JP3476455B2 - NeuAcα2、6Galβ1、4GlcNAc及びシアリルLexの合成法 - Google Patents

NeuAcα2、6Galβ1、4GlcNAc及びシアリルLexの合成法

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Description

【発明の詳細な説明】 共同未決出願の相互参照 本件出願は1991年7月30日に出願された米国特許出願
第07/738,211号の一部継続出願であり、その米国特許出
願それ自体は1991年3月18日に出願された米国特許出願
第07/670,701号及び1991年5月30日に出願された米国特
許出願第07/707,600号の一部継続出願である。
技術分野 本発明はオリゴ糖化合物、更に詳しくは、グリコシル
トランスフェラーゼ酵素及びグリコシダーゼ酵素の基質
またはインヒビターである二糖、三糖及び四糖、それら
の製造並びに使用に関する。
背景技術 複雑な保護/脱保護、活性化及びカップリングの方法
に基くオリゴ糖の立体制御合成が良く確立されていた。
例えば、ダニシェフスキィ(Danishefsky)ら著、J.Am.
Chem.Soc.,111:6656(1989);オカモトら著、Tetrahed
ron,46:5835(1990);及びイトウら著、Tetrahedron,4
6:89(1990)を参照のこと。その化学合成の有益な別法
はグリコシルトランスフェラーゼ酵素またはグリコシダ
ーゼ酵素に基く酵素的オリゴ糖合成である。トーン(To
one)ら著、Tetrahedron,45:5365(1989)を参照のこ
と。このような酵素的合成の一つの利点は、徹底的な保
護工程及び脱保護工程の欠如である。このような酵素的
合成の欠点は、グリコシルトランスフェラーゼ酵素及び
グリコシダーゼ酵素の特異性により生じる生産物生成の
明らかな制限である。
グリコシルトランスフェラーゼは、アクセプターサッ
カリドへの活性化されたドナー単糖の転移を触媒作用す
る高度に特異的な酵素である。その転移はオリゴ糖また
は多糖の伸長または合成をもたらす。
シアリルトランスフェラーゼ、フコシルトランスフェ
ラーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ、N−アセチ
ルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、N−アセチル
グルコサミニルトランスフェラーゼ等を含む幾つかのグ
リコシルトランスフェラーゼ型が記載されていた。ベイ
ヤー(Beyer)ら著、Adv.Enzymol.52:23(1981)を参照
のこと。これらの酵素の表示はドナー基質の性質を示
す。こうして、例えば、シアリルトランスフェラーゼは
シアル酸部分をアクセプター分子に転移する。
上記の全般の酵素型の夫々の中で、特異的トランスフ
ェラーゼ酵素は、形成されたグリコシド連鎖の型により
更に表示される。例えば、β1,4−ガラクトシルトラン
スフェラーゼはガラクトシル部分をアクセプター分子に
転移して、このようなアクセプターによるβ1,4−グリ
コシド連鎖を形成する。
更に、グリコシルトランスフェラーゼは、ドナーグリ
コシル化合物が転移されるアクセプター分子により特徴
付けられる。牛乳からのβ1,4−ガラクトシルトランス
フェラーゼ(Galt,EC 2.4.1.22)はアクセプター基質と
してN−アセチルグリコサミン(GlcNAc)及びそのグリ
コシド(βがα−グリコシドよりも良好である)を受容
することが知られている。例えば、シャンバチャー(Sc
hanbacher)ら著、J.Biol.Chem.,245,5057(1970);バ
ーリナー(Berliner)ら著、Mol.Cell.Biochem.62:37
(1984);ヌネッツ(Nunez)ら著、Biochemistry,19:4
95(1980);ベイヤーら著、Adv.Enzymol.52:23(198
1);バーカー(Barker)ら著、J.Biol.Chem.,247:7135
(1972);及びババッド(Babad)ら著、J.Biol.Chem.,
241,2672(1966)を参照のこと。また、グルコース並び
にそのα−グリコシド及びβ−グリコシドが受容し得る
が、ラクトアルブミンがα−グリコシドに関して必要と
される。ベイヤーらの上記の文献を参照のこと。
上記のドナー及び連鎖特異性と一緒に採用して、この
ようなアクセプター特異性はグリコシルトランスフェラ
ーゼ活性の特異な生産物を特定するのに使用される。
オリゴ糖は、還元末端のサッカリドが実際に還元糖で
あるか否かを問わないで、還元性末端及び非還元性末端
を有すると考えられる。容認された命名法に従って、オ
リゴ糖は左に非還元性末端、そして右に還元性末端を有
して本明細書に記載される。
こうして、本明細書に記載された全てのオリゴ糖は、
非還元性サッカリドの名称または略号(例えば、Ga
l)、続いてグリコシド形成の配置(αまたはβ)、そ
の結合に関与した非還元性サッカリドの環位置(1また
は2)、その結合に関与した還元性サッカリドの環位置
(2、3、4、6または8)、そして次に還元性サッカ
リドの名称または略号(例えば、GlcNAc)で記載され
る。
自然に起こる合成経路を、その合成反応を抑制するこ
とにより研究するのに使用し得る合成サッカリドをつく
ることは、しばしば極めて困難である。このような合成
インヒビターの欠如は、炭水化物生産及び回転に関する
代謝変化の効果を調べようとする試みを妨げる。
また、薬剤用の担体または可溶化剤として有益である
新規な非天然産のオリゴ糖及び多糖を調製することは、
しばしば困難であり、またこれらは、それらの非天然構
造のために、生体内で分解に対して抵抗性である。
それ故、トランスフェラーゼ酵素及びグリコシダーゼ
酵素の基質またはインヒビターとして利用できるオリゴ
糖化合物及びその有効な製造方法に対する緊急の要望が
ある。
発明の簡単な要約 本発明は、幾つかのグリコシルトランスフェラーゼの
基質であり、またその他のグリコシルトランスフェラー
ゼ酵素及びグリコシダーゼ酵素を抑制する新規なオリゴ
糖、並びにこのようなオリゴ糖の製造方法を提供する。
また、これらのオリゴ糖はシアリルLex及びその類縁体
の如きその他のオリゴ糖の合成におけるビルディング・
ブロックとして有益である。
一局面において、本発明は構造式I: に相当するオリゴ糖を意図している。
[式中、 XはO、S、SO、SO2またはNR16(式中、R16は水素、
C1−C12アシル、C1−C12アルキル、C1−C4アルコキシカ
ルボニルであり、または>NR16はC1−C12アルキルN−
オキサイドである)であり; R1は不在(存在しないこと)、水素、ヒドロキシル、
C1−C4アシル、C1−C4アルコキシカルボニルオキシ、5
個までの炭素原子を含む飽和もしくは不飽和アルコキシ
ドもしくはアルコキシアルコキシドまたはグリコシド連
鎖サッカリドであり; R1'は水素であり、またはR1とR1'は一緒になってオキ
ソ基を形成し; R2は不在、水素、ヒドロキシル、ハライド、C1−C5
ルコキシまたはNR17R18(式中、R17は水素またはC1−C4
アルキルであり、かつR18は水素、C1−C4アルキル、C1
−C4アシル、またはC1−C4アルコキシカルボニルであ
り、またはNR17R18は一緒になって4〜8個の炭素原子
を含む環状イミド基を形成する)であり; R3及びR4は独立に水素、C1−C4アルキル、ヒドロキシ
ル、チオフェニル、C1−C3アルキルチオ、5個までの炭
素原子を含む飽和もしくは不飽和アルコキシドもしくは
アルコキシアルコキシド、グリコシド連鎖のグルコシル
基、N−アセチルグルコサミニル基、ガラクトシル基、
N−アセチルガラクトサミニル基、フコシル基、マンノ
シル基、ラムノシル基、シアリル基またはこれらの二糖
であり、またはR3及びR4は一緒になってオキソ基を形成
し、但し、(i)R3及びR4が一緒になってオキソ基を形
成する場合、(ii)R2及びR3が不在であり、それらの結
合がエチレン性不飽和を形成する場合または(iii)X
がNR16である場合を除いて、R3及びR4の少なくとも一つ
が水素であることを条件とする; R5は不在、水素、ヒドロキシル、メチル、C1−C4アシ
ルまたはC1−C4アルコキシカルボニルオキシであり; R6は不在、ヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキ
シプロピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジ
ルオキシであり; R7は水素またはカルボキシルであり; R8は水素、ヒドロキシルまたはアセトアミドであり; R9はヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキシプロ
ピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジルオキ
シであり、またR8が水素であり、かつR11がN−アセチ
ルアミノである場合には3−アセトキシ−1,2−ジヒド
ロキシプロピル、3−ラクチルオキシ−1,2−ジヒドロ
キシプロピル、3−アジド−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル、及び3−フルオロ−1,2−ジヒロドキシプロピルで
あり; R10は不在、ヒドロキシルまたはアセトアミドであ
り; R11は不在、ヒドロキシルまたはアセトアミドであ
り; R12はヒドロキシルまたはアセトアミドであり; R13はヒドロキシメチルまたはトリヒドロキシプロピ
ルであり、またR15が水素であり、かつR12がN−アセチ
ルアミノである場合には3−アセトキシ−1,2−ジヒド
ロキシプロピル、3−ラクチルオキシ−1,2−ジヒドロ
キシプロピル、3−アジド−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル、及び3−フルオロ−1,2−ジヒドロキシプロピルで
あり; R14は水素またはカルボキシルであり; R15は水素、ヒドロキシルまたはアセトアミドであ
り;かつ mは0または1であり、その結果、mが0である場合
には、環Cは不在であり、またmが1である場合には、
環Cは存在する; 但し、(a)置換基R1、R2及びR5の一つまたはR6のヒ
ドロキシル基が環Bから不在であり、また環Bが不在置
換基の環B炭素へのグリコシド結合により環Aに結合さ
れ、また番号を付された置換基またはヒドロキシルのみ
が不在であること(環Aがここに列挙された以外のその
置換基またはヒドロキシルの位置で環Bに結合されてい
る場合);(b)mが1である場合、置換基R10及びR11
の一つまたはR9のヒドロキシル基が環Aから不在であ
り、また環Cがその不在置換基またはヒドロキシルの環
A炭素へのグリコシド結合により環Aに結合されてお
り、また番号を付された置換基またはヒドロキシルのみ
が不在であり(環Cがその置換基またはヒドロキシルの
位置で環Aに結合されている場合)、またはR1、R2、R5
のうちの第二の置換基またはR6のヒドロキシルが不在で
あり、また環Cがその第二の不在置換基またはヒドロキ
シルの環B炭素へのグリコシド結合により環Bに結合さ
れていること;(c)下記の構造の一つが存在する場合
にのみXが0であること;(i)R1とR1'が一緒になっ
てオキソ基を形成する、(ii)R1とR3またはR4とがヒド
ロキシルではない、(iii)R3とR4が一緒になってオキ
ソ基を形成する、(iv)R3とR4のどちらもがC1−C3アル
キルチオである、または(v)R2とR3が不在であり、か
つそれらの結合がエチレン性不飽和を形成し、またR1
R5、R8またはR9のいずれかがヒドロキシルではなく、ま
たはR6がヒドロキシメチルではない;また(d)R2とR3
が不在であり、またXが0である場合にのみそれらの結
合がエチレン性不飽和を形成することを条件とする] 別の局面において、本発明は構造式II に相当するオリゴ糖を意図している。
[式中、 XはO、S、SO、SO2またはNR16(式中、R16は水素、
C1−C12アシル、C1−C12アルキル、C1−C4アルコキシカ
ルボニルであり、または>NR16はC1−C12アルキルN−
オキサイドである)であり; R1は不在、水素、ヒドロキシル、C1−C4アシル、C1
C4アルコキシカルボニルオキシ、5個までの炭素原子を
含む飽和もしくは不飽和アルコキシドもしくはアルコキ
シアルコキシドまたはグリコシド連鎖サッカリドであ
り; R1'は水素であり、またはR1とR1'は一緒になってオキ
ソ基を形成し; R2は不在、水素、ヒドロキシル、ハライド、C1−C5
ルコキシまたはNR17R18(式中、R17は水素またはC1−C4
アルキルであり、かつR18は水素、C1−C4アルキル、C1
−C4アシル、またはC1−C4アルコキシカルボニルであ
り、またはNR17R18は一緒になって4〜8個の炭素原子
を含む環状イミド基を形成する)であり; R3及びR4は独立に水素、C1−C4アルキル、ヒドロキシ
ル、チオフェニル、C1−C3アルキルチオ、5個までの炭
素原子を含む飽和もしくは不飽和アルコキシドもしくは
アルコキシアルコキシド、グリコシド連鎖のグルコシル
基、N−アセチルグルコサミニル基、ガラクトシル基、
N−アセチルガラクトサミニル基、フコシル基、マンノ
シル基、ラムノシル基、シアリル基またはこれらの二糖
であり、またはR3及びR4は一緒になってオキソ基を形成
し、但し、(i)R3及びR4が一緒になってオキソ基を形
成する場合、(ii)R2及びR3が不在であり、それらの結
合がエチレン性不飽和を形成する場合または(iii)X
がNR16である場合を除いて、R3及びR4の少なくとも一つ
が水素であることを条件とする; R5は不在、水素、ヒドロキシル、メチル、C1−C4アシ
ルまたはC1−C4アルコキシカルボニルオキシであり; R6は不在、ヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキ
シプロピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジ
ルオキシであり; R7は水素またはカルボキシルであり; R8は水素、ヒドロキシルまたはアセトアミドであり; R9はヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキシプロ
ピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジルオキ
シであり、またR8が水素であり、かつR11がN−アセチ
ルアミノである場合には3−アセトキシ−1,2−ジヒド
ロキシプロピル、3−ラクチルオキシ−1,2−ジヒドロ
キシプロピル、3−アジド−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル、及び3−フルオロ−1,2−ジヒロドキシプロピルで
あり; R11はヒドロキシルまたはアセトアミドであり; 但し、(a)置換基R1、R2、R5の一つまたはR6のヒド
ロキシル基が環Bから不在であり、また環Bが不在置換
基の環B炭素へのグリコシド結合により環Aに結合さ
れ、また番号を付された置換基またはヒドロキシルのみ
が不在であること(環Aがここに列挙された以外のその
置換基またはヒドロキシルの位置で環Bに結合されてい
る場合);(b)下記の構造の一つが存在する場合にの
みXが0であること;(i)R1とR1'が一緒になってオ
キソ基を形成する、(ii)R1とR3またはR4とがヒドロキ
シルではない、(iii)R3とR4が一緒になってオキソ基
を形成する、(iv)R3またはR4のいずれかがC1−C3アル
キルチオである、または(v)R2とR3が不在であり、か
つそれらの結合がエチレン性不飽和を形成し、またR1
R5、R8またはR9のいずれかがヒドロキシルではなく、ま
たはR6がヒドロキシメチルではない;また(c)R2とR3
が不在であり、またXが0である場合にのみそれらの結
合がエチレン性不飽和を形成することを条件とする] 別の局面において、本発明は、水性媒体中で活性化さ
れたドナー単糖を活性化されたドナー単糖とアクセプタ
ーサッカリドの両方に対して特異性を有する触媒量のグ
リコシルトランスフェラーゼの存在下で上記の式II、ま
たは下記の式IIIのアクセプターサッカリドと混合して
反応混合物を生成する工程、及びその反応混合物を、ア
クセプターサッカリドがグリコシル化され、そしてグリ
コシル化されたアクセプターサッカリドを生成するのに
充分な期間及び条件下に保つ工程を含むグリコシル化の
方法を提供する。
(式中、式IIIのX及びR1〜R6は上記の式IIに定義され
たとおりである) 好ましい実施態様において、グリコシル化の方法は、 (a)水性媒体中で、 (i)アクセプターサッカリド; (ii)ドナー単糖; (iii)ドナー単糖に対して特異性を有する活性化ヌ
クレオチド; (iv)活性化されたドナー単糖を再生する系; (v)ピロホスフェート脱除剤;及び (vi)ドナー単糖の活性化された形態及びアクセプタ
ーサッカリドの両方に対して特異性を有する触媒量のグ
リコシルトランスフェラーゼと、ドナー単糖及び活性化
ヌクレオチドの両方に対して特異性を有する触媒量のヌ
クレオチド−糖−ピロホスホリラーゼ を互いの存在下で混合して反応混合物を生成する工程;
及び (b)その反応混合物を、アクセプターサッカリドがグ
リコシル化され、そしてグリコシル化されたアクセプタ
ーサッカリドを生成するのに充分な期間及び条件下に保
つ工程 を含む。
アクセプターサッカリドはアクセプター単糖またはア
クセプターオリゴ糖であり得る。アクセプターオリゴ糖
それ自体は反応混合物中で調製でき、その反応混合物は (a)第二のアクセプターサッカリド; (b)第二のドナー単糖; (c)第二のドナー単糖に対して特異性を有する第二の
活性化ヌクレオチド; (d)第二の活性化されたドナー単糖を再生する系; (e)(i)第二のドナー単糖の活性化された形態及び
第二のアクセプターサッカリドの両方に対して特異性を
有する触媒量のグリコシルトランスフェラーゼと、(i
i)第二のドナー単糖及び第二の活性化ヌクレオチドの
両方に対して特異性を有する触媒量のヌクレオチド−糖
−ピロホスホリラーゼ を更に含む。
そのグリコシル化の方法に使用される活性化されたド
ナー単糖再生系は、ホスフェートドナー及び触媒量のキ
ナーゼ(これはホスフェートドナーから活性化ヌクレオ
チドへのホスフェートの転移を触媒作用する)を含む。
また、本発明はファーゲミド(phagemid)CMPSIL−1
(このファーゲミドは、修飾されたCMP−シアル酸シン
セターゼ酵素を暗号化する遺伝子を含む)で形質転換さ
れたE.coliを意図している。その形質転換されたE.coli
はATCC受理番号68531を有する。
更に、本発明は上記の式IIIのアクセプターサッカリ
ドを意図している。
また、水性媒体中に分散されたグリコシルトランスフ
ェラーゼまたはグリコシダーゼ抑制量の前記のオリゴ糖
化合物を含む組成物が本発明により意図されている。水
性媒体は医薬上許されることが好ましい。
図面の簡単な説明 明細書の一部を形成する図面において、 図1はGalT遺伝子並びにその他の成分の配置を示すプ
ラスミドpIN−GTの略図である。
図2は、CMP−NeuAcシンセターゼ構造遺伝子を含むだ
けでなく、上流のLac Zプロモーターと、Eco R I制限部
位(下線が施されている)、リボソーム結合部位(Ri
b、下線が施された配列)及びATG(下線が施されてい
る)開始シグナルを有するリンキングDNAと、tagペプチ
ドの下流のアミノ酸残基配列及びDNA停止シグナル(箱
形で示されている)、続いて下流にXba I制限部位及びN
ot I制限部位と、実施例2に記載のλLclベクターから
のアームを含む1.3kbのPCR増幅生産物を含むDNAインサ
ートの構成を示す略図である。
図3はファーゲミドCMPSIL−1の主要な特徴を示す略
図である。図2からのPCR増幅生産物インサートが上に
示されている。また、インサート及びその他の遺伝子の
配向が示されている。
発明の詳細な説明 化合物 本発明の化合物は、オリゴ糖、即ち、2〜10のサッカ
リド単位を含む化合物、好ましくは二糖、三糖または四
糖である。
一実施態様において、本発明のオリゴ糖は構造式Iに
相当する。
[式中、 XはO、S、SO、SO2またはNR16(式中、R16は水素、
C1−C12アシル、C1−C12アルキル、C1−C4アルコキシカ
ルボニルであり、または>NR16はC1−C12アルキルN−
オキサイドである)であり; R1は不在、水素、ヒドロキシル、C1−C4アシル、C1
C4アルコキシカルボニルオキシ、5個までの炭素原子を
含む飽和もしくは不飽和アルコキシドもしくはアルコキ
シアルコキシドまたはグリコシド連鎖サッカリドであ
り; R1'は水素であり、またはR1とR1'は一緒になってオキ
ソ基を形成し; R2は不在、水素、ヒドロキシル、ハライド、C1−C5
ルコキシまたはNR17R18(式中、R17は水素またはC1−C4
アルキルであり、かつR18は水素、C1−C4アルキル、C1
−C4アシル、またはC1−C4アルコキシカルボニルであ
り、またはNR17R18は一緒になって4〜8個の炭素原子
を含む環状イミド基を形成する)であり; R3及びR4は独立に水素、C1−C4アルキル、ヒドロキシ
ル、チオフェニル、C1−C3アルキルチオ、5個までの炭
素原子を含む飽和もしくは不飽和アルコキシドもしくは
アルコキシアルコキシド、グリコシド連鎖のグルコシル
基、N−アセチルグルコサミニル基、ガラクトシル基、
N−アセチルガラクトサミニル基、フコシル基、マンノ
シル基、ラムノシル基、シアリル基またはこれらの二糖
であり、またはR3及びR4は一緒になってオキソ基を形成
し、但し、(i)R3及びR4が一緒になってオキソ基を形
成する場合、(ii)R2及びR3が不在であり、それらの結
合がエチレン性不飽和を形成する場合または(iii)X
がNR16である場合を除いて、R3及びR4の少なくとも一つ
が水素であることを条件とする; R5は不在、水素、ヒドロキシル、メチル、C1−C4アシ
ルまたはC1−C4アルコキシカルボニルオキシであり; R6は不在、ヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキ
シプロピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジ
ルオキシであり; R7は水素またはカルボキシルであり; R8は水素、ヒドロキシルまたはアセトアミドであり; R9はヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキシプロ
ピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジルオキ
シであり、またR8が水素であり、かつR11がN−アセチ
ルアミノである場合には3−アセトキシ−1,2−ジヒド
ロキシプロピル、3−ラクチルオキシ−1,2−ジヒドロ
キシプロピル、3−アジド−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル、及び3−フルオロ−1,2−ジヒロドキシプロピルで
あり; R10は不在、ヒドロキシルまたはアセトアミドであ
り; R11は不在、ヒドロキシルまたはアセトアミドであ
り; R12はヒドロキシルまたはアセトアミドであり; R13はヒドロキシメチルまたはトリヒドロキシプロピ
ルであり、またR15が水素であり、かつR12がN−アセチ
ルアミノである場合には3−アセトキシ−1,2−ジヒド
ロキシプロピル、3−ラクチルオキシ−1,2−ジヒドロ
キシプロピル、3−アジド−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル、及び3−フルオロ−1,2−ジヒドロキシプロピルで
あり; R14は水素またはカルボキシルであり; R15は水素、ヒドロキシルまたはアセトアミドであ
り;かつ mは0または1であり、その結果、mが0である場合
には、環Cは不在であり、またmが1である場合には、
環Cは存在する; 但し、(a)置換基R1、R2及びR5の一つまたはR6のヒ
ドロキシル基が環Bから不在であり、また環Bが不在置
換基の環B炭素へのグリコシド結合により環Aに結合さ
れ、また番号を付された置換基またはヒドロキシルのみ
が不在であること(環Aがここに列挙された以外のその
置換基またはヒドロキシルの位置で環Bに結合されてい
る場合);(b)mが1である場合、置換基R10及びR11
の一つまたはR9のヒドロキシル基が環Aから不在であ
り、また環Cがその不在置換基またはヒドロキシルの環
A炭素へのグリコシド結合により環Aに結合されてお
り、また番号を付された置換基またはヒドロキシルのみ
が不在であり(環Cがその置換基またはヒドロキシルの
位置で環Aに結合されている場合)、またはR1、R2、R5
のうちの第二の置換基またはR6のヒドロキシルが不在で
あり、また環Cがその第二の不在置換基またはヒドロキ
シルの環B炭素へのグリコシド結合により環Bに結合さ
れていること;(c)下記の構造の一つが存在する場合
にのみXが0であること;(i)R1とR1'が一緒になっ
てオキソ基を形成する、(ii)R1とR3またはR4とがヒド
ロキシルではない、(iii)R3とR4が一緒になってオキ
ソ基を形成する、(iv)R3とR4のどちらもがC1−C3アル
キルチオである、または(v)R2とR3が不在であり、か
つそれらの結合がエチレン性不飽和を形成し、またR1
R5、R8またはR9のいずれかがヒドロキシルではなく、ま
たはR6がヒドロキシメチルではない;また(d)R2とR3
が不在であり、またXが0である場合にのみそれらの結
合がエチレン性不飽和を形成することを条件とする] 本発明のその他のオリゴ糖化合物は構造式IIに相当す
る。
[式中、 XはO、S、SO、SO2またはNR16(式中、R16は水素、
C1−C12アシル、C1−C12アルキル、C1−C4アルコキシカ
ルボニルであり、または>NR16はC1−C12アルキルN−
オキサイドである)であり; R1は不在、水素、ヒドロキシル、C1−C4アシル、C1
C4アルコキシカルボニルオキシ、5個までの炭素原子を
含む飽和もしくは不飽和アルコキシドもしくはアルコキ
シアルコキシドまたはグリコシド連鎖サッカリドであ
り; R1'は水素であり、またはR1とR1'は一緒になってオキ
ソ基を形成し; R2は不在、水素、ヒドロキシル、ハライド、C1−C5
ルコキシまたはNR17R18(式中、R17は水素またはC1−C4
アルキルであり、かつR18は水素、C1−C4アルキル、C1
−C4アシル、またはC1−C4アルコキシカルボニルであ
り、またはNR17R18は一緒になって4〜8個の炭素原子
を含む環状イミド基を形成する)であり; R3及びR4は独立に水素、C1−C4アルキル、ヒドロキシ
ル、チオフェニル、C1−C3アルキルチオ、5個までの炭
素原子を含む飽和もしくは不飽和アルコキシドもしくは
アルコキシアルコキシド、グリコシド連鎖のグルコシル
基、N−アセチルグルコサミニル基、ガラクトシル基、
N−アセチルガラクトサミニル基、フコシル基、マンノ
シル基、ラムノシル基、シアリル基またはこれらの二糖
であり、またはR3及びR4は一緒になってオキソ基を形成
し、但し、(i)R3及びR4が一緒になってオキソ基を形
成する場合、(ii)R2及びR3が不在であり、それらの結
合がエチレン性不飽和を形成する場合または(iii)X
がNR16である場合を除いて、R3及びR4の少なくとも一つ
が水素であることを条件とする; R5は不在、水素、ヒドロキシル、メチル、C1−C4アシ
ルまたはC1−C4アルコキシカルボニルオキシであり; R6は不在、ヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキ
シプロピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジ
ルオキシであり; R7は水素またはカルボキシルであり; R8は水素、ヒドロキシルまたはアセトアミドであり; R9はヒドロキシメチル、メチル、トリヒドロキシプロ
ピル、メチレンC1−C4アシルオキシまたはベンジルオキ
シであり、またR8が水素であり、かつR11がN−アセチ
ルアミノである場合には3−アセトキシ−1,2−ジヒド
ロキシプロピル、3−ラクチルオキシ−1,2−ジヒドロ
キシプロピル、3−アジド−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル、及び3−フルオロ−1,2−ジヒドロキシプロピルで
あり; R11はヒドロキシルまたはアセトアミドであり; 但し、(a)置換基R1、R2、R5の一つまたはR6のヒド
ロキシル基が環Bから不在であり、また環Bがその不在
置換基の環B炭素へのグリコシド結合により環Aに結合
され、また番号を付された置換基またはヒドロキシルの
みが不在であること(環Aがここに列挙された以外のそ
の置換基またはヒドロキシルの位置で環Bに結合されて
いる場合);(b)下記の構造の一つが存在する場合に
のみXが0であること;(i)R1とR1'が一緒になって
オキソ基を形成する、(ii)R1とR3またはR4とがヒドロ
キシルではない、(iii)R3とR4が一緒になってオキソ
基を形成する、(iv)R3またはR4のいずれかがC1−C3
ルキルチオである、または(v)R2とR3が不在であり、
かつそれらの結合がエチレン性不飽和を形成し、また
R1、R5、R8またはR9のいずれかがヒドロキシルではな
く、またはR6がヒドロキシメチルではない;また(c)
R2とR3が不在であり、またXが0である場合にのみそれ
らの結合がエチレン性不飽和を形成することを条件とす
る] サッカリド(糖)単位の例として、6員環が挙げら
れ、また普通の天然産の糖、例えば、グルコース(Gl
c)、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクト
ース(Gal)、N−アセチルガラクトサミン(GalNA
c)、マンノース(Man)、ラムノース(Rha)、フコー
ス(Fuc)、シアル酸(NeuAc)、等の置換構造、及びそ
れらの2−デオキシ誘導体が挙げられる。
サッカリド単位はグリコシド結合により一緒に結合さ
れる。典型的には、グリコシド結合は非還元性の末端糖
(式IまたはIIの環A)の1位の炭素原子と、還元性の
末端糖(式IまたはIIの環B)の2位、3位、4位また
は6位の炭素原子の間にある。非還元性の末端糖がシア
ル酸である場合、そのグリコシド結合はシアル酸の2位
の炭素原子と、還元性の末端糖の2位、3位、4位、6
位または8位の炭素原子の間にある。
グリコシド結合はα配置またはβ配置を有し得る。β
1,4−結合、α1,3−結合及びα2,6−結合が本明細書で
例示として使用され、これらが好ましい。また、その他
の結合配置が意図されている。
上記の式、及び本明細書で使用されるその他の式にお
いて、典型的には、環炭素原子の夫々における唯一の基
が示されている。これらの環炭素の夫々に結合された第
四の示されていない基は、未置換の炭水化物中に存在す
るような水素原子である。“第四の基”として示された
二つの基は、こうしてオキソ基が存在することを認める
ように示される。更に、R3及びR4が水素及びヒドロキシ
ルである場合、両方のアノマーが意図されている。
上記の構造式及び以下に示される構造式はまた環の平
面に対する基R1〜R15の配向を示さない。α配向及びβ
配向の夫々がR1〜R15の夫々につき意図され、こうして
これらの置換基が一般に示される。
置換基の配向は前駆体分子の関数であり、またその置
換基配向は所望により変化し得る。以下に説明されるよ
うに、R1〜R15の特別な配向が好ましい。
式Iに関して、mが1である場合に環Cが存在し、ま
たmが0である場合に環Cが不在であることが最初に注
目される。こうして、mが0である場合、式Iは式IIに
変わる。mが1である場合、環Cは環A(機構1及び
2)または環B(機構3及び表1a)に結合でき、その結
果、夫々、直線状または分枝オリゴ糖が式中の結合され
ていないように示された酸素により形成される。環Aは
常に式I及びIIの両方で環Bに結合されている。それ
故、R1、R2、R5の一つまたは環BR6のヒドロキシルは常
に不在であり、環Aへのグリコシド結合により置換され
ている。
その他に、環Cが存在し(m=1)、また環Bにグリ
コシド結合されている場合、R1、R2、R5の第二の基また
はR6のヒドロキシルが不在であり、また環Cへの別の第
二のグリコシド結合により置換されている。環Cが存在
し、また環Aにグリコシド結合されている場合、R11、R
12の一つまたはR9のヒドロキシルが不在であり、また環
Cへのグリコシド結合により置換されている。
通常の実施において、環AまたはCがシアリル以外で
ある場合、R1及び/またはR5がグリコシド結合により置
換されている。しかしながら、環AまたはCのいずれか
がシアリルである場合、R6またはR9のヒドロキシメチル
基のヒドロキシルがグリコシド結合により置換されてい
る。
式II中でA及びBと標識された環は、左の括弧の左に
示された環Aのグリコシド結合の酸素により一緒に結合
されている。その酸素原子は、R1、R2、R5またはR6に結
合されていると示される環Bの炭素原子の一つに結合で
き、従って適当なR1、R2、R5またはR6のヒドロキシル基
が不在である。こうして、例えば、R7が水素である場
合、1,3−結合、1,2−結合、1,4−結合、または1,6−結
合が夫々R1、R2、R5またはR6の位置で環Aと環Bの間に
形成でき、そして相当するR1、R2、R5またはR6置換基が
不在である。R7がカルボキシルである場合、その形成は
夫々2,3−結合、2,2−結合、2,4−結合、または2,6−結
合であり得る。
更に詳しくは、式I及びIIにもどって、環Bの置換基
XはO、S、SO、SO2またはNR16であり得ることがわか
る。R16基は水素(これが好ましい)、並びにC1−C12
シル基、C1−C12アルキル基であってもよく、または>N
R16はC1−C12アルキルN−オキサイドであってもよい。
R16C1−C12アシル基は、相当するC1−C12カルボン酸
の残基または反応生成物であり、こうして窒素原子とア
ミドを形成する。意図されるC1−C12アシル基として、
ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、イソ
−ブタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ノナノイ
ル、デカノイル、ドデカノイル(ラウロイル)、シクロ
ヘキサンカルボニル及びベンゾイルが挙げられる。
>NR16はC1−C12アルキルN−オキサイドである。こ
こで、そのアルキル基は以下に説明されるとおりであ
り、そのアルキル化三級窒素原子は酸化されてN−オキ
サイドを形成する。記号“>”は、環炭素原子に結合さ
れている窒素原子の残りの原子価を示すのに使用され
る。
C1−C12アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソ−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基に
より例示される。
R1、R5もしくはR18;またはR6及びR9のC1−C4アシルオ
キシ基として存在し得るC1−C4アシル基は、エステル基
のアシル[RC(O)−]部分またはアシルオキシ[ROC
(O)−]部分(式中、Rはアシル基の炭化水素部分で
ある)である。C1−C4アシル基として、ホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ブタノイル及びイソ−ブタノイル
が挙げられる。
飽和アルコキシドは、炭化水素部分が飽和されている
エーテルである。C1−C5アルコキシドは、その基中に1
〜6個の原子の長さを含むことができ、その炭化水素部
分はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基またはペンチル基であってもよい。また、
2−トリメチルシリルエチル“炭化水素”基が含まれて
もよい。メトキシ基が好ましい。
不飽和アルコキシドは、炭化水素基中にエチレン性不
飽和を更に含むアルコキシドのようなエーテルである。
また、不飽和アルコキシドは、その基中に6個までの原
子の長さを有することができ、そのうちの5個の原子が
炭素であってもよく、またその炭化水素部分として、ビ
ニル基、アリル基(プロペン−2−イル)、メチルビニ
ル基(プロペン−1−イル)、2−ブテニル基及び2−
ペンテニル基が挙げられる。アリル炭化水素基(アリル
オキシ)が好ましい。
アルコキシアルコキシドは、別のエーテル基を含むエ
ーテルである。また、アルコキシアルコキシドはその基
中に6個の原子の長さを有することができ、そのうちの
5個が炭素である。6原子のアルコキシアルコキシドの
例として、メトキシルメチオキシ(−O−CH2−O−C
H3)、エトキシルメチオキシ(−O−CH2−O−C2H5
及びエトキシルエチオキシ(−O−C2H2−O−C2H5)が
挙げられる。
飽和アルコキシド基、不飽和アルコキシド基及びアル
コキシアルコキシド基は夫々6個までの原子の鎖長(そ
のうちの5個が炭素である)を含むことができるので、
これらの三つの部分は5個までの炭素を含む飽和または
不飽和のアルコキシドまたはアルコキシアルコキシドと
総称される。
R1及びR5はまたC1−C4アルコキシカルボニル基を含む
ことができ、一方、R16及びR18はC1−C4アルコキシカル
ボニルを含むことができる。前者はカーボネートであ
り、一方、後者はウレタンである。夫々が、R1基もしく
はR5基、またはR16基もしくはR18基の夫々の形成に関し
て、C1−C4アルコキシ(前記のとおり)クロロホルメー
トとアルコールまたはアミンの反応により調製し得る。
R2はまたNR17R18(式中、NR17R18は一緒になって4〜
8個の炭素原子を含む環状イミド基を形成する)であっ
てもよい。意図される環状イミド基として、スクシンイ
ミド、メチルスクシンイミド、2,2−ジメチルスクシン
イミド、2,3−ジメチルスクシンイミド、マレイミド、
フタルイミド、ヘキサヒドロフタルイミド及びジメチル
フタルイミドが挙げられる。
オキソ基はカルボニル基であり、そして上記の式I、
IIまたはIIIのB環中に環Bの3位(R1及びR1')ではケ
トンとして、また環Bの1位(R3及びR4)ではラクト
ン、チオラクトンまたはラクタムのカルボニル部分とし
て存在し得る。
C1−C3アルキルチオ基は、アルコキシドのエーテル酸
素が硫黄原子により置換されているチオエーテルであ
る。C1−C3アルキルチオの炭化水素部分は、飽和アルコ
キシド基及び不飽和アルコキシド基に関して上記された
基と同じであってもよい。
また、R2基とR3基は不在であってもよく、それらの結
合が環の1位と2位の間でエチレン性不飽和を形成す
る。それにより、得られたB環サッカリド単位はグリカ
ールである。
特に好ましい二糖に関して、R8はヒドロキシルであ
る。また、環AがN−アセチル−グルコサミニル基であ
る場合には、R8はN−アセトアミド基であってもよい。
三糖が所望される場合、R2はグリコシド結合により上
記のサッカリドに結合されている別のサッカリドであっ
てもよい。こうして結合し得るサッカリドの例として、
前記のものが注目される。
上記の式IのA環とB環の結合だけでなくC環とB環
の結合を説明するR1基、R2基、R5基またはR6基の上記の
不在に加えて、二つのその他の条件が式I及び式IIの化
合物に当てはまる。これらの条件の両方は、XがOであ
る化合物に関するものであり、それによりこれらの化合
物を限定する。
第一に、環Bの5つの置換基配置の一つが存在する場
合にのみXは0である。これらの配置の二つはオキソ基
(R1及びR1')と(R3及びR4)である。第三は、R3また
はR4のいずれかがアルキルチオである場合である。R1
R3またはR4のいずれかとがヒドロキシルではない場合
に、第四の条件が生じる。R2とR3が不在であり、それら
の結合がエチレン性不飽和を形成し(環Bはグリカール
である)、またR1、R5、R8またはR9のいずれかがヒドロ
キシルではなく、またはR6がヒドロキシメチルではない
場合に、第五の条件が生じる。
第二に、Xが0である場合にのみ、R2とR3が不在であ
り、エチレン性不飽和により置換される。こうして、グ
リカールのみが意図される。
好ましい実施態様において、XはS、SOまたはSO2
あり、環Bはチオ糖またはその酸素化誘導体である。環
Bがチオ糖である場合、好ましくは、R1、R2及びR5はヒ
ドロキシルであり、R3は水素、ヒドロキシルまたはメト
キシであり、R4は水素、ヒドロキシルまたはメトキシで
あり、但し、R3とR4の一つが水素であり、かつR6がヒド
ロキシメチルであることを条件とする。
更に別の好ましい実施態様において、XはNR16であ
り、環Bはアザ糖を形成する。NR16がNHである場合、好
ましくは、R1がヒドロキシルであり、R1'が水素であ
り、R2がヒドロキシルまたはアセトアミドであり、R3
R4が両方とも水素であり、またはR3とR4が一緒になって
オキソ基を形成し、R6がヒドロキシメチルであり、かつ
BがR5でグリコシド結合により環Aに結合されている。
また、XがNR16である場合、環Bは1,6−ジデオキシ
アザピラノースであってもよい。環Bが1,6−ジデオキ
シアザピラノースである場合、好ましくは、R1が水素ま
たはヒドロキシルであり、R2が水素、ヒドロキシル、C1
−C5アルコキシ、ハライドまたはNR17R18(式中、R17
水素またはC1−C4アルキルであり、かつR18は水素、C1
−C4アルキル、C1−C4アシル、C1−C4アルコキシカルボ
ニルであり、またはNR17R18は一緒になって4〜8個の
炭素原子を含む環状イミド基を形成する)であり、R3
R4が両方とも水素であり、R5が水素、ヒドロキシルまた
はメチルであり、R6が水素またはメチルであり(但し、
R5とR6の一つのみがメチルであることを条件とする)、
R16が水素、C1−C12アルキル、C1−C12アシルであり、
または>NR16がC1−C12アルキルN−オキサイドであ
り、そしてそのジデオキシアザピラノースは少なくとも
2個のヒドロキシル基を含む。
1,6−ジデオキシアザピラノースは1位及び6位の炭
素原子でヒドロキシル基を欠いているので、形成される
オリゴ糖は二糖であり、還元性末端でジデオキシアザピ
ラノースを含み、そのアザピラノースはR1、R2またはR5
でグリコシド結合により非還元性末端(環A)でサッカ
リドに結合されている。
本発明のオリゴ糖化合物は特別な空間上の配向を有す
ることが好ましい。上記の式IIに相当するオリゴ糖に好
ましい空間上の配向はβであり、以下に式IVで示され
る。
(式中、基X、及びR1〜R9は上記の式IIに関して定義さ
れたものと同じである) 別の好ましい実施態様は、A環及びC環の両方が式I
のB環に結合されている式Iの化合物を含む。ここで、
R1とR5は両方とも不在であり、グリコシル連鎖サッカリ
ドにより置換されている。このような化合物の一般構造
式が構造式Vとして示される。
(式中、存在する種々のR1〜R15基及びXは先に定義さ
れたとおりである) 好ましい実施態様において、環Cはα−連鎖フコシル
基であり、また環Aはβ−連鎖ガラクトシル基(Gal)
である。一つのこのような特に好ましい実施態様におい
て、XはSであり、R2はヒドロキシルであり、またR3
びR4は水素及びヒドロキシルであり、R6はヒドロキシメ
チルであり、また環Bはグルコース構造を有する。
別の特に好ましい実施態様において、環Cはα−連鎖
フコシル基であり、また環AとBはβ1,4−連鎖N−ア
セチル−グルコサミン(GlcNAc)である。更に別の実
施態様において、環Cはα−連鎖フコシルであり、また
環AとBはガラクトシルβ1,3−N−アセチルグルコサ
ミン(Galβ1,3−GlcNAc)であり、または環Cがα−連
鎖フコシルであり、環AとBがガラクトシルβ1,4−N
−アセチルガラクトサミン(Galβ1,4−NAcGal)であ
る。
合成方法 A.グリコシルトランスフェラーゼ法 1.方法 本発明の別の局面はグリコシル化の方法に関する。そ
のグリコシル化の方法によれば、活性化されたドナー単
糖が水性媒体中で活性化されたドナー単糖とアクセプタ
ーサッカリドの両方に対して特異性を有する触媒量のグ
リコシルトランスフェラーゼの存在下で下記の式IIまた
はIIIのアクセプターサッカリドと混合されて反応混合
物を生成し、 (式中、X、R1、R1'、R2、R3、R4、R5及びR6(R1-6
は式II中で定義されたとおりである) そして反応混合物が、アクセプターサッカリドがグリコ
シル化され、グリコシル化されたアクセプターサッカリ
ドを生成するのに充分な期間及び条件下に保たれる。
本明細書に使用される“活性化されたドナー単糖”と
いう用語は、活性化ヌクレオチドに結合されたドナー単
糖を意味する。ドナー単糖の例として、Glc、GlcNAc、G
al、GalNAc、Man、Fuc、NeuAC及びこれらの誘導体、例
えば、下記の表5の化合物201〜204が挙げられる。当業
界でドナー単糖に対して特異性を有することが知られて
いる活性化ヌクレオチドとして、ウリジンジホスフェー
ト(UDP)、アデノシンジホスフェート(ADP)、グアノ
シンジホスフェート(GDP)、シチジンモノホスフェー
ト(CMP)及びシチジンジホスフェート(CDP)が挙げら
れる。
ドナー単糖がGlc、ClcNAc、GalまたはGalNAcである場
合、好ましい活性化ヌクレオチドはUDPである。ドナー
単糖がManまたはFucである場合、好ましい活性化ヌクレ
オチドはGDPである。ドナー単糖がNeuACである場合、好
ましい活性化ヌクレオチドはCMPである。本発明の方法
に使用するのに好ましい活性化されたドナー単糖はUDP
−Gal、UDP−GalNAc、UDP−Glc、UDP−GlcNAc及びCMP−
NeuACである。
活性化されたドナー単糖は市販の源(シグマ・ケミカ
ル社(Sigma Chem.Co.,St.Louis,MO))から入手でき、
または活性化ヌクレオチドとリン酸化された単糖から調
製し得る。活性化されたドナー単糖は、リン酸化された
ドナー単糖を触媒量のヌクレオチド−糖−ピロホスホリ
ラーゼ(この酵素は活性化されたドナー単糖の生成を触
媒作用する)の存在下で活性化ヌクレオチドと反応させ
ることにより調製される。
特別なヌクレオチド−糖−ピロホスホリラーゼの選択
は、リン酸化されたドナー単糖及び使用される活性化ヌ
クレオチドの性質に依存する。こうして、例えば、UDP
−GlcピロホスホリラーゼはUTPとリン酸化されたGlcか
らのUDP−Glcの生成を触媒作用する。その他のピロホス
ホリラーゼは当業界で公知であり、CMP−NeuACシンセタ
ーゼが挙げられ、これはCTPとNeuACからのCMP−NeuACの
生成を触媒作用する。
ヌクレオチド−糖−ピロホスホリラーゼは市販の源か
ら入手でき、また動物組織から単離でき、または知られ
ているように遺伝子工学の通常の技術を使用して組換え
形態で得ることができる。
アクセプターの選択はオリゴ糖の所望の構造に依存す
る。典型的には、アクセプターの置換基配置は式Iまた
はIIのオリゴ糖の環Bの置換基の性質に合致する。下記
の表1に示されたデータは、特別なアクセプターサッカ
リドと、β1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ(Gal
T)を使用して調製された合成オリゴ糖の合致を示す。
表1で先に示された反応はアクセプターとしてのグリコ
シル誘導体(化合物1a−z)の使用を例示する。更に別
の番号を付されたアクセプターが下記の表に示される。
アクセプターサッカリドの調製は、このようなサッカ
リドの性質により変化する。デオキシ−アザ糖は、アル
ドラーゼ触媒反応及び還元アミン化に基く化学−酵素的
方法によりつくられる。このような方法によれば、アジ
ドアルデヒドとホスフェートドナー基質が触媒量のアル
ドラーゼの存在下で反応させられてアジド置換ケトース
ホスフェートを生成する。次いでアジド置換ケトースホ
スフェートが通常のパラジウム触媒の存在下で水素化に
より還元的に環化される。その水素化は通常の水素化溶
媒、例えば、水、エタノールもしくはメタノールまたは
これらの混合物を使用して大気圧より大きい圧力で行わ
れる。
また、アジド置換ケトースホスフェートは水素化の前
に脱リン酸化される。このような脱リン酸化が起こる場
合、得られるアザ糖は、先の脱リン酸化を行わない水素
化から生じる1,6−デオキシ構造と較べて1−デオキシ
構造を有する。
アザ糖の置換基配置は、アジドアルデヒドの配置によ
り決定される。環窒素原子の修飾は典型的には還元的環
化の後に行われる。例えば、C1−C12アルキル基は相当
するアルデヒドまたはケトンの還元的アルキル化により
付加し得る。脱離基置換アルカンがまたアルキル化に使
用し得る。脱離基の例として、ハライド、メタンスルホ
ニル(メシル)基及びp−トルエンスルホニル(トシ
ル)基が挙げられる。N−アルキル化の方法は当業界で
公知である。
C1−C12アシル基は、適当な酸無水物または酸ハライ
ド、例えば、塩化ラウロイルにより付加し得る。また、
アシル化の方法は公知である。
N−オキサイド誘導体は、過酸化水素による酸化によ
りN−アルキル誘導体から容易に調製される。調製の例
が以下に示される。
チオグルコースの如きチオ糖アクセプターサッカリド
は市販の源(シグマ社)から入手し得る。このようなチ
オ糖の環炭素原子の置換基配置が当業界で公知の通常の
化学技術を使用してつくられる。環S原子からスルホキ
シド(S0)及びスルホン(SO2)へのH2O2による酸化は
室温で行われる。メチルチオグリコシドとしてのアノマ
ー中心の保護が開環を防止するのに必要とされる。
天然産の糖の誘導体であるアクセプター単糖は、当業
界で公知の通常の化学技術を使用して調製される。アク
セプターサッカリドの調製の例が以下に実施例5に記載
される。
また、表1に関して示された反応から調製された生成
物は、その表に使用されたアクセプター基質及びその他
のサッカリドと同様に、更なるグリコシルトランスフェ
ラーゼ反応のアクセプター基質またはインヒビターであ
り得る。このような化合物を使用する反応及び相対速度
の例が、下記の表1aに示され、この場合、二糖または単
糖反応体化合物(アクセプター基質)は表1のアクセプ
ターまたは生成物化合物[化合物1a、1t、2a、2i、3、
5、6及び(GlcNAc)]または本明細書のいずれかに
説明された化合物(化合物7、8及び10a)と同じ番号
を有し、また使用されたトランスフェラーゼはフコシル
α1,3/1,4トランスフェラーゼ(FucT;EC 2.4.1.65)で
あった。こうして、表1aに示された反応の如き反応は構
造式III及びIVにより示された化合物の如き化合物を使
用して構造式I、II及びVの化合物の如き化合物を調製
する。分枝三糖生成反応の例が上記の表に示されてい
る。また、表1aのデータが、その他のデータと同様に、
デュマス(Dumas)ら著、BioMed.Chem.Lett.,1:425−42
8(1991)に報告されている。
グリコシル化の方法に使用されるグリコシルトランス
フェラーゼは、活性化された単糖及びアクセプターサッ
カリドの両方に対して特異性を有する。即ち、グリコシ
ルトランスフェラーゼは、活性化されたドナー単糖をア
クセプターサッカリドに転移し、所定の構造のグリコシ
ド結合されたオリゴ糖を生成し得る。
グリコシルトランスフェラーゼの例として、下記の表
2中の生成物の生成を触媒作用する酵素が挙げられる。
また、ベイヤーら著、Adv.Enzymol.,52:23−161(198
1)を参照のこと。更に、以下に例示されたグリコシル
トランスフェラーゼは非天然産のオリゴ糖を使用し得
る。
グリコシルトランスフェラーゼは、市販の源(シグマ
社;ベーリンガー・マンハイム社(Boehringer Mannhei
m,Indianapolis,IN)及びゲンザイム社(Genzym,Cambri
dge,MA))から入手でき、また微生物、植物または動物
の組織から単離、精製でき、また遺伝子工学の公知技術
を使用して組換え形態で得ることができる。
本明細書で使用される“触媒量”という用語は、非律
速様式で酵素の基質から生産物への変換を触媒作用する
のに少なくとも充分な酵素の量を意味する。
特別な酵素の触媒量は酵素の基質の濃度により変化す
るだけでなく、温度、時間及びpH値の如き反応条件によ
り変化する。前もって選択した基質濃度及び反応条件の
もとに所定の酵素の触媒量を決定する手段は、当業者に
公知である。
混合は、夫々の成分を適当な水性媒体(溶媒)中でそ
の他の成分の夫々と混合して反応混合物を生成すること
を含む。反応混合物は温度、pH、溶媒容量オスモル濃
度、イオン組成及び周囲気圧の生物学的反応条件下でア
クセプターサッカリドをグリコシル化してグリコシル化
されたアクセプターサッカリドを生成するのに充分な期
間にわたって保たれる。
温度は約15℃〜約40℃の範囲であり得る。温度は約20
℃〜約40℃であることが好ましく、約25℃〜約37℃であ
ることが更に好ましい。
pH値は約6.0〜約11.0の範囲であり得る。pH値は約6.5
〜約8.5であることが好ましく、約7.0〜約7.5であるこ
とが更に好ましい。pH値は水性溶媒中で緩衝剤により保
たれる。緩衝剤は、Mg+2またはMn+2の如き酵素コファク
ターを結合するキレーターを含まない。緩衝剤の選択
は、緩衝剤がpH値を所定のレベルに保つ能力に基く。pH
値が約7.5である場合、好ましい緩衝剤はHEPESである。
水性媒体の容量オスモル濃度及びイオン組成は、反応
混合物の成分を可溶化し、かつ反応混合物に含まれる酵
素のコファクターを与えるように設計され、選択され
る。緩衝剤を含む水性媒体の容量オスモル濃度は約100m
Osm〜約300mOsmであることが好ましい。
オリゴ糖の合成の反応時間及び条件は、単糖アクセプ
ターの性質により変化する。単糖誘導体が表1の化合物
5である場合、その反応時間は約48時間であり、その反
応は約37℃の温度で緩衝水溶液中で起こる(実施例1
A)。単糖アクセプターが表1の化合物1eまたは1iであ
る場合、その反応時間は同温度で約96時間である(実施
例1B及び1C)。
或る状況下で、単糖アクセプターが2位の炭素原子で
α−配向で水素原子またはヒドロキシル基を有する場合
(即ち、R2が式IIIで水素原子またはヒドロキシルであ
る場合)、その反応条件はラクトアルブミン、好ましく
はα−ラクトアルブミンを含む。
本発明の合成方法はGalTで調製される3−O−アシル
オリゴ糖を与えないことが注目される。3−O−アシル
単糖アクセプターが使用される場合、生成される生成物
は6−O−アシル化オリゴ糖である。例えば、3−O−
アセチル−N−アセチルグルコサミンが単糖アクセプタ
ーとして使用された場合、表1の化合物2eが得られ、こ
れはN−アセチルグルコサミン部分の6位へのアセチル
基の移動を示す。その他の副生物は得られなかった。
アセチル基の他に、メトキシカルボニル基、クロロア
セチル基、及びアリルオキシカルボニル基がまた3位か
ら6位へのO−アシル移動を示した。これらの移動の夫
々の半減期は、NMRにより測定して、室温でpH7.0で、ア
セチル基、メトキシカルボニル基、及びアリルオキシカ
ルボニル基に関して約3時間であり、クロロアセチル基
に関して3時間未満であった。
3−O−アシル−GlcNAcの合成は直接的である。容易
に入手し得る4,6−ベンジリデン誘導体から開始して、
種々のアシル基が3−O位に導入し得る。
この予測されないアシル移動を更に研究するために、
3−O−アセチル−N−アセチルグルコサミンをGalT酵
素の不在下でpH7.0でインキュベートし、1H−NMRスペク
トルを測定した。1.82ppmの新しいピークの強さが増加
するが、1.9ppmのシグナル(CH3CONH−)が減少するこ
とが観察され、またH−6の低磁場へのシフト及びH−
3の高磁場へのシフトが同時に観察された。24時間後
に、最初の化合物の90%が新しい生成物(これは別途調
製された基準6−O−メトキシカルボニル−N−アセチ
ルグルコサミンに一致する)に変換された。更にその同
一性が高分解能質量スペクトル分析により確認された。
次いで6−O−アセチル−N−アセチルグルコサミン
がGalTの基質として研究され、それは同一条件下で3−
O−アシル異性体の約10倍有効であることがわかった。
次いで6−O−アセチル二糖の別途合成が基質として6
−O−アセチル−N−アセチルグルコサミンを使用して
70%の単離収率で行われた。6−O−アセチル−N−ア
セチルグルコサミンがズブチリシンにより触媒作用を受
けて無水ジメチルホルムアミド中でGlcNAc及びイソプロ
ペニルアセテートから82%の収率で容易に調製されたこ
とは、注目に値する。
グリコシル化の方法の反応速度及び収率は、活性化さ
れたドナー単糖のその場の再生を与えることにより高め
ることができる。
好ましい実施態様において、グリコシル化の方法は、 (a)水性媒体中で、 (i)アクセプターサッカリド; (ii)ドナー単糖; (iii)ドナー単糖に対して特異性を有する活性化ヌ
クレオチド; (iv)活性化されたドナー単糖を再生する系; (v)ピロホスフェート脱除剤;及び (vi)ドナー単糖の活性化された形態及びアクセプタ
ーサッカリドの両方に対して特異性を有する触媒量のグ
リコシルトランスフェラーゼと、ドナー単糖及び活性化
ヌクレオチドの両方に対して特異性を有する触媒量のヌ
クレオチド−糖−ピロホスホリラーゼ を互いの存在下で混合して反応混合物を生成する工程;
及び (b)その反応混合物を、アクセプターサッカリドがグ
リコシル化され、そしてグリコシル化されたアクセプタ
ーサッカリドを生成するのに充分な期間及び条件下に保
つ工程 を含む。
この好ましい方法に使用されるドナー単糖、活性化ヌ
クレオチド、グリコシルトランスフェラーゼ及びヌクレ
オチド−糖−ピロホスホリラーゼは、上記のものと同じ
である。
活性化されたドナー単糖再生系は、ホスフェートドナ
ーと、ホスフェートドナーから活性化ヌクレオチドへの
ホスフェートの転移を触媒作用する触媒量のキナーゼを
含む。
再生系のホスフェートドナーは、リン酸化された化合
物であり、そのホスフェート基はADPまたはCDPの如きヌ
クレオシドジホスフェートをリン酸化するのに使用し得
る。ホスフェートドナーの選択に関する唯一の制限は、
ホスフェートドナーのリン酸化された形態または脱リン
酸化された形態のいずれもがグリコシル化されたアクセ
プターサッカリドの生成に関与する反応のいずれをも実
質的に妨害し得ないことである。好ましいホスフェート
ドナーはホスホエノールピルベート(PEP)及びアセチ
ルホスフェートである。特に好ましいホスフェートドナ
ーはPEPである。
本発明による使用のための特別なキナーゼの選択は、
使用されるホスフェートドナーに依存する。アセチルホ
スフェートがホスフェートドナーとして使用される場
合、キナーゼはアセチルキナーゼである。PEPがホスフ
ェートドナーとして使用される場合、キナーゼはピルベ
ートキナーゼである。当業者に公知であるように、その
他のキナーゼがその他のホスフェートドナーと共に使用
し得る。キナーゼは市販されている(シグマ社;ベーリ
ンガー・マンハイム社)。
本明細書に使用される“ピロホスフェート脱除剤”と
いう用語は、本発明の反応混合物から無機ピロホスフェ
ートを除去するのに利用できる物質を表す。無機ピロホ
スフェート(PPi)は或る種の活性化されたドナー単糖
の副生物である。
生成されたPPiはフィードバックしてその他の酵素を
阻害することがあり、その結果、グリコシル化が低下さ
れる。しかしながら、PPiは異化作用の如き代謝手段ま
たはPPi結合物質による金属イオン封鎖の如き物理的手
段により除去し得る。PPiは、無機ピロホスファターゼ
である市販のPPi異化酵素(シグマ社;ベーリンガー・
マンハイム社)等を使用して代謝手段により除去される
ことが好ましく、また同様の酵素がピロホスフェート脱
除剤として利用できる。
好ましいグリコシル化の方法に使用されるアクセプタ
ーサッカリドは、構造式IIIにより特定されるようなア
クセプター単糖、天然産の単糖もしくはオリゴ糖、また
は構造式II、または更に特別には、構造式IVを有するオ
リゴ糖であり得る。
例えば、シアリル化されたグリコシル化合物の如きオ
リゴ糖が、下記の機構1(以下、サイクルAとも称され
る)によるCMP−シアル酸のその場の再生でもって合成
し得る。このような合成は、構造式Iの環Cが環Aに結
合され、また環Aが環Bに結合されている直線状オリゴ
糖を生じる。
以下に表5中に示される化合物201−204の一種の如き
化合物が、NeuACに代えて使用し得る。このような化合
物の使用は、3−置換−1,2−ジヒドロキシプロピル基
を有する構造式I、II及びIVの化合物を与える。
機構1によれば、CMPがATPの存在下でヌクレオシドモ
ノホスフェートキナーゼ(NMK)により触媒作用を受け
てCDPに変換され、ATPがホスホエノールピルベート(PE
P)の存在下でピルベートキナーゼ(PK)により触媒作
用を受けてその副生物ADPから再生される。CDPは更にPK
により触媒作用を受けてCTPに変換される。CTPはCMP−N
euAcシンセターゼにより触媒作用を受けてNeuAcと反応
してCMP−NeuAcを生成する。副生物の無機ピロホスフェ
ートはピロホスファターゼ(PPase)により脱除され
る。Galβ1,4GlcNAcのシアリル化はCMP−NeuAc及びSia
α2,6Galシアリルトランスフェラーゼにより行われる。
遊離されたCMPは再度CDP、CTPそしてCMP−NeuAcに変換
される。
それ故、このような方法によれば、ドナー単糖として
のN−アセチルノイラミン酸(NeuAc);アクセプター
二糖としてのGalβ1,4GlcNAc(N−アセチルラクトサミ
ン;LacNAc);活性化されたドナー単糖再生系としてのC
MP−シアル酸再生系;無機ピロホスファターゼの如きピ
ロホスフェート脱除剤、並びにヌクレオチド−糖−ピロ
ホスホリラーゼとしての触媒量のCMP−シアル酸シンセ
ターゼ及びアクセプターサッカリドに対して基質特異性
を有するグリコシルトランスフェラーゼとしての触媒量
のシアリルトランスフェラーゼが反応させられる。
本明細書に使用される“シアル酸”という用語は、ノ
イラミン酸(5−アミノ−3,5−ジデオキシ−D−グリ
セロ−D−ガラクト−2−ノヌロン酸)、及びノイラミ
ン酸のN−アセチル誘導体またはO−アセチル誘導体の
如き誘導体を意味する。シアル酸はノイラミン酸(NeuA
c)のN−アセチル誘導体であることが好ましく、これ
は種々の動物種で天然に産出するシアル酸として報告さ
れていた。シャウエル(Schauer)著、Adv.Carbohydr.C
hem.Biochem.,40:131(191)を参照のこと。
シアル酸誘導体は、ここに特定されたシアル酸の4
位、5位、7位、8位または9位の炭素原子の位置で置
換し得る。上記の位置における例示の誘導体は、5位、
7位、8位または9位のフルオロ基またはデオキシ基、
アミノ酸からのアミノのC1−C3アシルまたはアミノアシ
ル、及びホスホリルを含む。また、5位または9位がア
ジド基で置換し得る。特に好ましいシアル酸は、NeuA
C、N−ラクチルノイラミン酸、9−O−アセチル−Neu
AC、9−デオキシ−9−フルオロ−NeuAC、及び9−ア
ジド−9−デオキシ−NeuACである。本発明により使用
されるシアル酸は商業上入手でき(シグマ・ケミカル
社)、または種々の動物組織から単離し得る。シャウエ
ルら著、Biochem.Soc.Symp.,40:87(1974)を参照のこ
と。
本明細書に使用される“グリコシル化合物”という用
語は、1個以上のグリコシル残基を有する有機化合物を
表す。好ましいグリコシル残基はGal、GlcNAc、GalNA
c、NeuAcGalβ1,4GlcNAcである。グリコシル残基はシア
ル酸のアクセプターとして作用し、それ故、シアル残基
を受容するのに利用できる適当なヒドロキシル基を有す
る必要がある。
本発明において使用されるCMP−シアル酸再生系とし
て、シチジンモノホスフェート(CMP)、ヌクレオシド
トリホスフェート、ホスフェートドナー、ホスフェート
をホスフェートドナーからヌクレオシドジホスフェート
に転移できるキナーゼ、及び末端ホスフェートをヌクレ
オシドトリホスフェートからCMPに転移できるヌクレオ
シドモノホスフェートキナーゼが挙げられる。
CMP−シアル酸再生系により使用に適したヌクレオシ
ドトリホスフェートは、アデノシントリホスフェート
(ATP)、シチジントリホスフェート(CTP)、ウリジン
トリホスフェート(UTP)、グアノシントリホスフェー
ト(GTP)、イノシントリホスフェート(ITP)及びチミ
ジントリホスフェート(TTP)である。好ましいヌクレ
オシドトリホスフェートはATPである。
ヌクレオシドモノホスフェートキナーゼは、ヌクレオ
シドモノホスフェートのリン酸化を触媒作用する酵素で
ある。本発明のCMP−シアル酸再生系により使用される
ヌクレオシドモノホスフェートキナーゼ(NMK)及びミ
オキナーゼ(MK)は、CMPのリン酸化を触媒作用するの
に使用される。NMKは市販されている(シグマ・ケミカ
ル社;ベーリンガー・マンハイム社)。
このグリコシル化の方法の自蔵されたサイクル的特徴
のために、全ての反応体及び酵素が存在すると、ホスフ
ェートドナー、ドナ単糖またはアクセプターサッカリド
の最初のものが消費されるまで反応が続く。
こうして、シアリル化の例では、CMPがCDPに変換さ
れ、その変換は添加ATPの存在下でヌクレオシドモノホ
スフェートキナーゼにより触媒作用される。ATPは添加
ホスホエノールピルベート(PEP)の存在下でピルベー
トキナーゼ(PK)によりその副生物であるADPから触媒
により再生される。CDPは更にCTPに変換され、その変換
はPEPの存在下でPKにより触媒作用される。CTPはシアル
酸と反応してPPi及びCMP−シアル酸を生成し、この反応
はCMP−シアル酸シンセターゼにより触媒作用される。
グリコシル化合物のシアリル化に続いて、遊離されたCM
Pが再生系に再度入ってCDP、CTPそしてCMP−シアル酸を
再生する。生成されたPPiは前記のように脱除され、副
生物として無機ホスフェート(Pi)を生成する。また、
ピルベート(PYR)が副生物である。
本発明のグリコシル化の方法に使用される種々の反応
体の濃度または量は、温度及びpH値の如き反応条件、並
びにグリコシル化されるアクセプターサッカリドの量を
含む多数の因子に依存する。本発明のグリコシル化の方
法は、活性化ヌクレオチド及び活性化されたドナー単糖
の再生と、触媒量の酵素の存在下で生成されたPPiの脱
除とを可能にするので、その方法はドナー単糖、ホスフ
ェートドナー及びアクセプターサッカリドの濃度または
量により制限される。本発明の方法に使用し得る反応体
の濃度に関する上限は、このような反応体の溶解性によ
り決められる。
好ましい実施態様において、グリコシル化はドナー単
糖の濃度により制限される。このような実施態様によれ
ば、活性化ヌクレオチド、ホスフェートドナー、アクセ
プターサッカリド及び酵素の濃度は、ドナー単糖が消費
されるまでグリコシル化が進行するように選択される。
例えば、シアル酸の濃度が約20ミリモルである場合、
その他の非酵素反応体の好ましい濃度は、グリコシル化
合物に関して約20ミリモル、CMPに関して約20〜200μ
M、ヌクレオシドトリホスフェートに関して約2〜20μ
Mまたホスフェートドナーに関して約40ミリモルであ
る。こうして、これらの反応体の濃度対シアル酸の濃度
の比は、グリコシル化合物に関して約0.01〜0.1:1、CMP
に関して約0.001〜0.01:1、ヌクレオシドトリホスフェ
ートに関して約0.001〜0.01:1またホスフェートドナー
に関して約2:1であることが好ましい。
グリコシル化の方法は、グリコシル化されたアクセプ
ターサッカリドを単離することを更に含む。単離は、反
応混合物からグリコシル化されたアクセプターサッカリ
ドを回収することを含む。グリコシル化されたアクセプ
ターサッカリドを回収する手段として、ゲル濾過、カラ
ムクロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー、抽出、沈殿等が挙
げられる。
好ましい実施態様において、単離は反応混合物を連結
乾燥して反応混合物の容積を減少し、凍結乾燥された反
応混合物を約200〜400メッシュのゲル濾過カラムに適用
し、その濾過カラムからシアリル化されたグリコシル化
合物を溶離することにより行われる。このような実施態
様がシアリル化されたグリコシル化合物を単離するのに
使用される場合、このような化合物は約97%の収率で回
収し得る(実施例2を参照のこと)。
アクセプターサッカリドがアクセプターオリゴ糖であ
る場合、このようなアクセプターサッカリドそれ自体は
グリコシル化の方法の反応混合物中で調製し得る。この
ような実施態様において、反応混合物は、 (a)第二のアクセプターサッカリド; (b)第二のドナー単糖; (c)第二のドナー単糖に対して特異性を有する第二の
活性化ヌクレオチド; (d)第二の活性化されたドナー単糖を再生する系;及
び (e)(i)第二のドナー単糖の活性化された形態及び
第二のアクセプターサッカリドの両方に対して特異性を
有する触媒量のグリコシルトランスフェラーゼと、(i
i)第二のドナー単糖及び第二の活性化ヌクレオチドの
両方に対して特異性を有する触媒量のヌクレオチド−糖
−ピロホスホリラーゼ を更に含む。
また、第二のアクセプターサッカリドはアクセプター
オリゴ糖であってもよい。第二のグリコシルトランスフ
ェラーゼは上記の表2に示された酵素の群から選ばれる
ことが好ましい。
第二のドナー単糖、第二の活性化ヌクレオチド、第二
のグリコシルトランスフェラーゼ及び第二のヌクレオチ
ド−糖−ピロホスホリラーゼは、上記のドナー単糖、活
性化ヌクレオチド、グリコシルトランスフェラーゼ及び
ヌクレオチド−糖−ピロホスホリラーゼと同じであって
もよく、また異なっていてもよい。
更に、第二の活性化されたドナー単糖再生系は、上記
の活性化されたドナー単糖再生系と完全に同じであって
もよく、また一部同じであってもよい。
例えば、上記の機構1のシアリル化の方法のアクセプ
ターサッカリド(Galβ1,4GlcNAc;LacNAc)は、下記の
機構2に示されるように同じ反応混合物中で調製でき、
この場合、破線並びに文字A、B及びCは、単一容器中
の単一の水性反応混合物中で起こる三つの反応サイクル
を分離し、同定するのに使用される。また、この合成
は、環Aが環B及びCの夫々に結合されている直線状オ
リゴ糖の生成をもたらす。
機構2中のサイクルCによるLacNAcの調製は、上記の
シリアル化の方法(機構2においてA+B)と組み合わ
される。
機構2に示されるように、反応混合物中に含まれるサ
イクルCの成分は、第二のドナー単糖(Gal)、第二の
アクセプターサッカリド(GlcNAc)、第二の活性化ヌク
レオチド(UDP)、第二の活性化されたドナー単糖再生
系(ホスフェートドナー−PEP;キナーゼ−PK)(これは
機構1(サイクルA)の活性化されたドナー単糖再生系
の一部と同じである)、第二のグリコシルトランスフェ
ラーゼ(β1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ)及び
第二のヌクレオチド−糖−ピロホスホリラーゼ(UDP−G
lcピロホスホリラーゼ)である。
機構2では、活性化された第二のドナー単糖(UDP−G
al)が、UDP−Glcのエピメラーゼ触媒作用を受けた変換
により調製され、これは順にUTPとグルコース1−ホス
フェート(Glc−1−P)から合成される。活性化され
たガラクトース(UDP−Gal)の生成のこのような改良は
グリコシル化の方法の更に別の実施態様に相当する。
更に別の実施態様は、ManNAcからのシアル酸の生成
(サイクルB、機構2)を含む。
酵素的アルドール反応(機構2中のB)が最初に機構
1に導入される。ManNAcがピルビン酸の存在下でNeuAC
アルドラーゼ(EC 4.1.3.3)により触媒作用を受けてNe
uACに変換される。NeuACアルドラーゼはまた逆反応(Ne
uACからManNAc及びピルベートへ)を触媒作用するが、
生成されたNeuACは、遊離された無機ピロホスフェート
の無機ピロホスファターゼ(PPase)により触媒作用を
受けた分解と対にされたCMP−シアル酸シンセターゼに
より触媒作用を受けたCMP−NeuACを経由してサイクルA
に不可逆的にとり込まれる。シアリルLacNAcがバイオ−
ゲルP−2カラムクロマトグラフィー後に得られる。
機構2に示された方法の詳細が実施例3で与えられ
る。
グリコシル化されたアクセプターサッカリドは、順
に、付加的なグリコシル化反応のアクセプターサッカリ
ドとして利用できる。例えば、機構2により生成された
シアリルLacNAcは、下記の機構3に示されるように更に
グリコシル化されてシアリルLexを生成でき、この機構
中、破線及び大文字のA−Dは前記のとおりである。こ
の合成は、環A及びCの夫々が環Bに結合されている分
枝オリゴ糖をもたらし、これはここでは二糖である。
このような更なるグリコシル化(サイクルD、機構
3)によれば、シアリルLacNAcは、α1,3フコシルトラ
ンスフェラーゼ、フコース1−ホスフェート(Fuc−1
−P)、GTP及びGDP−Fucピロホスホリラーゼを更に含
む機構2の反応混合物中でアクセプターサッカリドとし
て利用できる。
機構3に例示されるような上記の全ての反応は、使用
されるグリコシルトランスフェラーゼ酵素とピロホスホ
リラーゼ酵素の特有の特異性のために互いの存在下で
(即ち、同じ反応器中で)進行し得る。例えば、GalはG
lcNAc以外のその他のアクセプターサッカリドに転移さ
れない。何となれば、使用されるβ1,4ガラクトシルト
ランスフェラーゼ酵素はこのようなその他のアクセプタ
ーサッカリドに対して特異性を有していないからであ
る。こうして、特異なオリゴ糖が、特異的な酵素を選択
し、使用することにより本発明のグリコシル化の方法に
従って設計され、合成し得る。
2.成分 (a)アクセプターサッカリド 上記のように、アクセプターサッカリドはデオキシ−
アザ糖の如きアザ糖であり得る。幾つかのジデオキシ−
アザ糖及びそれらの誘導体の合成は、FDPアルドラー
ゼ、ラムヌロース−1−ホスフェートアルドラーゼ、も
しくはフクロース−1−ホスフェートアルドラーゼによ
り触媒作用を受けた(RS)3−アジド−2−ヒドロキシ
プロパナールとDHPAのアルドール縮合、またはDERAの場
合には(RS)3−アジド−2−ヒドロキシプロパナール
+アセトアルデヒド、アセトン、もしくはプロピオンア
ルデヒドのアルドール縮合で開始する。(RS)3−アジ
ド−2−ヒドロキシプロパナールは、デュールワチター
(Durrwachter)ら著、J.Org.Chem.53:4175(1988)に
記載されているような3−アジド−2−ヒドロキシプロ
パナールジエチルアセタールの酸加水分解により調製さ
れる。(RS)3−アジド−2−ヒドロキシプロパナール
+DHAPへの上記のアルドラーゼの一種の添加は、下記の
機構4の左側に示されているように化合物101、104また
は108を与えた。ラムヌロース−1−ホスフェートアル
ドラーゼ及びフクロース−1−ホスフェートアルドラー
ゼの両方が基質として(S)−アルデヒドを受容し、一
方、FDP−アルドラーゼは(R)−鏡像体に対して選択
的である[ペダーソン(Pederson)ら著、Tetrahedron
Lett.,29;645(1988)]。
リン酸化された化合物104及び108のパラジウム(Pd)
媒介還元的アミン化は、夫々約90%の全収率で化合物10
6、109及び110(約1:1の比で)を夫々与えた。同様に、
リン酸化された化合物101cはまた高収率で化合物103cに
直接水素化された。これらの生成物が機構4の右側に示
される。
機構4のアザ糖のN−アセチル誘導体の合成は、DHAP
と(RS)3−アジド−2−アセトアミドプロパナールジ
エチルアセタール(これはペダーソンら著、J.Org.Che
m.55:4897(1990)に記載されたように3−アジド−2
−ヒドロキシプロパナールから調製される)の反応から
同様に進行する。N−アセチルジデオキシ−アザ糖の合
成の重要な要素は、下記の機構5に示されるような化合
物IV及びその鏡像体の調製であり、その機構中、ローマ
数字はアジドα−ケトースホスフェートをもたらす中間
体化合物に使用される。
こうして、前もって調製された化合物I(>98%ee)
[フォン・デル・オステン(Von der Osten)ら著、J.A
m.Chem.Soc.,111:3924(1989);ペダーソンら著、Hete
rocycles,28:477(1989)]を工程aで化合物II[ペダ
ーソンら著、J.Org.Chem.,55:489(1990)]に変換し、
続いてN−アセチル化により化合物III a(95%ee)に
変換した。工程cで塩化亜鉛(ZnCl2)の存在下でアジ
リジン化合物III aをアジ化ナトリウムで求核開環して6
0%の収率で化合物IV aを得た。その他の保護“R"基が
機構5に示されている。その他の保護基(例えば、III
b−III d;Cbz=カルボベンゾキシ、Ts=p−トルエンス
ルホニル)で更に高い収率(75〜86%)を得た。III d
の保護基はフッ化物により除去し得る[ワインレブ(We
inreb)ら著、Tetrahedron Lett.,2099(1986)]。
酸加水分解を使用して化合物IV aのアルデヒド保護基
をはずした。工程dで化合物IV aのマスクされていない
生成物(3当量)をFDPアルドラーゼの存在下でpH6.5で
ジヒドロキシアセトンホスフェート(DHAP)1当量と縮
合して化合物101b(収率60%)を得た。工程eで化合物
101bをパラジウム触媒で環化して化合物103bを得た。
同様にして化合物101dを化合物Iの鏡像体から調製し
た。こうして、ラセミ化合物Iで出発して、12:1の比の
化合物103bと103dの混合物を得た。
鏡像体上純粋なアルデヒド基質で出発して、化合物10
3bと103dを別々に得た。
還元的アミン化は全てジアステレオ選択的であり、水
素が面選択的な様式でイミン中間体を攻撃して還元中に
発生されるねじり歪みを避けるという従来の知見[フォ
ン・デル・オステンら著、J.Am.Chem.Soc.,111:3924(1
989)]と一致する(例えば、化合物101a−101fと化合
物104の反応)。この研究の付加的な知見は、水素が常
にアキシアル置換基と反対の側から接近し(例えば、化
合物101a、101b、101e、104及び108との反応)、この立
体効果がねじり歪み効果をくつがえすように思われるこ
とである。A1,2歪み(例えば、化合物101または104)
は還元の立体化学的経路に影響しないように思われる。
化合物103cをN−メチル化して化合物117を得た。同
様に、ラウリルまたはブチルの如き更に長いアルキル基
でアルキル化すると、夫々化合物120及び121を生じる。
過酸化水素(H2O2)による化合物117のN−酸化は、
化合物118に示されるようなエカトリアル位にN−メチ
ル(CH3)基を有する単一の立体異性体を生じた。立体
化学の帰属は、モデル化合物の種々の基の間で観察され
た強い核オーバーハウザー(Overhauser)効果(NOE)
に基いた。
また、化合物114a−cの合成は3−アジド−2−ヒド
ロキシプロパナールで開始し、前駆体アザケトースの生
成がDERAにより触媒作用される。DERAは、それが二種の
アルデヒドのアルドール縮合を触媒作用し得る点で特異
である。それ故、化合物114aの場合、化合物113aを得る
ために、反応体は(RS)3−アジド−2−ヒドロキシプ
ロパナールとアセトアルデヒドであった。化合物113bを
生成する(RS)3−アジド−2−ヒドロキシプロパナー
ルとアセトンの反応を経由して化合物114bを生成し、ま
た(RS)3−アジド−2−ヒドロキシプロパナールをプ
ロピオンアルデヒドと反応させて化合物113cを生成する
ことにより化合物114cを生成した。得られるアジドケト
ースまたはアジドアルドースのいずれもがホスフェート
基を含んでおらず、こうして還元的環化は親化合物113a
−cから直接に化合物114a−cを生じた。化合物113a−
c及び114a−cが以下に示される。
(b)酵素 (i)ヌクレオチド−糖−ピロホスホリラーゼ 上記のように、ヌクレオチド−糖−ピロホスホリラー
ゼは市販の源から得ることができ、また組織から単離、
精製でき、または組換え形態で得ることができる。
例えば、CMP−シアル酸シンセターゼは、当業界で公
知の方法によりシンセターゼ酵素を含む細胞及び組織か
ら単離し、精製し得る。例えば、グロス(Gross)ら
著、Eur.J.Biochem.,168:595(1987);ビジャイ(Vija
y)ら著、J.Biol.Chem.,250(1):164(1975);ザパ
タ(Zapata)ら著、J.Biol.Chem.,264(25):14769(19
89)及びヒガ(Higa)ら著、J.Biol.Chem.,260(15):8
838(1985)を参照のこと。
一実施態様において、ウシの脳からの灰白質を均質化
し、ホモジネートを遠心分離してペレット及び上澄みを
生成し、上澄みを凍結乾燥して粉末を得る。凍結乾燥粉
末を蒸留水中で再構成し、均質化し、遠心分離して上澄
み及びCMP−シアル酸シンセターゼを含む綿毛状のペレ
ットを得る。そのシンセターゼ酵素を綿毛状のペレット
からKClで2回抽出して半精製抽出物を得る。汚染量の
ヌクレオシドホスファターゼ及びO−アセチルエステラ
ーゼを連続硫酸アンモニウム沈殿及び透析により半精製
抽出物から除去する。ヒガら著、J.Biol.Chem.,260(1
5):8838(1985)を参照のこと。
別の実施態様において、遺伝子工学技術及び組換えDN
A技術を使用して形質転換宿主細胞からCMP−シアル酸シ
ンセターゼを得る。CMP−シアル酸シンセターゼを得る
一つのこのような方法がザパタら著、J.Biol.Chem.,264
(25):14769(1989)に報告されている。この実施態様
では、E.coli天然CMP−シアル酸シンセターゼの遺伝子
を含むプラスミドpSR35をEco R I及びHind IIIで消化し
て2.7kbの断片を得、これをEco R I−Hind IIIで消化し
たベクターpKK223−3(ファーマシアLKBバイオテクノ
ロジー社(Pharmacia LKB Biotechnology Inc.))に挿
入してプラスミドpWA1を生成する。次いでプラスミドpW
A1を使用してE.coli.を形質転換する。形質転換E.coli
は天然CMP−シアル酸シンセターゼを形質転換されてい
ない細菌の場合よりも10〜30倍高いレベルまで発現する
と報告されている。ザパタら著、J.Biol.Chem.,264(2
5):14769(1989)を参照のこと。
別の好ましい実施態様では、天然または修飾CMP−シ
アル酸シンセターゼを、フセら著、Science,246:1275
(1989)に最近記載された新規バクテリオファージλベ
クター系で形質転換した宿主細胞から得る。天然または
修飾CMP−シアル酸シンセターゼを得るこの方法の詳細
な説明が、実施例2及び10に示される。
この好ましい実施態様の一局面によれば、ゲノムDNA
がE.coli株K235(ATCC13207)から抽出され、そしてCMP
−シアル酸シンセターゼの遺伝子が二種の注文設計され
たポリヌクレオチドプライマーの存在下でポリメラーゼ
連鎖反応(PCR)増幅により単離される(実施例2を参
照のこと)。一種のプライマーは、Eco R I制限部位、
リボソーム結合配列、開始コドン、及び酵素のN末端ヘ
キサペプチドに相当するオリゴヌクレオチドを含む。第
二のプライマーは、3'から5'に向かって、Xba I制限部
位、停止コドン、デカペプチドtag配列、及び酵素のC
末端ヘキサペプチドに相当する配列を含む。増幅された
遺伝子は、デカペプチドtagを含む修飾シンセターゼ酵
素のE.coli中の発現のためのファーゲミドの構成のため
にEcoR I部位及びXba I部位でλZAP(商標)(ストラタ
ゲン・クローニング・システムズ(Stratagen Cloning
Systems,La Jolla,CA))にクローン化された。
デカペプチドtagは陽性クローンの選択を容易にする
マーカーとして利用でき、また天然酵素が所望される場
合には、デカペプチドtag配列を含まないプライマーに
よる別のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により除去し得
る。
天然酵素及び修飾酵素はNeuAc及びCTPに関して同様の
Kcat及びKmを有する。修飾酵素は高pH値で天然酵素より
も活性である(以下の実施例9を参照のこと)。特異性
に関する研究は、両方の酵素が中性pHでC−9修飾NeuA
c誘導体に対して高い比活性を有することを示す(以下
の実施例9を参照のこと)。
天然または修飾CMP−シアル酸シンセターゼと同程度
に大きい酵素をコードするDNAがこのファージベクター
に首尾よくクローン化され、このファージベクターから
翻訳し得ることは、特に驚くべきことであった。従来の
論文は、抗体Fab断片(約50,000kd)[これは本DNA及び
タンパク質のサイズの約15〜20%である]をコードする
DNAの使用を記載していたにすぎない。
形質転換されたE.coliは、野生型の形質転換されてい
ない株に関する<0.1U/Lと較べて、修飾酵素としてのCM
P−シアル酸シンセターゼ約100U/Lを生産し、これは酵
素活性の>1,000倍の増加に相当する。このような形質
転換されたE.coliが、1991年2月19日にアメリカン・タ
イプ・カルチャー・コレクション(the American Type
Culture Collection,Rockville,Marylad)に寄託され、
ATCC受理番号68531を指定された。
(ii)グリコシルトランスフェラーゼ グリコシルトランスフェラーゼはまた種々の源から得
ることができる。例えば、牛乳からのβ1,4ガラクトシ
ルトランスフェラーゼ(GalT)は組換え形態で生産し得
る。GalTは、多くのその他のグリコシルトランスフェラ
ーゼと同様に、主として膜結合形態でゴルジ装置中に存
在、これは、タンパク質分解後に可溶性活性形態、所謂
“触媒領域”を生じ、この可溶性形態はミルク及び血清
の如き体液中に現れる。ポールソン(Paulson)ら著、
J.Biol.Chem.,264:17615(1989)を参照のこと。
ウシGalTの触媒領域は、無傷の402のアミノ酸の膜結
合酵素のC末端配列に相当する324のアミノ酸を含む。
ヒトGalTの触媒領域または活性領域は配列(>90%の相
同性)及び基質特異性の両方でウシGalTに非常に似てい
る。活性領域がE.coli発現系pIN−GTにクローン化され
た(図1を参照のこと)。この発現系は、原核生物の主
リポタンパク質であるomp Aのシグナル配列とGalTの触
媒領域の融合を移入し、その結果、その酵素はペリプラ
ズム間隙に輸送され、そこでそれはシグナルペプチダー
ゼの作用によりシグナル配列から放出されて酵素活性Ga
lTを与える。アオキら著、EMBO,9:3171(1990)を参照
のこと。
この発現系により生産された組換えGalT酵素は、可溶
性GalTのN末端Thr残基に付着された付加的なトリペプ
チドAla−Glu−Leuを含む。発現レベルを改善するた
め、E.coli株SB221中のプラスミドpIN−GTが単離され、
そして損傷細胞壁を有するE.coli株であるJM109(ATCC
53323)に形質転換された。シマら著、J.Ferm.Bioeng.,
68:75(1989)を参照のこと。
約2x10-3UのGalTが150mLの醗酵から得ることができ、
これはSB221中の従来の発現と較べて35倍の活性の増加
に相当する。上記のアオキらの文献を参照のこと。酵素
はクロロホルム抽出されたペリプラズム画分中に主とし
て現れた。何となれば、その媒体中に排出された活性の
有意差が観察されなかったからである。
同様に、シアリルトランスフェラーゼ酵素は市販の源
(シグマ・ケミカル社;ベーリンガー・マンハイム社及
びゲンザイム社)から得ることができ、またウシ顎下腺
及びラット肝臓の如き動物組織から単離、精製でき[例
えば、グロス(Gross)ら著Eur.J.Biochem.,168:595(1
987)及びヒガら著、J.Biol.Chem.,260(15),8838(19
85)を参照のこと]、または組換え形態で得ることがで
きる[例えば、エルンスト(Erunst)ら著、J.Biol.Che
m.,264:3436(1989);マシベイ(Masibay)ら著、Pro
c.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,86:5733(1989);トフロール
(Toghrol)ら著、Biochemistry,29:2349(1990);ア
パート(Appert)ら著、EMBO,9:3171(1990)及びジョ
ジアッセ(Joziasse)ら著、Eur.J.Biochem.,191:75(1
990)を参照のこと]。
B.グリコシダーゼ法 本発明のオリゴ糖の生産の別の合成方法は、酵素β−
ガラクトシダーゼを使用する。このような方法によれ
ば、本発明の単糖アクセプターがβ−ガラクトシド誘導
体と反応させられる。好ましいβ−ガラクトシド誘導体
はP−ニトロフェニルβ−ガラクトシドである。
こうして、例えば、表2の化合物5が下記の機構6に
従ってβ−ガラクトシダーゼ(E.coliからのEC 3.2.1.2
3)の存在下でp−ニトロフェニルβ−ガラクトシダー
ゼと反応させられる場合に、化合物9が得られる(実施
例1F)。
化合物9はβ1,6連鎖を有する。こうして、グリコシ
ルトランスフェラーゼを使用する方法と対照的に、グリ
コシダーゼ法は1,6グリコシド連鎖を有する化合物を生
成する。
本発明の単糖アクセプターの全てがβ−ガラクトシダ
ーゼに適した基質であるとは限らない。例えば、表2の
化合物3または4が基質として使用される場合、生産物
は得られなかった。いずれのアザ糖もβ−ガラクトシダ
ーゼのインヒビターではなかった。p−ニトロフェニル
β−ガラクトシドはアザ糖の不在下、またその存在下で
同じ速度で酵素により加水分解された。
合成されたオリゴ糖化合物の構造及び連鎖の確認は、
1H NMRデータ及び13C NMRデータ(夫々、300MHzまたは5
00MHz、及び125MHz)を使用して核磁気共鳴(NMR)分光
学により行われる。夫々のプロトンに関する1H−NMR化
学シフトの帰属は、徹底的な脱カップリング実験により
確立される。
典型的には、出発単糖に対して、グリコシド連鎖中の
炭素に結合されたプロトンに関する大きな低磁場シフト
(0.1〜0.3ppm)が観察される。従って、その他のプロ
トンは殆どシフトを受けない。1H核オーバーハウザー効
果(NOE)実験が連鎖及び立体配座を更に確認するのに
使用される。
例えば、ガラクトースのH−1が照射された場合、化
合物9は5−チオグルコースのH−6共鳴の一つの4%
の増大を示し、これはガラクトース部分のH−1への5
−チオグルコースのH−6の接近を示す。更に、13C−N
MRスペクトルでは、C−6共鳴の低磁場シフトが観察さ
れると共に、その他の炭素シグナルに関するかなりのシ
フトが観察されなかった。このようなデータは、化合物
9が1,6連鎖を有することを示す。
二糖連鎖の位置化学の帰属の更なる実証が、per−ア
セチル化された二糖の1Hスペクトルの分析により与えら
れる。こうして、5−チオ−D−グルコース部分(表2
の化合物5)のH−1〜H−4共鳴はアセチル化後に1.
3〜1.8ppmの大きな低磁場シフト(遊離二糖に対して)
を受ける。従って、H−5共鳴及びH−6共鳴はアセチ
ル化後にごくわずかなシフト(−0.33〜+0.38ppm)を
受ける。
組成物 また、本発明は、水性媒体中に分散されたグリコシダ
ーゼまたはグリコシルトランスフェラーゼ抑制量の前記
のオリゴ糖を含む組成物を意図している。水性媒体は、
医薬上許される無毒性媒体、例えば、当業界で公知であ
るような通常の生理食塩水、食塩加リン酸緩衝液、リン
ゲル液等であることが好ましい。また、水性媒体は、哺
乳類、例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、
イヌまたはヒトの血液、血清、血漿またはリンパ液(こ
れらにはアザピラノースが投与される)を含むことがで
きる。
グリコシダーゼまたはグリコシルトランスフェラーゼ
抑制量は、前もって選択されたグリコシダーゼまたはグ
リコシルトランスフェラーゼ酵素を少なくとも25%、更
に好ましくは約50%、最も好ましくは約75%以上抑制す
る量である。
グリコシダーゼインヒビターは別のグリコシダーゼ
(例えば、β−ガラクトシダーゼ)の基質として使用し
得ることが明らかである。例えば、表1の化合物5はα
−グルコシダーゼのインヒビターである。
表1の化合物3、4、5及び6はエキソグルコシダー
ゼ(例えば、β−グルコシダーゼ)の強力なインヒビタ
ーであり、またそれらのグリコシドはエンドグルコシダ
ーゼのインヒビターである。この型の幾つかの天然及び
合成の生産物は強力なエンドグリコシダーゼのインヒビ
ターである。例えば、カジモトら著、J.Am.Chem.Soc.,1
13:6187(1991);及びリオッタ(Liotta)ら著、J.Am.
Chem.Soc.,111:783(1989)を参照のこと。
更に、表1の化合物2i及び2oは、適当に配向された3
−OH基の欠如のためにα−1,3/4−フコシルトランスフ
ェラーゼを抑制し得る。ロウ(Lowe)ら著、Cell,63:47
5(1990)を参照のこと。表1aのデータは、化合物8が
化合物2iと同様の抑制能であり、一方、化合物10aがい
ずれの化合物よりも抑制性であることを示す。これらの
研究に使用したFucTはミシガン大学(Michigan,Ann Arb
or,MI)のJ.B.ロウ博士により提供された。
表1の化合物2jは、機構3に記載されたようなLex[G
alβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc]及びシアリルLex[NeuAc
α2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAc]の合成に有益であ
る。シアリルLexの化学酵素的合成は、表1の化合物2j
のperアセチル化、続いてフコシル化のために3−OH基
を遊離するRu触媒による3−o−アリル基の選択的脱保
護[コレィ(Corey)ら著、J.Org.Chem.,38:3224(197
3)]により行うことができる。
デオキシ−アザ糖は表3に示されるようにグリコシダ
ーゼ活性を抑制することが知られている。
前記のオリゴ糖は水性媒体中に分散される。このよう
な分散液は懸濁液を含むだけでなく、真の溶液を含み、
これは水性媒体中の極限の分散液である。
以下の実施例は本発明の特別な実施態様を説明するも
のであり、明細書及び特許請求の範囲を何ら限定するも
のではない。
実施例 実施例1:オリゴ糖の合成 A.(β−D−ガラクトピラノシル−(1,4)−5−チオ
−D−グルコピラノース)、表1の化合物7 5−チオグルコース、表1の化合物5(100mg、500ミ
リモル)を、5ミリモルのMnCl2を含む50ミリモルのナ
トリウムコカジレート(pH7.0)10mL中で5UのGalT(シ
グマ・ケミカル社)、UDP−グルコース(350mg、500ミ
リモル)、α−ラクトアルブミン(0.1mg/mL)及びUDP
−グルコースエピメラーゼ(10U)と反応させた。GalT
は4〜7U/mg(1U=毎分転移されたUDP−Gal 1ミリモ
ル)の比活性を有していた。精製酵素は、アクセプター
としてGlcNAcを使用して15U/mgの報告された比活性を有
していた。UDP−GalのKm値は0.5ミリモルである。その
反応混合物を37℃で2日間インキュベートした。生成物
をダウエックス(Dowex)1ホルメートカラム、続いて
ゲル濾過(バイオゲルP−2)により単離して50%の収
率で表題化合物90mgを得た。
1H−NMR(D2O,500MHz)δ4.95(d,J1,2=3Hz,H−1α
5チオGlc),4.51(d,J1,2=8Hz,H−1 Gal),4.05(dd,
J5,6'=5Hz,J6,6'=12Hz,H−6'5チオGlc Hz),3.83−3.
9(H−4 Gal;H−4 5チオGlc;H−6 5チオGlc),3.8(d
d,J2,3=9.6Hz,H−2 5チオGlc),3.65−3.75(H−5 Ga
l,H−6 Gal;H−6'Gal,H−3 5チオGlc),3.62(dd,J2,3
=10Hz,J3,4=3.5Hz,H−3 Gal),3.53(dd,H−2 Gal),
3.32(ddd,J4,5=10.5Hz,J5,6=2.5Hz,J5.6'=5Hz,H−5
5チオGlc);13C NMR(125MHz,D2O)δGalに関して103.
2(C−1),71.7(C−2),72.7(C−3),69.0(C
−4),75.8(C−5),61.5(C−6);5チオGlcに関
して73.3(C−1),75.7(C−2),73.0(C−3),8
2.4(C−4),42.5(C−5),59.7(C−6) HRMS(M+Cs+)計算値490.9988、実測値491.0022。
B.β−D−ガラクトピラノシル−(1,4)−2−アセト
アミド−6−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコ
ピラノース、化合物2e 3−O−アセチルGlcNAc、表1の化合物1f約20mg(76
ミリモル)を、0.05ミリモルのNAD+、10ミリモルのDT
T、及び5モリモルのMnCl2を含む0.05モルのNaコカジレ
ート/HCl(pH7.0)1mL中で約1当量のUDPGlc(50.5mg)
と反応させた。UDPGlcエピメラーゼ(1U)及びガラクト
シルトランスフェラーゼ(2U)を添加した。その混合物
を37℃で振とうし、2日後にガラクトシルトランスフェ
ラーゼ更に2Uを添加した。4日後にその溶液を凍結乾燥
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
して表題化合物6mgを得た。
1H−NMR(D2O)δ1.98(s,3H,NAc),2.08(s,3H,OA
c),3.50−3.57(m,1H,2−H,(glcNAc),3.63−3.82
(m,6H,2'−H(gal),3'−H,4'−H,5'−H,3−H,4−
H),3.85−3.97(m,2H,6'−H2),4.01(ddd,J=7Hz,J
=4Hz,J=2.2Hz,5−Ha),4.10−4.19(m,5−Hb),4.21
(dd,J=12Hz,J=4Hz,6−Haa),4.22(d,J−7.8Hz,1−H
a),4.23(d,J=7.8Hz,1−Hb),4.29(dd,J=2.2Hz,J=
12Hz,6−Hbb),4.35−4.48(m,6−H2b).13C NMRδ21.
0,22.7(2CH3),54.4,56.8(C−2'),61.8,63.8(C−
6,C−6'),69.3,70.1,71.7,73.3,76.3(C−2',C−3',C
−4',C−5',C−3,C−4,C−5),79.4(C−4),91.4,9
6.1(C−1),104.0(C−1'),174.5,175.0(2CO). HRMS(C12H27O12N+Cs+)としての計算値:558.0588;実
測値558.0590 C.アリルβ−D−ガラクトピラノシル−(1,4)−2−
アセトアミド−2,3−ジデオキシ−β−D−グルコピラ
ノシド、化合物2i アリル−1,3−デオキシ−GlcNAc、表1の化合物1i
を、0.05ミリモルのNAD+、10ミリモルのDTT、及び5ミ
リモルのMnCl2を含む0.05モルのNaコカジレート/HCl(p
H7.0)1mL中でUDPGlcと反応させた。UDPGlcエピメラー
ゼ(1U)及びガラクトシルトランスフェラーゼ(2U)を
添加した。その混合物を37℃で振とうし、2日後にガラ
クトシルトランスフェラーゼ更に2Uを添加した。4日後
にその溶液を凍結乾燥し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製して表題化合物を得た。
1H NMR(D2O)δ1.62(1H,q,J=12.18Hz,H−3ax),1.
94(3H,s,NHAc),2.46(1H,brdt,J=4.61,12.57Hz,H−3
eq),3.44(1H,dd,J=8.04,9.92Hz,H−2'),4.41(1H,
d,J=7.82Hz,H−1'),4.51(1H,d,J=8.38Hz,H−1);
13C NMR(D2O)δ22.45,35.78,49.23,61.03,61.26,68.8
9,70.55,71.26,73.03,74.19,75.52,78.85,102.01,104.2
1,118.60,133.81,174.12 HRMS C17H29NO10Cs(M+Cs+)としての計算値:540.084
6;実測値540.0846 D.β−D−ガラクトピラノシル−(1,4)−D−グルカ
ール、化合物8 表1の化合物6を、0.05ミリモルのNAD+、10ミリモル
のDTT、及び5ミリモルのMnCl2を含む0.05モルのNaコカ
ジレート/HCl(pH7.0)1mL中でUDPGlcと反応させた。UD
PGlcエピメラーゼ(1U)及びガラクトシルトランスフェ
ラーゼ(2U)を添加した。その混合物を0℃で振とう
し、4日後にガラクトシルトランスフェラーゼ更に2Uを
添加した。4日後にその溶液を凍結乾燥し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物
を得た。
1H−NMR(500MHz,D2O)δ6.4(dd,J1,2=6Hz,J1,3
1.6Hz,H−1グルカール),4.7(dd,J2,3=2.6Hz,H−2
グルカール),4.49(d,J1,2=7.8Hz,H−1 Gal),4.35
(br dt,J2,3=2.6Hz,J3,4=6.5Hz,H−3グルカール),
3.99(d,J4,5=9.3Hz,J5,6=J5,6'=3.7Hz,H−5グル
カール),3.85−3.9(H−4 Gal;H−6及びH−6'グル
カール),3.82(dd,H−4グルカール),3.68−3.75(H
−5,H−6,H−6'Gal),3.63(dd,J2,3=10Hz,J3,4=3.4H
z,H−3 Gal),3.5(dd,J1,2=8.6Hz,H−2 Gal).13C−N
MR(125MHz,D2O)δGalに関して103.9(C−1),71.9
(C−2),73.5(C−3),69.5(C−4),76.3(C
−5),62.0(C−6);グルカールに関して144.9(C
−1),102.7(C−2),68.3(C−3),78.4(C−
4),77.7(C−5),60.6(C−6) HRMS(M+Cs+)計算値441.0162、実測値441.0121。
E.β−D−ガラクトピラノシル−(1,4)−デオキシノ
ジリマイシン、化合物10a 表1の化合物6を、0.05ミリモルのNAD+、10ミリモル
のDTT、及び5ミリモルのMnCl2を含む0.05モルのNaコカ
ジレート/HCl(pH7.0)1mL中でUDPGlcと反応させた。UD
PGlcエピメラーゼ(1U)及びガラクトシルトランスフェ
ラーゼ(2U)を添加した。その混合物を37℃で振とう
し、4日後にガラクトシルトランスフェラーゼ更に2Uを
添加した。4日後にその溶液を凍結乾燥し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物
を得た。
1H−NMR(D2O,500MHz)δ4.3(d,J1,2=7.5Hz,H−1 G
al),3.76(dd,J5,6'=3.0Hz,J6,6'=12.5Hz,H−6' DN
J),3.74(br d,J3,4=3Hz,H−4 Gal),3.7(dd,J5,6
5.0 H−6 DNJ),3.52−3.65(m,H−6 Gal,H−6' Gal,H
−5 Gal,H−2 DNJ,H−4 DNJ),3.5(dd,J2,3=10.5Hz,H
−3 Gal),3.39(t,J2,3=J3,4=9.5Hz,H−3 DNJ),3.
38(dd,H−2 Gal),3.13(dd,J1eq,1ax=12.5Hz,J1eq,2
=5.0Hz,H−1eq DNJ),2.85−2.90(m,H−5 DNJ),2.56
(br t,J1ax,2=12Hz,H−1ax DNJ).13C−NMR(125MHz,
D2O)δGalに関して103.7(C−1),71.7(C−2),7
3.2(C−3),69.2(C−4),76.3(C−5),61.8
(C−6);DNJに関して47.4(C−1),69.04(C−
2),76.2(C−3),78.9(C−4),59.4(C−5),
60.0(C−6) HRMS(M+Cs+)計算値458.0427、実測値458.04444。
F.β−D−ガラクトピラノシル−(1,6)−5−チオ−
D−ガラクトピラノース、化合物9 E.coliからのβ−ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.23:0.
50mg、172U)をNa2HPO4/MgCl2緩衝液(Na2HPO4の0.10M
の溶液4mL及びMgCl210ミリモル、pH7.0)及びトリス(T
ris)(0.05Mの溶液1mL、pH7.3)中の4−ニトロフェニ
ルβ−D−ガラクトピラノシド(150mg、0.50ミリモ
ル)及び5−チオ−D−グルコース(49mg、0.25ミリモ
ル)の溶液に23℃で添加した。その反応をTLCにより定
期的に監視しながら23℃に保った。58時間後、その反応
を100℃で30分間加熱することにより停止した。その溶
液を濾過し、凍結乾燥し、残渣をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル、3:2:1の酢酸エチル−酢酸−水)に
より精製した。二糖を含む画分を、バイオ−ゲル(Bio
−Gel)P−2カラム(2 x 40cm、200〜400メッシュ)
を使用するゲル濾過クロマトグラフィーにより更に精製
し、H2Oで溶離して表題化合物(26.4mg、5−チオ−D
−グルコースを基準として29.5%)を白色の無定形の固
体(Rf=0.44、シリカゲル、3:2:1のEtOAc−HOAc−H
2O)として得た。また、そのシリカゲルクロマトグラフ
ィーはガラクトース及び5−チオ−D−グルコースを与
えた。二糖の分析は11:1の比のaアノマーとbアノマー
の混合物を示した。Aアノマー:(“A"は5−チオグル
コース部分を表し、一方、“B"はガラクトース部分を表
す)カップリング定数の差は丸めの誤差による。
1H NMR(500MHz,D2O)δ4.82(d,J=3.0Hz,1H,H1−
A),4.22(d,J=8.0Hz,1H,H1−B),4.01(dd,J=2.5,
11.0Hz,1H,H6−A),3.82(dd,J=5.5,11.0Hz,1H,H6−
A),3.74(d,J=3.0Hz,1H,H4−B),3.63−3.54(m,3
H,H2−A,H3−A,H5−B),3.50(t,J=10.5Hz,1H,H4−
A),3.48−3.45(m,2H,H6−B),3.46(dd,J=3.5,10.
0Hz,1H,H3−B),3.36(app.t,J=9.0Hz,1H,H2−B),
3.20−3.14(m,1H,H5−A);13C NMR(125MHz,D2O)δ1
03.8,75.6,74.0,73.7,73.6,73.1,71.1,69.1,68.8(C
H2),61.4(CH2),41.6;正確な質量C12H22O10SCs(M+
Cs+)としての計算値490.9988、実測値491.0013 G.β−D−ガラクトピラノシル−(1,6)−5−チオ−
D−グルコピラノースオクタアセテート ピリジン(0.9mL、11.1ミリモル)、Ac2O(0.14mL、
1.48ミリモル)、及び(GlcNAc)表1(33mg、0.09ミ
リモル)を0℃で混合した。その反応混合物を23℃に温
め、23時間保ち、酢酸エチル(10mL)で希釈した。有機
相を1NのHCl(10mL)ですすぎ、酸性画分を酢酸エチル
(2 x 20mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(10
mL)ですすぎ、乾燥し(MgSO4)、濃縮した。残渣をカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル、3:1のEtOAc−ト
ルエン)により精製してper−アセチル化された表題二
糖(24mg、93%)を無色のガラス(Rf=0.61、シリカゲ
ル、3:1のEtOAc−トルエン)として得た。二糖の分析は
6:1の比のαアノマーとβアノマーの混合物を示した。
αアノマー:1H NMR(500MHz,CDCl3)δ6.12(d,J=3.
5Hz,1H,H1−A),5.42(app t,J=10.0Hz,1H,H3−A),
5.38(dd,J=1.0,3.5Hz,1H,H4−B),5.21(dd,J=3.0,
10.0Hz,1H,H2−A),5.19(app t,J=11.0Hz,1H,H4−
A),5.18(dd,J=8.0,10.5Hz,1H,H2−B),4.99(dd,J
=3.5,10.5Hz,1H,H3−B),4.40(d,J=9.0Hz,1H,H1−
B),4.16(dd,J=6.5,11.0Hz,1H,H6−B),4.10(dd,J
=6.5,11.0Hz,1H,H6−B),4.05(dd,J=3.5,10.0Hz,1
H,H6−A),3.88(dt,J=1.0,7.0Hz,1H,H5−B),3.57
(ddd,J=3.5,7.0,10.5Hz,1H,H5−A),3.49(dd,J=7.
5,10.5Hz,1H,H6−A),2.18(s,3H,OAc),2.14(s,3H,O
Ac),2.09(s,3H,OAc),2.052(s,3H,OAc),2.046(s,3
H,OAc),2.01(s,3H,OAc),1.99(s,3H,OAc),1.98(s,
3H,OAc);13C NMR(62MHz,CDCl3)δ170.3,170.2,170.
1,169.7,169.6,169.4,169.1,101.2,73.1,72.3,70.8,70.
4,68.1,67.3(CH2),66.8,61.0(CH2),40.8,20.9,20.
8,20.6,20.5; 正確な質量C28H38O18SCs(M+Cs+)としての計算値82
7.0833、実測値827.0823 これらの合成は、GalT及びβ−ガラクトシダーゼが弱
いアクセプター基質を使用してミリグラムスケールで二
糖の調製に触媒として使用し得ることを実証する。酵素
が比較的安定であると仮定すると、GalT(及びおそらく
その他のグリコシルトランスフェラーゼ)は幾つかの特
異なオリゴ糖の小規模合成に使いやすいと思われる。
全ての主題二糖は、H−1'とH−4の間のかなりのNO
E(6〜10%)により証明されるように同様のグリコシ
ドのねじり角を有する。この観察は、グリコシドのねじ
り角が主としてエキソ−アノマー効果により決定される
というレミエウクス(Lemieux)により報告された観察
と一致する。
実施例2:シアリルN−アセチルラクトサミンの合成 シアリルN−アセチルラクトサミン(NeuAcα2,6Gal
β1,4GlcNAc)を、上記の機構4に従ってCMP−シアル酸
のその場の再生により酵素触媒法で合成した。
ノイラミン酸(NeuAc)、CMP、ATP、PEP(モノナトリ
ウム塩)、MgCl2・6H2O、MnCl2・4H2O、KCl、ピルベー
トキナーゼ(PK,EC 2.7.1.40)、ヌクレオシドモノホス
フェートキナーゼ(NMK,EC 2.7.4.4)及び無機ピロホス
ファターゼ(PPase,EC 3.6.1.1)をシグマ・ケミカル社
から購入した。Sia α2,6Galシアリルトランスフェラー
ゼ(EC 2.4.99.1)を気前のよい贈り物として得たが、
これはシグマ・ケミカル社から購入し得る。CMP−NeuAc
シンセターゼ(EC 2.7.7.43)を下記の方法によりCMP−
NeuAc遺伝子で形質転換したE.coliから得た。
NeuAc(0.92g、3ミリモル)、Gal β1,4GlcNAc(1.1
g、3ミリモル)、CMP(0.1g、30μモル)、ATP(16m
g、3μモル)、PEP(2.8g、6ミリモル)、MgCl2・6H2
O(0.61g、3ミリモル)、MnCl2・4H2O(0.15g、0.8ミ
リモル)、KCl(0.22g、3ミリモル)、NMKまたはMK(4
50U)、PK(6,000U)、PPase(300U)、CMP−NeuAcシン
セターゼ(24U)、及びSia α2,6Galシアリルトランス
フェラーゼ(4U)をHEPES緩衝液(0.2M、pH7.5)150ml
と混合して反応混合物を生成し、その反応混合物をアル
ゴン雰囲気下で約25℃で約48時間保った。NeuAcの消失
(薄層クロマトグラフィーにより測定)後、その反応混
合物を凍結乾燥により20mlまで容積を減少し、凍結乾燥
した反応混合物を移動相としての水と共にバイオゲルP2
(200〜400メッシュ)カラムに適用した。三糖を含む画
分を溶離し、回収し、凍結乾燥して97%の収率で純粋な
Neu α2,6Galβ1,4GlcNAcを得た。
1H−NMRδ1.701(1H,t,J=12.5Hz,NeuAcのH−3ax),
2.007(3H,s,GlcNAcのNHAc),2.004(3H,s,NeuAcのNHA
c),2.649(1H,dd,J=5.0及び12.5Hz,NeuAcのH−3eq,
4.431,d,J=8.0Hz,GalのH−1),4.73(0.5H,d,J=8.0
Hz,GlcNAcのH−1b)、及び5.178(0.5H,d,J=2.5Hz,Gl
cNAcのH−1a). ATPの回転数は約1000であり、CMP、CDP、CTP及びCMP
−NeuAcの回転数は約100であった。
これらのデータは、グリコシル化合物がCMP−シアル
酸のその場の再生に関与する有効な酵素触媒による自蔵
のサイクル合成方法でシアリル化し得ることを示す。こ
の合成方法はシアリル化されたグリコシル化合物の大規
模調製の新規な高収率(97%)機構を与える。
A.組換えCMP−NeuAcシンセターゼの調製 CMP−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)シン
セターゼ(EC 2.7.7.43)をコードする遺伝子を、プラ
イマー誘導ポリメラーゼ連鎖反応によりE.coli株K−23
5の全DNAから増幅した。その遺伝子を最初のCMP−NeuAc
シンセターゼ遺伝子の修飾リボソーム結合部位及びデカ
ペプチドtag配列(これは発現タンパク質のスクリーニ
ングのマーカーとして利用できる)と融合した。その遺
伝子をEco R I部位及びXba I部位でλZAP(商標)ベク
ターにクローン化し、E.coli Sure中で野生型の約1000
倍のレベルで過剰発現した。
E.coli株K235(ATCC 13207)をアメリカン・タイプ・
カルチャー・コレクションから入手し、LB(ルリア−バ
ータニ(Luria−Bertani)培地(1リットルはバクトト
リプトン25g、酵母エキス10g、NaCl 3gを含む、pH7.0)
で維持した。ゲノムDNAをマニアチス(Maniatis)らに
より記載された方法(Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring
Harbor,NY(1989))に従ってE.coliから抽出した。
CMP−NerAcシンセターゼ遺伝子を二種の注文設計した
プライマー(表4)の存在下でPCR増幅により単離し
た。
プライマーCMP5は、Eco R I制限部位、リボソーム結
合配列、開始コドン及び酵素のN末端ヘキサペプチドに
相当するオリゴヌクレオチド(上で下線が施されてい
る)を含んでいた。プライマーCMP3は、Xba I制限部
位、停止コドン、デカペプチドtag配列及び酵素のC末
端ヘプタペプチドに相当する配列(また、上で下線が施
されている)を含んでいた。
PCR増幅を、E.coli株K235DNA 2μL(2μg)、プラ
イマーCMP5及びCMP3 400nモル、種々のdNTP200μM、KC
l50ミリモル、トリス−HCl(pH8.3)10ミリモル、MgCl2
2ミリモル、0.01%(w/v)のゼラチン、0.1%(v/v)の
トリトンX−100、及びテルムス・アクアチクス(Therm
us aquaticus)DNAポリメラーゼ2単位を含む反応混合
物100μL中で行った。その反応液を鉱油で覆い、35サ
イクルの増幅にかけた。サイクル条件を、94℃で1分間
の変性、60℃で2分間のアニーリング、そして72℃で1.
5分間の伸長にセットした。プライマーを94℃で2分間
にわたってE.coli DNAでアニル化し、続いてPCR増幅の
前に徐々に室温に冷却した。
E.coli中の酵素の発現のためのファーゲミドの構成の
ために、増幅遺伝子をEco R I部位及びXba I部位でλZA
P(商標)IIベクターにクローン化した。
λZap(商標)IIは、6の特有のクローニング部位を
含む最初のλZap(商標)、融合タンパク質発現、及び
インサートをファーゲミド(ブルースクリプトSK−)の
形態で迅速に切除する能力の全ての特性を維持している
が、SAM100突然変異を欠いており、XL1−ブルーを含む
多くのNon−Sup F株の増殖を可能にする最初のλZap
(商標)ベクター(ATCC#40,298)の誘導体である。λ
Zap(商標)IIベクターを、ショート(Short)ら著、Nu
cleic Acids Res.,16:7583(1988)に記載されたように
してλZap(商標)を制限酵素Nco Iで消化することによ
り生産した4254の塩基対(bp)のDNA断片中に含まれた
λS遺伝子を置換することによりつくった。この4254の
bpのDNA断片を、ベクターを制限酵素Nco Iで消化した後
に、λgt10(ATCC#40,179)から単離されたλS遺伝子
を含む4254bpのDNA断片で置換した。λgt10から単離さ
れた4254bpのDNA断片を、T4DNAリガーゼ及びCurrent Pr
otocols in Molecular Biology,アウスベル(Ausubel)
ら編集,John Wiley and Sons,NY,1987に記載されたこの
ような方法のための通常のプロトコルを使用して最初の
λZap(商標)ベクターにつないだ。
PCR増幅から得られたDNAを0.6%のアガロースゲルで
精製した。1.3kbに相当するDNAバンドをアガロースから
分離し、電気溶離した。次いでDNAをフェノール/クロ
ロホルムで抽出し、20℃で一夜にわたってエタノールで
沈殿させた。沈殿したDNAを、ベーリンガー・マンハイ
ム・バイオケミカル社(インジアナポリス、IN)により
供給された適当な制限酵素緩衝液中で顕示し、37℃で2
時間にわたって40単位/μg DNAのEco R I及びXba Iで
消化した。次いで消化したDNAをフェノール/クロロホ
ルム抽出及びエタノール沈殿により回収し、TE緩衝液
(pH7.5)中に再度懸濁させた。このDNAをインサートと
して使用した。また、アームを20単位/mg DNAのEco R I
及びXba IによるベクターλLclの消化により調製し、フ
ェノール/クロロホルムによる抽出後にエタノール沈殿
で回収した。ベクターλLcIをレーナー(R.A.Lerner)
博士(Scripps Clinic and Research Foundation,La Jo
lla,CA)からの気前のよい贈り物として得た。次いでイ
ンサートをアームとつなぎ、製造業者(ストラタゲン社
(Stratagene Co.,San Diego,CA))により提案された
ように包装キットで包装した。λLclアームを含むPCR増
幅生産物インサートが図2に示される。
包装後、ファージ溶液を使用して宿主株XL1−ブルー
(ストラタゲン社)を感染させ、37℃でLB寒天プレート
に塗布した。プラーク形成が観察された後、0.5ミリモ
ルのIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノ
シド)溶液で前もって浸軟したニトロセルロース膜を寒
天の上に注意して置き、25℃で一夜(約15時間)にわた
ってインキュベートした。次いでニトロセルロース膜
を、抗デカペプチドtag抗体と接合されたアルカリホス
ファターゼによるスクリーニングのために使用した。濃
い青色のプラークを含む陽性クローンを寒天プレートか
ら採取し、SM緩衝液500μL及びCHCl320μlを含む無菌
ミクロヒュージ(microfuge)管に移した。延長のため
に、その相原液200μlをXL1−ブルー細胞(OD660=1.
0)200μL及びR408ヘルパーファージ(ストラタゲン社
から、1 x 1011pfu/ml)2μLと混合し、その混合物を
37℃で10分間インキュベートした。切除したプラスミド
を使用してXL1−ブルー細胞[ショートら著、Nucleic A
cids Res.,16:7583(1988)]を感染させ、塗布し、ELI
SAアッセイ及び酵素活性アッセイにより酵素の発現につ
き分析した。
CMP−NeuAcシンセターゼを多く生産した一種のクロー
ンを単離し、株SIL−B3と称し、その中に含まれたファ
ーゲミドをCMPSIL−1と称した(図3)。ファーゲミド
CMPSIL−1を、プラスミド単離キット(キアゲン社(Qi
agen Inc.,Studio City,CA))を使用して株SIL−B3か
ら単離し、E,coli sure受容細胞(ストラタゲン社)に
形質転換した。形質転換細胞を、250μg/mLのアンピシ
リンを含むLB寒天プレートに塗布し、ELISAアッセイを
使用して多量酵素生産につきスクリーンした。E.coli S
IL−S22と称される或る種の株は、培養ブロース1リッ
トル当たり約100単位のCMP−NeuAcシンセターゼ活性を
生じた。このCMP−NeuAcシンセターゼの生産は、野生型
の形質転換されていないE.coliにより生産されるCMP−N
euAcシンセターゼの量の1000倍以上であり、またザパタ
ら著、J.Biol.Chem.,264(25):14769(1989)に記載さ
れた形質転換細胞により生産されるCMP−NeuAcシンセタ
ーゼの量の30倍以上である。
E.coli株SIL−S22を、250μg/mLのアンピシリンを含
むLBに富む培地で中間対数増殖期(OD660約0.6〜0.7)
まで増殖させ、30℃で10時間にわたって0.5ミリモルのI
PTGで誘導した。培養ブロースを4℃で20分間にわたっ
て10,000xgで遠心分離し、得られる細胞ペレットを、0.
2Mのトリス(pH7.5)、0.2ミリモルのジチオスレイトー
ル及び20ミリモルのMgCl2を含む緩衝液で洗浄した。洗
浄後、細胞ペレットを同緩衝液中に再度懸濁させ、フレ
ンチ(French)加圧セルにより16,000ポンド/平方イン
チで分断し、23,000xgで60分間にわたって遠心分離し
た。得られる上澄みを、発色物がシクロヘキサノンで抽
出される以外は、バン(Van)らの方法(J.Biol.Chem.,
262:17556(1987))に従って酵素活性アッセイに関し
て分析した。
酵素を、5.5ミリモルのCTP、2.8ミリモルのN−アセ
チルノイラミン酸、0.2モルのトリス、20ミリモルのMgC
l2及び0.2ミリモルのDTTを含む250μlの緩衝液(pH9.
0)中でインキュベートした。その混合物を37℃で30分
間インキュベートした後、1.6MのNaBH450μlを添加し
て過剰のNeuAcを室温で15分間分解した。次いでその混
合物を氷浴に入れ、H3PO450μlを添加してNaBH4を分解
した。その混合物を0℃で5分間保ち、次いで37℃で10
分間インキュベートして生成されたCPM−N−アセチル
ノイラミン酸のホスホエステル結合を開裂した。遊離N
−アセチルノイラミン酸を室温で10分間にわたって0.2M
のNaIO450μlで酸化し、0.5NのHCl中の4%のNaAsO240
0μlを添加した。次いでその溶液を、0.5MのNa2SO4
に0.6%のチオバルビツール酸1mlを含む試験管に移し、
沸騰水中で15分間加熱した。その溶液を冷却した後、そ
の溶液1mlを取り出し、シクロヘキサノン1mlと混合し
た。その混合物を振とうし、遠心分離し、上層を549nm
における測定のために採取した。
CMP−NeuAcを、リガンドとして抗デカペプチド抗体ま
たはオレンジA(アミコン社(Amicon C.,Danvers,M
A))を使用するアフィニティークロマトグラフィー、
続いてゲル濾過により単離した。フセら著、Science,24
6:1275(1989)を参照のこと。上記のようにして得られ
た細胞遊離抽出物(30mL)をオレンジA色素カラム(1.
5mg/mlのゲル、3cm x 30cm)に通し、トリス緩衝液(0.
2Mのトリス、0.2ミリモルのDTT及び2ミリモルのMgC
l2、pH7.5)200mlで洗浄した。酵素を同緩衝液中0MのKC
lから1MのKClまでの線形勾配で溶離した。活性画分を溜
め、限外濾過により5mlまで濃縮した。次いで濃縮酵素
液をFPLCゲル濾過カラム(スペロース(Superose)12h
10/30、ファーマシア社(Pharmacia Co.))に0.2ml/分
の流量で通し、活性画分を回収した。タンパク質濃度を
BCAアッセイキット(ピアス社(Pierce Co.,Rockford,I
L))により測定した。タンパク質の純度をSDS PAGE
(ファストシステム(Phastsystem)、ファーマシア
社)により判定した。
実施例3:シアリル三糖の合成 二つの方法を組み合わせてシアリル三糖を合成した。
まず、酵素的アルドール反応(機構2のサイクルB)を
機構1に導入した。ManNAcをピルビン酸の存在下でNeuA
cアルドラーゼ(EC 4.1.3.3)により触媒作用を受けてN
euAcに変換した。また、NeuAcアルドラーゼは逆反応(N
euAcからManNAc及びピルベートへ)を触媒作用するが、
生成されたNeuAcは、放出された無機ピロホスフェート
の無機ピロホスファターゼ(PPase)触媒作用の分解と
対にされたCMP−シアル酸シンセターゼにより触媒作用
を受けてCMP−NeuAcを経由して機構2のサイクルAに不
可逆的にとり込まれる。バイオ−ゲルP−2カラムクロ
マトグラフィー後に、シアリルLacNAcを89%の収率で得
た。実験方法は以下のとおりである。
1.65mlのHEPESバッファー(200mM、pH7.5)にManNAc
(43mg、180ミリモル)、LacNAc(22mg、60ミリモ
ル)、CMP(2.0mg、6ミリモル)、ATP(0.32mg、0.6ミ
リモル)、PEPナトリウム塩(56mg、240ミリモル)、Mg
Cl2・6H2O(12.2mg、60ミリモル)、MnCl2・4H2O(3.0m
g、16ミリモル)、KCl(4.4mg、60ミリモル)、ピルビ
ン酸ナトリウム塩(33mg、300ミリモル)、NeuAcアルド
ラーゼ(EC 4.1.3.3;45U)、MK(EC 2.7.4.3;100U)、P
L(EC 2.7.1.40;120U)、PPase(EC 3.6.1.1;6U)、メ
ルカプトエタノール(0.22ml)、CMP−NeuAcシンセター
ゼ(EC 2.7.7.43;1mlの0.1Mトリスバッファー、pH9中0.
3U)及びa(2,6)シアリルトランスフェラーゼ(EC 2.
4.99.1;0.08U)を加えた。反応混合液の最終容量は、3m
lであった。反応は、アルゴン下室温で2日間行った。
出発物質の消失がTLCにより判定された(Rf:LacNAc,0.6
3;NeuAc,0.31;シアリルLacNAc,0.30;CMP−NeuAc,0.19、
1M NH4OAc/iPr0H1:2.4,v/v)後、反応混合液をBio−Gel
P−2(200−400メッシュ)カラム(2×36cm)に直接
加え、水で溶離した。三糖含有画分をプールし、凍結乾
燥してシアリルLacNAcを得た(37mg、89%)。
LacNAc合成サイクル(スキーム(機構)2のC)と上
記サイクル(スキーム2のA+B)も組合わせた。実験
手順は次の通りである: 2.6mlのHEPESバッファー(200mM、pH7.5)にManNAc
(43mg、180ミリモル)、GlcNAc(13.3mg、60ミリモ
ル)、Glc−1−P(21.5mg、60ミリモル)、CMP(2.0m
g、6ミリモル)、UDP(2.8mg、6ミリモル)、ATP(0.
32mg、0.6ミリモル)、PEPナトリウム塩(75mg、320ミ
リモル)、MgCl2・6H2O(16.3mg、80ミリモル)、MnCl2
・4H2O(4.0mg、20ミリモル)、KCl(6.0mg、80ミリモ
ル)、ピルビン酸ナトリウム塩(33mg、300ミリモ
ル)、NeuAcアルドラーゼ(45U)、(100U)、PK(120
U)、PPase(12U)、メルカプトエタノール(0.33m
l)、ガラクトシルトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.22;1
U)、UDP−Glcピロホスホリラーゼ(EC 2.7.7.9;1U)、
UDP−Gal4−エピメラーゼ(EC 5.1.3.2;1U)、CMP−Neu
Acシンセターゼ(1mlの0.1Mトリスバッファー、pH9中0.
3U)及びa(2,6)シアリルトランスフェラーゼ(0.08
U)を加えた。反応混合液の最終容量は、4mlであった。
反応は2日間で完結し、上記手順に基づいて純粋なシア
リルLacNAc(9mg;22%)を単離した。
これらのデータは、GlcNAc、ManNAc、Glc−1−P及
び触媒量のCMP、UDP(各々0.1当量)及びATP(0.01当
量)から出発するシアリル三糖類の効率のよい合成を示
しており、煩雑な別の糖ヌクレオチド標品はその場で再
生されていない。PEPから生成されたピルビン酸塩は、N
euAcアルドラーゼ反応において基質として用いられる。
実施例4:単糖受容体の合成 A.2−アセトアミド−3−O−アセチル−2−デオキシ
−D−グルコピラノース、化合物1f 2−アセトアミド−3−O−アセチル−2−デオキシ
−D−グルコピラノース、化合物1fの合成を下記スキー
ムにより行った。
化合物11から標準法により調製した化合物12(2g、5
ミリモル)を20mlの乾燥ピリジンに溶解し、4当量(2.
6g)の酢酸無水物で処理した。この混合液を10時間還流
し、次いで、氷で急冷し、クロロホルムで抽出した。抽
出液を2N HCl(2×100ml)、水(50ml)及び食塩水(5
0ml)で洗浄した。MgSO4で乾燥し、蒸発した後、酢酸エ
チルで結晶化して生成物、ベンジル2−アセトアミド−
3−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−2−デオ
キシ−α−D−グルコピラノシド、化合物13a、1.43g
(65%)を得た。
1H NMR(d−6アセトン)δ1.93(s,3H,NHAc),2.06
(s,3H,COCH3),3.72−4.28(m,5H,H−2,4,5,6a,6b),
4.44,4.68(2d,J=14Hz,2H,CH2Ph),4.79(d,J=4Hz,1
H,H−1),5.08(s,1H,ベンジル),5.27(dd,J=10Hz,J
=9.5Hz,1H,3−H),7.25−7.40(m,5H,Ar),8.50(d,J
=9Hz,1H,NH)。
化合物13a(800mg、2ミリモル)を100mlのエタノー
ル及び20mlの酢酸に溶解し、250mgの5%Pd/Cを用いて5
0psi下室温でこの混合液を水素化した。セライトでろ過
し、蒸発し、カラムクロマトグラフィー処理した後、化
合物1f(350mg、67%)を得、更にメタノール/エチル
エタノールで結晶化した。
1H NMR(D2O)δ1.94(s,3H,OAc),2.06(s,3H,NA
c),3.36(ddd,J=9,5及び2.5Hz,H−5b),3.51(t,J=
9.5Hz,H−4b),3.56(t,J=9.5Hz,H−4a),3.72(dd,J
=12,5Hz,H−6aa),3.78(dd,J=12,2.5Hz,H−6ba),3.
87(ddd,J=9.5,5及び2.5Hz,H−5a),4.05(dd,J=10.
5,3.5Hz,H−2a),4.72(d,J=9Hz,H−1b),4.95(dd,J
=10.5,9Hz,H−3b),5.07(d,J=3.5Hz,H−1a),5.18
(dd,J=10.5,9Hz,H−3a)。13 C NMR(D2O)δ21.3,22.7(2CH3),53.2(C−2),6
1.3(C−6),68.7,72.3,74.8,76.7(C−3,C−4,C−
5),91.9,95.9(C−1),174.8,175,3(2CO)。
B.2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−プロピル
−D−グルコピラノース、化合物1h 化合物1hの合成を下記スキームにより行った。
化合物12(2g、5ミリモル)を30mlのTHFに溶解し
た。NaH(240mg、60%鉱油分散液、1.2当量)を0℃で
加え、引き続き0.52mlの臭化アリル(1.2当量)を加え
た。この混合液を12時間加熱還流し、次いで、氷及びNH
4Cl溶液で急冷した。水(100ml)及び食塩水(50ml)で
抽出した後、MgSO4で乾燥し、蒸発した。酢酸エチル/
ヘキサンで再結晶して1.32gのベンジル2−アセトアミ
ド−3−O−アリル−4,6−O−ベンジリデン−2−デ
オキシ−α−D−グルコピラノシド、化合物13b(60
%)を得た。
1H NMR(d−6アセトン)δ1.85(s,3H,NHAc),3.06
−4.30(m,8H,H−2,3,4,5,6a,6b,アリルのCH2),4.50,
4.72(2d,J=15Hz,CH2Ph),4.81(d,1H,J=4Hz,1H,H−
1),5.03−5.25(m,2H,アリルのCH2=C),5.13(s,1
H,ベンジル),5.75−5.96(m,1H,アリルのCH=),7.30
−7.50(m,5H,Ar),8.12(d,J=9Hz,1H,NH)。
化合物13b(440mg)を10mlのエタノール及び5mlのシ
クロヘキサンに溶解した。100mgのPdOを加え、この混合
液を16時間還流した。触媒をろ過で除き、ろ液を蒸発さ
せた。シリカゲル(CHCl3/メタノール/ヘキサン6:2:
1)を用いてカラムクロマトグラフィー処理した後、化
合物1hを得た(120mg、46%)。
1H NMR(D2O)δ0.92(t,J=7Hz,3H,CH3),1.56(m,2
H,H−2′),1.96(s,3H,NHAc),3.23−3.85(m,7H,H
−3,4,5,6,1′),3.93(dd,J=9Hz,J=4Hz,H−2a),4.5
8(d,J=8Hz,H−1b),5.02(d,J=4Hz,H−1a)。
C.メチル2−アセトアミド−3−O−アリル−2−デオ
キシ−α−D−グルコピラノシド、化合物1g 化合物1gの合成を下記スキームにより行った。
化合物14から化合物15を経て保護及びアルキル化標準
方法により調製した化合物16(500mg、1.15ミリモル)
を4mlの濃酢酸に溶解した。この溶液を80℃で12時間攪
拌した。酢酸を蒸発した後、残留物をシリカゲルによる
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール2
0:1)で精製して、157mg(50%)の化合物1gを得た。
1H NMR(d−5ピリジン)δ2.16(s,3H,NHAc),3.32
(s,3H,Ar−OMe),3.66(s,3H,C−1−OMe),3.80−4.0
8(m,5H,3−H,4−H,5−H,6−H2),4.35(dd,J=9.5Hz,J
=4.5Hz,1H,2−H),4.16−4.60(m,2H,アリルのCH2),
4.78−4.90(m,1H,5−H),5.04−5.40(m,2H,CH2
C),5.74(s,1H,ベンジリデン),5.90−6.10(m,1H,ア
リルのCH=C),7.00−7.70(m,4H,ar),8.95(d,J=9H
z,NH)。
D.アリル2−アセトアミド−2,3−ジデオキシ−β−D
−グルコピラノシド、化合物1i 化合物1iの合成は、下記スキームにより行った。
MeOH(20ml)中アリル2,3−ジデオキシ−2−フタル
イミド−β−D−グルコピラノシド、化合物22(100m
g、0.30ミリモル)及びBuNH2(4ml)の混合液を10時間
還流した後、冷却し、蒸発した。MeOH(10ml)中残留物
の溶液に酢酸無水物(2ml)を0−5℃で加え、この混
合液を0−5℃で3時間攪拌した。この混合液を濃縮
し、残留物をMeOH中でEt2Oと摩砕して化合物1i(40mg、
54%)を得た。
1H NMR(D2O)δ1.52(1H,q,J=12.35Hz,H−3ax),1.
98(3H,s,NHAc),2.25(1H,dt,J=4.76,12.38Hz,H−3e
q),3.39(1H,ddd,J=2.30,6.44,9.45Hz,H−5),3.59
(1H,dt,J=4.79,9.45Hz,H−4),3.65(1H,dd,J=6.4
4,12.30Hz,H−6a),3.73(1H,ddd,J=4.76,8.45,12.90H
z,H−2),3.84(1H,dd,J=2.30,12.30Hz,H−6b),4.49
(1H,J=8.45Hz,H−1);13C NMR(D2O)δ22.30,36.5
2,49.24,61.22,64.57,80.09,102.03,118.54,113.67,17
4.03;C11H19NO5Cs(M+Cs+)に対するHRMS計算値:378.
0318,実測値:378.0318。
E.アリル2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−メ
トキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド、化合物
1k 化合物1kの合成を下記スキームにより行った。
p−メトキシベンズアルデヒド(30ml)を5gの乾燥Zn
Cl2で処理した。1時間攪拌した後、この混合液に化合
物17(4g、15ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を
16時間攪拌し、次いで100mlのCHCl3と100mlの水で処理
した。合わせた有機溶液を100mlの食塩水で洗浄し、MgS
O4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した。生成物を酢酸
エチル/ヘキサンで再結晶して4.2g(74%)のアリル2
−アセトアミド−2−デオキシ−4,6−O−p−メトキ
シベンジリデン−β−D−グルコピラノシド、化合物18
を得た。
1H NMR(d−5ピリジン)δ2.08(s,3H,NHAc),3.67
(s,3H,OCH3),3.70(ddd,J=9Hz,J=4Hz,J=2Hz,1H,5
−H),3.98−4.03(m,2H,6−H2),4.27(ddd,J=12.5H
z,J=5Hz,J=1Hz,1H,CH2a−C=C),4.46(dd,J=12H
z,J=4Hz,1H,CH2b−C=C),4.52−4.70(m,3H,2−H,3
−H,4−H),5.13(d,J=8.5Hz,1H,1−H),5.18(dd,J
=9Hz,J=1Hz,1H,CH2a=C),5.48(dd,J=17Hz,J=2H
z,1H,CH2b=C),5.77(s,1H,ベンジリデン),5.98−6.
14(m,1H,CH=C),6.95−7.60(m,4H,CH,ar),9.10
(d,J=8Hz,1H,NH)。
化合物18(400mg、1.06ミリモル)を3mlのピリジンに
溶解した。0℃において、380mg(4当量)のメチルク
ロロホーメートを加えた。14時間攪拌した後、反応液を
氷水で急冷した。沈澱をろ別し、水とエーテルで十分に
洗浄した。残存する固形物を乾燥し、精製せずに用いて
395mgのアリル2−アセトアミド−2−デオキシ−3−
O−メトキシカルボニル−4,6−O−p−メトキシベン
ジリデン−β−D−グルコピラノシド、化合物19a(86.
5%)を得た。
1H NMR(d−5ピリジン)δ2.12(s,3H,NHAc),3.60
(s,3H,COOCH3),3.66−3.80(m,1H,5−H),3.85−4.0
8(m,2H,6−H2),4.23−4.47(m,2H,CH2−C=C),4.4
5−4.55(m,1H,4−H),4.62(ddd,J=9Hz,J=8Hz,1H,1
−H),5.15−5.50(m,2H,CH2=C),5.20(d,J=8Hz,1
H,1−H),5.70(s,1H,ベンジリデン),5.84(dd,J=9.
5Hz,J=9.5Hz,1H,3−H),5.95(m,1H,CH=C),6.90−
7.6−(m,4H,CH,Ar),9.40(d,J=8Hz,1H,NH)。
化合物19a(0.5ミリモル)を2mlの氷酢酸で処理し、6
0℃で5時間攪拌した。酢酸を減圧下で除去し、粗生成
物、化合物1kをカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、クロロホルム/MeOH/ヘキサン=6:1:1)で精製し
た。
1H NMR(D2O)δ1.82(s,3H,NHAc),3.38(ddd,J=10
Hz,J=4.5Hz,J=2Hz,1H,5−H),3.53(dd,J=9.5Hz,J
=9Hz,1H,2−H),3.56−3.82(m,3H,4−H,6−H2),4.0
2(dd,J=13Hz,J=6Hz,1H,CH2a−C=C),4.20(dd,J
=13Hz,J=5Hz,1H,CH2b−C=C),4.57(d,J=8Hz,1H,
1−H),4.66(dd,J=10Hz,J=9.5Hz,1H,3−H),5.07
−5.22(m,2H,CH2=C),5.62−5.83(m,1H,CH=C)。
収量:112mg、70%。
F.アリル2−アセトアミド−3−O−アリルオキシカル
ボニル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド、化
合物11 化合物11の合成を上記実施例5Eと同様のスキームによ
り行った。
400mgの化合物18と480mgのアリルクロロホーメートで
出発して、アリル2−アセトアミド−3−O−アリルオ
キシカルボニル−2−デオキシ−4,6−O−p−メトキ
シベンジリデン−β−D−グルコピラノシド、化合物19
bを得た。収量:347mg、71%。
1H NMR(d−5ピリジン)δ2.16(s,3H,NHAc),3.65
(s,3H,COH3),3.65−3.75(m,1H,5−H),3.84−3.94
(m,2H,6H2),4.20−4.65(m,6H,2−H,4−H,2CH2−C=
C),4.95−5.49(m,5H,2CH2=C,3−H),5.22(d,J=8
Hz,1H,1−H),5.72(s,1H,ベンジリデン),5.95−6.13
(m,2H,2CH=C),7.00−7.70(m,4H,CH,Ar),9.20(d,
J=8Hz,1H,NH)。
化合物19b(0.5ミリモル)を2mlの氷酢酸で処理し、6
0℃で5時間攪拌した。酢酸を減圧下で除去し、粗生成
物化合物11をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、
クロロホルム/MeOH/ヘキサン=6:1:1)で精製した。
1H NMR(D2O)δ1.76(s,3H,NHAc),3.28−3.38(m,1
H,5−H),3.42−3.76(m,4H,2−H,4−H,6−H2),3.96
(dd,J=13Hz,J=6Hz,1H,CH2a−C=C),4.14(dd,J=
13Hz,J=5Hz,1H,CH2b−C=C),4.50(d,J=8Hz,1H,1
−H),4.35−4.70(m,2H,CH2−C=C,alloc),5.0−5.
18(m,5H,2CH2=C,3−H),5.60−5.84(m,2H,CH=
C)。収量:108mg、66%。
G.アリル2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−メ
トキシメチル−β−D−グルコピラノシド、化合物1m 化合物1mの合成を上記実施例5Eと同様のスキームによ
り行った。
10mlのTHF中化合物18(400mg、1.05ミリモル)の溶液
に50mgのNaH(油中60%)を0℃で加えた。1時間攪拌
した後、反応混合液を170mgのクロロメチルメチルエー
テルで処理した。16時間後に反応が完了し、水で急冷し
た。アリル2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−
メトキシメチル−4,6−O−P−メトキシベンジリデン
−β−D−グルコピラノシド、化合物19cの沈澱をろ別
し、水及びエーテルで洗浄し、精製せずに用いた。収
量:285mg、64%。
1H NMR(d−5ピリジン)δ2.16(s,3H,NHAc),3.45
(s,3H,OCH3),3.65(s,3H,ar−C−OCH3),3.65(s,3
H,ar−C−OCH3),3.55−3.70(m,1H,5−H),3.80−3.
94(m,2H,6H2),4.18−4.55(m,4H,2−H,4−H,CH2−C
=C),4.80−5.45(m,6H,CH2=C,OCH2O,1−H,3−H),
5.66(s,1H,ベンジリデン),5.92−6.10(m,1H,CH=
C),6.90−7.65(m,4H,CH,Ar),9.25(d,J=8Hz,1H,N
H)。
化合物19c(0.5ミリモル)を2mlの氷酢酸で処理し、6
0℃で5時間攪拌した。酢酸を減圧下で除去し、化合物1
mの粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、クロロホルム/MeOH/ヘキサン=6:1:1)で精製し
た。
1H NMR(D2O)δ1.80(s,3H,NHAc),3.14(s,3H,OC
H3),3.20−3.70(m,4H,3−H,4−H,6−H2),3.92(dd,J
=13Hz,J=6Hz,1H,CH2a−C=C),4.10(dd,J=13Hz,J
=5Hz,1H,CH2b−C=C),4.35(d,J=8Hz,1H,1−H),
4.50(d,J=7.5Hz,1H,OCH2aO),4.60(d,J=7.5Hz,1H,O
CH2bO),4.98−5.14(m,2H,CH2=C),5.57−5.74(m,1
H,CH=C)。収量:110mg、72%。
H.2−アセトアミド−2−デオキシ−D−アロピラノー
ス、化合物1o 化合物1oの合成を下記スキームにより行った。
アセトン(80ml)中アリル2−アセトアミド−2−デ
オキシ−α−D−グルコピラノシド、化合物23(2.95
g、11.3ミリモル)、2,2−ジメトキシプロパン(2.35
g、22.6ミリモル;2.78ml)及びp−トルエンスルホン酸
1水和物(172mg、0.90ミリモル)の溶液を室温で2日
間攪拌した。この間に、別量の2,2−ジメトキシプロパ
ン(2.35g、22.6ミリモル;2.78ml)を混合液に加えた。
Et3N(1ml)を加えた後、混合液を減圧下で濃縮した。
残留物をトルエン−EtOAc(1:2 1:3)を用いたシリカゲ
ルでクロマトグラフィー処理してアリル2−アセトアミ
ド−2−デオキシ−4、6−O−イソプロピリデン−α
−D−グルコピラノシド、化合物24(2.26g、66%);mp
108.5−109.0℃(EtOAc−ヘキサンから)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.44,1.53(3H,s,CH3),2.04(3H,
s,NHAc),4.84(1H,d,J=3.78Hz,H−1);13C NMR(CDC
l3)δ19.01,23.24,29.01,54.00,62.14,63.44,68.34,7
0.56,74.62,96.94,99.87,118.05,133.29,171.37;C14H23
NO6(M+)に対するHRMS計算値:434.0580,実測値:434.06
00。
DMSO(10ml)中化合物24(1.0g、3.32ミリモル)及び
Ac2O(5ml)の混合液を室温で10時間攪拌し、氷冷水性N
aOAcに注ぎ入れた。この混合液を3時間攪拌し、CHCl3
で抽出した。抽出液を水性NaHCO3及び水で順次洗浄し、
無水MgSO4で乾燥し、濃縮した。CH2Cl2(10ml)中残留
物、EtOH(10ml)及び水(2ml)の冷却溶液にNaBH4(38
0mg、10.1ミリモル)を0−5℃で加え、この混合液を
0−5℃で20分間攪拌した。この混合液にアセトン(5m
l)及び飽和NH4Cl(5ml)を加え、この混合液を10分間
攪拌した。この混合液を濃縮し、残留物をCHCl3及び水
に溶解し、水層をCHCl3で抽出した。抽出液を水で洗浄
し、無水MgSO4で乾燥し、濃縮した。残留物をトルエン
−EtOAc(1:3)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィ
ー処理してアリル2−アセトアミド−2−デオキシ−4,
6−O−イソプロピリデン−α−D−アロピラノシド、
化合物25(612mg、61%);mp113.5−114.5℃(EtOAc−
ヘキサンから)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.45,1.52(3H,s.CH3),2.04(3H,
s,NHAc),2.78(1H,d,J=6.78Hz,OH),3.68(1H,dd,J=
2.77,9.70Hz,H−6a),3.73−3.84(1H,m),3.90−4.04
(4H,m,H−3,4,6b,アリル),4.24(1H,br dt,J=3.52,
8.97Hz,H−2),4.86(1H,d,J=3.97Hz,H−1),5.21−
5.34(2H,m,アリルのビニル),5.81−5.87(1H,m,アリ
ルのビニル),6.38(1H,d,J=9.13Hz,NH);13C NMR(CD
Cl3)δ19.01,23.16,28.95,49.42,58.36,62.33,68.38,6
9.06.71.06,97.15,99.62,118.32,133.17,169.66;C14H23
NO6Cs(M+Cs+)に対するHRMS計算値:434.0580,実測
値:434.0551。
AcOH(10ml)及び水(0.5ml)中化合物25(489mg、1.
62ミリモル)、PdCl2(317mg、1.79ミリモル)及びNaOA
c(320mg、3.90ミリモル)の混合液を80℃で10時間加熱
した。冷却後、この混合液をセライトパッドでろ過し、
ろ液を濃縮した。残留物をCHCl3−EtOAc−MeOH(5:2:
1)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィー処理して
主生成物を得、これをAc2O(5ml)及びピリジン(5ml)
でアセチル化して、EtOAc−ヘキサンで再結晶した後、
2−アセトアミド−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
2−デオキシ−β−D−アロピラノース、化合物26(14
2mg、23%);mp170.5−171.0℃を得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.96,1.98,2.08,2.13,2.18(3H,s,
4×OAc,NHAc),4.08−4.27(3H,m,H−5,6a,6b),4.48
(1H,dt,J=2.98,9.20Hz,H−2),4.98(1H,dd,J=2.8
1,9.87Hz,H−4),5.57(1H,br t,J=2.93Hz,H−3),
5.56−5.61(1H,br s,NH),5.89(1H,d,J=8.72Hz,H−
1);13C NMR(CDCl3)δ20.42,20.71,20.93,23.01,49.
39,61.94,66.18,69.62,70.96,91.35,169.04,169.51,16
9.71,169.98,170.68;C16H23NOCs(M+Cs+)に対するHR
MS計算値:522.0376,実測値:522.0376。
MeOH(10ml)中化合物26(77mg、0.20ミリモル)及び
メタノール性NaOMe(1ml;M溶液)の混合液を室温で3時
間攪拌し、ダウエックス50W−X8[H+]樹脂で中和し
た。樹脂をろ過で除去し、ろ液を濃縮した。残留物をMe
OH及びEt2Oで摩砕して化合物1o(40mg、90%)を起毛状
固形物として得た(α/β=1:2.8)。
1H NMR(D2O)δ2.00(s,β−異性体のNHAc),2.02
(s,α−異性体のNHAc),4.91(d,J=8.72Hz,β−異性
体のH−1),5.09(d,J=3.50Hz,α−異性体のH−
1);13C NMR(D2O)δ(β−異性体)54.7,61.6,66.9,
70.2,74.2,92.8,171.5;C8H15NO6Cs(M+Cs+)に対する
HRMS計算値:353.9954,実測値:353.9975。
I.メチル2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコ
ピラン−3−ウロシド化合物1q 化合物1qの合成を下記スキームにより行った。
DMSO(10ml)中化合物24(690mg、2.3ミリモル)とAc
2O(5ml)の混合液を室温で10時間攪拌し、氷冷水性NaO
Acに注ぎ入れた。この混合液を室温で3時間攪拌し、CH
Cl3で抽出した。抽出液を水性NaHCO3及び水で順次洗浄
し、無水MgSO4で乾燥し、濃縮した。残留物をトルエン
−EtOAc(1:4)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィ
ー処理して生成物を得、これをEtOAc−ヘキサンで結晶
化してアリル2−アセトアミド−2−デオキシ−4,6−
O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラン−3−ウ
ロシド、化合物27(343mg、50%);mp156.0−156.5℃を
得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.51,1.53(3H,s,CH3),2.07(3H,
s,NHAc),3.92−4.03(4H,H−5,6a,6b,アリル),4.11−
4.20(1H,m,アリル),4.39−4.51(1H,m,H−4),4.95
(1H,ddd,J=1.05,4.25,7.98Hz,H−2),5.18−5.34(2
H,m,アリルのビニル),5.32(1H,d,J=4.25Hz,H−1),
5.73−5.91(1H,m,アリルのビニル),6.34(1H,d,J=7.
98Hz,NH);13C NMR(CDCl3)δ18.72,22.98,28.77,58.7
2,62.65,66.94,68.80,76.15,100.15,100.46,118.32,13
2.73,170.04,196.30;C14H21NO6Cs(M+Cs+)に対するH
RMS計算値:432.0423,実測値:432.0438。
酢酸(10ml)及び水(0.5ml)中化合物27(170mg、0.
57ミリモル)、PdCl2(121mg、0.68ミリモル)、NaOAc
(112mg、1.36ミリモル)の混合液を80℃で10時間加熱
した。冷却後、この混合液をセライトパッドでろ過し、
ろ液を濃縮した。残留物をCHCl3−EtOAc−MeOH(5:2:
1)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィー処理し、
カラムクロマトグラフィーでメチルグリコシドが生成さ
れて生成物を得、これを水に溶解し、凍結乾燥して化合
物1q(55mg、44%)を得た。
1H NMR(D2O)δ2.042(3H,s,NHAc),3.36(3H,s,OM
e),3.76−3.94(3H,m,H−5,6a,6b),4.43(1H,dd,J=
0.95,9.58Hz,H−4),4.90(1H,dd,J=0.98,4.12Hz,H−
2),5.16(1H,d,J=4.08Hz,H−1);13C NMR(D2O)δ
22.00,55.68,59.53,61.00,72.49,75.08,100.85,174.83,
204.65;C9H15NO6Cs(M+Cs+)に対するHRMS計算値:36
5.9954,実測値:365.9960。
J.メチル2−アセトアミド−2−デオキシ−α−D−ア
ロピラノシド、化合物1s CH2Cl2(10ml)及び水(0.5ml)中メチル2−アジド
−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキシ−α−D−ア
ロピラノシド(200mg、0.65ミリモル)及びPPh3(208m
g、0.79ミリモル)の溶液を室温で4時間攪拌し、この
混合液を減圧下で濃縮した。MeOH(10ml)中残留物の溶
液に活性無水物(2ml)を0−5℃で加え、この混合液
を0−5℃で2時間攪拌した。この混合液を濃縮した
後、残留物をトルエン−EtOAc(1:2)を用いたシリカゲ
ルでクロマトグラフィー処理して化合物21の4,6−O−
ベンジリデン誘導体(110mg、72%)を得、これを80%A
cOH(10ml)で80℃において3時間処理した。この混合
液を濃縮した後、Et2O及び水に溶解した。水層をEt2Oで
洗浄し、水層を濃縮した。残留物をMeOH及びEt2Oで摩砕
して1s(50mg、45%)を得た;[α]+77.9゜(c0.6
8、H2O)。
1H NMR(D2O)δ2.00(3H,s,NHAc),3.33(3H,s,OM
e),3.62(1H,dd,J=2.64,9.39Hz,H−4),3.69−3.89
(3H,m,H−5,6a,6b),3.96−4.02(2H,m,H−2,3),4.71
(1H,d,J=3.76Hz,H−1;13C NMR(D2O)δ22.22,50.29,
55.84,61.19,66.44,67.33,69.63,98.20,174.19。
K.(2R)−メチル−(3R,4R,5S)−トリヒドロキシピペ
リジン;(1,5,6−トリデオキシ−1,5−イミノ−D−グ
ルシトール)、化合物103c 10ミリリットル(ml)の塩化水素(HCl;pH1)バッフ
ァー溶液中(R)−3−アジド−2−ヒドロキシプロパ
ナールジエチルアセタール(化合物I;480ミリグラム(m
g)、2.54ミリモル(mmol))の溶液を70℃で4時間攪
拌した。ガスクロマトグラフィー分析[J&Wサイエン
ティフィックDB−5カラム(15m×0.522mm)、1分間40
℃で250℃まで、20℃/分]は、アセタールの完全な加
水分解を示した(出発物質の保持時間6.33分、対応する
アルデヒド2.65分)。この溶液をpH7に調整し、次い
で、DHAP(2ミリモル)を加え、この溶液をpH7に再調
整した。次いで、ウサギ筋FDPアルドラーゼ(400単位)
を加え、この溶液を36時間ゆっくりと攪拌した。酵素ア
ッセイは残存するDHAPを示さなかった。
この溶液に塩化バリウム(BaCl2・2H2O)[1.22グラ
ム(g)、4.80ミリモル]及び2当量のアセトンを加え
た。この溶液を−20℃で約18時間維持した。沈澱を回収
し、20mlの水中ダウエックスX50(H+)で処理してバリ
ウムカチオンを除去した。ろ過後、溶液をpH7に調整
し、次いで、凍結乾燥して化合物101c(550mg、1.79ミ
リモル、DHAPに対して90%)を吸湿性白色固形物として
得た:Rf=0.46[2−プロパノール:水酸化アンモニウ
ム(NH4OH:H2O=6:3:2]。
1H NMR(D2O)δ3.36(1H,dd,J=13.25,5.88Hz),3.4
8(1H,dd,J=13.25,3.28Hz),3.68−3.89(1H,m),4.03
−4.07(1H,m),4.25−4.33(1H,m)ppm;13C NMR(D
2O)δ50.65,66.35,74.82,76.32,79.96,101.25(d.J=
8.5Hz)ppm。HRMS(M+H+)計算値307.1319、実測値30
7.1321。
10mlの水中化合物101c(550mg、1.79ミリモル)の溶
液を1平方インチ当たり45ポンド(psi)の水素(H2
下50mgの10%パラジウム/炭素(Pd/C)を用いて18時間
水素化した。ろ過で触媒を除去し、ろ液を濃縮し、短い
シリカゲルカラム[クロロホルム(CHCl3):メタノー
ル(MeOH):H2O=5:5:2]でクロマトグラフィー処理し
て標記化合物、化合物103c(250mg、95%)を起毛状白
色固形物として得た:Rf=0.60(2−プロパノール:NH4O
H:H2O=6:3:2);[α]D 23+12.0゜(c2.5、H2O);1H
NMR(D2O)δ1.10(3H,d,J=6.4Hz,CH3),1.27(3H,d,J
=6.8Hz,5−エピマー−CH3),2.48(1H,t,J1a,1e=J
1a,2=12Hz,H−1a),2.63(1H,dd,J5,6=6.4,J5,4=3.6
Hz,H−5),3.03(1H,t,J3,4=J4,5=9Hz,H−4),3.4
7−3.52(1H,m,H−2)ppm;13C NMR(D2O)δ16.82,48.
22,55.76,69.98,75.37,77.83ppm。HRMS(M+H+)計算
値148.1001、実測値148.0979。
L.(2R)−メチル−(3R,4R,5R)−トリヒドロキシピペ
リジン;(1,5,6−トリデオキシ−1,5−イミノ−D−マ
ンニトール)、化合物103a 10mgのpH1バッファー溶液中(S)−又は(RS)−3
−アジド−2−ヒドロキシプロパナールジエチルアセタ
ール(480mg、2.54ミリモル)の溶液を70゜で4時間攪
拌した。ガスクロマトグラフィー分析[J&Wサイエン
ティフィックDB−5カラム(15m×0.522mm)、1分間40
℃で250℃まで、20℃/分]は、アセタールの完全な加
水分解を示した(出発物質の保持時間6.33分、対応する
アルデヒド2.65分)。この溶液をpH7に調整し、次い
で、DHAP(2ミリモル)を加え、この溶液をpH7に再調
整した。次いで、ウサギ筋FDPアルドラーゼ(400単位)
を加え、この溶液を36時間ゆっくりと攪拌した。酵素ア
ッセイは残存するDHAPを示さなかった。
この溶液に塩化バリウム(BaCl2・2H2O)(1.22g、4.
80ミリモル)及び2当量のアセトンを加えた。この溶液
を−20℃で約18時間維持した。沈澱を回収し、20ml水中
ダウエックスX50(H+)で処理してバリウムカチオンを
除去した。ろ過後、溶液をpH7に調整し、次いで、凍結
乾燥してリン酸化アジドケトースを得た。
10mlの水中このアジドα−ケトースリン酸塩の溶液を
45psiの水素下50mgの10%Pd/Cを用いて18時間水素化し
た。ろ過で触媒を除去し、ろ液を濃縮し、短いシリカゲ
ルカラム(CHCl3:MeOH:H2O=5:5:2]でクロマトグラフ
ィー処理して標記化合物、化合物103aを得た:Rf=0.12
(CHCl3:MeOH:H2O=5:5:1.5);[α]D 23−4゜(c=
2.5、H2O)。
1H NMR(D2O)δ1.213(3H,d,J=6.5Hz,CH3),2.893
(1H,dd,J4,5=9.5Hz,J5,6=6.5Hz,H−5),3.00(1H,
d,J1a,1e=13.5Hz,H−1a),3.16(1H,dd,J1e,1a=13.5H
z,J1e,2=3Hz,H−1e),3.45(1H,t,J1e,2=J2,3=3Hz,
H−2),3.46(1H,t,J=9.5Hz,H−4),3.675(1H,dd,J
3,4=9.5Hz,J2,3=3Hz,H−3)ppm;13C NMR(D2O)δ1
5.24(CH3),48.31(C−1),56.17(C−5),66.74,
70.88,72.92ppm。HRMS(M+H+)計算値148.0974、実測
値148.0900。
M.(2R)−メチル−(3R,4R)−(5R)−N−アセチル
ピペリジン;(1,5,6−トリデオキシ−1,5−イミノ−N
−アセチルグルコサミン;化合物103b及び(2R)−メチ
ル−(3R,4R)−ジヒドロキシ−(5S)−N−アセチル
ピペリジン;(1,5,6−トリデオキシ−1,5−イミノ−N
−アセチルグルコサミン;化合物103d 100mlのジクロロメタン(CH2Cl2)、5.27g(36.3ミリ
モル)の(R)−2−(ジエトキシメチル)アジリジン
(化合物II、95%ee)及び40.0g(289.4ミリモル)の炭
酸カリウム(K2CO3)の混合液に4.0ml(42.4ミリモル)
の酢酸無水物を加えた。この混合液を室温で10時間攪拌
し、ろ過し、ろ液を減圧下で除去した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製して4.27gの化合
物III a:収率63%を得た;[α]D 23+84.23゜(c1.5、
CHCl3)。
1H NMR(CDCL3)δ1.22,1.25(各々3H,t,J=7.0Hz,CH
2CH3),2.17(3H,s,CH3CO),2.28(1H,d,J=3.3Hz,アジ
リジンのCH2),2.35(1H,d,J=6Hz,アジリジンのCH2),
2.68(1H,m,アジリジンのCH),3.51−3.78(4H,m,OC
H2),4.40(1H,d,J=4.5Hz,CH(OEt))ppm;13C NMR
(CDCl3)δ15.6(2C),23.8,27.7,38.3,63.2,63.3,10
1.6,183.2ppm。HRMS(M+H+)計算値188.1286、実測値
188.1290。
化合物III b、III c及びIII dを適切な保護基を用い
て同様に調製した。
18mlのジメチルホルムアミド(DMF)中423.0mg(2.26
ミリモル)の化合物III a及び1.9g(29.5ミリモル)の
アジドナトリウムを含む混合液に18.0mlの塩化亜鉛[エ
ーテル中1.0M溶液]を加え、この反応混合液を75℃で3
日間攪拌した。この混合液を酢酸エチル(EtOAc)で抽
出し、有機層を水洗し、硫酸マグネシウム(MgSO4)で
乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:EtOAc=3:2)で精製して318.6mgの化合
物IV a[収率」61%、[α]D 23−23.8゜(c0.15、CHCl
3)]を得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.23(6H,t,J=7.1Hz,CH2CH3),2.
03(3H,s,CH3CO),3.45−3.61及び3.66−3.76(6H,m),
4.24(1H,m,−CHNH),4.53(1H,d,J=3.9Hz,−CH(OE
t)),5.83(1H,d,J=7.8Hz,−NH)ppm;13C NMR(CDC
l3)δ15.5,15.6,23.7,50.8,51.0,63.7,64.4,101.3,17
0.5ppm。HRMS(M+Cs+)計算値363.0433、実測値363.0
450。
ラセミ化合物IV a(1g)から遊離したアルデヒドを18
mlのDHAP(71.3ミリモル)と混合し、pHを1規定(N)
水酸化ナトリウム(NaOH)で6.5に調整した。この溶液
に、ウサギ筋FDPアルドラーゼ(400単位)を加え、この
混合液を4.5時間ゆっくりと攪拌した。この混合液をダ
ウエックス1(HCO2 -)に通過させ、水(400ml)、0.1
モル(M)塩化ナトリウム(NaCl;250ml)、0.4M NaCl
(700ml)及び0.5M NaCl溶液で順次溶離した。
0.4M NaCl(700ml)で溶離した化合物101bを含む画分
に200mlの水を加えた後、Pd/C(103.0mg)を加え、この
混合液を50psiの圧力下で1日間水素化した。触媒をろ
別し、ろ液を凍結乾燥した。残留物を混合溶媒[クロロ
ホルム(CHCl3):メタノール(MeOH):H2O=6:4:1]で
処理した。可溶分を集め、シリカゲルクロマトグラフィ
ー(CHCl3:MeOH:H2O=6:4:0.7)で精製して化合物103b
及び103dを12:1比で得た。鏡像体的に純粋なアルデヒド
基質で出発して、化合物103b及び103dを別々に得た。
化合物103d:1H NMR(D2O)δ1.33(3H,d,J=6.3Hz,H
−6),1.94(3H,s,CH3CO),2.85(1H,t,J=12.5Hz,H−
1a),3.10(1H,m,H−5),3.36(1H,dd,J=12.5及び4.9
Hz,H−1e),3.39,3.51(各々1H,t,J=9.8Hz,H−3,4),
3.99(1H,ddd,J=12.5,9.8及び4.9Hz,H−2)ppm;13C N
MR(D2O)δ14.8,22.3,44.0,48.2,54.9,72.9,73.1,174.
2ppm。HRMS(M+Na+)計算値211.1059、実測値211.105
3。
化合物103b:1H NMR(D2O)δ1.34(3H,d,J=6.6Hz,H
−6),1.97(3H,s,CH3CO),3.10(1H,m,H−5),3.15,
3.43(各々1H,dd,J=13.7及び3.0Hz,H−1),3.62(1H,
t,J=9.4Hz,H−4),3.80(1H,dd,J=9.4及び4.6Hz,H−
3),4.32(1H,dt,J=4.6及び3.0Hz,H−2)ppm;13C NM
R(D2O)δ14.5,22.4,44.4,47.6,55.0,69.6,70.0,174.7
ppm。HRMS(M+Na+)計算値211.1059、実測値211.105
0。
N.(1,2R)−ジメチル−(3R,4R,5S)−トリヒドロキシ
ピペリジン:(N−メチル−1,5,6−トリデオキシ−1,5
−イミノ−D−グルシトール)、化合物117 化合物103c(45mg、0.32ミリモル)、ホルムアルデヒ
ド(300ml、37重量%溶液)及び10mgの10%Pd/Cを45psi
の水素下10mlのMeOH/H2O(1:1)溶液中で1日間水素化
した。ろ過後、溶媒を減圧下で除去して化合物117(52m
g、量的収量)を吸湿性物質として得た:Rf=0.65(2−
プロパノール:NH4OH:H2O=6:3:2);[α]D 23+4.58゜
(c1.75、H2O)。
1H NMR(D2O)δ1.12(3H,d,J=6.5Hz),2.36(1H,d
d,J=11.5,6.5Hz),2.63(1H,d,J=5Hz),3.02−3.06
(2H,m),3.18(1H,t,J=9.5Hz),3.48−3.53(1H,m)p
pm;13C NMR(D2O)δ16.96,43.87,61.17,65.96,70.68,7
6.64,79.95ppm。HRMS(M+H+)計算値161.1052、実測
値162.1129。
O.(1,2R)−ジメチル−(3R,4R,5S)−トリヒドロキシ
ピペリジンオキシド;(N−1,5,6−トリデオキシ−1,5
−イミノ−D−グルシトールオキシド)、化合物118 化合物117(10mg、0.062ミリモル)を含む1mlのH2O溶
液に過酸化水素(42mg、50重量%溶液)を加え、この混
合液を室温で3日間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して
純粋な化合物118(10mg、91%)を吸湿性白色化合物の
単一立体異性体として得た:Rf=0.53(2−プロパノー
ル:NH4OH:H2O=6:3:2);[α]D 23+5.40゜(c3.00、H
2O)。
1H NMR(D2O)δ1.12(3H,d,J=6.5Hz,CH3),3.14(1
H,dd,J5,4=10,J5,CH3=6.5Hz,H−5),3.20(1H,t,J
2,3=J3,4=10Hz,H−3),3.28(1H,t,J1a,1e=J1a,2
=10Hz,H−1a),3.39(1H,dd,J1e,1a=10,J1e,2=5Hz,H
−1e),3.41(1H,t,J3,4=J4,5=10Hz,H−4),3.88
(1H,td,J=J1a,2=J23=10,J2,1e=5Hz,H−2)ppm;
13C NMR(D2O)δ8.65,55.89,67.85,64.52,70.21,70.6
0,75.44ppm。HRMS(M+H+)計算値177.2009、実測値17
7.2014。
P.(2S)−メチル−(3S,4S,5S)−トリヒドロキシピペ
リジン;[1,6−L−ラムナノジリマイシン(ラムノジ
リマイシン)]、化合物106 pH1.0バッファー(40ml)中3−アジド−2−ヒドロ
キシプロパナールジエチルアセタール(1.1g、5.8ミリ
モル)の懸濁液を45℃で12時間加熱することにより調製
した(RS)又は(R)−3−アジド−2−ヒドロキシプ
ロパナールの水溶液にDHAP(1.9ミリモル)とトリスバ
ッファー(675mM、KCl750mM、pH=7.5;5.0ml)を加え、
得られた溶液のpH値を1N NaOHで7.5に調整した。ラムヌ
ロース−1−ホスフェートアルドラーゼ源を調製するた
めに、大腸菌K40株をリゾチーム(卵白由来;10mg)でト
リスバッファー(45mM、塩化カリウム(KCl)50mM、pH
=7.5;20ml)中35℃で1時間処理した。この大腸菌標品
1gを上記pH調整溶液に加え、混合液をDHAPの90%が消費
されるまでゆっくりと攪拌した。
反応後、この溶液をpH7.0に調製し、BaCl2・2H2O(95
0mg、3.9ミリモル)を加え、得られた沈澱を遠心分離で
除去した。アセトン(2倍量)を上清に加えた。この混
合液を冷蔵庫で2時間保持し、新しく生じた沈澱を集め
た。バリウムイオンを除くために、ダウエックス50
(H+)を攪拌しながら加え、次いでろ過した。この溶液
を凍結乾燥し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー
(CHCl3:MeOH:H2O=8:2:0.1)で精製してリン酸化アジ
ドケトース、化合物104を得た。
Pd/C(20mg)を含むエタノール(30ml)中化合物104
を50psiで1日間水素化した。触媒をろ別し、ろ液を濃
縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl
3:MeOH:H2O=6:4:1〜5:2:2)で精製して化合物106を得
た。
化合物104a(脱リン酸化):収率55%(DHAPに対し
て)、13C NMR(CD3OD)δ54.6,64.2,76.8,77.6,81.1,1
03.3ppm。
化合物106:1H NMR(D2O)δ1.00(3H,d,J=6.5,5−CH
3),2.30(1H,m,H−5),2.56(1H,d,J=14.4,H−1a),
2.78(1H,dd,J=14.4,2.3,H−1e),3.41(1H,t,J=9.9,
H−4),3.35(1H,dd,J=9.9,2.9,H−3),3.82 91H,b
s,H−2)ppm;13C NMR(D2O)δ17.4,48.6,55.6,69.8,7
4.3,74.5ppm。HRMS(M+Cs+)計算値279.9950、実測値
279.9950。
Q.(2R)−メチル−(3R,4R,5S)−トリヒドロキシピペ
リジン;(D−1,6−D−ジデオキシガラクトジリマイ
シン)及び(2S)−メチル−(3S,4R,5S)−トリヒドロ
キシピペリジン;(L−1,6−ジデオキシアルトロジリ
マイシン)、化合物110及び109 pH1.0バッファー(40ml)中3−アジド−2−ヒドロ
キシプロパナールジエチルアセタール(1.1g、5.8ミリ
モル)の懸濁液を45℃で12時間加熱することにより調製
した(RS)−又は(R)−3−アジド−2−ヒドロキシ
プロパナールの水溶液にDHAP(1.9ミリモル)とトリス
バッファー(675mM、KCl750mM、pH=7.5;5.0ml)を加
え、pHを1N NaOHで7.5に調整した。フクロース−1−ホ
スフェートアルドラーゼ源を調製するために、大腸菌K5
8株をリゾチーム(卵白由来;10mg)でトリスバッファー
(45mM、塩化カリウム(KCl)50mM、pH=7.5;20ml)中3
5℃で1時間処理した。この大腸菌標品1gを上記pH調製
溶液に加え、混合液をDHAPの90%が消費されるまでゆっ
くりと攪拌した。大腸菌フクロース−1−ホスフェート
アルドラーゼは、クローン化及び過剰発現されており、
代替酵素源を与える[Ozaki等、J.Am.Chem.Soc.,112:49
70(1990)]。
反応後、この溶液をpH7.0に調製し、BaCl2・2H2O(95
0mg、3.9ミリモル)を加え、得られた沈澱を遠心分離で
除去した。アセトン(2倍量)を上清に加えた。この混
合液を冷蔵庫で2時間保持し、新しく生じた沈澱を集め
た。バリウムイオンを除くために、ダウエックス50
(H+)を攪拌しながら加え、次いでろ過した。この溶液
を凍結乾燥し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー
(CHCl3:MeOH:H2O=8:2:0.1)で精製してリン酸化アジ
ドケトース、化合物108を20%(DHAPに対して)得た。
化合物108:13C NMR(CD3OD)δ52.7,66.7,71.9,72.8,8
0.1,104.4ppm。
Pd/C(20mg)を含むエタノール(30ml)中化合物108
の溶液を50psiで1日間水素化した。触媒をろ別し、ろ
液を濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー
(CHCl3:MeOH:H2O=6:4:1〜5:5:2)で精製して化合物10
9及び110のほぼ等モル混合物を得た。
化合物110:[α]+18.2゜(c1.1、MeOH)、1H NMR
(D2O)δ1.20(3H,d,J=6.7,5−CH3),2.71(1H,t,J=
12.0,H−1a),3.30(1H,qd,J=6.7,1.5,H−5),3.31
(1H,dd,J=12.0,5.5,H−1e),3.50(1H,dd,J=9.7,3.
0,H−3),3.87(1H,dd,J=3.0,1.5,H−4),3.90(1H,
ddd,J=11.5,9.5,5.5Hz,H−2)ppm;13C NMR(D2O)δ1
4.4,46.5,55.3,64.8,70.3,73.5ppm。HRMS(M+H+)計
算値148.0974、実測値148.0974。
R.(2R)−メチル−5−フルオロ−(3R,4R,5R)−トリ
ヒドロキシピペリジン;(2,6−ジデオキシ−2−フル
オロマンノジリマイシン)、化合物103e 乾燥ベンゼン(50ml)中3−アジド−2−ヒドロキシ
プロパナールジエチルアセタール(7.32g、38.73ミリモ
ル)の攪拌溶液にジエチルアミノサルファトリフルオリ
ド(DAST;20.6ml)を−78℃で加えた。添加後、この溶
液を室温で1時間攪拌し、次いで70℃で12時間加熱し
た。この反応液を0℃でメタノールを加えることにより
急冷し、水で希釈した。ジクロロメタン抽出した後、有
機層をMgSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エー
テル=9:1、容量/容量)で精製して3−アジド−2−
フルオロプロパナールジエチルアセタールを油状物とし
て得た(65%);Rf=0.84EtOAc:ヘキサン=2:3)。
1H NMR(CD3Cl)δ1.215−1.219(6H,m),3.526(2H,
dm,J=15.3Hz),3.642−3.670(2H,m),3.680−3.808
(2H,m),4.514(1H,dm,J=45.9Hz)ppm。
ラセミ体3−アジド−2−フルオロプロパナールジエ
チルアセタール(750mg、3.93ミリモル)と1N HCl(20m
l)の混合液を65℃で30時間加熱した。この混合液を室
温まで冷却し、DHAP(1ミリモル)を加え、pH値を10N
NaOHで7に調整した。このpH調整溶液にウサギ筋FDPア
ルドラーゼ(500単位)を加え、得られた溶液を36時間
ゆっくりと攪拌した。酵素分析は、DHAPの全部が消費さ
れたことを示した。次いで、この溶液をろ過し、凍結乾
燥した。この黄色シロップをメタノールで処理し、ろ過
して不溶物質を除去した。メタノールを減圧下で除去し
て化合物101eを得た。
10mlのメタノール中本生成物(20mg)及び10%Pd/C
(5mg)を含む溶液を50psiで1日間水素化した。触媒を
ろ別し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=3:1)で精製して
2,6−ジデオキシ−2−フルオロマンノジリマイシン、
化合物103eを得た。
S.1,6−ジデオキシヨードジリマイシン;化合物111 (S)−3−アジド−2−ヒドロキシプロパナールを
DHAPとラムヌロース−1−ホスフェートアルドラーゼと
使用する以外は化合物106(実施例5)の調製と同様の
方法を用いて、化合物111を調製する。
T.(3S,4S)−ジヒドロキシピペリジン、化合物114a;
(3R,4R)−ジヒドロキシ−(6R)−メチピペリジン、
化合物114b;(3R,4S)−ジヒドロキシ−(5R)−メチピ
ペリジン、化合物114c 上記のように調製した(RS)3−アジド−2−ヒドロ
キシプロパナールとアセトアルデヒドのDERA触媒縮合に
より、化合物114aを製造した。得られた化合物113aを回
収し、前記のようにPd/Cで水素化して化合物114aを得
た。
化合物114a:1H NMR(D2O)δ1.51(2H,m,H−2),2.5
5(1H,ddd,J=13.1,7.6,4.8,H−1),2.67(1H,dd,J=1
3.4,3.0,H−5),2.90(1H,dd,J=13.4,5.7,H−5),2.
86−2.96(1H,m,H−1),3.67(1H,dt,J=5.9,2.5,H−
4),3.74(1H,ddd,J=7.6,4.6,3.0H−3)ppm;13C NMR
(D2O)δ29.9(C−2),41.9(C−1),48.1(C−
5),68.8,69.3(C−3,C−4)ppm。HRMS(M+):計算
値:117.0790、実測値117.0785。
上記のように調製した(RS)3−アジド−2−ヒドロ
キシプロパナールとアセトンのDERA触媒縮合により、化
合物114aを製造した。得られた化合物113bを回収し、上
記のようにPd/Cで水素化して化合物114bを得た。
化合物114b:1H NMR(CDCl3)δ1.05(3H,d,J=6.3,H
−1),1.27(1H,q,J=12.4,H−3a),1.67(1H,ddd,J=
12.5,4.7,2.5,H−3e),2.55(1H,ddq,12.6,6.3,2.5,H−
2),2.62(1H,dd,J=13.4,1.3,H−6a),3.06(1H,dd,J
=13.4,2.9,H−6e),3.25(3H,br s,2 OH,NH),3.53(1
H,ddd,J=11.9,4.7,3.0 H−4),3.69(1H,br s,H−
5)ppm;13C NMR(CDCl3)δ22.1(C−1),37.7(C
−3),50.1,50.5(C−2,C−6),67.2 69.9(C−4,C
−5)ppm。HRMS(M+Cs+):計算値:264.0001、実測
値264.0000。
上記のように調製した(RS)3−アジド−2−ヒドロ
キシプロパナールとプロピオンアルデヒドのDERA触媒縮
合により、化合物114cを製造した。得られた化合物113c
を回収し、上記のようにPd/Cで水素化して化合物114cを
得た。
化合物114c:1H NMR(D2O)δ0.91(3H,d,J=7.0,C
H3),1.77−1.82(1H,m,H−2),2.45(1H,t,J=12.4,H
−1a),2.67(1H,t,J=11.7,H−5a),2.70(1H,dd,J=1
2.4,4.8,H−1e),2.90(1H,dd,J=11.9,4.6,H−5e),3.
72(1H,ddd,J=11.7,5.1,3.0,H−4),3.85(1H,br s,H
−3)ppm;13C NMR(D2O)δ15.4(CH3),35.5(C−
2),44.8,45.7(C−1,C−5),67.0 72.6(C−3,C−
4)ppm。HRMS(M+Cs+):計算値:264.0001、実測値2
64.0003。
実施例6.阻害実験 A.阻害試験 材料:バッファー、酵素及び基質は、全てシグマ社か
ら購入し、受け取ったままで用いた。これらには、ピペ
ラジン−N,N′−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPE
S)、酢酸ナトリウム(NaOAc)、エチレンジアミン四酢
酸(EDTA)、β−D−グルコシダーゼ(スウィートアー
モンド由来)、p−ニトロフェニルβ−D−グルコシ
ド、p−ニトロフェニルα−D−グルコシダーゼ、p−
ニトロフェニルα−D−グルコシド、β−N−アセチル
−D−グルコサミンダーゼ、p−ニトロフェニルβ−N
−アセチル−D−グルコサミニド、α−D−マンノシダ
ーゼ及びp−ニトロフェニルα−D−マンノシドを含め
た。
B.溶液の調製: (a)PIPESバッファー(0.05M,0.01mM EDTA,pH6.5):1
リットル(1)の脱イオンH2Oに15.1gPIPESと35.7mgEDT
Aを加えた。pHをNaOH(10M)で6.5に調整した。
(b)PIPES−NaOAcバッファー(0.01M PIPES、0.2M Na
OAc及び0.01mM EDTA,pH6.5):本バッファーは、文献方
法に従って調製した[Dale等,Biochemistry,24:3530(1
985)]。
(c)β−D−グルコシダーゼ:15mgの固形タンパク質
(4単位/mg)を1mlのPIPES−NaOAcバッファー溶液に溶
解することにより酵素原液を調製した。本酵素原液は、
酵素アッセイに対して5倍に希釈した。
(d)α−D−グルコシダーゼ:1.5mgの固形タンパク質
(70単位/mg)を1mlのPIPES−NaOAcバッファー溶液に溶
解し、希釈せずにアッセイに用いた。
(e)β−N−アセチル−D−グルコサミニダーゼ:25
単位のタンパク質をシグマ社より入手した0.55mlの3.2M
硫酸アンモニウム[(NH42SO4]溶液に懸濁した。
(f)α−D−マンノシダーゼ:5mgの固形タンパク質を
シグマ社より入手した1mlの3.0M(NH42SO4及び0.1酢
酸亜鉛(ZnOAc)に懸濁した。
(g)基質溶液:酵素アッセイ用に全ての基質を対応す
るバッファー溶液に懸濁した。
C.酵素アッセイの一般方法 一般的には、各阻害剤に対して、0〜3倍Kiにある5
種の阻害剤濃度を用いてKi値を求めた。各阻害剤濃度に
おいて、0.4〜4Kmにある6種の基質濃度を用いてLinewe
aver−Burk単一プロットを得た。各アッセイにおいて添
加される酵素量は、最低基質濃度を含む10%より低い基
質が45秒以内に消費されるように調整した。基質の全て
が脱離基としてp−ニトロフェノールを有するので、ア
ッセイを400ナノメーター(nm)でモニターし、分子吸
光係数εがpH6.5において3204.5M-1cm-1となるように検
定した。以下に詳細な方法を示す。
1mlの使い捨てキュベットに950ミクロリットル(μ
l)のNaOAc−PIPESバッファー溶液、20μlの阻害剤溶
液及び20μlのp−ニトロフェニルβ−D−グルコシド
溶液(PIPES−NaOAcバッファー,pH6.5中100mM)を加え
た。この溶液を十分混合し、20μlのβ−D−グルコシ
ダーゼをキュベットに注入して反応を開始した。この反
応をベックマンDU−70分光光度計により400nmで45秒間
モニターし、加水分解の初速度を計算した。同様の方法
を他の5種の基質濃度で繰り返した。初速度を全て蓄積
した後、その阻害剤濃度の対応するLineweaver−Burkプ
ロットを作成した。
PIPESバッファーを用いるβ−N−アセチル−D−グ
ルコサミニダーゼを除く全ての酵素に対してPIPES−NaO
Acバッファーを用いた。具体的なKiデータは上記表3に
示されている。
実施例7:GalTの大腸菌JM109株における発現 大腸菌SB221株のプラスミドpIN−GT(実施例1参照)
を単離し、周知のプロトコールを用いてJM109株(ATCC
53323)に形質転換した。形質転換細胞を150mlのLB培地
に直接加え、誘発なしで37℃で一晩増殖させた。細胞を
4,000×g、4℃で遠心して回収した。細胞を3mlのLB培
地に再び懸濁し、1mlのクロロホルムを加えた。この混
合液を室温で15分間放置した後、30mlの50mM HEPESバッ
ファー、pH7.4を加えた。同様に、SB221株を新たに形質
転換し、対照として増殖させた。酵素を単離し、発表さ
れている方法に従って活性を求めた。
実施例8:フコシルトランスフェラーゼを用いた実験 更に、オリゴ糖類を用いた阻害実験のように、供与体
としてUDP−フコース、フコシルトランスフェラーゼ及
び受容体としてN−アセチルラクトサミン(Galβ1,4Gl
cNAc)を用いて、合成及び阻害実験を行った。これらの
実験を以下に述べる。
A.結果 0.2mM GDP−フコースにおけるN−アセチルラクトサ
ミンのKmが6±3mMであることが求められた。ガラクト
ースβ1,4−グルカール(表1、化合物6)及び3−デ
オキシ−N−アセチルラクトサミン(表1、化合物1y)
は、記載の条件下50mg/mlの濃度まで阻害作用を示さな
かった。ガラクトースβ1,4−5−チオグルコース(表
1、化合物5)は、5mMの本化合物との反応がN−アセ
チルラクトサミンより2−5倍速く反応する点でフコシ
ルトランスフェラーゼの良好な基質であることがわかっ
た。ガラクトースβ1,4−デオキシジリマイシン(表
1、化合物4)は、IC50約40mMを有するフコシルトラン
スフェラーゼの阻害剤であった。これらの実験過程で、
GDP−フコースが三糖類の合成に対して極めて強い基質
阻害を示すことが認められた。
フコシルトランスフェラーゼのアッセイ フコシルトランスフェラーゼ活性を求めるアッセイ
は、実質的にLowe等、Genes and Development,4:1288
(1990);Lowe等,Cell,63:475(1990)に記載されてい
る方法をわずかに変更した。
実験としては、1mM GDP−フコース、67500cpm14C−GD
P−フコース(Amersham Corp.,290mCi/ミリモル)、25m
M ATP、50mMフコース及び250mMカコジル酸ナトリウムバ
ッファー、pH6.2を含む原液(混合液A)を使用日に新
しく混合し、氷上で貯蔵した。
第2セットの溶液(混合液B1−B6)は、変動濃度1.5
〜50mMのN−アセチルラクトサミン及び100mM MnCl2
含めた。これらの溶液も毎日新しく作成し、氷上で貯蔵
した。2μlの混合液Aと2μlのB混合液の1つとを
混合してアッセイを進めた。本溶液に5μlの水を加
え、次いで1μlの酵素溶液を加えて反応を開始した。
本アッセイ混合液を穏やかに混合し、37℃で30分間イン
キュベートした。
結果が表1aに示されている組換え体フコシルα1,3/4
トランスフェラーゼ(EC 2.4.1.65)を用いるもののよ
うな他の実験の場合、0.25mM14C−GDP−フコース(5000
cpm/μl)、6.25mM ATP、25mM MnCl2及び62.5mMカコジ
ル酸塩バッファー、pH6.2を含む原液を使用日に新しく
混合し、氷上で貯蔵した。使用直前に、Fuc Tをこの混
合液に加え、16μlのこの混合液を4μlの100mM受容
体基質と結合させて反応を開始した。次いで、得られた
混合液を37℃で30−240分インキュベートしたが、実験
下の受容体基質(反応体混合物)に左右される。
これらのアッセイと同時に、もう1つのアッセイを行
い、実験に固有の又は混入ホスファターゼの作用による
14−フコースの生成からのバックグラウンド放射能を求
めるためにラクトサミンなしで同様に処理した。
インキュベーションの完了時に、QAE−セファデック
スの20%(v/v)懸濁液400μlを加えた。これらの懸濁
液を室温で10分間穏やかに混合した後、13,000rpmで1
分間遠心した。上清液から100μlを抽出し、10mlのシ
ンチレーション反応混液と混合した。ベックマンLS1701
シンチレーションカウンターで放射能含量を測定した。
30分のインキュベーションで酵素反応が10%より多く起
きないように注意した。
0.2mM GDP−フコースの存在下のラクトサミンのミカ
エリス定数(Km)は、非直線回帰分析によりデータを式
1にあてはめて求めた。
v=(Vmax)S/(Km+S) 式1 上記式中、v=反応速度、Vmax=最大速度及びS=N−
アセチルラクトサミン濃度。
阻害実験は、2mM N−アセチル−ラクトサミン及び変
動濃度1〜50mg/mlの(a)ガラクトシルβ1,4グルカー
ル(化合物8)、(b)ガラクトシルβ1,4デオキシノ
ジリマイシン(化合物10a)、(c)ガラクトシルβ1,4
−5−チオグルコース(化合物7)及び(d)3−デオ
キシ−N−アセチルラクトサミン(化合物2i)の存在
下、同様な方法で行った。阻害%は、阻害活性の阻害さ
れない反応率に対する割合として計算した。これらの割
合を阻害剤濃度に対してプロットした。データを直線回
帰により直線(式2)にあてはめ、50%阻害濃度(I
C50)をフコシルトランスフェラーゼ反応の50%阻害を
示す阻害剤濃度として本直線から推定した。式中、m=
勾配及びb=y−切片。
阻害%=m([阻害剤])+b 式2 これらのアッセイの結果を表1aに示す。
実施例9:変性及び未変性CMP−シアル酸シンセターゼ酵
素の比較 A.酵素の調製 1.未変性及び変性CMP−N−シアル酸シンセターゼ酵素
のプラスミドの構築 鋳型として図1に示されるpWA1プラスミドを含むプラ
イマーを用いたPCRにより、未変性CMP−シアル酸シンセ
ターゼをコードする1.3kbNeuAc遺伝子を増幅した。Inni
s等、PCR Protocols,A guide to methods and applicat
ions;Academic Press,San Diego,CA(1990)。PCR生成
物をフェノール抽出で精製し、次いで、TEバッファー中
Bio Gel P−10スピンカラムでゲルろ過した。精製オリ
ゴ糖をEcoR I及びHind IIIで消化し、低融点アガロース
中アガロースゲル電気泳動で精製した。次いで、この断
片をtacプロモーターの制御下でプラスミドpKK233−3
に結合した。Zapata等,J.Biol.Chem.,264:14769(198
9)及びTabor等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:1074(198
5)。このプラスミドをpWG123と称した。次いで、プラ
スミドpWG123をStratagene社から入手した大腸菌Sure株
に形質転換した。
変性CMP−NeuAcシンセターゼ遺伝子を含むプラスミド
CMPSIL−1の構築は、Ichikawa等,J.Am.Chem.Soc.,113:
4698(1991)の方法により行った。CMP−NeuAcシンセタ
ーゼ遺伝子は、C−末端のデカペプチドtag配列Tyr−Pr
e−Tyr−Asp−Val−Pro−Asp−Tyr−Ala−Ser(SEQ ID
NO:3)と融合し、EcoR I及びXba I部位のlambda ZAPTM
ベクターにクローン化し、大腸菌Sure株で過剰発現し
た。
プラスミドCMPSIL−1への未変性CMP−シアル酸シン
セターゼ遺伝子挿入断片(デカペプチド標識配列を含ま
ない)をサブクローン化するために、前記PCRの表4の
プライマーを用いた。
次いで、増幅PCR挿入断片及びCMPSIL−1プラスミド
をEcoR I及びXba I(40U/mgDNA)で37℃において1時間
消化し、消化DNAを1%アガロースゲルで精製した。精
製未変性CMP−シアル酸シンセターゼ遺伝子挿入断片及
び消化CMPSIL−1プラスミド(標識酵素挿入断片を含
む)をT4 DNAリガーゼ(4U Stratagene社製)と4℃で
一晩(約18時間)結合した。次いで、結合DNAを大腸菌S
ure株に形質転換し、250mg/mlアンピシリンを含むLB寒
天プレートに塗布した。
プラスミドを組込んだ細菌を250mg/mlアンピシリンを
含むLBに富む培地(Bacto Trypton、1リットル中25g;
酵母エキス、10g;NaCl、3g;pH7.0)で37℃において中間
対数期(OD660約0.6−0.7)まで増殖し、次いで、0.5mM
IPTG(イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシ
ド)を用いて30℃で10時間振盪しながら誘発した。細胞
を遠心(10,000×g、20分、4℃)により回収し、16,0
00lb/in2のフレンチ加圧セルで崩壊した。細胞片を遠心
23,000×g、60分により除き、上清(細胞を含まない抽
出液)を酵素精製に用いた。
1リットルの培養の細胞を含まない抽出液(30ml)を
Orange A Dyeカラム(1.5mg/mlゲル、3cm×30cm)に通
過させ、0.02M MgCl2及び0.2mMジチオトレイトール(DT
T)、pH7.5を含む200mlの0.2Mトリス/HClバッファーで
洗浄した。酵素を同一バッファー中直線勾配0〜1M KCl
(全量200ml)で溶離した。活性画分をプールし、0.02M
MgCl2及び0.2mM DTTを含む0.2Mトリス/HClバッファー
2リットルで透析した。この酵素標品を合成に直接用い
た。この酵素を更に、ファーマシア社のSuperose 12 HR
10/30を用いたFPLCで純度約95%まで精製した。
2.動力学的実験 未変性又は変性CMP−NeuAcシンセターゼの活性をVann
等,J.Biol.Chem.,262:17556(1987)に記載されている
チオバルビツール酸法を用いてアッセイした。簡単に言
えば、5.5mM CTP、2.8mM N−アセチルノイラミン酸、0.
2Mトリス、20mM MgCl2及び0.2mM DTT、pH9.0を含む250m
lバッファーに酵素を加えて混合液を生成した。この混
合液を37℃で30分間インキュベートした後、50mlの1.6M
NaBH4を加えて過剰のNeuAcを破壊し、この混合液を室
温で更に15分間加熱した。次いで、この混合液を氷浴に
入れ、50mlのH3PO4を加えてNaBH4を破壊した。
得られた混合液を0℃で5分間保持した後、37℃で10
分間インキュベートして生成CTP−NeuAcのリン酸エステ
ルを切断した。遊離NeuAcを50mlの0.2M NaIO4を用いて
室温で10分間酸化し、0.5N HCl中4%のNaAsO2400mlを
加えた。次いで、この溶液混合液を0.5M Na2SO4中0.6%
トリバルビツール酸1mlを含む試験管に移し、沸騰水中
で15分間加熱した。この溶液を冷却した後、溶液1mlを
取り出し、1mlのシクロヘキサノンと混合した。この混
合液を振盪し、遠心し、上層を549mm(e=4.11mM-1cm
-1)の測定に用いた。
種々の濃度のCTP(1.25−5mM)及びNeuAc(2−8mM)
で動力学的実験の初速度を測定した。このデータを以下
に示される連続bi−bi基質速度式3にあてはめ、シグマ
社のシグマプロットプログラムを用いてミカエリス定数
及び最大速度(V)を得た。
式中、Aは[CTP]であり、Bは[NeuAc]であり、Ka
及びKbは各々CTP及びNeuAcのミカエリス定数であり、K
iaはCTPの解離定数(又は阻害定数)である。
2種の酵素の比活性及び速度定数は、極めて類似して
いることが判明した。未変性及び変性酵素は、各々比活
性2.1U/mg及び2.3U/mgであった。未変性酵素の場合、K
catは1.8s-1であり、2種の基質、NeuAc及びCTPのKm
は、各々4mM及び0.31mMであった。標識酵素のKcatは1.9
s-1であり、NeuAc及びCTPのKmは各々4.8mM及び1.99mMで
あった。
3.酵素安定性 0.02M MgCl2及び0.2mMジチオトレイトールを含む0.2M
トリスバッファー、pH7.5中室温で未変性及び変性酵素
をインキュベートした。所定の時間おきに、30ml分を除
去し、上記活性をアッセイした。酵素安定性を3日間実
験した。未変性酵素は、リン酸塩バッファー(pH7.5)
中室温で半減期約800時間であった。一方、変性酵素は
半減期約80時間で未変性、野生型より約10倍安定性が低
かった。
4.pHプロファイル 0.2Mトリスバッファー、pH8〜10.8及び50mMカコジル
酸ナトリウムバッファー、pH4.5〜7.5における両酵素の
活性をアッセイした。0.2mMジチオトレイトールを含む
これらのバッファーは、20mM MgCl2及び6mM MnCl2を別
々に存在させて調製した。5.5mM CTP及び2.8mM NeuAcを
含むアッセイ溶液を37℃で30分間インキュベートし、生
成したCMP−NeuAc量をチオバルビツール酸アッセイに基
づいて求めた。
酵素活性に影響することが既知である2種の異種金属
イオン、Mg2+及びMn2+の存在下で酵素活性を種々のpH
値、4.5〜10.5において実験した。哺乳動物組織から単
離した酵素と同様に、未変性微生物CMP−シアル酸シン
セターゼは、Mn2+の存在下ではpH7.5及びMg2+の存在下
ではpH9.5が最適pHであることが判明した。しかしなが
ら、標識酵素は、Mg2+又はMn2+の存在下でpH9.5におい
て最適活性を示した。
5.基質特異性 250mlアッセイ溶液には、2.8mMの各基質、5.5mM CM
P、CMP−NeuAcシンセターゼ並びに20mM MgCl2及び0.2mM
DTTを含むpH7.5及びpH9.0の0.2Mトリスバッファーを含
有した。インキュベーション時間を15分から5時間変動
させるが、基質類縁体に対する酵素の活性に左右され
る。チオバルビツール酸アッセイによりCMP−NeuAc誘導
体の生成を求めた。
種々の哺乳動物組織からのCMP−シアル酸シンセター
ゼがCTP及びシアル酸に特異的であることが判明した。
これは、9位に結合した蛍光プローブを含む数種のC−
9及びC−8変性シアル酸類縁体を受容する。哺乳動物
系からの酵素もKDN及び5−N−グリコリルノイラミン
酸のようなC−5変性基質を基質ととして受容する。例
えば、Shames等,Glycobiology,1:87(1991);Auge等,Te
trahed.Lett.,29:789(1988);Kean等,Methods Enzymo
l.,8:208(1966);Roseman,S.Proc.Natl.Acad.Sci.,48:
437(1962);Gross等,Eur.J.Biochem.,168:595(198
7);及びGross等,Eur.J.Biochem.,117:583(1988)参
照。
未変性及び変性組換え体CMP−NeuAcシンセターゼ酵素
に対する基質特異性の結果を下記表5に纏める。
大腸菌系由来クローン化酵素は、哺乳動物系由来酵素
と同様な基質特異性を有する。数種のシアル酸類縁体を
合成し、pH7.5及び9.0における未変性及び標識酵素の基
質として試験した。
両酵素は、C−9変性シアル酸類縁体(9−O−アセ
チル、9−O−ラクチル、9−デオキシ−9−フルオロ
及び9−アジド−9−デオキシNeuAc)に対して高い活
性を有するが、c−5変性類縁体(KDN、5−デオキシK
DN及び5−デアセトアミド−5−エピ−5−フルオロNe
uAc)は基質ではなかった。これらの結果は、シアル酸
の5−アセトアミド基が微生物酵素による基質認識に重
要であることを示している。
両微生物酵素はpH7.5で極めて類似した基質特異性を
有するが、pH9.0では異なった特異性を有する。pH7.5で
は、未変性酵素はNeuAcに特異的であることが判明し、
C−9変性NeuAc誘導体に対する相対速度は約50%に減
少した。反対に、標識酵素に対するC−9変性類縁体の
相対速度は、N−アセチルノイラミン酸より高い(表
5)。
本実験で用いられるC−5及びC−9変性シアル酸誘
導体は、下記実験例10に示されるようにC−2及びC−
6変性N−アセチルマンノサミン(ManNAc)誘導体とピ
ルビン酸塩とのシアル酸アルドラーゼ触媒縮合により調
製した。
6−O−アシル化ManNAc誘導体は、有機溶媒中で安定
であるように操作されたズブチリシン変異体(8399又は
8397)が触媒するDMF中でのエステル転移反応により調
製した。Zhong等,J.Am.Chem.Soc.,113:683(1991)。変
異体は野生型より約100倍(8399の場合)から1000倍(8
397の場合)安定であるので、野生型酵素(BPN′)を用
いることもできるが多量の酵素を必要とする。ここに記
載される6−O−アシル糖を調製する酵素方法は、発表
されている化学方法よりかなり有効であると考えられ
る。[9−O−アセチル−N−アセチルノイラミン酸及
び9−O−ラクチルN−アセチルノイラミン酸の場合:
(a)Auge等,Tetrahed.Lett.,25:4663(1984)(6−
O−アセチル−ManNAcは化学的に調製されている);
(b)Kim等,J.Am.Chem.Soc.,110:6481(1988)(6−
O−アセチル−ManNAcはプロテアーゼN反応により調製
されている);(c)Auge等,New J.Chem.,12:733(198
8)(化学的に合成された6−O−ラクチル−ManNAcか
らの9−O−ラクチル−NeuAcとして)];[9−アジ
ド−9−デオキシ−N−アセチルノイラミン酸の場合:
(d)Brossmer等,Biochem.Biophys.Res.Comm.,96:1282
(1980)(物理的データが報告されていない)];[3
−デオキシ−L−グリセロ−L−ガラクトノヌロソン酸
(KDN)の場合:(e)Auge等,Tetrahedron,46:201(19
90)];[3,5−ジデオキシ−L−グリセロ−L−ガラ
クトノヌロソン酸(5−デオキシ−KDN)の場合:
(f)Auge等,Tetrahed.Lett.,30:2217(1989)]。
実施例10:シアル酸類縁体の調製 実施例9で記載したシンセターゼ実験に用いられるC
−5及びC−9変性シアル酸誘導体を、C−2及びC−
6変性N−アセチルマンノサミン(ManNAc)誘導体とピ
ルビン酸塩とのシアル酸アルドラーゼ触媒縮合により調
製した。6−O−アシル化ManNAc誘導体は、有機溶媒中
で安定であるように操作されたズブチリシン変異体(83
99又は8397)が触媒するDMF中でのエステル転移反応に
より調製した。Zhong等,J.Am.Chem.Soc.,113:683(199
1)。変異体は野生型より約100倍(8399の場合)から10
00倍(8397の場合)安定であるので、野生型酵素(BP
N′)を用いることもできるが多量の酵素を必要とす
る。
A.9−O−アセチル−N−アセチルノイラミン酸(化合
物201) 500mg(2.2ミリモル)のN−アセチルマンノサミンを
2mlのDMFに懸濁した。次いで、酢酸ビニル(1ml、5当
量)及び160mgのズブチリシン変異体8399[Zhong等,J.A
m.Chem.Soc.,113:683(1991)]を加え、この懸濁液を
室温で激しく攪拌した。反応の進行は、酢酸エチル/メ
タノール(2/1)を用いたTLCでモニターした。ジアセチ
ル化誘導体の生成が始まった5時間後に、酢酸ビニル及
びDMFを蒸発して反応を止めた。次いでメタノールを加
えて糖を溶解した。酵素と塩をろ別した後、ろ液を濃縮
した。残留シロップを酢酸エチル/メタノール(10/1)
を用いたシリカゲルでクロマトグラフィー処理して6−
O−アセチルN−アセチルマンノサミン(92%)をNMR
スペクトルに基づいてα/β混合物(3:1)として得
た。
α−アノマー:1H NMR(D2O)δ1.98(3H,s,NAc),2.06
(3H,s,OAc),3.58(1H,dd,J=9,9Hz,H−4),3.96(1
H,dd,J=3.5,9Hz,H−3),4.15−4.4(4H,m,H−2,5,6,
6′),5.04(d,J=0.9Hz,H−1a)。α/β混合物:13C N
MR(D2O)δ23.1,24.7,56.1,56.7,66.5,66.6,69.7,69.
8,71.3,72.4,74.6,76.6,95.8,95.9,176.7,176.8,177.6,
178.4。生成物は、プロテアーゼN反応で調製したもの
と同一であった。
10mM DTT、0.5Mピルビン酸塩、100mgの上記のように
調製した6−O−アセチルマンノサミン及び1.5mgのNeu
Acアルドラーゼ(36U)を10mlの0.1Mリン酸カリウムバ
ッファー(pH7.5)に溶解した。反応混合液を37℃で8
日間インキュベートした後、凍結乾燥した。凍結乾燥末
を少量の水に溶解し、Bio Gel P−2カラム(3×90c
m)に直接加え、4℃において流速6ml/40分で溶離し
た。生成物の加水分解による微量の混入NeuAcを除くた
めに、他にゲルろ過を必要とした。化合物201を収率47
%で得た。その物理的データは、発表されているデータ
と一致した。
B.9−O−ラクチル−N−アセチルノイラミン酸(化合
物202) ManNAc(200mg)及び50mgのズブチリシン変異体8399
を乳酸エチルエステル(4ml)と400mlの0.5Nリン酸塩バ
ッファー(pH7.5)の混合液に加えた。この混合液を50
℃で3日間振盪した。次いで、溶媒を蒸発し、残留物に
メタノールを加えた。不溶物質をろ別した後、ろ液を濃
縮した。残留物を酢酸エチル/メタノール(5/1)を用
いたシリカゲルでクロマトグラフィー処理して6−O−
ラクチルN−アセチルマンノサミンを収率50%で得た。
1H NMR(D2O)δ1.29(3H,d,J=7Hz,ラクチル−C
H3),1.91(3H,s,OAc),3.51(1H,dd,J=9.5,9.5Hz,H−
4),3.92(1H,dd,J=9.5,4.2Hz,H−3),4.16(1H,dd,
J=1.8,4.3Hz,H−2),4.2−4.4(3H,m,H−5,6),4.88
(d,J=0.9Hz,H−1a),4.97(d,J=1.3Hz,H−1b)。13C
NMR(D2O)δ20.10,22.76,22.93,54.17,54.81,65.1,6
7.6,67.91,69.43,70.61,93.87。C11H19NO2(M+)に対す
るHRMS:計算値293.1111;実測値293.1091。
化合物202を調製するために用いられる手順は、6−
O−アセチルN−アセチルマンノサミンの代わりに6−
O−ラクチルN−アセチルマンノサミンを用いる以外は
化合物201を調製するために用いたものと同様とした。N
euAcから生成物を分離するために、別にゲルろ過精製を
必要として化合物202を収率18%で得た。生成物の物理
的データは発表されている値と一致した。
C.7,9−ジフルオロ−7−エピ−5−デアミノノイラミ
ン酸(化合物205) 基質として4,6−ジデオキシ−4,6−ジフルオログルコ
ースを用いた以外は本明細書で記載したアルドラーゼ反
応を用いて化合物205を調製した。
HRMS:計算値271.0625;実測値271.0649。1H NMR(500M
Hz,D2O)δ4.7(m,H−7),4.5(dd,H−9,JH-F=47.5H
z,JH-H=3Hz),4.20(td,H−8,JH-F=18.5,JH-H=3.0H
z),3.93(m,H−6),3.84(m,H−4),3.47(t,H−5,J
H-H=10.5Hz),2.12(dd,H−3e,JHe-H4=2.6Hz,JHe-H3
=12.5Hz),1.74(dd,H−3a,JH-H4=12.5,JH3a-H3e=12
Hz)。ピークの帰属は、2D方法を用いて行った。
D.5−エピ−5−デアミノ−5−フルオロ−ノイラミン
酸(化合物206) アルドラーゼ基質として2−デオキシ−2−フルオロ
グルコースを用いた以外は本明細書で記載したアルドラ
ーゼ反応を用いて化合物206を調製した。
HRMS:計算値269.0673;実測値269.0651。13C NMR(D
2O,基準としてCD3OD)δ174.5(s,C−1),96.4(s,C−
2),34.5(s,C−3),65.5(d,C−4,JC−4,F−5=18
Hz),91.2(d,C5,JC−5,F−5=191Hz),70.7(d,C−
6,JC−6,F−5=18Hz),71.9(s,C−7),72.8(s,C−
8),63.5(s,C−9)。
E.3−デオキシ−L−グリセロ−L−ガラクト−2−ノ
ヌロソン酸(KDN)(化合物207) 10mlのリン酸カリウムバッファー(0.1M,pH7.5)に10
mM DTT、0.5Mピルビン酸塩、0.1M D−マンノース及び1.
5mgのNeuAcアルドラーゼを加えた。反応混合液を37℃で
3日間振盪した。この反応混合液をダウエックス−1
(HCO3 -)樹脂を用いてクロマトグラフィー処理し、0
〜1M重炭酸アンモニウム勾配で溶離した。KDNを含む画
分をプールし、凍結乾燥し、これを3回繰り返して揮発
性塩を除いて収率78%のKDNを得た。生成物の物理的デ
ータは発表されているものと一致した。
F.3,5−ジデオキシ−L−グリセロ−L−ガラクト−2
−ノヌロソン酸(5−デオキシ−KDN)(化合物208) D−マンノースの代わりに2−デオキシグルコース
(0.1M)を溶液に加え、調製手順は上記と同様とした。
反応混合液を5日間振盪し、化合物208を収率30%で得
た。生成物の物理的データは、発表されているデータと
一致した。
G.9−(ジメチルスルフィニル)−9−デオキシ−N−
アセチルノイラミン酸(化合物209) ManNAc(5.0g、2.6ミリモル)、Ac2O(10ml)及びピ
リジン(20ml)の溶液を室温で10時間攪拌し、この混合
液を濃縮した後、トルエンと共蒸発した。CH3NO2(150m
l)中残留物、ベンジルアルコール(20ml)、BF3OEt
2(1.6g、11.3ミリモル)の溶液を2.5時間穏やかに還流
した。冷却後、この混合液を濃縮した。残留物をトルエ
ン−EtOAc(1:2)を用いたシリカゲルでクロマトグラフ
ィー処理した。単離ベンジル2−アセトアミド−4,5,6
−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−a−D−マンノ
ピラノシドと0.15gのNaOMeをMeOH(100ml)に溶解し、
この溶液を室温で30分間攪拌し、ダウエックス50W−X8
(H+)を加えて中和した。樹脂をろ別した後、ろ液を濃
縮し、次いでピリジンと共蒸発した。ドライアイス−ア
セトン浴における無水DMF(30ml)中ベンジル2−アセ
トアミド−2−デオキシ−a−D−マンノピラノシド
(0.50g、1.6ミリモル)、2,6−ルチジン(0.34g、3.2
ミリモル)の冷却溶液にDMF中塩化ジメチルホスフィン
酸(1g、8.8ミリモル)の溶液を加え、この反応液を室
温まで徐々に加温した。反応を(1M NH4OAc/2−プロパ
ナール/EtOAc、1/2.4/3.4)を用いたTLCでモニターし
た。10時間後、反応混合液をシリカゲルクロマトグラフ
ィーに直接加え、CHCl3/EtOAc/MeOH(5/2/1)で溶離し
てベンジル2−アセトアミド−2−デオキシ−6−(ジ
メチル−ホスフィニル)−a−D−マンノピラノシド
(収率56%)を得た。
1H NMR(D2O)δ1.46(3H,d,J=13.4Hz,P−CH3),1.5
(3H,d,J=13.4Hz,P−CH3),1.89(3H,s,NAc),3.53(1
H,dd,J=8,8Hz,H−4),3.76(1H,dd,J=8,4.3Hz,H−
3),4.0(3H,m,H−5,6),4.18(1H,d,J=4.3Hz,H−
2),4.44(1H,d,J=9.2Hz,Bn−H−1a),4.55(1H,d,J
=9.2Hz,Bn−H−1b),4.76(1H,s,H−1),7.28(5H,
s,Bn)。
エタノール/水(10ml;1/1)中上記のように調製した
ベンジル2−アセトアミド−2−デオキシ−6−(ジメ
チル−ホスフィニル)−α−D−マンノピラノシド(10
0mg、0.26ミリモル)の溶液を50mgの10%Pd/Cで10時間
水素化した。反応の進行をTLC(EtOAc/AcOH/H2O、8/2/
1)でモニターした。触媒をろ過し、ろ液を濃縮して2
−アセトアミド−2−デオキシ−6−(ジメチルホスフ
ィニル)−α−D−マンノピラノシド(収率100%)を
得た。
1H NMR(D2O)δ1.51(6H,d,J=13.6Hz),1.94(3H,
s,NAc),3.45(2H,m),3.9(1H,dd,J=8,4.3Hz,H−
3),4.1(3H,m,H−5,6),4.87,4.98(1H,s,H−1)。
上記のように調製した2−アセトアミド−2−デオキ
シ−6−(ジメチルホスフィニル)−α−D−マンノピ
ラノシドとピルビン酸とのシアル酸アルドース触媒アル
ドール縮合を4日間行った。生成物をBio Gel P−2を
用いて4℃で精製して化合物209を収率42%で得た。
1H NMR(D2O)δ1.48(6H,d,J=14.2Hz,P−CH3),1.6
7(1H,dd,J=11,13Hz,H−3ax),1.9(3H,s,NAc),2.08
(1H,dd,J=5.3,13Hz,H−2eq),3.45(1H,d,J=9.3Hz,H
−7),3.8−4.0(6H,m,H−4,5,6,8,9)。
H.9−アジド−9−デオキシ−N−アセチルノイラミン
酸(化合物203) ピリジン(20ml)中ManNAc(5.0g、2.6ミリモル)及
びAc2O(10ml)の溶液を室温で10時間攪拌し、この混合
液を濃縮した後、トルエンと共蒸発した。CH3NO2(150m
l)中残留物、アリルアルコール(2.63g、45.2ミリモ
ル;3.1ml)、BF3・OEt2(1.60g、11.3ミリモル;1.39m
l)の溶液を2.5時間穏やかに還流した。冷却後、この混
合液を濃縮した。残留物をトルエン−EtOAc(1:2)を用
いたシリカゲルでクロマトグラフィー処理してアリル2
−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デ
オキシ−α−D−マンノピラノシドを6.47g(74%)で
得た; 1H NMR(CDCl3)δ1.99,2.05,2.06,2.12(3H,s,3×OA
c,NHAc),4.00−4.03(1H,m,H−5),4.07(1H,dd,J=
2.45,12.24Hz,H−6a),4.29(1H,dd,J=5.34,12.23Hz,H
−6b),4.63(1H,ddd,J=1.43,4.60,9.11Hz,H−2),4.
81(1H,d,J=1.43Hz,H−1),5.11(1H,t,J=10.18Hz,H
−4),5.36(1H,dd,J=4.59,10.19Hz,H−3),5.82(1
H,d,J=9.11Hz,NHAc);13C NMR(CDCl3)δ20.67,20.7
4,23.33,50.29,62.42,66.05,68.02,68.64,69.11,98.02,
118.42,132.83,169.89,169.96,170.08,180.55。
MeOH(100ml)中上記のように調製したアリル2−ア
セトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキ
シ−α−D−マンノピラノシド(6.46g、16.7ミリモ
ル)及びメタノール性NaOMe(2ml;1M溶液)の溶液を室
温で2時間攪拌し、ダウエックス50W−X8[H+]を加え
て中和した。樹脂をろ別し、ろ液を濃縮した後、ピリジ
ンと共蒸発した。ピリジン(20ml)及びCH2Cl2(30ml)
中塩化トリスルホニル(3.50g、18.3ミリモル)の溶液
をピリジン(30ml)及びCH2Cl2(50ml)中残留物の冷却
溶液に0−5℃で30分かけて滴下し、この混合液を室温
で10時間攪拌した後、冷却した。この混合液に酢酸無水
物(30ml)を加え、この混合液を室温で5時間攪拌し
た。この混合液を濃縮し、残留物をトルエン−EtOAc
(1:2)を用いたシリカゲルでクロマトグラフィー処理
してアリル2−アセトアミド−3,4−ジ−O−アセチル
−2−デオキシ−6−O−トリルスルホニル−α−D−
マンノピラノシド(3.68g、44%)を得た; 1H NMR(CDCl3)δ1.98(6H,s,2×Ac),2.04(3H,s,A
c),2.46(3H,s,トシルのCH3),3.96−4.00(1H,m,H−
4),4.10(1H,dd,J=4.50,11.50Hz,H−6a),4.30(1H,
dd,J=2.00,11.50Hz,H−6b),4.62(1H,ddd,J=1.50,4.
50,9.00Hz,H−2),4.78(1H,d,J=1.50,4.50,9.00Hz,H
−2),4.78(1H,d,J=1.50Hz,H−1),5.16(1H,t,J=
10.0Hz,H−4),5.33(1H,dd,J=4.50,10.0Hz,H−3),
6.03(1H,d,J=9.50Hz,NHAc);13C NMR(CDCl3)δ20.5
9,20.78,21.64,23.26,50.00,65.75,67.99,68.10,68.69,
69.20,98.04,118.37,127.89,129.89,132.79,170.28。C
22H29NO10S(M+)に対するHRMS:計算値500.1590;実測値
500.1590。
上記のように調製したアリル2−アセトアミド−3,4
−ジ−O−アセチル−2−デオキシ−6−O−トリルス
ルホニル−α−D−マンノピラノシド(3.68g、7.37ミ
リモル)及びNaI(2.21g、14.7ミリモル)の溶液を10時
間穏やかに還流し、冷却した。この混合液を濃縮し、残
留物をトルエン−EtOAc(1:2)を用いたシリカゲルでク
ロマトグラフィー処理してアリル2−アセトアミド−3,
4−ジ−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−6−ヨード−
α−D−マンノピラノシド(2.96g、88%)を得た; 1H NMR(CDCl3)δ1.99,2.05,2.08(3H,s,2×Ac,NHA
c),3.19(1H,dd,J=7.50,11.0Hz,H−6a),3.35(1H,d
d,J=3.0,11.0Hz,H−6b),3.71(1H,ddd,J=3.0,7.5,1
0.0Hz,H−5),4.63(1H,ddd,J=1.5,4.5,9.5Hz,H−
2),4.82(1H,d,J=1.5Hz,H−1),4.98(1H,t,J=10.
0Hz,H−4),5.36(1H,d,J=4.5,10.0Hz,H−3),5.79
(1H,d,J=9.5,NHAc);13C NMR(CDCl3)δ5.49,20.74,
23.34,50.17,68.51,69.11,70.07,97.76,118.54,132.75,
169.93,169.99。C15H22NO7I(M+)に対するHRMS:計算値
456.0519;実測値456.0520。
上記のように調製したアリル2−アセトアミド−3,4
−ジ−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−6−ヨード−
α−D−マンノピラノシド0.9gを10mlのDMFに溶解し、
3当量のNaN3を加え、この反応混合液を100℃で10時間
加熱した。
生成物は、TLC(酢酸エチル)によりヨード誘導体と
同一のRf値(0.7)を示した。しかしながら、TLCによる
アジド誘導体のUVは可視できなかったが、ヨード誘導体
のUVは可視できた。
溶媒を蒸発した後、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、3/2)に直接加
えてアリル2−アセトアミド−3,4−ジ−O−アセチル
−6−アジド−2,6−ジデオキシ−α−D−マンノピラ
ノシド(0.5g、69%)を得た; 1H NMR(CDCl3)δ1.92(3H,s,NHAc),1.98(3H,s,OA
c),1.99(3H,s,OAc),3.2(1H,dd,J=3,13Hz,H−6a),
3.27(1H,dd,J=6.5,13Hz,H−6b),3.87(1H,ddd,J=3,
6.5,11.7Hz,H−5),3.95(1H,dd,J=6,18Hz,アリル−
H−1a),4.11(1H,dd,J=6.18Hz,アリル−H−1b),4.
54(1H,ddd,J=2,5.5,9.8Hz,H−2),4.74(1H,d,J=2H
z,H−1),5.02(1H,dd,J=9.8,9.8Hz,H−4),5.14(1
H,dd,J=2,11.3Hz,アリル−H−3a),5.23(1H,ddd,J=
6,6,11.3,16Hz,アリル−H−2),6.17(1H,d,J=9.8H
z,NH);13C NMR(CDCl3)δ20.8,23.50,67.68,68.4,69.
2,97.5,117.8,132.4,169.8,170.1。
上記のように調製したアリル2−アセトアミド−3,4
−ジ−O−アセチル−6−2,6−ジデオキシ−α−D−
マンノピラノシドを0.2M MeONaを含む10mlのメタノール
に溶解した。5分間、この混合液にダウエックス50カチ
オン交換樹脂を加えて中和した。この樹脂をろ過し、ろ
液を濃縮してアリル2−アセトアミド−6−アジド−2,
6−ジデオキシ−α−D−マンノピラノシド(99%)を
得た。
1H NMR(CDCl3)δ2.03(3H,s,NAc),3.4−3.5(2H,
m,H−6a,6b),3.59(1H,dd,J=9.8,9.8Hz,H−4),3.75
(1H,m,H−5),4.02(1H,dd,J=9.8,5Hz,H−3),4.1
8,4.39(1H,dd,J=5,8.1Hz,H−2),4.74(1H,br−s,O
H),4.8(1H,s,H−1),4.87(1H,br−s,OH),5.23(1
H,dd,J=1.2,10Hz,アリル−H−3a),5.32(1H,dd,J=1
7,1.2Hz,アリル−H−3b),5.90(1H,dddd,J=6,6,10,1
7Hz,アリル−H−2),6.69(1H,d,J=8.1,NH)。
アリル2−アセトアミド−6−アジド−2,6−ジデオ
キシ−α−D−マンノピラノシド(200mg)、1.2当量の
PdCl2及び2.4当量のNaOAcの懸濁液を95%酢酸(5ml)に
溶解した。この反応液を室温で一晩攪拌し、濃縮した。
残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3/酢酸エ
チル/メタノール、5/2/2)で精製して2−アセトアミ
ド−6−アジド−2,6−ジデオキシ−α−D−マンノピ
ラノシドを収率31%で得た。
1H NMR(D2O)δ1.66(1H,3H,s,NAc),3.46(1H,dd,J
=9.8,9.8Hz,H−4),3.45−3.55(2H,m,H−6a,6b),3.
82(1H,m,H−5),3.87(1H,dd,J=4.6,9.8Hz,H−3),
4.15(1H,d,J=4.6Hz,H−2),4.88(d,J=1.2Hz,H−1
b),4.97(s,H−1a)。
50mgの6−アジド−6−デオキシ−N−アセチル−マ
ンノサミンと1.5mgのNeuAcアルドラーゼを10mM DTT及び
0.5Mピルビン酸塩を含む10mlの0.1Mリン酸カリウムバッ
ファー(pH7.5)に溶解した。出発物質は14時間で消費
された。この溶液を凍結乾燥し、Bio Gel P−2ゲルろ
過(3×90cm)クロマトグラフィーを用いて流速6ml/40
分で4℃において精製を行った。生成物を含む画分をプ
ールし、凍結乾燥して化合物203を収率84%で得た。
1H NMR(D2O)δ1.66(1H,dd,J=1,13Hz,H−3ax),1.
89(3H,s,NAc),2.05(1H,dd,J=4.4,13Hz,H−eq),3.3
1(1H,dd,J=5.8,12Hz,H−9a),3.37(1H,dd,J=1.2,10
Hz,H−7),3.45(1H,dd,J=3.3,12Hz,H−9b),3.7−3.
9(4H,m,H−4,5,6,8)。C11H18N4D8(M−H-)に対する
HRMS:計算値333.1046;実測値333.1046。
I.9−デオキシ−9−フルオロ−N−アセチルノイラミ
ン酸(化合物204) 上記のように調製したアリル2−アセトアミド−2−
デオキシ−α−D−マンノピラノシド2.0gと1.2当量の
塩化トリチルの溶液を72℃で10時間攪拌した。反応混合
液を0℃まで冷却した後、この混合液に2.5当量の塩化
ベンゾイルを加えた。この反応混合液を室温まで2時間
徐々に加温した。反応を完結させた後、氷水を加え、反
応混合液を酢酸エチルで抽出した。有機抽出液を1N HCl
で2回洗浄し、乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル
クロマトグラフィーに加え、ヘキサン/酢酸エチル(10
/1)で溶離してアリル2−アセトアミド−3,4−ジ−O
−ベンゾイル−2−デオキシ−6−O−トリチル−α−
D−マンノピラノシド(収率23%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ2.05(3H,s,NAc),3.87(1H,dd,J
=9.8,9.8Hz,H−4),4.05(1H,dd,J=6,12Hz,アリ
ル),4.1(3H,m,H−5,6,6′),4.2(1H,m,アリル),4.9
6(1H,d,J=11.3Hz,アリル),5.07(1H,d,J=11.3Hz,ア
リル),5.17(1H,m,アリル),5.97(1H,d,J=7.4Hz,NHA
c)。
80%酢酸(10ml)中上記のように調製した1.5gのアリ
ル2−アセトアミド−3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−
デオキシ−6−O−トリチル−α−D−マンノピロシド
の懸濁液を室温で一晩攪拌した。反応混合液を濃縮した
後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに加え、ヘ
キサン/酢酸エチル(5/1)で溶離してアリル2−アセ
トアミド−3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−
α−D−マンノピラノシド(収率90%)を得た。
1H NMR(D2O)δ2.0(3H,s,NHAc),3.78(2H,m,H−5,
6),4.04(1H,m,H−6),4.1(1H,m,アリル),4.23(1
H,ddd,J=1.26,5.73,12.7Hz,アリル),4.88(1H,dd,J=
4.56,9.24Hz,アリル),4.93(1H,d,J=1.06Hz,H−1),
5.24(1H,dd,J=1.25,10.5Hz,アリル),5.33(1H,dd,J
=1.4,17.2Hz,アリル),5.63(1H,dd,J=10.1,10.1Hz,H
−4),5.91(1H,dd,J=4.55,10.34Hz,H−3),5.95(1
H,m,アリル),6.83(1H,d,J=9.15Hz,HNAc)。
乾燥ジグリム(2ml)中(ジエチルアミノ)サルファ
トリフルオリド(0.5ml)の攪拌溶液に乾燥ジグリム(3
ml)中上記のように調製したアリル2−アセトアミド−
3,4−ジ−ベンゾイル−2−デオキシ−α−D−マンノ
ピラノシドの溶液を室温で加え、反応混合液を室温で1
時間及び40℃で3時間攪拌した。出発物質が消費された
後、反応混合液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。
抽出液を乾燥し、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマト
グラフィーに加えた。不純物をヘキサンで溶離した後、
生成物をエーテルで溶離してフッ化生成物を収率89%で
得た。次いで、生成物をメタノール中5mlの1Nナトリウ
ムメトキシドに溶解してベンゾイル基を除去した。20分
後、ダウエックス50W X−8[H+]を加えて反応混合液
を中和した。樹脂をろ過し、ろ液を濃縮してアリル2−
アセトアミド−2,6−ジデオキシ−6−フルオロ−α−
D−マンノピラノシドを収率99%で得た。生成物(50m
g)、1.2当量の酢酸パラジウム(II)及び2.5当量の酢
酸ナトリウムを95%酢酸中50℃で18時間攪拌し、溶媒を
減圧下で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフ
ィーに加え、酢酸エチル/メタノール(2/1)で溶離し
て2−アセトアミド−2,6−ジ−デオキシ−6−フルオ
ロ−α−D−マンノピラノシドを収率73%で得た。
1H NMR(D2O)δ1.9(3H,s,NAc),3.5(1H,dd,J=10.
3,10.3Hz,H−4),3.72(1H,m,H−5),3.93(1H,dd,J
=4.5,10.3Hz,H−3),4.16(1H,d,J=4.5Hz,H−2),
4.46(2H,m,H−6),4.9,5.0(1H,s,H−1)。
N−アセチルノイラミン酸アルドラーゼ(100U)の存
在下、0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.5、10ml)
中上記のように調製した2−アセトアミド−2,6−ジ−
デオキシ−6−フルオロ−α−D−マンノピラノシド
(20mg)及びピルビン酸ナトリウム塩(255mg、30当
量)の溶液を37℃で8日間インキュベートした。反応混
合液を凍結乾燥し、Bio Gel P−2カラムでクロマトグ
ラフィー処理して化合物204を収率22%で得た。物理的
データは発表されている数値と一致した。Sharma等,Car
b.Res.,175:25(1988)。
前記説明は、本発明を例示するものであるが、限定す
るものではない。本発明の新規な概念の真の精神及び範
囲を逸脱することなく種々の変更及び修正を行ってもよ
い。
配列表 (1)一般的情報 (i)出願人:ウオン(Wong)、チー−フェイ(Chi
−Huey)、イチカワ(Ichikawa)、ヨシタカ(Yoshitak
a)、シェン(Shen)、グウォー−ジェン(Gwo−Jenn) (ii)発明の名称:オリゴ糖酵素基質および阻害剤:
方法並びに組成物 (iii)配列数:3 (iv)通信用住所: (A)受信人:ドレスラー(Dressler),ゴールド
スミス(Goldsmith),シォアー(Shore),シュトカー
(Sutker)&ミルナモウ(Milnamow) (B)ストリート:スート4700,180 N.シュテット
ソン(Stetson) (C)市:シカゴ (D)州:イリノイ州(IL) (E)国:米国(USA) (F)ジップコード(ZIP):60601 (v)コンピュータ読み取り可能型: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピュータ:IBM PCコンパーチブル (C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウエアー:パテントインリリース(Pa
tentIn Release)#1.24 (vi)現出願日: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (viii)代理人情報: (A)氏名:ガムソンエドワード(Gamson,Edwar
d)P. (B)登録番号:29,381 (C)参照/事件番号:SCRF243.1 (ix)電気通信情報: (A)電話番号:3126165400 (B)ファクシミリ番号:3126165460 (2)配列同定番号:1(SEQ ID NO:1)情報 (i)配列の諸特性 (A)長さ:60塩基対(bp) (B)型:拡散 (C)ストランド形態:一本鎖 (D)形態:線状 (ii)分子型:DNA(ゲノム) (xi)配列の表示:SEQ ID NO:1 (2)SEQ ID NO:2に関する情報 (i)配列の諸特性 (A)長さ:67塩基対(bp) (B)型:拡散 (C)ストランド形態:一本鎖 (D)形態:線状 (ii)分子型:DNA(ゲノム) 配列の表示:SEQ ID NO:2 (2)SEQ ID NO:3に関する情報 (i)配列の諸特性 (A)長さ:10アミノ酸 (B)型:ペプチド (D)形態:線状 (ii)分子型:ペプチド 配列の表示:SEQ ID NO:3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 15/09 ZNA C12R 1:19 //(C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) (31)優先権主張番号 738,211 (32)優先日 平成3年7月30日(1991.7.30) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 852,409 (32)優先日 平成4年3月16日(1992.3.16) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 イチカワ ヨシタカ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92122 サン ディエゴ ショアライン ドライヴ 7150 (72)発明者 シェン グウォ ジェン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92009 カールスバド フォスカ スト リート 3340 (56)参考文献 特開 平2−174696(JP,A) 特開 平2−78693(JP,A) 特開 昭56−81595(JP,A) 特開 昭62−242692(JP,A) 米国特許4918009(US,A) 国際公開89/009275(WO,A1)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NeuAcα2、6Galβ1、4GlcNAcの合成法に
    おいて、水性溶液中で、かつそれぞれの存在下で、N−
    アセチルマンノースアミン、N−アセチルグルコースア
    ミン、グルコース−1−P、CMP、UDP、ATP、PEPおよび
    触媒量のNeuAcアルドラーゼ、ピルベートキナーゼ、無
    機ピロホスファターゼ、ガラクトシルトランスフェラー
    ゼ(EC 2.4.1.22)、UDP−グルコースピロホスホリラー
    ゼ(EC 2.7.7.9)、UDP−ガラクトース4−エピメラー
    ゼ(EC 5.1.3.2)、CMP−NeuAcシンセターゼ、およびα
    (2,6)−シアリルトランスフェラーゼを混合して、反
    応混合物を形成し、NeuAcα2、6Galβ1、4GlcNAcを形
    成するのに十分な条件下で十分な時間、該反応混合物を
    維持することを特徴とする上記合成法。
  2. 【請求項2】更に、該合成されたNeuAcα2、6Galβ
    1、4GlcNAcを回収する工程をも含む請求の範囲第1項
    記載の方法。
  3. 【請求項3】水性溶液中で、かつそれぞれの存在下で、
    N−アセチルマンノースアミン、N−アセチルグルコー
    スアミン、グルコース−1−P、CMP、UDP、ATP、PEPお
    よび触媒量のNeuAcアルドラーゼ、ピルベートキナー
    ゼ、無機ピロホスファターゼ、ガラクトシルトランスフ
    ェラーゼ(EC 2.4.1.22)、UDP−グルコースピロホスホ
    リラーゼ(EC 2.7.7.9)、UDP−ガラクトース4−エピ
    メラーゼ(EC 5.1.3.2)、CMP−NeuAcシンセターゼ、
    (2,6)−シアリルトランスフェラーゼ、GTP、フコース
    −1−ホスフェート、GDP−Fuc−ピロホスホリラーゼお
    よびα1,3−フコシルトランスフェラーゼを混合して、
    反応混合物を形成し、シアリルLexを形成するのに十分
    な条件下で十分な時間、該反応混合物を維持する工程を
    含むことを特徴とするシアリルLexの合成法。
  4. 【請求項4】更に、合成された該シアリルLexを回収す
    る工程をも含む請求の範囲第3項記載の方法。
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