JP3491475B2 - コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法 - Google Patents

コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法

Info

Publication number
JP3491475B2
JP3491475B2 JP33066596A JP33066596A JP3491475B2 JP 3491475 B2 JP3491475 B2 JP 3491475B2 JP 33066596 A JP33066596 A JP 33066596A JP 33066596 A JP33066596 A JP 33066596A JP 3491475 B2 JP3491475 B2 JP 3491475B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
seasoning
taste
seafood
fructose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33066596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10165134A (ja
Inventor
素央 黒田
哲也 加藤
文彦 小田嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP33066596A priority Critical patent/JP3491475B2/ja
Publication of JPH10165134A publication Critical patent/JPH10165134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3491475B2 publication Critical patent/JP3491475B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類エキスにつ
いて、エキス中のクレアチン量の0.5〜50倍量(重
量)のフラクトース(果糖)を添加し、そのpHを6.
5〜8.5に調整しつつ、加熱操作を行うことを特徴と
する、コク味の付与された新規な魚介エキス調味料およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種料理のベースとして、畜肉エキス、
チキンエキス、魚介類エキス、野菜エキスなどの天然エ
キスが業務用として広く用いられている。これらの天然
エキスの機能は、食品に複雑な味と幅を与える、「あつ
み」および「こく」を与える、食品材料の味の不足を補
うなどとされている。
【0003】しかし、これらの天然エキスは高価であ
り、入手しがたいものであるため、一般的には、これら
天然エキスの一部を用いた加工品および代替品が製造・
市販され利用されている。また、かつお節、煮干、だし
昆布、シイタケなどの基本だし、およびこれらの天然材
料に食塩、砂糖、うま味調味料、アミノ酸などを配合し
た風味調味料も広く使われている。これら市販の天然エ
キスの加工品および代替品などは、その組成がグルタミ
ン酸ナトリウムを中心としたアミノ酸、核酸、有機酸な
どの低分子物質を主成分に構成されているために、やは
り天然のエキスと比較してみると、呈味が単純であり、
ぼけているという欠点を有している。
【0004】従来、このような欠点を補うためには、H
VP(植物蛋白加水分解物)、HAP(動物蛋白加水分
解物)、酵母エキス等を添加することにより、コク味、
複雑味を付与し、呈味の改善を計っているが、HVPお
よびHAPは、分解臭を有しているために、また、酵母
エキスは、酵母特有の風味を有しているため、自ずから
その使用量に制限が生じ、いわゆるモデルとした天然エ
キスとは明らかに呈味・風味が異なり満足できるもので
はなかった。特に、このような調味料は、ビーフブイヨ
ンや鰹節だし汁のような天然素材の持つ「あつみ」およ
び「こく」、天然感、複雑感に欠けるという欠点を有し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明は、飲食品にビーフブイヨンや鰹節だ
し汁などの天然素材の持つコク味を付与するための新規
な魚介エキス調味料素材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決につき鋭意工夫を重ねた結果、魚介類エキスについ
て、糖を添加しつつ中性〜アルカリ条件下(pH6以
上)で加熱を行うことにより、上記課題が解決できるこ
と、特に、エキス中のクレアチン量の0.5〜50倍量
(重量)のフラクトース(果糖)を添加し、そのpHを
6.5〜8.5、望ましくは6.5〜7.5に調整しつ
つ、加熱操作を行うことにより、コク味の付与された魚
介エキス調味料を製造しうることを見いだし、このよう
な知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】なお、本発明に言うコク味とは、ビーフブ
イヨンやかつお節だし汁などの天然素材の持つ呈味質で
あり、後味の伸びおよび深みを表現するものである。こ
のような呈味質は上記に示した、グルタミン酸ナトリウ
ムなどのアミノ酸類、イノシン酸ナトリウムやグアニル
酸ナトリウムなどの核酸関連化合物およびHVP、HA
Pや酵母エキスなどの調味料素材では再現できないもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、魚介類エキスについ
て、エキス中のクレアチン量の0.5〜50倍量のフラ
