JP3476004B2 - 分割型ブーツ並びにその接合方法及び加熱体 - Google Patents

分割型ブーツ並びにその接合方法及び加熱体

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heating
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自在継手等
の作動部分を密封するために用いられるブーツに関する
ものであり、特に、円周方向一部を分割した形状とする
ことによって、前記自在継手等に側方から装着可能にし
たものに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のブーツは、その軸方向両端の取
付部を、例えば自在継手のアウターレースおよびジョイ
ント軸に取り付けることによって、ブーツの蛇腹状に形
成された可撓部が柔軟に伸縮変形しつつ、前記自在継手
の作動部分に外部からの異物が侵入するのを防止すると
ともに、前記作動部分に充填したグリース等の油脂類を
密封するものである。
【0003】上記ブーツの一種に分割型のものがある。
従来技術に係る分割型ブーツは、ゴム製のブーツがその
円周方向一部で分割されていて、円周方向に互いに対向
する分割端部にはそれぞれ所定間隔で配置された複数の
雄型結合部材および雌型結合部材からなるファスナーが
一体的に設けられている。すなわち、装着の際には、分
割部を開くことによって自在継手等に側方から被せ、前
記ファスナーを結合するとともに接着剤で接着すること
によって、前記分割端部同士を互いに密接状態に接合す
るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ブーツは、その軸方向
両端の取付部を固定したアウターレースとジョイント軸
の軸心が互いに傾斜した状態で回転することによって、
回転の半周期毎に蛇腹部が屈伸動作を繰り返される。そ
して、分割型ブーツにおいては、互いに接着された分割
端部が繰り返し屈伸を受けると、硬化した接着剤層が疲
労によってクラック等の劣化を生じ、自在継手内のグリ
ースが早期に漏洩したりする虞が指摘される。また、フ
ァスナーの雄型結合部材および雌型結合部材を分割端部
に高精度で設ける必要があり、しかもこのファスナーは
シール性が低いためにコーティング剤等を塗布すること
によってシール性を確保する必要があり、更にはブーツ
の屈伸変形に対する追従性に乏しいために短期間で破損
する虞が指摘される。
【0005】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その主な技術的課題とするところは、分割
型ブーツの分割端部におけるシール性能および疲労強度
を向上させるとともに、装着時の作業性を向上させるこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は本
発明によって有効に解決することができる。
【0007】すなわち先ず、本発明の請求項1による分
割型ブーツは、円周方向一箇所が分割された筒状のブー
ツであって、円周方向に互いに対向し装着時に互いに一
体接合される分割端部にそれぞれ前記ブーツの軸方向断
面形状に沿って延びる凸条および凹条が形成され、一方
の分割端部側の凸条および他方の分割端部側の凹条は厚
さ方向片側で互いに掛合される形状を呈し、前記凹条に
おける非掛合側に前記凸条より長く突出しこの凸条およ
び前記一方の分割端部に跨がって接合される重合凸条が
形成され、前記分割端部は、溶着剤を塗布し、凸条と凹
条とを互いに挿し込み係合し、加熱体で加熱することに
より互いに接合され、前記重合凸条は、前記挿し込み係
合時に前記凸条を前記凹条に向けて案内するものである
ことを特徴とするものである。また、この構成において
一層好ましくは、前記ブーツの軸方向両端の取付部が、
前記ブーツより弾性に富むゴム状弾性材料からなり円周
方向一箇所が分割されたパッキンを介して相手材の外周
面に装着される。
【0008】また、本発明の請求項2による分割型ブー
ツは、上記した請求項1の分割型ブーツにおいて、当該
ブーツの蛇腹部の谷部における重合凸条の端部が、他方
の分割端部の端面と周方向同位置かまたはこの端面より
も周方向に後退して形成されていることを特徴とするも
のである。
【0009】
【0010】
【0011】また、本発明の請求項3による分割型ブー
ツの接合方法は、円周上の一箇所を分割した開放部を備
え、自在継手等の装着部材を覆ってから前記開放部を接
合することにより装着される分割型ブーツの接合方法で
あって、このブーツを自在継手等の装着部材の外周に装
着するときに、開放部の対向面に溶着剤を塗布し、袋に
発熱成分を収容してなり自己発熱性を備えた加熱体を
記開放部に接触または近接させ、前記開放部を前記加熱
体で加熱しながら溶着することを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】また、本発明の請求項4による加熱体は、
円周上の一箇所を分割した開放部を備え、自在継手等の
装着部材を覆ってから前記開放部を接合することにより
装着される分割型ブーツを接合するときに使用される加
熱体であって、袋に発熱成分を収容してなり自己発熱性
を備え、ブーツに固定され開放部に接触または近接して
前記開放部を加熱しながら溶着するものであることを特
徴とする。
【0016】また、本発明の請求項5による加熱体は、
上記した請求項4の加熱体において、当該加熱体がブー
ツの蛇腹形状に追随して変形するように、不定形性を備
えた袋に発熱成分を収容してなることを特徴とする。
【0017】更にまた、本発明の請求項6による加熱体
は、上記した請求項4の加熱体において、当該加熱体が
ブーツの蛇腹形状に沿って開放部に密着するように、当
該加熱体の外面に予め前記蛇腹の凹凸に沿った凹凸形状
が賦形されていることを特徴とする。
【0018】上記構成を備えた本発明の請求項1による
分割型ブーツによれば、自在継手等装着部材への装着状
態において互いに接合されたブーツの分割部は、良好な
シール性を確保される。これは、凸条および凹条が前記
ブーツの分割端部に連続的に延在されており、その互い
の合せ面同士が溶着によって一体化されるからであり、
また、凹条における非掛合側に前記凸条およびこれに連
続した一方の分割端部に跨がって接合される重合凸条が
形成されたことによって、大きな接合面積が確保される
からである。
【0019】また、凸条が、厚さ方向片側で凹条と掛合
される形状であることによって、掛合部を厚さ方向両側
に形成する場合に比較して前記分割端部を薄肉にするこ
とができる。このため前記凸条を凹条に挿し込み係合す
ることによって分割端部同士を仮結合する際の挿入抵抗
が少なくなるとともに、重合凸条が挿入の際のガイドと
なるため、前記仮結合作業を容易に行うことができ、し
かも繰り返し屈伸変形による応力の増大が抑えられるの
で、疲労耐久性が向上する。
【0020】また、ブーツの軸方向両端の取付部がこの
ブーツより弾性に富むゴム状弾性材料で成形されたパッ
キンを介して自在継手等相手部材の外周面に装着される
場合には、前記取付部におけるシール性を向上させるこ
とができる。
【0021】尚、上記請求項1によるブーツおける重合
凸条が当該ブーツの蛇腹部の全長に亙って設けられる
と、どうしても接合部の肉厚が厚くなる傾向が生じ、こ
れが繰り返し屈曲すると、特に蛇腹部の谷部の外面の応
力が大きいために、ここに早期に亀裂が発生することが
懸念されることがある。したがってこのような場合には
本発明の請求項2によるブーツのように、当該ブーツの
蛇腹部の谷部における重合凸条の端部を、他方の分割端
部の端面と周方向同位置かまたはこの端面よりも周方向
に後退するように形成するのが好適であり、このように
すれば谷部における接合部の肉厚が縮小されるために、
発生応力を縮小することが可能となる。また、凹条にお
ける非掛合側であって蛇腹部の山部と、山部と谷部とを
繋ぐ斜面部とに、凸条より長く突出しこの凸条および一
方の分割端部に跨がって接合される重合凸条を形成する
ことにしても、同様の作用効果が奏される。
【0022】
【0023】また、本発明の請求項3によるブーツの接
合方法においては、その開放部の対向面にファスナーを
取り付けることなくブーツを製作し、このブーツを自在
継手等の装着部材の外周に装着するときに、開放部の対
向面に溶着剤を塗布して対向面を互いに溶着する。また
このように開放部を溶着するときに開放部に自己発熱性
を備えた加熱体を接触または近接させ、開放部をこの加
熱体で加熱しながら溶着し、これにより溶着反応ないし
接合反応を促進させる。溶着により接合された開放部
は、対向面同士が一体化するためにシール性に優れ、し
かも蛇腹部の変形に追随して自在に変形することが可能
となる。自己発熱性を備えた加熱体としては、鉄粉、
水、活性炭および食塩あるいは金属酸化物および水等を
主成分として主に酸化反応あるいは還元反応により発熱
するものを使用するのが好適であり、更にその他のもの
であっても自己発熱性を備えたものであれば、それを使
用することも可能である。自己発熱性を備えるとは、使
用に際して自ら発熱作用を奏し、発熱のために外部から
電力等のエネルギー供給を必要としないことを云う。溶
着による優れた接合性を確保するには、分割型ブーツの
材質を熱可塑性エラストマーとするのが好ましく、特に
ブーツとしての性能を十分に発揮させるためにも、高強
度で耐久性に優れたポリウレタン系の熱可塑性エラスト
マーまたはポリエステル系の熱可塑性エラストマーとす
るのが好適である。
【0024】また本発明において、開放部の接合に使用
される加熱体は、紙、不織布または布等の通気性を備え
た袋に、鉄粉、水、活性炭および食塩あるいは金属酸化
物および水等を主成分とする発熱成分を収容したもので
あって、この加熱体を包んだ遮蔽性フィルム状の外袋を
開くと空気中の水分が鉄分に触れて、この鉄分が酸化反
応を起こすか、あるいは金属酸化物と水が反応して還元
反応を起こす。したがってこれに伴って高熱が発生し、
この高熱により開放部を加熱溶着することが可能とな
る。またブーツの外面に蛇腹部による凹凸(山谷)があ
るにもかかわらず加熱体の熱が開放部に普く伝達される
ように、加熱体はこれを、不定形性を備えた袋に発熱成
分を収容したり、あるいは加熱体の外面に予め蛇腹の凹
凸に沿った凹凸形状を賦形したりして、開放部の外面全
体に加熱体を密着させるのが好適である。これにより蛇
腹の凸部(山部)のみならず凹部(谷部)に対しても加
熱体が密着または接近して凹部の温度が凸部の温度とそ
れほど変わらずに上昇するために、開放部全体の温度を
普く上昇させることが可能となり、これにより結果的に
溶着時間を短縮することが可能となる。
【0025】また例えば、開放部を加熱するのに、熱風
を噴き付けるドライヤーを使用すると、溶着部が十分に
乾燥するまで人がドライヤーを持って付き切りで作業し
なければならず、しかも溶着の途中で開放部が開かない
ように拘束手段を別途設けて開放部を閉止状態に維持し
なければならない。またドライヤーによる熱風の噴き付
けには、熱風が噴き付けられた部分と噴き付けられてい
ない部分とで温度に大きなばらつきが発生する虞があ
る。これに対して、ブーツの開放部の外面に加熱体を固
定して溶着を行なうようにすれば、乾燥時に人が付かな
くても作業を進行させることが可能となり、拘束手段を
別途設けなくても溶着部が乾燥するまで開放部を閉止状
態に維持することが可能となり、しかも加熱温度もこれ
を一定にし易くなる。また電源設備や発熱ライト等の外
部からの熱エネルギー源も不要となる。ブーツの開放部
の外面に加熱体を固定する方法としては、粘着シート、
粘着テープ、結び紐、伸縮布またはマジックテープ等の
取付手段を用いるのが好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】第一実施形態・・・ 図1ないし図3は、本発明に係る分割型ブーツの好適な
一実施形態を示すものである。まず図1において、参照
符号1は全体が熱可塑性エラストマーで成形されたブー
ツである。
【0027】熱可塑性エラストマーとは、よく知られて
いるようにTPEと略称されるもので、常温ではエラス
トマー(ゴム状弾性体)としての性質を有し、高温では
塑性流動性を示し、すなわち常温ではエントロピー弾性
を有するゴム成分と塑性変形を防止する拘束成分とが結
合した分子構造あるいはミクロ分散構造を有するもの
で、優れた耐オゾン性、強度、耐寒性、耐グリース性、
耐疲労性を有する例えばポリウレタン系熱可塑性エラス
トマー(TPU)や、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー(TPEE)等がある。
【0028】本実施形態において好ましくは、ブーツ1
の材料としては通常のゴム材料に比較して強度、耐オゾ
ン性および疲労耐久性に優れたポリウレタン系熱可塑性
エラストマーが採用される。また、数平均分子量が15
00〜2500のポリオキシメチレングリコール、鎖延
長剤および有機ジイソシアネートを反応させることによ
って得られるポリエーテルタイプのポリウレタン系熱可
塑性エラストマーであって、温度200℃における溶融
粘度が0.5×10〜1.0×10ポイズのものは
耐水性および成形性に優れており、一層好適である。こ
の場合、例えば前記ポリオキシメチレングリコール、鎖
延長剤、有機ジイソシアネートのNCO指数(NCO当
量数/OH当量数)が1.0〜1.1であり、また、前
記鎖延長剤は例えば炭素数2〜10の低分子量ジオール
であり、また、前記有機ジイソシアネートは、例えば
4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0029】ブーツ1は、軸方向一端に形成された小径
の取付部11と、軸方向他端に形成された大径の取付部
12と、これら両取付部11,12の間に円周方向に延
びる山部13aおよび谷部13bが反復的に形成された
薄肉の蛇腹部13とを有している。前記取付部11,1
2の外周面には、それぞれ円周方向に延びるバンド取付
溝11a,12aが形成されており、このバンド取付溝
11a,12aにそれぞれ、前記取付部11,12を例
えば自在継手のジョイント軸およびアウターレースの外
周面に緊結するためのバンドが巻装されるようになって
いる。
【0030】図1におけるII−II´断面図である図
2に示すように、ブーツ1は、その円周方向一箇所で分
割されており、その円周方向両側で互いに対向する分割
端部14,15は、蛇腹部13を延びる部分が内周側へ
向けて肉厚を増大させた形状となっており、すなわち前
記蛇腹部13よりも適宜厚肉に形成されている。
【0031】ブーツ1の一方の分割端部14には、凸条
16が他方の分割端部15との対向方向に突出形成され
ており、他方の分割端部15には、前記凸条16と対応
する溝状の凹条17が形成されている。これら凸条16
および凹条17は、前記ブーツ1の断面形状に沿って蛇
腹部13の軸方向全長にわたって延在されている。
【0032】図3に示すように、凸条16は、ブーツ1
における一方の分割端部14の端面14aの内周に偏在
した位置から突出した首部161と、その先端に形成さ
れた頭部162とからなり、この頭部162は、前記首
部161の外周面161aから外周側へ立上る掛合段差
部162aと、この掛合段差部162aの外周縁から先
端162cへ向けて小径になる外周テーパ面162bと
を有している。この凸条16の内周面16aは、前記一
方の分割端部14の内周面14bと連続した平坦な面を
構成している。
【0033】凹条17は、上述の凸条16と対応する断
面形状を呈するものであって、すなわち前記他方の分割
端部15における一方の分割端部14側を向いた端面1
5aから延びる首部受入部171と、その奥に拡張形成
された頭部受入部172とからなり、この頭部受入部1
72は、前記首部受入部171の外径面171aから外
周側へ立上る掛合段差部172aと、この掛合段差部1
72aの外周縁から前記分割端部14の内部へ向けて小
径になる外径テーパ面172bとを有している。また、
この凹条17の内周側は、前記一方の分割端部14側へ
向けて凸条16の突出長さよりも長く延びる重合凸条1
73となっており、その外周面173aは前記凸条16
の内周面16aおよびこれと連続した一方の分割端部1
4の内周面14bと対応して形成されている。
【0034】凸条16は、その厚さ方向片側(外周側)
にのみ掛合段差部172aが形成され、凹条17もこれ
に対応する形状であるため、図4に示すように、凸条1
6´および凹条17´の外周および内周の双方に掛合段
差部a,bを形成した場合に比較すると、分割端部1
4,15の肉厚tを小さくすることができる。
【0035】図1に示すように、ブーツ1の軸方向両端
の取付部11,12の内周には、それぞれパッキンとし
てのグロメット2,3が配置される。このグロメット
2,3は、ブーツ1を形成している熱可塑性エラストマ
ーよりも弾性に富み耐油性、耐寒性および圧縮永久歪に
対して優れた特性を持つ例えばNBR(ニトリルゴム)
等のゴム材で成形されており、ブーツ1と同様、円周方
向少なくとも一箇所が分割されている。
【0036】ブーツ1の小径側の取付部11の内周に配
置されるグロメット2は、その外周面に前記取付部11
の内周部と嵌合可能な帯状嵌合溝21が形成され、内周
面に円周方向に連続したシール凸条22が形成されてい
る。同様に、ブーツ1の大径側の取付部12の内周に配
置されるグロメット3は、その外周面に前記取付部12
の内周部と嵌合可能な嵌合段差部31が形成され、内周
面に円周方向に連続したシール凸条32が形成されてい
る。
【0037】以上の構成を備える分割型ブーツは、先に
説明したように、例えば図示されていない自在継手の密
封手段として装着される。この装着に際しては、ブーツ
1の分割部を開き、小径側の取付部11が前記自在継手
のジョイント軸側、大径側の取付部12がアウターレー
ス側となるように、側方から前記自在継手に被せ、一方
の分割端部14の凸条16と他方の分割端部15の凹条
17を図3(A)に示す分離状態から、図3(B)に示
すように挿し込み嵌合することによって、前記分割端部
14,15同士を仮結合する。
【0038】上記仮結合過程では、凸条16は、凹条1
7の内周から分割端部14側へ向けて長く突出した重合
凸条173によって案内される。そして凸条16の頭部
162が凹条17の首部受入部171へ挿入されて行く
と、前記頭部162の外周テーパ面162bとの干渉に
よって凹条17が一旦開かれるように変形し、前記頭部
162が凹条17の頭部受入部172内に完全に挿入さ
れることによって、図3(B)に示すように、前記凸条
16と凹条17は互いにほぼ密接嵌合状態となる。熱可
塑性エラストマーからなるブーツ1は、図2に示される
ように分割部がある程度開いた形状に成形されているの
で、前記熱可塑性エラストマーの有する弾性によって開
こうとするが、図3(B)に示す状態では前記掛合段差
部162a,172aが互いに掛合しているので、前記
仮結合状態が維持される。
【0039】自在継手のジョイント軸外周面には、グロ
メット2が側方から抱きつくように配置され、ブーツ1
の小径側の取付部11は、内周部が前記グロメット2の
外周面に形成された帯状嵌合溝21と嵌合するように配
置されるとともに、バンド取付溝11aに巻装される金
属バンドによって緊結される。同様に、前記自在継手の
アウターレース外周面には、グロメット3が側方から抱
きつくように配置され、前記ブーツ1の大径側の取付部
12は、内周部がこのグロメット3の外周面に形成され
た嵌合段差部31と嵌合するように配置されるととも
に、バンド取付溝12aに巻装されるもう一本の金属バ
ンドにより緊結される。
【0040】すなわち、熱可塑性エラストマーからなる
ブーツ1の取付部11,12は、相手材との馴染みが良
く弾性に富むニトリルゴム等からなるグロメット2,3
を介して自在継手のジョイント軸外周面およびアウター
レース外周面に定着される。特に、前記取付部11,1
2とグロメット2,3は外周からの金属バンドの緊結力
によって凹凸嵌合状態で密接されていること、およびグ
ロメット2,3のシール凸条11b,12bにおいて前
記ジョイント軸外周面及びアウターレース外周面に対す
るシール面圧が局部的に大きくなることによって、良好
なシール状態が得られる。
【0041】凸条16と凹条17とを互いに挿し込み係
合することにより仮結合された分割端部14,15は、
例えば溶着剤を用いて溶着するといった手法により接合
する。この場合、前記溶着剤は、予め分割端部14,1
5の互いの接合面、前記凸条16と凹条17および重合
凸条173との接合面に滴下して行き渡らせる。これに
よって、前記接合面の表層部の熱可塑性エラストマーが
一時的に溶け合い、溶着剤が蒸発することによって連続
した熱可塑性エラストマー組織が形成され、一体的な接
合状態となる。
【0042】ブーツ1がポリエーテルタイプのポリウレ
タン系熱可塑性エラストマーで成形されたものである場
合は、分割端部14,15の接合に用いられる溶着剤と
しては、前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマーをジ
メチルホルムアミドおよびテトラハイドロフラン(TH
F)を混合したものからなる溶媒に溶解して粘度(mP
a・s)100〜10000に調整したものが好適であ
る。すなわち、粘度をこのように調整することによっ
て、この溶剤の塗布の際に液垂れが生じにくく、作業性
を向上させることができる。また、前記溶媒としては、
酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、シクロヘキサノンやクロロホルム等を前記ジメチ
ルホルムアミドに少量加えた混合溶媒を用いることもで
きる。
【0043】凸条16と凹条17により仮結合された分
割端部14,15の接合方法としては、上述した溶着剤
による溶着あるいは加熱による融着ドープセメントによ
る接着といった手段を採用することもできる。このう
ち、融着による接合においては、前記分割端部14,1
5の嵌合部を一時的に加熱するかあるいは高周波振動を
加えるといった方法が好適である。すなわち前記分割端
部凸条16と凹条17の嵌合面における熱可塑性エラス
トマーを一時的に加熱溶融させ、連続した熱可塑性エラ
ストマー組織を形成することによって接合するものであ
る。
【0044】上述の作業によって、ブーツ1の分割端部
14,15は互いに一体的に接合され、特に、重合凸条
173によって広い接合面積が確保されているために、
自在継手内部のグリースが前記分割端部14,15の接
合部から漏れ出したり、あるいは外部から泥水やダスト
が前記分割端部14,15の接合部から侵入するのを有
効に防止することができる。前記分割端部14,15は
蛇腹部13に比較して厚肉に形成されるが、先に説明し
たように、断面形状が図4に示すキノコ状の掛合構造と
したものより薄肉にして柔軟な屈伸変形性を確保するこ
とができる。しかもこのため、前記分割端部14,15
における疲労耐久性を向上させて、接合面の早期剥離等
を防止することができる。
【0045】尚、このように分割端部14,15を薄肉
化しても、なお、重合凸条17aが当該ブーツ1の蛇腹
部13の全長に亙って設けられていることにより蛇腹部
13の谷部13bに応力集中による亀裂が発生すること
が懸念される場合には、以下のように対処するのが有効
である。
【0046】すなわち先ず、図5および図6に示すよう
に、当該ブーツ1の蛇腹部13の谷部13bにおける重
合凸条173の端部173aを他方の分割端部15の端
面15aと周方向同位置に面一状に形成し、これにより
谷部13bにおける重合凸条173の周方向長さ(図6
(B)参照)を山部13aとこの山部13aと谷部13
bとを繋ぐ斜面部13cとにおける重合凸条173の周
方向長さ(図6(A)参照)よりも短くし、これにより
谷部13bにおける分割端部14,15の厚さを実質薄
肉化する(第二実施形態)。
【0047】または、図7に示すように、当該ブーツ1
の蛇腹部13の谷部13bにおける重合凸条173の端
部173aを他方の分割端部15の端面15aよりも周
方向に後退するように形成し、これにより谷部13bに
おける重合凸条173の周方向長さ(図7(B)参照)
を山部13aと斜面部13cとにおける重合凸条173
の周方向長さ(図7(A)参照)よりも短くし、これに
より谷部13bにおける分割端部14,15の厚さを実
質薄肉化する(第三実施形態)。
【0048】または、図8および図9に示すように、重
合凸条173をもともと当該ブーツ1の蛇腹部13にお
ける山部13aと斜面部13cとのみに設け(図9
(A)参照)、谷部13bに設けないようにし(図9
(B)参照)、これにより谷部13bにおける分割端部
14,15の厚さを実質薄肉化する(第四実施形態)。
【0049】したがって、これらの構成によって谷部1
3bにおける分割端部14,15の厚さを薄肉化すれ
ば、谷部13bに応力が集中しにくくなり、よって応力
集中による亀裂の発生を有効に防止することができ、谷
部13bの応力低減、疲労性向上および寿命延長を実現
することができる。
【0050】尚、本願発明者らが行なった比較試験(試
験条件は下記のとおり)によると、従来品が70〜11
5Hrの作動で亀裂が発生したのに対して、本発明試作
品は500Hrの作動でも亀裂が発生しなかった。
【0051】試験条件:−20℃×10〜20deg×
300rpm×30cpm
【0052】また、分割端部14,15の接合面、特に
他方の分割端部15の接合面(溝側の面)を粗面状に形
成することにより、溶剤の濡れ性を確保し、溶剤の保持
性を向上し、接着性を向上させることも可能である。
【0053】また、図1ないし図3の説明に戻って、ブ
ーツ1は通常のゴム材料に比較して強度、耐オゾン性お
よび疲労耐久性に優れ、かつ耐水性を有する熱可塑性エ
ラストマーで成形したものであるために、接合部の疲労
破損によるグリースの漏れ等を生じにくく、優れた耐久
性を発揮する。
【0054】尚、上記実施形態において、例えばパッキ
ンとしてのグロメット2,3は、ブーツ1の取付部1
1,12の内周に予め嵌合等の手段によって組み込んだ
り、あるいは接着等によりブーツ1と一体化することも
可能である。
【0055】当該実施形態の具体的な実施例について、
比較例とともに製品耐久試験および材料耐水性試験を行
なった。
【0056】〈実施例〉 数平均分子量が1700のポリオキシメチレングリコー
ル:660部、鎖延長剤として1、4−ブタンジオー
ル:55部を混合し、理論量に相当する有機ジイソシア
ネートとして4,4‘ジフェニルメタンジイソシアネー
ト:252.5部を加え、160℃で10分間反応させ
ることによって得られるポリエーテルタイプのポリウレ
タン系熱可塑性エラストマーによって、図1および図2
に示す形状の分割型ブーツを射出成形した。ブーツ1の
分割端部14,15の接合は、溶着剤での溶着によって
行ない、前記溶着剤としては、接合対象と同材質のポリ
エーテルタイプのポリウレタン系熱可塑性エラストマー
をジメチルホルムアミドからなる溶媒に溶解し、粘度
(mPa・s)1000に調整したものを用いた。前記
溶着剤塗布後、15分間安定に保持した。
【0057】〈比較例〉 ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(サントプレン
101−87:AES株式会社製)を用いて、図1およ
び図2に示す形状の分割型ブーツを射出成形した。ブー
ツ1の分割端部14,15の接合は、溶着剤での溶着に
よって行い、前記溶着剤としては、ジメチルホルムアミ
ドを用い、前記溶着剤塗布後、15分間安定に保持し
た。
【0058】評価方法 1.製品耐久試験 上述のように作製した実施例および比較例の各ブーツを
揺動回転試験装置に装着し、耐久時間を測定した。耐久
時間は、運転開始後ブーツからのグリース漏れが発生し
た時間で判定した。 [試験条件] 温度 :室温 揺動角度 :25〜40° 揺動サイクル:30回/min 回転数 :600rpm
【0059】試験結果は次のとおりであった。
【0060】先ず、製品耐久試験においては、比較例で
は試験開始後20分でグリース漏れの発生が認められた
のに対し、実施例ではグリース漏れの発生まで280分
を要し、ポリエーテルタイプのポリウレタン系熱可塑性
エラストマーで成形した分割型ブーツが一層耐久性に優
れていることが確認された。
【0061】尚、ブーツ1の材料としては、ポリエステ
ルタイプのポリウレタン系熱可塑性エラストマーを採用
しても、上述と同様の効果を得ることができる。また図
示の実施形態においては、凸条16が外周側で凹条17
と掛合する形状としたが、内周側で凹条17と掛合して
この凹条17の外周側に重合凸条173を有する形状と
することもできる。
【0062】第五実施形態・・・ 図10に示すように、当該第二実施形態に係る分割型ブ
ーツ1は、全体として筒状を呈し、一端開口部に環状の
小径側取付部(固定部とも称する)11を備えるととも
に他端開口部に小径側固定部11より大径の環状の大径
側取付部12を備え、更に両取付部11,12の間に蛇
腹部13を一体成形したものであって、その全体を熱可
塑性エラストマーによって成形されている。この熱可塑
性エラストマーはポリウレタン系の熱可塑性エラストマ
ーである。またこのブーツ1は、その円周上の一箇所を
全長に亙って分割開放した開放部(接合部または切断部
とも称する)18を備えており、この開放部18を、自
己発熱性を備えた加熱体(加熱剤、発熱体または発熱剤
とも称する)によって加熱しながら溶着することにより
接合するものである。
【0063】また、このブーツ1は、開放部18の対向
面18a,18bにファスナーを取り付けることなく製
作され、装着時に開放部18を開いてこの開放部18か
ら当該ブーツ1を自在継手等に被せ、次いで開放部18
を接合することにより自在継手の外周に装着される。こ
のとき小径側取付部11はバンドによって駆動軸側に固
定され、大径側取付部12は同じくバンドによって自在
継手側に固定される。
【0064】図11に示すように、加熱体41は、紙、
不織布または布等よりなる通気性を備えた袋42の内部
に、鉄粉、水、活性炭および食塩あるいは金属酸化物お
よび水等を主成分とする発熱成分(図示せず)を収容し
たものであって、その使用に際して遮蔽性フィルムより
なる外袋(図示せず)を開くと空気中の水分が鉄分に触
れて、この鉄分が酸化反応を起こすか、あるいは金属酸
化物と水が還元反応を起こす。したがってこれに伴って
高熱が発生し、この高熱により開放部18を加熱溶着す
ることができる。発熱成分を収容した袋42は、自在に
変形する不定形性を備えており、またこの袋42の一面
が加熱体41をブーツ1の開放部18の外面に固定する
ことができるように、粘着シートを貼り付ける等して粘
着面43とされており、同じ面に高熱を発する発熱面4
4が設定されている。
【0065】尚、前述の加熱は化学反応型の発熱材料を
用いているが、これ以外に結晶性物質の過冷却状態から
結晶化する際に発熱する相変化型の蓄熱材料なども使用
できる。蓄熱材料の例としては、酢酸ナトリウム水和物
などである。前者の粉体状の物質に対し、液状であるの
でブーツの形状に更に馴染み易い。
【0066】図12および図13に示すように、この加
熱体41はブーツ1の開放部18の外面にこの開放部1
8を跨ぐように貼着され、この貼着力によって溶着作業
中、開放部18が開かないように開放部18を閉止状態
に保つ。またブーツ1の蛇腹部4の外面の凹凸(山谷)
に沿って袋42が適宜変形して凹凸に対して広い面積で
密着するために、加熱体41に発生する熱が効率良く開
放部18に伝達される。したがってこのように効率良く
伝達される高熱により開放部18を効率良く加熱溶着す
ることができる。また図14(A)、図15に示すよう
に、加熱体41の外面に予め凹凸形状45を形成して、
この凹凸形状45を蛇腹部4の外面の凹凸に合わせて配
置するようにしても、加熱体41の発熱面44をブーツ
1に対して広い面積で接触させることができる。図14
(A)の加熱体41は複数の凹凸を備えており、図15
の加熱体41は凸部を一つ備えている。また、加熱体4
1を保管しておく際には、図14(B)のように凹凸形
状に外面を折り畳んでおくために、外面を伸縮性のある
素材、例えば、ナイロンタイツ、ナイロンストッキング
等で構成し、空気中の水分等から遮蔽可能なようにパッ
クすることが良い。
【0067】加熱体41をブーツ1の外面に固定する取
付手段については、上記した粘着シートの他に様々な固
定手段が考えられ、図16および図17はそれぞれその
一例を示している。図16の例では、加熱体の一つとし
て、市販のカイロのような加熱体41の両側に複数の結
び紐46が取り付けられており、この結び紐46をブー
ツ1の外周に巡らして先端部同士を結び付ける。また図
17の例では、同じく市販のカイロのような加熱体41
の両側に一対の伸縮布47が取り付けられるとともにこ
の伸縮布47に複数のマジックテープ48が取り付けら
れており、伸縮布47をブーツ1の外周に巡らしてマジ
ックテープ48同士を重ねて閉じ合わせる。したがって
何れの場合も、結び紐46または伸縮布47によりブー
ツ1を外周から拘束するために開放部18を閉止状態に
保つことができ、また加熱体41が蛇腹部4の外面の凹
凸に沿って変形するために、この加熱体41の発熱面4
4を開放部18の外面に密着させることができる。布製
の取付手段には、これが平面状であってブーツ1の外周
を覆うために保温効果があり、これにより溶着部の温度
を均一化し、溶着を促進させる効果がある。
【0068】上記ブーツ1を自在継手等の装着部材の外
周に装着するに際しては、上記したように先ず、このブ
ーツ1によって自在継手等を覆ってから開放部18の対
向面18a,18bに溶着剤を塗布し、次いで対向面1
8a,18bを閉じ合わせて開放部18を閉塞する。次
いで上記した各種の取付手段を利用して開放部18の閉
止状態を維持するとともに加熱体41を開放部18の外
面に密着させ、発熱させる。そして所要時間の経過を待
ってブーツ1から加熱体41を取り外すと、加熱体41
の発熱作用に促されて比較的短時間で開放部18が加熱
溶着され、これをもって装着作業を完了することができ
る。
【0069】したがって、この方法によれば、ブーツ1
の製作に際して、開放部18の対向面18a,18bに
ファスナーを正確に取り付けなければならないと云う面
倒な作業を省略することができ、これにより先ず、ブー
ツ1の製作を容易化することができる。
【0070】また、ブーツ1の装着に際して、開放部1
8の外面に加熱体41を取り付けてこの加熱体41を発
熱させるだけで良いために、溶着作業中、人は作業現場
を離れることができる。したがってブーツ1の開放部1
8の接合作業ないしブーツ1の装着作業を容易化するこ
とができる。
【0071】また、溶着接合された開放部18は、対向
面18a,18b同士が溶着により一体化されるために
シール性に優れたものである。したがって対向面18
a,18bに別途コーティング剤あるいはシーラント等
を塗布する作業を省略することができ、この点からも開
放部18の接合作業ないしブーツ1の装着作業を容易化
することができる。
【0072】更にまた、溶着接合された開放部18が蛇
腹部4の変形に追随して自在に変形するために、当該ブ
ーツ1は開放部118の変形追随性にも優れている。し
たがって開放部18が短期間で破損するのを防止し、そ
の耐久性を向上させることができる。
【0073】つぎに、本願発明者らは、当該実施形態に
係る溶着構造の性能比較試験を行なったので、以下にそ
の内容と結果を説明する。
【0074】この性能試験の第一は、接合した開放部1
8の剥離テストであり、接合した開放部18を手で剥し
た場合の状態を以下のように評価したものである。 ○:剥離せず △:開放部の50%が剥離した ×:開放部の全てが剥離した
【0075】また、この性能試験の第二は、接合した開
放部18の作動状態評価であり、接合後、ブーツ1をジ
ョイントに組み込み、最大角度40度で10回転させた
後の開放部18の状態を以下のように評価したものであ
る。 ◎:口開き無し ○:極く小さな(2mm以下)口開き1箇所あり △:極く小さな(2mm以下)口開き数箇所あり ×:口開き(2mm以上)数箇所あり
【0076】〈実施例1〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18を溶着後、図11に示した加熱体
41を開放部18に当てて、10分間保持した。
【0077】〈実施例2〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18を溶着後、図14に示した加熱体
41を開放部18に当てて、10分間保持した。
【0078】〈実施例3〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18を溶着後、図15に示した加熱体
41を開放部18に当てて、10分間保持した。
【0079】〈実施例4〉 ポリエステル系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18を溶着後、図11に示した加熱体
41を開放部18に当てて、10分間保持した。
【0080】〈比較例1〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18を溶着後、加熱体41を開放部1
8に当てずに、10分間保持した。
【0081】〈比較例2〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18を溶着後、加熱体41を開放部1
8に当てずに、30分間保持した。
【0082】〈比較例3〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18を溶着後、加熱体41を開放部1
8に当てず、その代わりにドライヤーで10分間加熱し
た。
【0083】試験結果は、図18の表に示すとおりとな
り、これにより本発明の有効性を確認することができ
た。
【0084】また、本発明が提供する溶着剤は、以下の
ようなものである。
【0085】すなわち、熱可塑性エラストマーよりなる
分割型ブーツ1の開放部18を溶着剤による溶着ではな
く接着剤による接着または加熱融着によって接合しよう
とすると、以下のような問題が生じることが懸念され
る。
【0086】すなわち先ず、開放部18を接着剤によっ
て接着する場合には、開放部18を接着することはでき
ても接着剤がブーツ1の動きに対して追随できないもの
であるために、開放部18が剥離する虞がある。これに
対して本発明のように開放部18を溶着剤により溶着す
れば、溶着後に接合部とブーツ本体とが一体化するため
に、接合部がブーツ1の動きに対して追随することがで
きるようになる。
【0087】また、接着剤による接着には、実際の整備
工場等での組付け作業(30分以内で接着作業が完了す
ることが望ましい)に適するものがない。すなわち、瞬
間接着剤タイプでは、接着作業が完了する前に失効して
しまい、開放部18を接着することができない。また通
常の接着剤(硬化タイプ)では、接着が完了するまでに
一晩ぐらいかかり、やはり作業に適さない。これに対し
て本発明のように開放部18を溶着剤により溶着するこ
とにすれば、溶剤の種類と混合比率を調整することによ
って組付け作業を30分以内に完了させることができ
る。本発明が提供する溶着剤は、上記したようにジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸
エチル、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサ
ノンおよびジクロルメタンの溶剤を単独または混合して
なるものであり、また熱可塑性エラストマーを溶解して
溶液の粘度を上昇させたものである。また、ジメチルホ
ルムアミドとテトラヒドロフランの混合溶液に熱可塑性
エラストマーを溶解して粘度を10〜10000mPa
・sに調整したものであり、更には、ジメチルホルムア
ミドとテトラヒドロフランの混合溶液であって、その混
合比率がジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン=
10/90から90/10までであり、更にその溶液に
熱可塑性エラストマーを溶解して粘度を10〜1000
0cpsに調整したものであり、これらの成分を組み合
わせることによって作業時間を実作業に適するように自
在にコントロールすることができる。
【0088】また、開放部18を加熱融着する場合に
は、融着装置(例えば、半田ごて、ドライヤー、特殊な
装置等)や電源等が必要であるために、実際の整備工場
等での作業として好ましくない面もある。これに対して
本発明のように開放部18を溶着剤により溶着すること
にすれば、これらの装置または電源類等を不要とするこ
とができる。
【0089】つぎに、本願発明者らは、本発明が提供す
る溶着剤についての性能比較試験を行なったので、以下
にその内容と結果を説明する。
【0090】この性能試験の第一は、接合した開放部1
8の剥離テストであり、接合した開放部18を手で剥し
た場合の状態を以下のように評価したものである。 ○:剥離せず △:開放部の50%が剥離した ×:開放部の全てが剥離した
【0091】また、この性能試験の第二は、接合した開
放部18の作動状態の評価であり、接合後、ブーツ1を
ジョイントに組み込み、最大角度40度で10回転させ
た後の開放部18の状態を以下のように評価したもので
ある。 ◎:口開き無し ○:極く小さな(2mm以下)口開き1箇所あり △:極く小さな(2mm以下)口開き数箇所あり ×:口開き(2mm以上)数箇所あり
【0092】また、この性能試験の第三は、塗布作業の
しやすさの評価であり、各溶着剤を開放部18の対向面
18a,18bに塗布したときの塗布量制御のしやすさ
を以下のように評価したものである。 ○:非常に良い △:多少制御しにくいが、作業上問題がない ×:粘度が高過ぎ、または低過ぎて制御しにくい
【0093】〈実施例1〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤として、ジメチルホルム
アミドとテトラヒドロフランの混合溶液からなり、その
混合比率がジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン
=10/90のものを用い、接合し、20分間保持し
た。
【0094】〈実施例2〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤として、ジメチルホルム
アミドとテトラヒドロフランの混合溶液からなり、その
混合比率がジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン
=50/50のものを用い、接合し、20分間保持し
た。
【0095】〈実施例3〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤として、ジメチルホルム
アミドとテトラヒドロフランの混合溶液からなり、その
混合比率がジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン
=90/10のものを用い、接合し、20分間保持し
た。
【0096】〈実施例4〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤として、ジメチルホルム
アミドとテトラヒドロフランの混合溶液からなり、その
混合比率がジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン
=50/50であり、更にポリウレタン系熱可塑性エラ
ストマー材を混合して粘度を500mPa・sに調整し
たものを用い、接合し、20分間保持した。
【0097】〈実施例5〉 ポリエステル系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤として、ジメチルホルム
アミドとテトラヒドロフランの混合溶液からなり、その
混合比率がジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン
=50/50であり、更にポリエステル系熱可塑性エラ
ストマー材を混合して粘度を500mPa・sに調整し
たものを用い、接合し、20分間保持した。
【0098】〈比較例1〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤としてメタノールを単独
で用い、接合し、20分間保持した。
【0099】〈比較例2〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤としてジメチルホルムア
ミドを単独で用い、接合し、20分間保持した。
【0100】〈比較例3〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤としてテトラヒドロフラ
ンを単独で用い、接合し、20分間保持した。
【0101】〈比較例4〉 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー材からなる分割型
ブーツ1の開放部18に溶着剤として、ジメチルホルム
アミドとテトラヒドロフランの混合溶液からなり、その
混合比率がジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン
=50/50であり、更にポリウレタン系熱可塑性エラ
ストマー材を混合して粘度を20000mPa・sに調
整したものを用い、接合し、20分間保持した。
【0102】試験結果は、図19の表に示すとおりとな
り、これにより本発明の有効性を確認することができ
た。
【0103】また、本発明の接合方法によって分割型ブ
ーツ1の開放部18を接合する際には、これに先立って
開放部18の開き癖を修正して、対向面18a,18b
同士が離れようとする力が開放部18に作用しないよう
にしてから溶着を行なうのが作業がやり易く、有効であ
る。開放部18の開き癖を修正するには、以下のような
方法がある。
【0104】すなわち先ず、成形後、ゴムバンド、巻き
紐または巻き布等の緊締手段によってブーツ1を外周か
ら押さえて恒温槽へ入れる(ウレタン系の場合は、90
℃で1時間)。または成形直後、ゴムバンド等の緊締手
段によってブーツ1を外周から押さえ、予熱(余熱)に
より変形させる(室温で5時間)。または成形後、ゴム
バンド等の緊締手段によってブーツ1を外周から押さ
え、口開きと反対側に局部的に熱を加えて変形させる。
【0105】上記第一実施形態に係る分割型ブーツ1に
おいては、その小径側取付部11および大径側取付部1
2の内周側にそれぞれNBR等のグロメット2,3より
なるパッキンが配置されて、このパッキンにより各取付
部11,12と自在継手の軸またはアウターレースとの
間がシールされるが、小径側取付部11および大径側取
付部12の何れか一方または双方において、このパッキ
ンに代えて、またはこれと併用して、取付部11,12
の内周面に所要数のリップ部を一体成形して、このリッ
プ部により必要なシール作用を確保するようにしても良
い。以下にその例を説明する。
【0106】すなわち、図20および図21に示す分割
型ブーツ1においては、その小径側取付部11は、その
内周側に配置されたNBR等のグロメットよりなるパッ
キン51により軸52との間のシール性が確保されてい
るが、大径側取付部12はパッキン無しで、図22に示
すようにこの取付部12の内周側に環状のリップ部53
が所要数一体成形されて、このリップ部53がアウター
レース54の外周面に密接することにより必要なシール
性が確保されている。図では、三本のリップ部53が軸
方向に所定の間隔を開けて並べられており、軸方向両側
のリップ部53a,53cがそれぞれ断面矩形状に成形
されるとともに、軸方向中央のリップ53bが断面三角
形状に成形されている。
【0107】また、ブーツ1がその円周上一箇所を開放
した開放部を備えているので、取付部12も円周上一箇
所で分割され、これに伴って各リップ部53およびその
連結基部55も円周上一箇所で分割されているが、この
分割構造に関して、取付部12の分割端面(対向面とも
称する)12A,12Bと各リップ53およびその連結
基部55の分割端面53A,53Bとを上記雌雄構造の
一方と他方とで周方向に段差状に変位させて配置する
と、各リップ53およびその基部55を含む取付部12
全体の接合面積が増加するために、接合力を増大させる
ことができる。
【0108】また、この接合力が不十分であると、ブー
ツ1内のグリースがリップ部53b,53c間に入り込
んだり、或はリップ部53b,53c間に入り込んだグ
リースがリップ部53b,53c間を周方向に伝ってい
き、これを原因としてブーツ1が捩れたりすることが懸
念されるが、これを解消するには、以下のようにして接
合面積を一層増加させるのが有効である。
【0109】すなわち、図23に示すように、取付部1
2の一方の分割端面12Bに、ブーツ1の径方向に拡が
る突起状ないし端壁状の段差部56Aを一体成形すると
ともに、他方の分割端面12Aに、この突起状ないし端
壁状の段差部56Aが軸方向互い違いに差し込まれて軸
方向に密接する受け側の切欠状ないし端面状の段差部5
6Bを設け、分割端面12A,12B,53A,53B
を接合するときに両段差部56A,56Bを軸方向端面
同士で互いに合わせて接合させ、これにより接合面積を
図22の場合と比較して増加させる。そして、このよう
にすれば、接合面積の一層の増加により接合力が一層増
大するために、ブーツ1に捩り荷重が作用してもブーツ
1が捩れるのを未然に防止することができる。段差部5
6A,56Bはそれぞれ、その内径寸法をリップ部53
(53a)の内径寸法と同じとされている。尚、この実
施形態において、ブーツ1の材質や接合構造等その他の
構成は全て、上記第一実施形態と同じである。
【0110】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0111】すなわち先ず、請求項1については、ブー
ツの分割端部は、凸条と凹条が掛合により互いに係止さ
れ、溶着され、しかも重合凸条によって大きな接合面積
が確保されるので、接合強度が大きく、優れたシール性
を有するものとなる。また、凸条がその厚さ方向片側で
凹条と掛合される形状としたことによって分割端部を比
較的薄肉にすることができるので、繰り返し屈伸変形を
受けた際の応答性が良く、かつ疲労耐久性も向上する。
また、ブーツの軸方向両端の取付部がパッキンを介して
自在継手等相手部材の外周面に装着される場合には、前
記取付部におけるシール性を向上させることができる。
【0112】また、請求項2については、当該ブーツの
蛇腹部の谷部における分割端部の厚さが薄肉化されるた
めに、谷部に応力が集中しにくくなり、よって応力集中
による亀裂の発生を有効に防止することができ、谷部の
応力低減、疲労性向上および寿命延長を実現することが
できる。
【0113】また、請求項3または4については、ブー
の装着に際して、開放部の対向面に溶着剤を塗布し、
開放部の外面に加熱体を取り付けてこの加熱体を発熱さ
せるだけで良いために、溶着作業中、人は作業現場を離
れることができる。したがってブーツの開放部の接合作
業ないしブーツの装着作業を容易化することができる。
ブーツの材質がポリウレタン系の熱可塑性エラストマー
である場合には、溶着による接合性が優れているため
に、溶着を短時間で終了することができる。また請求項
5または6のように、不定形性を備えた袋を使用して加
熱体に蛇腹の凹凸に追随する変形性をもたせたり、加熱
体に予め凹凸形状を賦形しておけば、加熱体が蛇腹の凸
部のみでなく凹部にも密着するために、温度を均一に上
昇させることができる。したがってこの点からも溶着時
間を短縮することができる。また溶着接合された開放部
は、対向面同士が溶着により一体化されるためにシール
性に優れたものである。したがって対向面に別途コーテ
ィング剤あるいはシーラント等を塗布する作業を省略す
ることができ、この点からも開放部の接合作業ないしブ
ーツの装着作業を容易化することができる。更にまた、
溶着接合された開放部が蛇腹部の変形に追随して自在に
変形するために、当該ブーツは開放部の変形追随性にも
優れている。したがって開放部が短期間で破損するのを
防止し、その耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る分割型ブーツの断
面図
【図2】図1におけるII−II線断面図
【図3】同分割型ブーツの要部拡大断面図であって、
(A)は未接合状態の断面図、(B)は接合完了状態の
断面図
【図4】凸条および凹条の他の例を示す分割型ブーツの
要部断面図
【図5】本発明の第二実施形態に係る分割型ブーツの断
面図
【図6】同分割型ブーツの要部拡大断面図であって、
(A)は図5におけるA−A線拡大断面図、(B)は図
5におけるB−B線拡大断面図
【図7】本発明の第三実施形態に係る分割型ブーツの要
部断面図であって、(A)は蛇腹の山部または斜面部で
裁断した状態の断面図、(B)は谷部で裁断した状態の
断面図
【図8】本発明の第四実施形態に係る分割型ブーツの断
面図
【図9】同分割型ブーツの要部拡大断面図であって、
(A)は図8におけるC−C線拡大断面図、(B)は図
8におけるD−D線拡大断面図
【図10】本発明の第五実施形態に係る分割型ブーツの
斜視図
【図11】本発明の実施形態に係る加熱体の斜視図
【図12】分割型ブーツに加熱体を固定した状態の説明
【図13】同じく分割型ブーツに加熱体を固定した状態
の説明図
【図14】(A)は加熱体の他の例を示す斜視図、
(B)はこの加熱体を折り畳んだ状態の斜視図
【図15】同じく加熱体の他の例を示す斜視図
【図16】同じく加熱体の他の例を示す斜視図
【図17】同じく加熱体の他の例を示す斜視図
【図18】溶着構造の性能試験結果を示す表図
【図19】溶着剤の性能試験結果を示す表図
【図20】本発明の他の実施形態に係る分割型ブーツの
断面図
【図21】同ブーツの装着状態を示す半裁断面図
【図22】(A)および(B)とも、同ブーツの大径側
端部の接合構造およびシール構造を示す斜視図
【図23】(A)および(B)とも、同ブーツの大径側
端部の他の接合構造およびシール構造を示す斜視図
【符号の説明】
1 分割型ブーツ 11,12 取付部 11a,12a バンド取付溝 12A,12B,53A,53B 分割端面 13 蛇腹部 13a 山部 13b 谷部 14,15 分割端部 14a,15a 端面 14b 内周面 16 凸条 161 首部 161a 外周面 162 頭部 162a,172a 掛合段差部 162b 外周テーパ面 162c 先端 17 凹条 171 首部受入部 171a 外径面 172 頭部受入部 172b 内向きテーパ面 173 重合凸条 173a 端部 18 開放部 18a,18b 対向面 2,3 グロメット(パッキン) 21 帯状嵌合溝 22,32 シール凸条 31 嵌合段差部 41 加熱体 42 袋 43 貼着面 44 発熱面 45 凹凸形状 46 結び紐 47 伸縮布 48 マジックテープ 51 パッキン 52 軸 53,53a,53b,53c リップ部 54 アウターレース 55 連結基部 56A,56B 段差部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 建石 由紀久 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌオーケー株式会社内 (72)発明者 藤本 健一 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌオーケー株式会社内 (72)発明者 藤本 和彦 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌオーケー株式会社内 (72)発明者 長島 淳 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌオーケー株式会社内 (72)発明者 中山 純一 神奈川県藤沢市辻堂新町4−3−1 エ ヌオーケー株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−137864(JP,A) 特開 昭59−232820(JP,A) 特開 平2−142975(JP,A) 特開 平4−362377(JP,A) 特開 平9−177972(JP,A) 特開 平10−110821(JP,A) 特開 平10−227359(JP,A) 特開 平8−261324(JP,A) 特開 平9−119522(JP,A) 実開 平5−83532(JP,U) 実開 昭62−122925(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 3/84 F16J 15/52

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向一箇所が分割された筒状のブー
    ツ(1)であって、 円周方向に互いに対向し装着時に互いに一体接合される
    分割端部(14,15)にそれぞれ前記ブーツ(1)の
    軸方向断面形状に沿って延びる凸条(16)および凹条
    (17)が形成され、 一方の分割端部(14)側の凸条(16)および他方の
    分割端部(15)側の凹条(17)は厚さ方向片側で互
    いに掛合される形状を呈し、 前記凹条(17)における非掛合側に前記凸条(16)
    より長く突出しこの凸条(16)および前記一方の分割
    端部(14)に跨がって接合される重合凸条(173)
    が形成され、 前記分割端部(14,15)は、溶着剤を塗布し、凸条
    (16)と凹条(17)とを互いに挿し込み係合し、加
    熱体で加熱することにより互いに接合され、 前記重合凸条(173)は、前記挿し込み係合時に前記
    凸条(16)を前記凹条(17)に向けて案内するもの
    である ことを特徴とする分割型ブーツ。
  2. 【請求項2】 請求項1の分割型ブーツにおいて、 当該ブーツ(1)の蛇腹部(13)の谷部(13b)に
    おける重合凸条(173)の端部(173a)が、他方
    の分割端部(15)の端面(15a)と周方向同位置か
    またはこの端面(15a)よりも周方向に後退して形成
    されていることを特徴とする分割型ブーツ。
  3. 【請求項3】 円周上の一箇所を分割した開放部(1
    8)を備え、自在継手等の装着部材を覆ってから前記開
    放部(18)を接合することにより装着される分割型ブ
    ーツ(1)の接合方法であって、このブーツ(1)を自
    在継手等の装着部材の外周に装着するときに、開放部
    (18)の対向面(18a)(18b)に溶着剤を塗布
    し、袋(42)に発熱成分を収容してなり自己発熱性を
    備えた加熱体(41)を前記開放部(18)に接触また
    は近接させ、前記開放部(18)を前記加熱体(41)
    で加熱しながら溶着することを特徴とする分割型ブーツ
    の接合方法。
  4. 【請求項4】 円周上の一箇所を分割した開放部(1
    8)を備え、自在継手等の装着部材を覆ってから前記開
    放部(18)を接合することにより装着される分割型ブ
    ーツ(1)を接合するときに使用される加熱体(41)
    であって、袋(42)に発熱成分を収容してなり自己発
    熱性を備え、ブーツ(1)に固定され開放部(18)に
    接触または近接して前記開放部(18)を加熱しながら
    溶着するものであることを特徴とする加熱体。
  5. 【請求項5】 請求項4の加熱体において、 当該加熱体(41)がブーツ(1)の蛇腹形状に追随し
    て変形するように、不定形性を備えた袋(42)に発熱
    成分を収容してなることを特徴とする加熱体。
  6. 【請求項6】 請求項4の加熱体において、 当該加熱体(41)がブーツ(1)の蛇腹形状に沿って
    開放部(18)に密着するように、当該加熱体(41)
    の外面に予め前記蛇腹の凹凸に沿った凹凸形状(45)
    が賦形されていることを特徴とする加熱体。
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