JP3485786B2 - 音声データの圧縮/伸長装置 - Google Patents

音声データの圧縮/伸長装置

Info

Publication number
JP3485786B2
JP3485786B2 JP02871498A JP2871498A JP3485786B2 JP 3485786 B2 JP3485786 B2 JP 3485786B2 JP 02871498 A JP02871498 A JP 02871498A JP 2871498 A JP2871498 A JP 2871498A JP 3485786 B2 JP3485786 B2 JP 3485786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
band
input
selector
audio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02871498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11234137A (ja
Inventor
浩二 高野
文昭 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP02871498A priority Critical patent/JP3485786B2/ja
Publication of JPH11234137A publication Critical patent/JPH11234137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3485786B2 publication Critical patent/JP3485786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声の録音時に音
声データを圧縮処理すると共に、音声の再生時に圧縮デ
ータを伸長処理する音声データの圧縮/伸長装置、及
び、この圧縮/伸長装置に用いるデジタルフィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】録音及び再生が可能なデジタルオーディ
オ機器においては、音声信号をデジタル化した音声デー
タに圧縮処理を施して圧縮データを生成し、その圧縮デ
ータを記録媒体に記録するように構成される。そして、
記録媒体から読み出される圧縮データに対しては、録音
時とは逆の伸長処理を施し、音声データを再生するよう
に構成される。
【0003】図8は、音声データを圧縮して圧縮データ
を生成すると共に、圧縮データを伸長して音声データを
生成する音声データの圧縮/伸長装置の構成を示すブロ
ック図である。記録動作、即ち、圧縮処理のときには、
アッテネータ1、デジタルフィルタ2、改良離散コサイ
ン変換回路3及び量子化回路4が動作し、アッテネータ
1に入力される音声データを圧縮して圧縮データを生成
する。
【0004】アッテネータ1は、音声信号がA/D変換
された音声データを受け取り、必要に応じて音声データ
を減衰する。デジタルフィルタ2は、アッテネータ1を
通して入力される音声データを所定の周波数帯域毎に分
離して複数の帯域データを生成する。改良離散コサイン
変換(MDCT: Modified Discrete Cosine Transform)回路
3は、デジタルフィルタ2から入力される帯域データに
対して離散コサイン変換を施し、各帯域データに対応す
る係数データを生成する。そして、量子化回路4は、M
DCT回路3から入力される係数データを所定の量子化
テーブルに従って量子化することにより、圧縮データを
生成する。MDCT回路3及び量子化回路4における演
算処理は、通常、複数の帯域データに対して時分割で行
われる。
【0005】再生動作、即ち、伸長処理のときには、逆
量子化回路5、改良離散コサイン逆変換回路6、デジタ
ルフィルタ7及びアッテネータ8が動作し、所定の記録
媒体から読み出されて逆量子化5に入力される圧縮デー
タを伸長して音声データを再生する。逆量子化回路5
は、圧縮処理系の量子化回路4と同一の量子化テーブル
を参照し、MDCT回路3において生成された係数デー
タと対応する係数データを生成する。改良離散コサイン
逆変換(IMDCT: Inverse Modified Discrete Cosine Tra
nsform)回路6は、MDCT回路3とは逆の変換処理を
施し、デジタルフィルタ2において生成された帯域デー
タと対応する帯域データを生成する。デジタルフィルタ
7は、IMDCT回路6から入力される周波数帯域別の
帯域データを合成して音声データを生成する。そして、
アッテネータ8は、デジタルフィルタ7から入力される
音声データを必要に応じて減衰し、D/A変換器やアン
プをを含む次段の回路に供給する。逆量子化回路5及び
IMDCT回路6における演算処理は、MDCT回路3
及び量子化回路4と同様に、複数の帯域データに対して
時分割で行われる。これにより、デジタルフィルタ7に
は、複数の帯域データが時分割で入力されることにな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】デジタルフィルタ2、
7は、通常、複数のレジスタ及び各種の演算器の組み合
わせにより構成される。また、各デジタルフィルタ2、
7におけるデータの処理は、時系列のデータを所定の期
間保持しながら連続的に行われる。このため、所定のデ
ータの処理が完了した後でも、各部に内蔵されるレジス
タには、それぞれの処理過程で一時的に保持された各種
のデータが残されることになる。このような残留データ
は、次に入力されてくるデータとは無関係であり、各部
の演算処理において、演算誤差を発生させる要因となっ
ている。従って、録音または再生の開始時点においてノ
イズが発生しやすくなる。
【0007】通常、録音または再生の開始時点で発生す
るノイズについては、そのタイミングでアッテネータ
1、8を動作させることによって抑圧される。しかしな
がら、入力側にアッテネータ1が接続されるデジタルフ
ィルタ2においては、入力側のデータを抑圧したとして
も、デジタルフィルタ2に内蔵されるレジスタ内に残さ
れたデータに起因して不要なデータが出力されるおそれ
がある。
【0008】そこで本発明は、音声データの圧縮あるい
は伸長の各処理において、それぞれの動作開始時点で各
部が初期化される間、不要なデータが出力されないよう
にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために成されたもので、第1の特徴とするとこ
ろは、音声データを所定の周波数帯域毎に分離し、各帯
域毎に符号化処理を施して圧縮データを生成すると共
に、記録媒体から読み出される周波数帯域別の複数の圧
縮データにそれぞれ復号化処理を施し、互いに合成して
音声データを生成する音声データの圧縮/伸長装置であ
って、上記音声データを複数の周波数帯域に分離して複
数の帯域データを生成する第1のデジタルフィルタと、
上記第1のデジタルフィルタで生成される上記複数の帯
域データを時系列で符号化して圧縮データを生成する符
号化回路と、所定の記録媒体から読み出される複数の圧
縮データを復号化して複数の帯域データを生成する復号
化回路と、上記復号化回路で生成される上記複数の帯域
データを合成して音声データを生成する第2のデジタル
フィルタと、を備え、上記第1のデジタルフィルタは、
