剤、とりわけカルボキシメチルセルロース、アルギン
酸などのカルボキシル基を有する多糖類等の天然または
半合成高分子カルボン酸またはそれらの塩は、極めて優
れた低粘度化作用を有する。また、スルホン酸型陰イオ
ン界面活性剤および硫酸型陰イオン界面活性剤は、前記
低粘度化作用と共に、水酸化マグネシウム水懸濁液を長
期間保存した場合に生成するケーキの硬質化を抑制する
作用を有する。
【0029】前記陰イオン界面活性剤は、分子内に、ア
ニオン性基を少なくとも1つ有していればよいが、前記
アニオン性基を2以上、例えば2〜10000、とりわ
け4〜1000程度有しているポリアニオン高分子界面
活性剤が好ましい。分子内に複数個のアニオン性基を有
する場合、前記アニオン性基は、同一であってもよく異
なっていてもよい。
【0030】前記非イオン界面活性剤としては、慣用の
非イオン界面活性剤が使用でき、例えば、アルキルポリ
オキシエチレンエーテル、アルキルカルボニルオキシポ
リオキシエチレン、脂肪酸多価アルコールエステルとポ
リエチレンオキサイドとの付加物、脂肪酸ショ糖エステ
ルとポリエチレンオキサイドとの付加物、ポリオキシア
ルキレンブロックコポリマーなどが挙げられる。なかで
も、非イオン界面活性剤として、エチレンオキサイド−
プロピレンオキサイドブロックコポリマーなどのポリオ
キシアルキレンブロックコポリマーなどは水懸濁液の低
粘度化に優れた効果を示す。
【0031】これらの高分子界面活性剤は、一種または
二種以上組合せて用いることができる。特に、前記カル
ボン酸型陰イオン界面活性剤と前記スルホン酸型または
硫酸型陰イオン界面活性剤とを組合せて用いると、高い
分散安定性および保存安定性を付与できるだけでなく、
長期保存により沈澱物のケーキが生成したとしても、再
分散性が著しく向上する。すなわち、水酸化マグネシウ
ム水懸濁液を長期間放置しても、生成するケーキは軟質
であるため、振盪、攪拌などにより容易に再分散させる
ことができる。また、高分子界面活性剤と低分子量の界
面活性剤とを組合せて用いることもできる。
【0032】前記(1) カルボン酸型陰イオン界面活性剤
と前記(2) スルホン酸型または硫酸型陰イオン界面活性
剤とを組合せて用いる場合の(1) と(2) との含量比(重
量比)は特に限定されないが、例えば(1) /(2) =0.
1〜20、好ましくは(1) /(2) =0.5〜15、さら
に好ましくは(1) /(2) =1〜10程度である。
【0033】本発明の水酸化マグネシウム水懸濁液中の
前記高分子界面活性剤の含有量は、水酸化マグネシウム
の濃度によっても異なるが、水酸化マグネシウムに対し
て、例えば0.002〜10重量%、好ましくは0.0
05〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量
%、特に好ましくは0.02〜0.5重量%程度であ
る。高分子界面活性剤の含有量が少なすぎると、水酸化
マグネシウム水懸濁液の粘度を十分低下させることがで
きない。また、高分子界面活性剤の含有量が多すぎる
と、粘度が上昇したり、懸濁液中の粒子の凝集、ゲル化
が生じて却って高粘度化する場合がある。
【0034】なお、水酸化マグネシウム濃度が特に高濃
度、例えば65重量%以上(65〜75重量%程度)の
場合には、前記高分子界面活性剤の含有量を、水酸化マ
グネシウムに対して1〜10重量%、なかでも3〜10
重量%、特に5〜10重量%程度とするのが好ましい。
水酸化マグネシウム濃度が65重量%程度以上の高濃度
の場合は、少量の高分子界面活性剤を添加してもさほど
粘度が低下しない場合がある。
【0035】好ましい水酸化マグネシウム水懸濁液に
は、水酸化マグネシウム濃度が15〜85重量%、なか
でも30〜75重量%、特に45〜70重量%の水懸濁
液が含まれる。水酸化マグネシウム水懸濁液中の水酸化
マグネシウム粒子の粒径は、例えば0.1〜300μ
m、好ましくは0.2〜200μm、さらに好ましくは
0.5〜150μm程度である。また、水酸化マグネシ
ウムの平均粒径としては、例えば1〜100μm、好ま
しくは4〜50μm、さらに好ましくは5〜30μm程
度である。水酸化マグネシウムの粒度分布においては、
単一のピークに限らず、2以上のピークを有していても
よい。複数のピークは、水酸化マグネシウム水懸濁液の
高濃度化に有用である。
【0036】また、好ましい水酸化マグネシウム水懸濁
液には、粒度分布から算出される粒径1μm以下の水酸
化マグネシウム粒子が全体の2.5体積%以下、なかで
も0〜2体積%、特に0〜1体積%程度の水懸濁液が含
まれる。このような水酸化マグネシウム水懸濁液は、貯
蔵時の流動安定性が高い。粒径1μm以下の水酸化マグ
ネシウム粒子の含有量が多いと粘度が高くなり易く、ま
た、貯蔵時の流動安定性が低下しやすい。
【0037】水酸化マグネシウム水懸濁液の25℃にお
ける粘度は、例えば10〜2500cps、好ましくは
40〜2000cps、さらに好ましくは40〜150
0cps程度である。
【0038】本発明の水酸化マグネシウム水懸濁液は、
分散安定性を維持しつつ、濃度が高くても粘度が極めて
低いという特色を有する。そのため、例えば45重量%
以上に高濃度化することもでき、輸送および貯蔵コスト
を大巾に低減できる。また、スラリーの流動性に優れる
ため、スラリーの貯蔵、パイプ輸送などの作業性を向上
できる。さらに、良好な希釈性を有するため、所望の濃
度の水酸化マグネシウム水懸濁液を容易に調製できる。
さらにまた、特に、前記カルボン酸型陰イオン界面活性
剤と前記スルホン酸型または硫酸型陰イオン界面活性剤
とを併用すると、分散安定性および保存安定性が高く、
再分散が容易であるため、長期間保存することもでき
る。
【0039】なお、水酸化マグネシウム水懸濁液中に
は、少量ながらMg2+が存在するため、このようなカチ
オンとインタラクションを起こしやすいアニオン性の界
面活性剤、特に複数のアニオン性基を有する界面活性剤
が存在すると、分子間塩などを形成してゲル化し、系が
高粘度化することが予想される。しかし、水酸化マグネ
シウム水懸濁液に高分子界面活性剤を含有させると、予
想に反して、陰イオン界面活性剤であっても、逆に、前
記水懸濁液の粘度を著しく減少させる。これは、高分子
界面活性剤の親水性基または主鎖が、水酸化マグネシウ
ム粒子の表面に吸着して保護するためであると考えられ
る。
【0040】本発明の水酸化マグネシウム水懸濁液の好
ましい態様では、高分子界面活性剤の分子量は1×10
3 以上(例えば1×103 〜1×106 )、なかでも1
×103 〜1×105 、特に2×103 〜1×105
度である。また、高分子界面活性剤を水酸化マグネシウ
ムに対して0.002〜10重量%、なかでも0.00
5〜3重量%、特に0.01〜1重量%、とりわけ0.
02〜0.5重量%程度含むのが好ましい。
【0041】また、他の好ましい態様では、高分子界面
活性剤が、陰イオン界面活性剤または非イオン界面活性
剤である。前記陰イオン界面活性剤のなかでも、カルボ
ン酸型、スルホン酸型、硫酸型またはリン酸型の陰イオ
ン界面活性剤が好ましく、前記非イオン界面活性剤のな
かでもポリオキシアルキレンブロックコポリマーが好ま
しい。
【0042】さらに、他の好ましい態様では、(1) カル
ボン酸型陰イオン界面活性剤と、(2) スルホン酸型また
は硫酸型陰イオン界面活性剤とを含む。特に、前記(1)
と(2) との含量比(重量比)が、(1) /(2) =0.1〜
20、なかでも(1) /(2) =0.5〜15、とりわけ
(1) /(2) =1〜10程度であるのが好ましい。
【0043】また、さらに他の好ましい水酸化マグネシ
ウム水懸濁液においては、粒度分布から算出される粒径
1μm以下の水酸化マグネシウム粒子が全体の2.5体
積%以下、なかでも0〜2体積%、特に0〜1%体積程
度である。
【0044】さらに、他の好ましい水酸化マグネシウム
水懸濁液は、水酸化マグネシウムを30〜75重量%、
特に40〜70重量%含むと共に、高分子界面活性剤を
水酸化マグネシウムに対して0.002〜10重量%、
なかでも0.005〜3重量%、特に0.01〜1重量
%、とりわけ0.02〜0.5重量%程度含む。この水
懸濁液において、25℃におけるスラリー粘度は、10
〜2500cps、特に40〜2000cps、とりわ
け40〜1500cps程度であるのが好ましい。
【0045】本発明の水酸化マグネシウム水懸濁液は、
前記水酸化マグネシウム、水および高分子界面活性剤を
混合することにより容易に製造することができる。
【0046】水酸化マグネシウムとしては、粉末状のも
のを使用できる。混合する際の水酸化マグネシウム、水
および高分子界面活性剤の添加順序は特に限定されな
い。例えば、水酸化マグネシウムの水懸濁液に、高分子
界面活性剤を添加することができる。上記各成分は添加
しながら混合してもよく、添加した後に混合してもよ
い。混合は、攪拌や振盪など慣用の方法により行うこと
ができる。
【0047】混合する際の温度は、懸濁液の低粘性を損
なわない範囲で選択できるが、例えば0〜50℃、好ま
しくは15〜40℃程度である。混合時間は攪拌速度等
により異なるが、例えば1分〜1時間程度である。
【0048】前記混合は、強制攪拌下に行うこともでき
る。水酸化マグネシウム、水および高分子界面活性剤を
強制攪拌下に混合すると、得られた水酸化マグネシウム
水懸濁液を長期間保存して、固形分と水とが分離して
も、再攪拌により容易に再分散させることができる。し
かも、前記懸濁液は、高濃度であっても粘度が低いとい
う特性を保持している。
【0049】一般に、水酸化マグネシウム水懸濁液を長
期間保存すると、水酸化マグネシウムが沈降して圧縮一
体化し、ケーキ(固形分)が形成される。このケーキ
は、通常、硬質であり、攪拌しても容易に再分散しない
場合が多い。しかし、高分子界面活性剤を含む水酸化マ
グネシウム水懸濁液を、強制攪拌すると、粘度の上昇を
抑制しつつ、硬質ケーキの生成を抑制でき、長期間保存
しても容易に再分散が可能である。
【0050】これは、以下のような理由によるものと考
えられる。すなわち、通常、水酸化マグネシウム懸濁液
に、機械的攪拌などにより剪断力を作用させると、水酸
化マグネシウム粒子の摩砕や、主たる水酸化マグネシウ
ム粒子に凝集付着した微粒子の解離などにより、例えば
1μm以下の微粒子の量が増加する。そのため、系の粘
度が著しく上昇する。しかし、高分子界面活性剤を含有
する水酸化マグネシウム水懸濁液を、例えばホモジナイ
ザーなどで強制攪拌した後、顕微鏡で観察すると、1μ
m以下の微粒子がさほど増加していなかったり、減少す
る場合もある。したがって、このような高分子界面活性
剤の存在する系では、例えば1μm以下の微粒子が強制
攪拌により生成しても、高分子界面活性剤により二次凝
集し、その結果、系の高粘度化が抑制されるものと推測
される。
【0051】前記強制攪拌は、種々の混合撹拌機、例え
ば、撹拌羽根を有する撹拌機の回転数を増大させたり、
ホモジナイザーやスーパーミキサーなどの強い剪断力を
作用させる撹拌機などを使用することにより行うことが
できる。
【0052】強制攪拌する際の周速度は、例えば、30
0m/分以上、好ましくは350〜5000m/分程度
である。攪拌時間は周速度によって適宜選択でき、例え
ば、周速度400m/分では、通常1時間以上、好まし
くは2〜20時間程度、周速度1000m/分では、通
常3分以上、好ましくは5分〜1時間程度である。
【0053】本発明の方法の好ましい態様では、水酸化
