JP3486906B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP3486906B2
JP3486906B2 JP50267498A JP50267498A JP3486906B2 JP 3486906 B2 JP3486906 B2 JP 3486906B2 JP 50267498 A JP50267498 A JP 50267498A JP 50267498 A JP50267498 A JP 50267498A JP 3486906 B2 JP3486906 B2 JP 3486906B2
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nozzle
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dots
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dot
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彰 高木
博明 東條
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Seiko Epson Corp
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/205Ink jet for printing a discrete number of tones
    • B41J2/2052Ink jet for printing a discrete number of tones by dot superpositioning, e.g. multipass doubling
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/205Ink jet for printing a discrete number of tones
    • B41J2/2056Ink jet for printing a discrete number of tones by ink density change
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2132Print quality control characterised by dot disposition, e.g. for reducing white stripes or banding

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、例えば写真画像のような多階調画像を多値
出力するインクジェットプリンタに関する。 背景技術 従来、インクジェットプリンタは、インクジェットノ
ズルから所定の印刷媒体に対して専用のインクを吐出
し、小径ドットを打ち出すことにより印刷を行ってい
る。具体的には、副走査方向に複数のノズルが配置され
たノズルアレイを、主走査方向に駆動しながらドット印
刷を行い、所定ピッチで副走査方向に紙送りを行った
後、再度、ノズルアレイを主走査方向に駆動しながらド
ット印刷を行う、という手順を繰り返しながら印刷処理
を行っている。 ところで、近年、インクジェットプリンタによって印
刷される出力物としては、従来からの文字印刷に加え、
例えば写真画像のような多階調画像を高品位に印刷でき
ることが要求されている。このような要求に応えるよう
に、近時におけるインクジェットプリンタでは、高解像
度化が図られ、より細かなドットによる印刷を可能とし
ている。そして、この場合の多階調画像の多値出力を行
う手法として、主走査方向におけるインクジェットノズ
ルの駆動周波数を、例えば通常の2倍の周波数とし、駆
動距離を細かく制御することで画素密度を変化させる方
法が一般に用いられている。 図1は、従来の多値出力手法の概念を示す図である。
この例では、4値の階調情報を有する印刷イメージデー
タに基づく3値出力の形成ドット例を示している。4値
の階調情報には、少なくとも2ビットの情報が必要であ
り、図1(a)に示す例では、8ビット(b7〜b0)のラ
スタバイトデータによって4画素の印刷イメージデータ
を示すことになる。このときの1画素を表現するための
2ビットの組み合わせは、同(b)に示すように、(b
7,b6),(b5,b4),(b3,b2),(b1,b0)となり、1
画素の階調を示す2ビットが“00"のときはドット出力
なし、“01"または“10"のときは1ドット出力、“11"
のときは隣接2ドット出力を行うことで3値を表現して
いる。 しかしながら、上述のような従来のインクジェットプ
リンタは、多値出力を行うため、主走査速度を一定とし
た場合、通常の2倍の駆動周波数によってインクジェッ
トノズルを駆動する必要があった。これに対応して、ヘ
ッド駆動機構もより高速なものが必要となり、コストア
ップの要因になるという問題があった。この場合、ヘッ
ドの駆動周波数を一定にして多値出力のときだけ主走査
速度を1/2の速度とすることも考えられるが、そうする
と、印刷のスループットは、1/2に低下するのに加え
て、主走査速度に対する制御条件が増えるという問題が
生じてくる。 また、従来のインクジェットプリンタにおいて、高品
位の印刷を得るために、定ピッチ副走査による印刷方式
を採用したものがある。この印刷方式は、副走査方向に
おいて隣接するラインが異なるインクジェットノズルか
ら吐出されたドットとなるように、副走査方向における
紙送りピッチを定ピッチで制御するものである(米国特
許第4198642号等参照)。このようにきめ細かな紙送り
制御が要求される中において、紙送り誤差が累積した場
合、上記手法による多値出力を行うとバンディングが発
生し易いという問題があった。 さらに、印刷解像度を高めるためにノズルピッチの狭
ピッチ化が図られているが、単にノズルピッチの間隔を
狭めることは、製造上の問題から限界がある。そのた
め、一般には、図2に示すように、複数列(この場合、
2列)のノズルアレイを副走査方向にずらして配置する
ことで擬似的にノズルピッチを狭くした(図示の例では
kピッチ)印刷ヘッドも多数市場に出回っている。しか
し、このような印刷ヘッドでは、ヘッド傾きがある場合
に、ノズル位置ズレに伴うバンディングが発生し易く、
特に、ノズルアレイの列間距離が広いほど顕著にバンデ
ィング(副走査方向に沿って形成される筋状の模様)が
発生するという問題があった。 また、従来の多値出力では、3値出力の際にドットが
横方向に連続することになるため、図1(b)に示され
るように、ドット形状が横長形状となる傾向がある。こ
れは、粒状性の劣化による画質の低下を招き、また、縦
方向には伸びないため、より高精度な紙送り制御が必要
となるという問題があった。 本発明の目的は、複雑な制御を必要とせずにバンディ
ングの発生を抑え、かつ、高品位な多値出力を行うイン
クジェットプリンタを提供することにある。 発明の開示 上述の目的の少なくとも一部を達成するため、この発
明のインクジェットプリンタは、複数のノズルを有する
印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを印刷媒体に対して所定
の主走査方向に駆動する主走査駆動部と、前記印刷媒体
を主走査方向に対して直交する副走査方向に搬送するよ
うに駆動する副走査駆動部と、前記主走査駆動部及び前
記副走査駆動部を制御して前記印刷ヘッドを所定位置に
位置させる駆動部制御部と、多値階調情報を含む印刷イ
メージデータを格納するデータ格納部と、前記データ格
納部に格納される印刷イメージデータに基づいて前記印
刷媒体にインクを吐出すべく前記印刷ヘッドに通電する
印刷ヘッド駆動部とを備え、前記印刷ヘッドは同一色の
ドットをそれぞれ形成するための複数のノズル群を備え
ており、各ノズル群が前記印刷媒体上の有効記録範囲の
全画素をそれぞれ記録し得るように前記印刷ヘッドが駆
動され、前記印刷ヘッド駆動部は、前記複数のノズル群
を用いてドットを同一位置に重ね得るように前記印刷ヘ
ッドを駆動することによって多値レベルを表す多値ドッ
トを形成する多値出力モードを有する。このように、同
一色の複数のドットを重ねるようにすれば、3つ以上の
階調レベルを1つのドットで表現することができる。 前記印刷ヘッド駆動部は、前記多値ドットがほぼ円形
になるように前記複数の同一色のドットを重ねるように
することが好ましい。こうすれば、バンディングの発生
を抑制することができる。 また、前記複数の同一色のドットは、濃度が比較的低
い第1の濃淡ドットと、濃度が比較的高い第2の濃淡ド
ットとを含み、前記多値レベルは、前記第1の濃淡ドッ
トで得られる第1の階調レベルと、前記第2の濃淡ドッ
トで得られる第2の階調レベルと、前記第1の濃淡ドッ
トと前記第2の濃淡ドットとを重ねることによって得ら
れる第3の階調レベルと、を含み、前記複数のノズル群
は、前記第1と第2の濃淡ドットに関してそれぞれ少な
くとも1つのノズル群を含むようにすることが好まし
い。こうすれば、複数の濃淡インクを用いて多階調レベ
ルを有するドットを記録することができる。 さらに、前記複数のノズル群は、前記第1と第2の濃
淡ドットの少なくとも1つに関して、前記有効記録範囲
の全画素をそれぞれ記録し得る少なくとも2つのノズル
群を備えており、前記多値レベルは、さらに、前記少な
くとも2つのノズル群を用いて複数の同一の濃淡ドット
を重ねる階調レベルを含むことが好ましい。あるいは、
前記複数のノズル群は、前記第1と第2の濃淡ドットの
それぞれに関して、前記有効記録範囲の全画素をそれぞ
れ記録し得る少なくとも2つのノズル群をそれぞれ備え
ており、前記多値レベルは、さらに、前記第1の濃淡ド
ットを複数個重ねる第4の階調レベルと、前記第2の濃
淡ドットを複数個重ねる第5の階調レベルとを含むよう
にしてもよい。 前記データ格納部は、同一のインクに対する印刷イメ
ージデータの各画素情報を1ビット単位に保持するデー
タブロックを複数組備え、各組のデータブロック内の1
ビットの印刷イメージデータを対応する前記ノズル群用
のデータとするように、前記複数組のデータブロックと
前記複数のノズル群とが対応付けられていることが好ま
しい。こうすれば、各組のノズル群のノズルに対して、
対応する組のデータブロックから1ビットの印刷イメー
ジデータを供給することによって、各ノズル群のノズル
の吐出の有無を制御することができる。 前記複数のノズル群は、副走査方向にノズル間隔k・
d(kは2以上の整数、dはドットピッチ)で配列され
たN個(Nは正の整数)のノズルをそれぞれ有してお
り、印刷に使用するノズル数が副走査方向でn個(nは
N以下の正の整数)のとき、kとnとが互いに素となる
関係にあることが好ましい。 また、前記複数のノズル群は、各々N個(Nは正の整
数)のノズルがノズル間隔2k・d(kは2以上の整数、
dはドットピッチ)で形成された偶数ノズル列及び奇数
ノズル列を含み、前記偶数ノズル列と奇数ノズル列とは
互いに主走査方向に所定間隔ずれた位置に配置されてお
り、前記偶数ノズル列と奇数ノズル列のそれぞれにおい
て印刷に使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN
以下の正の整数)のとき、2kとnとが互いに素となる関
係にあるようにすることもできる。 これらのkとnの関係が満足されている場合には、前
記駆動部制御部は、前記副走査駆動部の搬送量をnドッ
トの一定値とする媒体搬送動作モードで媒体を搬送する
ことができる。 あるいは、前記駆動部制御部は、複数回の副走査の際
の搬送量として複数の異なる値を組み合わせて使用する
ようにしてもよい。こうすれば、ノズル間隔と使用ノズ
ル個数とが互いに素であるか否かに係わらず、印刷すべ
きすべての画素をドットで記録するような種々の走査方
式を採用することができる。 前記印刷ヘッドは、前記複数の同一色ドットのための
複数回のインク滴の吐出をそれぞれ異なる主走査におい
て実行するようにすることが好ましい。こうすれば、イ
ンク滴の吐出の間隔が1回の主走査分以上になるので、
インク滴の滲みを抑制することができる。 本発明の記録媒体は、ほぼ同一色のドットをそれぞれ
形成するための複数のノズル群を有する印刷ヘッドと、
多値階調情報を含む印刷イメージデータを格納するデー
タ格納部と、を備えるコンピュータに用いられ、前記印
刷ヘッドを用いて印刷媒体上にドットの形成を行うため
のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体であって、前記印刷ヘッドを前記印
刷媒体に対して所定の主走査方向に駆動する主走査駆動
機能と、前記印刷媒体を主走査方向に対して直交する副
走査方向に搬送するように駆動する副走査駆動機能と、
前記主走査駆動部及び前記副走査駆動部を制御して前記
印刷ヘッドを所定位置に位置させる駆動部制御機能と、
前記データ格納部に格納される印刷イメージデータに基
