JP3474248B2 - 自動車部品用成形材料 - Google Patents

自動車部品用成形材料

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JP3474248B2
JP3474248B2 JP02100494A JP2100494A JP3474248B2 JP 3474248 B2 JP3474248 B2 JP 3474248B2 JP 02100494 A JP02100494 A JP 02100494A JP 2100494 A JP2100494 A JP 2100494A JP 3474248 B2 JP3474248 B2 JP 3474248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリアミド系自
動車部品用成形材料に関する。詳しくは、優れた耐熱性
を有すると共に、力学強度、靱性、耐衝撃性、低吸水
性、耐薬品性、耐沸水性、耐塩化カルシウム性、軽量性
のいずれの性能にも優れるポリアミドからなる自動車部
品用成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66に代表される
脂肪族ポリアミドは、耐熱性、耐薬品性、剛性、耐磨耗
性、成形性などの優れた性能を持つために、自動車エン
ジンルーム内部品を始めとする自動車部品用として多く
使用されており、自動車の軽量化に貢献してきた。しか
しながら、従来の脂肪族ポリアミドは、上記のような性
能には優れるものの、吸水率が大きく、耐水性、耐沸水
性、耐塩水性、耐アルコール性などの性能が充分ではな
く、限られた部品への採用に止まっていた。さらに、近
年の自動車のエンジンの高性能化やエンジンルーム内の
部品の高密度化に伴い、エンジンルーム内の温度が高く
なってきており従来の樹脂では耐熱性の点からも対応で
きなくなってきている。
【0003】このような世の中の要求に対し、テレフタ
ル酸と1,6−ヘキサンジアミンを主成分とする半芳香
族ポリアミドが種々提案され、一部は実用化されてい
る。特開平3−7761号公報、特開平3−72564
号公報、特開平4−239530号公報、特開平4−2
39531号公報には、テレフタル酸と1,6−ヘキサ
ンジアミンからなるポリアミド(以下、PA6−Tと略
称する)を主成分とする半芳香族ポリアミドが、自動車
部品として使用できることが開示されている。しかしな
がら、PA6−Tは、ポリマーの分解温度を超える37
0℃付近に融点があるため、溶融重合、溶融成形が困難
であり、実用に耐えるものではない。そのため実際に
は、アジピン酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成
分、あるいはナイロン6などの脂肪族ポリアミドを30
〜40モル%共重合することにより、実使用可能温度領
域、すなわち280〜320℃程度にまで低融点化した
組成で用いられているのが現状である。このように多量
の第3成分(場合によっては第4成分)を共重合するこ
とは、確かにポリマーの低融点化には有効なものの、一
方では結晶化速度、到達結晶化度の低下を伴い、その結
果、高温下での剛性、耐薬品性、寸法安定性などの諸物
性が低下するばかりでなく、成形サイクルの延長に伴う
生産性の低下をも招く。また、吸水による寸法安定性な
どの諸物性の変動に関しても、芳香族基の導入により、
従来の脂肪族ポリアミドに比べれば多少改善されてはい
るものの、実質的な問題解決のレベルまでには達してい
ない。
【0004】特公昭64−11073号公報、特開昭6
2−36459号公報、特公平1−19809号公報、
特開平3−281532号公報などには、半芳香族ポリ
アミドのジアミン成分として、1,6−ヘキサンジアミ
ンの他に、より長鎖の直鎖脂肪族ジアミンが使用可能で
あることが言及されている。しかしながら、これらの先
行文献には、1,9−ノナンジアミンを用いたポリアミ
ドの具体的な開示はなく、さらに、炭素数7以上のジア
ミンを使用することにより、1,6−ヘキサンジアミン
を使用した場合に比較して、自動車部品として特に優れ
た性能が発現するとの示唆もない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】本発明の目的は、耐熱性に優れると共に、
低吸水性、靱性、耐薬品性、耐沸水性、耐塩化カルシウ
ム性、軽量性などの性能に優れた自動車部品用成形材料
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、テレフタル酸と
1,9−ノナンジアミンを主成分とするポリアミドをベ
ース樹脂とすることにおいて初めて、耐熱性、低吸水
性、靱性、耐薬品性、耐沸水性、耐塩化カルシウム性、
軽量性のいずれの性能にも優れた自動車部品用成形材料
を得ることができることを見出して本発明を完成した。
【0008】本発明によれば、ジカルボン酸成分の60
〜100モル%がテレフタル酸であるジカルボン酸成分
と、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナ
ンジアミンであるジアミン成分とからなり、濃硫酸中3
0℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/
gであり、末端基の40%以上が封止されているポリア
ミドからなる自動車部品用成形材料であって、該ポリア
ミドを構成するジアミン成分が、1,9−ノナンジアミ
ンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンを含有す
る、自動車部品用成形材料を提供することにより達成さ
れる。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の自動車部品用成形材料のベース樹脂となるポリアミド
は、用いられるジカルボン酸成分のうち、テレフタル酸
成分が60モル%以上であり、好ましくは75モル%以
上、より好ましくは90モル%以上である。テレフタル
酸成分が60モル%未満の場合には、得られるポリアミ
ドの耐熱性、耐薬品性、耐沸水性などの諸物性が低下す
るため好ましくない。
【0010】テレフタル酸成分以外の他のジカルボン酸
成分としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、
トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチル
グルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン
酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3
−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香
酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,
4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸、あるいはこれらの任意の
混合物を挙げることができる。これらのうち芳香族ジカ
ルボン酸が好ましく使用される。さらに、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン
酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
【0011】本発明の自動車部品用成形材料のベース樹
脂となるポリアミドに用いられるジアミン成分として
は、1,9−ノナンジアミン成分が60モル%以上であ
り、好ましくは75モル%以上、より好ましくは90モ
ル%以上である。ジアミン成分の組成がこの範囲であれ
ば、得られるポリアミドの耐熱性、成形性、耐薬品性、
低吸水性、軽量性、力学特性のいずれにも優れるので好
ましい。
【0012】1,9−ノナンジアミン成分以外の他のジ
アミン成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジ
アミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカン
ジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−
1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オク
タンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンな
どの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチル
シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂
環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香
族ジアミン、あるいはこれらの任意の混合物を挙げるこ
とができる。なかでも2−メチル−1,8−オクタンジ
アミンが好ましい。
【0013】本発明の自動車部品用成形材料のベース樹
脂となるポリアミドに用いられるジアミン成分は、1,
9−ノナンジアミンとともに2−メチル−1,8−オク
タンジアミンを含有する。そしてこれら以外に含有する
ことがある他のジアミン成分としては、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、
1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミ
ン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジ
アミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,
2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,
4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−
メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,
9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキ
サンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホ
ロンジアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジ
アミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテルなどの芳香族ジアミン、あるいはこれらの任
意の混合物を挙げることができる
【0014】本発明の自動車部品用成形材料に用いられ
るポリアミドを製造する際に用いられる末端封止剤の使
用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、
反応条件などによって変化するが、通常、ジカルボン酸
とジアミンの総モル数に対して0.1〜15モル%の範
囲内で使用される。
【0015】本発明の自動車部品用成形材料に用いられ
るポリアミドは、結晶性ポリアミドを製造する方法とし
て知られている任意の方法を用いて製造することができ
る。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液
重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを
原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出機重合法
などの方法により重合可能である。以下に、ポリアミド
の重合法の一例を示す。
【0016】本発明者らの研究によれば、触媒および必
要に応じて末端封止剤を、最初にジアミンおよびジカル
ボン酸に一括して添加し、ナイロン塩を製造した後、い
ったん200〜250℃の温度において濃硫酸中30℃
における極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/g
のプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは
溶融押出機を用いて重合を行うことにより、容易に本発
明のポリアミドを得ることができる。プレポリマーの極
限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gの範囲内で
あると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ
基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さ
らに分子量分布の小さな、各種性能や成形性に優れたポ
リアミドが得られる。重合の最終段階を固相重合により
行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好
ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれ
ば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を
有効に押さえることができるので好ましい。重合の最終
段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370℃
以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の
無いポリアミドが得られるので好ましい。
【0017】この様にして得られるポリアミドの、濃硫
酸中30℃で測定した[η]は0.4〜3.0dl/g
であり、好ましくは0.6〜2.0dl/g、より好ま
しくは0.8〜1.8dl/gである。[η]がこの範
囲であると、得られるポリアミドの力学性能、成形性が
良好であるので好ましい。
【0018】上記ポリアミドを製造するに際して、前記
の末端封止剤の他に、例えば、触媒として、リン酸、亜
リン酸、次亜リン酸またはその塩またはそのエステル、
具体的にはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナ
ジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、
タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなど
の金属塩やアンモニウム塩、エチルエステル、イソプロ
ピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イ
ソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエス
テル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを添
加することができる。
【0019】本発明の自動車部品用成形材料は、添加剤
として、ポリアミド100重量部に対し10〜200重
量部のガラス繊維を含有することが好ましい。ガラス繊
維としては、無アルカリ硼珪酸ガラス、あるいはアルカ
リ含有C−ガラス製のもので、直径3μmないし30μ
m、長さ5ないし50mmの長い繊維、あるいは長さ
0.05ないし5mmの短い繊維を使用することができ
る。さらにこれらのガラス繊維はシランカップリング剤
などにより表面を加工されていても良い。ガラス繊維の
配合量は、ポリアミド100重量部に対して10ないし
200重量部であり、好ましくは15ないし100重量
部である。ガラス繊維の配合量がこの範囲内であれば、
成形性をある程度保持したままで力学強度などの諸性能
を向上できる。ガラス繊維が200重量部より多く配合
すると、溶融流動性が著しく低下し、成形性が著しく低
下する。一方、10重量部より少ないと、諸性能の充分
な向上は見られない。通常、これらのガラス繊維は1軸
あるいは2軸の押出機を用いて、ホッパーからポリアミ
ドと同時に投入するか、あるいはサイドフィーダーから
投入して、ポリアミドに配合される。
【0020】本発明の自動車部品用成形材料は、ガラス
繊維の他に、炭素繊維、無機粉末状フィラー、有機粉末
状フィラーなどを配合することも可能である。
【0021】さらに、本発明の自動車部品用成形材料に
は、上記の添加剤のほかに、必要に応じて、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤、着色剤、紫
外線吸収剤、光安定化剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、
結晶核剤、難燃剤あるいは他種ポリマーなども添加する
ことができる。
【0022】上記各構成成分の配合方法としては、ポリ
アミドの重縮合反応時に添加するか、あるいは成形前に
ドライブレンドする方法、押出機を用いた溶融混練配合
などの方法が挙げられる。
【0023】このように、本発明の自動車部品用成形材
料は、優れた耐熱性を有すると共に、力学強度、靱性、
耐衝撃性、低吸水性、耐薬品性、耐沸水性、耐塩化カル
シウム性、軽量性のいずれの性能にも優れ、自動車部品
として使用する場合に非常に優れた成形材料である。具
体的な使用形態としては、シリンダーヘッドカバー、オ
イルポンプハウジング、リンクブッシュ、インテークマ
ニホールド、デリバリーパイプ、PCVバルブ、ラジエ
タータンク、ヘッドランプリフレクターなどを好適な例
として挙げることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の自動車部品用成形材料を実施
例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより何
ら制限されるものではない。なお、実施例中の末端封止
率、極限粘度、比重、引張り強度、引張り伸び、平衡吸
水率、耐沸水性、耐塩化カルシウム性、耐アルコール性
は以下の方法により測定した。
【0025】末端封止率:1H−NMR(500MH
z,重水素化トリフルオロ酢酸中、50℃で測定)を用
い、各末端基ごとの特性シグナルの積分値よりカルボキ
シル基末端、アミノ基末端および封止末端の数をそれぞ
れ測定し、下記の式(1)から末端封止率を求めた。測
定に用いた代表的なシグナルの化学シフト値を以下に示
す。 封止率(%)=[(A−B)÷A]×100 ………(1) 〔式中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリアミ
ド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル
基末端およびアミノ基末端の合計数を表す〕
【0026】
【表1】
【0027】極限粘度[η]:濃硫酸中、30℃にて、
0.05,0.1,0.2,0.4g/dlの濃度の試
料の固有粘度(ηinh )を測定し、これを濃度0に外挿
した値を極限粘度[η]とした。 ηinh =[ln(t1/t0)]/c 〔式中、ηinh は固有粘度(dl/g)を表し、t0
溶媒の流下時間(秒)を表し、t1は試料溶液の流下時
間(秒)を表し、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)
を表す。〕
【0028】比重:密度勾配管を用いて測定した。
【0029】引張強度、引張伸び、耐衝撃強度:ポリア
ミドの融点より約20℃高い温度で射出成形した絶乾状
態の試料片を、以下の方法で測定した。
【0030】
【表2】
【0031】平衡吸水率:ポリアミドの融点より20℃
高い温度で熱プレスし、150℃で5分間の冷却を行っ
た。厚さ約200μmのフィルム(5cm×5cm)
を、減圧下にて120℃で5日間乾燥し、秤量した後、
23℃の水中に10日間浸漬し、秤量して、増量分の浸
漬前の重量に対する割合(%)として求めた。
【0032】耐沸水性:ポリアミドの融点より約20℃
高い温度で熱プレスした、厚さ200ミクロンのフィル
ムをJIS3号ダンベルで打ち抜いた試料片を、80℃
の熱水中に間浸漬し、引張強度の処理前の試料に対する
保持率を測定した。
【0033】耐塩化カルシウム性、耐アルコール性:ポ
リアミドの融点より約20℃高い温度で熱プレスした、
厚さ200ミクロンのフィルムをJIS3号ダンベルで
打ち抜いた試料片を、23℃の塩化カルシウム50%水
溶液あるいはメタノール中に7日間浸漬し、引張強度の
処理前の試料に対する保持率を測定した。
【0034】参考例1 テレフタル酸3272.9g(19.70モル)、1,
9−ノナンジアミン3165.8g(20.0モル)、
安息香酸73.27g(0.60モル)、次亜リン酸ナ
トリウム一水和物6.5g(原料に対して0.1重量
%)および蒸留水6リットルを内容積20リットルのオ
ートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分
間撹拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温し
た。この時、オートクレーブは22kg/cmまで昇
圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温
し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐
々に抜いて圧力を22kg/cmに保ちながら反応さ
せた。次に、30分かけて圧力を10kg/cmまで
下げ、更に1時間反応させて、極限粘度[η]が0.2
5dl/gのプレポリマーを得た。これを、100℃、
減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕
した。これを230℃、0.1mmHg下にて、10時
間固相重合し、融点が317℃、極限粘度[η]が1.
35dl/g、末端の封止率が90%である白色のポリ
アミドを得た。次に、このポリアミドを、シリンダ温度
340℃、金型温度100℃で射出成形し、得られた成
形品の各種物性値を測定した。得られた結果を下記の表
3に示す。
【0035】参考例2参考 例1において、テレフタル酸を3239.6g(1
9.5モル)、安息香酸を122.1g(1.0モル)
とした以外は実施例1に記載した方法でポリアミドを製
造した。次に、該ポリアミドと平均長6mmのガラス繊
維(PPG製、PPG3540)をドライブレンドし、
1軸押出機(スクリュー径40mm、L/D=28、シ
リンダー温度=320〜350℃、回転数=60rp
m)にて、コンパウンディングを行った。こうして得た
ガラス繊維配合品を、シリンダ温度340℃、金型温度
100℃で射出成形し、得られた成形品の各種物性値を
測定した。得られた結果を下記の表3に示す。
【0036】参考例 参考 例2において、テレフタル酸を3405.8g(2
0.5モル)とし、安息香酸を使用しなかったこと以外
は実施例2に記載した方法でガラス繊維強化ポリアミド
およびその成形品を製造し、各種物性値を測定した。得
られた結果を下記の表3に示す。
【0037】実施例 参考 例2において、テレフタル酸を3256.2g(1
9.6モル)、安息香酸を97.7g(0.8モル)使
用し、ジアミン成分として1,9−ノナンジアミンを2
849.2g(18.0モル)、2−メチル−1,8−
オクタンジアミンを316.58g(2.0モル)使用
した以外は、参考例2に記載した方法でガラス繊維強化
ポリアミドおよびその成形品を製造し、各種物性値を測
定した。得られた結果を下記の表3に示す。
【0038】比較例1 実施例1において、テレフタル酸2325.9g(1
4.0モル)、イソフタル酸996.8g(6.0モ
ル)、1,6−ヘキサンジアミン2324.2g(2
0.0モル)、安息香酸24.43g(0.20モル)
とした以外は、実施例1に記載した方法でポリアミドお
よびその成形品を製造し、各種物性値を測定した。得ら
れた結果を下記の表3に示す。
【0039】比較例2 比較例1で得たポリアミドに、実施例2に記載した方法
でガラス繊維を配合し、射出成形した。得られた結果を
下記の表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明のポリアミド系成形材料は、耐熱
性に優れると共に、低吸水性、靱性、耐薬品性、耐沸水
性、耐塩化カルシウム性、軽量性などの性能に優れてお
り、自動車部品用として好適に使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−7761(JP,A) 特開 平4−366168(JP,A) 特開 平7−224164(JP,A) 特開 昭62−36459(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08G 69/26 - 69/36 C08K 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分の60〜100モル%
    がテレフタル酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成
    分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンであ
    るジアミン成分とからなり、濃硫酸中30℃で測定した
    極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gであり、末端
    基の40%以上が封止されているポリアミドからなる自
    動車部品用成形材料であって、該ポリアミドを構成する
    ジアミン成分が、1,9−ノナンジアミンと2−メチル
    −1,8−オクタンジアミンを含有する、自動車部品用
    成形材料。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸成分の60〜100モル%
    がテレフタル酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成
    分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンであ
    るジアミン成分とからなり、濃硫酸中30℃で測定した
    極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gであり、末端
    基の40%以上が封止されているポリアミド100重量
    部およびガラス繊維10〜200重量部からなる自動車
    部品用成形材料であって、該ポリアミドを構成するジア
    ミン成分が、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−
    1,8−オクタンジアミンを含有する、自動車部品用成
    形材料。
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