JP3486036B2 - 内燃機関の空燃比制御装置及びその装置に用いられるセンサ - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置及びその装置に用いられるセンサ

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JP3486036B2
JP3486036B2 JP00234396A JP234396A JP3486036B2 JP 3486036 B2 JP3486036 B2 JP 3486036B2 JP 00234396 A JP00234396 A JP 00234396A JP 234396 A JP234396 A JP 234396A JP 3486036 B2 JP3486036 B2 JP 3486036B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関、特に小
型船舶、小型発電機、芝刈機等に使用される汎用エンジ
ン等、温度や流速があまり大きく変化しない排ガスを排
出する内燃機関の空燃比制御装置及び該装置に使用され
るセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば芝刈機には、小型の汎
用エンジンが使用されている。この種のエンジンは、通
常、複雑な電子制御装置を備えておらず、自動車用エン
ジンに比べると構造が簡単であるが、その扱いが容易な
ことから、各種の機器の駆動源として多く使用されてい
る。
【0003】また、自動車用エンジンに関しては、排ガ
スの基準が厳しく設定されているので、排ガス中の酸素
濃度を検出する酸素センサ等を使用して、排ガス中のC
OやHC等を低減する制御が行われているが、芝刈機等
に使用されている汎用エンジンについては、特にその様
な制御が行われていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年では、
環境を良好に維持するという観点から、自動車用エンジ
ンに限らず、他の汎用エンジンに関しても、排ガスを浄
化してCOやHC等を低減するために、排ガスの対策が
要求される様になっている。特に、この種の汎用エンジ
ンは、使用環境や使用条件は自動車用エンジンに比べて
限られており、一般的に小型で低価格なものが多いの
で、排ガス対策もできる限り低コストで実現できるもの
が望まれている。
【0005】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、内燃機関に対し、簡単な構造で排ガス
を浄化することができる内燃機関の空燃比制御装置及び
その装置に用いられるセンサを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明は、内燃機関の排ガス中の酸素濃度を
検出するセンサと、該センサの出力に応じて、前記内燃
機関の空燃比を所定値にフィードバック制御する制御部
と、を備え、前記センサの検出素子として、前記酸素濃
度及び温度に応じて抵抗が変化する抵抗変化型金属酸化
物の半導体を用いるとともに、温度補償を行わずに前記
検出素子の温度変化に起因する抵抗変化を前記センサの
出力として取り出し、この出力に基づいて前記空燃比の
制御を行なうことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装
置を要旨とする。
【0007】ここで、抵抗変化型金属酸化物の半導体か
らなる検出素子としては、N型半導体である例えばTi
2、SnO2、Nb25、CeO2や、P型半導体であ
る例えばNiO、CoOを用いることができる。空燃比
のフィードバック制御とは、センサ出力に応じてエンジ
ンの空燃比を調整する装置(例えば弁、インジェクタ)
の状態を自動的(例えばON−OFF制御、PI制御、
PID制御)に変化させることを意味し、理論空燃比
(ストイキ)近傍を目標とする空燃比(若干リッチ側)
に制御しようとする手段が挙げられる。
【0008】請求項2の発明は、前記検出素子の抵抗変
化に基づく前記センサの出力の変化を素子温度の変化と
して捉え、該素子温度に基づいて前記内燃機関の空燃比
の制御の時期を調節することを特徴とする前記請求項1
記載の内燃機関の空燃比制御装置を要旨とする。
【0009】請求項3の発明は、前記センサの出力に基