づいて前記印刷媒体へのインク滴の吐出を制御する印刷
ヘッド駆動機能と、をコンピュータに実現させるコンピ
ュータプログラムを記録した記録媒体であり、前記印刷
ヘッド駆動機能は、前記複数のノズル群を用いて前記同
一色の複数のドットを同一位置に重ねることによって多
値レベルを表す多値ドットを形成する多値出力モードを
有する。このようなコンピュータプログラムがコンピュ
ータによって実行されると、上記のインクジェットプリ
ンタと同様に、3つ以上の階調レベルを1つのドットで
表現することができる。 図面の簡単な説明 図1は、従来の多値出力手法の概念図である。 図2は、偶数列と奇数列との2つのノズル列により狭
ピッチ化を図った印刷ヘッドの例を示す図である。 図3は、本発明に適用される画像処理システムの概略
構成を示すブロック図でらう。 図4は、コンピュータ90の内部構成と共に、ネットワ
ークとの接続について説明する説明図である。 図5は、画像出力装置20の一例としてのカラープリン
タ22の構成を示す概略構成図である。 図6は、印字ヘッド28の構造を例示する説明図であ
る。 図7は、インクの吐出の原理を説明する説明図であ
る。 図8は、インク吐出用ヘッド61〜64におけるインクジ
ェットノズルの配列を示す説明図である。 図9は、本発明の第1の実施形態のインクジェットプ
リンタの構成例を示す模式図である。 図10は、データ格納部におけるラスタブロックの一例
を示す図である。 図11は、本実施形態での多値出力手法の概念図であ
る。 図12は、本実施形態での多値出力によるドット形成過
程の説明図で、(a)は最初のドット形成過程を示し、
(b)は既存のドットの上に再度インクを重ねた場合の
ドット形成過程を示す。 図13は、複数回の走査パスによるドット形成部位を示
す説明図である。 図14は、本発明の第2の実施形態のインクジェットプ
リンタの構成例を示す模式図である。 図15は、濃色インクを吐出する濃色用ノズルアレイの
複数回の走査パスによるドット形成部位を示す説明図で
ある。 図16は、淡色インクを吐出する淡色用ノズルアレイの
複数回の走査パスによるドット形成部位を示す説明図で
ある。 図17は、濃色ドットと淡色ドットとの形成順序を示す
説明図である。 図18は、階調値とインク濃度及び形成されるドット等
との関係を示す説明図である。 図19は、スキャン繰り返し数sが1のときの一般的な
走査方式の基本的条件を示すための説明図である。 図20は、スキャン繰り返し数sが2以上のときの一般
的な走査方式の基本的条件を示すための説明図である。 図21は、複数種類の副走査送り量を用いた第1の走査
方式を示す説明図である。 図22は、第1の走査方式における走査パラメータと各
ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示す説明図であ
る。 図23は、第1の走査方式において各有効ラスタを記録
するノズル番号を示す説明図である。 図24は、複数種類の副走査送り量を用いた第2の走査
方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有
効ラスタ番号とを示す説明図である。 図25は、第2の走査方式において各有効ラスタを記録
するノズル番号を示す説明図である。 図26は、副走査送り量LのオフセットGが一定の場合
の走査方式の一例を示す説明図である。 図27は、ノズルピッチkと好ましい副走査送り量オフ
セットGの関係を示す説明図である。 図28は、複数種類の副走査送り量を用いた第3の走査
方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有
効ラスタ番号とを示す説明図である。 図29は、第3の走査方式において各有効ラスタを記録
するノズル番号を示す説明図である。 図30は、複数種類の副走査送り量を用いた第4の走査
方式における走査パラメータを示す説明図である。 図31は、第4の走査方式において各ノズルで記録され
る有効ラスタ番号とを示す説明図である。 図32は、第4の走査方式において各有効ラスタを記録
するノズル番号を示す説明図である。 発明を実施するための最良の形態 A.装置の構成 図3は、本発明の実施形態に使用されるカラー画像処
理システムの構成を示すブロック図である。このカラー
画像処理システムは、スキャナ18と、パーソナルコンピ
ュータ90と、カラープリンタ22とを有している。パーソ
ナルコンピュータ90は、カラーディスプレイ21を備えて
いる。スキャナ18は、カラー原稿からカラー画像データ
を読み取り、R,G,Bの3色の色成分からなる原カラー画
像データORGをコンピュータ90に供給する。 コンピュータ90の内部には、図示しないCPU,RAM,ROM
等が備えられており、所定のオペレーティングシステム
の下で、アプリケーションプログラム95が動作してい
る。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91
やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケー
ションプログラム95からはこれらのドライバを介して、
最終カラー画像データFNLが出力されることになる。画
像のレタッチなどを行なうアプリケーションプログラム
95は、スキャナから画像を読み込み、これに対して所定
の処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTディ
スプレイ93に画像を表示している。このアプリケーショ
ンプログラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュー
タ90のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーシ
ョンプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が印
字可能な信号(ここではCMYKの各色についての2値化さ
れた信号)に変換している。図3に示した例では、プリ
ンタドライバ96の内部には、アプリケーションプログラ
ム95が扱っているカラー画像データをドット単位の画像
データに変換するラスタライザ97と、ドット単位の画像
データに対してプリンタ22が使用するインク色CMYおよ
び発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール
98と、色補正モジュール98が参照する色補正テーブルCT
と、色補正された後の画像情報からドット単位でのイン
クの有無によってある面積での濃度を表現するいわゆる
ハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュ
ール99と、後述するモード指定情報をカラープリンタ22
内のメモリに書き込むためのモード指定情報書込モジュ
ール110とが備えられている。 図4は、コンピュータ90の内部構成を示すブロック図
である。図示するように、このコンピュータ90は、プロ
グラムに従って画像処理に関わる動作を制御するための
各種演算処理を実行するCPU81を中心に、バス80により
相互に接続された次の各部を備える。ROM82は、CPU81で
各種演算処理を実行するのに必要なプログラムやデータ
を予め格納しており、RAM83は、同じくCPU81で各種演算
処理を実行するのに必要な各種プログラムやデータが一
時的に読み書きされるメモリである。入力インターフェ
イス84は、スキャナ18やキーボード74からの信号の入力
を司り、出力インタフェース85は、プリンタ22へのデー
タの出力を司る。CRTC86は、カラー表示可能なCRT21へ
の信号出力を制御し、ディスクコントローラ(DDC)87
は、ハードディスク76やフレキシブルドライブ75あるい
は図示しないCD−ROMドライブとの間のデータの授受を
制御する。ハードディスク76には、RAM83にロードされ
て実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式
で提供される各種プログラムなどが記憶されている。こ
のほか、バス80には、シリアル入出力インタフェース
(SIO)88が接続されている。このSIO88は、モデム78に
接続されており、モデム48を介して、公衆電話回線PNT
に接続されている。画像処理装置30は、このSIO88およ
びモデム78を介して、外部のネットワークに接続されて
おり、特定のサーバーSVに接続することにより、画像処
理に必要なプログラムをハードディスク76にダウンロー
ドすることも可能である。また、必要なプログラムをフ
レキシブルディスクFDやCD−ROMによりロードし、コン
ピュータ90に実行させることも可能である。 図5は、プリンタ22の概略構成図である。図示するよ
うに、このプリンタ22は、紙送りモータ23によって用紙
Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャ
リッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、
キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動してイン
クの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの
紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド28およ
び操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40と
から構成されている。 このプリンタ22のキャリッジ31には、複数色のカラー
インク用カートリッジ71,72が搭載可能である。キャリ
ッジ31の下部の印字ヘッド28には計複数個のインク吐出
用ヘッド61〜64が形成されており、キャリッジ31の底部
には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを
導く導入管65(図6参照)が立設されている。キャリッ
ジ31にカートリッジ71,72を上方から装着すると、各カ
ートリッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各
インクカートリッジから吐出用ヘッド61〜64へのインク
の供給が可能となる。 インクが吐出される機構を簡単に説明する。図6に示
すように、インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31
に装着されると、毛細管現象を利用してインク用カート
リッジ内のインクが導入管65を介して吸い出され、キャ
リッジ31下部に設けられた印字ヘッド28の各色ヘッド61
ないし64に導かれる。なお、初めてインクカートリッジ
が装着されたときには、専用のポンプによりインクを各
色のヘッド61〜64に吸引する動作が行なわれるが、本実
施形態では吸引のためのポンプ、吸引時に印字ヘッド28
を覆うキャップ等の構成については図示および説明を省
略する。 各色のヘッド61〜64には、図6に示したように、各色
毎に32個のノズル200が設けられており、各ノズル毎に
電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが
配置されている。ピエゾ素子PEとノズル200との構造を
詳細に示したのが、図7である。図示するように、ピエ
ゾ素子PEは、ノズル200までインクを導くインク通路80
に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知
のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高
速に電気−機械エネルギの変換を行なう素子である。本
実施形態では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間
に所定時間幅の電圧を印加することにより、図7下段に
示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張
し、インク通路80の一側壁を変形させる。この結果、イ
ンク通路80の体積は、ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮
し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、
ノズル200の先端から高速に吐出される。このインク粒
子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことに
より、印刷が行われることになる。 以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22
は、紙送りモータ23によりプラテン26その他のローラを
回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッ
ジモータ24により往復動させ、同時に印字ヘッド28の各
色ヘッド61〜64のピエゾ素子PEを駆動して、各色インク
の吐出を行ない、用紙P上に多色の画像を形成する。各
色のヘッド61〜64におけるノズルの具体的な配列に関し
てはさらに後述する。 用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ23の回転をプ
ラテン26のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達
するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリ
ッジ31を往復動させる機構は、プラテン26の軸と平行に
架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34
と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を
張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出す
る位置検出センサ39等から構成されている。 制御回路40の内部には、図示しないCPUやメインメモ
リ(ROMやRAMU)のほかに、書き換え可能な不揮発性メ
モリとしてのプログラマブルROM(PROM)42が備えられ
ている。PROM42には、複数の走査モードのパラメータを
含む走査モード情報が格納されている。ここで、「走査
モード」とは、各ノズルアレイにおいて実際に使用する
ノズル個数Nや、副走査送り量L等で規定されるドット
の記録方式を意味している。この明細書では、「走査方
式」と「走査モード」はほぼ同じ意味で用いられてい
る。具体的な走査モードの例や、それらのパラメータに
ついては後述する。PROM42には、さらに、複数の走査モ
ードの中から好ましいモードを指定するためのモード指
定情報も格納されている。例えば、PROM42に16種類の走
査モード情報を格納可能な場合には、モード指定情報は
4ビットのデータで構成されている。 走査モード情報は、コンピュータ90の起動時にプリン
タドライバ96(図3)がインストールされる際に、プリ
ンタドライバ96によってPROM42から読み出される。すな
わち、プリンタドライバ96は、モード指定情報で指定さ
れた好ましい走査モードに対する走査モード情報をPROM
42から読み込む。ラスタライザ97とハーフトーンモジュ
ール99における処理や、主走査および副走査の動作は、
この走査モード情報に応じて実行される。 なお、PROM42は、書き換え可能な不揮発性メモリであ
ればよく、EEPROMやフラッシュメモリなどの種々の不揮
発性メモリを使用することができる。また、モード指定
情報は書き換え可能な不揮発性メモリに格納することが
好ましいが、走査モード情報は、書き換えができないRO
Mに格納するようにしてもよい。また、複数の走査モー
ド情報は、PROM42ではなく、他の記憶手段に格納されて
いてもよく、また、プリンタドライバ96内に登録されて
いてもよい。 図8は、インク吐出用ヘッド61〜64におけるインクジ
ェットノズルの配列を示す説明図である。4つのヘッド
61〜64には、色または濃度が異なるインクをそれぞれ噴
射するノズルアレイが設けられている。これらの4組の
ノズルアレイの副走査方向の位置は、互いに一致してい
る。 4組のノズルアレイは、副走査方向に沿って一定のノ
ズルピッチkで千鳥状に配列された32個のノズル200を
それぞれ備えている。なお、各ノズルアレイに含まれる
32個のノズル200は、千鳥状に配列されている必要はな
く、一直線上に配置されていてもよい。但し、図8
(A)に示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズ
ルピッチkを小さく設定し易いという利点がある。 図8(B)は、1つのノズルアレイによって形成され
る複数のドットの配列を示している。この実施形態で
は、インクノズルの配列が千鳥状か直線状かに関わら
ず、1つのノズルアレイによって形成される複数のドッ
トは、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶように、
各ノズルのピエゾ素子PE(図7)に駆動信号が供給され
る。例えば、図8(A)のようにノズルアレイが千鳥状
に配列されている場合において、図の右方向にヘッド61
が走査されてドットを形成していく場合を考える。この
時、先行するノズル群100,102…は、後追するノズル群1
01,103…よりも、d/v[秒]だけ早いタイミングで駆動
信号が与えられる。ここで、d[インチ]は、ヘッド61
における2つのノズル群の間のピッチ(図8(A)参
照)であり、v[インチ/秒]はヘッド61の走査速度で
ある。この結果、1つのノズルアレイによって形成され
る複数のドットは、副走査方向に沿って一直線上に配列
される。なお、後述するように、各ヘッド61〜64に設け
られている32個のノズルは、常に全数が使用されるとは
限らず、走査方式によっては、その一部のノズルのみが
使用される場合もある。 なお、図8に示す各インク吐出用ヘッド内のノズルア
レイは、本発明におけるドット形式要素アレイに相当す
る。また、図5に示すキャリッジモータ24を含むキャリ
ッジ31の送り機構は、本発明における主走査駆動手段に
相当し、紙送りモータ23を含む用紙の送り機構は本発明
における副走査駆動手段に相当する。さらに、各ノズル
のピエゾ素子PEを含む回路は、本発明におけるヘッド駆
動手段に相当する。また、制御回路40とプリンタドライ
バ96(図3)とは、本発明における制御手段に相当す
る。 B.第1の実施の形態 図9は、本発明の第1の実施の形態に係るインクジェ
ットプリンタ20の機能ブロック図である。このインクジ
ェットプリンタ20は、印刷ヘッド2と、主走査駆動部3
と、副走査駆動部4と、駆動部制御部5と、データ格納
部6と、印刷ヘッド駆動部7と、を備えている。なお、
図9の印刷ヘッド2は図5の印字ヘッド28に相当し、ま
た、主走査駆動部3はキャリッジモータ24に、副走査駆
動部4は紙送りモータ23に、印刷ヘッド駆動部7は図6
のピエゾ素子PEにそれぞれ相当する。また、駆動部制御
部5とデータ格納部6とは、図5の制御回路40に相当す
る。 印刷ヘッド2は、例えば図2に示す例と同様に、ノズ
ル間隔2k(kは正の整数)で、使用ノズル数n(図2に
示す例では、Nが8個のとき7ノズルを使用)の偶数ノ
ズル列2a及び奇数ノズル列2bを、主走査方向に所定間隔
をもって2列に配置して構成されている。なお、副走査
送り量が一定の場合には、ノズル間隔2kと使用ノズル数
nとは互いに素の関係にある。 主走査駆動部3は、印刷ヘッド2を、例えばシート状
の印刷用紙等からなる印刷媒体Sに対して所定の主走査
方向(図9中、左右方向)に駆動し、副走査駆動部4
は、主走査方向に対して直交する副走査方向(図9中、
上下方向)に印刷媒体Sを搬送するように駆動する。 駆動部制御部5は、主走査駆動部3及び副走査駆動部
4による駆動量及び駆動タイミング等を制御することに
より、印刷ヘッド2を主走査方向に移送させて、所定部
位に位置させる。また、駆動部制御部5では、副走査駆
動部4における印刷媒体Sの搬送量をnドットの一定値
とする媒体搬送動作モード、すなわち、前述した定ピッ
チ副走査による印刷方式を実現可能にしてある。なお、
副走査送り量が一定でない場合の例については後述す
る。 データ格納部6は、多値階調情報を含む印刷イメージ
データを格納するメモリから成り、メモリ内には、図10
に示すような2つのデータブロック領域、具体的には、
ラスタブロック0とラスタブロック1とが格納されてい
る。各ラスタブロック0,1は、それぞれ同一位置にある
1ドットずつ2ビットの組み合わせによって4値の階調
情報を持つ。そして、偶数ノズル列2aによって出力すべ
きドット形成データをラスタブロック0に格納し、奇数
ノズル列2bによって出力すべきドット形成データをラス
タブロック1に格納する。すなわち、本実施形態におけ
るインクジェットプリンタ1は、従来例と同様に、ラス
タブロック0,1において対応する位置の2ビット情報に
よって3値を表現する。 印刷ヘッド駆動部7は、データ格納部6に格納される
印刷イメージデータに基づいて印刷ヘッド2に通電する
ことで、偶数ノズル列2a及び奇数ノズル列2bの所望のノ
ズルから印刷媒体Sにインクを吐出させるものである。 また、図11に示すように、本実施形態におけるインク
ジェットプリンタ1での多値出力は、従来例と同様に、
1ドットの階調を示す2ビットが“00"のときはドット
出力なし、“01"または“10"のときは通常の主走査制御
による1ドット出力を行う。そして、“11"のときは、
駆動部制御部5による印刷ヘッド2の位置制御により、
既に形成されたドットに対してさらにインクの吐出を行
いドットを重ねることで3値出力を行う。このため、本
実施形態における3値出力でのドットは、2値出力時の
ドットよりも大径のドットとなり、また、そのドット形
状はほぼ真円に近い円形となる。 以下、本実施形態における3値出力の態様を図12に基
づき詳しく説明する。前述したように、ノズルからイン
クを吐出しない場合は「ドットなし状態」であり、イン
クを吐出する場合は「ドットあり状態」となる。この
「ドットあり状態」の場合、印刷媒体Sに吐出されたイ
ンクは徐々に印刷媒体Sにしみ込む(図12(a)参
照)。ここで、一度ドットが形成された位置に再びイン
クを吐出すると、新たに吐出されたインクは先に吐出さ
れたインクの回りにしみ込んでより大きなサイズのドッ
トとなる(図12(b)参照)。これによって、3値出力
用のドット形成を行う。 次に、上述の実施形態における多値出力の場合の動作
例を図13に基づき説明する。図13は、複数回の走査パス
によるドット形成位置を示す図であり、この例では、定
ピッチ副走査による印刷を行いつつ、偶数ノズル列2aと
奇数ノズル列2bとが所定位置で重なるように駆動部制御
部5によって制御される。なお、図13において、○印は
偶数ノズル列による形成ドットを示し、□印は奇数ノズ
ル列2bによる形成ドットを示す。 すなわち、図13に示す例では、3回目の主走査パスに
おける偶数ノズル列2aのノズル#8と7回目の主走査パ
スにおける奇数ノズル列2bのノズル#1とが同一ドット
形成部位に位置する。このとき、ラスタブロック0,1に
格納された2ビットの多値階調データに基づいて所定の
ドットを形成することになる。 以上説明したように、本実施形態での多値出力は、主
走査速度及びヘッド周波数は通常動作時と全く同一とな
るため、従来例のように、ヘッド駆動機構のコストアッ
プや主走査速度制御の複雑化はなく、スループットの低
下は、従来例の主走査速度を1/2としたときと同様とな
る。また。本実施形態による3値出力用のビット形状
は、基本的にほぼ真円となるため、形成画像が高品位な
ものとなる。 さらに、本実施形態では、3値出力用のドットはすべ
てが重なるように出力されるため、印刷ヘッドの傾きに
よりノズル位置ズレが発生しても、ある程度の重なりを
期待することができ、形成画像の品質劣化を防止するこ
とができる。これは、同一ドットを複数回走査でき、2
ドットを重ねる場合、紙送りの誤差の累積に対しても強
いことを意味する。さらには、いわゆる「ベタ」の塗り
つぶしを保証することができる。 そして、前述したように、本実施形態のような構成を
とっても、従来の場合と同様に定ピッチ副走査による印
刷を行うことができるため、高品位な印刷物が得られる
という利点はそのまま享受することができる。 なお、本実施形態において、3値出力時のドットを重
ねる際に、少なくとも1回の走査に要する時間以上の時
間差をもってドットを重ねるようにすれば、先のドット
の乾燥が進み、にじみレベルが向上するという利点が出
てくる。また、この場合、乾燥したドットの上に新たな
ドットを重ねることにより、ドット濃度が向上するとい
う利点もある。 以上、本発明を一実施形態を示して説明したが、本発
明は、上記実施形態に限定されるものではないことはい
うまでもない。例えば上記実施形態では、印刷ヘッドに
配置されるノズルアレイを、偶数ノズル列と奇数ノズル
列とで構成してノズル間隔を互いに補間するとともに、
使用するノズル数を主走査方向にn個毎に分けた例につ
いて説明したが、各々副走査方向のノズル間隔がkとな
るn個(=N)のノズル群を副走査方向に一定間隔kで
配置して印刷ヘッドを構成してもよい。例えばnが7の
場合の例を示す図2において、#0〜#6の7ドット、
#7〜#13の7ドットのように、副走査方向に7個のノ
ズルを配置するようにしてもよい。要は、各ノズル群に
おいてN個のノズルのうち使用ノズル数がnのときに、
kとnとが互いに素になるようにすれば、同様の制御で
ノズル群の数だけのドットを重ねることが可能となるの
である。 C.第2の実施の形態 次に、図14〜図18に基づいて本発明の第2の実施の形