マグネシウムの水懸濁液に、剪断力を作用させながら高
分子界面活性剤を添加する。この場合、周速度300m
/分以上、とりわけ350〜5000m/分程度で強制
攪拌するのが好ましい。
【0054】本発明の水酸化マグネシウム水懸濁液は、
また、高分子界面活性剤を、水酸化マグネシウムの製造
工程において、添加することにより得ることもできる。
例えば、前記水酸化マグネシウム水懸濁液は、高分子界
面活性剤を含む水性媒体の存在下、マグネシアを水和す
ることによって製造できる。高分子界面活性剤としては
前記の高分子界面活性剤を使用できる。使用する高分子
界面活性剤の分子量は、好ましくは1×103 以上(例
えば1×103 〜1×106 )、さらに好ましくは1×
103 〜1×105 、特に好ましくは2×103 〜1×
105 程度である。水性媒体としては、水が用いられる
場合が多い。
【0055】前記マグネシアとしては、特に限定され
ず、天然産マグネサイト(ペリクレース)、リョウクド
石(炭酸マグネシウム鉱)、海水マグネシア等の何れを
原料として得られたマグネシアであってもよく、また、
軽焼マグネシア、硬焼マグネシアの何れであってもよ
い。使用するマグネシアの大きさは、広い範囲で選択で
き、例えば、最大粒径1000μm以下、平均粒径0.
1〜300μm、好ましくは2〜100μm程度のもの
が使用できる。マグネシアは、無定形のものでもよく、
また球状のクラスター、板状、柱状の結晶等の何れであ
ってもよい。
【0056】水和反応は、慣用の方法に準じて、例え
ば、高分子界面活性剤と水性媒体とマグネシアとを含む
スラリーを混合することにより行うことができる。
【0057】マグネシアの水和反応は、マグネシアを湿
式粉砕しながら行うこともできる。マグネシアを湿式粉
砕しながら水和すると、作業環境を汚染することなく、
効率的に水酸化マグネシウム水懸濁液を得ることができ
る。また、表面積の増加により、ヒドロ化率が向上す
る。湿式粉砕では、一般に、細粒化のため、得られる水
酸化マグネシウムスラリーの粘度が上昇しやすいが、高
分子界面活性剤の存在下に湿式粉砕することにより、高
濃度であっても低粘度の水酸化マグネシウムスラリーを
得ることができる。なお、マグネシアが残存していて
も、高分子界面活性剤により低粘度のスラリーが得られ
る。
【0058】湿式粉砕によりマグネシアを水和する場
合、マグネシアとして、最大粒径10mm以下、平均粒
径100μm〜3mm程度の粗粉砕物を使用できる。湿
式粉砕手段は、水性媒体中で軽焼マグネシアを連続的に
粉砕できるサンドミル、アトライタなどの種々の機器が
使用できる。さらに、湿式粉砕機は、軽焼マグネシアを
連続的に粉砕する連続粉砕機に限らず、ボールミル、ニ
ーダなどのバッチ式粉砕機であってもよい。連続的に湿
式粉砕できる好ましい湿式粉砕手段の具体例としては、
クボタタワーミル(クボタ(株)製)などが挙げられ
る。前記高分子界面活性剤の添加時期は、湿式粉砕の
前、粉砕中の何れであってもよい。
【0059】マグネシアの水和反応において、用いる高
分子界面活性剤の量は、マグネシアに対して、例えば、
0.003〜4.5重量%、好ましくは0.015〜
1.5重量%、さらに好ましくは0.03〜0.75重
量%程度ある。高分子界面活性剤の量が、マグネシアに
対して、0.003重量%未満では、低粘化効果が少な
く、4.5重量%を越えると、逆に粘度が上昇する場合
がある。
【0060】反応は、通常、触媒の存在下で行われる。
前記触媒としては、慣用の触媒、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物等
の塩基触媒;硫酸などの酸触媒;硫酸アルミニウムなど
の塩触媒等が使用できる。上記の触媒は一種または二種
以上混合して用いることができる。
【0061】触媒の使用量は、触媒の種類によって異な
るが、マグネシアに対して、通常0.01〜8重量%、
好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.2
〜3重量%程度である。
【0062】反応温度は、例えば70℃以上、好ましく
は85〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃程
度である。
【0063】こうして得られる水酸化マグネシウム水懸
濁液の濃度は、前記水酸化マグネシウム、水および高分
子界面活性剤の混合時、またはマグネシアの水和反応時
に、水やマグネシア等の量を調整することによりコント
ロールしてもよく、また、希釈や濃縮によりコントロー
ルしてもよい。希釈は、高濃度の水酸化マグネシウム水
懸濁液に、水または、より低濃度の水酸化マグネシウム
水懸濁液を添加することにより行うことができる。ま
た、水酸化マグネシウム水懸濁液は、必要に応じて、デ
カンテーション、濾過、遠心分離などの操作を施しても
よい。
【0064】
【発明の効果】本発明の水酸化マグネシウム水懸濁液
は、高分子界面活性剤を含むので、高濃度であっても粘
度が低い。また、分散安定性および保存安定性が高く、
沈澱物のケーキが生成したとしても再分散が容易であ
る。
【0065】本発明の方法によれば、前記のような優れ
た特性を有する水酸化マグネシウム水懸濁液を、高い生
産効率で簡易に製造できる。
【0066】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。なお、実施例における粘度は、25℃にお
ける値を示す。また、特に明示のないかぎり、含有量を
示す%は重量%を表す。また、離水率とは、懸濁液を円
筒状の容器に所定の高さまで入れ、一定時間放置して水
層と固形層とが分離した場合、全体の高さに対する水層
の高さの割合(%)をいう。さらに、1%粘度とは、各
高分子界面活性剤の1%水溶液の粘度をいう。