上記複数の帯域データを選択的に「0」に置き換える置
換手段を含み、圧縮処理の初期化動作の間、上記符号化
回路に対して「0」を供給すると共に、上記第2のデジ
タルフィルタは、上記音声データを減衰して出力する減
衰手段を含み、伸長処理の初期化動作の間、上記音声デ
ータを「0」まで減衰することにある。
【0010】さらに、第2の特徴とするところは、上記
音声データを複数の周波数帯域に分離して複数の帯域デ
ータを生成すると共に、複数の帯域データを合成して音
声データを生成するデジタルフィルタと、上記デジタル
フィルタで生成される上記複数の帯域データを時系列で
符号化して圧縮データを生成する符号化回路と、所定の
記録媒体から読み出される複数の圧縮データを復号化し
て複数の帯域データを生成し、上記デジタルフィルタに
供給する復号化回路と、を備え、上記デジタルフィルタ
は、出力する上記複数の帯域データを選択的に「0」に
置き換える置換手段及び出力する上記音声データを減衰
して出力する減衰手段を含み、圧縮処理の初期化動作の
間、上記符号化回路に対して「0」を供給すると共に、
伸長処理の初期化動作の間、上記音声データを「0」ま
で減衰することにある。
【0011】本発明の音声データの圧縮/伸長回路によ
れば、音声データの圧縮処理の際には、初期化動作の
間、分離処理を行うデジタルフィルタの出力がデジタル
フィルタの回路動作に関係なく、すべて「0」に置き換
えられる。また、圧縮データの伸長処理の際には、初期
化動作の間、合成処理によって生成された音声データが
すべて「0」抑圧される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の音声データの圧
縮/伸長装置に関する第1の実施形態を示すブロック図
である。MDCT回路12、量子化回路13、逆量子化
回路14及びIMDCT回路15は、それぞれ、図8に
示すMDCT回路3、量子化回路4、逆量子化回路5及
びIMDCT回路6と同一である。即ち、デジタルフィ
ルタ11で生成される帯域データからMDCT回路12
及び量子化回路13によって圧縮データを生成し、圧縮
データから逆量子化回路14及びIMDCT回路15に
よってデジタルフィルタ16に入力する帯域データを生
成するように構成している。
【0013】 本発明の特徴とするところは、第1のデ
ジタルフィルタ11の出力側に置換手段としての置換回
路11cを設け、後述するQMF回路11bの出力を所
定の期間に強制的に「0」に置き換えるようにしたこと
にある。そして、第2のデジタルフィルタ16の出力側
に設けた減衰手段としてのアッテネータ16bにより、
後述するQMF回路16aの出力を所定の期間にすべて
「0」に減衰させるようにしたことにある。
【0014】第1のデジタルフィルタ11は、減衰回路
11a、QMF回路11b及び置換回路11cを有す
る。減衰回路11aは、音声データの入力端子に接続さ
れ、入力されてくる音声データを所望のレベルまで減衰
させる。QMF回路11bは、減衰回路11aを介して
入力される音声データを取り込み、所定の周波数帯域毎
に分離して複数の帯域データを生成する。置換回路11
cは、QMF回路11bから入力される帯域データまた
は「0」の何れか一方を選択し、MDCT回路12へ供
給する。この置換回路11cは、通常QMF回路11b
側を選択しており、QMF回路11bで初期化動作が行
われる間に限って「0」を選択する。従って、録音動作
を開始したとき、QMF回路11bから如何なるデータ
が出力されたとしても、MDCT回路12に対しては、
すべて「0」が供給されるため、ノイズの発生が抑圧さ
れる。
【0015】第2のデジタルフィルタ16は、QMF回
路16a及び減衰回路16bを有する。QMF回路16
aは、第1のデジタルフィルタ11のQMF回路11b
とは逆の処理を行うものであり、IMDCT回路15か
ら入力される複数の帯域データを合成して音声データを
生成する。減衰回路16bは、第1のデジタルフィルタ
11の減衰回路11aと同一のものであり、QMF回路
16aから入力される音声データを所望のレベルまで減
衰させる。この減衰回路16bは、音声データに所定の
係数を乗算する乗算器であり、QMF回路16aからの
データの出力を停止するとき、即ち、QMF回路16a
で初期化動作が行われている間は、乗数を「0」とする
ことで、出力を「0」としている。従って、再生動作を
開始したとき、QMF回路16aから出力されるすべて
の音声データが「0」に抑圧される。
【0016】以上の音声データの圧縮/伸長装置におい
ては、録音動作の開始時点や再生動作の開始時点で、不
要なデータを出力することがないため、ノイズの発生を
防止することができる。また、第1及び第2のデジタル
フィルタ11、16について、図8に示す装置と回路規
模を比較しても、実質的には置換回路11cのみが増え
ており、回路規模の増加はほとんどない。
【0017】第1及び第2のデジタルフィルタ11、1
6の構成を説明するにあたり、まず、デジタルフィルタ
の演算動作について説明する。FIR型(Finite Impuls
e Response)のデジタルフィルタは、式(1)に示すよう
に、入力データX(n)とインパルス応答との畳み込みに
よって出力データY(n)を得るように構成される。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、h(k)はフィルタ係数、Nはタッ
プ数である。そこで、式(1)をZ変換すると、
【0020】
【数2】
【0021】が得られ、この式(2)より、
【0022】
【数3】
【0023】となり、周波数応答がわかる。そして、ω
=2πk/Nとすると、式(3)は、
【0024】
【数4】
【0025】となる。この式(4)は、離散的フーリエ変
換(DFT:Discrete Fourier Transform)の式とみなす
ことができる。従って、フィルタ係数h(k)は、式(4)に
よって与えられる周波数特性を逆変換(IDFT:Invers
e Discrete Fourier Transform)することにより求めら
れる。
【0026】ところで、第1のフィルタ係数h1(n)を有
するデジタルフィルタに対し、
【0027】
【数5】
【0028】により与えられる第2のフィルタ係数h2
(n)を有するデジタルフィルタは、その周波数応答性か
らミラーフィルタと称される。このようなミラーフィル
タにおけるZ変換の関係は、
【0029】
【数6】
【0030】である。ここで、周波数応答性を考える
と、
【0031】
【数7】
【0032】であることから、式(6)は、
【0033】
【数8】
【0034】となる。これにより、ミラーフィルタの周
波数応答性が、π/2で対称となることがわかる。ここ
で、π/2がサンプリング周期の1/4であることか
ら、このミラーフィルタは、QMF(Quadrature Mirror
Filter)と称される。このようなQMFは、アイイーイ
ーイー・トランザクションズ・オン・アコースティック
ス・スピーチ・アンド・シグナル・プロセッシング,エ
イエスエスピー32巻3号,1984年6月,(IEEE Tr
ans. Acoust., Speech, Signal Process.,Vol.ASSP-32,
No.3,June1984)第522頁〜第531頁に詳述されてい
る。
【0035】以上のQMFにより分離フィルタを構成す
る場合には、入力データX(n)とインパルス応答との畳