づいて、所定期間にわたり前記内燃機関の平均の空燃比
がリッチ側になるように制御することを特徴とする前記
請求項1又は2記載の内燃機関の空燃比制御装置を要旨
とする。
【0010】請求項4の発明は、前記センサの出力に基
づいて、前記素子温度が第1の所定値以下の低温と判断
される場合には、該センサに基づく前記内燃機関の空燃
比制御を停止することを特徴とする前記請求項1〜3の
いずれか記載の内燃機関の空燃比制御装置を要旨とす
る。
【0011】請求項5の発明は、前記センサの出力に基
づいて、前記素子温度が第2の所定値以上の高温と判断
される場合には、該センサに基づく前記内燃機関の空燃
比制御を停止することを特徴とする前記請求項1〜4の
いずれか記載の内燃機関の空燃比制御装置を要旨とす
る。
【0012】尚、第1の所定温度<第2の所定温度であ
り、第1の所定温度としては、例えば450℃近傍、第
2の所定温度としては、例えば550℃近傍が挙げられ
る。請求項6の発明は、前記空燃比制御を所定期間停止
してオープンループ制御とし、その際のセンサ出力から
素子温度を検出することを特徴とする前記請求項1〜5
のいずれか記載の内燃機関の空燃比制御装置を要旨とす
る。
【0013】前記オープンループ制御の場合、内燃機関
では、所定の出力を維持するために、通常、リッチ側に
制御される。請求項7の発明は、センサ自身の素子温度
が所定温度範囲の場合には、空燃比のオープンループ制
御を空燃比のフィードバック制御に切り替える内燃機関
の空燃比制御装置に使用されるセンサであって、前記セ
ンサの検出素子として、温度及び酸素濃度に応じて抵抗
が変化する抵抗変化型金属酸化物の半導体を用いるとと
もに、前記検出素子の温度変化に起因する抵抗変化を温
度補償を行なわずにセンサの出力として取り出すことを
特徴とする内燃機関の空燃比制御装置に用いられるセン
サを要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
a)従来の温度が広い範囲で変化したり流速が大きく変
化する排ガスを排出する内燃機関(エンジン)では、空
燃比制御に用いるセンサの検出素子として、排ガスの酸
素濃度に応じて抵抗が変化する例えばチタニア(TiO
2)からなる検出素子を用いているが、図1に示す様
に、このチタニアは素子温度に応じて抵抗が変化してし
まうので、例えばサーミスタ等を用いて(温度依存性を
なくする様に)温度補償を行なっている。
【0015】これに対し、本発明に使用するセンサにお
いては、その様な温度補償を行なうのではなく、積極的
にチタニア等の素子の温度依存性を利用し、素子の温度
による抵抗の変化をセンサの出力に反映させている。例
えば、図2に示す様に、素子に直列に配置した抵抗Rc
の両端の電圧をセンサ出力として取り出すタイプのセン
サにおいて、図1に示す様に、素子の抵抗がR0の場合
のセンサ出力を基準電圧V0とすると、そのセンサ出力
の波形(制御波形)は、図3(a)に示す各温度TL,
T0,THにおいて、図3(b),(c),(d)に示す
ものとなる。尚、図3(a)の3本のグラフにおいて、
上方ほど抵抗Rcが大の状態であることを示している。
【0016】つまり、図3に示す様に、素子温度が低い
場合(TL)には、センサ出力である電圧は低くなるの
で、基準電圧V0を挟んで燃料リッチを示す高い電圧VR
の期間が短くなり、逆に燃料リーンを示す低い電圧VL
の期間が長くなる。また、素子温度が例えば500℃近
傍の中程度の場合(T0)には、リッチを示す高い電圧
VRの期間とリーンを示す低い電圧VLの期間とがほぼ等
しくなる。更に、素子温度が高い場合(TH)には、リ
ッチを示す高い電圧VRの期間が長くなり、リーンを示
す低い電圧VLの期間が短くなる。
【0017】この様に素子温度に応じてセンサ出力が変
化するため、このセンサ出力に基づいて、燃料混合気の
濃度を調節して空燃比をフィードバック制御しようとす
ると、特定空燃比が得られることとなる。例えば素子温
度が低い場合(TL)には、実際の空燃比(制御空燃
比)をリッチ側(例えば図3(a)のλR)にずらすこ
とが可能である。つまり、センサ出力を見る限りでは、
たとえ同じ濃度の燃料混合気が供給されている場合で
も、素子温度が低い場合には、上述の如く、センサ出力
VR,VLと基準電圧V0との関係から、排ガスの空燃比
がリーンの状態であることを示すので、このリーンを示
すセンサ出力に応じて、図3(c)の様なセンサ出力と
なるまで、燃料を多く供給すると、結果として、リッチ
に制御されることになる。同様なことは、素子温度が高
い場合にも言え、フィードバック制御した場合は制御空
燃比をリーン側にずらすことが可能となる。
【0018】本発明は、こうした温度補償を行わない抵
抗変化型の素子を用い、その性質を積極的に用いて内燃
機関の制御を行なうものである。 b)請求項1の発明では、内燃機関の排ガス中の酸素濃
度を検出するためのセンサの検出素子として、温度依存
性のある抵抗変化型金属酸化物の半導体をそのまま用い
る。そして、この検出素子の抵抗変化を温度補償を行わ
ずにセンサ出力として取り出し、このセンサ出力に基づ
いて内燃機関の空燃比のフィードバック制御を行なう。
【0019】つまり、本発明は、抵抗変化型金属酸化物
の半導体からなる検出素子には温度依存性があることを
活かしたものであり、上述した様に、センサ出力に基づ
いてフィードバック制御することにより、図4に示す様
に、フィードバック制御を行なう(実線で示す)中温域
において、低温側(例えば450℃よりやや高温)では
実際の空燃比をリッチ側とすることができ、中温付近
(例えば500℃近傍)から高温側(例えば550℃よ
りやや低温)にゆくに従って徐々にストイキ或はリーン
側に制御することができる。従って、簡易な構成のセン
サを用いて、低温側ではややリッチ側に制御して(ある
程度の浄化を行いつつ)大きな出力を確保でき、中温か
ら高温側にかけてはストイキ或はリーン側に制御して排
ガスの浄化を実現することができる。
【0020】請求項2の発明では、検出素子の抵抗変化
に基づくセンサの出力の変化を素子温度の変化として捉
え、この素子温度に基づいて内燃機関の空燃比の制御の
時期を調節する。つまり、抵抗変化型金属酸化物の半導
体からなる検出素子には温度依存性があるので、検出素
子の抵抗変化から素子温度を検出することができる。従
って、センサ出力から(排ガスの温度を示す)素子温度
を判断し、必要に応じて、例えば空燃比のフィードバッ
ク制御をオープンループ制御に切り替えるタイミングを
調節することにより、エンジン出力重視か或は排ガスの
浄化重視か等の適切な内燃機関の制御を行なうことがで
きる。
【0021】請求項3の発明では、センサ出力に基づい
て、所定期間にわたり内燃機関の平均の空燃比をリッチ
側に制御している。例えば図4のフィードバック制御に
切り替えてから、例えば500℃近傍までの所定の温度
範囲にある場合には、内燃機関の空燃比をリッチ側に制
御している。
【0022】つまり、低温時にリッチ側に設定するオー
プンループ制御から、空燃比のフィードバック制御に切
り替えた場合に、温度がそれほど高くない間は、空燃比
を(オープンループ時の空燃比よりはストイキに近い
が)リッチ側としているので、ある程度の浄化能力を発
揮できるとともに、十分なエンジン出力を確保すること
ができる。
【0023】請求項4の発明では、センサ出力から素子
温度が分かるので、図4に示す様に、素子温度が(例え
ば450℃近傍の)第1の所定値以下の低温域の場合、
即ち、センサ出力では、例えばリッチ側出力VR<70
0mVの場合では、内燃機関の空燃比のフィードバック
制御を停止し、例えばオープンループ制御に切り替えて
いる。
【0024】従って、低温時においては、通常エンスト
等が起き易いが、その様な場合でも十分なエンジン出力
を確保することができる。請求項5の発明では、センサ
出力から素子温度が分かるので、図4に示す様に、素子
温度が(例えば550℃近傍の)第2の所定値以上の高
温域の場合、即ち、センサ出力では、例えばリーン側出
力VL>200mVの場合では、内燃機関の空燃比のフ
ィードバック制御を停止し、例えばオープンループ制御
に切り替えている。
【0025】つまり、素子温度がかなり高くなる様な状
態は、内燃機関が過熱している状態であると考えられる
ので、その様な場合は、例えばストイキへの空燃比フィ
ードバック制御を一旦停止して、オープンループの制御
にて空燃比をリッチ側に設定することにより、燃料を増
加させ、燃料の気化熱等により内燃機関の温度を低下さ
せることができる。
【0026】請求項6の発明では、空燃比制御を所定期
間停止してオープンループ制御にし、その際のセンサ出
力から素子温度を検出している。つまり、内燃機関にお
いては、通常オープンループ制御において供給される燃
料混合気の空燃比は、リッチ側となる様にほぼ一定に設
定されており、しかも一定の空燃比の場合には、検出素
子の抵抗は素子温度に対応したものとなるので、本発明
の様に、空燃比制御を停止してオープンループ制御とす
ることにより、センサ出力から素子温度、ひいては排ガ
スの温度を検出することができる。
【0027】請求項7の発明では、空燃比制御装置に使
用されるセンサの検出素子として、温度依存性のある抵
抗変化型金属酸化物の半導体をそのまま用いるととも
に、サーミスタ等の温度補償を行なう構成を設けていな
い。従って、簡易な構成で、温度が上昇するに従って、
リッチからストイキへの空燃比の制御を行なうことがで
きる。特に、上述したセンサを用いた制御を行なう場合
には、温度変化に応じて実際の空燃比が滑らかに変化す
るので、振動等の変動が少なく、例えば芝刈機等の汎用
エンジンの操作感が向上するという利点がある。
【0028】
【実施例】本発明の内燃機関の空燃比制御装置の実施例
について説明する。 a)まず、本実施例の例えば芝刈機等に使用される汎用
エンジンの空燃比制御装置(以下単に空燃比制御装置と
記す)の構成について説明する。
【0029】図5に、本実施例の空燃比制御装置の概略
構成を示すが、本実施例では、汎用エンジン1の排気管
7に取り付けられた酸素センサ9の信号を、センサ信号
処理回路11で処理し、この処理結果に基づいて電磁弁
駆動回路13から駆動信号を出力し、該駆動信号に基づ
いてキャブレタ3のニードル電磁弁5を駆動して、空燃
比を調節する。また、制御切換回路14により、排ガス
の温度に応じて、制御状態を空燃比フィードバック制御
又はオープンループ制御に切り替える。
【0030】前記酸素センサ9は、検出素子として、抵
抗変化型金属酸化物からなる半導体であるチタニアを使
用しており、その抵抗がストイキにて急変するタイプの
センサである。この酸素センサ9は、図6にその構造を
示す様に、(図示しない検出素子用電極を配した)アル
ミナ基板11の先端にチタニアからなる検出素子13を
設けた検出部15を、主体金具17内にてセラミックホ
ルダ19によって保持している。また、酸素センサ9の
基端側(図の上方)には、内筒21及び外筒23が取り
付けられており、前記検出部15から伸びる端子金具2
7は、シリコンゴム29内にて接続金具30にてリード
線31と接続されている。尚、検出部15の上部及び端
子金具27の下部は、ガラス33にて封着された状態で
覆われており、一方、検出部15の先端側は、金属スリ
ーブ35に囲まれている。
【0031】特に本実施例では、検出素子13であるチ
タニアの温度依存性を積極的に利用するために、検出素
子13を適温に加熱するヒータや、センサ出力の温度補
償を行なうためのサーミスタ等は使用されていない。従
って、検出素子13の温度変化に起因する抵抗変化は、
そのままセンサ出力の変化として後述する空燃比制御に
利用される。
【0032】また、前記キャブレタ3には、図7に示す
様に、電磁コイル41によりニードル弁43を駆動する
ニードル電磁弁5と、燃料を吸気通路45側に供給する
ノズル47とを備えている。前記ニードル弁43は、僅
かの間隙を介してノズル47に挿入されており、電磁コ
イル41及びその他の制御要素(吸気管や負圧や他の電
磁コイルなど)によって、上下に位置が制御される。
【0033】例えば電磁コイル41に通電されてオン
(ON)となると、ニードル弁43が下降して混合気が
薄くなり(リーン)、逆に通電が停止されてオフ(OF
F)となると、ニードル弁43が上昇して混合気が濃く
なる(リッチ)。従って、後述する様に、電磁コイル4
1に印加される電圧のデューティ比が大きくなると、電
磁コイル41に流れる電流が多くなるので、ニードル弁
43は下がってノズル47との間隙は狭くなり、吸入空
気によって間隙から吸い出される燃料が減るので、混合
気はリーンとなる。一方、電磁コイル41に印加される
電圧のデューティ比が小さくなると、電磁コイル41に
流れる電流が少なくなるので、ニードル弁43は上がっ
てノズル47との間隙は広くなり、吸入空気によって間
隙から吸い出される燃料が増加するので、混合気はリッ
チとなる。
【0034】b)次に、本実施例の空燃比制御装置の回
路構成における信号処理について、図8に基づいて説明
する。尚、ここでは、理解を容易にするために、装置の
動作(フィードバック制御)が既に始まっているとして
説明する。まず、基本的な動作として、空燃比制御装置
による空燃比フィードバック制御が行われている場合
は、排ガスは、リッチからリーンへ、又はリーンからリ
ッチへと変化する。
【0035】この状態において、酸素センサ9の検出素
子13は、比較抵抗Rcに接続され、フライホイールの
回転を利用し電磁誘導により出力を生じる図示しない発
電機より所定の電圧が供給されているので、検出素子1
3と比較抵抗Rcの接続点の電圧Sと所定の電圧Pが、
集積回路であるコンパレータIC1により比較され、図
9(a)に示す様な交互に高(HIGH)−低(LO
W)を繰り返す電圧の信号Aが作られる。そして、この
信号Aによって、コンデンサCaと抵抗の直列回路のあ
る部分の電圧の信号Bは、図8(b)に示す様に変化す
る。該信号Bは、バッファIC3を介してアンプIC4
によって構成される発振回路に入力され、発振回路の交
番電圧(信号C)のデューティ比を変える。
【0036】ここで、図10に、信号Bと発振回路から
出力される交番電圧(信号C)のデューティ比との関係
を示すが、信号Bが大きいほど交番電圧のデューティ比
は略比例的に増加する。尚、デューティ比が大きくなる
ほど、ニードル電磁弁5のON時間(閉時間)が長くな
り、空燃比はリーン側となる。
【0037】そして、発振回路から出力される信号C
は、トランジスタTRを駆動し、ニードル電磁弁5の電
磁コイル41に、発振回路の交番電圧のデューティ比で
電圧を印加する。この電磁コイル41には、電圧が交互
に印加されるが、電磁コイル41を流れる電流Iは、交
番電圧を適当な周波数(例えば10kHz程度)とする
ことで、電磁コイル41の自己インダクタンスによって
平滑化されるので、信号Bに対して略比例関係の大きさ
の電流が流れる。
【0038】この様に、信号Bに応じてニードル電磁弁
5の開弁状態が制御されることにより、混合気の濃さ、
即ち空燃比が制御されることになる。 c)次に、本実施例の空燃比制御装置にて実施される制
御、つまり、排ガスの温度に応じて、空燃比制御をフィ
ードバック制御又はオープンループ制御に切り替える制
御を、図11及び前記図4に基づいて説明する。
【0039】低温時(図4の低温域) まず、汎用エンジン1がまだ冷えている状態では、温度
が低いので、酸素センサ9の検出素子13は極めて抵抗
値が高く、比較抵抗Rcとの接続点の電圧Sは、殆ど0
Vに近い状態にある。即ち、図11(a)に示す様に、
電圧Sは電圧Pよりも小さいので、信号Aは常にLOW
の状態である。この場合、信号Bも殆ど0Vになってい
る。従って、電磁コイル41に流れる電流Iは殆ど0で
あり、よって、ニードル弁43は上方に位置して解放状
態となる。その結果、リッチ状態の混合気が汎用エンジ
ン1に供給されることになる。
【0040】つまり、この様な動作により、低温時は、
オープンループ制御として空燃比をリッチ側に制御する
リッチ制御が実施される。これによって、出力が不足が
ちな低温時において、十分なエンジン出力を確保するこ
とができる。 中温時(図4の中温域) 汎用エンジン1の温度が上昇することにより、排ガスの
温度が上昇し、酸素センサ9の信号Sにおけるリッチ出
力(VR;図3参照)が大きくなって、電圧Pよりも大
きくなるときが生じる。すると、信号Aは、HIGHに
なるので、コンデンサCaに電荷を充電するとともに、
信号Bをステップ的にある大きさ(ステップ変化量)だ
け増加させる(図9参照)。よって、電磁コイル41に
電流Iが流れる様になるので、ニードル弁43は下がり
混合気は薄くなる。これにより、排ガスがリーンにな
り、このリーンに酸素センサ9が反応して電圧Sが電圧
Pよりも小さくなるほどに薄くなれば、信号AはLOW
になるので、コンデンサCaの放電を開始するととも
に、信号Bをステップ的にある大きさだけ減らす(図9
参照)。
【0041】この様に、リッチ状態での酸素センサ9の
出力電圧Sが電圧Pを越えるような排ガスの温度領域で
は、センサ信号の変化に対応した信号Cによってニード
ル弁43が制御され、図11(b)に示す様に、空燃比
はあるレベルを挟んでリッチ側とリーン側とに揺れるよ
うに制御される。つまり、温度がある程度高くなる中温
域では、酸素センサ9の出力電圧Sがリッチ側とリーン
側とで等しくなる様に、即ち空燃比をストイキに制御し
ようとする。
【0042】そして、本実施例では、酸素センサ9のチ
タニアからなる検出素子13の抵抗変化を、サーミスタ
等の温度補償を行わないで、空燃比フィードバック制御
に反映させているので、上述した様に、空燃比をストイ
キに制御しようとすると、図4に示した様な空燃比とな
る。つまり、中温域における低温側では、実際の空燃比
をリッチ側に制御することになる。また、温度が上昇す
るにつれて、徐々にストイキ側ひいては多少リーン側に
制御することになる。
【0043】これによって、中温域における低温側で
は、エンジン出力を確保できるとともに、排ガスの浄化
を行なうことができ、徐々に温度が上昇するにつれて、
一層排ガスの浄化の程度を上げることができる。 高温時(図4の高温域) 更に、温度が上昇して、図11(c)に示す様に、リッ
チ状態における酸素センサ9の出力電圧Sが電圧Qを越
える様になると、制御切換回路14が働いて、混合気を
常にリッチに制御する様になる。
【0044】つまり、電圧Sが電圧Qを越えると、図8
のIC2の電圧TはLOWになることにより、コンデン
サCaに蓄積された電荷はIC2によって放電するの
で、信号AがHIGHでも信号の電圧は増えない。従っ
て、電磁コイル41に流れる電流Iは僅かなので、ニー
ドル弁43は開いており、混合気はリッチに維持され
る。これにより、排ガスの温度(即ち汎用エンジン1)
が高温の場合には、センサ出力がリッチレベルになって
も、混合気は濃い状態に維持されたまま汎用エンジン1
は駆動される。
【0045】従って、この様な動作により、高温時は、
オープンループ制御として空燃比をリッチ側に制御する
リッチ制御が実施される。これによって、汎用エンジン
1が過熱する恐れがある高温時においては、燃料を増量
することにより汎用エンジン1を冷却することができ
る。
【0046】尚、前記の制御が行われると、速やかに
汎用エンジン1の温度が低下して前記の制御状態に移
行するので、の状態が長時間維持されることはない。
また、本発明は前記実施例になんら限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態
様で実施しうることはいうまでもない。
【0047】例えばP型の半導体を使用する場合に、図
2(b)に示す様な構成のセンサを採用する。つまり、
P型の半導体からなる検出素子と直列に抵抗を接続する
とともに、検出素子の両端の電圧をセンサ出力として取
り出す。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明では、センサ
の検出素子として、酸素濃度及び温度に応じて抵抗が変
化する抵抗変化型金属酸化物の半導体を用いるととも
に、この検出素子の抵抗変化の温度補償を行わない値に
基づいて空燃比の制御を行なうので、必要なエンジン出
力を確保できるとともに、簡易な構成で排ガスを浄化す
ることができる。よって、低コストで内燃機関、特に汎
用エンジンの排ガスの浄化を実現できるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 素子温度と素子抵抗と空燃比との関係を示す
グラフである。
【図2】 センサの基本構成を示し、(a)は検出素子
としてN型半導体を用いた説明図、(b)は検出素子と
してP型半導体を用いた説明図である。
【図3】 センサの機能を示し、(a)は素子温度と制
御空燃比と比較抵抗との関係を示すグラフ、(b)は低
温におけるセンサ出力を示すグラフ、(c)は中温にお
けるセンサ出力を示すグラフ、(d)は高温におけるセ
ンサ出力を示すグラフである。
【図4】 空燃比の制御によって得られる実際の空燃比
を示すグラフである。
【図5】 実施例の空燃比制御装置の概略構成を示す説
明図である。
【図6】 実施例の酸素センサを一部破断して示す正面
図である。
【図7】 実施例のニードル電磁弁近傍を示す説明図で
ある。
【図8】 実施例の空燃比制御装置の回路構成を示す回
路図である。
【図9】 実施例のセンサ信号処理回路の入出力特性を
示すタイミングチャートである。
【図10】 実施例のセンサ信号処理回路の出力電圧と
ニードル電磁弁の制御デューティ比との関係を示すグラ
フである。
【図11】 実施例のセンサ出力と空燃比制御との関係
を示し、(a)は低温域における各信号の状態を示すタ
イミングチャート、(b)は中温域における各信号の状
態を示すタイミングチャート、(c)は高温域における
各信号の状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…汎用エンジン 3…キャブレタ 5…ニードル電磁弁 7…排気管 9…酸素センサ 13…検出素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 稔明 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−274054(JP,A) 特開 平4−148856(JP,A) 特開 昭60−253858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/12 F02D 41/14 310 F02D 45/00 368

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排ガス中の酸素濃度を検出す
    るセンサと、 該センサの出力に応じて、前記内燃機関の空燃比を所定
    値にフィードバック制御する制御部と、を備え、 前記センサの検出素子として、前記酸素濃度及び温度に
    応じて抵抗が変化する抵抗変化型金属酸化物の半導体を
    用いるとともに、温度補償を行わずに前記検出素子の
    度変化に起因する抵抗変化を前記センサの出力として取
    り出し、この出力に基づいて前記空燃比の制御を行なう
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記検出素子の抵抗変化に基づく前記セ
    ンサの出力の変化を素子温度の変化として捉え、該素子
    温度に基づいて前記内燃機関の空燃比の制御の時期を調
    節することを特徴とする前記請求項1記載の内燃機関の
    空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記センサの出力に基づいて、所定期間
    にわたり前記内燃機関の平均の空燃比がリッチ側になる
    ように制御することを特徴とする前記請求項1又は2記
    載の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】 前記センサの出力に基づいて、前記素子
    温度が第1の所定値以下の低温と判断される場合には、
    該センサに基づく前記内燃機関の空燃比制御を停止する
    ことを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか記載の内
    燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 前記センサの出力に基づいて、前記素子
    温度が第2の所定値以上の高温と判断される場合には、
    該センサに基づく前記内燃機関の空燃比制御を停止する
    ことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか記載の内
    燃機関の空燃比制御装置。
  6. 【請求項6】 前記空燃比制御を所定期間停止してオー
    プンループ制御とし、その際のセンサ出力から素子温度
    を検出することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれ
    か記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  7. 【請求項7】 センサ自身の素子温度が所定温度範囲の
    場合には、空燃比のオープンループ制御を空燃比のフィ
    ードバック制御に切り替える内燃機関の空燃比制御装置
    に使用されるセンサであって、 前記センサの検出素子として、温度及び酸素濃度に応じ
    て抵抗が変化する抵抗変化型金属酸化物の半導体を用い
    るとともに、前記検出素子の温度変化に起因する抵抗変
    を温度補償を行なわずにセンサの出力として取り出す
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置に用いられ
    るセンサ。
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