態を説明する。なお、本実施の形態では、上述した第1
の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。本実施の形態の特徴
は、高濃度のインクを吐出するためのノズルアレイと低
濃度のインクを吐出させるためのノズルアレイとの2組
のノズルアレイを備え、同一の印刷位置に濃度の異なる
インク滴からなるドットを重ねることができるようにす
ることで、より豊かな多階調表現を実現した点にある。 本実施形態における印刷ヘッド11は、高濃度(以下
「濃色」といい、図中では「濃」と略記する)のインク
を吐出するための濃色用ノズルアレイ12と低濃度(以下
「淡色」といい、図中では「淡」と略記する)のインク
を吐出するための淡色用ノズルアレイ13とを、主走査方
向に所定間隔だけ離間して配置することにより構成され
ている。 ここで、濃色,淡色とは、例えば、濃いシアン,薄い
シアン、あるいは濃いマゼンタ,薄いマゼンタのよう
に、多階調表現を行うために選択された、実質的に同一
色における主として明度(濃度)の異なるインクを意味
する。 なお、この明細書においては、ほぼ同一色で濃度が異
なる複数種類のインクを「濃淡インク」と呼ぶ。また、
印刷紙(印刷媒体)上にドットが形成されたときに、ほ
ぼ同一色だが印刷濃度(再現濃度)が異なるものである
と観察者に認識される複数種類のドットを「濃淡ドッ
ト」と呼ぶ。ところで、同一のインクを用いてもドット
径が異なれば印刷濃度が異なるものと観察者に認識され
る。従って、色も濃度も全く同一のインクを用い、ドッ
ト径を変えることによって「濃淡ドット」を形成するこ
とも可能である。 前記各ノズルアレイ12,13は、それぞれ副走査方向に
所定のノズル間隔でN個のノズルが配置されてなる第1
のノズル群と、該第1のノズル群に対し所定のノズル間
隔をもって副走査方向に隣接して設けられ、それぞれ副
走査方向に所定のノズル間隔でN個のノズルが配置され
てなる第2のノズル群とから、それぞれ構成されてい
る。 詳しく説明する。濃色用ノズルアレイ12は、図15に示
すように、□印で示す5個のノズル#5〜#9を所定の
ノズル間隔kで副走査方向に配置してなる第1のノズル
群12Aと、該第1のノズル群12Aの上側に所定のノズル間
隔kだけ離間して設けられ、○印で示す5個のノズル#
0〜#4を所定のノズル間隔kで副走査方向に配置して
なる第2のノズル群12Bとから構成されている。各ノズ
ル群12A,12Bの各ノズルからは、印刷イメージデータに
基づいて濃色のインクが吐出される。 同様に、淡色用ノズルアレイ13は、図16に示すよう
に、▽印で示す5個のノズル#5〜#9を所定のノズル
間隔kで副走査方向に配置してなる第1のノズル群13A
と、該第1のノズル群13Aの上側に所定のノズル間隔k
だけ離間して設けられ、◇印で示す5個のノズル#0〜
#4を所定のノズル間隔kで副走査方向に配置してなる
第2のノズル群13Bとから構成されている。これら各ノ
ズル群13A,13Bの各ノズルからは、印刷イメージデータ
に基づいて淡色のインクが吐出される。なお、図15,図1
6中において、○、□、▽、◇内にハッチングを施した
ノズルは、印刷動作が可能なノズルである。 ここで、本発明の形態では、ノズル総数N及び使用ノ
ズル数nはともに「5」であり、前記第1の実施の形態
で述べたと同様に、nとkとは互いに素の関係となるよ
うに決定されるものである。従って、kは例えば「4」
に設定される。なお、これらのN=n=5、k=4は説
明のための例示であり、本発明はこれに限定されない。 データ格納部14は、第1の実施の形態で述べたデータ
格納部6と同様に、多値階調情報を含む印刷イメージデ
ータを格納するメモリからなり、階調情報に応じて複数
のデータブロック領域が形成されている。但し、本実施
形態では、濃色用と淡色用との2個のノズルアレイ12,1
3を備えた印刷ヘッド11を用いるため、データ格納部14
には、4個のデータブロック領域、即ち、ラスタブロッ
ク0〜3が形成されている。 ここで、濃色用ノズルアレイ12には、2個のラスタブ
ロック0,1が割り当てられている。ラスタブロック0,1
は、それぞれ同一位置にある1ドットずつ2ビットの組
み合わせによって4値の階調情報を持つ。第1のノズル
群12Aによって出力すべき1ビットのドット形成データ
はラスタブロック0に格納され、第2のノズル群12Bに
よって出力すべき1ビットのドット形成データはラスタ
ブロック1に格納される。 従って、ある特定の位置におけるラスタブロック0及
びラスタブロック1のドット形成データがともに“0"で
あれば、当該特定の位置にはドットが形成されない。同
様に、ラスタブロック0のドット形成データが“1"、ラ
スタブロック1のドット形成データが“0"であれば、濃
色のインク滴が1個だけ印刷媒体Sに着弾し、濃色のド
ットが形成される。同様に、ラスタブロック0及びラス
タブロック1のドット形成データがともに“1"であれ
ば、ほぼ同一の位置に濃色のインク滴が所定の時間をあ
けて2個着弾し、より濃色のドットが形成される。従っ
て、ラスタブロック0,1において対応する位置の2ビッ
ト情報によって、ドット出力なし、濃色1ドット出力、
濃色1ドットの重ね塗り、の合計3値を表現することが
できる。 また、濃色用ノズルアレイ13には、それぞれ同一位置
にある1ドットずつ2ビットの組み合わせによって4値
の階調情報を持つラスタブロック2,3が割り当てられて
いる。第1のノズル群13Aによって出力すべき1ビット
のドット形成データはラスタブロック2に、第2のノズ
ル群13Bによって出力すべき1ビットのドット形成デー
タはラスタブロック3に、それぞれ格納される。従っ
て、ラスタブロック2,3において対応する位置の2ビッ
ト情報によって、ドット出力なし、淡色1ドット出力、
淡色1ドットの重ね塗り、の合計3値を表現することが
できる。 さらに、濃色用ノズルアレイ12によって濃色のドット
が形成された位置に、淡色用ノズルアレイ13によって淡
色のドットをさらに重ねて形成することも可能である。
従って、それぞれ重ね合わせが可能な濃色ドットと淡色
ドットとの組み合わせによって、合計8値の階調を表現
することができるが、本実施形態では、後述するように
6値の多階調表現を行うようにしている。そして、印刷
ヘッド駆動部15は、これらの各ラスタブロック0〜3が
格納したドット形成データに基づいて、印刷ヘッド11の
ドット出力を制御する。 次に、各ノズルアレイ12,13による多値出力の動作例
を図15,図16に基づいて説明する。まず、図15は、複数
回の主走査パスによって濃色用ノズルアレイ12がドット
を形成する位置を示す説明図である。印刷ヘッド11は、
第1のノズル群12Aによるドット形成部位と第2のノズ
ル群12Bによるドット形成部位とが重なるように、駆動
部制御部14によって制御される。 例えば、図15に示すように、パス1における第1のノ
ズル群12Aのノズル#8とパス5におけるノズル#3と
は、同一のドット形成部位(ラスタ1)に位置する。こ
のとき、第1の実施の形態で述べたと同様に、ラスタブ
ロック0,1に格納された2ビットの多値階調データに基
づいて所定のドットが形成される。図示の例では、所定
のパス間隔ΔPとして、4パス毎にドット形成部位(ラ
スタ)が重なる。 ラスタ1〜23に示すように、印刷領域内の全てのラス
タは、先行する第1のノズル群12Aのノズルによって最
初のドットを形成可能になっている。そして、この最初
に形成されるドットの上に、後行する第2のノズル群12
Bのノズルによってドットを重ねて形成可能になってい
る。従って、副走査方向に複数のノズルを所定のノズル
間隔kで配置してなる2個のノズル群を、所定間隔kを
もって副走査方向に隣接させた場合、一方のノズル群を
「先行ノズル群」として、他方のノズル群を「後行ノズ
ル群」として表現することも可能である。 図16に示すように、淡色用ノズルアレイ13も、濃色用
ノズルアレイ12と同様に、第1のノズル群13Aによるド
ット形成部位と第2のノズル群13Bによるドット形成部
位とが重なるように、駆動部制御部5によって制御され
る。図16中に示すように、淡色用ノズルアレイ13におい
ても、第1のノズル群13Aが最初にドットを形成可能に
なっており、第2のノズル群13Bが次にドットを形成可
能になっている。 図17は、濃色用ノズルアレイ12と淡色用ノズルアレイ
13とによるドットの形成順序を示す説明図である。 上述した通り、同一のノズルアレイでは、あるドット
形成部位については第1のノズル群が最初にドットを形
成可能であり、次に、所定のパス間隔ΔP(本実施形態
ではΔP=4)後に、同一ドットの形成部位について、
第2のノズル群がドットを形成することができる。従っ
て、図17に示す通り、先行する第1のノズル群によるド
ット形成時点と後行する第2のノズル群によるドット形
成時点との時間差は、パス間隔ΔP及び主走査速度に応
じた時間TΔPとなる。一方、異なるノズルアレイにお
いてそれぞれ対応するノズル群がドットを形成する時間
差は、ノズルアレイ12,13の主走査方向離間距離である
d及び出力走査速度に応じた時間Tdとなる。 従って、あるドット形成部位におけるドット形成が可
能な順序は、濃色用ノズルアレイ12の第1のノズル群12
Aによる先行濃色ドット(□)→淡色用ノズルアレイ13
の第1のノズル群13Aによる先行淡色ドット(▽)→濃
色用ノズルアレイ12の第2のノズル群12Bによる後行濃
色ドット(○)→淡色用ノズルアレイ13の第2のノズル
群13Bによる後行淡色ドット(◇)となる。 この濃色ドット、淡色ドットの形成順序を利用して、
例えば6値の多階調表現を行うことができる。図18に
は、0〜5の6値の階調と選択されるインク濃度、ラス
タブロックに格納されるべきドット形成データ及び印刷
媒体S上に形成されるドットの平面概念図との対応関係
が示されている。 ある位置においてドットを出力しない階調値0の場合
は、各ノズルアレイ12,13の該当ノズルに与えられるド
ット形成データは“0"である。従って、いずれのノズル
からもインク滴が吐出されず、画素は形成されない。 階調値1の場合は、淡色のドット(▽)を1個だけ形
成する。淡色のドットを1個のみ形成するには、第1の
ノズル群13Aまたは第2のノズル群13Bのいずれかによっ
て淡色のインク滴を1個吐出させればよい。従って、各
ノズル群の該当ノズルのいずれか一つにドット形成デー
タ“1"を与えれば足りる。しかし、後述する淡色のドッ
トを重ねて形成する場合を考慮すると、先行する第1の
ノズル群13Aの該当ノズルにデータ“1"を与え、後行す
る第2のノズル群13Bの該当ノズルにはデータ“0"を与
える方が有利である。これにより、階調値1を実現する
場合は、先行する第1のノズル群13Aによって淡色ドッ
トを形成させる。 階調値2の場合は、先行する第1のノズル群13Aによ
って形成された淡色ドット(▽)の上に、所定のパス間
隔ΔPを経て、さらに淡色のドット(◇)を重ねて形成
する。先行ノズルによって形成された淡色ドットは、パ
ス間隔▽Pが経過する前に十分乾いているため、後行ノ
ズルによってインク滴を重ねて着弾させてもドットのに
じみは少ない。また、先行して形成された淡色ドットが
乾いてから新たな淡色ドットを重ねて形成するため、単
一の淡色ドットの場合よりも濃度が高まる。 階調値3の場合は、単一の濃色ドット(□)によって
実現する。階調値1の場合と同様に、先行する第1のノ
ズル群12Aの該当するノズルに対してのみドット形成デ
ータ“1"を与えることで、所定の位置に濃色のインク滴
が1個だけ着弾し、階調値2よりも高濃度の階調値3を
得ることができる。 階調値4は、濃色のドットと淡色のドットとを重ね合
わせることによって実現される。図17と共に説明した通
り、濃色のドットと淡色のドットとを重ね合わせるには
3通りの方法がある。 第1の方法は、濃色用ノズルアレイ12の第1のノズル
群12Aによって先行濃色ドット(□)を形成した後に、
淡色用ノズルアレイ13の第1のノズル群13Aによって先
行淡色ドット(▽)を形成する方法である(□+▽)。
第2の方法は、濃色用ノズルアレイ12の第2のノズル群
12Bによって後行濃色ドット(○)を形成した後に、淡
色用ノズルアレイ13の第2のノズル群13Bによって後行
淡色ドット(◇)を形成する方法である(○+◇)。第
3の方法は、濃色用ノズルアレイ12の第1のノズル群12
Aによって先行濃色ドット(□)を形成した後、淡色用
ノズルアレイ13の第2のノズル群12Bによって後行淡色
ドット(◇)を形成する方法である(□+◇)。第1、
第2の方法では、インク滴の吐出間隔がノズルアレイ間
隔dに基づく極めて短い時間Tdとなるため、先行ドット
が十分乾かないうちに後行ドットが形成される可能性が
ある。 従って、本実施形態では、先行ドットが十分に乾いた
後に後行ドットを重ね打ちすべく、第3の方法によって
濃色ドットと淡色ドットを重ねている。本実施形態が採
用する第3の方法によれば、にじみを防止して濃度を向
上できるという優れた効果を得ることができるが、第1
の方法及び第2の方法も本発明の技術的範囲に含まれ
る。 階調値5は、濃色ドットを2個重ねることにより実現
される。階調値2の場合と同様に、先行濃色ドットが形
成されたからパス間隔ΔPに基づく時間TΔPが経過し
た後に、後行濃色ドットが形成されるため、単一の濃色
ドットよりも濃度(階調)が高くなる。 以上詳細に説明した通り、第2の実施形態によれば、
濃度の異なるインクを同一位置に吐出可能とし、濃淡の
異なるドットを重ねることができるため、前記第1の実
施形態よりも一層豊かな階調表現を実現することがで
き、写真画像に近い高品位印刷を行うことができる。 また、第1の実施形態と同様に、同一位置でドットを
重ねて形成できるため、主走査及び副走査の精度が所定
範囲内にあれば、ほぼ真円形状のドットを得ることがで
きる。これにより、ドット形状が不均一であることに起
因する低濃度領域での粒状性劣化を改善することができ
る。これに加えて、紙質や湿度等の影響によって副走査
精度が低下した場合でも、重ね打ちされたドット形状は
副走査方向に伸びるため、この副走査方向へのドット成
長によって、白筋(ホワイトバンディング現象)を防止
することができる。ドットが副走査方向に成長した場
合、ドット同士の重なる範囲が減少するため、当該印刷
位置の濃度は予定された濃度よりも低下する。しかし、
ドットが副走査方向に成長した結果、ドット形成面積が
増大するため、このドット形成面積の増大によって全体
の濃度低下を補償することができ、印刷品質の低下を防
止することができる。 また、所定のパス間隔ΔPをあけて、先行ドットと後
行ドットとを重ね合わせる構成のため、先行して形成さ
れたドットが十分乾いた状態で新たなドットを重ねて形
成することができる。これにより、紙面のにじみを防止
しつつ濃度を高めることができ、単位面積あたりのイン
ク着弾量を増大させることができる。従って、単位面積
あたりの階調表現範囲を広げることができ、中間色での
ドット自由度を向上することができる。 なお、第2の実施形態では、インク濃度を濃淡の2段
階に分ける場合を例示したが、本発明はこれに限らず、
例えば、高濃度、中濃度、低濃度の3段階に分ける構成
としてもよい。 また、カラー印刷を行うインクジェットプリンタの場
合、黒、シアン、マゼンタ、黄の4色、あるいはシア
ン、マゼンタ、黄の3色のそれぞれについて濃淡インク
を吐出可能に構成してもよいが、所定の色についてのみ
濃淡インクを吐出可能に構成してもよい。例えば、シア
ン及びマゼンタのみ濃淡インクを使用し、黒及び黄につ
いては単一濃度のインクを用いることもできる。 上記実施形態では、濃インクと淡インクに関してそれ
ぞれ2組のノズル群を使用していたが、濃インクと淡イ
ンクに関してそれぞれ1組のノズル群のみを使用する場
合にも本発明を適用可能である。これは、上述した第1
の実施形態の図9において、2組のノズル群2a,2bの一
方を濃インク用とし他方を淡インク用とすることによっ
て実現できる。この場合には、1画素で再現可能な多値
レベルは、淡インクの1つのドットで得られる第1の階
調レベルと、濃インクの1つのドットで得られる第2の
階調レベルと、濃インクと淡インクのドットを重ねるこ
とによって得られる第3の階調レベルと、を含むことに
なる。 さらに、本発明は、同一のインクを用いてサイズの異
なる複数種類の濃淡ドットをそれぞれ形成することによ
って、多値レベルのドットを形成する場合にも適用可能
である。この場合には、サイズの異なる複数種類の濃淡
ドットのそれぞれに関して少なくとも1組のノズル群が
使用される。なお、サイズの異なる濃淡ドットは、例え
ば径の比較的大きなノズル群と、径の比較的小さなノズ
ル群を用いて形成することができる。あるいは、複数の
ノズル群の少なくとも1つに対して、インクを吐出する
エネルギを変えること等によってドット径(すなわち吐
出されるインク滴)を可変に調整するドット径変調を適
用することによっても実現可能である。 D.副走査送りの方法 上述した第1と第2の実施形態の各ノズル群に対して
は、以下のように、複数種類の副走査送り量を用いた種
々の走査方式を適用することが可能である。但し、本発
明の実施形態に適用される種々の走査方式を説明する前
に、以下ではまず、一般的な走査方式に要求される基本
的な条件について説明する。 図19は、一般的な走査方式の基本的条件を示すための
説明図である。図19(A)は、4個のノズルを有する1
組の用いた場合の副走査送りの一例を示しており、図19
(B)はその走査方式のパラメータを示している。パラ
メータの内容については後述する。なお、以下では、同
一のインクを吐出するための1組のノズル群を対象とし
て説明する。例えば、図19(A)に示す4つのノズルを
示すノズル群は、図9の偶数ノズル群2aまたは奇数ノズ
ル群2bに相当する。 図19(A)において、数字を含む実線の丸は、各副走
査送り後の4個のノズルの副走査方向の位置を示してい
る。丸の中の数字0〜3は、ノズル番号を意味してい
る。4個のノズルの位置は、1回の主走査が終了する度
に副走査方向に送られる。但し、実際には、副走査方向
の送りは紙送りモータ23(図5)によって用紙を移動さ
せることによって実現されている。 図19(A)の左端に示すように、この例では副走査送
り量Lは4ドットの一定値である。従って、副走査送り
が行われる度に、4個のノズルの位置が4ドットずつ副
走査方向にずれてゆく。スキャン繰り返し数sが1の場
合には、各ノズルは、それぞれのラスタ上のすべてのド
ット(「画素」とも呼ぶ)を記録可能である。図19
(A)の右端には、各ラスタ上のドットを記録するノズ
ルの番号が示されている。なお、ノズルの副走査方向位
置を示す丸印から右方向(主走査方向)に伸びる破線で
描かれたラスタでは、その上下のラスタの少なくとも一
方が記録できないので、実際にはドットの記録が禁止さ
れる。一方、主走査方向に伸びる実線で描かれたラスタ
は、その前後のラスタがともにドットで記録され得る範
囲である。このように実際に記録を行える範囲を、以下
では有効記録範囲(有効印刷範囲)と呼ぶ。また、ノズ
ルは走査されるがドットの記録は行えない範囲を非有効
記録範囲(非有効印刷範囲)と呼ぶ。さらに、ノズルが
走査される全範囲(有効記録範囲と非有効記録範囲を含
む)をノズル走査範囲と呼ぶ。 図19(B)には、この走査方式に関する種々のパラメ
ータが示されている。走査方式のパラメータには、ノズ
ルピッチk[ドット]と、使用ノズル個数n[個]と、
スキャン繰り返し数sと、実効ノズル個数Neff[個]
と、副走査送り量L[ドット]とが含まれている。ノズ
ルピッチk[ドット]は、記録ヘッドにおけるノズルの
中心点間隔が、記録画像のピッチ(ドットピッチ)の何
個分であるかを示しており、図19の例ではk=3であ
る。使用ノズル個数n[個]は、実装されている全ノズ
ルの中で、ドットの形成に実際に使用されるノズルの個
数であり、図19の例ではn=4である。 なお、上述した第1の実施形態のように、千鳥状に配
列されたノズル(図2)を偶数ノズル群#0,#2,…#14
と、奇数ノズル群#1,#3,…#15との2組のノズル群に
分ける場合には、図2における各組のノズル群における
ノズルのピッチ2kが、図19におけるノズルピッチkに相
当する。 スキャン繰り返し回数s[回]は、何回のパス(主走
査)で各主走査ラインをドットで埋めつくすか、を示す
回数である。スキャン繰り返し数sは、また、一回の主
走査において(s−1)ドットおきに間欠的にドットを
形成することを意味している。従って、スキャン繰り返
し数sは、各主走査ライン上のすべてのドットを記録す
るために使用されるノズルの数にも等しい。なお、以下
では主走査ラインを「ラスタ」と呼ぶ。図19の例では、
1回のパスで各ラスタが埋めつくされているので、s=
1である。後述するように、sが2以上の時には、主走
査方向に沿って間欠的にドットが形成される。実効ノズ
ル個数neffは、使用ノズル個数nをスキャン繰り返し
数sで割った値である。この実効ノズルneffは、一回
の主走査で記録され得るラスタの正味の本数を示してい
るものと考えることができる。実効ノズル数neffの意
味についてはさらに後述する。 図19(B)の表には、各副走査送り毎に、副走査送り
量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後のノズルの
オフセットFとが示されている。ここで、オフセットF
とは、副走査送りが行われていない最初のノズルの周期
的な位置(図19では4ドットおきの位置)をオフセット
0の基準位置と仮定した時に、副走査送り後のノズルの
位置が基準位置から副走査方向に何ドット離れているか
を示す値である。例えば、図19(A)に示すように、1
回目の副走査送りによって、ノズルの位置は副走査送り
量L(4ドット)だけ副走査方向に移動する。一方、ノ
ズルピッチkは3ドットである。従って、1回目の副走
査送り後のノズルのオフセットFは1である(図19
(A)参照)。同様にして、2回目の副走査送り後のノ
ズルの位置は、初期位置からΣL=8ドット移動してお
り、そのオフセットFは2である。3回目の副走査送り
後のノズルの位置は、初期位置からΣL=12ドット移動
しており、そのオフセットFは0である。3回の副走査
送りによってノズルのオフセットFは0に戻るので、3
回の副走査を1サイクルとして、このサイクルを繰り返
すことによって、有効記録範囲のラスタ上のすべてのド
ットを記録することができる。 上記の例からも解るように、ノズルの位置が初期位置
からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置にある時に
は、オフセットFはゼロである。また、オフセットF
は、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッチkで割
った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、「%」
は、除算の余りをとることを示す演算子である。なお、
ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれば、オフセッ
トFは、ノズルの初期位置からの位相のずれ量を示して
いるものと考えることもできる。 スキャン繰り返し数sが1の場合には、有効記録範囲
においてラスタの抜けや重複が無いようにするために
は、以下のような条件を満たすことが必要である。 条件c1:1サイクルの副走査送り回数は、ノズルピッチ
kに等しい。 条件c2:1サイクルの各回の副走査送り後のノズルのオ
フセットFは、0〜(k−1)の範囲のそれぞれ異なる
値となる。 条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/k)は、使用ノズル
数nに等しい。換言すれば、1サイクル当たりの副走査
送り量Lの累計値ΣLは、使用ノズル数nとノズルピッ
チkとを乗算した値(n×k)に等しい。 上記の各条件は、次のように考えることによって理解
できる。隣接するノズルの間には(k−1)本のラスタ
が存在するので、1サイクルでこれら(k−1)本のラ
スタ上で記録を行ってノズルの基準位置(オフセットF
がゼロの位置)に戻るためには、1サイクルの副走査送
りの回数はk回となる。1サイクルの副走査送りがk回
未満であれば、記録されるラスタに抜けが生じ、一方、
1サイクルの副走査送りがk回より多ければ、記録され
るラスタに重複が生じる。従って、上記の第1の条件c1
が成立する。 1サイクルの副走査送りがk回の時には、各回の副走
査送りの後のオフセットFの値が0〜(k−1)の範囲
の互いに異なる値の時にのみ、記録されるラスタに抜け
や重複が無くなる。従って、上記の第2の条件c2が成立
する。 上記の第1と第2の条件を満足すれば、1サイクルの
間に、n個の各ノズルがそれぞれk本のラスタの記録を
行うことになる。従って、1サイクルではn×k本のラ
スタの記録が行われる。一方、上記の第3の条件c3を満
足すれば、第19(A)に示すように、1サイクル後(k
回の副走査送り後)のノズルの位置が、初期のノズル位
置からn×kラスタ離れた位置に来る。従って、上記第
1ないし第3の条件c1〜c3を満足することによって、こ
れらのn×k本のラスタの範囲において、記録されるラ
スタに抜けや重複を無くすることができる。 図20は、スキャン繰り返し数sが2以上の場合の一般
的な走査方式の基本的条件を示すための説明図である。
スキャン繰り返し数sが2以上の場合には、同一のラス
タがs本の異なるノズルで記録される。以下では、スキ
ャン繰り返し数sが2以上の走査方式を「オーバーラッ
プ方式」と呼ぶ。 図20に示す走査方式は、図19(B)に示す走査方式の
パラメータの中で、スキャン繰り返し数sと副走査送り
量Lとを変更したものである。図20(A)からも解るよ
うに、図20の走査方式における副走査送り量Lは2ドッ
トの一定値である。但し、図20(A)においては、奇数
回目の副走査送りの後のノズルの位置を、菱形で示して