クトース(果糖)を添加し、そのpHを6以上、好まし
くは、6.5〜8.5に調整しつつ、加熱操作を行うこ
とにより、コク味の付与された魚介エキス調味料を製造
する。
【0009】本発明に用いる魚介類エキスは、市販のカ
ツオエキス、サバエキス、マグロエキス、イワシエキ
ス、グチエキス、ハモエキス、ヒラメエキスなどの魚類
のエキス、ホタテガイエキス、アサリエキス、シジミエ
キス、カキエキスなどの市販貝類エキスおよび加工食品
製造時に副生物として得られる、魚類、貝類の煮汁、蒸
煮液、クッカージュースおよびフィッシュソルブルなど
を示す。
【0010】本発明に用いる糖類は、フラクトース、お
よびフラクトースを構成成分として含む、糖蜜、異性化
糖、野菜エキス、果汁などの食品や調味料を使用するこ
とも可能である。
【0011】本発明のコク味の増強された魚介エキス調
味料は、例えば、以下に示す方法で得ることが可能であ
る。カツオエキスなどの魚介類エキスについて、エキス
中のクレアチン量の0.5〜50倍量(重量)のフラク
トース(果糖)を添加し、そのpHを6.5〜8.5、
より望ましくは6.5〜7.5に調整しつつ、加熱操作
を行う。このときの加熱条件は、80〜120゜Cで1
〜48時間行うことがのぞましい。また、pH調整は、
加熱中のpHが上記範囲になるように行う。この加熱操
作により、コク味の付与された魚介エキス調味料を製造
しうることが可能である。
【0012】加熱により製造した魚介エキス調味料は、
そのままで使用することも可能であるが、適宜、活性炭
やイオン交換樹脂による処理によって、着色物質や焦げ
臭などの原因となる香気成分を除去して使用することも
できる。また、得られた調味料素材は、素材として単品
使用される他、天然エキスまたはその代替物、古本だし
素材や風味調味料等に配合使用することができる。
【0013】このようにして得られた、コク味の付与さ
れた魚介エキス調味料は、日本料理のだし、たとえば、
かつお節、鶏肉、魚貝、こんぶ、牛肉、シイタケなどの
素汁や、西洋料理のスープストック、たとえば、牛肉、
鶏肉、豚肉、魚貝などの素汁、あるいは中華料理のタ
ン、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、ハム、貝柱、アワ
ビ、エビ、スルメ、シイタケ、ハクサイ、セロリなどの
素汁に添加することにより、これらにコク味を付与し、
その呈味機能を増強させることが判明した。また、前述
のごとく、上記の天然エキスの加工品および代替品、特
にアミノ酸混合物として比較的安価に利用できるHV
P、HAP、酵母エキスに添加したり、低品質の安価な
ビーフエキスに添加した場合にも、また基本だし素材ま
たは従来の風味調味料に添加しまたはこれと併用した場
合にも、味全体をまとめ、コク味を付与しまたはこれを
増強するとともに味の増強がみられ、これらを高品質な
ものに改良することができる。
【0014】
【実施例】以下に、コク味の付与された魚介エキス調味
料の製造方法とその添加効果を実施例をあげて説明す
る。 なお、本発明の技術的範囲はこれら実施例によっ
て制限されるものではない。
【0015】
【実施例1】市販サバエキス(固形分濃度62%、クレ
アチン濃度0.95%)1Lにフラクトースを20g添
加し、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7.0に調
整した。この溶液について、かくはんを行いつつ、95
゜C、6時間加熱を行った。なお、加熱に伴い、pHの
低下が見られるが、逐次、水酸化ナトリウム溶液を添加
して、溶液のpHが7.0になるように制御を行った。
【0016】このようにして得られた物質を市販めんつ
ゆに添加し、官能評価を実施した。配合比は次の通りと
した。すなわち、市販めんつゆ100mlに本発明の魚
介エキス調味料1gを添加した。
【0017】対照として、無添加のめんつゆを作成し、
二点比較法で味覚パネル20名による官能評価を実施し
た。 結果を下記表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【実施例2】市販カツオエキス(固形分濃度65%、ク
レアチン濃度1.02%)を固形分濃度30%に希釈し
た溶液2Lにフラクトース100g添加し、水酸化ナト
リウム溶液を用いてpHを7.2に調整した。この溶液
について、かくはんを行いつつ、95゜C、24時間加
熱を行った。なお、加熱に伴い、pHの低下が見られる
が、逐次、水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液のp
Hが7.0になるように制御を行った。このようにして
得られたエキスに活性炭50gを添加して、かくはん、
濾過を行い、カツオエキス調味料を得た。
【0020】このようにして得られた調味料を市販イン
スタント味噌汁に添加し、官能評価を実施した。 配合
比は次の通りとした。すなわち、市販インスタント味噌
汁(味の素(株)製)200mlに本発明の魚介エキス
調味料0.5gを添加した。
【0021】対照として、無添加の味噌汁を作成し、二
点比較法で味覚パネル20名による官能評価を実施し
た。 結果を下記表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上のように示した結果から、魚介類エ
キスについて、エキス中のクレアチン量の0.5〜50
倍量(重量)のフラクトース(果糖)を添加し、そのp
Hを6.5〜8.5に調整しつつ、加熱操作を行うこと
により、コク味の付与された新規な魚介エキス調味料を
製造することが可能であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/23 A23L 1/325 - 1/327 A23L 1/39

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚介類エキスについて、エキス中のクレア
    チン量の0.5〜50倍量(重量)フラクトース(果
    糖)を添加し、そのp H を6.5〜8.5に調整しつ
    つ、加熱操作を行うことを特徴とするコク味の付与され
    た新規な魚介エキス調味料素材の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の魚介エキス調味料素材が
    合されていることを特徴とする天然エキス加工品、天然
    エキス代替物、基本だし素材または風味調味料。
JP33066596A 1996-12-11 1996-12-11 コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法 Expired - Fee Related JP3491475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33066596A JP3491475B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33066596A JP3491475B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10165134A JPH10165134A (ja) 1998-06-23
JP3491475B2 true JP3491475B2 (ja) 2004-01-26

Family

ID=18235223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33066596A Expired - Fee Related JP3491475B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3491475B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007026871A1 (ja) * 2005-09-02 2007-03-08 Kagoshima University 魚醤油の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10165134A (ja) 1998-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5679397A (en) Taste enhancer
JPWO2008069173A1 (ja) 調味料の製造法
JP3509458B2 (ja) 新規なコク味調味料
CN106262576B (zh) 咸味增强剂
JP3525241B2 (ja) 新規なコク味調味料の製造方法
JP3491475B2 (ja) コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法
JPH0575372B2 (ja)
JP2002142715A (ja) 呈風味の改善された醤油または醤油様発酵調味料、及びそれを用いた食品
JP2830415B2 (ja) フレーバー組成物の製造法
JP3467901B2 (ja) こく味付与剤
US5843514A (en) Seasoning material
JP2000125804A (ja) コク味の付与された魚介エキス調味料の製造法
JP2001245626A (ja) コク味の付与された天然エキス調味料の製造方法
JP3493854B2 (ja) 新規なコク味調味料素材およびコク味調味料の製造方法
JP3496489B2 (ja) 調味料素材の製造法
JPH10165133A (ja) コク味の付与された魚介エキス調味料の製造方法
JP2000125805A (ja) コク味の付与された畜肉エキス調味料の製造法
JP2002142704A (ja) 呈風味の改善された味噌及び味噌配合食品
JP3371523B2 (ja) 新規なコク味調味料素材およびコク味調味料
JP4789098B2 (ja) 風味増強組成物
JPH05227911A (ja) 調味料組成物
JP3317041B2 (ja) 新規なコク味調味料素材
JPH0823916A (ja) 新規なコク味調味料素材およびコク味調味料
JP4345115B2 (ja) 新規調味料素材
JPH11146768A (ja) 調味料素材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091114

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091114

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101114

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101114

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees