JP3489626B2 - パッシブソーナー装置 - Google Patents

パッシブソーナー装置

Info

Publication number
JP3489626B2
JP3489626B2 JP2001067478A JP2001067478A JP3489626B2 JP 3489626 B2 JP3489626 B2 JP 3489626B2 JP 2001067478 A JP2001067478 A JP 2001067478A JP 2001067478 A JP2001067478 A JP 2001067478A JP 3489626 B2 JP3489626 B2 JP 3489626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
processing means
display
frequency
output signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001067478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002267730A (ja
Inventor
光二 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2001067478A priority Critical patent/JP3489626B2/ja
Publication of JP2002267730A publication Critical patent/JP2002267730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3489626B2 publication Critical patent/JP3489626B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッシブソーナー
技術に係わり、特にソノブイを用いた水中音響による目
標探知の際に、無指向性受波器、指向性受波器の信号を
入力し、指向性受波器を用いて合成された信号を周波数
分析し、表示するパッシブソーナー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無指向性(OMNIと呼ばれる)
の受波器、互いに直角方向の8の字特性を有する指向性
(NS、EW)の受波器を有し、前記指向性(NS、E
W)の受波器を用いて、その信号を合成して得られる無
指向性(SYNTHETICOMNI:シンセティック
OMNIと呼ばれる)の信号を周波数分析し、表示を行
うパッシブソーナー装置が提案されている。
【0003】図5は、従来のパッシブソーナー装置の一
例を示す図であり、(a)はそのブロック図、(b)は
周波数分析の概念図、(c)は表示部の表示内容の一例
を示す図である。また、図6は、OMNI、シンセティ
ックOMNIの特性を示す図であり、(a)、(b)は
各受波器の信号レベルの関係及び従来技術の問題点を示
す受波器と目標の位置関係と表示内容を示す図である。
また、図7は、各受波器の指向性パターン及び指向性合
成後のシンセティックOMNIの指向性パターンを示す
図である。
【0004】図5(a)に示すパッシブソーナー装置に
おいて、受波部10は、3種の受波器101、102及
び103からなり、水中の音波を受波して、電気信号で
ある音響信号を指向性合成部20へ出力する。指向性合
成部20は、受波器102及び103からの音響信号を
用い指向性合成を行い周波数分析部30へ出力する。周
波数分析部30は、入力された音響信号について周波数
分析を行い周波数分析結果を表示部50へ出力する。表
示部50は、入力された周波数分析結果の表示処理を行
い、グラムデータ(縦軸を時間、横軸を周波数とし、レ
ベルを濃淡として表す表示形式のデータ)として表示す
る。
【0005】次に、この従来のパッシブソーナー装置の
動作について説明する。受波部10では、受波器10
1、102及び103のそれぞれにおいて受波した水中
の音波を圧電素子(圧力変化を電気信号に変換する素
子)を用いて電気信号である音響信号に変換し、指向性
合成部20に供給する。
【0006】3種の受波器101、102及び103の
うち、受波器101は図7(a)に示すような無指向性
の指向性(OMNI)を有し、受波器102は図7
(b)上面図に示すように方位(角)θに対する受波レ
ベルがcosθで表される指向性(方位角θの指向性特
性がcosθとなるために、NS:北南と呼ばれる)を
有し、受波器103は図7(c)上面図に示すように同
様にsinθで表される指向性(方位角θの指向性特性
がsinθとなるために、EW:東西と呼ばれる)を有
する。
【0007】指向性合成部20では、受波器102及び
103の信号をそれぞれ二乗した後、加算し、その平方
根を求め周波数分析部30へ出力する。このときの水平
指向性は下記(1)式のように表され、指向性パターン
は図7(d)前面図に示すように、水平指向性が無指向
性となるシンセティックOMNIの指向性パターンとな
る。また、同図の側面図、前面図に示すように垂直指向
性の側面指向性及び前面指向性は、それぞれ受波器10
2及び103と変りなく、8の字の形の特性を有してい
る。
【0008】 √(cosθcosθ+sinθsinθ)= 1 (1)
【0009】指向性合成部20で合成された指向性によ
り得られた音響信号は、周波数分析部30に供給され、
周波数分析部30では、図5(b)に示すようにフーリ
エ変換により、時間領域のデータが周波数領域のデー
タ、即ちある時間における周波数に対する信号レベルの
データ(各周波数と対応する信号レベルのデータ:レベ
ルデータ、周波数毎のレベルデータともいう)に変換さ
れる。
【0010】周波数分析部30で変換されたレベルデー
タは周波数分析の結果として表示部50に供給され、表
示部50では、例えば図5(c)に示すように、縦軸が
時間、横軸が周波数でレベルを濃淡で表す表示形式デー
タに変換して表示される。
【0011】このように、従来装置では、指向性合成処
理により、水平方向に対する指向性利得を持たせ、水平
方向に存在する目標の信号のSN比を高め、目標探知の
改善を行っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術のパッシブソーナー装置においては、以下のような問
題点があった。
【0013】シンセティックOMNIの指向性で得られ
る信号を分析・表示する従来のパッシブソーナー装置で
は、目標の遠距離探知を目的とし、水平方向について指
向性利得を改善した結果、垂直方向の受波感度が低下す
るという問題点があった。具体的な事象により説明する
と、目標が水平方向に存在する時には目標探知が可能で
あっても、目標が受波部の下方または上方に移動した場
合には、目標が発する信号の受信レベルが低下し、目標
探知ができなくなるということである。
【0014】つまり、目標の多くは水平方向に存在する
こと、また、目標の遠距離探知を目的としていることか
ら、従来のパッシブソーナー装置においては、指向性を
持つ受波器を用い、垂直指向性が8の字の特性を有し、
水平指向性が無指向性となるシンセティックOMNIの
指向性を形成して水平方向の指向性利得を得ている。そ
の結果、図6(a)に示すように、俯角約35度以下で
は、シンセティックOMNIによる信号(以下、「シン
セティックOMNI信号」ともいう)がOMNIによる
信号(以下、「OMNI信号」ともいう)のレベルより
高く、俯角約35度以上では、シンセティックOMNI
信号がOMNI信号のレベルより低くなる事象が生じ
る。
【0015】例えば、図6(b)に示すようにt0時刻
の位置で探知できる目標が、t0時刻の位置からt3時
刻の位置に移動した場合、t0からt1時刻まではシン
セティックOMNI信号の方がOMNI信号よりレベル
が高いため、シンセティックOMNIはOMNIより目
標探知が安定し、t1からt2時刻まではシンセティッ
クOMNI信号の方がOMNI信号よりレベルが少し低
く、シンセティックOMNIはOMNIより目標探知が
不安定となる。また、t2からt3時刻まではシンセテ
ィックOMNI信号の方がOMNI信号よりレベルが極
めて低くなり、シンセティックOMNIでは目標探知が
できない状況が発生する。図6(b)はこのような状況
における表示部での表示例を示す図である。t0からt
2時刻のように目標表示が次第に薄くなり、t3時刻で
は表示が消滅している。
【0016】(発明の目的)本発明は斯かる問題点を鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、シ
ンセティックOMNIの水平方向の指向性利得を損なう
ことなく、目標の存在位置に関係しない、好適な表示に
より目標探知を行うパッシブソーナー装置を提供する点
にある。
【0017】本発明の他の目的は、表示データの選択
等、オペレータ操作を必要としないパッシブソーナー装
置を提供する点にある。
【0018】本発明の他の目的は、目標移動による目標
表示の欠落が発生しない、表示性能の高いパッシブソー
ナー装置を提供する点にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のパッシブソーナ
ー装置は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成を
有する。つまり、本発明のパッシブソーナー装置は、無
指向性受波器の出力信号及び互いに直角方向に8の字特
性の指向性を有する第1及び第2の指向性受波器の出力
信号を用いて、周波数分析を行って分析結果を表示する
パッシブソーナー装置であって、前記第1及び第2の指
向性受波器の出力信号を入力し、水平指向性が無指向性
であり垂直指向性が8の字特性の指向性(シンセティッ
クOMNI)を合成する指向性合成手段(例えば図1の
2)と、前記無指向性受波器の出力信号(OMNI信
号)の周波数分析を行って出力する第1の周波数分析手
段(例えば図1の31)と、前記指向性合成手段の出力
信号(シンセティックOMNI信号)の周波数分析を行
って出力する第2の周波数分析手段(例えば図1の3
2)と、前記第1及び第2の周波数分析手段の出力信号
を入力し、周波数別の信号レベルに基づき前記出力信号
を選択的に表示信号として合成する表示合成手段(例え
ば図1の4)と、前記表示信号を表示する表示手段(例
えば図1の4)と、を有することを特徴とする。
【0020】また、前記表示合成手段は、前記第1の周
波数分析手段の出力信号の時間的な変動を抑えるための
積分処理を行う第1の積分処理手段(例えば図1の4
1)と、前記第2の周波数分析手段の出力信号の時間的
な変動を抑えるための積分処理を行う第2の積分処理手
段(例えば図1の42)と、前記第1の積分処理手段の
出力信号をその雑音平均値により正規化する第1の雑音
平均処理手段(例えば図1の43)と、前記第2の積分
処理手段の出力信号をその雑音平均値により正規化する
第2の雑音平均処理手段(例えば図1の44)と、前記
第1及び第2の雑音平均処理手段の各出力信号を周波数
毎に比較し、信号レベルが大きい方を選択的に表示信号
として出力する信号選択処理手段(例えば図1の45)
と、を有することを特徴とする。
【0021】また、前記表示合成手段は、前記第1の周
波数分析手段の出力信号をその雑音平均値により正規化
する第1の雑音平均処理手段(例えば図1の46)と、
前記第2の周波数分析手段の出力信号をその雑音平均値
により正規化する第2の雑音平均処理手段(例えば図1
の47)と、前記第1の雑音平均処理手段の出力信号か
ら所定の閾値を越える信号を検出信号として出力する信
号検出処理手段(例えば図1の48)と、前記信号検出
処理手段の検出信号と前記第2の雑音平均処理手段の出
力信号との信号レベルとを前記検出信号の周波数毎に比
較し、前記信号検出処理手段の検出信号の信号レベルが
大きい場合にのみ前記第2の雑音平均処理手段の出力信
号に代えて当該検出信号を出力する信号入替処理手段
(例えば図1の49)と、を有することを特徴とし、更
に、前記第1の雑音平均処理手段の前段に、前記第1の
周波数分析手段の出力信号の時間的な変動を抑えるため
の積分処理を行う第1の積分処理手段と、前記第2の雑
音平均処理手段の前段に、前記第2の周波数分析手段の
出力信号の時間的な変動を抑えるための積分処理を行う
第1の積分処理手段と、を有することを特徴とする。
【0022】本発明のパッシブソーナー装置の他の構成
手段としては、無指向性受波器の信号及び2つの指向性
受波器の信号(「NS信号」、「EW信号」ともいう)
を入力し、周波数分析を行った結果の表示を行うパッシ
ブソーナー装置であって、前記指向性受波器の信号(N
S信号、EW信号)を用いシンセティックOMNIと呼
ばれる指向性を合成する指向性合成手段と、前記無指向
性受波器の信号(OMNI信号)と前記合成されたシン
セティックOMNIの信号(シンセティックOMNI信
号)とをそれぞれ周波数分析を実施する周波数分析手段
と、前記周波数分析された結果のレベルデータの関係に
より表示合成を行う表示合成手段と、前記表示合成され
た結果を表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0023】また、前記表示合成手段は、前記周波数分
析された結果の時間的な変動を抑える積分処理手段と、
前記積分処理された結果について雑音の平均値を計算し
雑音平均値にて正規化を行う雑音平均処理手段と、前記
雑音平均されたOMNI信号及びシンセティックOMN
I信号の結果を比較し、レベルが大きい方を出力する信
号選択処理手段とを設けたことを特徴とする。
【0024】また、前記表示合成手段は、前記周波数分
析された結果について雑音の平均値を計算し雑音平均値
にて正規化を行う雑音平均処理手段と、前記雑音平均さ
れたOMNI信号について閾値を越えるデータを出力す
る信号検出処理手段と前記検出された結果と前記雑音平
均されたシンセティックOMNI信号についてレベルを
比較し、OMNI信号のレベルが大きい場合にシンセテ
ィックOMNI信号のデータと入替を行う信号入替処理
手段とを設けたことを特徴とする。
【0025】(作用)目標が受波器に対し水平方向に存
在する場合には指向性合成手段により形成した水平指向
性が無指向性であり垂直指向性が8の字特性の指向性に
基づく信号について、目標が受波器に対し下方又は上方
に存在する場合には、無指向性受波器の指向性に基づく
信号について、それぞれの周波数分析結果が自動的にグ
ラムデータ等として表示されるように表示合成の信号処
理を行う。
【0026】前記表示合成では、各特性の指向性に基づ
く信号をそれぞれ積分処理により時間的な変動を抑えた
後、雑音平均値により正規化した信号とし、互いに周波
数毎に比較し、信号レベルが大きい方を選択的に表示信
号として出力する信号選択処理を行う。
【0027】又は、各特性の指向性に基づく信号を雑音
平均値により正規化した信号とし、指向性合成手段側の
正規化した信号に対し、無指向性受波器の指向性に基づ
く信号側の検出レベルを越える信号の信号レベルが大き
い場合に当該周波数の信号のみを前記指向性合成手段側
の信号に入れ替えて挿入し、表示信号として出力する信
号選択処理を行う。
【0028】つまり、本発明では、無指向性受波器の出
力であるOMNI信号についても周波数分析を行い、シ
ンセティックOMNI信号の周波数分析された結果との
レベルの比較により、表示合成を行っている。このた
め、通常、目標が受波部に対し水平方向に存在する場合
には、シンセティックOMNI信号のレベルが高くな
り、シンセティックOMNI信号が表示される。また、
目標が受波器に対し下方又は上方に存在する場合には、
シンセティックOMNI信号は受波感度が低下し、OM
NI信号のレベルが高くなり、OMNI信号が表示され
る。
【0029】また、本発明では、前記のような表示合成
処理を行い、1つの表示として行っているから、周波数
分析処理としてはOMNI信号とシンセティックOMN
I信号の2種について実施することになるものの、オペ
レータが表示する信号を選択する必要もなく、目標の存
在位置を意識する必要もない。
【0030】
【発明の実施の形態】(構成の説明)以下、本発明の実
施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1
は、本発明に係るパッシブソーナー装置の第1の実施の
形態の全体構成を示すブロック図である。
【0031】本実施の形態は、受波部1、指向性合成部
2、周波数分析部3、表示合成部4及び表示部5から構
成される。受波部1は無指向性(OMNI)の受波器1
1と、方位(角)θに対し指向性がcosθの特性(N
S)を有する受波器12と、同様に指向性がsinθの
特性(EW)を有する受波器13からなり、それぞれ水
中の音波を受波し、それを電気信号である音響信号に変
換して、指向性(NS、EW)を有する受波器12、1
3については指向性合成部2へNS信号及びEW信号を
出力し、無指向性(OMNI)の受波器11については
周波数分析部3へOMNI信号を出力する。
【0032】なお、本実施の形態では受波器1はソノブ
イとして海中に設置されており、得られた音響信号は無
線伝送され、指向性合成部2、周波数分析部3、表示合
成部4及び表示部5をそれぞれ搭載した例えば航空機が
これを受信して信号処理を行うシステムとして構成する
ことができる。
【0033】指向性合成部2は、受波器12及び13の
信号を入力し、それぞれを二乗し、加算した後、その平
方根を求めることにより、図7(d)に示すような水平
指向性が無指向性、垂直指向性が側面及び前面ともに8
の字特性の指向性パターンでなるシンセティック(SY
NTHETIC)OMNIの指向性合成を行い、シンセ
ティックOMNI信号を周波数分析部3へ出力する。
【0034】周波数分析部3は、周波数分析回路31、
32を有し、無指向性の受波器11から入力したOMN
I信号及び指向性合成部2から入力したシンセティック
OMNI信号の音響信号についてそれぞれ周波数分析を
行う。表示合成部4は、周波数分析されたOMNI信号
及びシンセティックOMNI信号について、周波数毎に
各データ間のレベルの関係に基づいて表示合成を行い表
示データを合成し、合成した結果を表示部5へ出力す
る。表示部5は、入力された周波数分析結果を表示処理
し、縦軸を時間、横軸を周波数とし、レベルを濃淡とし
て表す表示形式のグラムデータとして表示する。
【0035】(動作の説明)次に、本発明に係るパッシ
ブソーナー装置の第1の実施の形態の動作について図
2、図3及び図4を併せ参照して説明する。図2は、本
実施の形態の一構成である表示合成部に関する図であ
り、(a)は表示合成部の詳細処理ブロック図、(b)
は表示合成部の合成処理の概念図である。また、図3
は、本実施の形態による表示内容を示す図である。
【0036】目標が発した音波の信号は、水中を伝搬し
て受波部1内の受波器11、12及び13のそれぞれに
到達し、それぞれにおいて水中の音波が圧電素子(圧力
変化を電気信号に変換する素子)により電気信号の音響
信号であるそれぞれOMNI信号、NS信号及びEW信
号に変換される。受波器11、12及び13から取り出
された音響信号は、有指向性の受波器12、13からの
NS信号及びEW信号については指向性合成部2に供給
され、無指向性の受波器11からのOMNI信号につい
ては周波数分析部3に供給される。
【0037】指向性合成部2では、受波器12及び13
からのNS信号及びEW信号を2つの乗算器でそれぞれ
二乗し、二乗結果を加算器で加算し、加算された解の平
方根を合成の音響信号として求める。求められた合成の
音響信号はシンセティックOMNI信号として周波数分
析部3に供給される。
【0038】周波数分析部3では、入力した前記OMN
I信号及び前記シンセティックOMNI信号についてそ
れぞれフーリエ変換等により周波数分析を行う。つま
り、周波数分析回路31では受波器11から入力した前
記OMNI信号について、周波数分析回路32では指向
性合成部2から入力したシンセティックOMNI信号に
ついて、それぞれ時間領域のデータから周波数領域のデ
ータ、即ちある時間における周波数に対する信号レベル
でなるレベルデータ(各周波数と対応する信号レベル)
に変換する。
【0039】周波数分析されたレベルデータ(周波数分
析結果)は、それぞれ表示合成部4に供給される。表示
合成部4では、図2(a)に示すようにOMNI信号の
周波数分析結果とシンセティックOMNI信号の周波数
分析結果はそれぞれ積分処理回路41、42に入力され
る。積分処理回路41、42では、入力されたそれぞれ
の信号に対し、時間的な変動を小さくするため、区間平
均法や移動平均法を用いた積分処理を行う。前記積分処
理を行うことにより、前記周波数分析結果であるデータ
の各周波数毎の時間的な変化を小さくすることができ
る。また、海中雑音は一般的には白色雑音とされ周波数
特性はフラットであるから、時間的な変動が抑制される
とともに周波数毎の変動も抑制される。
【0040】積分処理を行った結果はそれぞれ雑音平均
処理回路43、44に出力される。雑音平均処理回路4
3、44では、積分処理後の周波数毎のレベルデータか
ら雑音平均値を求め、前記周波数毎のレベルデータを該
雑音平均値にて割り算し、その結果は信号選択処理回路
45に出力される。ここで、雑音平均処理回路43、4
4での処理により雑音平均値が1となるように正規化さ
れる。雑音平均値を1とすることで、後段の信号選択処
理回路45で行われるレベル比較が適正に行われる。つ
まり、シンセティックOMNI信号は、上方及び下方か
らの雑音の影響を受けないために、通常、OMNI信号
よりシンセティックOMNI信号のほうが雑音レベルが
低い。雑音平均処理により雑音平均値を1とし、OMN
I信号とシンセティックOMNI信号の雑音平均値が同
一になった場合にレベル比較が可能となる。
【0041】信号選択処理回路45では、OMNI信号
の雑音平均処理結果とシンセティックOMNI信号の雑
音平均処理結果について、同一の周波数成分毎の信号レ
ベルを比較し、信号レベルの高い方を表示部5へ出力す
る。
【0042】図2(b)は表示合成部の合成処理の概念
図であり、同図に示す例では、OMNI信号の周波数分
析結果に2つの強いレベルの信号が存在し、また、シン
セティックOMNI信号の周波数分析結果に1つの強い
レベルの信号が存在しており、表示合成後の結果には、
各周波数成分のところに3つの強い信号が表れている。
【0043】表示部5では、縦軸を時間、横軸を周波数
とし信号レベルを濃淡で表す表示形式のデータに変換し
て表示する。表示部5における表示例を図3により説明
する。
【0044】図3(a)は、シンセティックOMNI信
号のみの場合の表示例を示しており、水平方向に目標が
存在する場合は信号が表示され、下方に近づくにつれ信
号の表示が弱くなりやがて目標の探知ができなくなる。
また、図3(b)は、OMNI信号のみの場合の表示例
を示しており、目標が下方に近づくにつれ、目標が近距
離となり伝搬損失が小さくなるために信号の表示が強く
なり目標の探知が可能となる。
【0045】本実施の形態では、シンセティックOMN
I信号及びOMNI信号を前述のように処理して用いる
ことにより、図3(c)に示すように表示合成され、目
標の存在位置に関係なく目標の信号を継続的に表示する
ことが可能であり、目標を見失うことなく探知の継続を
実現することが可能である。
【0046】(他の実施の形態)次に、本発明に係るパ
ッシブソーナー装置の第2の実施の形態について、図面
を参照して説明する。図4は、第2の実施の形態の一構
成である表示合成部に関する図であり、(a)は表示合
成部の詳細処理ブロック図、(b)は表示合成部の合成
処理の概念図である。他の構成は第1の実施の形態と同
様であり説明を省略する。
【0047】本実施の形態においては、図4(a)に示
すように表示合成部4は、OMNI信号の周波数分析結
果とシンセティックOMNI信号の周波数分析結果がそ
れぞれ雑音平均処理回路46、47に入力される。雑音
平均処理回路46、47では、周波数毎のレベルデータ
から雑音平均値を求め、各周波数のレベルデータを雑音
平均値にて割り算し、OMNI信号については、信号検
出処理回路48に出力し、シンセティックOMNI信号
については、信号入替処理回路49に出力する。
【0048】信号検出処理回路48では、雑音と目標信
号とを区別するための閾値を予め設定し、設定された閾
値を越えるレベルデータを目標の信号として検出し、信
号として検出されたレベルデータを信号入替処理回路4
9に出力する。
【0049】信号入替処理回路49では、OMNI信号
から目標の信号として検出されたレベルデータと、シン
セティックOMNI信号の雑音平均処理結果の周波数毎
のレベルデータについて、OMNI信号から検出された
前記レベルデータとその同一周波数のシンセティックO
MNI信号のレベルデータとを比較し、OMNI信号の
レベルデータが高いときのみ当該レベルデータをシンセ
ティックOMNI信号のレベルデータに代えて表示部5
に出力する。つまり、通常はシンセティックOMNI信
号の雑音平均処理結果の周波数毎のレベルデータを出力
し、閾値を用いてOMNI信号側から目標の信号として
検出されたレベルデータが、シンセティックOMNI信
号の雑音平均処理結果のレベルデータより高い場合にの
み、この高いレベルデータを入れ替えて表示部5へ出力
する。
【0050】図4(b)は、表示合成部の合成処理の概
念図であり、同図に示す例では、OMNI信号側の雑音
平均処理結果には閾値を越えた3つの強いレベルの信号
が存在し、シンセティックOMNI信号と入れ替えた結
果、当該周波数成分のところに3つの強い信号が表れて
いる。
【0051】第2の実施の形態においても、図3(c)
に示すものと同様のシンセティックOMNI信号及びO
MNI信号に基づき表示合成した表示を行うことによ
り、目標の存在位置に関係なく表示が可能であり、目標
を見失うことなく探知の継続が可能となる。
【0052】本実施の形態では、図2(a)に示す第1
の実施の形態における積分処理回路41、42を設けて
いないが、更に他の実施の形態として、第1の実施の形
態と同様に雑音平均処理回路46、47の前段に積分処
理回路41、42をそれぞれ挿入して、周波数分析結果
であるデータの各周波数毎の時間的な変化を抑制するよ
うに構成すると好適である。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、無指向性受波器の出力
信号に加え、互いに直角方向に8の字特性の指向性を有
する第1及び第2の指向性受波器の出力信号を指向性合
成手段により水平指向性が無指向性であり垂直指向性が
8の字特性の指向性を合成し、周波数分析を行って周波
数別に信号レベルに基づき前記出力信号を選択的に表示
信号として合成して表示するようにしたことにより、水
平方向の指向性利得を損なうことなく、対象となる目標
が受波器の下方又は上方に存在する場合にも、継続する
目標探知が可能である。
【0054】つまり、OMNI信号による周波数分析結
果をシンセティックOMNI信号の周波数分析結果に対
し、OMNI信号のレベルがシンセティックOMNI信
号より大きいとき、またはOMNI信号のレベルが一定
の閾値を越えシンセティックOMNI信号のレベルを超
える時のみデータの入替を実施し合成するようにして、
シンセティックOMNIの指向性の有効な範囲を超えた
場合、OMNI信号に置きかえられるから、シンセティ
ックOMNIの指向性利得を損なうことなく、対象とな
る目標が受波器の下方又は上方に存在する場合にも、継
続する目標探知が可能である。
【0055】また本発明によれば、OMNI信号とシン
セティックOMNI信号の周波数分析結果を表示合成処
理手段により1つにしたため、オペレータ操作による表
示データの選択を行うという操作が必要でない。つま
り、オペレータは目標の存在位置を気にすることなく、
目標探知等の運用を継続することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明パッシブソーナー装置の第1の実施の
形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 第1の実施の形態の表示合成部の構成、動作
を示す図であり、(a)は表示合成部の構成を示すブロ
ック図、(b)は表示合成部の合成処理の概念図であ
る。
【図3】 表示部における本実施の形態の表示例を示す
図である。
【図4】 第2の実施の形態の表示合成部の構成、動作
を示す図であり、(a)は表示合成部の構成を示すブロ
ック図、(b)は表示合成部の合成処理の概念図であ
る。
【図5】 従来のパッシブソーナー装置の一例を示す図
であり、(a)はブロック図、(b)は周波数分析の概
念図、(c)は表示部の表示内容の一例を示す図であ
る。
【図6】 OMNI、シンセティックOMNIの特性を
示す図であり、(a)はOMNI、シンセティックOM
NIからの信号の信号レベルの関係を示す図、(b)は
受波器と目標との関係と表示内容を示す図である。
【図7】 各受波器の指向性パターン及び指向性合成結
果の指向性パターンを示す図である。
【符号の説明】 1、10 受波部 2、20 指向性合成部 3、30 周波数分析部 4 表示合成部 5、50 表示部 11、12、13、101、102、103 受波器 31、32、301 周波数分析回路 41、42 積分処理回路 43、44、46、47 雑音平均処理回路 45 信号選択処理回路 48 信号検出処理回路 49 信号入替処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 3/80 - 3/86 G01S 5/18 - 5/30 G01S 7/52 - 7/64 G01S 15/00 - 15/95

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無指向性受波器の出力信号及び互いに直角
    方向に8の字特性の指向性を有する第1及び第2の指向
    性受波器の出力信号を用い、周波数分析を行って分析結
    果を表示するパッシブソーナー装置であって、前記第1
    及び第2の指向性受波器の出力信号を入力し、水平指向
    性が無指向性であり垂直指向性が8の字特性の指向性を
    合成する指向性合成手段と、前記無指向性受波器の出力
    信号の周波数分析を行って出力する第1の周波数分析手
    段と、前記指向性合成手段の出力信号の周波数分析を行
    って出力する第2の周波数分析手段と、前記第1及び第
    2の周波数分析手段の出力信号を入力し、周波数別に信
    号レベルに基づき前記出力信号を選択的に表示信号とし
    て合成する表示合成手段と、前記表示信号を表示する表
    示手段と、を有することを特徴とするパッシブソーナー
    装置。
  2. 【請求項2】前記表示合成手段は、前記第1の周波数分
    析手段の出力信号の時間的な変動を抑えるための積分処
    理を行う第1の積分処理手段と、前記第2の周波数分析
    手段の出力信号の時間的な変動を抑えるための積分処理
    を行う第2の積分処理手段と、前記第1の積分処理手段
    の出力信号をその雑音平均値により正規化する第1の雑
    音平均処理手段と、前記第2の積分処理手段の出力信号
    をその雑音平均値により正規化する第2の雑音平均処理
    手段と、前記第1及び第2の雑音平均処理手段の各出力
    信号を周波数毎に比較し、信号レベルが大きい方を選択
    的に表示信号として出力する信号選択処理手段と、を有
    することを特徴とする請求項1記載のパッシブソーナー
    装置。
  3. 【請求項3】前記表示合成手段は、前記第1の周波数分
    析手段の出力信号をその雑音平均値により正規化する第
    1の雑音平均処理手段と、前記第2の周波数分析手段の
    出力信号をその雑音平均値により正規化する第2の雑音
    平均処理手段と、前記第1の雑音平均処理手段の出力信
    号から所定の閾値を越える信号を検出信号として出力す
    る信号検出処理手段と、前記信号検出処理手段の検出信
    号と前記第2の雑音平均処理手段の出力信号との信号レ
    ベルとを前記検出信号の周波数毎に比較し、前記信号検
    出処理手段の検出信号の信号レベルが大きい場合にのみ
    前記第2の雑音平均処理手段の出力信号に代えて当該検
    出信号を出力する信号入替処理手段と、を有することを
    特徴とする請求項1記載のパッシブソーナー装置。
  4. 【請求項4】前記第1の雑音平均処理手段の前段に、前
    記第1の周波数分析手段の出力信号の時間的な変動を抑
    えるための積分処理を行う第1の積分処理手段と、前記
    第2の雑音平均処理手段の前段に、前記第2の周波数分
    析手段の出力信号の時間的な変動を抑えるための積分処
    理を行う第1の積分処理手段と、を有することを特徴と
    する請求項3記載のパッシブソーナー装置。
JP2001067478A 2001-03-09 2001-03-09 パッシブソーナー装置 Expired - Lifetime JP3489626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001067478A JP3489626B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 パッシブソーナー装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001067478A JP3489626B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 パッシブソーナー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002267730A JP2002267730A (ja) 2002-09-18
JP3489626B2 true JP3489626B2 (ja) 2004-01-26

Family

ID=18925821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001067478A Expired - Lifetime JP3489626B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 パッシブソーナー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3489626B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4810800B2 (ja) * 2004-06-09 2011-11-09 日本電気株式会社 ソノブイ信号処理装置における統合表示の方式
JP5659851B2 (ja) * 2011-02-22 2015-01-28 日本電気株式会社 ソーナー装置及びその指向性合成方法
JP6550789B2 (ja) * 2015-02-23 2019-07-31 日本電気株式会社 水中目標監視用データ表示装置、監視用データ表示方法、及びそのプログラム
KR101752672B1 (ko) * 2016-07-06 2017-07-12 (주) 프롬애딕 음향센서를 이용한 수중음향 탐지장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002267730A (ja) 2002-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20080006622A (ko) 마이크로폰 신호 중 풍잡음의 검출 및 억제 장치 및 방법
US20100035569A1 (en) Received electric field intensity estimating device and received electric field intensity estimating program
US20160161589A1 (en) Audio source imaging system
JP3489626B2 (ja) パッシブソーナー装置
JP2004511182A (ja) エコー減少方法並びに装置
Tager Near field superdirectivity (NFSD)
US20050073457A1 (en) Doubly constrained robust capon beamformer
US6654315B1 (en) Sonar display system and method
US20160165342A1 (en) Helmet-mounted multi-directional sensor
Nagata et al. Two-dimensional DOA estimation of sound sources based on weighted wiener gain exploiting two-directional microphones
US7228236B2 (en) Subarray matching beamformer apparatus and method
JP4877082B2 (ja) 広帯域信号処理システム、方法及びプログラム
JPH08152465A (ja) 信号検出方法及び装置
JP2001051039A (ja) 信号処理方式
JP2850872B2 (ja) ソノブイ信号処理装置
JP2647041B2 (ja) パッシブソーナー信号処理方式
JP2964752B2 (ja) 電波探知装置
JP2845220B2 (ja) 音源方位検出装置
JP2913923B2 (ja) 水中音方位検出装置
JP2541959B2 (ja) 発音物体の方位測定装置
JP3388688B2 (ja) 音響測位装置
JPS63144276A (ja) パッシブソーナーの信号処理装置
Yadav et al. Study of MVDR Beamformer for a single Acoustic Vector Sensor
JP2008032537A (ja) ソノブイ信号処理方式
JP3358723B2 (ja) ソーナー表示方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3489626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term