いる。図20(A)の右端に示すように、奇数回目の副走
査送りの後に記録されるドット位置は、偶数回目の副走
査送りの後に記録されるドット位置と、主走査方向に1
ドット分だけずれている。従って、同一のラスタ上の複
数のドットは、異なる2つのノズルによってそれぞれ間
欠的に記録されることになる。例えば、有効記録範囲内
の最上端のラスタは、1回目の副走査送り後に2番のノ
ズルで1ドットおきに間欠的に記録された後に、4回目
の副走査送り後に0番のノズルで1ドットおきに間欠的
に記録される。一般に、オーバーラップ方式では、各ノ
ズルは、1回の主走査中に1ドット記録した後に(s−
1)ドット記録を禁止するように、間欠的なタイミング
でノズルが駆動される。 なお、オーバーラップ方式では、同一ラスタを記録す
る複数のノズルの主走査方向の位置が互いにずれていれ
ばよいので、各主走査時における実際の主走査方向のず
らし量は、図20(A)に示すもの以外にも種々のものが
考えられる。例えば、1回目の副走査送りの後には主走
査方向のずらしを行わずに丸で示す位置のドットを記録
し、4回目の副走査送りの後に主走査方向のずらしを行
なって菱形で示す位置のドットを記録するようにするこ
とも可能である。 図20(B)の表の最下段には、1サイクル中の各回の
副走査後のオフセットFの値が示されている。1サイク
ルは6回の副走査送りを含んでおり、1回目から6回目
までの各回の副走査送りの後のオフセットFは、0〜2
の範囲の値を2回ずつ含んでいる。また、1回目から3
回目までの3回の副走査送りの後のオフセットFの変化
は、4回目から6回目までの3回の副走査送りの後のオ
フセットFの変化と等しい。図20(A)の左端を示すよ
うに、1サイクルの6回の副走査送りは、3回ずつ2組
の小サイクルに区分することができる。このとき、副走
査送りの1サイクルは、小サイクルをs回繰り返すこと
によって完了する。 一般に、スキャン繰り返し数sが2以上の整数の場合
には、上述した第1ないし第3の条件c1〜c3は、以下の
条件c1'〜c3'のように書き換えられる。 条件c1':1サイクルの副走査送り回数は、ノズルピッ
チkとスキャン繰り返し数sとを乗じた値(k×s)に
等しい。 条件c2':1サイクル中の各回の副走査送り後のノズル
のオフセットFは、0〜(k−1)の範囲の値であっ
て、それぞれの値がs回ずつ繰り返される。 条件c3':副走査の平均送り量{ΣL/(k×s)}は、
実効ノズル数neff(=n/s)に等しい。換言すれば、1
サイクル当たりの副走査送り量Lの累計値ΣLは、実効
ノズル数neffと副走査送り回数(k×s)とを乗算し
た値{neff×(k×s)}に等しい。 上記の条件c1'〜c3'は、スキャン繰り返し数sが1の
場合にも成立する。従って、条件c1'〜c3'は、スキャン
繰り返し数sの値に係わらず、走査方式に関して一般的
に成立する条件である。すなわち、条件の3つの条件c
1'〜c3'を満足すれば、有効記録範囲において、記録さ
れるドットに抜けや重複が無いようにすることができ
る。但し、オーバーラップ方式(スキャン繰り返し数s
が2以上の場合)を採用する場合には、同じラスタを記
録するノズルの記録位置を互いに主走査方向にずらすと
いう条件も必要である。 なお、走査方式によっては、部分的なオーバーラップ
が行われる場合もある。「部分的なオーバーラップ」と
は、1つのノズルで記録されるラスタと、複数のノズル
で記録されるラスタとが混在しているような記録方式の
ことを言う。このような部分的なオーバーラップを用い
た記録方式においても、実効ノズル数neffを定義する
ことができる。例えば、4個のノズルのうちで、2個の
ノズルが協力して同一のラスタを記録し、残りの2個の
ノズルはそれぞれ1本のラスタを記録するような部分的
なオーバーラップ方式では、実効ノズル数neffは3個
である。このような部分的なオーバーラップ方式の場合
にも、上述した3つの条件c1'〜c3'が成立する。 なお、実効ノズル数neffは、一回の主走査で記録さ
れ得るラスタの正味の本数を示しているものと考えるこ
ともできる。例えば、スキャン繰り返し数sが2の場合
には、2回の主走査で使用ノズル数nと等しい本数のラ
スタを記録することができるので、一回の主走査で記録
することができるラスタの正味の本数は、n/s(すなわ
ちneff)に等しい。なお、実施形態における実効ノズ
ル数neffは、本発明における実効ドット形成要素数に
相当する。 図21は、複数種類の副走査送り量を用いた第1の走査
方式を示す説明図である。この走査方式の走査パラメー
タは、図21の左下に示す通りであり、ノズルピッチkが
4ドット、使用ノズル個数nが8、スキャンくり返し数
sが1、実効ノズル個数neffが8である。 図21においては、8個の使用ノズルに対して上から順
に#0〜#7のノズル番号が割り当てられている。この
第1の走査方式は、4回の副走査送りで1サイクルが構
成されており、副走査送り量Lは10,7,6,9ドットであ
る。すなわち、副走査送り量Lとしては、複数の異なる
値が使用されている。各回の副走査送りにおける8個の
ノズルの位置は、それぞれ異なる4種類の図形で示され
ている。また、図21の右端には、有効記録範囲のラスタ
上のドットが、何回目の副走査送りのノズルで記録され
るかが図示されている。この第1の走査方式では、有効
記録範囲の前に、20ラスタ分の非有効記録範囲が存在す
る。すなわち、有効記録範囲は、ノズル走査範囲(有効
記録範囲と非有効記録範囲を含む範囲)の上端から21番
目のラスタから開始される。ところで、1回目の主走査
時のノズル位置は、印刷用紙の上端から一定の距離に設
定される。従って、有効記録範囲の開始位置が早いほ
ど、印刷用紙の上端により近い位置からドットの記録を
開始できる。 図22は、第1の走査方式における走査パラメータと各
ノズルで記録される有効ラスタ番号とを示す説明図であ
る。図22(A)のテーブルには、各副走査送り毎に、副
走査送り量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後の
ノズルのオフセットFと、副走査送り量Lのオフセット
Gとが示されている。副走査送り量LのオフセットG
は、副走査送り量Lをノズルピッチkで除した余りであ
る。副走査送り量LのオフセットGの意味についてはさ
らに後述する。 図22(A)に示すパラメータは、上述した3つの条件
c1'〜c3'を満たしている。すなわち、1サイクルの副走
査送り回数は、ノズルピッチk(=4)とスキャン繰り
返し数s(=1)とを乗じた値(k×s=4)に等しい
(第1の条件c1')。また、1サイクル中の各回の副走
査送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)
(すなわち0〜3)の範囲の値である(第2の条件c
2')。副走査送りの平均送り量(ΣL/k)は、実効ノズ
ル数neff(=8)に等しい(第3の条件c3')。従っ
て、第1の走査方式は、有効記録範囲において、記録さ
れるラスタの抜けや重複が無い、という基本的な要求を
満足している。
【0073】 第1の走査方式は、さらに、以下のような2つの特徴
を有している。第1の特徴は、「ノズルピッチkと使用
ノズル個数nとが互いに素でない2以上の整数である」
という点である。第2の特徴は、「副走査送り量Lとし
て異なる複数の値が使用されている」という点である。
従来の走査方式では、ノズル個数nとノズルピッチkと
が互いに素の関係にある整数に選ばれていた。従って、
多数のノズルが実装されていても、実際に使用できるノ
ズル個数nはノズルピッチkと互いに素である数に限ら
れていた。このため、実装されているノズルを十分に利
用できない場合があった。これに対して、「ノズルピッ
チkと使用ノズル個数nとが互いに素でない2以上の整
数である」という第1の特徴を有している走査方式を許
容すれば、実装されたノズルを可能な限り多数使用する
ような走査方式を容易に採用することができるという利
点がある。上記の第2の特徴は、このような第1の特徴
を採用した場合にも、「有効記録範囲において、記録さ
れるラスタの抜けや重複が無い」という基本的な要求を
満足するためのものである。仮に、上記の第1の特徴を
有し、かつ、副走査送り量Lを一定値とするような走査
方式では、ラスタに抜けが発生するか、あるいは、重複
が生じてしまうことになる。 なお、複数種類の副走査送り量を用いる走査方式は、
「ノズルピッチkと使用ノズル個数nとが互いに素でな
い2以上の整数である」場合に限らず、「ノズルピッチ
kと使用ノズル個数nとが互いに素である」場合にも適
用可能である。 図22(B)は、第1の走査方式において、各副走査送
り後の主走査時に各ノズルで記録される有効ラスタ番号
を示している。図22(B)の左端には、ノズル番号#0
〜#7が示されており、その右側には、0回目から7回
目の副走査送りの後に、これらのノズルが有効記録範囲
の何番目のラスタを記録するかが数字で示されている。
例えば、0番目の副走査送り後の主走査(すなわち有効
記録範囲を記録するための最初の主走査)では、ノズル
#5〜#7が、それぞれ1番目、5番目、および9番目
の有効ラスタを記録する。また、1番目の副走査送り後
の主走査では、ノズル#3〜#7が、3番目、7番目、
11番目、15番目、および19番目の有効ラスタを記録す
る。ここで、「有効ラスタ」とは、有効記録範囲の中の
ラスタという意味である。 図22(B)において、一回の主走査で記録される有効
ラスタの番号は、ノズルピッチk(=4)だけそれぞれ
離れていることが解る。従って、1サイクルの走査で
は、n×k本(すなわち32本)のラスタが記録される。
但し、ノズルはノズルピッチkずつ離れているので、図
21からも解るように、1サイクルで32本の連続したラス
タが記録されるわけではない。図22(B)からは、有効
記録範囲の最初の32本のラスタが、どのノズルで記録さ
れるかが理解できる。 なお、図22(B)において、括弧で囲まれた数字で示
される有効ラスタ番号は、これと走査条件の上で等価な
位置にあるラスタが、その前のサイクルで記録されてい
ることを示している。すなわち、図22(B)のかっこ内
の数字から32を引いた値が、これと等価なラスタを示す
番号である。例えば、ノズル#0で記録される有効ラス
タ番号36は、有効ラスタ番号4のラスタと走査条件の上
で等価な位置にあるラスタである。 図23は、第1の走査方式において、各有効ラスタを記
録するノズル番号を示している。図23の左端の1〜31の
数字は有効ラスタ番号を示している。また、図23の右端
には、各副走査送り後の主走査において8個のノズル#
0〜#7が記録する有効ラスタの位置が示されている。
例えば、0番目の副走査送り後の主走査では、ノズル#
5〜#7が、それぞれ1番目、5番目、および9番目の
有効ラスタを記録する。図23と、図22(B)とを比較す
れば、有効ラスタとノズル番号との関係がより明瞭に理
解できる。 図23の左から2番目の欄に記された「・」、「×」、
「↑」、および「↓」の4種類の記号は、各ラスタが記
録される時に、その前後に隣接するラスタが既に記録さ
れているか否かを示している。これらの各記号の意味は
次の通りである。 ↓:自分よりひとつ後のラスタだけが既に記録されてい
る。 ↑:自分よりひとつ前のラスタだけが既に記録されてい
る。 X:自分の前後の両ラスタが既に記録されている。 ・:自分の前後のラスタがどちらもまだ記録されていな
い。 上記のような、各ラスタが記録する際の前後のラスタ
の記録の有無は、記録されるラスタの画質に影響を与え
る。このような画質への影響は、隣接する既に記録され
たラインのインクの乾燥の程度や、副走査送りの誤差等
に起因するものである。上記の4種類の記号のパターン
が比較的大きな周期的で印刷紙上に現れると、画像全体
の画質を劣化させる原因となることがある。但し、図23
に示す第1の走査方式では、4種類の記号のパターンが
あまり大規模な周期性を示していないので、このような
原因による画質の劣化は少なく、比較的良好な画質を有
する画像を記録することができると期待される。 図23の左から3番目の欄には、前後のラスタが記録さ
れてからそのラスタが記録されるまでの間に、最大でい
くつの副走査送りが行われたかを示す値Δが示されてい
る。この値Δを、以下では「副走査送り回数差」と呼
ぶ。例えば、2番目の有効ラスタは2回目の副走査後に
ノズル#1で記録されるが、1番目のラスタは0回目の
副走査後にノズル#5で記録され、3番目のラスタは1
回目の副走査後にノズル#3で記録される。従って、2
番目のラスタの副走査送り回数差Δは2である。同様
に、4番目のラスタは、5番目のラスタが記録されてか
ら3回の副走査送りの後に記録されるので、その副走査
送り回数差Δは3である。 1サイクルにはk(=4)回の副走査送りが含まれて
いるので、副走査送り回数差Δは、0〜kの範囲の値を
取り得る。第1の走査方式では、副走査送り回数差Δの
最大値が3であり、その可能な上限値k(=4)よりも