【0067】実施例1〜35 軽焼マグネシア(ソブエクレー社製)150g、水42
4g、および水酸化ナトリウム1.5gをオートクレー
ブに仕込み、105℃で2時間強く攪拌して、水酸化マ
グネシウムのスラリーを得た。そして、水の除去または
水の添加により、以下に示すa〜fの6種類の水酸化マ
グネシウム懸濁液(スラリー)を調製した。また、温度
98℃で2.5時間弱く攪拌して反応させた以外は、上
記a〜fと同様の操作を行い、水酸化マグネシウム懸濁
液gを調製した。
【0068】 a:固形分49.5%、粘度2480cps b:固形分60.4%、粘度3200cps c:固形分53.8%、粘度2080cps d:固形分55.3%、粘度2320cps e:固形分57.2%、粘度3160cps f:固形分53.0%、粘度2440cps g:固形分47.0%、粘度1160cps 上記の水酸化マグネシウムスラリーに、下記A〜Uの高
分子界面活性剤の一種または二種を所定量添加し、室温
で10分間攪拌混合し、一夜放置した後、スラリーの粘
度を測定した。また、前記高分子界面活性剤を添加、混
合後、室温で6日間放置した時の離水率(%)および生
成したケーキ(固形物)の硬度を評価した。硬度は、ス
パチュラ(長さ30mm、幅6mm、厚さ1mm)の先
端でケーキの表面をスパチュラの幅方向および厚み方向
に掻きとった時の抵抗感に基づき、次の4段階で評価し
た。
【0069】◎:抵抗感なし ○:スパチュラの幅方向または厚み方向の何れか一方の
方向に掻きとった場合に、抵抗感がある △:スパチュラの幅方向および厚み方向の何れの方向に
掻きとった場合にも抵抗感がある ×:ケーキにスパチュラが刺さりにくい なお、前記それぞれの硬度を有するケーキが生成したス
ラリーを、振盪により再分散させて、ケーキの硬度とス
ラリーの再分散性との関係を調べたところ、以下のよう
な結果が得られた。
【0070】 ◎:再分散性 秀(数回の振盪で再分散可能) ○:再分散性 優(数十回の振盪で再分散可能) △:再分散性 良(百回程度の振盪で再分散可能) ×:再分散性 不良(再分散させるためには数百回以上
の振盪が必要) [高分子界面活性剤] A:特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤[デモール
EP(主成分:ポリアクリル酸塩)、花王(株)製、含
量25%、酸価:209mgKOH/g(純分基準、遊
離酸とした後の酸価)、1%粘度:3cps] B:高分子型陰イオン[ポリスターSM−1050(合
成高分子カルボン酸系)、日本油脂(株)製、含量42
%、酸価:385mgKOH/g(純分基準、遊離酸と
した後の酸価)、1%粘度:3cps] C:カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C<1120>、ダイセル化学工業(株)製、含量10
0%、1%粘度:20cps] D:カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C<1130>、ダイセル化学工業(株)製、含量10
0%、1%粘度:15cps] E:カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C<1220>、ダイセル化学工業(株)製、含量10
0%、1%粘度:11cps] F:カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C<1240>、ダイセル化学工業(株)製、含量10
0%、1%粘度:21cps] G:カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C B粉、ダイセル化学工業(株)製、含量100%、
1%粘度:65cps] H:カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C<Y−400>、ダイセル化学工業(株)製、含量1
00%、1%粘度:140cps] I:精製アルギン酸ソーダ[富士化学工業(株)製、含
量100%、1%粘度:106cps] J:アルギン酸ソーダ[和光純薬製、含量100%、1
%粘度:110cps] K:粗アルギン酸ソーダ[富士化学工業(株)製、含量
100%、1%粘度: 12cps] L:ブチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー
・低粘品[ダイセル化学工業(株)製、含量100%、
1%粘度:4cps] M:スチレン−マレイン酸コポリマー[荒川化学(株)
製、含量100%、1%粘度:3cps] N:ポリアクリル酸ナトリウム[含量42%、1%粘
度:3cps] O:メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物[ポゾリスN
P−20、日曹マスタービルダース(株)製、含量26
%、1%粘度:2cpsポイズ] P:メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物とポリオール
との混合物[ポゾリスNP−20R、日曹マスタービル
ダーズ(株)製、含量26%、1%粘度:2cps] Q:リグニンスルホン酸とポリオールの混合物[ポゾリ
スNo.70、日曹マスタービルダーズ(株)製、含量
43%、1%粘度:2cps] R:トリアジンスルホン酸ホルマリン高縮合物[レオビ
ルドNL−4000、 日曹マスタービルダーズ
(株)製、含量23%、1%粘度:2cps] S:
トリアジンスルホン酸ホルマリン高縮合物[レオビルド
UC−150、 日曹マスタービルダーズ(株)
製、含量22%、1%粘度:2cps] T:メラミ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物[マイティー150U−
2、花王 (株)製、含量35%、1%粘度:2
cps] U:オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマ
ー[花王(株)製、含量79%、1%粘度:3cps、
分子量:2000] 結果を表1〜2に示す。なお、表中、高分子界面活性剤
の添加量は、スラリー中の水酸化マグネシウムに対する
重量%(純分換算)を示す。また、粘度比は、高分子界
面活性剤無添加のスラリーの粘度に対する、高分子界面
活性剤添加後のスラリーの粘度の比率(%)を示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】 実施例36 軽焼マグネシア(ソブエクレー社製)250g、水47
0gおよび水酸化ナトリウム2.5gをオートクレーブ
に仕込み、室温で1時間、次いで103℃で3時間攪拌
した。得られた水酸化マグネシウムスラリーの濃度は4
7.9%、ヒドロ化率は90.2%であった。また、ス
ラリーの粘度は800cpsであった。
【0073】得られた水酸化マグネシウムスラリーに、
カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CMC<
1220>、ダイセル化学工業(株)製、含量100
%、1%粘度:11cps]を、生成した水酸化マグネ
シウムに対して0.08%添加して混合した。その結
果、スラリー粘度は25cpsまで低下した。また、前
記CMCを添加した水酸化マグネシウムスラリーを、6
日間室温で放置したところ、スラリーが水層とケーキ
(固形物)とに分離した。離水率は27%であった。し
かし、生成したケーキは極めて柔らかく、攪拌により容
易に再分散させることができた。
【0074】実施例37 軽焼マグネシア、水、水酸化ナトリウムに加えて、カル
ボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CMC<12
20>、ダイセル化学工業(株)製、含量100%、1
%粘度:11cps]0.51gをオートクレーブに仕
込んだ以外は実施例36と同様にして反応を行った。そ
の結果、得られた水酸化マグネシウムスラリーの濃度は
47.1%、ヒドロ化率は90.9%であった。また、
スラリーの粘度は65cpsと極めて低い値を示した。
【0075】また、この水酸化マグネシウムスラリー
を、6日間室温で放置したところ、スラリーが水層とケ
ーキとに分離した。離水率は20%であった。しかし、
生成したケーキは極めて柔らかく、攪拌により容易に再
分散させることができた。
【0076】実施例38 重質マグネシア(高純度化学研究所製、純度:99.9
9%)100g、水380gおよび水酸化ナトリウム
1.0gをオートクレーブに仕込み、103℃で2時間
攪拌した。得られた水酸化マグネシウムスラリーの濃度
は30.5%、ヒドロ化率は97.4%であった。ま
た、スラリーの粘度は9000cpsであった。
【0077】得られた水酸化マグネシウムスラリーに、
カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CMC<
1220>、ダイセル化学工業(株)製、含量100
%、1%粘度:11cps]を、生成した水酸化マグネ
シウムに対して0.50%添加して混合した。その結
果、スラリー粘度は60cpsまで低下した。また、前
記CMCを添加した水酸化マグネシウムスラリーを、6
日間室温で放置したところ、スラリーが水層とケーキ
(固形物)とに分離した。離水率は3%であった。しか
し、生成したケーキは極めて柔らかく、攪拌により容易
に再分散させることができた。
【0078】実施例39 重質マグネシア、水、水酸化ナトリウムに加えて、カル
ボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CMC<12
20>、ダイセル化学工業(株)製、含量100%、1
%粘度:11cps]0.50gをオートクレーブに仕
込んだ以外は実施例38と同様にして反応を行った。そ
の結果、得られた水酸化マグネシウムスラリーの濃度は
30.9%、ヒドロ化率は97.4%であった。また、
スラリーの粘度は330cpsと極めて低い値を示し
た。
【0079】また、この水酸化マグネシウムスラリー
を、6日間室温で放置したところ、スラリーが水層とケ
ーキとに分離した。離水率は3%であった。しかし、生
成したケーキは極めて柔らかく、攪拌により容易に再分
散させることができた。
【0080】実施例40 軽焼マグネシア(ソブエクレー社製)300g、水56
5.2gおよび水酸化ナトリウム3gをオートクレーブ
に仕込み、103℃で2時間攪拌した。得られた水酸化
マグネシウムスラリーの濃度は46.2%、ヒドロ化率
は86%であった。また、スラリー粘度は1320cp
sであった。
【0081】得られた水酸化マグネシウムスラリーに、
ブチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー[V
EMA A101、ダイセル化学工業(株)製、含量1
00%、1%粘度:4cps]を、生成した水酸化マグ
ネシウムに対して0.07%添加して混合した。その結
果、スラリー粘度は70cpsまで低下した。
【0082】実施例41 実施例40と同様の反応を行って得られた水酸化マグネ
シウムスラリー(スラリー粘度:1320cps)に、
スチレン−マレイン酸コポリマー[商品名:アラスタ
ー、荒川化学(株)製、含量100%、1%粘度:3c
ps]を、生成した水酸化マグネシウムに対して0.0
7%添加して混合した。その結果、スラリー粘度は34
0cpsまで低下した。
【0083】実施例42 軽焼マグネシア(ソブエクレー社製)175g、水32
9g、水酸化ナトリウム1.75gおよびブチルビニル
エーテル−無水マレイン酸コポリマー[VEMA A1
01、ダイセル化学工業(株)製、含量100%、1%
粘度:4cps]0.36gをオートクレーブに仕込
み、室温で1時間、103℃で2時間攪拌した。得られ
た水酸化マグネシウムスラリーの濃度は46.9%、ヒ
ドロ化率は82.1%であった。また、スラリー粘度は
110cpsと極めて低い値を示した。
【0084】実施例43 軽焼マグネシア(ソブエクレー社製)250g、水35
0g、水酸化ナトリウム2.5gおよびブチルビニルエ
ーテル−無水マレイン酸コポリマー[VEMAA10
1、ダイセル化学工業(株)製、含量100%、1%粘
度:4cps]0.37gをオートクレーブに仕込み、
室温で1時間、103℃で2時間攪拌した。得られた水
酸化マグネシウムスラリーの濃度は56.0%、ヒドロ
化率は81.2%であった。また、スラリー粘度は76
0cpsと低い値を示した。
【0085】比較例1 ブチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーを用
いなかった以外は、実施例43と同様にして反応を行っ
たところ、得られた水酸化マグネシウムスラリーの濃度
は56.0%、ヒドロ化率は82.3%であった。ま
た、スラリー粘度は3460cpsと高い値を示した。
【0086】実施例44 重質マグネシア(高純度化学研究所製、純度:99%)
100g、水380gおよび水酸化ナトリウム1.0g
をオートクレーブに仕込み、103℃で2時間攪拌し
た。得られた水酸化マグネシウムスラリーの濃度は3
0.7%、ヒドロ化率は97.2%であった。また、ス
ラリー粘度は8000cpsであった。
【0087】得られた水酸化マグネシウムスラリーに、
ブチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー[V
EMA A101、ダイセル化学工業(株)製、含量1
00%、1%粘度:4cps]を、生成した水酸化マグ
ネシウムに対して0.69%添加して混合した。その結
果、スラリー粘度は40cpsまで低下した。
【0088】また、この水酸化マグネシウムスラリー
を、6日間室温で放置したところ、スラリーが水層とケ
ーキとに分離した。離水率は4%であった。しかし、生
成したケーキは極めて柔らかく、攪拌により容易に再分
散させることができた。
【0089】実施例45 重質マグネシア(高純度化学研究所製、純度:99%)
100g、水380g、水酸化ナトリウム1.0gおよ
びブチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー
[VEMA A101、ダイセル化学工業(株)製、含
量100%、1%粘度:4cps]0.70gをオート
クレーブに仕込み、室温で1時間、103℃で2時間攪
拌した。得られた水酸化マグネシウムスラリーの濃度は
30.4%、ヒドロ化率は97.1%であった。また、
スラリー粘度は40cpsと極めて低い値を示した。
【0090】また、この水酸化マグネシウムスラリー
を、6日間室温で放置したところ、スラリーが水層とケ
ーキとに分離した。離水率は4%であった。しかし、生
成したケーキは極めて柔らかく、攪拌により容易に再分
散させることができた。
【0091】実施例46 以下のようにして、平均粒径の異なる2種の水酸化マグ
ネシウムを混合した。すなわち、平均粒径45.2μ
m、粒径1μm以下の粒子2.2体積%、最大粒径10
7μmの粒子を含む水酸化マグネシウムスラリー(水酸
化マグネシウム濃度74.0%、ヒドロ化率92.0
%)90.2gと、平均粒径0.5μmの高純度水酸化
マグネシウム粉末(純度100%、ヒドロ化率100
%)13.4gとを乳鉢中で混和した。得られた水酸化
マグネシウム(濃度77.9%)はパサパサした固体状
であって、その粘度は100000cps以上であっ
た。
【0092】これに、水8.5gを添加したところ、い
まだスラリーとはならず、湿ったケーキ状の水酸化マグ
ネシウムが得られた(濃度:71.5%、粘度:100
000cps以上)。このケーキ状水酸化マグネシウム
に、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C<1220>、ダイセル化学工業(株)製、含量10
0%、1%粘度:11cps]7.4g(水酸化マグネ
シウムに対して8.8重量%)を添加して混合した。適
宜混合を繰り返しながら2日間かけて均質化した。得ら
れたスラリーの粘度は、高濃度であるにも拘らず、24
00cpsと低い値を示した。
【0093】実施例47 軽焼マグネシア(ソブエクレー社製)225g、水63
5.6gおよび水酸化ナトリウム2.55gをオートク
レーブに仕込み、103℃で2時間攪拌し、水酸化マグ
ネシウム濃度35.1%、ヒドロ化率85.9%、スラ
リー粘度75cpsの水酸化マグネシウムスラリー(以
下、スラリーS1 という)を得た。
【0094】上記のスラリーS1 250gに、カルボ
キシメチルセルロース・ナトリウム塩[CMC<122
0>、ダイセル化学工業(株)製、含量100%、1%
粘度:11cps]を0.2g添加し、室温で10分間
攪拌混合した。一夜放置後、得られた水酸化マグネシウ
ムスラリー(以下、スラリーS2 という)のスラリー粘
度は12.5cpsであった。
【0095】一方、上記と同様のマグネシア225g、
水635.6、水酸化ナトリウム2.55gおよびカル
ボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CMC<12
20>、ダイセル化学工業(株)製、含量100%、1
%粘度:11cps]0.67gをオートクレーブに仕
込み、103℃で2時間攪拌した。得られた水酸化マグ
ネシウムスラリー(以下、スラリーS3 という)の濃度
は34.7%、ヒドロ化率は83.6%、スラリー粘度
は12.5センチポイズであった。
【0096】上記で得られた各スラリーS1 〜S3 の一
部をホモジナイザー[エースホモジナイザー;日本精機
(株)製;回転翼直径:37mm]で処理した(回転
数:10000rpm;周速:1160m/分;処理時
間:5分、10分)。ホモジナイザー処理前、処理後の
スラリーの粘度、粒径[粒径1μm以下の粒子の全体に
対する割合(体積%)、P50(平均粒径:μm)、最大
粒径(μm)]、およびそれらのスラリーを室温で6日
間放置した時の離水率(%)および生成したケーキ(固
形物)の硬度を評価した。なお、粒径は、粒度分布測定
器SALD[(株)島津製作所製]で測定した。また、
生成したケーキの硬度の測定方法および評価方法は前記
と同様である。結果を表3〜5に示す。
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】 上記の結果から明らかなように、CMC無添加の水酸化
マグネシウムスラリー(スラリーS1 )では、ホモジナ
イザー処理により、スラリー粘度が著しく上昇した。こ
れに対し、CMCを添加した水酸化マグネシウムスラリ
ー(スラリーS2 、スラリーS3 )では、ホモジナイザ
ー処理により、スラリー粘度の上昇を抑制しつつ、生成
するケーキの硬質化を抑制できた。また、CMCを添加
した水酸化マグネシウムスラリーでは、ホモジナイザー
処理しても、粒径1μm以下の微粒子がほとんど生成し
なかった。
【0100】実施例48 粗粉砕の軽焼マグネシア(ソブエクレー社製、平均粒径
250μm、最大粒径2000μm)120g、水22
5.6gおよび水酸化ナトリウム1.2gを、アルミナ
ボール(直径10〜20mm)300gと共に、0.5
Lの磁製ポットに仕込み、このポットを110rpmで
回転させ、8時間湿式粉砕処理した後、一夜放置した。
得られた水酸化マグネシウムスラリーのスラリー濃度は
42.6%、ヒドロ化率は45.2%、粘度は640c
psであった。また、粒径1μm以下の粒子の全体に対
する割合は0.34体積%、平均粒径は10.7μm、
最大粒径は40μmであった。
【0101】このスラリーに、カルボキシメチルセルロ
ース・ナトリウム塩[CMC<1220>、ダイセル化
学工業(株)製、含量100%、1%粘度:11cp
s]を0.48g添加し、室温で10分間攪拌混合し
た。一夜放置後、得られた水酸化マグネシウムスラリー
のスラリー粘度は30cpsであった。また、粒径1μ
m以下の粒子の全体に対する割合は0.33体積%、平
均粒径は6.8μm、最大粒径は39μmであった。
【0102】なお、前記粗粉砕の軽焼マグネシア120
g、水225.6gおよび水酸化ナトリウム1.2g
を、オートクレーブに仕込み、室温で8時間攪拌して静
置した場合には、固形分が直ちに沈降し、均質なスラリ
ーは得られなかった。なお、濃度は41.0%、ヒドロ
化率は25.3%であった。
【0103】上記結果から明らかなように、粒径の比較
的大きいマグネシアを水和反応の原料として用いた場
合、湿式粉砕するとにより、ヒドロ化率は向上するもの
の、粒径が小さくなり、水酸化マグネシウムスラリーの
粘度は上昇する。しかし、このスラリーに、CMCを添
加することにより、スラリー粘度が大幅に低下した。
【0104】実施例49 粗粉砕の軽焼マグネシア、水、水酸化ナトリウムに加え
て、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩[CM
C<1220>、ダイセル化学工業(株)製、含量10
0%、1%粘度:11cps]0.48gを磁製ポット
に仕込んだ以外は実施例48と同様にして湿式粉砕処理
し、一夜放置した。得られた水酸化マグネシウムスラリ
ーのスラリー濃度は41.9%、ヒドロ化率は47.6
%、粘度は45cpsと低い値を示した。また、粒径1
μm以下の粒子の全体に対する割合は0.26体積%、
平均粒径は9.7μm、最大粒径は42μmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−61090(JP,A) 特開 昭55−167125(JP,A) 特開 平5−208810(JP,A) 特開 平1−290508(JP,A) 特開 平1−228528(JP,A) 特開 平6−115930(JP,A) 特開 平6−191832(JP,A) 特開 平7−172822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 5/14 - 5/22

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化マグネシウム、水および高分子界
    面活性剤(ただし、分子内にカルボキシル基0.5〜1
    5モル%とスルホン酸基0.5〜15モル%とを合わせ
    持つポリビニルアルコール系共重合体を除く)を含む水
    酸化マグネシウム水懸濁液であって、前記高分子界面活
    性剤の分子量が1×103以上であり、前記高分子界面
    活性剤が、陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性
    剤から選択された少なくとも一種であり、前記陰イオン
    界面活性剤が、天然または半合成高分子カルボン酸であ
    るカルボン酸型陰イオン界面活性剤、あるいはスルホン
    酸型陰イオン界面活性剤であり、前記天然または半合成
    高分子カルボン酸が、アルギン酸、カルボキシメチルセ
    ルロース、ヒドロキシカルボキシメチルセルロース、カ
    ルボキシメチル化澱粉、アラビアゴム、トラガントゴ
    ム、ペクチン、またはヒアルロン酸であり、前記スルホ
    ン酸型陰イオン界面活性剤が、メラミンスルホン酸ホル
    マリン縮合物、トリアジンスルホン酸ホルマリン縮合
    物、ポリエチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸
    またはリグニンスルホン酸である水酸化マグネシウム水
    懸濁液。
  2. 【請求項2】 高分子界面活性剤を水酸化マグネシウム
    に対して0.002〜10重量%含む請求項1記載の水
    酸化マグネシウム水懸濁液。
  3. 【請求項3】 非イオン界面活性剤がポリオキシアルキ
    レンブロックコポリマーである請求項1記載の水酸化マ
    グネシウム水懸濁液。
  4. 【請求項4】 (1)カルボン酸型陰イオン界面活性剤
    と、(2)スルホン酸型陰イオン界面活性剤とを含む請求
    項1記載の水酸化マグネシウム水懸濁液。
  5. 【請求項5】 (1)カルボン酸型陰イオン界面活性剤と
    (2)スルホン酸型陰イオン界面活性剤との含量比が、(1)
    /(2)=0.1〜20(重量比)である請求項4記載の
    水酸化マグネシウム水懸濁液。
  6. 【請求項6】 粒度分布から算出される粒径1μm以下
    の水酸化マグネシウム粒子が全体の2.5体積%以下で
    ある請求項1記載の水酸化マグネシウム水懸濁液。
  7. 【請求項7】 水酸化マグネシウムを30〜75重量
    %、高分子界面活性剤を水酸化マグネシウムに対して
    0.002〜10重量%含む請求項1記載の水酸化マグ
    ネシウム水懸濁液。
  8. 【請求項8】 25℃におけるスラリー粘度が10〜2
    500cpsである請求項7記載の水酸化マグネシウム
    水懸濁液。
  9. 【請求項9】 水酸化マグネシウム、水および高分子界
    面活性剤(ただし、分子内にカルボキシル基0.5〜1
    5モル%とスルホン酸基0.5〜15モル%とを合わせ
    持つポリビニルアルコール系共重合体を除く)を混合
    、水酸化マグネシウム水懸濁液を製造する方法であっ
    て、前記高分子界面活性剤の分子量が1×10 3 以上で
    あり、前記高分子界面活性剤が、陰イオン界面活性剤お
    よび非イオン界面活性剤から選択された少なくとも一種
    であり、前記陰イオン界面活性剤が、天然または半合成
    高分子カルボン酸であるカルボン酸型陰イオン界面活性
    剤、あるいはスルホン酸型陰イオン界面活性剤であり、
    前記天然または半合成高分子カルボン酸が、アルギン
    酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシカルボキ
    シメチルセルロース、カルボキシメチル化澱粉、アラビ
    アゴム、トラガントゴム、ペクチン、またはヒアルロン
    酸であり、前記スルホン酸型陰イオン界面活性剤が、メ
    ラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、トリアジンスルホ
    ン酸ホルマリン縮合物、ポリエチレンスルホン酸、ポリ
    スチレンスルホン酸またはリグニンスルホン酸である水
    酸化マグネシウム水懸濁液の製造方法
  10. 【請求項10】 水酸化マグネシウムの水懸濁液に、剪
    断力を作用させながら高分子界面活性剤を添加する請求
    項9記載の水酸化マグネシウム水懸濁液の製造方法。
  11. 【請求項11】 周速度300m/分以上で強制攪拌す
    る請求項10記載の水酸化マグネシウム水懸濁液の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 高分子界面活性剤(ただし、分子内に
    カルボキシル基0.5〜15モル%とスルホン酸基0.
    5〜15モル%とを合わせ持つポリビニルアルコール系
    共重合体を除く)を含む水性媒体および塩基触媒の存在
    下、マグネシアを水和する水酸化マグネシウム水懸濁液
    の製造方法であって、前記高分子界面活性剤の分子量が
    1×10 3 以上で あり、前記高分子界面活性剤が、陰イ
    オン界面活性剤および非イオン界面活性剤から選択され
    た少なくとも一種であり、前記陰イオン界面活性剤が、
    天然または半合成高分子カルボン酸であるカルボン酸型
    陰イオン界面活性剤、あるいはスルホン酸型陰イオン界
    面活性剤であり、前記天然または半合成高分子カルボン
    酸が、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒド
    ロキシカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル
    化澱粉、アラビアゴム、トラガントゴム、ペクチン、ま
    たはヒアルロン酸であり、前記スルホン酸型陰イオン界
    面活性剤が、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ト
    リアジンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリエチレンス
    ルホン酸、ポリスチレンスルホン酸またはリグニンスル
    ホン酸である水酸化マグネシウム水懸濁液の製造方法
  13. 【請求項13】 塩基触媒がアルカリ金属水酸化物であ
    る請求項12記載の製造方法。
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