み込み処理と、それらの加算または減算処理により、式
(9)及び式(10)に示すようにして、入力データX(n)の帯
域データである2つの出力データYa(n)、Yb(n)を得
る。
【0036】
【数9】
【0037】
【数10】
【0038】この式(9)及び式(10)に従う演算を実行す
るようにして第1のデジタルフィルタ11のQMF回路
11bが構成される。また、合成フィルタを構成する場
合には、第1の入力データXa(n)及び第2の入力データ
Xb(n)の加算値または減算値に対するインパルス応答の
畳み込み処理により、式(11)及び式(12)に示すように、
入力データXa(n)、Xb(n)の合成データである出力デー
タY(n)を得る。
【0039】
【数11】
【0040】
【数12】
【0041】この式(11)及び式(12)に従う演算を実行す
るようにして第2のデジタルフィルタ16のQMF回路
16aが構成される。図2は、第1のデジタルフィルタ
11bの構成を示すブロック図である。RAM21は、
後述する乗算器25に接続され、乗算器25から入力さ
れる減衰入力データx(n)を所定の期間記憶し、その演
算処理の各ステップ毎に順次読み出して出力する。RO
M22は、予め複数のフィルタ係数h(k)を記憶し、1
ステップごとに増加するkの値に対応して所定のフィル
タ係数h(k)を読み出して繰り返し出力する。このk
は、上述の式(9)〜式(10)に示したkに一致するもので
ある。第1のセレクタ23は、エンコード入力とRAM
21とに接続され、時系列の入力データX(n)またはR
AM21から読み出される減衰入力データx(n)の何れ
か一方を選択して出力する。第2のセレクタ24は、ア
ッテネート入力とROM22とに接続され、アッテネー
ト係数g(m)またはROM22から読み出されるフィル
タ係数h(k)の何れか一方を選択して出力する。これら
第1及び第2のセレクタ23、24は、共通の選択制御
信号SCに応答して、選択制御される。
【0042】乗算器25は、第1のセレクタ23及び第
2のセレクタ24に接続され、第1のセレクタ23で選
択された入力データX(n)または減衰入力データx(n)の
一方と、第2のセレクタ24で選択されたアッテネート
係数g(m)またはフィルタ係数h(k)の一方とを乗算す
る。ここで、第1のセレクタ23が入力データX(n)を
選択するときには第2のセレクタ24がアッテネート係
数g(m)を選択し、第1のセレクタ23が減衰入力デー
タx(n)を選択するときには第2のセレクタ24がフィ
ルタ係数h(k)を選択するようして動作する。これによ
り、乗算器25は、入力データX(n)とアッテネート係
数g(m)との乗算、あるいは、減衰入力データx(n)とフ
ィルタ係数h(k)との乗算を行う。そして、入力データ
X(n)とアッテネート係数g(m)との乗算データがRAM
21に供給され、減衰入力データx(n)とフィルタ係数
h(k)との乗算データが累加算器26に供給される。
【0043】加算器27及びレジスタ28よりなる累加
算器26は、乗算器25に接続され、乗算器25から入
力される乗算データをタップ数に従って累加算する。即
ち、レジスタ28から読み出したデータと乗算器25か
ら入力される乗算データとを加算器27で加算し、その
加算データを再びレジスタ28に格納することにより、
乗算器25の乗算データを累加算する。
【0044】 第1のレジスタ29及び第2のレジスタ
30は、累加算器26に接続され、累加算器26から連
続して入力される累加算データを交互に取り込んで格納
し、それぞれ所定のタイミングで出力する。例えば、累
加算器26から奇数番目に出力される中間データA
(n)を第1のレジスタ29に格納し、偶数番目に出力
される中間データB(n)を第2のレジスタ30に格納
するように構成される。加減算器31は、第1のレジス
タ29及び第2のレジスタ30に接続され、各レジスタ
29、30から読み出される中間データA(n)、B
(n)を減算あるいは加算する。
【0045】出力レジスタ32は、加減算器31に接続
され、各演算処理毎に加減算器31から入力される加減
算データを格納し、出力データYa(n)、Yb(n)として出
力する。例えば、減算演算及び加算演算を交互に繰り返
す加減算器31に対応し、減算データを出力データYa
(n)として出力し、加算データを出力データYb(n)とし
て出力する。第3のセレクタ33は、出力レジスタ32
及び固定データ「0」に接続され、初期化動作を行う所
定の期間にのみ出力データYa(n)、Yb(n)を「0」に置
き換えて出力する。この第3のセレクタ33の出力が、
最終的なエンコード出力となる。
【0046】以上のデジタルフィルタは、乗算器25が
アッテネート係数g(m)の乗算とフィルタ係数h(k)の乗
算とを時分割で行い、入力データX(n)に対してアッテ
ネート処理と分離処理とが施された出力データYa(n)、
Yb(n)を生成する。アッテネート係数g(m)の乗算によ
って減衰回路11aが実現され、フィルタ係数h(k)の
乗算から中間データA(n)、B(n)の加減算まででQMF
回路11bが実現される。そして、第3のセレクタ33
により、置換回路11cが実現される。
【0047】 図3は、図1に示すデジタルフィルタ
が、タップ数Nを「4」とした場合の動作を説明するタ
イミング図であり、n=4のときを示している。最初
に、第1のセレクタ23は、入力データX(n)を選択
し、第2のセレクタ24は、アッテネート係数g(m)
を選択している。この状態において、入力データX
(8)が入力されると、乗算器25において、入力デー
タX(8)とアッテネート係数g(1)との乗算が行わ
れ、その乗算データx(8)(=X(8)・g(1))
が減衰入力データとしてRAM21に書き込まれる。こ
こで、アッテネート係数g(1)については、入力デー
タX(n)に対する減衰の程度を決定するものであり、
通常は、一定値に固定されている。そして、減衰入力デ
ータx(8)のRAM21への書き込みが完了した時点
で、第1のセレクタ23は、減衰入力データx(8)側
(RAM21側)に切り換えられ、同時に、第2のセレ
クタ24は、フィルタ係数h(k)側(ROM22側)
に切り換えられる。
【0048】デジタルフィルタによるデータの分離処理
は、RAM21に記憶された減衰入力データx(8)に対
して行われる。即ち、入力データX(n)を減衰入力デー
タx(n)に置き換え、タップ数N=4として式(9)及び式
(10)を計算して得られる以下の式(13)及び式(14)に従う
演算処理を実行する。
【0049】
【数13】
【0050】
【数14】
【0051】図3においては、入力データX(0)〜X(7)
の書き込みについて図示を省略してあるが、入力データ
X(0)〜X(7)は、入力データX(8)よりも先に入力され
ており、それぞれアッテネート係数g(1)が乗算されて
減衰入力データx(0)〜x(7)としてRAM21に記憶さ
れている。第1及び第2のセレクタ23、24について
は、入力データX(0)〜X(7)と減衰入力データx(0)〜
x(7)との乗算処理に対応して切り換えられる。
【0052】 まず、RAM21から第1のセレクタ2
3を通して減衰入力データx(8)が読み出され、これ
に対応してROM22から第2のセレクタ24を通して
フィルタ係数h(0)が読み出されると、これらが乗算
器25によって乗算され、その乗算データが累加算器2
6に供給される。このとき、累加算器26のデータはク