小さいことが解る。 ところで、副走査送りは、ドットピッチの整数倍に等
しい量で厳密に行われることが理想的であるが、実際に
は多少の送り誤差を含んでいる。また、副走査送りの誤
差は、副走査送りの度に累積される。従って、隣接する
2本のラスタを記録する間に多数回の副走査送りを行う
と、それらの2本のラスタの間に副走査送りの累積誤差
による位置ずれが発生する。前述したように、図23に示
す副走査送り回数差Δは、隣接するラスタが記録される
間に行われる副走査の回数を示している。従って、副走
査送りの誤差が累積されるのを防止して、隣接するラス
タの記録位置のずれを小さくするという意味からは、こ
の副走査送り回数差Δが小さいほど好ましい。図23に示
す第1の走査方式では、副走査送り回数差Δが3以下で
あり、その上限値である4よりも小さいので、この点か
らも好ましい画像を記録することができる。 以上のような第1の走査方式は、前述した第1の実施
形態において印刷ヘッド2(図9)を駆動する方式とし
て適用することもでき、また、第2の実施形態において
印刷ヘッド11(図14)を駆動する方式として適用するこ
ともできる。但し、第1の走査方式における走査パラメ
ータは、1組のノズル群(第1の実施形態における偶数
ノズル群または奇数ノズル群)に関するものであること
に注意すべきである。上述した第1と第2の実施形態の
ドット記録方法は、1画素を形成する方法自体に特徴が
あるので、走査方式における副走査送り量Lの設定や、
同一ラスタ上の各画素の記録順序が異なる場合にも、第
1と第2の実施形態を任意に適用することが可能であ
る。第1と第2の実施形態は、以下に説明する各種の走
査方式にも同様に適用可能である。 図24は、複数種類の副走査送り量を用いた第2の走査
方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有
効ラスタ番号とを示す説明図である。第2の走査方式で
は、ノズルピッチkが8ドットであり、また、使用ノズ
ル個数nは16個である。また、スキャン繰り返し数sは
1である。第2の走査方式も、第1の走査方式と同様
に、「ノズルピッチkと使用ノズル個数nとが互いに素
でない2以上の整数である」という第1の特徴と、「副
走査送り量Lとして互いに異なる複数の値が使用されて
いる」という第2の特徴とを有している。 図25は、第2の走査方式において各有効ラスタを記録
するノズル番号を示す説明図である。この第2の走査方
式は、各ラスタが記録する際の前後のラスタの記録の有
無を示す記号@のパターンがあまり大きな周期を示して
いないので、比較的良好な画質を実現できると期待でき
る。また、副走査送り回数差Δが3または5であり、可
能な上限値である8よりもかなり小さいなので、副走査
送りの累積誤差を小さくするという点からも好ましい画
像を記録することができることが解る。 ところで、第2の走査方式は、上述したの2つの特徴
の他に、副走査送り量Lの値に関してもう一つの特徴が
ある。すなわち、第2の走査方式では、図24(A)のテ
ーブルに示すように、副走査送り量Lの値が13と21であ
り、これらの副走査送り量LのオフセットG(=L%
k)が一定である。このオフセットGは、副走査送り後
の複数のノズルの周期的な位置が、副走査前のノズルの
周期的な位置からずれるずれ量(すなわち位相のずれ)
を意味している。例えばオフセットGがゼロであれば
(すなわち副走査送り量Lがノズルピッチkの整数倍で
あれば)、副走査送り後のノズルの周期的な位置が、副
走査送り前のノズルの周期的な位置と重なってしまうの
で、これを避けるために、通常はオフセットGがゼロに
なることはない。副走査送り量LのオフセットGが一定
であれば、ノズルの配列の周期性から見たときに、ノズ
ルが副走査方向に一定のずれ量で送られることを意味し
ている。例えば、オフセットGが1であれば、副走査送
り前のノズルの位置よりも位相が1ラスタ分下にずれた
位置にノズルが配置される。 副走査送り量LのオフセットGの値はゼロになること
はない。さらに、オフセットGの定義から解るように、
オフセットGの値はノズルピッチk未満の値である。特
にオフセットGが一定の場合には、そのオフセットGの
値は、ノズルピッチkと互いに素の関係にある整数が選
ばれる。この理由は、上述した条件c2'「1サイクル中
の各回の副走査送り後のノズルのオフセットFは、0〜
(k−1)の範囲の値であって、それぞれの値がs回ず
つ繰り返される。」を満足するようにするためである。
副走査送り量LのオフセットGが一定の場合の好ましい
値は、以下のような事項を考慮して決定される。 図26は、オフセットGが1で一定である場合の走査方
式の一例を示している。この例では、ラスタ9が有効記
録範囲に入るための最初の副走査送りの後に記録され、
ラスタ8はそれから7回の副走査送りの後に記録されて
いる。従って、これらの2つのラスタの間には、k回分
の副走査送り誤差が累積される。ラスタ18と17も同様な
関係にある。従って、副走査送り誤差の累積を防止する
という観点からは、副走査送り量LのオフセットGが1
以外の値になるように、副走査送り量Lを設定すること
が好ましい。オフセットGの値が(k−1)の場合に
も、G=1の場合と同様に、副走査送り誤差がk回分累
積されてしまう。従ってオフセットGは(k−1)以外
の値が好ましい。 なお、図26では、各ラスタが記録する際の前後のラス
タの記録の有無を示す記号@のパターンが、かなり大き
な周期を示している。記録された画像には、この大きな
周期の模様が観察される可能性がある。このような周期
的な模様の発生を防止するという観点からも、オフセッ
トGが一定の場合の値は、1および(k−1)以外の値
にすることが好ましい。 以上の種々の事項を考慮すると、副走査送り量Lのオ
フセットが一定の場合に、オフセットGとしては、ノズ
ルピッチkと互いに素であり、かつ、2〜(k−2)の
範囲の値が好ましい。図27は、種々のノズルピッチkと
副走査送り量オフセットGの好ましい値との関係を示す
説明図である。図27に示した値は、いずれも上述した好
ましいオフセットGの条件を満足している。 なお、オフセットGが1または(k−1)の場合に
は、隣接するラスタが連続して記録されることになる。
この場合には、記録された直後のラスタのインクが乾く
前に、その隣りのラスタの記録が行われるので、インク
の滲みが発生しやすい傾向にある。これは、オフセット
Gが一定値の場合に限らず、各副走査送り量Lのオフセ
ットGが異なる場合にも同様な現象が生じる。従って、
インクの滲みを防止するという観点からは、副走査送り
量LのオフセットGが一定であるか否かに係わらず、そ
のオフセットGが1および(k−1)以外の値になるよ
うに副走査送り量Lを設定することが好ましい。 このように、第2の走査方式では、副走査送り量Lと
して複数種類の値(13と21)を使用しており、かつ、副
走査送り量LのオフセットGが一定の好ましい値となる
ようにすることによって、副走査送り誤差が累積するこ
とを防止している。従って、画質の良い画像を記録する
ことができる。 図28は、複数種類の副走査送り量を用いた第3の走査
方式における走査パラメータと各ノズルで記録される有
効ラスタ番号とを示す説明図である。この第3の走査方
式は、図24に示す第2の走査方式と副走査送り量Lが異
なるだけである。第3の走査方式も、第2の走査方式と
同様に、「ノズルピッチkと使用ノズル個数nとが互い
に素でない2以上の整数である」という第1の特徴と、
「副走査送り量Lとして互いに異なる複数の値が使用さ
れている」という第2の特徴とを有している。また、副
走査送り量LのオフセットG(=L%k)が一定である
という第3の特徴も有している。前述した図27にも示さ
れているように、第3の走査方式における副走査送り量
LのオフセットGの値(=5)も、オフセットGとして
特に好ましい値である。 図29は、第3の走査方式において各有効ラスタを記録
するノズル番号を示す説明図である。この第3の走査方
式は、図25に示す第2の走査方式と同様に、各ラスタが
記録する際の前後のラスタの記録の有無を示す記号@の
パターンがあまり大きな周期を示していないので、比較
的良好な画質を実現できると期待できる。また、副走査
送り回数差Δが3または5であり、可能な上限値である
8よりもかなり小さいなので、副走査送りの累積誤差を
小さくするという点からも好ましい画像を記録すること
ができることが解る。 このように、第3の走査方式は、第2の走査方式とほ
ぼ同様な種々の特徴を有しているので、第2の走査方式
と同様に画質の良い画像を記録することができる。 図30は、複数種類の副走査送り量を用いた第4の走査
方式における走査パラメータを示す説明図である。第4
の走査方式では、ノズルピッチkが8ドットであり、ま
た、使用ノズル個数nは32個である。また、スキャン繰
り返し数sは2であり、実効ノズル個数neffは16個で
ある。上述した図28に示す第3の走査方式のパラメータ
と比較すれば解るように、第4の走査方式は、第3の走
査方式においてスキャン繰り返し数sを2に設定すると
ともに使用ノズル数nを2倍にして、実効ノズル数nef
fを第3の走査方式と同じ値に保ったものである。第4
の走査方式は、ノズルピッチkと実効ノズル個数neff
が第3の走査方式と同じなので、副走査送り量Lも第3
の走査方式と同じ値を使用することができる。但し、図
30のテーブルに示した8回の副走査送りでは、同じラス
タを1回ずつしか記録できないので、隙間無くドットを
記録するためには、さらに8回の副走査送りが行われ
る。すなわち、図30のテーブルに示す8回の副走査送り
は、前述した図20(A)における小サイクルに相当す
る。 図31は、第4の走査方式において各ノズルで記録され
る有効ラスタ番号とを示す説明図である。図31は、前述
した図28に示す第3の走査方式のものとほぼ同様である
が、マイナス番号のラスタは、主走査方向に1ドットだ
けずれた位置にドットが記録されることを意味してい
る。図32は、第4の走査方式において各有効ラスタを記
録するノズル番号を示す説明図である。図32において
は、マイナス番号のノズルは、主走査方向に1ドットだ
けずれた位置にドットを記録することを意味している。
この図から解るように、同じラスタ上に、異なる番号の
2つのノズルが位置決めされ、そのラスタ上では各ノズ
ルが主走査方向に1ドットずつずれた位置にドットを記
録する。この結果、有効記録範囲のすべてのドットを記
録することが可能である。なお、一般には、同一のラス
タ上に異なるs個(sはスキャン繰り返し数)が位置決
めされ、そのラスタ上ではs個の各ノズルが主走査方向
に互いにずれた位置にドットを記録する。 第4の走査方式は、スキャン繰り返し数s以外は第3
の走査方式と同様な特徴を有しているので、第3の走査
方式と同様に画質の良い画像を記録することができる。 上述した各種の走査方式の説明では、1色の走査方式
に関して説明したが、各色について上述の走査方式を適
用することによって、複数色を用いたカラー印刷を実現
することができる。 この発明はカラー印刷だけでなくモノクロ印刷にも適
用できる。また、1画素を複数のドットで表現すること
により多階調を表現する印刷にも適用できる。また、ド
ラムスキャンプリンタにも適用できる。尚、ドラムスキ
ャンプリンタでは、ドラム回転方向が主走査方向、キャ
リッジ走行方向が副走査方向となる。また、この発明
は、インクジェットプリンタのみでなく、一般に、複数
のドット形成要素アレイを有する記録ヘッドを用いて記
録媒体の表面に記録を行うドット記録装置に適用するこ
とができる。ここで、「ドット形成要素」とは、インク
ジェットプリンタにおけるインクノズルのように、ドッ
トを形成するための構成要素を意味する。 上記実施例において、ハードウェアによって実現され
ていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにし
てもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた
構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよ
い。例えば、カラープリンタ22の制御回路40(図2)の
機能を、コンピュータ90が実行するようにすることもで
きる。この場合には、プリンタドライバ96等のコンピュ
ータプログラムが、制御回路40における制御と同じ機能
を実現する。 このような機能を実現するコンピュータプログラム
は、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読
み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。
コンピュータシステム90は、その記録媒体からコンピュ
ータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記
憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログ
ラム供給装置からコンピュータシステム90にコンピュー
タプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュー
タプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に
格納されたコンピュータプログラムがコンピュータシス
テム90のマイクロプロセッサによって実行される。ま
た、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコ
ンピュータシステム90が直接実行するようにしてもよ
い。 この明細書において、コンピュータシステム90とは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。コンピュータプロ
グラムは、このようなコンピュータシステム90に、上述
の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部
は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーショ
ンシステムによって実現されていても良い。 なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可
能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROM
のような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等
のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等
のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んで
いる。 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、3
値出力時には、予め形成されたドット上に新たにインク
を吐出することで、より大径の真円状のドットが形成さ
れる。これにより、複雑な制御を必要とすることなく、
バンディングの発生を抑え、高品位な多値出力を行うこ
とができる。 また、濃度の異なるドットを重ねて形成することによ
り、より一層細やかな多値出力を行うことができる。 産業上の利用可能性 この発明にかかるインクジェットプリンタは、ピエゾ
素子やヒータなどの種々のアクチュエータを利用してイ
ンクを噴出するプリンタに適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−218850(JP,A) 特開 昭58−194544(JP,A) 特開 昭58−179655(JP,A) 特開 昭64−30757(JP,A) 特開 昭60−262663(JP,A) 特開 昭61−108254(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/205

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のノズルを有する印刷ヘッドと、前記
    印刷ヘッドを印刷媒体に対して所定の主走査方向に駆動
    する主走査駆動部と、前記印刷媒体を主走査方向に対し
    て直交する副走査方向に搬送するように駆動する副走査
    駆動部と、前記主走査駆動部及び前記副走査駆動部を制
    御して前記印刷ヘッドを所定位置に位置させる駆動部制
    御部と、多値階調情報を含む印刷イメージデータを格納
    するデータ格納部と、前記データ格納部に格納される印
    刷イメージデータに基づいて前記印刷媒体にインクを吐
    出すべく前記印刷ヘッドに通電する印刷ヘッド駆動部と
    を備え、 前記印刷ヘッドは同一色のドットをそれぞれ形成するた
    めの複数のノズル群を備えており、各ノズル群が前記印
    刷媒体上の有効記録範囲の全画素をそれぞれ記録し得る
    ように前記印刷ヘッドが駆動され、 前記印刷ヘッド駆動部は、前記複数のノズル群を用いて
    ドットを同一位置に重ね得るように前記印刷ヘッドを駆
    動することによって多値レベルを表す多値ドットを形成
    する多値出力モードを有し、 前記複数のノズル群は、副走査方向にノズル間隔k・d
    (kは2以上の整数、dはドットピッチ)で配列された
    N個(Nは正の整数)のノズルをそれぞれ有しており、
    印刷に使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以
    下の正の整数)のとき、kとnとが互いに素となる関係
    にあることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】複数のノズルを有する印刷ヘッドと、前記
    印刷ヘッドを印刷媒体に対して所定の主走査方向に駆動
    する主走査駆動部と、前記印刷媒体を主走査方向に対し
    て直交する副走査方向に搬送するように駆動する副走査
    駆動部と、前記主走査駆動部及び前記副走査駆動部を制
    御して前記印刷ヘッドを所定位置に位置させる駆動部制
    御部と、多値階調情報を含む印刷イメージデータを格納
    するデータ格納部と、前記データ格納部に格納される印
    刷イメージデータに基づいて前記印刷媒体にインクを吐
    出すべく前記印刷ヘッドに通電する印刷ヘッド駆動部と
    を備え、 前記印刷ヘッドは同一色のドットをそれぞれ形成するた
    めの複数のノズル群を備えており、各ノズル群が前記印
    刷媒体上の有効記録範囲の全画素をそれぞれ記録し得る
    ように前記印刷ヘッドが駆動され、 前記印刷ヘッド駆動部は、前記複数ノズル群を用いてド
    ットを同一位置に重ね得るように前記印刷ヘッドを駆動
    することによって多値レベルを表す多値ドット形成する
    多値出力モードを有し、 前記複数のノズル群は、各々N個(Nは正の整数)のノ
    ズルがノズル間隔2k・d(kは2以上の整数、dはドッ
    トピッチ)で形成された偶数ノズル列及び奇数ノズル列
    を含み、前記偶数ノズル列と奇数ノズル列とは互いに主
    走査方向に所定間隔ずれた位置に配置されており、 前記偶数ノズル列と奇数ノズル列のそれぞれにおいて印
    刷に使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以下
    の正の整数)のとき、2kとnとが互いに素となる関係に
    あることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記印刷ヘッド駆動部は、前記多値ドット
    がほぼ円形になるように前記複数の同一色のドットを重
    ねる、請求項1または2記載のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】前記同一色のドットは、濃度が比較的低い
    第1の濃淡ドットと、濃度が比較的高い第2の濃淡ドッ
    トとを含み、 前記多値レベルは、前記第1の濃淡ドットで得られる第
    1の階調レベルと、前記第2の濃淡ドットで得られる第
    2の階調レベルと、前記第1の濃淡ドットと前記第2の
    濃淡ドットとを重ねることによって得られる第3の階調
    レベルと、を含み、 前記複数のノズル群は、前記第1と第2の濃淡ドットに
    関してそれぞれ少なくとも1つのノズル群を含んでい
    る、 請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記複数のノズル群は、前記第1と第2の
    濃淡ドットの少なくとも1つに関して、前記有効記録範
    囲の全画素をそれぞれ記録し得る少なくとも2つのノズ
    ル群を備えており、 前記多値レベルは、さらに、前記少なくとも2つのノズ
    ル群を用いて複数の同一の濃淡ドットを重ねる階調レベ
    ルを含む、 請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】前記複数のノズル群は、前記第1と第2の
    濃淡ドットのそれぞれに関して、前記有効記録範囲の全
    画素をそれぞれ記録し得る少なくとも2つのノズル群を
    それぞれ備えており、 前記多値レベルは、さらに、前記第1の濃淡ドットを複
    数個重ねる第4の階調レベルと、前記第2の濃淡ドット
    を複数個重ねる第5の階調レベルとを含む、 請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】前記データ格納部は、同一のインクに対す
    る印刷イメージデータの各画素情報を1ビット単位に保
    持するデータブロックを複数組備え、各組のデータブロ
    ック内の1ビットの印刷イメージデータを対応する前記
    ノズル群用のデータとするように、前記複数組のデータ
    ブロックと前記複数のノズル群とが対応付けられてい
    る、 請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】前記駆動部制御部は、前記副走査駆動部の
    搬送量をnドットの一定値とする媒体搬送動作モードを
    備える、 請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】前記駆動部制御部は、複数回の副走査の際
    の搬送量として複数の異なる値を組み合わせて使用す
    る、 請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】前記印刷ヘッドは、前記同一色ドットの
    ための複数回のインク滴の吐出をそれぞれ異なる主走査
    において実行する、 請求項1、2または9記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】同一色のドットをそれぞれ形成するため
    の複数のノズル群を有する印刷ヘッドを備える印刷部を
    制御するコンピュータに用いられ、前記印刷ヘッドを用
    いて印刷媒体上にドットの形成を行わせるためのコンピ
    ュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体であって、 印刷イメージデータに基づいて前記印刷媒体へのインク
    滴の吐出を制御する印刷ヘッド駆動機能をコンピュータ
    に実現させるコンピュータプログラムを記録した記録媒
    体であり、 前記印刷ヘッド駆動機能は、前記複数のノズル群を用い
    てドットを同一位置に重ねることによって多値レベルを
    表す多値ドットを形成する多値出力モードを有し、 前記複数のノズル群は、副走査方向にノズル間隔k・d
    (kは2以上の整数、dはドットピッチ)で配列された
    N個(Nは正の整数)のノズルをそれぞれ有しており、
    印刷に使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以
    下の正の整数)のとき、kとnとが互いに素となる関係
    に設定されることを特徴とするコンピュータ読み取り可
    能な記録媒体。
  12. 【請求項12】同一色のドットをそれぞれ形成するため
    の複数のノズル群を有する印刷ヘッドを備える印刷部を
    制御するコンピュータに用いられ、前記印刷ヘッドを用
    いて印刷媒体上にドットの形成を行わせるためのコンピ
    ュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体であって、 印刷イメージデータに基づいて前記印刷媒体へのインク
    滴の吐出を制御する印刷ヘッド駆動機能をコンピュータ
    に実現させるコンピュータプログラムを記録した記録媒
    体であり、 前記印刷ヘッド駆動機能は、前記複数のノズル群を用い
    てドットを同一位置に重ね得るように前記印刷ヘッドを
    駆動することによって多値レベルを表す多値ドットを形
    成する多値出力モードを有し、 前記複数のノズル群は、各々N個(Nは正の整数)のノ
    ズルがノズル間隔2k・d(kは2以上の整数、dはドッ
    トピッチ)で形成された偶数ノズル列及び奇数ノズル列
    を含み、前記偶数ノズル列と奇数ノズル列とは互いに主
    走査方向に所定間隔ずれた位置に配置されており、 前記偶数ノズル列と奇数ノズル列のそれぞれにおいて印
    刷に使用するノズル数が副走査方向でn個(nはN以下
    の正の整数)のとき、2kとnとが互いに素となる関係に
    設定されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。
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