JP3349421B2 - 音声データの圧縮/伸長装置及びデジタルフィルタ - Google Patents

音声データの圧縮/伸長装置及びデジタルフィルタ

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JP3349421B2
JP3349421B2 JP01940498A JP1940498A JP3349421B2 JP 3349421 B2 JP3349421 B2 JP 3349421B2 JP 01940498 A JP01940498 A JP 01940498A JP 1940498 A JP1940498 A JP 1940498A JP 3349421 B2 JP3349421 B2 JP 3349421B2
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    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/0248Filters characterised by a particular frequency response or filtering method
    • H03H17/0264Filter sets with mutual related characteristics
    • H03H17/0266Filter banks

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  • Mathematical Physics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声の録音時に音
声データを圧縮処理すると共に、音声の再生時に圧縮デ
ータを伸長処理する音声データの圧縮/伸長装置、及
び、この圧縮/伸長装置に用いるデジタルフィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】FIR型(Finite Impulse Response)の
デジタルフィルタは、式(1)に示すように、入力データ
X(n)とインパルス応答との畳み込みによって出力デー
タY(n)を得るように構成される。
【0003】
【数1】
【0004】ここで、h(k)はフィルタ係数、Nはタッ
プ数である。そこで、式(1)をZ変換すると、
【0005】
【数2】
【0006】が得られ、この式(2)より、
【0007】
【数3】
【0008】となり、周波数応答がわかる。そして、ω
=2πk/Nとすると、式(3)は、
【0009】
【数4】
【0010】となる。この式(4)は、離散的フーリエ変
換(DFT:Discrete Fourier Transform)の式とみなす
ことができる。従って、フィルタ係数h(k)は、式(4)に
よって与えられる周波数特性を逆変換(IDFT:Invers
e Discrete Fourier Transform)することにより求めら
れる。図9は、標準的なFIR型のデジタルフィルタの
構成を示す回路図である。
【0011】複数の遅延素子1は、例えばシフトレジス
タにより構成され、互いに直列に接続されて入力データ
X(n)をそれぞれ一定の期間Tだけ遅延する。複数の乗
算器2は、入力データX(n)の入力側及び各遅延素子1
の出力側にそれぞれ接続され、入力データX(n)及び各
遅延素子1の出力に固有のフィルタ係数h(k)をそれぞ
れ乗算する。これにより、入力データX(n)に対してイ
ンパルス応答の畳み込み処理が行われる。
【0012】総和加算器3は、各乗算器2の出力、即
ち、所定のフィルタ係数h(k)が乗算された入力データ
X(n)及び各遅延素子1の出力の総和をとり、出力デー
タY(n)として出力する。従って、入力データX(n)に対
して、上述の式(1)に従う演算が実行されたことにな
る。このようなデジタルフィルタは、タップ数Nに応じ
て遅延素子1及び乗算器2が配列されるため、タップ数
Nの増加に伴って回路規模が大きくなるという問題を有
している。そこで、時系列の入力データを一旦メモリに
記憶し、そのメモリから読み出した入力データにフィル
タ係数を順次乗算しながら、その乗算結果を累加算する
ようにしたストアードプログラム方式のデジタルフィル
タが提案されている。
【0013】図10は、ストアードプログラム方式のデ
ジタルフィルタの構成を示すブロック図である。RAM
11は、時系列で入力される入力データX(n)を順次記
憶し、ROM12は、予め複数のフィルタ係数h(k)を
記憶する。また、RAM11は、記憶した入力データX
(n)を1ステップ毎に読み出して出力し、ROM12
は、1ステップごとに増加するkの値に対応して特定の
フィルタ係数h(k)を読み出して出力する。なお、この
kは、式(1)に示したkに一致するものである。そし
て、乗算器13は、RAM11から読み出された入力デ
ータX(n-k)にROM12から読み出されたフィルタ係
数h(k)を乗算する。
【0014】累加算器14は、加算器15及びレジスタ
16からなり、乗算器13の乗算結果を累加算する。即
ち、加算器15により乗算器13の出力とレジスタ16
の出力とが加算され、その加算結果が再びレジスタ16
に格納されることにより、乗算器13の乗算結果が順次
加算される。出力レジスタ17は、累加算器14から出
力される累加算結果を取り込み、出力データY(n)とし
て出力する。
【0015】このFIR型デジタルフィルタでは、RA
M11及びROM12からそれぞれ入力データX(n)及
びフィルタ係数h(k)を順次読み出して積和演算を繰り
返すことにより、式(1)に従う演算を実行して出力デー
タY(n)を得ている。このため、タップ数Nが大きくな
ったとしても、回路規模が大きくなることはない。とこ
ろで、第1のフィルタ係数h1(n)を有するデジタルフィ
ルタに対し、
【0016】
【数5】
【0017】により与えられる第2のフィルタ係数h2
(n)を有するデジタルフィルタは、その周波数応答性か
らミラーフィルタと称される。このようなミラーフィル
タにおけるZ変換の関係は、
【0018】
【数6】
【0019】である。ここで、周波数応答性を考える
と、
【0020】
【数7】
【0021】であることから、式(6)は、
【0022】
【数8】
【0023】となる。これにより、ミラーフィルタの周
波数応答性が、π/2で対称となることがわかる。ここ
で、π/2がサンプリング周期の1/4であることか
ら、このミラーフィルタは、QMF(Quadrature Mirror
Filter)と称される。このようなQMFは、アイイーイ
ーイー・トランザクションズ・オン・アコースティック
ス・スピーチ・アンド・シグナル・プロセッシング,エ
イエスエスピー32巻3号,1984年6月,(IEEE Tr
ans. Acoust., Speech, Signal Process.,Vol.ASSP-32,
No.3,June1984)第522頁〜第531頁に詳述されてい
る。
【0024】上述のQMFにより、周波数成分の帯域分
離が行われる分離フィルタにおいては、式(9)及び式(1
0)に示すように、入力データX(n)とインパルス応答と
の畳み込み処理と、それらの加算または減算処理によ
り、入力データX(n)の帯域データである2つの出力デ
ータYa(n)、Yb(n)を得るように構成される。
【0025】
【数9】
【0026】
【数10】
【0027】図11は、式(9)及び式(10)に従う帯域分
離処理が行われる分離フィルタの構成を示すブロック図
である。複数の遅延素子21は、直列に接続され、入力
データX(n)をそれぞれ一定期間Tだけ遅延する。複数
の第1の乗算器22は、入力データX(n)の入力側及び
偶数段の遅延素子21の出力側に接続され、入力データ
X(n)及び各遅延素子21の出力にそれぞれフィルタ係
数h(2k)を乗算する。また、複数の第2の乗算器24
は、奇数段の遅延素子21の出力側に接続され、各遅延
素子21の出力にそれぞれフィルタ係数h(2k+1)を乗算
する。これにより、入力データX(n)に対するインパル
ス応答の畳み込み処理が行われる。
【0028】第1の総和加算器24は、第1の乗算器2
2の各出力を全て加算し、中間データAnを出力する。
一方、第2の総和加算器25は、第2の乗算器23の各
出力を全て加算し、中間データBnを出力する。減算器
26は、第1の総和加算器24から入力される中間デー
タAnから、第2の総和加算器25から入力される中間
データBnを減算し、第1の出力データYa(n)として出
力する。また、加算器27は、第1の総和加算器24か
ら入力される中間データAnと、第2の総和加算器25
から入力される中間データBnとを加算し、第2の出力
データYb(n)として出力する。このようにして式(9)及
び式(10)に従う演算処理が達成される。
【0029】一方、上述のQMFにより、周波数成分の
帯域合成が行われる合成フィルタにおいては、式(11)及
び式(12)に示すように、第1の入力データXa(n)及び第
2の入力データXb(n)の加算値または減算値に対するイ
ンパルス応答の畳み込み処理により、入力データXa
(n)、Xb(n)の合成データである出力データY(n)を得る
ように構成される。
【0030】
【数11】
【0031】
【数12】
【0032】図12は、式(11)及び式(12)に従う帯域合
成処理が行われる合成フィルタの構成を示すブロック図
である。減算器31は、第1の入力データXa(n)から第
2の入力データXb(n)を減算し、加算器32は、第1の
入力データXa(n)と第2の入力データXb(n)とを加算す
る。切り換えスイッチ33は、減算器31の出力と加算
器32の出力とを交互に切り換えて出力する。
【0033】複数の遅延素子34は、直列に接続され、
減算器31の出力または加算器32の出力それぞれ一定
期間(T)だけ遅延する。複数の第1の乗算器35は、
スイッチ33の出力及び偶数段の遅延素子34の出力側
に接続され、スイッチ33の出力及び各遅延素子34の
出力にフィルタ係数h(2k)を乗算する。また、複数の第
2の乗算器36は、奇数段の遅延素子34の出力側に接
続され、各遅延素子34の出力にフィルタ係数h(2k+1)
を乗算する。これにより、第1の入力データXa(n)及び
第2の入力データXb(n)の減算値および加算値に対する
インパルス応答の畳み込み処理が行われる。
【0034】第1の総和加算器37は、第1の乗算器3
5の出力を全て加算し、中間データAnを出力する。一
方、第2の総和加算器38は、第2の乗算器26の出力
を全て加算し、中間データBnを出力する。そして、切
り換えスイッチ39は、切り換えスイッチ33と同期し
て、中間データAnと中間データBnとを交互に切り換
え、出力データY(n)として出力する。このようにして
式(11)及び式(12)に従う演算処理が達成される。
【0035】以上のような分離フィルタ及び合成フィル
タを上述のストアードプログラム方式により構成するこ
とは、本出願人により提案された特開平6−21671
5号公報及び特開平7−131295号公報に開示され
ている。図13は、録音動作において音声データを圧縮
処理し、再生動作において記録媒体から読み出された圧
縮データを伸長処理する音声データの圧縮/伸長装置の
構成を示すブロック図である。
【0036】記録動作、即ち、圧縮処理のときには、ア
ッテネータ41、デジタルフィルタ42、改良離散コサ
イン変換回路43及び量子化回路44が動作し、アッテ
ネータ41に入力される音声データを圧縮して圧縮デー
タを生成する。アッテネータ41は、音声信号がA/D
変換された音声データを受け取り、必要に応じて音声デ
ータを減衰する。デジタルフィルタ42は、例えば図1
1に示すQMFであり、アッテネータ41を通して入力
される音声データを所定の周波数帯域毎に分離して複数
の帯域データを生成する。改良離散コサイン変換(MDCT:
Modified Discrete Cosine Transform)回路43は、デ
ジタルフィルタ42から入力される帯域データに対して
離散コサイン変換を施し、各帯域データに対応する係数
データを生成する。そして、量子化回路44は、MDC
T回路43から入力される係数データを所定の量子化テ
ーブルに従って量子化することにより、圧縮データを生
成する。MDCT回路43及び量子化回路44における
演算処理は、通常、複数の帯域データに対して時分割で
行われる。
【0037】再生動作、即ち、伸長処理のときには、逆
量子化回路45、改良離散コサイン逆変換回路46、デ
ジタルフィルタ47及びアッテネータ48が動作し、所
定の記録媒体から読み出される圧縮データを伸長して音
声データを再生する。逆量子化回路45は、圧縮処理系
の量子化回路44と同一の量子化テーブルを参照し、M
DCT回路43において生成された係数データと対応す
る係数データを生成する。改良離散コサイン逆変換(IMD
CT: Inverse Modified Discrete Cosine Transform)回
路46は、MDCT回路43とは逆の変換処理を施し、
