JP2606701Y2 - 粘性減衰機構 - Google Patents

粘性減衰機構

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JP2606701Y2
JP2606701Y2 JP1993068239U JP6823993U JP2606701Y2 JP 2606701 Y2 JP2606701 Y2 JP 2606701Y2 JP 1993068239 U JP1993068239 U JP 1993068239U JP 6823993 U JP6823993 U JP 6823993U JP 2606701 Y2 JP2606701 Y2 JP 2606701Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、フライホイール組立
体、特に、入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝
達するフライホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】フライホイール組立体は、一般に、自動
車のエンジンとトランスミッションとの間に配置され
る。フライホイール組立体は、エンジン側のクランク軸
に連結される第1フライホイールと、クラッチが装着さ
れ、第1フライホイールに相対回転自在に支持された第
2フライホイールと、第2フライホイールと一体回転す
るドリブンプレートと、第1フライホイールとドリブン
プレートとを円周方向に弾性的に連結する弾性連結機構
と、第1フライホイール及びドリブンプレートの間に配
置された流体室を含む粘性減衰部とから構成されてい
る。流体室は、第1フライホイールに固定された流体室
ハウジングで構成されている。流体室ハウジングの内周
端には環状の係合凸部が形成されており、この係合凸部
が、ドリブンプレートに形成された係合凹部に係合する
ことにより、流体室の内部をシールしている。
【0003】ドリブンプレートの外周端は、流体室ハウ
ジングに内周側から挿入されており、ドリブンプレート
の外周には、円周方向に等間隔で複数の突起が形成され
ている。さらに、流体室内には、ドリブンプレートの突
起を外周側から覆うようなキャップ状のスライドストッ
パーが配置されている。スライドストッパーは、ドリブ
ンプレートの突起に対して所定角度範囲内で円周方向に
移動自在である。また、粘性流体室内には、第1フライ
ホイール内でスライドストッパーが相対移動すると流体
が通過するチョーク部が形成されている。
【0004】このような構造では、車輌のエンジンから
は、偏位角(捩じり角)の異なる捩じり振動がフライホ
イール組立体に伝わる。そして、異なる捩じり振動には
異なる抵抗を発生させて減衰させる。偏位角の小さな捩
じり振動が伝わると、スライドストッパーが第1フライ
ホイールとともにドリブンプレートの突起に対して往復
動作を繰り返す。このときは、スライドストッパーと第
1フライホイールとの間に相対移動がないために、チョ
ーク部に流体が流れない。そのため、小さな偏位角度を
有する捩じり振動を効果的に吸収できる。
【0005】さらに、偏位角の大きな捩じり振動が伝わ
ると、スライドストッパーはドリブンプレートの突起に
係合し、第1フライホイールと相対回転する。この結
果、チョーク部に流体が流れて大きな粘性抵抗が発生す
る。そのため、大きな偏位角度を有する捩じり振動を効
果的に減衰する。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
ドリブンプレートとハウジングとがシール係合している
ために以下の不利な点がある。すなわち、偏位角の小さ
な捩じり振動が伝わるときにドリブンプレートとハウジ
ングとが摩擦摺動してしまう。したがって、抵抗が大き
くなってしまう。また、偏位角の大きな捩じり振動が伝
わるときにシール係合部分のシール性が確保されず、粘
性抵抗を充分に大きくできない。
【0007】本考案の目的は、異なる種類の捩じり振動
を効果的に減衰することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の粘性減
衰機構は、粘性抵抗を発生することで捩じり振動を減衰
するためのもであり、第1回転部材と、第2回転部材
と、複数のスライドストッパーと、複数のストッパーと
を備えている。第1回転部材には、環状の開口部を有し
流体が充填された環状の流体室が形成されている。第2
回転部材は、第1回転部材の開口部側に配置され、開口
部から流体室内に延びる複数の突起を有する。複数のス
ライダは、流体室内に配置され、突起に対して所定角度
範囲内で移動可能に係合する複数のキャップ部と、キャ
ップ部の両端から円周方向に延びて流体室内で開口部に
密着可能に配置された弧状のシール部とを有する。複数
のストッパーは、第1回転部材と一体回転し、複数のス
ライドストッパー間に配置され、前記シール部との間に
チョーク部を形成する。
【0009】
【0010】
【作用】本考案に係る捩じり振動減衰機構では、変位角
度の小さな捩じり振動が発生すると、スライドストッパ
ーは第1回転部材と一体回転する。このときにはチョー
ク部を流体が通過しないので大きな粘性抵抗が発生しな
い。また、従来とは異なり、第2回転部材にシール部が
設けられていないため、第1回転部材と第2回転部材と
の間で摩擦抵抗が発生しない。変位角度の大きな捩じり
振動が発生すると、スライドストッパーは第2回転部材
の突起に係合して、第1回転部材に対して相対的に回転
する。この結果、チョーク部を流体が通過し、大きな粘
性抵抗が発生する。このとき、流体室に生じる圧力によ
りシール部が流体室の開口部に密着させられる。このた
め、シール性が向上し、大きな粘性抵抗が得られる。
【0011】偏位角度の小さな捩じり振動が伝わると、
ストッパー部材は第1フライホイールと一体回転する。
このときにはチョーク部を流体が通過しないので大きな
粘性抵抗が発生しない。また、従来のようにドリブンプ
レートにシール部が設けられていないので、ドリブンプ
レートと駆動側部材との間で摩擦抵抗が発生しない。こ
のため、偏位角度の小さな捩じり振動が伝わったときに
は、非常に小さな粘性抵抗でその振動を減衰する。
【0012】偏位角度の大きな捩じり振動が伝わると、
ストッパー部材はドリブンプレートに係合して、第1フ
ライホイールに対して相対的に捩じれる。この結果、チ
ョーク部を流体が通過し、大きな粘性抵抗が発生する。
このとき、流体室に生じる圧力によりストッパー部材が
流体室の開口部に密着させられる。このためシール性が
向上し、大きな粘性抵抗が生じる。
【0013】
【実施例】図1及び図2は、本考案の一実施例によるフ
ライホイール組立体1を示している。フライホイール組
立体1は、車輌のエンジンとトランスミッションとの間
に配置され、エンジン側からトランスミッション側にト
ルクを伝達するための装置である。図1においては、図
の左側にエンジン(図示せず)が配置され、図の右側に
トランスミッション(図示せず)が配置されている。さ
らに、図1におけるO−O線がフライホイール組立体1
の回転軸線であり、図2におけるR1 方向がフライホイ
ール組立体1の回転方向である。
【0014】フライホイール組立体1は、主に、第1フ
ライホイール2と、第1フライホイール2に軸受4を介
して回転自在に支持された第2フライホイール3と、第
2フライホイール3と一体回転するように係合するドリ
ブンプレート15と、ドリブンプレート15と第1フラ
イホイール2とを円周方向に弾性的に連結する弾性連結
機構8と、第1フライホイール2とドリブンプレート1
5との間に配置され両者間の捩じり振動を減衰するため
の粘性減衰部9とを備えている。
【0015】第1フライホイール2は概ね円板状の部材
であり、第2フライホイール3側に突出する中心部のボ
ス部2aと外周環状壁2bとを有している。ボス部2a
と外周環状壁2bとの間には環状凹部が形成されてい
る。ボス部2aの外周には軸受4が装着される。軸受4
は、ボス部2aに貫通するボルト11の頭部により保持
されたリテーニングプレート31にボス2aのトランス
ミッション側端面に保持されている。リテーニングプレ
ート31は、リベット32により第1フライホイール2
に固定されている。ボルト11は、ボス部2aに形成さ
れたボルト穴2cを貫通してクランク軸(図示せず)に
第1フライホイール2を固定している。
【0016】第2フライホイール3は概ね円板状の部材
であり、中心部にボス部3aを有している。ボス部3a
は、第1フライホイール2側に突出しており、第1フラ
イホイール2のボス部2aを覆っている。ボス部3aの
内周部には軸受4が装着されている。すなわち、ボス部
3aの先端内周側に設けられた環状の受け部3bが軸受
4のエンジン側に当接しており、ボス部3aの内周側に
取り付けられたスナップリング13が軸受4のトランス
ミッション側に当接している。軸受4は、潤滑剤密封型
になっており、後述する環状空間Aの内周部をシールし
ている。ボス部3aは、ドリブンプレート15の内周端
に複数のリベット34によりかしめられている。さら
に、第2フライホイール3のトランスミッション側の端
面は、クラッチディスク(図示せず)の摩擦部材が圧接
される摩擦面3dとなっている。
【0017】第1フライホイール2のトランスミッショ
ン側には、円板状のシールプレート5が固定されてい
る。シールプレート5は、円周方向に等間隔で配置され
た複数のボルト7により外周部が第1フライホイール2
に固定されている。シールプレート5は、第1フライホ
イール2の環状凹部との間で、例えばグリス等の粘性流
体が充填された環状空間Aを形成している。シールプレ
ート5の外周面と外周環状壁2bの内周面との間には、
環状のシール部材14が配置されている。さらに、シー
ルプレート5の内周端と第2フライホイール3のボス部
3aの外周面との間には、環状空間Aをシールするため
の環状のシール部材30が配置されている。
【0018】ドリブンプレート15は、環状空間A内に
配置された円板状部材である。ドリブンプレート15
は、その内周端がリベット34により第2フライホイー
ル3のボス部3aにかしめられている。また、ドリブン
プレート15は、第2フライホイール3に対して軸方向
に移動可能である。ドリブンプレート15には、円周方
向の間隔を隔てて円周方向に延びる複数の窓穴15bが
形成されている。さらに、ドリブンプレート15の外周
面15dには、窓穴15b間の部分から半径方向外方に
突出する複数の突起15cが形成されている。突起15
cは、後述する粘性減衰部9の流体室B内に挿入されて
いる。
【0019】次に、弾性連結機構8について説明する。
弾性連結機構8は、円周方向に延びるコイルスプリング
17と、コイルスプリング17の両端に配置されたシー
ト部材18とから構成されている。コイルスプリング1
7とシート部材18とは、ドリブンプレート15の窓穴
15b内に配置されている。各コイルスプリング17
は、大コイルスプリング17aと、大コイルスプリング
17aの内側に配置された小コイルスプリング17bと
から構成されている。なお、第1フライホイール2の半
径方向中間部トランスミッション側の側面には、ドリブ
ンプレート15の窓穴15bに対応する部分に、ばね受
け溝2h(図1)が形成されている。ばね受け溝2hの
円周方向両端には、シート部材18の一端が当接してい
る。このようにして、第1フライホイール2とドリブン
プレート15とは、弾性連結機構8を介して円周方向に
弾性的に連結されていることになる。なお、図2に示す
自由状態においては、シート部材18は第1フライホイ
ール2のばね受け溝2hの端部及びドリブンプレート1
5の窓穴15bの端部に内周側部分しか当接していな
い。すなわち、コイルスプリング17は偏当たり状態で
ばね受け溝2h及び窓穴15b内に収納されている。
【0020】次に、粘性減衰部9について説明する。粘
性減衰部9は、第1フライホイール2とシールプレート
5とによって形成された環状の流体室Bを含んでいる。
環状の流体室Bは、空間Aの外周において、第1フライ
ホイール2のトランスミッション側端面と、外周環状壁
2bの内周面と、シールプレート5のエンジン側端面と
により構成されている。また、第1フライホイール2の
ばね受け溝2hより外周側には切削加工により形成され
た環状の凹部2gが形成されている。また、シールプレ
ート5において、第1フライホイール2の環状凹部2g
に対応する部分に切削加工によって環状凹部5aが形成
されている。環状凹部2g,5a間が流体室Bにおいて
半径方向内側に開きかつ円周方向に延びる開口部Dとな
っている。
【0021】ドリブンプレート15の外周部は、環状凹
部2g,5a間に配置されている。そして、ドリブンプ
レート15の突起15cは、流体室B内に挿入されてい
る。流体室B内には、円周方向に等間隔で5個のストッ
パー21が配置されている。ストッパー21はゴム又は
樹脂からなるブロックであり、ボルト7が貫通する穴を
有している。ボルト7とストッパー21の貫通穴との間
には隙間が確保されている。
【0022】ストッパー21は、環状の流体室Bを5つ
の固状流体室B1 (図2)に分割している。各固状流体
室B1 の中央部には、ドリブンプレート15の突起15
cが配置されている。各固状流体室B1 内で、ドリブン
プレート15の突起15cに外周側から覆うようにスラ
イドストッパー22が配置されている。スライドストッ
パー22は、突起15cを外周側から覆うキャップ部2
2aとキャップ部22aから円周方向外側に延びるシー
ル部22bとから主に構成されている。キャップ部22
aは、第1フライホイールの外周環状壁2bの内周面と
一致する弧状の面を有する外周部22cと、外周部22
cの両端から半径方向内側に延びるストッパー部22d
と、突起15cの両端面に当接する側面22eとから構
成されている。両ストッパー部22dは、突起15cか
ら所定角度離れている。すなわち、スライドストッパー
21は、ドリブンプレート15に対して所定角度範囲で
移動自在に係合している。図1に示すように、側面22
eとドリブンプレート15の突起15cとの間には大き
な軸方向隙間Sが確保されている。シール部22bは、
ドリブンプレート15の外周面15dに一致した弧状の
面を有している。シール部22bの軸方向両側には、円
周方向に延びる弧状突起22fが形成されている。弧状
突起22fは、側面部22dの内周側にも形成されてい
る。弧状突起22fは、第1フライホイール2の環状凹
部22gとシールプレート5の環状凹部5aに挿入され
ている。この状態で、シール部2bとドリブンプレート
15の外周面15dとの間には所定の隙間が確保されて
いる。
【0023】スライドストッパー22のキャップ部22
aは、各固状流体室B1 内を、R2側の大分室24Aと
1 側の大分室24Bとに分割している。さらに、スラ
イドストッパー22のキャップ部22a内は、ドリブン
プレート15の突起15cによってR2 側の小分室25
AとR1 側の小分室25Bとに分割されている。隣接す
るスライドストッパー22のシール部22b間には、所
定の隙間が確保されている。この隙間が、流体室Bと内
側の環状空間Aとの間で粘性流体が行き来が可能となる
リターンホールHである。なお、シール部22bの外周
面とストッパー21との間がチョーク部Cとなってい
る。このチョーク部Cを粘性流体が通過すると大きな粘
性抵抗が発生するようになっている。
【0024】次に、動作について説明する。図示しない
エンジン側のクランクシャフトから第1フライホイール
2にトルクが入力されると、そのトルクはコイルスプリ
ング17を介してドリブンプレート15に伝えられ、さ
らに第2フライホイール3に伝達される。第2フライホ
イール3のトルクは、図示しないクラッチを介してトラ
ンスミッション側に伝えられる。
【0025】次に、エンジン側から第1フライホイール
2に捩じり振動が伝達されたときの動作について説明す
る。但し、ここでは捩じり振動が伝わってきたときの動
作を、ドリブンプレート15(第2フライホイール3)
を他の図示しない部材に回転不能に固定して、それに対
して第1フライホイール2が捩じれる動作として説明す
る。
【0026】まず、スライドストッパー22のストッパ
ー部22dがドリブンプレート15の突起15cに当接
しない小さな偏位角度の捩じり振動(以後、微小振動と
いう)が伝達されたときの動作を説明する。図3に示す
自由状態から第1フライホイール2及びシールプレート
5がR1 側に捩じれたとする。すると、スライドストッ
パー22は第1フライホイール2とともにR1 側に移動
する。その結果、図4に示すように、スライドストッパ
ー22内で小分室25Aは縮小され小分室25Bは拡張
される。このとき、小分室25A,25B内の粘性流体
は、スライドストッパー22とドリブンプレート15と
の隙間を通じて環状空間A内に流れ込むことができる
し、また逆に環状空間A内の粘性流体がスライドストッ
パー22内に流れ込むことができる。
【0027】図4に示す状態から図3に示す中立状態に
戻り、さらにR2 側に第1フライホイール2が捩じれた
とする。すると、スライドストッパー22は第1フライ
ホイール2ととともにR2 側に移動する。以後は、図5
に示すように、小分室25Bが縮小されるとともに小分
室25Aが拡張されていく。以上に説明した微小振動の
場合は、スライドストッパー22がフライホイール1と
一体回転するために、チョーク部Cに粘性流体は流れ
ず、大きな粘性抵抗は発生しない。さらに、ドリブンプ
レート15にシール用溝を設ける必要がないので、微小
振動の際に、入力側部材(第1フライホイール2,シー
ルプレート5)とドリブンプレート15との間で摩擦抵
抗が発生しにくい。具体的には、ドリブンプレート15
の外周面15dとスライドストッパー22のシール部2
2bとの間に隙間を確保し、さらにドリブンプレート1
5の外周部両側面とスライドストッパー22の側面部2
2eとの間に大きな軸方向隙間Sを設けているので、小
さな偏位角度を有する捩じり振動の場合には、スライド
ストッパー22とドリブンプレート15とが相対捩じり
動作を繰り返すが、両者間に摩擦抵抗が発生しなくな
る。
【0028】さらに、この場合には、コイルスプリング
17はドリブンプレート15の窓穴15bに対して偏当
たり状態で伸縮しており、低剛性状態が得られる。すな
わち、微小振動の場合は、低剛性・小抵抗の特性が得ら
れ、トランスミッションの歯打音、こもり音等の異音発
生を効果的に抑えることができる。次に、大きな偏位角
度を有する捩じり振動(以後、大振動という)が伝達さ
れたときの動作について説明する。
【0029】図6に示す自由状態から第1フライホイー
ル2及びシールプレート5がドリブンプレート15に対
してR2 側に捩じれだしたとする。すると、スライドス
トッパー22が第1フライホイール2とともにR2 側に
移動する。すると、図5に示すように、小分室25Bが
縮小され小分室25Aが拡張されていく。R1 側のスト
ッパー部22dが突起15cに当接すると、図7に示す
ように、スライドストッパー22がドリブンプレート1
5の突起15cに係止された状態になる。この状態から
さらにR2 側への捩じれ動作が続けられると、第1フラ
イホイール2とスライドストッパー22との間に相対回
転が生じる。大分室24Bが縮小され大分室24Aが拡
張されていくときに、大分室24B内の粘性流体は、チ
ョーク部Cを通過してR1 側の大分室24Aに流れる。
粘性流体がチョーク部Cを流れると、大きな粘性抵抗が
発生する。また、このときに大分室24B内に発生した
圧力によりスライドストッパー22のシール部22bは
第1フライホイール2の環状凹部2b及びシールプレー
ト5の環状凹部5aに強く押しつけられ、両者が摩擦摺
動するとともに流体室Bのシール性が向上する。
【0030】なお、前記動作中に、大分室24A内に
は、リターンホールHを通って環状空間Aから粘性流体
が速やかに充填される。図8に示す位置から、第1フラ
イホイール1及びシールプレート5がR1 側に捩じれる
と、中立位置を通過し、図6〜図8と逆の動作を行う。
以上に説明したように、大振動の際には大きな粘性抵抗
が得られる。しかも、捩じり角度が大きくなるとコイル
スプリング17のシート部材18が窓穴15bの端部に
全面的に当たるようになるので、得られる剛性が高くな
っている。すなわち、大きな偏位角度を有する捩じり振
動の場合は、高剛性・大抵抗の特性が得られ、ティップ
イン・ティップアウト時の振動を効果的に減衰できる。
【0031】図8に示すように第1フライホイール2が
ドリブンプレート15に対して一定角度R2 側に捩じれ
た状態で、微小振動が伝達されたとする。すると、スラ
イドストッパー22はストッパー部22dが突起15c
に当接する角度範囲内で突起15cに対して往復捩じれ
動作を繰り返す。このときは、小さな粘性抵抗しか発生
せず、微小振動を効果的に吸収できる。すなわち、第1
フライホイール2とドリブンプレート15との捩じれ角
度が大きくなっていても、微小振動に対しては小さな粘
性抵抗を発生できる。
【0032】従来の流体室ハウジング及びドライブプレ
ート等を省略し第1フライホイール2とシールプレート
5とで流体室Bを形成する構造によって、以下の2点の
利点が得られる。第1の利点は、フライホイール組立体
1において粘性減衰部9を構成する部品点数が減少し、
構造が簡略化されていることである。第2の利点は、環
状流体室Bの断面積が約1.5倍増加していることであ
る。これにより、流体がチョーク部Cを通過する際の粘
性抵抗が増大していることである。
【0033】さらに、スライドストッパー22が大分室
24A,25Bの内周側をシールしているので、流体室
Bのシール機構が大幅に簡略化されている。この実施例
では、ドリブンプレート15と第2フライホイール3と
はリベット34により係合している。したがって、ドリ
ブンプレート15と第2フライホイール3との係合のた
めに両部材にセレーション等を形成する必要がなくな
り、製作コストを減らせる。
【0034】従来ドリブンプレート15と第2フライホ
イール3とをセレーション等で軸方向に移動可能にして
いたのは、ドリブンプレート15にシール用溝が形成さ
れており、ドリブンプレート15の軸方向寸法の要求さ
れる精度が高かったからである。本実施例では、ドリブ
ンプレート15にシール用溝を設ける必要がないので、
軸方向寸法の要求される精度が低くてもよく、ドリブン
プレート15と第2フライホイール3とをリベット34
で固定しても問題はない。
【0035】
【考案の効果】本考案に係るフライホイール組立体で
は、スライドストッパーが流体室をシールするシール部
を有しているので、異なる種類の捩じり振動を効果的に
減衰できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例によるフライホイール組立体
の縦断面概略図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図2の部分拡大図。
【図4】捩じれ動作の一状態を示す、図3に相当する
図。
【図5】捩じれ動作の一状態を示す、図3に相当する
図。
【図6】図2の部分拡大図。
【図7】捩じれ動作の一状態を示す図6に相当する図。
【図8】捩じれ動作の一状態を示す、図6に相当する
図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体 2 第1フライホイール 3 第2フライホイール 5 シールプレート 8 弾性連結機構 9 粘性減衰部 15 ドリブンプレート B 環状流体室 22 スライドストッパー 22a キャップ部 22b シール部 C チョーク部 D 開口部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘性抵抗を発生することで捩じり振動を減
    衰するための粘性減衰機構(9)であって、 環状の開口部(D)を有し流体が充填された環状の流体
    室(B)が形成された第1回転部材(2,5)と、 前記第1回転部材の前記開口部側に配置され、前記開口
    部から前記流体室内に延びる複数の突起(15c)を有
    する第2回転部材(15)と、 前記流体室内に配置され、前記突起に対して所定角度範
    囲内で移動可能に係合する複数のキャップ部(22a)
    と、前記キャップ部の両端から円周方向に延びて前記流
    体室内で前記開口部に密着可能に配置された弧状のシー
    ル部(22b)とを有する複数のスライドストッパー
    (22)と、 前記第1回転部材と一体回転し、前記複数のスライドス
    トッパー間に配置され前記シール部との間にチョーク部
    (C)形成する複数のストッパー(21)と、を備えた
    粘性減衰機構(9)。
JP1993068239U 1993-12-06 1993-12-21 粘性減衰機構 Expired - Fee Related JP2606701Y2 (ja)

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