JP3471844B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3471844B2 JP08414093A JP8414093A JP3471844B2 JP 3471844 B2 JP3471844 B2 JP 3471844B2 JP 08414093 A JP08414093 A JP 08414093A JP 8414093 A JP8414093 A JP 8414093A JP 3471844 B2 JP3471844 B2 JP 3471844B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体のバック
コート層に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、オーディオテープ、ビデオテープ
等においても、その記録形式のディジタル化が進んでき
ている。ディジタル化により繰り返しコピーによる信号
の劣化すなわち、画質・音質の劣化から解放されるた
め、そのメリットは非常に大きい。このディジタル化に
ともなって磁気記録媒体が記録するデータ量が増加する
ことから、記録の高密度化が避けられなくなり、記録波
長を短波長化することで対処している。 【0003】近年開発され、規格が発表されたディジタ
ル・コンパクト・カセット(以下DCC)に用いるため
の磁気テープ等についても、前記磁気記録の高密度化や
短波長化の傾向は同様である。しかし、記録の高密度化
や短波長化することで、間隙損失が増加して再生出力の
低下、エラーレートの増大等の問題が生じる。そのた
め、テープ磁性層表面の平滑性をこれまで以上に高める
ことが要求されるようになり、走行性の安定化を図る手
段としてのバックコート層の重要性が増してきている。 【0004】オーディオテープやビデオテープを納める
カセットハーフには、テープの安定走行や、各種のヘッ
ドとテープとの密着性を高めるために、テープの走行経
路のバックコート層側にガイドやテープパッドを持つも
のが多い。前記DCC用に用いられる磁気テープ等でも
同様である。 【0005】従来、前記バックコート層は、テープの繰
り返し長時間走行によりテープパッドにより削られる欠
点があった。このような不都合を解消するために、バッ
クコート層にモース硬度の高い非磁性粉末を添加するこ
とでバックコート層の耐久性を高めることが行われてい
る。しかし、バックコート層成分の硬度が高くなったた
めに、ガイドが磨耗するという問題が生じてきた。この
ようなバックコート層やガイド等のはがれや削れ等によ
り生じる、一般に微粉末状の異物は、例えば磁性層やヘ
ッド等に付着することで、ヘッドの目詰まりやドロップ
アウトエラーレートの発生等の重大な事故を発生させる
原因となる。そのため、できる限り減少させることが好
ましい。さらに、このようなバックコート層を有するテ
ープを高温環境下で繰り返し長時間走行すると、テープ
がガイド等に付着して正常回転に要するトルクが高くな
り、テープ走行を停止させる事故が発生しやすくなる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、テープパッド等によるバックコート層の削れ、およ
びガイドの磨耗が少なく、高温度環境においても安定し
た走行耐久性を持つバックコート層を有する磁気記録媒
体を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)の本発明により達成される。 (1) 非磁性支持体の一方の面上に強磁性粉末を結合
剤中に分散した磁性層を有し、他方の面上にバックコー
ト層を有し、前記バックコート層は、導電性無機顔料
と、非磁性粉末と、25℃の粘度が20000センチス
トークス以上のシリコーンオイルとを含有し、前記導電
性無機顔料は、カーボンブラックを含み、前記バックコ
ート層は、前記導電性無機顔料と前記非磁性粉末との含
有量比が、重量比で100:0.5〜100:5である
磁気記録媒体。 【0008】 【作用】本発明の磁気記録媒体は、ポリエステル等の各
種樹脂製の非磁性支持体の一方の面上に、強磁性粉末を
結合剤中に分散した磁性層を有し、他方の面上にバック
コート層を有する。このバックコート層は、カーボンブ
ラック等の導電性無機顔料に、さらにモース硬度5〜9
程度の非磁性粉末を含有することでバックコート層の耐
久性を高めてテープパッドによる削れを防止する。その
上、25℃の粘度が20000センチストークス(CS)
以上のシリコーンオイルを含有することで、前記ガイド
の磨耗を防ぐと同時に、高温環境下でのテープの付着等
によるテープ走行停止事故を防ぐことができる。 【0009】バックコート層にカーボンブラックとシリ
コーンオイルを含有することでテープの走行性等を改良
することが、特開昭59−198533号公報において
提案されている。しかしこの提案の、バックコート層に
シリコーンオイルを含有させる目的は、磁性層(すなわ
ち磁気テープ)が巻かれている間にバックコート層に含
有するシリコーンオイルを磁性層に転写することによ
り、磁性層に適量のシリコーンオイルを供給し、磁性層
によるヘッド磨耗、ヘッド目詰まり等を減少させる効果
であるとしている。前記公報がこれらの効果を目的とし
ていることは、使用するシリコーンオイルの粘度が25
℃で10000CS以下であることが好ましいとの記載か
らも明らかで、本発明のバックコート層にシリコーンオ
イルを含有させることで、バックコート層による磨耗等
を防止する効果を得るものとは、その目的および効果等
が明らかに異なる。 【0010】さらに特開昭62−183030号公報で
はモース硬度5以上の非磁性粉末、およびSi−O等を
構造中に有する化合物を有するバックコート層をもつ磁
気記録媒体が、走行性がよく、さらにガイド、バックコ
ート双方の傷付きが少ないとの提案がある。しかし、こ
の化合物は本発明で用いるシリコーンオイルとは一般式
で示される化学構造が異なる化合物である。さらに、示
された一般式の最大分子量から、この化合物の粘度は本
発明の範囲外である。 【0011】 【具体的構成】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体
の一方の面上に強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層
を有し、他方の面上にバックコート層を有し、そのバッ
クコート層は、導電性無機顔料と、非磁性粉末と、シリ
コーンオイルとを含有する。 【0012】本発明の磁気記録媒体に用いる非磁性支持
体に特に制限はなく、目的に応じて各種可撓性材質、各
種剛性材質から選択した材料を、各種規格に応じてテー
プ状などの所定形状および寸法とすればよい。例えば、
可撓性材質としては、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステルが挙げられる。 【0013】〔バックコート層〕本発明のバックコート
層は、導電性無機顔料および機械的強度を高めることを
主目的とする非磁性粉末等の無機顔料、さらに添加剤、
結合剤および硬化剤等より構成されている。 【0014】バックコート層に用いる導電性無機顔料と
しては、カーボンブラック、グラファイト等、通常磁気
記録媒体のバックコート層等に使用されているものであ
ればどのようなものでもよいが、価格、光透過率、電気
抵抗等の点でカーボンブラックが含まれることが好まし
い。また、これらカーボンブラック等の導電性無機顔料
の形状は、どのようであってもよく、平均粒径は20〜
100μm 程度で、BET値は40〜200m2/g程度で
あることが好ましい。平均粒径やBET値がこの程度の
範囲より小さすぎるものは工業的に得にくく、さらにバ
ックコート層のRa値が低下しすぎ、摩擦が大きくな
る。一方大きすぎるものはバックコート層の表面平滑性
が劣るため、磁性層表面の表面性を悪化させ、電磁変換
特性を劣化させる。 【0015】前記無機顔料のうち非磁性粉末としては、
モース硬度5〜9程度のSiO2 、TiO2 、Al2
3 、α−Fe23 、Cr23 、SiC、CaO等を
使用することができる。モース硬度が5〜9程度の範囲
より低いものは、テープパッド等によるバックコート層
の削れが多く、またこの範囲より高いものはガイドの磨
耗量が多く、好ましくない。 【0016】これらの非磁性粉末の形状は、球状、粒
状、針状等通常用いられている形状であればどのような
ものでもよいが、平均粒径は10〜200nm程度である
ことが好ましい。粒径が大きすぎるとRaが大きくなり
すぎ、エラーレートが悪化する。また、小さすぎると、
強度的に不足するため多量に含有させる必要があり、ガ
イドの磨耗量が多くなる。 【0017】これらの無機顔料中の導電性無機顔料と非
磁性粉末との含有量比は重量比で100:0.5〜10
0:5が好ましい。非磁性粉末が少なすぎるとバックコ
ート層の機械的強度が低下して、バックコート層の削れ
が増加する。一方多すぎると、機械的強度が高すぎてガ
イドの磨耗量が多くなる。 【0018】また、このような無機顔料の含有量は、バ
ックコート層の30〜60重量%程度が好ましい。無機
顔料があまり多くなるとバックコート層の塗膜がもろく
なり、また少なすぎると磁性層とバックコート層界面で
の粘着等の問題を引き起こす。 【0019】バックコート層に使用する潤滑剤は、本発
明では25℃の粘度が20000CS以上のシリコーンオ
イルである。このような粘度をもつシリコーンオイル
は、通常平均重合度が100程度以上である。この程度
の粘度範囲より低すぎるとガイド磨耗量が増加し、潤滑
剤としてシリコーンオイルを添加した効果が無く、従っ
て本発明のバックコート層の効果が得られない。また、
使用するシリコーンオイルの粘度は特に上限はないが、
通常1000000CS程度である。 【0020】このようなシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサ
ンや、例えばミリスチン酸等の脂肪酸や、オキシエチレ
ンによる変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等、
通常、磁気記録媒体に使用される公知のシリコーンオイ
ルであれば使用することができる。 【0021】また、このようなシリコーンオイルの含有
量は、前記無機顔料を100重量部とすると、0.5〜
10重量部程度で、さらに好ましくは1〜3重量部程度
である。含有量が少なすぎると前記の効果が低くなり、
多すぎても効果の増大は期待できない。 【0022】本発明のバックコート層は、前記導電性無
機顔料、前記非磁性粉末および前記シリコーンオイルを
それぞれ前記の条件内で含む。これにより、例えば前記
DCC用磁気テープ等、記録信号が高密度化、短波長化
されて、特に磁性層表面の平滑化を必要とする用途の磁
気テープのカセットハーフに設けられた、テープパッド
等との摺接によるバックコート層削れ、ガイド磨耗等が
原因となる異物の発生を防止できる。その上さらに、高
温長時間走行時の事故の発生を効果的に防止することが
可能になる。 【0023】潤滑剤や分散剤等の添加剤としては前記シ
リコーンオイルの他に、従来この種のバックコート層に
用いられる種類のものはいずれも使用することができ
る。例えば炭素数12〜16個の一塩基性脂肪酸と炭素
数3〜12個の一価のアルコールからなる脂肪酸エステ
ル類、炭素数17個以上の一塩基性脂肪酸とこの脂肪酸
の炭素数と合計して、炭素数が21〜23個よりなる一
価のアルコールとからなる脂肪酸エステル等が使用され
る。 【0024】これらの潤滑剤は前記無機顔料100重量
部に対して0.1〜1重量部程度の範囲で添加すればよ
い。これら添加剤の含有量が多すぎると、高温長時間走
行時の事故が起こりやすく、少ないとバックコート層削
れが起こりやすくなる。 【0025】本発明のバックコート層に用いる結合剤
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線
照射硬化型樹脂、もしくはこれらの混合物等いずれであ
ってもよい。 【0026】前記熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビ
ニル−アクリル酸エステル系共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共
重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル系共重合体、ア
クリル酸エステル−アクリロニトリル系共重合体、アク
リル酸エステル−塩化ビニリデン系共重合体、メタクリ
ル酸エステル−塩化ビニリデン系共重合体、メタクリル
酸エステル−エチレン系共重合体、ポリ弗化ビニル−塩
化ビニリデン−アクリロニトリル系共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースア
セテートブチレート、セルロースダイアセテート、セル
ローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニ
トロセルロース等)、スチレンブタジエン系共重合体、
ポリエステル樹脂−クロロビニルエーテルアクリル酸エ
ステル系共重合体、アミノ樹脂および合成ゴム系の熱可
塑性樹脂などをあげることができる。これらは一種単独
で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて使用
してもよい。 【0027】また、前記熱硬化性樹脂または反応型樹脂
としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アル
キッド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系反応樹脂、高
分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマー
との混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネー
トプレポリマーとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂
およびポリアミン樹脂等があげられる。これらは一種単
独で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて使
用してもよい。 【0028】さらにまた結合剤としては、電子線照射硬
化型化合物を硬化したもの、すなわち電子線照射硬化型
樹脂を用いたものも好適である。 【0029】バックコート層に用いるこれら結合剤の含
有量は、前記無機顔料100重量部に対して50〜30
0重量部程度の範囲であればよく、さらに好ましくは6
0〜200重量部程度である。結合剤の含有量が多すぎ
ると、テープパッドやガイドとの摩擦が増大し、走行事
故を引き起こしやすく、一方少なすぎてもバックコート
層の強度が低下して塗膜がもろくなり、走行耐久性が悪
化する。 【0030】バックコート層に用いる溶剤に特に制限は
なく、結合剤およびその他の添加剤等の溶解性および相
溶性等を考慮して適宜選択する。通常用いる溶媒、例え
ばシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、イソホロン等のケトン系、トルエン等の
芳香族系、テトラヒドロフラン等のフラン系等の各種有
機溶剤の1種または2種以上を目的に応じて選択すれば
よい。このような溶剤を前記無機顔料100重量部に対
して500〜1500重量部程度含有すればよい。 【0031】このようなバックコート層塗布層の成分を
塗料として、後述する磁性層を形成・硬化後の前記非磁
性支持体の磁性層面の裏面に塗布するが、塗布方法は通
常用いられる方法であればどのような方法を用いてもよ
く、特に制限はない。 【0032】このようなバックコート層の層厚は0.3
μm 程度以上であることが好ましい。バックコート層の
厚さが薄すぎると支持体の表面平滑性の影響が大きくな
り、走行性、変調ノイズ等の特性上不利である。また、
本発明のような目的で設けられるバックコート層の厚さ
は通常3μm 以下である。 【0033】また、このようにして設けられるバックコ
ート層の表面粗さRaは10〜70nm程度である。Ra
が大きすぎることは、表面平滑性が悪く、さらに磁性層
の電磁変換特性上も好ましくない。また、小さすぎて
も、例えばバックコート層面の摩擦係数が高くなり、特
に高温走行時に磁気テープがガイド等に付着して走行停
止する事故が発生しやすくなる。なおRa値は、テーラ
ー・ホブソン社製の触針型表面形状測定器、TALYS
TEPシステムにより測定すればよい。RaはJIS−
B0601に記載されている。 【0034】さらに、バックコート層の摩擦係数μは
0.30程度以下であることが好ましく、通常0.15
〜0.20程度である。本発明のバックコート層の摩擦
係数は、バックコート層の表面性と、含有するシリコー
ンオイル等潤滑剤とが主に関与するが、摩擦係数が大き
すぎると、特に高温走行時に磁気テープがガイド等に付
着して走行停止する事故が発生しやすくなるために好ま
しくない。摩擦係数μの値は、横浜システム社製テープ
摩擦試験器で一定のバックテンションを負荷し、走行ス
ピード4.76m/sec としてバックコート面にテフロン
製テープパッドを接触させることで測定することができ
る。 【0035】〔磁性層〕本発明に用いる磁性層は、公知
の各種塗布型磁性層であってよい。用いる磁性粉末とし
ては、例えばγ−Fe23 、Co含有γ−Fe2
3 、Fe34 、Co含有Fe34 、CrO2 等の酸
化物微粉末や、Fe、Co、Niあるいはこれらの合金
微粉末等公知の磁性粉末から、目的に応じて適当なもの
を選択すればよく、その保磁力Hc、飽和磁化σs等も
目的に応じ適宜選択すればよい。 【0036】また、磁性粉末は磁性層中の70〜85重
量%程度含有されればよい。 【0037】磁性層に用いる結合剤については、前記バ
ックコート層に用いた結合剤を好ましく用いることがで
きる。結合剤の含有量は、前記磁性粉末100重量部に
対して15〜30重量部程度含まれていればよい。結合
剤の含有量が多すぎると、電磁変換特性の低下、摩擦係
数の増大による走行事故を引き起こす原因となり、一方
少なすぎても、支持体との接着力あるいは磁性層内の結
合力が弱くなる。 【0038】また架橋剤も用いる場合は、このような磁
性層に用いられるものであればどのようなものでもよ
く、その含有量は、前記結合剤100重量部に対して1
0〜30重量部程度であればよい。 【0039】磁性層には前記バックコート層に使用され
るような導電性無機顔料、非磁性粉末等の無機顔料が含
まれていてもよい。導電性無機顔料としてはカーボンブ
ラック、グラファイト、グラファイト化カーボンブラッ
ク等、また非磁性粉末としてSiO2 、TiO2 、Al
23 、Cr23 、SiC、CaO、CaCO3 、酸
化亜鉛、α−Fe23 、タルク、カオリン、CaSO
4 、窒化硼素、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、ZnS
等がある。 【0040】この様な導電性無機顔料および非磁性粉末
等は、前記磁性粉末100重量部に対して0.1〜10
重量部程度含まれればよく、これらがあまり多くなる
と、塗膜がもろくなり、かえってドロップアウトが多く
なるという欠点がある。 【0041】また、これら導電性無機顔料および非磁性
粉末等の径については0.5μm 程度以下が好ましい。 【0042】磁性塗料としては、前記した以外に、溶
剤、分散剤および潤滑剤等が含まれていてもよい。 【0043】溶剤としては特に制限はなく、結合剤の溶
解性および相溶性等を考慮して適宜選択すればよい。例
えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香
族炭化水素類、イソプロピルエーテル、エチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類、テトラヒドロフラン、
フルフラール等のフラン類等を1種類または2種類以上
混合して用いる。 【0044】これらの溶剤は前記磁性粉末100重量部
に対して100〜300重量部程度含有すればよい。 【0045】潤滑剤としては(分散剤をも含めて)、従
来この種磁性層に用いられる種類のものはいずれも用い
ることができるが、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレ
ン酸ステアロール酸等の炭素数12以上の脂肪酸類およ
び前記脂肪酸類のアルカリ金属(Li,Na,K等)ま
たはアルカリ土類金属(Mg,Ca,Ba等)からなる
金属石鹸;レシチン等が使用される。 【0046】この他に炭素数12以上の高級アルコー
ル、およびこれらの硫酸エステル、界面活性剤、チタン
カップリング剤、シランカップリング剤等も使用可能で
ある。 【0047】これらの潤滑剤(分散剤)は前記磁性粉末
100重量部に対して1〜10重量部程度の範囲で含有
していればよい。 【0048】潤滑剤としては、上記の他にシリコーンオ
イル、グラファイト、二硫化モリブデン、二硫化タング
ステン、脂肪酸エステル類等が使用される。 【0049】これらの潤滑剤は前記磁性粉末100重量
部に対して0.5〜20重量部程度の範囲で含有してい
ればよい。 【0050】また、その他の添加剤としては、この種の
磁性層に用いるものは何でも用いることができるが、例
えば、帯電防止剤としてはサポニンなどの天然界面活性
剤、さらにノニオン界面活性剤、複素環類、カチオン界
面活性剤、酸性基を含むアニオン界面活性剤、両性活性
剤などが使用される。 【0051】このような磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布するが、塗布方法には特に制限は無く、ドクターブレ
ードによるナイフ塗布法、リバースロール塗布法、グラ
ビアロール塗布法または押出し塗布法等、一般に用いら
れている方法のいずれでもよい。また、磁性層は単層の
みでなく、二層以上の多層構造を持つものでもよい。さ
らに、磁性層と非磁性支持体との間に非磁性塗料膜層
や、非磁性支持体面と磁性層との接着性を向上させるた
めの下塗り層等を設けてもよく、製造する磁気記録媒体
の要求する性能、用途等から決めればよい。 【0052】このようにして設けた磁性層の乾燥膜厚は
通常0.15〜5μm 程度であればよい。 【0053】 【実施例】以下、本発明の具体的実施例を比較例と共に
説明する。 【0054】実施例1 次のようにして、バックコート層および磁性層を具えた
磁気記録媒体であるDCC用磁気テープを作製した。な
お、組成の数値は重量部で表わしてある。 【0055】 <磁性層> Co被着γ−Fe23 (BET値40m2/g・Hc720Oe) 100 α−アルミナ(粒径0.2μm ) 1.5 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 12 ポリウレタン 5 メチルエチルケトン 290 シクロヘキサノン 90 ミリスチン酸 0.5 ポリイソシアネート 5 【0056】上記の組成の磁性塗料を調製し、10μm
厚のポリエステル製非磁性支持体上に塗布、磁場配向、
乾燥、カレンダ処理を行い、厚さ2μm の磁性層を形成
して、60℃、24時間加温熱処理を行なった。 【0057】次いで非磁性支持体の磁性層の裏面に、以
下の組成のバックコート層を形成した。 【0058】 <バックコート層> カーボンブラック(BET値180m2/g・平均粒径0.03μm ) 97 非磁性粉末(SiO2 粉末;平均粒径60μm 、モース硬度7) 3 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 70 ポリウレタン 30 メチルエチルケトン 840 トルエン 560 シリコーンオイル 2 (ポリジメチルシロキサン;25℃粘度、20000SC) ポリイソシアネート 30 【0059】上記組成のバックコート層塗料を調製し、
塗布、乾燥、カレンダ処理を行い、60℃24時間加温
熱処理して0.5μm 厚の層を形成した。 【0060】実施例2 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルの粘度(以下25℃における粘度)を50000CSと
した他は、実施例1と同様にDCC用磁気テープを作製
した。 【0061】実施例3 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルの粘度を100000CSとしたほかは、実施例1と同
様にDCC用磁気テープを作製した。 【0062】比較例1 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルおよびSiO2 粉末(非磁性粉末)を添加せず、ほか
は実施例1と同様にDCC用磁気テープを作製した。 【0063】比較例2 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルを添加せず、ほかは実施例1と同様にDCC用磁気テ
ープを作製した。 【0064】比較例3 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルの粘度を100CSとしたほかは、実施例1と同様にD
CC用磁気テープを作製した。 【0065】比較例4 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルの粘度を3000CSとしたほかは、実施例1と同様に
DCC用磁気テープを作製した。 【0066】比較例5 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルの粘度を10000CSとしたほかは、実施例1と同様
にDCC用磁気テープを作製した。 【0067】比較例6 実施例1のバックコート層塗料組成中のSiO2 粉末
(非磁性粉末)を添加せず、さらにシリコーンオイルの
粘度を50000CSとしたほかは、実施例1と同様にD
CC用磁気テープを作製した。 【0068】比較例7 実施例1のバックコート層塗料組成中のシリコーンオイ
ルを前記特開昭62−183030号公報に記載の一般
式で表わされる化合物としたほかは、実施例1と同様に
DCC用磁気テープを作製した。 【0069】このようにして作製した各DCC用磁気テ
ープを下記の方法で評価した。 【0070】<バックコート層削れ評価法>DCC90
0テープレコーダー(フィリップス社製)を使用して0
℃、24時間繰り返し連続走行を行い、バックコート層
の削れによるテープパッドへの異物の付着程度を目視に
より観察した。その結果、テープパッドへの削りかすの
付着がほとんど確認されないものを無とし、テープパッ
ドへの削りかすの付着が著しく認められるものを有とし
た。 【0071】<ガイド磨耗量の評価法>DCC900テ
ープレコーダー(フィリップス社製)を使用して0℃、
24時間繰り返し連続走行を行い、ガイド(スチロール
製)の磨耗量を、東京精密社製の接針型輪郭形状測定機
サーフコム605A型で測定した。 【0072】<高温度走行試験評価法>TD−R631
型オーディオテープレコーダー(日本ビクター社製)を
使用して55℃、RH80%環境下で24時間繰り返し
連続走行を行い、トルクが高くなるために走行停止が発
生する場合を事故有りとした。 【0073】以上の評価結果を表1にまとめて示した。 【0074】 【表1】【0075】表1に示す非磁性粉末含有量は、無機顔料
中の非磁性粉末重量%である。表1に示すように、非磁
性粉末を添加しない比較例1および6のバックコート層
は、バックコート層削れが有り、本発明の範囲のシリコ
ーンオイルを使用しない場合は、非磁性粉末を添加した
比較例2〜5のそれぞれのガイド磨耗量が多いことがわ
かる。また、前記シリコーンオイルを使用しないか、あ
るいは粘度のごく低いものを用いた比較例1〜3では、
高温度走行によりガイドへの付着事故が発生する。さら
に、比較例7においてもバックコート層削れは認められ
なかったが、ガイド磨耗量が多く、さらに高温度走行試
験により事故が発生した。なお、導電性無機顔料と非磁
性粉末との含有量比と、ガイド磨耗量およびバックコー
ト層削れとの関係は表2に示されるとおりである。 【0076】 【表2】 【0077】 【発明の効果】本発明のバックコート層を用いることに
より、テープパッド等によるバックコート層の削れ、お
よびガイドの磨耗が少なく、高温度環境においても安定
した走行耐久性を持つバックコート層を有する磁気記録
媒体を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 八幡 聡一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−167847(JP,A) 特開 平1−176320(JP,A) 特開 平1−276425(JP,A) 特開 平4−114314(JP,A) 特公 昭50−3927(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面上に強磁性粉末
    を結合剤中に分散した磁性層を有し、他方の面上にバッ
    クコート層を有し、前記バックコート層は、導電性無機
    顔料と、非磁性粉末と、25℃の粘度が20000セン
    チストークス以上のシリコーンオイルとを含有し、 前記導電性無機顔料は、カーボンブラックを含み、 前記バックコート層は、前記導電性無機顔料と前記非磁
    性粉末との含有量比が、重量比で100:0.5〜10
    0:5である磁気記録媒体。
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