JP3474623B2 - ダンパー装置 - Google Patents

ダンパー装置

Info

Publication number
JP3474623B2
JP3474623B2 JP01768094A JP1768094A JP3474623B2 JP 3474623 B2 JP3474623 B2 JP 3474623B2 JP 01768094 A JP01768094 A JP 01768094A JP 1768094 A JP1768094 A JP 1768094A JP 3474623 B2 JP3474623 B2 JP 3474623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input side
disc
damper device
bearing
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01768094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07224902A (ja
Inventor
寛隆 福島
浩吉 鶴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Exedy Corp filed Critical Exedy Corp
Priority to JP01768094A priority Critical patent/JP3474623B2/ja
Priority to US08/382,307 priority patent/US5617940A/en
Priority to PCT/JP1995/000147 priority patent/WO1995022016A1/en
Priority to KR1019950704298A priority patent/KR100242376B1/ko
Priority to DE19503975A priority patent/DE19503975C2/de
Priority to DE19549459A priority patent/DE19549459C2/de
Publication of JPH07224902A publication Critical patent/JPH07224902A/ja
Priority to US08/768,564 priority patent/US5695035A/en
Priority to US08/912,668 priority patent/US5997402A/en
Priority to US09/365,399 priority patent/US6149525A/en
Priority to US09/634,580 priority patent/US6264564B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3474623B2 publication Critical patent/JP3474623B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダンパー装置、特に、
入力側回転体と出力側回転体との間に配置されトルクを
伝達するダンパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車のエンジンとトランスミ
ッションとの間には、トルクを伝達するダンパー装置と
してフライホイール組立体が配置されている。フライホ
イール組立体は、エンジン側のクランクシャフトに連結
される第1フライホイールと、トランスミッション側に
配置される第2フライホイールとを有している。これら
の両フライホイールは、軸受により互いに相対回転自在
に支持されている。第1フライホイール内には円板部材
等によって流体が充填される流体空間が形成されてお
り、この流体空間内に、捩じり振動を減衰するための減
衰部が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のフライホイール
組立体では、流体空間をシールするために円板部材と出
力側部材との間にシール部材を設ける必要がある。ま
た、第1フライホイールと第2フライホイールとを支持
する軸受には予圧を与えることが望ましいが、このため
には弾性部材を設ける必要がある。このように、シール
部材や弾性部材を設けることで部品点数が増えてしま
い、コストが高くなる。
【0004】本発明の目的は、部品点数を減らすことに
ある。本発明の他の目的は、コストを低くすることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダンパー装
置は入力側回転体と出力側回転体との間に配置されトル
クを伝達する装置であり、第1円板部材と、第2円板部
材と、回転部材と、軸受と、減衰部と、シール部材とを
備えている。第1円板部材は、入力側回転体及び出力側
回転体のいずれか一方に連結される。第2円板部材は外
周部が第1円板部材に連結され、流体が充填される流体
空間を第1円板部材との間に形成する。出力側部材は、
入力側回転体及び出力側回転体の他方に連結される。軸
受は、第1円板部材と回転部材との間に配置され、第1
円板部材と回転部材とを相対回転自在に支持する。減衰
部は、流体空間に配置され、第1円板部材と出力側部材
とを円周方向に弾性的に連結し、両者間の捩じり振動を
減衰するためのものである。シール部材は、第2円板部
材と回転部材との間に配置され、第2円板部材と出力側
部材とを互いに反発するように付勢することで、流体空
間をシールするとともに軸受に予圧を与える。前記回転
部材は外周フランジを有するハブフランジであり、シー
ル部材は、外周フランジの外周部に固定される固定部
と、第2円板部材の内周端に圧接する圧接部とを含んで
いる。
【0006】前記シール部材は板金部材であるのが望ま
しい。さらに、シール部材が第2円板部材を圧接する力
の反作用によって軸受に押し付けられるのが望ましい。
【0007】
【作用】本発明に係るダンパー装置では、入力側回転体
からトルクが伝達されると、第1円板部材、減衰部及び
回転部材を介して出力側回転体にトルクを出力する。入
力側回転体からダンパー装置に捩じり振動が伝達される
と、第1円板部材と回転部材とが減衰部を介して往復捩
じり動作を繰り返す。減衰部は、第1円板部材と回転部
材との間の捩じり振動を減衰する。
【0008】このダンパー装置では、シール部材が第2
円板部材と回転部材とを互いに反発するように付勢する
ことで、流体空間をシールするとともに軸受に予圧を与
えている。すなわち、単一の部材に2つの機能を持たす
ことにより、部品点数を減らすことができる。シール部
材を板金部材で形成した場合はコストが低くなる。
【0009】回転部材が外周フランジを有するハブフラ
ンジであり、シール部材が、外周フランジの外周部に固
定される固定部と、第2円板部材の内周端に圧接する圧
接部とを有するため、前記作用がさらに有効になる。ま
た、シール部材を第2円板部材を圧接する力の反作用に
よって軸受に押し付けた場合は、前記作用がさらに有効
になる。
【0010】
【実施例】図1〜図3は、本発明の一実施例としてのダ
ンパー装置1を示している。ダンパー装置1は、エンジ
ン側のクランクシャフト301からトランスミッション
のメインドライブシャフト302にトルクを伝達するた
めの装置である。図1においては、図の左側にエンジン
(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッショ
ン(図示せず)が配置されている。さらに、図1におけ
るO−O線がダンパー装置1の回転軸線であり、図2に
おけるR1 方向がダンパー装置1の回転方向である。
【0011】ダンパー装置1は、主に、フレキシブルプ
レート2と、フレキシブルプレート2に固定されたリン
グ部材8と、ハブフランジ3と、リング部材8とハブフ
ランジ3とを円周方向に弾性的に連結し両部材間の捩じ
り振動を減衰するための減衰部4とを備えている。フレ
キシブルプレート2は、概ね円板状の部材であり、曲げ
方向に撓みが可能であり、回転方向に剛性が高い。フレ
キシブルプレート2は、中心に中心孔2aを有してい
る。また、フレキシブルプレート2は、半径方向中間部
に円周方向に等間隔で形成された複数の丸孔2bを有し
ている。この丸孔2bの内周側には円周方向に等間隔で
複数のボルト孔2cが形成されている。ボルト孔2cを
貫通するボルト6によって、フレキシブルプレート2の
内周端がクランクシャフト301の先端に固定されてい
る。さらに、フレキシブルプレート2の外周部エンジン
側には、図3に示す複数の弧状イナーシャ部材7がリベ
ット51により固定されている。このイナーシャ部材7
により、ダンパー装置1の慣性モーメントが増大してい
る。また、イナーシャ部材7は環状部材を円周方向に分
割した形状であるために、フレキシブルプレート2の曲
げ方向の撓みを保証している。フレキシブルプレート2
の外周端は、複数のボルト10により円板プレート9を
介してリング部材8に固定されている。イナーシャ部材
7はボルト10に対応する切欠きを有している。
【0012】ハブフランジ3(回転部材)は、ボス3a
と、ボス3aの外周に一体形成されたフランジ3bとか
らなる。ボス3aの中心には、トランスミッション側か
ら延びるメインドライブシャフト302のスプライン歯
に係合するスプライン孔3cが形成されている。減衰部
4は、主に、第1入力側プレート13と、第2入力側プ
レート14と、ドリブンプレート19と、コイルスプリ
ング22と、粘性抵抗発生部25とを備えている。
【0013】第1入力側プレート13(第1円板部材、
但し第1円板部材はボス15を含む)及び第2入力側プ
レート14(第2円板部材)は円板状板部材である。第
1入力側プレート13の内周端は第2入力側プレート1
4の内周端よりさらに半径方向内周側に延びている。第
2入力側プレート14は、外周部に、エンジン側に延び
かつ第1入力側プレート13の外周端に固定された円筒
壁を有している。また、この円筒壁は、リング部材8の
内周に溶接されている。第1入力側プレート13と第2
入力側プレート14とは、ドリブンプレート19、コイ
ルスプリング22及び粘性抵抗発生部25等を収容する
流体空間Aを形成している。この流体空間A内には粘性
流体が充填されている。
【0014】ドリブンプレート19は円板状の部材であ
り、複数のリベット20により内周端がハブフランジ3
のフランジ3bに連結されている。ドリブンプレート1
9の半径方向中間部には、図2に示すように、円周方向
に延びる複数の窓孔19aが形成されている。さらに、
ドリブンプレート19の外周端両側面には、それぞれ環
状のシール用溝19bが形成されている。また、ドリブ
ンプレート19の外周面19cからは複数の突起19d
が半径方向外側に延びている。
【0015】コイルスプリング22はそれぞれ大小のコ
イルスプリングが組合せられたものであり、ドリブンプ
レート19の窓孔19a内に配置されている。コイルス
プリング22の両端にはシート部材23が配置されてい
る。なお、第1入力側プレート13及び第2入力側プレ
ート14にはドリブンプレート19の窓孔19aに対応
する部分にスプリング収容部13a,14aが形成され
ている。スプリング収容部13a,14aの円周方向両
端には、シート部材23が当接している。このようにし
て、入力側プレート13,14とドリブンプレート19
とがコイルスプリング22を介して円周方向に弾性的に
連結されていることになる。なお、図2に示す自由状態
においては、シート部材23は、入力側プレート13,
14のスプリング収容部13a,14a端部とドリブン
プレート19の窓孔19a端部とには内周部分でしか当
接していない。すなわち、コイルスプリング22は偏当
たり状態で窓孔19a及びスプリング収容部13a,1
4a内に収納されている。
【0016】次に、粘性抵抗発生部25について説明す
る。粘性抵抗発生部25は、流体空間A内で最も外周に
配置された環状ハウジング27と、環状ハウジング27
を第1入力側プレート13及び第2入力側プレート14
に連結する複数のピン28と、ハウジング27内に配置
された複数のスライドストッパー29とから構成されて
いる。
【0017】環状ハウジング27は、第2入力側プレー
ト14の外周壁内側に配置され、軸方向両端面が入力側
プレート13,14に挟まれている。環状ハウジング2
7の内周側には円周方向に延びる開口が形成されてお
り、開口内にドリブンプレート19の外周部が挿入され
ている。環状ハウジング27内には、粘性流体が充填さ
れる環状流体室Bが形成されている。さらに、環状ハウ
ジング27内には、円周方向に等間隔で複数のストッパ
ー部27aが一体形成されている。ストッパー部27a
は、環状流体室Bを複数の弧状流体室B1 に分割してい
る。ストッパー部27aはピン28が挿通される孔を有
している。ピン28は両端が入力側プレート13,14
に回転不能に係合している。これにより、環状ハウジン
グ27と入力側プレート13,14とが一体回転するよ
うになっている。また、このピン28の胴部の長さによ
って、粘性抵抗を決定する環状ハウジング27の幅寸法
が決定される。
【0018】環状ハウジング27の半径方向内方端部に
は、互いに近づく方向に突出する環状の突起27bが形
成されており(突起27b間が前記開口となってい
る)、この突起27bがドリブンプレート19に形成さ
れた環状のシール用溝19bに嵌合して、環状流体室B
の内周側をシールしている。突起27bとシール用溝1
9bとの係合部分は、粘性流体を介して、入力側機構
(入力側プレート13,14及び環状ハウジング27)
と出力側機構(ドリブンプレート19、ハブフランジ
3)との間で生じる荷重(スラスト荷重、ラジアル荷
重、曲げ荷重)を後述する軸受17とで分担して支持し
ている。
【0019】なお、各ストッパー部27a間の中間部分
には両端面の半径方向内側においてリターンホール27
cが形成されている。リターンホール27cによって粘
性流体は環状流体室Bと流体空間Aとの間を自由に行き
来できる。図2に示す自由状態においてドリブンプレー
ト19の突起19dは、リターンホール27cに対応す
る位置に配置されている。
【0020】各弧状流体室B1 内で、ドリブンプレート
19の突起19dを外周側から覆うキャップ状の樹脂製
スライドストッパー29が配置されている。スライドス
トッパー29は環状ハウジング27の外側内周面と一致
する外周部を有しており、弧状流体室B1 内で円周方向
に移動自在に配置されている。スライドストッパー29
は、ドリブンプレート19の突起19dに対して、円周
方向壁部が突起19dに当接する範囲内で円周方向に移
動自在である。スライドストッパー29は、円周方向両
壁部の半径方向内側において切欠き29aを有してい
る。また、スライドストッパー29の軸方向両壁部の半
径方向内側には切欠き29bが形成されている。ストッ
パー部29の半径方向内側部は環状ハウジング27の環
状突起27bに当接している。
【0021】各弧状流体室B1 内は、スライドストッパ
ー29によってR2 側の第1大分室31とR1 側の第2
大分室32とに分割されている。さらに、スライドスト
ッパー29内は、ドリブンプレート19の突起19dに
よってR2 側の第1小分室33とR1 側の第2小分室3
4とに分割されている。第1小分室33と第2小分室3
4との間は、ドリブンプレート19の突起19dとスラ
イドストッパー29との間に形成された隙間、スライド
ストッパー29の切欠き29b及びリターンホール27
cによって粘性流体が自由に行き来可能である。さら
に、粘性流体は、第1大分室31と第1小分室33との
間でスライドストッパー29のR2 側切欠き29aを通
って自由に行き来が可能であり、第2小分室34と第2
大分室32との間ではスライドストッパー29のR1
切欠き29aを通って自由に行き来可能である。但し、
スライドストッパー29の円周方向壁部が突起19dに
当接すると、スライドストッパー29における円周方向
内外の粘性流体の流れは遮断される。
【0022】ストッパー部27aの内周面とドリブンプ
レート19の外周面19cとの間が、チョーク部Cとな
っている。このチョーク部Cを粘性流体が通過すると大
きな粘性抵抗が発生するようになっている。ドリブンプ
レート19の内周部とハブフランジ3のフランジ3bと
がリベット20によって固定された部分に、図4に示す
ようにばねシール部材35が挟まれている。ばねシール
部材35は円環状の薄い板金製であり、リベット20が
貫通する複数の孔を有する固定部35aと、固定部35
aの内周側からトランスミッション側に延びる外周円筒
部35bと、外周円筒部35bから外周側に延びる圧接
部35cとを備えている。圧接部35cは、図4に示す
ように、第2入力側プレート14の内周端部エンジン側
に弾性的に当接している。この圧接力によって生じる反
力により、ドリブンプレート19及びハブフランジ3が
エンジン側に付勢されている。ばねシール部材35は、
流体空間Aにおいて第2入力側プレート14とハブフラ
ンジ3との間をシールしている。
【0023】第1入力側プレート13の内周端の中心孔
は、ボス15に嵌合し溶接により固定されている。ボス
15のエンジン側外周面15aはフレキシブルプレート
2の中心孔2a内に嵌入している。ボス15内には、軸
方向に貫通する中心孔15cと中心孔15cに連通する
とともに流体空間Aに通じる径方向孔15bとが形成さ
れている。中心孔15c内には、リベット16が挿入さ
れ中心孔15cを塞いでいる。組立時において、中心孔
15cと径方向孔15bとを利用して流体空間A内に粘
性流体を容易に充填及び排出できる。その結果、コスト
が低くなる。
【0024】ボス15のトランスミッション側外周面
と、ハブフランジ3のボス3a内周部との間には軸受1
7が配置されている。軸受17は、ボス15とハブフラ
ンジ3とを相対回転自在に支持している。軸受17のイ
ンナーレースは、ボス15の溝に固定されている。軸受
17のアウターレースは、ボス3aの内周に固定されて
いる。このように、ボス15がフレキシブルプレート2
の中心孔2aに位置決めされ、さらに軸受17の位置決
めを行っている。この結果、フレキシブルプレート2、
ボス15及び軸受17の同心度が向上する。この実施例
では、入力側機構と出力側機構との間で生じる荷重が、
粘性抵抗発生部25において環状ハウジング27の環状
突起27bとドリブンプレート19のシール用溝19b
との嵌合によっても分担支持されているので、軸受17
に作用する荷重を少なくできる。そのため、軸受17を
径方向に小さくでき、コストが低くなる。軸受17はク
ランクボルト6のピッチ円D(図2)内に配置されてい
る。この結果、減衰部4の内周側の設計自由度が向上す
る。そのため、たとえば、ドリブンプレート19を内周
側に延ばしたりコイルスプリング22をより内周側に配
置することが可能になる。また、クランクボルト16の
頭部が回転するための空間を容易に確保できる。
【0025】軸受17は、両端面においてインナーレー
スとアウターレースとの間をシールするシール部材を有
している。このシール部材は、インナーレースとアウタ
ーレースとの間に潤滑剤を密封するとともに、流体空間
Aにおいてボス15とハブフランジ3の内周部との間を
シールしている。ハブフランジ3は、前述したようにば
ねシール部材35によってエンジン側に付勢されてい
る。そのため、軸受17には、ハブフランジ3からエン
ジン側に予圧が与えられている。このように、ばねシー
ル部材35は、流体空間Aをシールするとともに軸受1
7に予圧を与える部材としても機能しており、単一部材
で複数の機能を有している。この結果、部品点数を減ら
すことができ、製造コストが低くなる。また、ばねシー
ル部材35は板金製であるのでコストが低くなる。
【0026】ハブフランジ3のフランジ3bのトランス
ミッション側にはイナーシャ部材42が設けられてい
る。イナーシャ部材42は第2入力側プレート14のト
ランスミッション側を覆う円板状の部材であり、内周端
がリベット20によってフランジ3bとドリブンプレー
ト19とに固定されている。イナーシャ部材42が設け
られることによって、出力側機構の慣性モーメントが増
大している。さらに、イナーシャ部材42の外周にはエ
ンジン始動用リングギア11が溶接されている。イナー
シャ部材42が円板状部材なので、リングギア11を固
定しやすくなっている。そのため、コストが低下する。
リングギア11は従来はリング部材8の外周に溶接され
ていた部材であるが、本実施例のように入力側機構から
出力側機構に移すことで、容易に出力側機構の慣性モー
メントを増大できる。出力側機構の慣性モーメントが増
大すると、ダンパー装置1を含む駆動系において共振周
波数を自動車のアイドル回転数(実用回転数)以下に下
げることが可能になる。従来からあるリングギア11を
用いることで、コストが低くなっている。
【0027】次に動作について説明する。クランクシャ
フト301からトルクがフレキシブルプレート2に入力
されると、そのトルクはリング部材8及び入力側プレー
ト13,14を通り、コイルスプリング22を介してド
リブンプレート19に伝達される。ドリブンプレート1
9のトルクはハブフランジ3に伝達され、さらにメイン
ドライブシャフト302からトランスミッション側に出
力される。クランクシャフト301からリング部材8に
伝わるトルクに含まれる曲げ振動は、フレキシブルプレ
ート2によって絶縁され、減衰部4側に伝達されにく
い。たとえ曲げ振動が伝達されたとしても、その曲げ荷
重は、軸受17と、環状ハウジング27の環状突起27
bとドリブンプレート19のシール用溝19bとの係合
とによって分担されて支持される。したがって、軸受1
7に係る荷重が少なくなるので、軸受17を径方向に小
型化できる。そのため軸受17は安価になる。
【0028】次に、クランクシャフト301からダンパ
ー装置1に捩じり振動が伝達されたときの動作について
説明する。但し、ここでは捩じり振動が伝達されたとき
の動作を、出力側機構(ドリブンプレート19及びハブ
フランジ3)を他の図示しない部材に回転不能に固定し
て、それに対して入力側機構(第1入力側プレート1
3、第2入力側プレート14及び環状ハウジング27)
を捩じった場合の動作に置き換えて説明する。
【0029】スライドストッパー29の円周方向壁部が
ドリブンプレート19の突起19dに当接しないような
小さな偏位角度の捩じり振動(以後、微小振動と言う)
が伝達されたときの動作を説明する。図5に示す自由状
態で入力側プレート13,14がR2 側に捩じれたとす
る。すると、スライドストッパー19がR2 側に移動
し、図6に示すように、スライドストッパー29内で第
1小分室33は拡張され第2小分室34は縮小される。
第2小分室34から第1小分室33へは、粘性流体はス
ライドストッパー29の外周部と突起19dとの間、切
欠き29b及びリターンホール27cを通って自由に流
れる。また、粘性流体は、スライドストッパー29内と
流体空間Aとの間でリターンホール27cを通って自由
に行き来できる。
【0030】図6の状態からさらに捩じり動作を続ける
と、やがて図7に示すようにスライドストッパー29に
おけるR1 側の円周方向壁部がドリブンプレート19の
突起19dに当接する。これ以後は、スライドストッパ
ー29はドリブンプレート19に係止された状態とな
り、環状ハウジング27とスライドストッパー29との
間に相対回転が生じる。なお、図7に示す状態では第2
大分室32とリターンホール27cとは連通している
が、さらに捩じり動作が進むと図8に示すようにリター
ンホール27cは突起19dによって塞がれる。
【0031】図5に示す自由状態から環状ハウジング2
7がR1 側に捩じれた場合にも、前述した動作と同様な
動作が行われる。微小振動時には、スライドストッパー
29と環状ハウジング27との間で相対回転が生じない
ので第2大分室32は縮小されず、チョーク部Cを粘性
流体が通過しない。すなわち、微小振動時には大粘性抵
抗は生じない。また、微小振動時には、コイルスプリン
グ22はドリブンプレート19の窓孔19a及び入力側
プレート13,14のスプリング収容部13a,14a
に対して偏当たり状態で伸縮している。したがって、低
剛性状態が得られる。すなわち、微小振動の場合は、低
剛性・小粘性抵抗の特性が得られ、トランスミッション
の歯打ち音、こもり音等の異音発生を効果的に抑えるこ
とができる。
【0032】次に、大きな偏位角度を有する捩じり振動
(以後、大振動と言う)が伝達された時の動作について
説明する。図2に示す自由状態から環状ハウジング27
がドリブンプレート19に対してR2 側に回転した場合
は、スライドストッパー29がR2 側に移動する。以
後、微小振動の場合と同様に図5から図8までの動作を
行う。図8に示すように、第2大分室32のR2 側がス
ライドストッパー29とドリブンプレート19の突起1
9dとの間でシールされた状態になると、第2大分室3
2が縮小され始める。この結果、第2大分室32内の粘
性流体はチョーク部Cを通ってR1 側の弧状流体室B1
へと流れる(図9)。粘性流体がチョーク部Cを流れる
ときには大きな粘性抵抗が生じる。なお、各第1大分室
31内には、リターンホール27cを通って流体空間A
から粘性流体がスムーズに流入する。したがって、環状
流体室B内に粘性流体が不足することはない。
【0033】図9に示す位置から環状ハウジング27が
1 側に捩じれると、中立位置を通過し、図9と逆の動
作を行う。以上に説明したように、大振動時には、大き
な粘性抵抗が得られる。しかも、捩じり角度が大きくな
ると、コイルスプリング22のシート部材23が窓孔1
9aの端部及び入力側プレート13,14のスプリング
収容部13a,14a端部に全面的に当たるようになる
ので剛性が高くなる。すなわち、大振動時には、高剛性
・大粘性抵抗の特性が得られ、ティップイン・ティップ
アウト時の振動(アクセルペダルを急に操作したときに
生じる車体の前後の大きな振れ)を効果的に減衰でき
る。
【0034】図9に示すように、環状ハウジング27が
ドリブンプレート19に対して所定角度R2 側に捩じれ
た状態で微小振動が伝達されたとする。すると、スライ
ドストッパー29は円周方向壁部が突起19dに当接し
ない角度範囲内で突起19dに対して往復捩じれ動作を
繰り返す。このときは、粘性流体はチョーク部Cを流れ
ず、大きな粘性抵抗を発生しない。すなわち、環状ハウ
ジング27とドリブンプレート19との捩じれ角度が大
きくなっていても、微小振動を効果的に吸収できる。
【0035】
【発明の効果】本発明に係るダンパー装置では、シール
部材が第2円板部材と回転部材とを互いに反発するよう
に付勢することで、流体空間をシールするとともに軸受
に予圧を与えている。すなわち、単一の部材に2つの機
能を持たすことにより、部品点数を減らすことができ
る。また、シール部材を板金部材とした場合は安価な構
成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるダンパー装置の縦断面
概略図。
【図2】トランスミッション側から見たダンパー装置の
切欠き平面図。
【図3】エンジン側から見たダンパー装置の切欠き平面
図。
【図4】図1の拡大部分図。
【図5】図2の拡大部分図。
【図6】捩じれ動作の一状態を示す、図5に相当する
図。
【図7】捩じれ動作の一状態を示す、図5に相当する
図。
【図8】捩じれ動作の一状態を示す、図5に相当する
図。
【図9】捩じれ動作の一状態を示す、図2の拡大部分
図。
【符号の説明】
1 ダンパー装置 3 ハブフランジ 4 減衰部 13 第1入力側プレート 14 第2入力側プレート 17 軸受 35 ばねシール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−194433(JP,A) 特開 平5−71587(JP,A) 特開 平5−133439(JP,A) 特開 平6−26524(JP,A) 特開 平4−272545(JP,A) 米国特許5367920(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/16 F16F 15/123 F16F 15/30 F16F 15/134 PCI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側回転体と出力側回転体との間に配置
    されトルクを伝達するダンパー装置であって、 前記入力側回転体及び出力側回転体のいずれか一方に連
    結される第1円板部材と、 外周部が前記第1円板部材に連結され、流体が充填され
    る流体空間を前記第1円板部材との間に形成するための
    第2円板部材と、 前記入力側回転体及び出力側回転体の他方に連結される
    回転部材と、 前記第1円板部材と前記回転部材との間に配置され、前
    記第1円板部材と前記回転部材とを相対回転自在に支持
    する軸受と、 前記流体空間に配置され、前記第1円板部材と前記回転
    部材とを円周方向に弾性的に連結し、両者間の捩じり振
    動を減衰するための減衰部と、 前記第2円板部材と前記回転部材との間に配置され、前
    記第2円板部材と回転部材とを互いに反発するように付
    勢することで、前記流体空間をシールするとともに前記
    軸受に予圧を与えるシール部材と、 を備え 前記回転部材は外周フランジを有するハブフランジであ
    り、 前記シール部材は、前記外周フランジの外周部に固定さ
    れる固定部と、前記第2円板部材の内周端に圧接する圧
    接部とを含んでいる、 ダンパー装置。
  2. 【請求項2】前記シール部材は板金部材からなる、請求
    項1に記載のダンパー装置。
  3. 【請求項3】前記回転部材は、前記シール部材が前記第
    2円板部材を圧接する力の反作用によって、前記軸受に
    押し付けられる、請求項1または2に記載のダンパー装
    置。
JP01768094A 1994-02-08 1994-02-14 ダンパー装置 Expired - Fee Related JP3474623B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01768094A JP3474623B2 (ja) 1994-02-14 1994-02-14 ダンパー装置
US08/382,307 US5617940A (en) 1994-02-08 1995-01-31 Power transfer apparatus having a vibration dampening mechanism which provides structural support for the apparatus
PCT/JP1995/000147 WO1995022016A1 (en) 1994-02-08 1995-02-06 Power transfer apparatus having a vibration dampening mechanism which provides structural support for the apparatus
KR1019950704298A KR100242376B1 (ko) 1994-02-08 1995-02-06 진동 완충 메커니즘을 가지는 동력 전달 장치
DE19549459A DE19549459C2 (de) 1994-02-08 1995-02-07 Vorrichtung zur Kraftübertragung mit einer Einrichtung zur Schwingungsdämpfung
DE19503975A DE19503975C2 (de) 1994-02-08 1995-02-07 Vorrichtung zur Kraftübertragung mit einer Einrichtung zur Schwingungsdämpfung und zur Halterung der Vorrichtung
US08/768,564 US5695035A (en) 1994-02-08 1996-12-18 Power transfer apparatus having a vibration dampening mechanism which provides structural support for the apparatus
US08/912,668 US5997402A (en) 1994-02-08 1997-08-18 Power transfer apparatus having a vibration dampening mechanism which provides structural support for the apparatus
US09/365,399 US6149525A (en) 1994-02-08 1999-08-02 Power transfer apparatus having a vibration dampening mechanism which provides structural support for the apparatus
US09/634,580 US6264564B1 (en) 1994-02-08 2000-08-08 Power transfer apparatus having a vibration dampening mechanism which provides structural support for the apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01768094A JP3474623B2 (ja) 1994-02-14 1994-02-14 ダンパー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07224902A JPH07224902A (ja) 1995-08-22
JP3474623B2 true JP3474623B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=11950562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01768094A Expired - Fee Related JP3474623B2 (ja) 1994-02-08 1994-02-14 ダンパー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3474623B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07224902A (ja) 1995-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100242376B1 (ko) 진동 완충 메커니즘을 가지는 동력 전달 장치
GB2258713A (en) An elastic coupling with viscous damping for a belt drive pulley
US6283262B1 (en) Flywheel assembly and a torque converter
JP4073666B2 (ja) ロックアップ装置付き流体式トルク伝達装置
JP3474624B2 (ja) ダンパー装置
JP3474623B2 (ja) ダンパー装置
JP3474625B2 (ja) ダンパー装置
JPH0949531A (ja) 粘性抵抗発生機構
JP2818157B2 (ja) ダンパー装置
JP3789494B2 (ja) ダンパー装置
JP3474620B2 (ja) ダンパー装置
JP3013884B2 (ja) ダンパー装置及びフライホイール機構
JP3474626B2 (ja) ダンパー装置
JP2788853B2 (ja) ダンパー装置
JPH07224897A (ja) ダンパー装置
JP2004003678A (ja) 動力伝達装置
JP3474621B2 (ja) ダンパー装置
JP3264294B2 (ja) 捩じり振動減衰装置
JP3805803B2 (ja) 動力伝達装置
JP3474622B2 (ja) ダンパー装置
JP2606701Y2 (ja) 粘性減衰機構
JP2607354Y2 (ja) フライホイール組立体
JPH07224891A (ja) ダンパー装置
JP3245294B2 (ja) クラッチ押圧組立体
JP2003336690A (ja) ダンパー装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees