JP3484650B2 - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

Info

Publication number
JP3484650B2
JP3484650B2 JP27740397A JP27740397A JP3484650B2 JP 3484650 B2 JP3484650 B2 JP 3484650B2 JP 27740397 A JP27740397 A JP 27740397A JP 27740397 A JP27740397 A JP 27740397A JP 3484650 B2 JP3484650 B2 JP 3484650B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
paper
press
resin
base paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP27740397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11117200A (ja
Inventor
佐藤  達也
良彦 日比野
徹 桂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP27740397A priority Critical patent/JP3484650B2/ja
Publication of JPH11117200A publication Critical patent/JPH11117200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3484650B2 publication Critical patent/JP3484650B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂被覆後の剛直
度および表面の平滑性に優れた画像材料用支持体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】通常、画像材料は、画像材料用支持体と
該支持体上に設けられた画像形成層とから構成されたも
のである。例えば、ハロゲン化銀写真材料、インクジェ
ット記録材料、熱移行型熱転写記録受像材料、感熱記録
材料、感光感熱記録材料は、画像材料用支持体上にそれ
ぞれハロゲン化銀写真構成層、インク受像層、熱移行型
熱転写記録受像層、感熱発色層、感光感熱発色層等の画
像形成層及び必要に応じて下引層、保護層などが塗設さ
れたものである。
【0003】従来、画像材料用支持体のための基紙面が
熱可塑性樹脂で被覆された樹脂被覆紙型の支持体はよく
知られている。ハロゲン化銀写真材料用途のための写真
材料用支持体としては、例えば、特公昭55−1258
4号公報には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好まし
くはポリオレフィン樹脂で被覆された写真材料用支持体
についての技術が開示されている。米国特許第3,50
1,298号明細書には、基紙の両面がポリオレフィン
樹脂で被覆された写真材料用支持体についての技術が開
示されている。また、ハロゲン化銀写真材料の迅速写真
現像処理方式が適用されて以来、基紙の両面がポリエチ
レン系樹脂で被覆された写真材料用支持体が、写真印画
紙用として主に実用化されており、必要に応じて、その
一方の画像形成層を設ける側の樹脂層中には、鮮鋭度を
付与するために、通常二酸化チタン顔料を含有してい
る。
【0004】また、米国特許第4,774,224号明細
書には、樹脂被覆の表面粗さが所定の値以下である樹脂
被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン樹脂で被覆した
ポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として有する熱転写記
録受像要素が提案されている。また、特開昭63−30
7979号公報には、樹脂被覆紙を支持体として有する
インクジェット記録用シートに関する技術が開示されて
いる。
【0005】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層を設ける側の面を樹脂層で
被覆した樹脂被覆紙型の画像材料用支持体は、依然とし
ていくつかの重大な問題点を有しており、未だ満足すべ
き成果が得られていないのが実情である。
【0006】基紙の画像形成層を設ける側(以下、画像
形成層を設ける側を表側、表側に被覆される樹脂層を表
樹脂層、その反対側を裏側、裏側に被覆される樹脂層を
裏樹脂層と略すことがある)の面を、熱可塑性樹脂、特
にポリエチレン系樹脂を含む樹脂層で被覆した画像材料
用支持体用途のための樹脂被覆紙は、通常走行する基紙
上にポリエチレン系樹脂組成物を溶融押し出し機を用い
て、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆
し、加圧ロールと冷却ロールとの間で圧着し、冷却後ロ
ールから剥離されるという一連の工程で製造される。そ
の際、グロッシー用途の画像材料用樹脂被覆紙を製造す
る場合には、冷却ロールとして、鏡面ないしは光沢面ま
たは特公昭62−19732号公報に記載の微粗面を有
する平滑性の極めて良い冷却ロールが用いられる。かく
して樹脂被覆紙の表樹脂層は、その溶融状態で平滑性の
極めて良い冷却ロールに圧接されるため平滑性の良い面
に加工され、従って該樹脂被覆紙を支持体とする画像材
料は、見た目の表面の平滑性の良いものが得られるはず
である。しかしながら、実際に製造した樹脂被覆紙を支
持体とする画像材料では、十分に見た目の表面の平滑性
の良いものを得ることはできなかった。
【0007】画像材料用支持体は、その構成要素からも
明らかなように、基紙上にフィルム形成能ある樹脂、例
えばポリオレフィン系樹脂を含む樹脂層を被覆して用い
られるものであるから、これまで、上記の課題である表
面の平滑性、剛直度などは、使用する樹脂の性質、種類
および基紙上に設けられる被覆層の条件などの面から
も、種々検討がなされているが、十分な改良はなされて
いない。
【0008】画像材料用支持体は、外観および画像の解
像性の点から、印刷用紙などのいわゆる一般紙とは比較
にならない程、高度な平滑性が求められている。画像材
料用支持体の代表的なものである写真印画紙用支持体で
は、基紙層への処理液の浸透を防止し、迅速な現像処理
を可能にするため、基紙の両面をポリオレフィンなどの
樹脂で被覆することが行われている。この種の支持体を
使用した印画紙は、従来のバライタ紙の場合と異なり、
現像後に乾燥する際、鏡面を転写するフェロタイプ処理
を行わないため、写真印画紙用支持体の平滑性がそのま
ま現像乾燥後の印画紙の平滑性に反映される。
【0009】上述のように、ポリオレフィン樹脂などで
被覆した画像材料用支持体には、高度の平滑性が必要と
されるが、樹脂は基紙表面の凹凸にしたがって表面を被
覆するため、その平滑性は、基紙の平滑性の影響を強く
受ける。このため、基紙に対しては従来のバライタ紙な
どより高い平滑性が要求される。
【0010】基紙の平滑性を向上させるための技術とし
ては、写真印画紙用支持体に関する技術がよく知られて
おり、特開昭58−68037号、特開昭62−542
52号公報などに開示されているように、基紙に用いる
パルプの繊維長分布をある範囲内に調節する方法や、特
公昭59−42295号公報に開示されているような、
パルプの光学特性を規定する方法が知られている。
【0011】また、特開昭64−20541号公報など
に開示されているように、所定の水分量含有率の湿紙を
緊度プレスする方法や、特開昭64−59229号公報
などに記載されているように、湿紙の片面を加熱鏡面ド
ライヤーに密着させて乾燥する方法、あるいは特開昭6
4−59230号、特開平2−203335号公報など
に開示されているように、基紙に種々のカレンダー処理
を行う方法などが平滑性の改良を目的として試みられて
いる。
【0012】前述のように、基紙の両面をポリオレフィ
ンなどの樹脂で被覆した支持体の平滑性を向上させる目
的で、種々の試みがなされているが、原料の寄与が大き
い比較的小さい凹凸と、主として抄造工程の因子による
大きい凹凸の両方を同時に改良することができない。ま
た、基紙の平滑性は改良されたとしても、後工程で平滑
性が変化するために画像材料用支持体としての平滑性は
改良されない、などの問題点があり、いずれの方法によ
っても目的とする平滑性の極めて良好な画像材料用支持
体は得られていない。
【0013】例えば、プレスや加熱ロールが関係した表
面平滑化方法である、特開昭64−20541号公報に
開示されているような水分量含有率30〜50%の湿紙
を緊度プレスする方法や、特開平3−120539号公
報に記載されているような水分率20〜40重量%の湿
紙をカレンダー処理する方法では、平滑な基紙は得られ
ても樹脂被覆後の平滑性は不十分であった。また、特開
昭64−59229号公報に記載されているような湿紙
の片面を加熱鏡面ドライヤーに密着させて乾燥する方法
では、大きい凹凸を平滑化できないため問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、天然パルプを主成分とする基紙の両面に、フィル
ム形成能ある樹脂で被覆した画像材料用支持体であっ
て、該基紙が、抄紙工程中において、シュープレス装置
によって、プレス処理を施されることにより、樹脂被覆
後の剛直度および表面の平滑性に優れた画像材料用支持
体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について、基紙およびフィルム形成能ある樹脂、例え
ばポリオレフィン樹脂、好ましくはポリエチレン樹脂で
被覆した画像材料用支持体の平滑性改良について検討し
た結果、原料パルプの選択、調成や最終カレンダー条件
にも増して、プレスの方法が大きな影響を及ぼしうるこ
とを見い出し、画像材料用支持体に用いられる基紙に、
ニップ滞在時間が長く、高いピーク圧力を避ける事が可
能なシュープレス装置を用いてプレス処理を適用するこ
とにより、上記課題を解決した。
【0016】 1.本発明は、天然パルプを主成分とす
る基紙の両面に、フィルム形成能ある樹脂で被覆した画
像材料用支持体であって、該基紙が、抄紙工程中におい
て、少なくとも1基のクローズ型シュープレス装置によ
って、プレス処理を施されることにより得られた基紙で
あることを特徴とする画像材料用支持体の発明である。
【0017】 2.また、上記の発明1において、 シ
ュープレスのニップ圧が、1500kN/ m 以下である
ことを特徴とする画像材料用支持体の発明である。
【0018】3.また、上記の発明1または2におい
て、シュープレス入口での湿紙水分が60〜80%であ
ることを特徴とする画像材料用支持体の発明である。
【0019】
【発明の実施の態様】以下、本発明の画像材料用支持体
について、詳細に説明する。
【0020】本発明者らは、画像材料用支持体の平滑性
改良について検討した結果、抄紙工程において、画像材
料用支持体に用いられる基紙に、シュープレス装置によ
ってプレス処理を施すことにより、原料の寄与が大きい
比較的小さい凹凸と、地合など抄造工程の因子の影響が
大である比較的大きい凹凸の両方を同時に改良すること
を見い出し、本発明に至ったものである。
【0021】これまで、画像材料用支持体の基紙を抄造
する際に使用されていたプレス装置は、その構造上、ニ
ップ幅が狭い(20〜50mm)ため、プレス処理を十
分に行うには、極端に抄速を低下させるか、基紙にかか
るニップ圧力を高くする必要があった。ただし、ニップ
圧力を高くすると、狭いニップ幅の間で急激に圧力が高
まり、高いピーク圧によって紙の砕けを生じ易くなるこ
とから、掛ける総加重には限界があった。
【0022】一方、シュープレスは、シューを用いるこ
とによって、ニップ幅を200〜310mmと非常に広
く取れるので、ニップ滞在時間が長くなり、高いピーク
圧を避けながら十分なプレス処理を行い、脱水を強化す
ることができる。このように、搾水効率の高いシュープ
レスを用いると、十分なプレスが可能になるため、紙の
プレス出口水分を通常のロールプレスの場合に比べて、
約5%低くすることができる。それ故、基紙の表面の平
滑性のみでなく、繊維間結合の形成も良好となり、剛直
度、強度が向上するものと考えられる。
【0023】本発明における画像材料用支持体の基紙の
製造に使用されるシュープレスは、オープン型のもので
も良いが、例えば「紙パルプ技術タイムス:1996年
9月新しい抄紙機への展望−抄紙技術の最新動向から見
る次世代マシンの方向性−」に記載されているようなク
ローズ型のものが有利に用いられる。この際、少なくと
も1基のシュープレスを備えていればよいが、2基以上
設置していてもよい。本発明の画像材料用支持体におい
て、特に表裏差の少ない品質が要求される場合には、シ
ュープレス装置が、少なくとも2基からなり、1段目処
理と2段目処理、乃至はそれ以降の処理など、基紙の面
面と裏面を均等に処理可能となるように組み合わせて配
置した、多段シュープレスを備えたものを用いてもよ
い。
【0024】本発明のシュープレスのニップ圧は、パル
プの種類や叩解度、抄速、プレスの段数、機械的な制約
などにより異なるが、通常1500kN/m以下の 範囲
が使用される。シュープレス入口での湿紙水分率は60
〜80%が好ましい。60%以下の場合は、十分な効果
が発揮されず、また、80%を超えると、平滑性は悪化
する傾向がある。本発明における湿紙の水分率とは、J
IS P 8127に準拠し、次式により算出した値で
ある。 (湿紙水分率、%)=(湿紙中の水分質量/ 湿紙乾燥前
質量)×100
【0025】本発明で使用するパルプとしては、NBK
P、LBKP、NBSP、LBSP、各種非木材パルプ
などが挙げられる。パルプを叩解する叩解機としては、
通常パルプの叩解に使用する叩解機、例えばビーター、
コニカルリファイナー、デイスクリファイナーなどを使
用することができる。
【0026】本発明の画像材料用支持体に用いられる基
紙としては、本発明に用いられる天然パルプの他に、合
成繊維を用いた混抄紙などが用いられる。
【0027】本発明における画像材料用支持体の基紙中
には、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめ
ることができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩あるい
は脂肪酸、特公昭62−7534号公報に記載、もしく
は例示のアルキルケテンダイマー乳化物あるいはエポキ
シ化高級脂肪酸アミド、アルケニルまたはアルキルコハ
ク酸無水物乳化物、ロジン誘導体など、乾燥紙力増強剤
として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱
粉、植物性ガラクトマンナンなど、湿潤紙力増強剤とし
て、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂な
ど、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、
酸化チタンなど、定着剤として、塩化アルミニウム、硫
酸バン土などの水溶性アルミニウム塩など、pH調節剤
として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸などを、その他
特開昭63−204251号公報、特開平1−2665
37号公報などに記載もしくは例示の着色顔料、着色染
料、蛍光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが
有利である。
【0028】また、本発明における画像材料用支持体の
基紙中には、各種の水溶性ポリマー、帯電防止剤、添加
剤を、スプレー、サイズプレスもしくはタブサイズプレ
スなどによって含有せしめることができる。水溶性ポリ
マーとして、特開平1−266537号公報に記載もし
くは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポ
リマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポ
リマー、セルローズ系ポリマーなど、帯電防止剤とし
て、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属
塩、塩化カルシウム、塩化バリウムなどのアルカリ土類
金属塩、コロイド状シリカなどのコロイド状金属酸化
物、ポリスチレンスルホン酸塩などの有機帯電防止剤な
ど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマ
ルジョン、エチレン―酢酸ビニル共重合体、特開昭55
−4027号、特開平1−180538号に記載もしく
は例示のエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)
とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョン
もしくはラテックスなど、顔料として、クレー、カオリ
ン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節
剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、
そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など
の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利であ
る。
【0029】本発明における画像材料用支持体に用いら
れるフィルム形成能ある樹脂としては、例えば、各種の
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエ
チレンテレフタレートなどおよびそれらの共重合体、ポ
リブテン、ポリペンテンなどのホモポリマー、エチレン
−ブチレン共重合体などのα−オレフィンの2つ以上か
らなる共重合体、などを単独にまたは組み合わせたもの
などが挙げられる。
【0030】本発明におけるフィルム形成能ある樹脂と
しては、ポリオレフィン樹脂が好ましく用いられる。特
に好ましくはポリエチレン樹脂、最も好ましくは低密度
ポリエチレン樹脂である。
【0031】本発明における二酸化チタンを含むポリオ
レフィン樹脂組成物に含まれる樹脂としては、上記の各
種のフィルム形成能ある樹脂が挙げられる。
【0032】ポリオレフィン樹脂層には二酸化チタンが
含有されるが、ルチル型やアナターゼ型が使用され、ア
ルミナやシリカによる表面処理、脂肪酸金属塩などの有
機物による表面処理品が好ましく使用できる。一般的に
は、二酸化チタンをポリオレフィン樹脂層中に5〜30
重量%含有する。
【0033】また、ポリオレフィン樹脂組成物中には、
各種の添加剤を含有することができる。例えば、白色顔
料として、ルチル型あるいはアナターゼ型の二酸化チタ
ン以外に、酸化亜鉛、タルクなど、離型剤として、ステ
アリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミ
ド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど
の脂肪酸金属塩、ポリオルガノシロキサンなどの有機シ
リコン化合物など、酸化防止剤として、ヒンダードフェ
ノール化合物など、着色顔料として、コバルトブルー、
群青など、蛍光増白剤などを適宜含有することができ
る。
【0034】本発明におけるポリオレフィン樹脂層は、
ポリオレフィン樹脂組成物をスリットダイからフィルム
状に溶融押出塗工して製造される。その際の溶融押出温
度は、200〜350℃の範囲でポリオレフィン樹脂組
成物により適宜選択される。スリットダイとしては、T
ダイ、Lダイ、フィシュティル型ダイなどが好ましく用
いられる。樹脂組成物を基紙に塗工する前に、基紙にコ
ロナ放電、火炎処理などの活性化処理を施すのが好まし
い。ポリオレフィン樹脂層の厚さは特に制限は無いが、
10〜50μm程度が一般的である。
【0035】本発明では、一般的に、基紙にポリオレフ
ィン樹脂組成物を溶融押出で塗工した直後に、表面が5
〜25℃程度の冷却ロールと加圧ロール間を9.8〜4
9kN/m程度の加圧で通し、樹脂面を冷却ロール表面
に密着させることにより、樹脂層表面を冷却して樹脂層
表面の平滑性、樹脂層と基紙との密着性を向上させる。
【0036】本発明の画像材料用支持体には、帯電防
止、カール防止などのために、各種バックコート層を設
けることができる。バックコート層の素材としては、コ
ロイド状シリカ、コロイド状合成ヘクトライト、塩化ナ
トリウム、ポリスチレンスルホン酸塩、親水性バインダ
ー、ラテックス重合体、顔料、界面活性剤などを使用す
ることができる。
【0037】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
い。以下における部、%はすべて重量によるものであ
る。
【0038】実施例1および実施例2 ダブルディスクリファイナーで濾水度300ml、cs
fまで叩解したLBKPと、380ml、csfまで叩
解したNBSPの重量比が6:4の混合パルプ100部
に対して、アニオン性ポリアクリルアミド(スターガム
A15、星光化学社製)を0.3部、カチオン澱粉(C
ATO F、日本NSC社製)を2.0部、およびアル
キルケテンダイマーサイズ剤(AS263、日本PMC
社製)を0.4部、ポリアミド−ポリアミン−エピクロ
ルヒドリン樹脂(WS525、日本PMC社製)を0.
3部添加した紙料を用いて、長網抄紙機により抄速30
0m/分(実施例1)、あるいは抄速500m/分(実
施例2)において、坪量170g/m2の基紙を製造し
た。
【0039】この抄紙機には、クローズ型シュープレス
(シュー幅275mm)が2番プレスに設置されてい
る。2番プレス以降のプレス処理条件を、表1記載のプ
レス条件で行った。この際、プレス入口での湿紙水分は
65%であった。表中のプレスインパルスは、下記数式
1により算出した値であり、プレス処理程度の指標であ
る。
【0040】
【数1】PI=ΣP/V×60 PI:プレスインパルス(kPa・sec) ΣN:2番プレス以降のプレスニップ圧総和(kN/
m) V:抄速(m/分)
【0041】プレス処理以降、多筒式ドライヤーで乾燥
後の紙は、ポリビニルアルコールの3%水溶液でサイズ
プレス処理乾燥後、スーパーカレンダーで密度が1.0
1g/cm3になるように平滑化処理した。その後、基
紙の表面には二酸化チタン10%を含む低密度ポリエチ
レンを、裏面には低密度ポリエチレンを、それぞれ32
μmの厚さに、樹脂温度320℃の条件で押出し塗工
し、画像材料用支持体とした。この際、該画像材料用支
持体の二酸化チタン顔料を含む樹脂層の表面は鏡面に、
裏の樹脂層の面質は紙の如きマット面に加工した。これ
らの試料を、実施例1および実施例2とした。
【0042】比較例1および比較例2 実施例1において、シュープレスの代わりに、通常のロ
ールプレスを2番プレスと3番プレスに用いて(比較例
1)、あるいは通常のロールプレスを2番プレスと3番
プレスならびに4番プレスに用いて(比較例2)、表1
記載のプレス条件で行った以外は、すべて実施例1およ
び実施例2と同様の方法で画像材料用支持体を得た。こ
の試料を、比較例1および比較例2とした。
【0043】実施例3〜7 1番プレスによりプレス入口での水分を表2記載のとお
りにした以外は、実施例1と同じプレス条件、ならびに
加工条件にて実施例3〜7の試料を得た。
【0044】このようにして得られた各試料について、
下記の試験方法により測定した結果を表1および表2に
示す。
【0045】<剛直度>剛直度は、樹脂被覆後の画像材
料用支持体について、JIS P 8125のテーバー
こわさ試験機によるこわさ試験方法に準拠して求めた。 <表面の平滑性>表面の平滑性は、樹脂被覆後の画像材
料用支持体について行った標準見本に対する視覚評価の
結果である。最も平滑性の優れたものをA、劣ったもの
をDと4段階に評価した。表面の平滑性の優れた画像材
料用支持体としては、C以上(A、B、C)、好ましく
はB以上が必要である。
【0046】
【表1】 1)SPはシュープレスを示す。 2)RPはロールプレスを示す。 3) − はプレス未使用を示す。
【0047】
【表2】
【0048】<評価>表1及び表2の結果から、次のこ
とが解る。
【0049】表1は、シュープレス入口での湿紙水分を
65%とし、プレスインパルスをそれぞれ60および9
6kPa・secとして、画像材料用支持体の基紙を抄
造し、上記のとおりにして画像材料用支持体を得たもの
を、それぞれ実施例1および実施例2とし、この試料に
ついて剛直度、表面の平滑性を試験した結果を示すもの
である。また、シュープレスに代えて、通常のロールプ
レスを用いて60および90kPa・secとしてプレ
スした以外は、実施例1および実施例2と同様にして画
像材料用支持体を得たものを、比較例1および比較例2
とした。表1の結果から、実施例1は、表面の平滑性が
良好であって、特に剛直度において優れた結果がえられ
た。また、実施例2は、剛直度が良好であって、特に表
面の平滑性において優れた結果が得られた。一方、通常
のロールプレスを用いた場合の比較例1は、剛直度は比
較的良好であったが、表面の平滑性において、著しく劣
った結果しか得られなかった。また、比較例2は、表面
の平滑性は実用範囲にあるものの、剛直度は著しく劣っ
た結果しか得られなかった。
【0050】表2は、2番プレスがシュープレスであっ
て、プレスインパルスを60kPa・secとして、シ
ュープレス入口での湿紙水分を変化させて画像材料用支
持体の基紙を抄造し、上記のとおりにして画像材料用支
持体を得たものを、それぞれ実施例3〜7とし、この試
料について剛直度、表面の平滑性を試験した結果を示す
ものである。表2の結果から、実施例3〜7全て、剛直
度、表面の平滑性とも、実用範囲以上の水準にあり、中
でも、実施例4〜6は優れており、特に実施例5は、両
特性において、極めて優れた結果が得られた。
【0051】実施例8および比較例3 実施例2および比較例2で用いた画像材料用支持体上
に、所定のインク受像層を塗設してインクジェット記録
材料を作成し、所定のインクジェット記録装置により印
刷した。その結果、本発明における画像材料用支持体
(実施例2のもの)を有するインクジェット記録紙(該
支持体に対応して実施例8)は、剛直度が良好で、特に
表面の平滑性は極めて良好なものであったが、一方、本
発明外の画像材料用支持体(比較例2のもの)を有する
インクジェット記録紙(該支持体に対応して比較例3)
は、表面の平滑性が劣り、特に剛直度が劣り、問題があ
るものであった。
【0052】実施例9および比較例4 実施例2および比較例2で用いた画像材料用支持体上
に、所定の熱移行型熱転写記録受像層を塗設して熱移行
型熱転写記録受像材料を作成し、所定の熱移行型熱転写
記録装置により印刷した。その結果、本発明における画
像材料用支持体(実施例2のもの)を有する熱移行型熱
転写記録受像紙(該支持体に対応して実施例9)は、剛
直度が良好で、特に表面の平滑性は極めて良好なもので
あったが、一方、本発明外の画像材料用支持体(比較例
2のもの)を有する熱移行型熱転写記録受像紙(該支持
体に対応して比較例4)は、表面の平滑性が劣り、特に
剛直度が劣り、問題があるものであった。
【0053】
【発明の効果】抄紙工程中にシュープレス装置を用いて
抄造した基紙を使用して製造した本発明における画像材
料用支持体は、剛直度および表面の平滑性が優れた画像
材料用支持体が得られる。特に、シュープレス入口での
湿紙水分を特定化することにより、剛直度、表面の平滑
性とも、極めて良好な画像材料用支持体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // D21H 27/00 B41M 5/26 B (56)参考文献 特開 平5−232627(JP,A) 特開 平8−3888(JP,A) 特開 昭61−174494(JP,A) 特開 平8−296187(JP,A) 特開 平7−109689(JP,A) 特開 平8−190170(JP,A) 特開 平6−282038(JP,A) 特開 平3−200139(JP,A) 特開 平7−295140(JP,A) 特開 平7−189159(JP,A) 特開 平7−70969(JP,A) 特表 平11−500792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 G03C 1/00 - 1/95 B41M 5/00 - 5/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然パルプを主成分とする基紙の両面に、
    フィルム形成能ある樹脂で被覆した画像材料用支持体で
    あって、該基紙が、抄紙工程中において、少なくとも1
    基のクローズ型シュープレス装置によって、プレス処理
    を施されることにより得られた基紙であることを特徴と
    する画像材料用支持体。
  2. 【請求項2】 シュープレスのニップ圧が、1500k
    N/ m 以下であることを特徴とする請求項1記載の画像
    材料用支持体。
  3. 【請求項3】シュープレス入口での湿紙水分が60〜8
    0%であることを特徴とする請求項1または2記載の画
    像材料用支持体。
JP27740397A 1997-10-09 1997-10-09 画像材料用支持体 Expired - Lifetime JP3484650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27740397A JP3484650B2 (ja) 1997-10-09 1997-10-09 画像材料用支持体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27740397A JP3484650B2 (ja) 1997-10-09 1997-10-09 画像材料用支持体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11117200A JPH11117200A (ja) 1999-04-27
JP3484650B2 true JP3484650B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=17583068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27740397A Expired - Lifetime JP3484650B2 (ja) 1997-10-09 1997-10-09 画像材料用支持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3484650B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6115326B2 (ja) * 2013-06-03 2017-04-19 王子ホールディングス株式会社 印刷用塗工紙および印刷用塗工紙の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11117200A (ja) 1999-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1841915B1 (en) A system and a method for inkjet image supporting medium
US20070148377A1 (en) Pigment coated paper base
JP3484650B2 (ja) 画像材料用支持体
JP2004149952A (ja) 記録材料用支持体
JP3463839B2 (ja) 写真印画紙用支持体およびその製造方法
JPH11105202A (ja) 画像材料用支持体
JP2000039686A (ja) 画像材料用支持体
JP3126204B2 (ja) 写真印画紙用支持体
JP2002055414A (ja) 画像材料用支持体およびその製造方法
JPH0648359B2 (ja) 写真印画紙用支持体
JP2000314941A (ja) 記録材料用支持体の製造方法および記録材料用支持体
JP2000019684A (ja) 画像材料用支持体
JPH09158086A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JPH06227156A (ja) 熱移行型熱転写記録受像材料用支持体
JP2925247B2 (ja) 熱移行型熱転写記録受像材料用支持体
JPH09188999A (ja) グラビア印刷用樹脂被覆紙
JP3041888B2 (ja) 熱転写記録用受像シート
JP2001301098A (ja) 画像材料用支持体
JP3841385B2 (ja) 写真用支持体用中紙の製造方法
JPH01267090A (ja) 熱転写受容シート
JPH0642048B2 (ja) 写真印画紙用支持体
JP3244958B2 (ja) 画像材料用支持体
JP2002062679A (ja) 電子写真用転写紙
JPH05155154A (ja) 熱移行型熱転写記録受像材料用支持体
JPH0836237A (ja) 写真印画紙用支持体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091024

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101024

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term