デジタルフィルタ42において生成された帯域データと
対応する帯域データを生成する。デジタルフィルタ42
は、例えば図12に示すQMFであり、IMDCT回路
46から入力される周波数帯域別の帯域データを合成し
て音声データを生成する。そして、アッテネータ48
は、デジタルフィルタ47から入力される音声データを
必要に応じて減衰し、D/A変換器やアンプをを含む次
段の回路に供給する。逆量子化回路45及びIMDCT
回路46における演算処理は、MDCT回路43及び量
子化回路44と同様に、複数の帯域データに対して時分
割で行われる。これにより、デジタルフィルタ47に
は、複数の帯域データが時分割で入力されることにな
る。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】音声の録音及び再生が
可能なMD(Mini Disc)プレーヤ等のデジタルオーディ
オ機器においては、図13に示すように、アッテネータ
41から量子化回路44までの圧縮系の回路と、逆量子
化回路45からアッテネータ48までの伸長系の回路と
が並列に設けられる。デジタルデータを取り扱うアッテ
ネータ41、48やデジタルフィルタ42、47におい
ては、通常、乗算器が用いられるため、データのビット
数が大きくなると、回路規模が増大するという問題が生
じる。このような回路規模の増大は、回路の消費電力を
大きくすると共に、コストを上昇させる。
【0039】そこで本発明は、音声データの録音及び再
生を可能にする音声データの圧縮/伸長回路の回路規模
を小さくすることを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために成されたもので、その特徴とするところ
は、音声データを所定の周波数帯域毎に分離し、各帯域
毎に符号化処理を施して圧縮データを生成すると共に、
記録媒体から読み出される周波数帯域別の複数の圧縮デ
ータにそれぞれ復号化処理を施し、互いに合成して音声
データを生成する音声データの圧縮/伸長装置であっ
て、上記音声データを複数の周波数帯域に分離して複数
の帯域データを生成すると共に、複数の帯域データを合
成して上記音声データを生成するデジタルフィルタと、
上記音声データの入出力側と上記デジタルフィルタとの
間に接続され、上記デジタルフィルタに入力される上記
音声データあるいは上記デジタルフィルタから出力され
る上記音声データを減衰するアッテネータと、上記圧縮
データの入出力側と上記デジタルフィルタとの間に接続
され、上記デジタルフィルタで生成される上記帯域デー
タを時系列で符号化して圧縮データを生成する符号化回
路と、上記圧縮データの入出力側と上記デジタルフィル
タとの間に接続され、記録媒体から読み出される上記圧
縮データを復号化して上記帯域データを生成する復号化
回路と、を備えたことにある。
【0041】本発明の音声データの圧縮/伸長回路によ
れば、音声データの分離処理と帯域データの合成処理と
を切り替えてデジタルフィルタを動作させるようにした
ことで、デジタルフィルタに入出力される音声データを
減衰させるアッテネータを1つにすることができる。さ
らに、本発明の特徴とするところは、音声データを分離
して複数の帯域データを生成すると共に、複数の帯域デ
ータを合成して音声データ生成するデジタルフィルタで
あって、時系列のデータを順次記憶するRAMと、上記
RAMから読み出したデータに所定のフィルタ係数を乗
算する乗算器と、上記乗算器の演算結果を累加算する累
加算器と、分離処理のときに上記累加算器の演算結果を
選択し、合成処理のときに第1及び第2の帯域データを
選択する第1のセレクタと、上記セレクタの選択データ
を交互に取り込む第1及び第2のレジスタと、上記第1
及び第2のレジスタから取り出される2つのデータを加
算または減算する加減算器と、分離処理のときに上記加
減算器の演算結果を選択し、合成処理のときに音声デー
タを選択して上記RAMに供給する第2のセレクタと、
を含み、上記音声データに上記乗算器で所定のアッテネ
ート係数を乗算して上記RAMに記憶し、上記加減算器
の演算結果を上記音声データに対する帯域データとして
出力すると共に、上記累加算器の演算結果に上記乗算器
で所定のアッテネート係数を乗算し、上記第1及び第2
の帯域データに対する音声データとして出力することに
ある。
【0042】本発明のデジタルフィルタによれば、セレ
クタの切り替えにより乗算器及び累加算器の処理と加減
算器の処理とを入れ替えるようにしたことで、音声デー
タの分離処理と帯域データの合成処理とが切り替えられ
る。このとき、フィルタ係数を乗算する乗算器を用いて
音声データにアッテネート係数を乗算することにより、
1つの乗算器により、デジタルフィルタとアッテネータ
とを実現することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の音声データの圧
縮/伸長装置に関する第1の実施形態を示すブロック図
である。MDCT回路53、量子化回路54、逆量子化
回路55及びIMDCT回路56は、それぞれ、図13
に示すMDCT回路43、量子化回路44、逆量子化回
路45及びIMDCT回路46と同一である。即ち、デ
ジタルフィルタ52で生成される帯域データからMDC
T回路43及び量子化回路44によって圧縮データを生
成し、圧縮データから逆量子化回路45及びIMDCT
回路46によってデジタルフィルタ52に入力する帯域
データを生成するように構成している。
【0044】本発明の特徴とするところは、デジタルフ
ィルタ52において、音声データの圧縮処理と帯域デー
タの分離処理とを切り替えて行うようにすると共に、こ
のデジタルフィルタ52に双方向にデータの入出力が可
能なアッテネータ51を接続したことにある。アッテネ
ータ51は、入力端子と出力端子とを切り替えること
で、データの入出力が双方向で可能なように構成され、
音声データの入出力とデジタルフィルタとの間に接続さ
れる。これにより、アッテネータ51は、音声データを
減衰させてデジタルフィルタ52に供給すると共に、デ
ジタルフィルタ52から出力される音声データを減衰さ
せて次段の回路へ供給する。
【0045】デジタルフィルタ52は、乗算器、累加算
器及び加減算器を含み、これらの演算器の間を接続する
セレクタの切り替え動作により、音声データに対する分
離処理と帯域データに対する合成処理とを可能にしてい
る。即ち、分離処理の場合、音声データに対して最初に
乗算処理を施し、その乗算値を累加算した後、2種類の
累加算値に加減算処理を施して帯域データを生成するよ
うに構成される。そして、合成処理の場合、複数の帯域
データに対して最初に加減算処理を施した後、その加減
算値に乗算処理を施し、さらに、その乗算値を累加算し
て音声データを生成するように構成される。
【0046】このデジタルフィルタ52は、図13に示
すデジタルフィルタ42、47と比較すると、演算処理
の順序を変えるセレクタが追加されており、単一のデジ
タルフィルタとしては回路規模が大きくなっている。し
かしながら、デジタルフィルタ52は、音声データに対
する圧縮処理と帯域データに対する伸長処理とで同一の
演算器を用いて2つのデジタルフィルタ42、47に相
当する機能を達成しており、実質的な回路規模は縮小さ
れている。
【0047】以上の音声データの圧縮/伸長装置におい
ては、アッテネータ51及びデジタルフィルタ52がそ
れぞれ1つであり、図13に示す装置と比較して、回路
規模が縮小されている。通常の圧縮/伸長装置では、圧
縮処理と伸長処理とを同時に行うことはなく、アッテネ
ータ51及びデジタルフィルタ52を時分割で動作させ
れば十分に対応可能である。
【0048】図2は、図1に示すデジタルフィルタ52
の構成を示すブロック図であり、図3及び図4は、その
動作を説明するタイミング図である。RAM61は、後
述する第2のセレクタ74に接続され、第2のセレクタ
74から入力される時系列のデータを所定の期間記憶
し、演算処理の各ステップ毎に順次読み出して出力す
る。ROM62は、予め複数のフィルタ係数h(k)を記
憶し、1ステップごとに増加するkの値に対応して所定
のフィルタ係数h(k)を読み出して繰り返し出力する。
このkは、上述の式(9)〜式(12)に示したkに一致する
ものである。乗算器63は、RAM61及びROM62
に接続され、RAM61から読み出されたデータにRO
M62から読み出されたフィルタ係数h(k)を乗算す
る。累加算器64は、加算器65及びレジスタ66から
なり、乗算器63に接続されて乗算器63の乗算結果を
タップ数に従って累加算する。即ち、レジスタ66から
読み出したデータと乗算器63から入力される乗算デー
タとを加算器65で加算し、その加算データを再びレジ
スタ66に格納することにより、乗算器63の乗算結果
を累加算する。
【0049】第1のセレクタ67は、累加算器64及び
デコード入力に接続され、累加算器64から入力される
累加算データまたは時系列の帯域データXa(n)、Xb(n)
の一方を選択して出力する。ここで、デコード入力から
は、2種類の帯域データXa(n)、Xb(n)が時分割で1デ
ータずつ交互に入力される。第1のレジスタ68及び第
2のレジスタ69は、第1のセレクタ67に接続され、
第1のセレクタ67から連続して入力される累加算デー
タあるいは帯域データXa(n)、Xb(n)を交互に取り込ん
で格納し、それぞれ所定のタイミングで出力する。例え
ば、第1のセレクタ67から奇数番目に出力されるデー
タA(n)を第1のレジスタ68に格納し、偶数番目に出
力されるデータB(n)を第2のレジスタ69に格納する
ように構成される。加減算器70は、第1のレジスタ6
8及び第2のレジスタ69に接続され、各レジスタ6
8、69から読み出されるデータA(n)、B(n)を減算あ
るいは加算する。第2のセレクタ74は、加減算器70
及びエンコード入力に接続され、加減算器70から入力
される加減算データまたは時系列の音声データX(n)の
一方を選択して出力する。
【0050】第1の出力レジスタ71は、加減算器70
に接続され、各演算処理毎に加減算器70から入力され
る加減算データを格納し、帯域データYa(n)、Yb(n)と
して出力する。例えば、減算演算及び加算演算を交互に
繰り返す加減算器70に対応し、減算データを第1の帯
域データYa(n)として出力し、加算データを第2の帯域
データYb(n)として出力する。この第1の出力レジスタ
71の出力がエンコード出力となる。第2の出力レジス
タ72は、累加算器64に接続され、所定の演算処理を
完了して累加算器64から入力される累加算データを格
納し、音声データY(n)として出力する。この第2の出
力レジスタ72の出力がデコード出力となる。
【0051】以上のデジタルフィルタは、第1のセレク
タ67が累加算器64の累加算データを選択し、第2の
セレクタ74が音声データX(n)を選択したときに分離
フィルタとして働き、音声データX(n)に対する帯域デ
ータYa(n)、Yb(n)を第1の出力レジスタ71から出力
する。そして、第1のセレクタ67が帯域データXa
(n)、Xa(n)を選択し、第2のセレクタ74が加減算器
70の加減算データを選択したときに合成フィルタとし
て働き、帯域データXa(n)、Xa(n)に対する合成データ
Y(n)を第2の出力レジスタ72から出力する。
【0052】図2に示すデジタルフィルタが、タップ数
Nを「4」とした分離フィルタとして働く場合の動作を
図3に示す。この図では、n=4のときを示している。
この動作の際、第1のセレクタ67は累加算器64の累
加算データを選択し、第2のセレクタ74は音声データ
X(n)を選択している。タップ数N=4として式(9)及び
式(10)を計算すると、式(9)について、
【0053】
【数13】
【0054】となり、式(10)について、
【0055】
【数14】
【0056】となる。音声データX(8)は、第2のセレ
クタ74を通してRAM61に書き込まれる。図3で
は、音声データX(0)〜X(7)の書き込みについて図示を
省略してあるが、音声データX(0)〜X(7)は、音声デー
タX(8)よりも先に入力されており、それぞれRAM6
1に記憶されている。
【0057】まず、RAM61から音声データX(8)が
読み出され、これに対応してROM62からフィルタ係
数h(0)が読み出されると、これらが乗算器63によっ
て乗算され、その乗算データが累加算器64に供給され
る。このとき、累加算器64のデータはクリアされてお
り、音声データX(8)とフィルタ係数h(0)との乗算値
が、 A1=h(0)・X(8) なるデータとしてそのままレジスタ66に格納される。
続いて、RAM61から音声データX(6)、X(4)、X
(2)が順に読み出されると共に、ROM62からフィル
タ係数h(2)、h(4)、h(6)が順に読み出され、それぞ
れ乗算器63により乗算され、各乗算データが順次累加
算器64に供給される。累加算器64では、入力される
乗算データが累加算され、 A2=h(2)・X(6)+A1 A3=h(4)・X(4)+A2 A4=h(6)・X(2)+A3 なるデータがレジスタ66に順次格納される。そして、
最終的に格納された、 A4=h(0)・X(8)+h(2)・X(6)+h(4)・X(4)+h
(6)・X(2) なるデータが、第1のセレクタ67を通して第1のレジ
スタ68に格納される。
【0058】続いて、RAM61から音声データX(7)
が読み出され、これに対応してROM62からフィルタ
係数h(1)が読み出されると、これらが乗算器63によ
って乗算され、その乗算データが累加算器64に供給さ
れる。このとき、累加算器64のレジスタ66はクリア
されており、音声データX(7)とフィルタ係数h(1)との
乗算値が、 B1=h(1)・X(7) なるデータとしてそのままレジスタ66に格納される。
続いて、RAM61から音声データX(5)、X(3)、X
(1)が順に読み出されると共に、ROM62からフィル
タ係数h(3)、h(5)、h(7)が順に読み出され、それぞ
れの乗算データが累加算器64に順次供給される。従っ
て、 B2=h(3)・X(5)+B1 B3=h(5)・X(3)+B2 B4=h(7)・X(1)+B3 なるデータがレジスタ66に順次格納される。そして、
最終的に格納された、 B4=h(1)・X(7)+h(3)・X(5)+h(5)・X(3)+h
(7)・X(1) なるデータが、第1のセレクタ67を通して第2のレジ
スタ69に格納される。
【0059】そして、第1のレジスタ68及び第2のレ
ジスタ69からデータA4、B4がそれぞれ加減算器70
に入力され、データA4とデータB4とが加算され、さら
に、データA4からデータB4が減算される。この加減算
器70の加算データ、即ち、 A4+B4=h(6)・X(2)+h(4)・X(4)+h(2)・X(6)
+h(0)・X(8)+h(7)・X(1)+h(5)・X(3)+h(3)
・X(5)+h(1)・X(7) は、第1の帯域データYb(4)として第1の出力レジスタ
71に格納される。また、減算データ、即ち、 A4−B4=h(6)・X(2)+h(4)・X(4)+h(2)・X(6)
+h(0)・X(8)−h(7)・X(1)−h(5)・X(3)−h(3)
・X(5)−h(1)・X(7) は、第2の帯域データYa(4)として第1の出力レジスタ
71に格納される。この結果、式(13)及び式(14)で表さ
れる演算処理が成されたことになる。
【0060】図1に示すデジタルフィルタが、タップ数
Nを「4」とした合成フィルタとして働く場合の動作を
図4に示す。この図では、n=4のときを示している。
この動作の際、第1のセレクタ67が帯域データXa
(n)、Xa(n)を選択し、第2のセレクタ74が加減算器
50の加減算データを選択している。タップ数N=4と
して式(11)および式(12)を計算すると、式(11)につい
て、
【0061】
【数15】
【0062】となり、式(12)について、
【0063】
【数16】
【0064】となる。時分割で交互に入力される2種類
の帯域データXa(4)、Xb(4)は、第1のセレクタ67を
通してぞれぞれ第1のレジスタ68及び第2のレジスタ
69に格納される。そして、第1のレジスタ68に格納
された帯域データXa(4)から第2のレジスタ69に格納
された帯域データXb(4)が、加減算器70によって減算
され、その減算データ{Xa(4)−Xb(4)}が第2のセレ
クタ74を通してRAM61に書き込まれる。図4で
は、帯域データXa(1)〜Xa(3)、Xb(1)〜Xb(3)の減算
処理について図示を省略してあるが、帯域データXa(1)
〜Xa(3)、Xb(1)〜Xb(3)は、帯域データXa(4)、Xb
(4)等と同様に、第1のレジスタ68及び第2のレジス
タ69にそれぞれ格納された後、加減算器70によって
それぞれ減算され、減算データ{Xa(1)−Xb(1)}〜
{Xa(3)−Xb(3)}としてRAM61に記憶されてい
る。
【0065】まず、RAM61から減算データ{Xa(4)
−Xb(4)}が読み出され、これに対応してROM62か
らフィルタ係数h(0)が読み出されると、乗算器63で
これらが乗算され、乗算データが累加算器64に供給さ
れる。このとき、累加算器64のレジスタ66はクリア
されており、減算データ{Xa(4)−Xb(4)}とフィルタ
係数h(0)との乗算値が、 A1=h(0)・{Xa(4)−Xb(4)} なるデータとしてそのままレジスタ66に格納される。
続いて、RAM61から減算データ{Xa(3)−Xb
(3)}、{Xa(2)−Xb(2)}、{Xa(1)−Xb(1)}が順
に読み出されると共に、ROM62からフィルタ係数h
(2)、h(4)、h(6)が順に読み出されると、それぞれが
乗算器63で乗算され、その乗算データが順次累加算器
64に供給される。累加算器64では、入力される乗算
データが累加算され、 A2=h(2)・{Xa(3)−Xb(3)}+A1 A3=h(4)・{Xa(2)−Xb(2)}+A2 A4=h(6)・{Xa(1)−Xb(1)}+A3 なるデータがレジスタ66に順次格納される。そして、
最終的に格納された、 A4=h(0)・{Xa(4)−Xb(4)}+h(2)・{Xa(3)−
Xb(3)}+h(4)・{Xa(2)−Xb(2)}+h(6)・{Xa
(1)−Xb(1)} なるデータが、出力データY(8)として第2の出力レジ
スタ72に格納される。
【0066】続いて、第1のレジスタ68に格納された
帯域データXa(4)と第2のレジスタ69に格納された帯
域データXb(4)とが加減算器70で加算され、その加算
データ{Xa(4)+Xb(4)}が、第2のセレクタ74を通
してRAM61に書き込まれる。図4では、帯域データ
Xa(1)〜Xa(3)、Xb(1)〜Xb(3)に関する加算処理につ
いて図示を省略してあるが、帯域データXa(1)〜Xa
(3)、Xb(1)〜Xb(3)は、帯域データXa(4)、Xb(4)等
と同様に、第1のレジスタ68及び第2のレジスタ69
にそれぞれ格納された後、加減算器70により加算さ
れ、加算データ{Xa(1)+Xb(1)}〜{Xa(3)+Xb
(3)}としてRAM61に記憶されている。
【0067】RAM61から加算データ{Xa(4)+Xb
(4)}が読み出され、これに対応してROM62からフ
ィルタ係数h(1)が読み出されると、乗算器63でこれ
らが乗算され、その乗算データが累加算器64に供給さ
れる。このとき、累加算器64のデータはクリアされて
おり、加算データ{Xa(4)+Xb(4)}とフィルタ係数h
(1)との乗算データが、 B1=h(1)・{Xa(4)+Xb(4)} なるデータとしてそのままレジスタ66に格納される。
続いて、RAM61から加算データ{Xa(3)+Xb
(3)}、{Xa(2)+Xb(2)}、{Xa(1)+Xb(1)}が順
に読み出されると共に、ROM62からフィルタ係数h
(3)、h(5)、h(7)が順に読み出され、それぞれの乗算
データが順次累加算器64に供給される。従って、 B2=h(3)・{Xa(3)+Xb(3)}+B1 B3=h(5)・{Xa(2)+Xb(2)}+B2 B4=h(7)・{Xa(1)+Xb(1)}+B3 なるデータがレジスタ66に順次格納される。最終的に
格納された、 B4=h(1)・{Xa(4)+Xb(4)}+h(3)・{Xa(3)+
Xb(3)}+h(5)・{Xa(2)+Xb(2)}+h(7)・{Xa
(1)+Xb(1)} なるデータが音声データY(9)として第2の出力レジス
タ72に格納される。この結果、式(15)及び式(16)で表
される演算処理が成されたことになる。
【0068】図5は、本発明の音声データの圧縮/伸長
装置に関する第2の実施形態を示すブロック図である。
この図において、MDCT回路53、量子化回路54、
逆量子化回路55及びIMDCT回路56は、図1と同
一のものであり、説明は省略する。この第2の実施形態
は、デジタルフィルタ57がアッテネート機能を内蔵し
ている点が第1の実施形態と異なる。即ち、音声データ
に対する分離処理及び帯域データに対する合成処理を行
うための演算回路の一部(詳しくは乗算器)を音声デー
タの減衰処理にも用いるようにすることで、第1の実施
形態以上に回路規模を縮小することが可能になる。
【0069】デジタルフィルタ57は、図1に示すデジ
タルフィルタ52と同様に、乗算器、累加算器及び加減
算器により音声データに対する分離処理と帯域データに
対する合成処理と行うと共に、乗算器により音声データ
にアッテネート係数を乗算して音声データを減衰するよ
うにしている。即ち、分離処理及び合成処理のために設
けられる乗算器、累加算器及び加減算器の内、乗算器に
よって音声データの減衰処理を行うようにすることで、
新たな演算回路を追加することなくデジタルフィルタに
アッテネート機能を追加することができる。
【0070】このデジタルフィルタ57は、図1に示す
デジタルフィルタ52と比較すると、乗算器をアッテネ
ータとして動作させるためのセレクタが追加されてお
り、単一のデジタルフィルタとしては回路規模が大きく
なっている。しかしながら、デジタルフィルタ57は、
音声データに対する圧縮処理及び帯域データに対する伸
長処理に加えて、音声データに対する減衰処理を可能に
しており、装置全体として回路規模は縮小されている。
【0071】図6は、図5に示すデジタルフィルタ57
の構成を示すブロック図であり、図7及び図8は、その
動作を説明するタイミング図である。RAM81は、後
述する第2のセレクタ94に接続され、第2のセレクタ
93から入力される時系列のデータを所定の期間記憶
し、演算処理の各ステップ毎に順次読み出して出力す
る。ROM82は、予め複数のフィルタ係数h(k)を記
憶し、1ステップごとに増加するkの値に対応して所定
のフィルタ係数h(k)を読み出して繰り返し出力する。
このkは、上述の式(9)〜式(10)に示したkに一致する
ものである。
【0072】第3のセレクタ83は、エンコード入力と
RAM81とに接続され、時系列の音声データX(n)ま
たはRAM81から読み出されるデータの何れか一方を
選択して出力する。第4のセレクタ84は、アッテネー
ト入力とROM82とに接続され、アッテネート係数g
(m)またはROM82から読み出されるフィルタ係数h
(k)の何れか一方を選択して出力する。第5のセレクタ
85は、第3のセレクタ83及び累加算器87に接続さ
れ、第3のセレクタ83の選択データまたは累加算器8
7の累加算データの何れか一方を選択して出力する。こ
れら第3〜第5のセレクタ83〜85は、それぞれ共通
の選択制御信号SC1、SC2に応答して選択制御され
る。
【0073】乗算器86は、第5のセレクタ85及び第
4のセレクタ84に接続され、第5のセレクタ85の選
択データと、第4のセレクタ84の選択データとを乗算
する。ここで、第3のセレクタ83が音声データX(n)
を選択するときには第4のセレクタ84がアッテネート
係数g(m)を選択し、第3のセレクタ83がRAM81
からのデータを選択するときには第4のセレクタ84が
フィルタ係数h(k)を選択するようして動作する。ま
た、第5のセレクタ85が累加算データを選択するとき
には第4のセレクタ84がアッテネート係数g(m)を選
択し、第5のセレクタ85が第3のセレクタ83の選択
データを選択するときには第4のセレクタ84が第3の
セレクタ83の選択動作に従うようして動作する。これ
により、乗算器87は、RAM81から読み出されたデ
ータとフィルタ係数h(k)との乗算を行い、その乗算デ
ータを累加算器87に供給する。また、乗算器87は、
エンコード入力から入力される音声データX(n)とアッ
テネート係数g(m)と乗算して減衰音声データx(n)を生
成し、累加算器87から生成される音声データY(n)と
アッテネート係数g(m)とを乗算して減衰音声データy
(n)を生成する。
【0074】累加算器86は、加算器88及びレジスタ
89からなり、乗算器85から入力される乗算データを
タップ数に従って累加算する。この累加算器87は、図
1の累加算器64と同一である。第1のセレクタ90
は、累加算器87及びデコード入力に接続され、累加算
器87から入力される累加算データまたは時系列の帯域
データXa(n)、Xb(n)の一方を選択して出力する。第1
のレジスタ91及び第2のレジスタ92は、第1のセレ
クタ90に接続され、第1のセレクタ67から連続して
入力される累加算データあるいは帯域データXa(n)、X
b(n)を交互に取り込んで格納し、それぞれ所定のタイミ
ングで出力する。例えば、第1のセレクタ67から奇数
番目に出力されるデータA(n)を第1のレジスタ68に
格納し、偶数番目に出力されるデータB(n)を第2のレ
ジスタ69に格納する。加減算器93は、第1のレジス
タ91及び第2のレジスタ92に接続され、各レジスタ
91、92から読み出される中間データA(n)、B(n)を
減算あるいは加算する。第2のセレクタ94は、加減算
器93及び乗算器86に接続され、加減算器93から入
力される加減算データまたは乗算器86から入力される
乗算データの一方を選択して出力する。
【0075】第1の出力レジスタ95は、加減算器93
に接続され、所定の演算処理が完了する毎に加減算器9
3から入力される加減算データを格納し、帯域データY
a(n)、Yb(n)として出力する。例えば、減算演算及び加
算演算を交互に繰り返す加減算器93に対応し、減算デ
ータを第1の帯域データYa(n)として出力し、加算デー
タを第2の帯域データYb(n)として出力する。この第1
の出力レジスタ95の出力がエンコード出力となる。第
2の出力レジスタ96は、乗算器86に接続され、所定
の演算処理が完了する毎に乗算器86から出力される乗
算データを格納し、減衰音声データy(n)として出力す
る。この第2の出力レジスタ72の出力がデコード出力
となる。
【0076】以上のデジタルフィルタは、第1のセレク
タ90が累加算器87の累加算データを選択し、第5の
セレクタ85が第3のセレクタ83の選択データを選択
したときにアッテネータ及び分離フィルタとして働く。
これにより、音声データX(n)を減衰させた減衰音声デ
ータx(n)に対する帯域データYa(n)、Yb(n)が第1の
出力レジスタ95から出力される。そして、第1のセレ
クタ90が帯域データXa(n)、Xb(n)を選択し、第3の
セレクタ83がRAM81から読み出されるデータを選
択したときに合成フィルタとして働き、帯域データXa
(n)、Xa(n)に対する音声データY(n)を減衰させた減衰
音声データy(n)が出力される。
【0077】図6に示すデジタルフィルタが、タップ数
Nを「4」とした分離フィルタとして働く場合の動作を
図7に示す。この図では、n=4のときを示している。
この動作の際、第1のセレクタ90は累加算器87の累
加算データを選択し、第5のセレクタ85は第3のセレ
クタ83の選択データを選択している。最初に、第3の
セレクタ83は、音声データX(n)を選択し、第4のセ
レクタ84は、アッテネート係数g(m)を選択してい
る。この状態において、音声データX(8)が入力される
と、乗算器86において、音声データX(8)とアッテネ
ート係数g(1)との乗算が行われ、その乗算データx(8)
(=X(8)・g(1))が減衰入力データとしてRAM81
に書き込まれる。ここで、アッテネート係数g(1)につ
いては、音声データX(n)に対する減衰の程度を決定す
るものであり、通常は、一定値に固定されている。そし
て、減衰音声データx(8)のRAM81への書き込みが
完了した時点で、第3のセレクタ83は、減衰入力デー
タx(8)側(RAM81側)に切り換えられ、同時に、
第4のセレクタ84は、フィルタ係数h(k)側(ROM
82側)に切り換えられる。
【0078】第3及び第4のセレクタ83、84の切り
換えが完了した後の減衰音声データx(n)に対する処理
については、図3に示す動作と同一である。結果的に、
式(13)及び式(14)において、音声データX(n)を減衰音
声データ(n)に置換した式によって表される演算処理が
成されたことになる。従って、音声データX(n)が減衰
されたのち、2種類の帯域データYa(n)、Yb(n)が生成
される。
【0079】図6に示すデジタルフィルタが、タップ数
Nを「4」とした合成フィルタとして働く場合の動作を
図8に示す。この図では、n=4のときを示している。
この動作の際、第1のセレクタ90はエンコード入力の
音声データXa(n)、Xb(n)をを選択し、第3のセレクタ
83はRAM81から読み出されるデータを選択してい
る。
【0080】最初に、第4のセレクタ84は、フィルタ
係数h(k)を選択し、第5のセレクタ85は、第3のセ
レクタ83の選択データ、即ち、RAM81から読み出
されるデータを選択している。このときの構成は、図2
に示すデジタルフィルタが分離フィルタとして動作する
ときの構成に一致しており、デコード入力から入力され
る音声データXa(n)、Xb(n)から音声データY(n)の生
成までは、図4に示す動作と同一である。但し、乗算器
86において、アッテネート係数g(m)の乗算処理を行
う時間を確保するため、累加算器87で所定のタップ数
の累加算処理が完了した後に次の累加算処理を開始する
間での時間を図4の場合よりも長く設定している。従っ
て、式(15)及び式(16)によって表される演算処理が成さ
れたことになる。
【0081】音声データY(n)が生成された後には、第
5のセレクタ85が音声データY(n)(累加算器87)
側に切り換えられ、第4のセレクタ84がアッテネート
係数g(m)側に切り換えられる。この状態において、累
加算器87から音声データY(8)が出力されると、乗算
器86において、音声データY(8)とアッテネート係数
g(1)との乗算が行われ、その乗算データy(8)(=Y
(8)・g(1))が減衰音声データとして第2の出力レジス
タ96に格納される。従って、2種類の音声データXa
(n)、Xb(n)が合成された後、所望のレベルに減衰され
た減衰音声データy(n)が生成される。
【0082】以上の実施形態においては、デジタルフィ
ルタのタップ数を4とした場合を例示したが、回路構成
を変更することなく、タップ数を5以上に設定すること
は、動作タイミングの変更により容易である。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、セレクタの切り替えに
よりデジタルフィルタで、音声データの分離処理と帯域
データの合成処理と実現するようにしたことで、アッテ
ネータ及びデジタルフィルタをそれぞれ1つにすること
ができ、回路規模の縮小が図れる。そして、デジタルフ
ィルタを構成する乗算器によってアッテネータを構成す
ることにより、さらなる回路規模の縮小が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音声データの圧縮/伸長装置の第1の
実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の音声データの圧縮/伸長装置のデジタル
フィルタの構成を示すブロック図である。
【図3】図2のデジタルフィルタの分離動作を説明する
タイミング図である。
【図4】図2のデジタルフィルタの合成動作を説明する
タイミング図である。
【図5】本発明の音声データの圧縮/伸長装置の第2の
実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5の音声データの圧縮/伸長装置のデジタル
フィルタの構成を示すブロック図である。
【図7】図6のデジタルフィルタの分離動作を説明する
タイミング図である。
【図8】図6のデジタルフィルタの合成動作を説明する
タイミング図である。
【図9】FIR型デジタルフィルタの構成を示す回路図
である。
【図10】ストアードプログラム方式のQMFの構成を
示すブロック図である。
【図11】QMFを用いた分離フィルタの構成図であ
る。
【図12】QMFを用いた合成フィルタの構成図であ
る。
【図13】従来の音声データの圧縮/伸長装置の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1、21、31 遅延素子 2、22、23、35、36 乗算器 3、24、25、37、38 総和加算器 11、61、81 RAM 12、62、82 ROM 13、63、86 乗算器 14、64、87 累加算器 15、65、88 加算器 16、66、68、69、89、91、92 レジスタ 17、71、72、95、96 出力レジスタ 26、31 減算器 27、32 加算器 67、74、83、84、85、90、94 セレクタ 41、48、51 アッテネータ 42、47、52、57 デジタルフィルタ 43、53 離散コサイン変換(MDCT)回路 44、54 量子化回路 45、55 逆量子化回路 46、56 離散コサイン逆変換(IMDCT)回路 70、93 加減算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−216715(JP,A) 特開 平7−131295(JP,A) 特開 平7−319631(JP,A) 特開 平7−273661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30 H03H 17/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声データを所定の周波数帯域毎に分離
    し、各帯域毎に符号化処理を施して圧縮データを生成す
    ると共に、記録媒体から読み出される周波数帯域別の複
    数の圧縮データにそれぞれ復号化処理を施し、互いに合
    成して音声データを生成する音声データの圧縮/伸長装
    置であって、 上記音声データを複数の周波数帯域に分離して複数の帯
    域データを生成すると共に、複数の帯域データを合成し
    て上記音声データを生成するデジタルフィルタと、上記
    音声データの入出力側と上記デジタルフィルタとの間に
    接続され、上記デジタルフィルタに入力される上記音声
    データあるいは上記デジタルフィルタから出力される上
    記音声データを減衰するアッテネータと、上記圧縮デー
    タの入出力側と上記デジタルフィルタとの間に接続さ
    れ、上記デジタルフィルタで生成される上記帯域データ
    を時系列で符号化して圧縮データを生成する符号化回路
    と、上記圧縮データの入出力側と上記デジタルフィルタ
    との間に接続され、記録媒体から読み出される上記圧縮
    データを復号化して上記帯域データを生成する復号化回
    路と、を備えたことを特徴とするを備えたことを特徴と
    する音声データの圧縮/伸長装置。
  2. 【請求項2】 上記デジタルフィルタは、時系列のデー
    タを順次記憶するRAMと、上記RAMから読み出した
    データに所定のフィルタ係数を乗算する乗算器と、上記
    乗算器の演算結果を累加算する累加算器と、分離処理の
    ときに上記累加算器の演算結果を選択し、合成処理のと
    きに第1及び第2の帯域データを選択する第1のセレク
    タと、上記セレクタの選択データを交互に取り込む第1
    及び第2のレジスタと、上記第1及び第2のレジスタか
    ら取り出される2つのデータを加算または減算する加減
    算器と、分離処理のときに上記加減算器の演算結果を選
    択し、合成処理のときに音声データを選択して上記RA
    Mに供給する第2のセレクタと、を含み、上記加減算器
    の演算結果を上記音声データに対する帯域データとして
    出力すると共に、上記累加算器の演算結果を上記第1及
    び第2の帯域データに対する音声データとして出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音声データの圧縮/
    伸長装置。
  3. 【請求項3】 上記アッテネータを、上記デジタルフィ
    ルタの乗算器を用いて構成することを特徴とする請求項
    2に記載の音声データの圧縮/伸長装置。
  4. 【請求項4】 音声データを分離して複数の帯域データ
    を生成すると共に、複数の帯域データを合成して音声デ
    ータ生成するデジタルフィルタであって、 時系列のデータを順次記憶するRAMと、上記RAMか
    ら読み出したデータに所定のフィルタ係数を乗算する乗
    算器と、上記乗算器の演算結果を累加算する累加算器
    と、分離処理のときに上記累加算器の演算結果を選択
    し、合成処理のときに第1及び第2の帯域データを選択
    する第1のセレクタと、上記セレクタの選択データを交
    互に取り込む第1及び第2のレジスタと、上記第1及び
    第2のレジスタから取り出される2つのデータを加算ま
    たは減算する加減算器と、分離処理のときに上記加減算
    器の演算結果を選択し、合成処理のときに音声データを
    選択して上記RAMに供給する第2のセレクタと、を含
    み、上記音声データに上記乗算器で所定のアッテネート
    係数を乗算して上記RAMに記憶し、上記加減算器の演
    算結果を上記音声データに対する帯域データとして出力
    すると共に、上記累加算器の演算結果に上記乗算器で所
    定のアッテネート係数を乗算し、上記第1及び第2の帯
    域データに対する音声データとして出力することを特徴
    とするデジタルフィルタ。
  5. 【請求項5】 上記乗算器に対して、上記音声データま
    たは上記RAMの出力のいずれか一方を選択して上記乗
    算器に供給する第3のセレクタと、上記フィルタ係数あ
    るいは上記アッテネート係数のいずれか一方を上記乗算
    器に供給する第4のセレクタと、を備えたことを特徴と
    する請求項4に記載のデジタルフィルタ。
  6. 【請求項6】 上記第3のセレクタの選択出力または上
    記累加算器の演算結果のいずれか一方を選択して上記乗
    算器に供給する第5のセレクタ、をさらに備えたことを
    特徴とする請求項5に記載のデジタルフィルタ。
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