リアされており、減衰入力データx(8)とフィルタ係
数h(0)との乗算値が、 A(1)=h(0)・x(8) なるデータとしてそのままレジスタ28に格納される。
続いて、RAM21から減衰入力データx(6)、x
(4)、x(2)が順に読み出されると共に、ROM2
2からフィルタ係数h(2)、h(4)、h(6)が順
に読み出され、それぞれ乗算器25により乗算されて各
乗算データが順次累加算器26に供給される。累加算器
25では、入力される乗算データが累加算され、 A(2)=h(2)・x(6)+A(1) A(3)=h(4)・x(4)+A(2) A(4)=h(6)・x(2)+A(3) なるデータがレジスタ28に順次格納される。そして、
最終的に格納された、 A(4)=h(0)・x(8)+h(2)・x(6)+
h(4)・x(4)+h(6)・x(2) なるデータが、第1のレジスタ29に格納される。
【0053】 続いて、RAM21から第1のセレクタ
23を通して減衰入力データx(7)が読み出され、こ
れに対応してROM22から第2のセレクタ24を通し
てフィルタ係数h(1)が読み出されると、これらが乗
算器25によって乗算され、その乗算データが累加算器
26に供給される。このとき、累加算器26のレジスタ
28はクリアされており、減衰入力データx(7)とフ
ィルタ係数h(1)との乗算値が、 B(1)=h(1)・x(7) なるデータとしてそのままレジスタ28に格納される。
続いて、RAM21から減衰入力データx(5)、x
(3)、x(1)が順に読み出されると共に、ROM2
2からフィルタ係数h(3)、h(5)、h(7)が順
に読み出され、それぞれの乗算データが累加算器26に
順次供給される。従って、 B(2)=h(3)・x(5)+B(1) B(3)=h(5)・x(3)+B(2) B(4)=h(7)・x(1)+B(3) なるデータがレジスタ28に順次格納される。そして、
最終的に格納された、 B(4)=h(1)・x(7)+h(3)・x(5)+
h(5)・x(3)+h(7)・x(1) なるデータが、第2のレジスタ30に格納される。
【0054】 そして、第1のレジスタ29及び第2の
レジスタ30からデータA(4)、B(4)がそれぞれ
加減算器31に入力され、データA(4)とデータB
(4)とが加算され、さらに、データA(4)からデー
タB(4)が減算される。この加減算器31の加算デー
タ、即ち、 A(4)+B(4)=h(6)・X(2)+h(4)・
X(4)+h(2)・X(6)+h(0)・X(8)+
h(7)・X(1)+h(5)・X(3)+h(3)・
X(5)+h(1)・X(7) は、出力データYb(4)として出力レジスタ32に格
納される。また、減算データ、即ち、 A(4)−B(4)=h(6)・X(2)+h(4)・
X(4)+h(2)・X(6)+h(0)・X(8)−
h(7)・X(1)−h(5)・X(3)−h(3)・
X(5)−h(1)・X(7) は、出力データYa(4)として出力レジスタ32に格
納される。この結果、式(13)及び式(14)で表さ
れる演算処理が成されたことになる。
【0055】図4は、第2のデジタルフィルタ16aの
構成を示すブロック図である。加減算器41は、デコー
ド入力に接続され、時系列で入力される第1の入力デー
タXa(n)及び第2の入力データXb(n)に対して、減算処
理及び加算処理を施す。即ち、第1の入力データXa(n)
から第2の入力データXb(n)を減算し、さらに、第1の
入力データXa(n)と第2の入力データXb(n)とを加算す
ることにより、加減算データ{Xa(n)±Xb(n)}を生成
する。RAM42は、加減算器41に接続され、加減算
データ{Xa(n)±Xb(n)}をそれぞれ所定の期間記憶
し、演算処理の各ステップ毎に順次読み出して出力す
る。ROM43は、予め複数のフィルタ係数h(k)を記
憶し、1ステップごとに増加するkの値に対応して所定
のフィルタ係数h(k)を読み出して繰り返し出力する。
このkは、上述の式(11)〜式(12)に示したkに一致する
ものである。
【0056】 第1のセレクタ44は、RAM42及び
後述するレジスタ50に接続され、RAM42から読み
出される加減算データ{Xa(n)±Xb(n)}また
はレジスタ50に保持される合成データの何れか一方を
選択して出力する。第2のセレクタ45は、アッテネー
ト入力とROM43とに接続され、アッテネート係数g
(m)またはROM43から読み出されるフィルタ係数
h(k)の何れか一方を選択して出力する。尚、アッテ
ネート係数g(m)は、このデジタルフィルタ16bの
初期化動作の間「0」が選択される。これら第1及び第
2のセレクタ44、45は、共通の選択制御信号SCに
応答して選択制御される。
【0057】乗算器46は、第1のセレクタ44及び第
2のセレクタ45に接続され、第1のセレクタ44で選
択された加減算データ{Xa(n)±Xb(n)}または合成デ
ータY(n)の一方と、第2のセレクタ45で選択された
アッテネート係数g(m)またはフィルタ係数h(k)の一方
とを乗算する。ここで、第1のセレクタ44が加減算デ
ータ{Xa(n)±Xb(n)}を選択するときには第2のセレ
クタ45がフィルタ係数h(k)を選択し、第1のセレク
タ44が合成データY(n)を選択するときには第2のセ
レクタ45がアッテネート係数g(m)を選択するようし
て動作する。これにより、乗算器46は、加減算データ
{Xa(n)±Xb(n)}とフィルタ係数h(k)との乗算、あ
るいは、合成データY(n)とアッテネート係数g(m)との
乗算を行う。そして、加減算データ{Xa(n)±Xb(n)}
とフィルタ係数h(k)との乗算データが累加算器47に
供給され、合成データY(n)とアッテネート係数g(m)と
の乗算データが出力レジスタ51に供給される。
【0058】加算器48及びレジスタ49よりなる累加
算器47は、乗算器46に接続され、乗算器46の乗算
結果をタップ数に従って累加算する。即ち、レジスタ4
9から読み出したデータと乗算器46から入力される乗
算データとを加算器48で加算し、その加算データを再
びレジスタ49に格納することにより、乗算器46の乗
算結果を累加算する。レジスタ50は、累加算器47に
接続され、累加算器47の累加算データを格納し、合成
データY(n)として第1のセレクタ44に供給する。そ
して、出力レジスタ51は、乗算器46に接続され、合
成データY(n)及びアッテネート係数g(m)に対応する乗
算データを格納し、出力データy(n)として出力する。
この出力レジスタ51の出力が、入力データXa(n)、X
b(n)に対するデコード出力となる。
【0059】 以上のデジタルフィルタは、乗算器46
がフィルタ係数h(k)の乗算とアッテネート係数g
(m)の乗算とを時分割で行い、入力データXa
(n)、Xb(n)に対して分離処理とアッテネート処
理とが施された出力データy(n)を生成する。入力デ
ータXa(n)、Xb(n)の加減算処理から乗算デー
タの累加算まででQMF回路16aが実現され、アッテ
ネート係数g(m)の乗算によって減衰回路16bが実
現される。
【0060】図5は、図4に示すデジタルフィルタが、
タップ数Nを「4」とした合成フィルタとして働く場合
の動作を説明するタイミング図であり、n=4のときを
示している。デジタルフィルタによるデータの合成処理
は、時系列で入力される第1及び第2の入力データXa
(n)、Xb(n)に対して行われる。即ち、タップ数N=4
として式(11)及び式(12)を計算して得られる以下の式(1
5)及び式(16)に従う演算処理を実行する。
【0061】
【数15】
【0062】
【数16】
【0063】加減算器41に入力データXa(4)、Xb(4)
が入力されると、まず、入力データXa(4)から入力デー
タXb(4)が減算され、その減算データ{Xa(4)−Xb
(4)}がRAM42に書き込まれる。図5では、入力デ
ータXa(1)〜Xa(3)、Xb(1)〜Xb(3)の減算処理につい
て図示を省略してあるが、入力データXa(1)〜Xa(3)、
Xb(1)〜Xb(3)は、入力データXa(4)、Xb(4)等と同様
に、加減算器41によってそれぞれ減算され、減算デー
タ{Xa(1)−Xb(1)}〜{Xa(3)−Xb(3)}としてRA
M42に記憶されている。
【0064】 最初に、第1のセレクタ44は、減算デ
ータ{Xa(n)−Xb(n)}を選択し、第2のセレ
クタ45は、フィルタ係数h(k)を選択している。こ
こで、RAM42から減算データ{Xa(4)−Xb
(4)}が読み出され、これに対応してROM43から
フィルタ係数h(0)が読み出されると、これらが乗算
器46で乗算され、乗算データが累加算器47に供給さ
れる。このとき、累加算器47のレジスタ49はクリア
されており、減算データ{Xa(4)−Xb(4)}と
フィルタ係数h(0)との乗算値が、 A(1)=h(0)・{Xa(4)−Xb(4)} なるデータとしてそのまま格納される。続いて、RAM
42から減算データ{Xa(3)−Xb(3)}、{X
a(2)−Xb(2)}、{Xa(1)−Xb(1)}
が順に読み出されると共に、ROM43からフィルタ係
数h(2)、h(4)、h(6)が順に読み出される
と、それぞれが乗算器46で乗算され、その乗算データ
が順次累加算器47に入力される。累加算器47では、
入力される乗算データが累加算され、 A(2)=h(2)・{Xa(3)−Xb(3)}+
(1) A(3)=h(4)・{Xa(2)−Xb(2)}+
(2) A(4)=h(6)・{Xa(1)−Xb(1)}+
(3) なるデータがレジスタ49に順次格納される。そして、
最終的に格納された、 A(4)=h(0)・{Xa(4)−Xb(4)}+h
(2)・{Xa(3)−Xb(3)}+h(4)・{X
a(2)−Xb(2)}+h(6)・{Xa(1)−X
b(1)} なるデータが、合成データY(8)としてレジスタ50
に格納される。この結果、上述の式(15)で表される
演算処理が成されたことになる。
【0065】乗算器46において、減算データ{Xa(1)
−Xb(1)}とフィルタ係数h(6)との乗算を完了した時
点で、第1のセレクタ44は合成データY(n)(レジス
タ40)側に切り換えられ、第2のセレクタ45はアッ
テネート係数g(m)側に切り換えられる。そして、レジ
スタ50に格納された合成データY(8)は、第1のセレ
クタ44を通して乗算器46に入力され、第2のセレク
タ45を通して入力されるアッテネート係数g(1)と乗
算される。これにより、乗算データg(1)・Y(8)が出力
データy(8)として出力レジスタ51に格納される。
【0066】続いて、第1の入力データXa(4)と第2の
入力データXb(4)とが加減算器41で加算され、その加
算データ{Xa(4)+Xb(4)}が、RAM42に書き込ま
れる。図5では、入力データXa(1)〜Xa(3)、Xb(1)〜
Xb(3)に関する加算処理について図示を省略してある
が、入力データXa(1)〜Xa(3)、Xb(1)〜Xb(3)は、入
力データXa(4)、Xb(4)等と同様に、加減算器41によ
り加算され、加算データ{Xa(1)+Xb(1)}〜{Xa(3)
+Xb(3)}としてRAM42に記憶されている。このと
き、第1のセレクタ44は加算データ{Xa(n)+Xb
(n)}側(RAM42側)に戻され、第2のセレクタ4
5は、フィルタ係数h(k)側(ROM43側)に戻され
る。
【0067】 RAM42から加算データ{Xa(4)
+Xb(4)}が読み出され、これに対応してROM4
3からフィルタ係数h(1)が読み出されると、これら
が乗算器46で乗算され、その乗算データが累加算器4
7に入力される。このとき、累加算器47のデータはク
リアされており、加算データ{Xa(4)+Xb
(4)}とフィルタ係数h(1)との乗算データが、 B(1)=h(1)・{Xa(4)+Xb(4)} なるデータとしてそのままレジスタ49に格納される。
続いて、RAM42から加算データ{Xa(3)+Xb
(3)}、{Xa(2)+Xb(2)}、{Xa(1)
+Xb(1)}が順に読み出されると共に、ROM43
からフィルタ係数h(3)、h(5)、h(7)が順に
読み出され、それぞれの乗算データが順次累加算器46
に供給される。従って、 B(2)=h(3)・{Xa(3)+Xb(3)}+
(1) B(3)=h(5)・{Xa(2)+Xb(2)}+
(2) B(4)=h(7)・{Xa(1)+Xb(1)}+
(3) なるデータがレジスタ49に順次格納される。最終的に
格納された、 B(4)=h(1)・{Xa(4)+Xb(4)}+h
(3)・{Xa(3)+Xb(3)}+h(5)・{X
a(2)+Xb(2)}+h(7)・{Xa(1)+X
b(1)} なるデータが合成データY(9)としてレジスタ50に
格納される。この結果、上述の式(12)で表される演
算処理が成されたことになる。
【0068】乗算器46において、加算データ{Xa(1)
+Xb(1)}とフィルタ係数h(7)との乗算を完了した時
点で、第1のセレクタ44は合成データY(n)(レジス
タ40)側に切り換えられ、第2のセレクタ45はアッ
テネート係数g(m)側に切り換えられる。そして、レジ
スタ50に格納された合成データY(9)は、第1のセレ
クタ44を通して乗算器46に入力され、第2のセレク
タ45を通して入力されるアッテネート係数g(1)と乗
算される。これにより、乗算データg(1)・Y(9)が出力
データy(9)として出力レジスタ51に格納される。
【0069】 図6は、本発明の音声データの圧縮/伸
長装置に関する第2の実施形態を示すブロック図であ
る。この図において、MDCT回路12、量子化回路1
3、逆量子化回路14及びIMDCT回路15は、図1
と同一のものであり、説明は省略する。この第2の実施
形態は、デジタルフィルタ17が音声データの分離処理
と帯域データの合成処理とを切り換えるようにして動作
させている点が第1の実施形態と異なる。即ち、音声デ
ータの分離処理と帯域データの合成処理とでは、ほとん
どの演算器が同一で、それらの演算順序のみが異なって
いるため、セレクタの切り換え動作によってそれそれの
処理を切り換えられるようにしている。
【0070】デジタルフィルタ17は、減衰回路17
a、QMF回路17b及び置換回路17cを有する。減
衰回路17aは、入力及び出力を切り換えることによ
り、入力されてくる音声データを減衰してQMF回路1
7bに入力すると共に、QMF回路17bから出力され
る音声データを減衰して外部へ出力する。QMF回路1
7bは、圧縮処理の際、減衰回路17aを通して入力さ
れる音声データを所定の周波数帯域毎に分離して複数の
帯域データを生成し、IMDCT回路15から入力され
る複数の帯域データを合成して音声データを生成する。
置換回路17cは、QMF回路17bの帯域データ出力
に接続され、QMF回路17bの初期化動作の間、QM
F回路17bから入力される帯域データを「0」に置き
換えて出力する。
【0071】 以上の音声データの圧縮/伸長装置にお
いては、デジタルフィルタ17において、減衰回路17
a及びQMF回路17bを圧縮処理用と分離処理用とで
共通化したことで、大幅な回路規模の縮小が図られてい
る。図7は、デジタルフィルタ17の構成を示すブロッ
ク図である。
【0072】 RAM61は、後述する第2のセレクタ
74に接続され、第2のセレクタ74から入力される時
系列のデータを所定の期間記憶し、演算処理の各ステッ
プ毎に順次読み出して出力する。ROM62は、予め複
数のフィルタ係数h(k)を記憶し、1ステップごとに
増加するkの値に対応して所定のフィルタ係数h(k)
を読み出して繰り返し出力する。このkは、上述の式
(9)〜式(12)に示したkに一致するものである。
【0073】第3のセレクタ63は、エンコード入力と
RAM61とに接続され、時系列の音声データX(n)ま
たはRAM61から読み出されるデータの何れか一方を
選択して出力する。第4のセレクタ64は、アッテネー
ト入力とROM62とに接続され、アッテネート係数g
(m)またはROM62から読み出されるフィルタ係数h
(k)の何れか一方を選択して出力する。第5のセレクタ
65は、第3のセレクタ63及び累加算器67に接続さ
れ、第3のセレクタ63の選択データまたは累加算器6
7の累加算データの何れか一方を選択して出力する。こ
れら第3〜第5のセレクタ63〜65は、それぞれ共通
の選択制御信号SC1、SC2に応答して選択制御され
る。
【0074】乗算器66は、第5のセレクタ65及び第
4のセレクタ64に接続され、第5のセレクタ65の選
択データと、第4のセレクタ64の選択データとを乗算
する。ここで、第3のセレクタ63が音声データX(n)
を選択するときには第4のセレクタ64がアッテネート
係数g(m)を選択し、第3のセレクタ63がRAM61
からのデータを選択するときには第4のセレクタ64が
フィルタ係数h(k)を選択するようして動作する。ま
た、第5のセレクタ65が累加算データを選択するとき
には第4のセレクタ64がアッテネート係数g(m)を選
択し、第5のセレクタ65が第3のセレクタ63の選択
データを選択するときには第4のセレクタ64が第3の
セレクタ63の選択動作に従うようして動作する。これ
により、乗算器66は、RAM61から読み出されたデ
ータとフィルタ係数h(k)との乗算を行い、その乗算デ
ータを累加算器67に供給する。また、乗算器66は、
エンコード入力から入力される音声データX(n)とアッ
テネート係数g(m)と乗算して減衰音声データx(n)を生
成し、累加算器67から生成される音声データY(n)と
アッテネート係数g(m)とを乗算して減衰音声データy
(n)を生成する。
【0075】累加算器67は、加算器68及びレジスタ
69からなり、乗算器66から入力される乗算データを
タップ数に従って累加算する。この累加算器67は、図
2の累加算器26と同一である。第1のセレクタ70
は、累加算器67及びデコード入力に接続され、累加算
器67から入力される累加算データまたは時系列の帯域
データXa(n)、Xb(n)の一方を選択して出力する。第1
のレジスタ71及び第2のレジスタ72は、第1のセレ
クタ70に接続され、第1のセレクタ70から連続して
入力される累加算データあるいは帯域データXa(n)、X
b(n)を交互に取り込んで格納し、それぞれ所定のタイミ
ングで出力する。例えば、第1のセレクタ67から奇数
番目に出力されるデータA(n)を第1のレジスタ71に
格納し、偶数番目に出力されるデータB(n)を第2のレ
ジスタ72に格納する。加減算器73は、第1のレジス
タ71及び第2のレジスタ72に接続され、各レジスタ
71、72から読み出される中間データA(n)、B(n)を
減算あるいは加算する。第2のセレクタ74は、加減算
器73及び乗算器66に接続され、加減算器73から入
力される加減算データまたは乗算器66から入力される
乗算データの一方を選択して出力する。
【0076】 第1の出力レジスタ75は、加減算器7
3に接続され、所定の演算処理が完了する毎に加減算器
73から入力される加減算データを格納し、帯域データ
Ya(n)、Yb(n)として出力する。例えば、減算
演算及び加算演算を交互に繰り返す加減算器73に対応
し、減算データを第1の帯域データYa(n)として出
力し、加算データを第2の帯域データYb(n)として
出力する。第6のセレクタ76は、第1の出力レジスタ
75及び固定値「0」に接続され、このデジタルフィル
タ17の初期化動作の間を「0」に置き換える。この第
6のセレクタ76の出力が、最終的なエンコード出力と
なる。第2の出力レジスタ77は、乗算器66に接続さ
れ、所定の演算処理が完了する毎に乗算器66から出力
される乗算データを格納し、減衰音声データy(n)と
して出力する。この第2の出力レジスタ77の出力がデ
コード出力となる。
【0077】以上のデジタルフィルタは、第1のセレク
タ70が累加算器67の累加算データを選択し、第5の
セレクタ65が第3のセレクタ63の選択データを選択
したときに分離フィルタとして働く。これにより、音声
データX(n)を減衰させた減衰音声データx(n)に対する
帯域データYa(n)、Yb(n)が第1の出力レジスタ75か
ら出力される。このとき、アッテネート係数g(m)の乗
算が減衰回路17aを実現し、フィルタ係数h(k)の乗
算から中間データA(n)、B(n)の加減算まででQMF回
路17bを実現する。そして、第6のセレクタ76によ
り、置換回路17cが実現される。また、第1のセレク
タ70が帯域データXa(n)、Xb(n)を選択し、第3のセ
レクタ63がRAM61から読み出されるデータを選択
したときに合成フィルタとして働き、帯域データXa
(n)、Xa(n)に対する音声データY(n)を減衰させた減衰
音声データy(n)が出力される。このとき、帯域データ
Xa(n)、Xb(n)の加減算から乗算データの累加算までで
QMF回路17bを実現し、アッテネート係数g(m)の
乗算が減衰回路17aを実現する。
【0078】以上のデジタルフィルタの分離動作は、図
2に示すデジタルフィルタの動作に一致している。ま
た、合成動作では、時系列で入力される帯域データXa
(n)、Xb(n)が第1及び第2のレジスタ71、72に格
納された後、図4に示すデジタルフィルタの動作に一致
している。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、デジタルフィルタが初
期化される間、そのデジタルフィルタから「0」が出力
されるようになる。従って、音声データの録音動作や再
生動作を開始したときに、ノイズが発生するのを防止す
ることができる。また、QMF回路と減衰回路とで乗算
器を共通に用いるようにしたことで、回路規模の縮小が
図れ、結果的に消費電力の低減が望める。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音声データの圧縮/伸長装置の第1の
実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の第1のデジタルフィルタの構成を示すブ
ロック図である。
【図3】図1の第1のデジタルフィルタの動作を説明す
るタイミング図である。
【図4】図1の第2のデジタルフィルタの構成を示すブ
ロック図である。
【図5】図1の第2のデジタルフィルタの動作を説明す
るタイミング図である。
【図6】本発明の音声データの圧縮/伸長装置の第2の
実施形態を示すブロック図である。
【図7】図6のデジタルフィルタの構成を示すブロック
図である。
【図8】従来の音声データの圧縮/伸長装置の構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1、8 アッテネータ 2、7、11、16、17 デジタルフィルタ 3、12 MDCT回路 4、13 量子化回路 5、14 逆量子化回路 6、15 IMDCT回路 11a、16b、17a 減衰回路 11b、16a、17b QMF回路 11c、17c 置換回路 21、42、61 RAM 22、43、62 ROM 23、24、33、44、45、63、64、65、7
4、76 セレクタ 25、46、66 乗算器 26、47、67 累加算器 27、48、68 加算器 28、29、30、49、50、69、71、72 レ
ジスタ 31、41、73 加減算器32 、51、75、77 出力レジスタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−28494(JP,A) 特開 平2−140020(JP,A) 特開 平9−27751(JP,A) 特開 平7−13599(JP,A) 特開 平11−220359(JP,A) 特開 平11−220403(JP,A) 特開 平11−220356(JP,A) 特開 平11−220358(JP,A) 特開 平11−220357(JP,A) 特開 平6−216716(JP,A) 特開 平7−131295(JP,A) 特開 平6−216715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 3/00 - 11/00 H03H 17/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声データを所定の周波数帯域毎に分離
    し、各帯域毎に符号化処理を施して圧縮データを生成す
    ると共に、記録媒体から読み出される周波数帯域別の複
    数の圧縮データにそれぞれ復号化処理を施し、互いに合
    成して音声データを生成する音声データの圧縮/伸長装
    置であって、 上記音声データを複数の周波数帯域に分離して複数の帯
    域データを生成する第1のデジタルフィルタと、上記第
    1のデジタルフィルタで生成される上記複数の帯域デー
    タを時系列で符号化して圧縮データを生成する符号化回
    路と、所定の記録媒体から読み出される複数の圧縮デー
    タを復号化して複数の帯域データを生成する復号化回路
    と、上記復号化回路で生成される上記複数の帯域データ
    を合成して音声データを生成する第2のデジタルフィル
    タと、を備え、上記第1のデジタルフィルタは、上記複
    数の帯域データを選択的に「0」に置き換える置換手段
    を含み、圧縮処理の初期化動作の間、上記符号化回路に
    対して「0」を供給すると共に、上記第2のデジタルフ
    ィルタは、上記音声データを減衰して出力する減衰手段
    を含み、伸長処理の初期化動作の間、上記音声データを
    「0」まで減衰する音声データの圧縮/伸長装置におい
    て、 上記第1のデジタルフィルタは、時系列入力データ及び
    この時系列入力データに基づいて生成された減衰入力デ
    ータが、所定のアッテネート係数及び上記減衰入力デー
    タに対応したフィルタ係数と共に入力され、上記時系列
    入力データ及び上記所定のアッテネート係数の組または
    上記減衰入力データ及び上記フィルタ係数の組の何れか
    一方の組を選択するセレクタと、上記セレクタの選択デ
    ータの組を互いに乗算する乗算器と、上記時系列入力デ
    ータ及び所定のアッテネート係数の組に対する上記乗算
    器の演算結果を記憶し、上記減衰入力データとして上記
    セレクタに供給するRAMと、上記減衰入力データ及び
    上記フィルタ係数の組に対応する上記乗算器の演算結果
    を順次累加算する累加算器と、上記累加算器の演算結果
    を交互に取り込む第1及び第2のレジスタと、上記第1
    及び第2のレジスタから取り出される2つの演算結果を
    加算または減算する加減算器と、を備え、上記加減算器
    の演算結果を上記入力時系列データの分離データとなる
    第1及び第2の出力時系列データとして出力することを
    特徴とする音声データの圧縮/伸長装置。
  2. 【請求項2】 音声データを所定の周波数帯域毎に分離
    し、各帯域毎に符号化処理を施して圧縮データを生成す
    ると共に、記録媒体から読み出される周波数帯域別の複
    数の圧縮データにそれぞれ復号化処理を施し、互いに合
    成して音声データを生成する音声データの圧縮/伸長装
    置であって、 上記音声データを複数の周波数帯域に分離して複数の帯
    域データを生成する第1のデジタルフィルタと、上記第
    1のデジタルフィルタで生成される上記複数の帯域デー
    タを時系列で符号化して圧縮データを生成する符号化回
    路と、所定の記録媒体から読み出される複数の圧縮デー
    タを復号化して複数の帯域データを生成する復号化回路
    と、上記復号化回路で生成される上記複数の帯域データ
    を合成して音声データを生成する第2のデジタルフィル
    タと、を備え、上記第1のデジタルフィルタは、上記複
    数の帯域データを選択的に「0」に置き換える置換手段
    を含み、圧縮処理の初期化動作の間、上記符号化回路に
    対して「0」を供給すると共に、上記第2のデジタルフ
    ィルタは、上記音声データを減衰して出力する減衰手段
    を含み、伸長処理の初期化動作の間、上記音声データを
    「0」まで減衰する音声データの圧縮/伸長装置におい
    て、 上記第2のデジタルフィルタは、第1及び第2の時系列
    入力データを加算または減算する加減算器と、上記加減
    算器から得られる加減算データを記憶するRAMと、上
    記RAMから読み出された加減算データ及び各加減算デ
    ータに対応する合成データが、上記加減算データに対応
    したフィルタ係数及び所定のアッテネート係数と共に入
    力され、上記加減算データ及び上記フィルタ係数の組ま
    たは上記合成データ及び上記アッテネート係数の組の何
    れか一方の組を選択するセレクタと、上記セレクタの選
    択データの組を互いに乗算する乗算器と、上記加減算デ
    ータ及び上記フィルタ係数の組に対応する上記乗算器の
    乗算デー タを順次累加算する累加算器と、この累加算器の演算結
    果を取り込み、上記合成データとして上記セレクタに供
    給するレジスタと、を備え、上記合成データ及び上記ア
    ッテネート係数の組に対応する上記乗算器の乗算データ
    を上記第1及び第2の時系列入力データの合成データと
    なる出力データとして出力することを特徴とする音声
    ータの圧縮/伸長装置。
  3. 【請求項3】 音声データを所定の周波数帯域毎に分離
    し、各帯域毎に符号化処理を施して圧縮データを生成す
    ると共に、記録媒体から読み出される周波数帯域別の複
    数の圧縮データにそれぞれ復号化処理を施し、互いに合
    成して音声データを生成する音声データの圧縮/伸長装
    置であって、 上記音声データを複数の周波数帯域に分離して複数の帯
    域データを生成すると共に、複数の帯域データを合成し
    て音声データを生成するデジタルフィルタと、上記デジ
    タルフィルタで生成される上記複数の帯域データを時系
    列で符号化して圧縮データを生成する符号化回路と、所
    定の記録媒体から読み出される複数の圧縮データを復号
    化して複数の帯域データを生成し、上記デジタルフィル
    タに供給する復号化回路と、を備え、上記デジタルフィ
    ルタは、出力する上記複数の帯域データを選択的に
    「0」に置き換える置換手段及び出力する上記音声デー
    タを減衰して出力する減衰手段を含み、圧縮処理の初期
    化動作の間、上記符号化回路に対して「0」を供給する
    と共に、伸長処理の初期化動作の間、上記音声データを
    「0」まで減衰することを特徴とする音声データの圧縮
    /伸長装置。
  4. 【請求項4】 上記デジタルフィルタは、時系列のデー
    タを順次記憶するRAMと、上記RAMから読み出した
    データに所定のフィルタ係数を乗算する乗算器と、上記
    乗算器の演算結果を累加算する累加算器と、分離処理の
    ときに上記累加算器の演算結果を選択し、合成処理のと
    きに第1及び第2の帯域データを選択する第1のセレク
    タと、上記セレクタの選択データを交互に取り込む第1
    及び第2のレジスタと、上記第1及び第2のレジスタか
    ら取り出される2つのデータを加算または減算する加減
    算器と、分離処理のときに上記加減算器の演算結果を選
    択し、合成処理のときに音声データを選択して上記RA
    Mに供給する第2のセレクタと、を含み、上記音声デー
    タに上記乗算器で所定のアッテネート係数を乗算して上
    記RAMに記憶し、上記加減算器の演算結果を上記音声
    データに対する帯域データとして出力すると共に、上記
    累加算器の演算結果に上記乗算器で所定のアッテネート
    係数を乗算し、上記第1及び第2の帯域データに対する
    音声データとして出力することを特徴とする請求項
    記載の音声データの圧縮/伸長装置。
JP02871498A 1998-02-10 1998-02-10 音声データの圧縮/伸長装置 Expired - Fee Related JP3485786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02871498A JP3485786B2 (ja) 1998-02-10 1998-02-10 音声データの圧縮/伸長装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02871498A JP3485786B2 (ja) 1998-02-10 1998-02-10 音声データの圧縮/伸長装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11234137A JPH11234137A (ja) 1999-08-27
JP3485786B2 true JP3485786B2 (ja) 2004-01-13

Family

ID=12256127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02871498A Expired - Fee Related JP3485786B2 (ja) 1998-02-10 1998-02-10 音声データの圧縮/伸長装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3485786B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2014248232B2 (en) 2013-04-05 2015-09-24 Dolby International Ab Companding apparatus and method to reduce quantization noise using advanced spectral extension
JP6331365B2 (ja) * 2013-12-05 2018-05-30 セイコーエプソン株式会社 検出装置、センサー、電子機器及び移動体
CN114023357B (zh) * 2021-11-02 2023-02-03 星宸科技股份有限公司 录音方法及音频处理电路

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11234137A (ja) 1999-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6510445B2 (en) Digital filters
JPH11220359A (ja) デジタルフィルタ
US5680393A (en) Method and device for suppressing background noise in a voice signal and corresponding system with echo cancellation
US6856653B1 (en) Digital signal sub-band separating/combining apparatus achieving band-separation and band-combining filtering processing with reduced amount of group delay
JP3069611B2 (ja) ディジタル信号のサブバンド符号化を使用するディジタル伝送システム
JP3339054B2 (ja) データ符号化方法及び装置、データ復号方法及び装置、並びに記録媒体
US5867819A (en) Audio decoder
EP1639703B1 (en) Rational sample rate conversion
JPH07284108A (ja) ビデオ信号符号化及び復号方式
JP4326031B2 (ja) 帯域合成フィルタバンク及びフィルタリング方法並びに復号化装置
JP3485786B2 (ja) 音声データの圧縮/伸長装置
JP3349421B2 (ja) 音声データの圧縮/伸長装置及びデジタルフィルタ
JP3687101B2 (ja) データ処理方法及びデータ処理装置
JP3046213B2 (ja) サブバンド・オーディオ信号合成装置
JP3211832B2 (ja) ディジタルオーディオ信号のプリエコーを低減するためのフィルタリング方法およびその装置
JP3296772B2 (ja) デジタルフィルタ
JPH11220358A (ja) デジタルフィルタ
JPH11220357A (ja) デジタルフィルタ
JP3778739B2 (ja) オーディオ信号再生装置およびオーディオ信号再生方法
JP3593201B2 (ja) オーディオ復号装置
CN111699701B (zh) 声音信号处理装置和声音信号处理方法
JP3248162B2 (ja) 帯域合成フィルタ
JP3946074B2 (ja) 音声処理装置
JPH1198023A (ja) 信号符号化及び復号化装置
JP2007271916A (ja) 音声データ圧縮装置および伸張装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees