JP3470457B2 - 制御システムの診断・解析方法および装置 - Google Patents

制御システムの診断・解析方法および装置

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JP3470457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄鋼,電力,一般産業等
における制御システム(センサ,アクチュエータ,入出
力装置,コントローラ等の制御機器およびこれらにより
制御される制御対象の総称)の診断・解析方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】制御システムの解析や診断を行う例とし
て、従来、以下の装置や方法があった。まず解析手法と
して特開平6−96055号には時系列データに対して埋め込
み処理を施した後、軌道表示解析,次元解析,エントロ
ピ解析等の多面解析を行う手法が記載されている。さら
に特開平6−208568 号には、故障時に得られていたパラ
メータから主成分分析により特徴抽出し、知識ベースの
構築を支援する手法が記載されている。
【0003】また診断手法として特開平5−35329号で
は、センサ間の相関をあらかじめ設定しておき、センサ
の出力がこの相関に合致しているかどうかを基に、異常
なセンサを特定する方法が記載されている。さらに特開
平6−161761 号には、得られた情報をベクトルに加工
し、事例ベクトルとの照合により異常診断を行うこと
で、専門家により行われていた診断を機械化する方法が
記載されている。
【0004】診断システムのアーキテクチャとして特開
平6−208465 号では、データ駆動型のエキスパートシス
テムと知識セットを分離したアーキテクチャで故障診断
を行う方法が記載されている。さらに特開平6−19531号
にはデータベースに記述されている電気信号値とプラン
トから検出した電気信号値の比較から、異常の発生を認
識し、これへの対処方法をデータベースを検索すること
により抽出し、異常処理する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、以
下の問題点があった。
【0006】特開平6−96055号記載の手法は、総合的な
判定により時系列データの特性変化等の動的故障の診断
は行えるが、センサの経年変化等の静的な故障は検知で
きなかった。さらに特開平6−208568 号の手法では、得
られた信号から主成分分析のみで特徴抽出するため、主
成分分析で抽出できない特徴量が診断に反映できない問
題があった。
【0007】また特開平5−35329号記載の手法では、セ
ンサ間の大小関係や相関関係があらかじめ定義できる単
純な制御システムの場合には有効な方法となり得るが、
各センサが陽には特定できない複雑な相関を有してお
り、大小関係や相関関係が容易に抽出できない場合には
適用できない問題があった。さらに特開平6−161761 号
記載の手法では、得られた情報のベクトルと事例ベクト
ルを類似度のみにしたがって照合するため、診断の確度
を高めるためには多数の事例ベクトルが必要となる。し
かしこのとき照合時間が多大となることがトレードオフ
となるため、効率的な診断システムを構築できなかっ
た。また実プラントから膨大な情報が得られる場合に、
これらをどのように圧縮して事例ベクトルを構築するか
についても、明らかにされていない。
【0008】特開平6−208465 号記載の手法では、診断
部(エキスパートシステム)と知識セットは分離されて
いるものの、診断部については一体構造となっているた
め、簡単な信号の照合で診断できる対象や診断に知識を
必要とする対象,知識として容易に記述できない場合
等、種々の場合に対処できる汎用的な診断装置として有
効な構造になっていなかった。さらに特開平6−208465
号,特開平6−19531 号の両公報では、プラントから得
られた情報の加工方法について明らかにされていないた
め、これらの情報に対して適当な特徴抽出を行った後に
診断に供した方が診断性能を高められる場合でも、この
ような構成を実現することはできなかった。本発明の第
1の目的は、プラントから入力したデータに対して、多
面的な手法を用いた解析を行うことで、診断のためのデ
ータを多様な形で生成する信号解析手段を備えると同時
に、得られた解析データに対し、免疫処理,ルールベー
ス推論等の適切な情報処理手法を必要に応じて選択的に
用いて得た診断結果を総合的に判断して結論を導くこと
で、解析データを最大限有効に用いた高信頼かつ定量的
な診断を行う制御システムの診断・解析装置を提供する
ことにある。
【0009】さらに第2の目的として、診断部を診断レ
ベル毎にモジュール構成とすることにより、多様な診断
を単一の装置で行える環境を提供することによる診断性
能の向上,診断レベルの組み合わせの任意性向上,診断
システムの汎用化を実現し、診断対象に対して必要十分
な診断システムを容易に構築可能とすることにある。ま
た第3の目的として、プラント診断に用いる情報を事例
ベクトルとしてデータベースに蓄え、診断データに対応
したベクトルとの照合による診断データの正常/異常を
判断する場合に、単なる類似度のみを指標にするのでな
く、判断に適した他の指標を導入することにより診断シ
ステムの高性能化を実現することにある。さらに実プラ
ントから膨大な情報が得られる場合に、これらを母集団
の情報を平等に保存した形で圧縮して事例ベクトルを構
築する手段を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、複数の制御
対象または制御装置から取り込んだ信号のうち相関を有
しているもの同士をペアにする処理を行い、解析結果を
自己相関データ,相互相関データとして出力する信号解
析手段と、該信号解析手段の解析結果を入力し、該解析
結果とデータベースに蓄えられた自己相関データ又は相
互相関データの内容と照合して正常データと一致してい
ない箇所を特定して異常の有無を判定する第1の診断手
段と、該第1の診断手段の判定結果を入力し、該判定結
果の入力に故障状態の入力があるのかどうかを判定し、
あった場合は故障状態の入力はどれかを特定する第2の
診断手段と、前記第1の診断手段の判定結果、前記第2
の診断手段の判定結果を入力して異常個所の診断の結論
を出力する第3の診断手段を備えたことにより達成され
る。
【0011】また、好ましくは上記制御システムの診断
・解析装置において、前記第3の診断手段から出力され
る異常個所の診断の結論を入力し、オペレータに対して
適切な操作を提示するオペレータ操作ガイド手段または
該制御装置の操業条件を自動的に変更する操業条件変更
手段とを具備したことにより達成される。
【0012】また、上記目的は制御対象または制御装置
から取り込んだ信号を基に相関を有しているもの同士を
ペアにする処理を行い、解析結果を自己相関データ,相
互相関データとして出力する信号解析手段と、前記制御
対象または該制御装置から得られた信号の良否を判定す
るための情報として前記信号解析手段から出力される解
析結果を蓄えるデータベースと、前記信号解析手段から
出力される解析結果と前記データベースに蓄えられた
情報に基づいて該制御対象または該制御装置の異常度
を判定する第1の判定手段とを備えた第1の診断手段
と、第1の診断手段の判定手段の判定結果を入力とし
前記制御対象または前記制御装置の異常の有無を判定
するとともに前記制御対象または前記制御装置の異常箇
所を特定する第2の判定手段とを備えた第2の診断手段
と、前記第1の診断手段の判定結果および前記第2の診
断手段の判定結果を入力し、該入力と対応する診断の結
論とを蓄えた知識ベースと、該知識ベースを検索すると
ともに該当する診断結果を導く推論部を備えた第3の診
断手段とを備えたことにより達成される。
【0013】好ましくは上記制御システムの診断・解析
装置において、前記データベースは、前記制御対象また
は前記制御装置から得られた信号を入力毎に蓄える自己
相関データベースと入力のペア単位の事例ベクトルとし
て蓄える相互相関データベースとを備え、前記第1の診
断手段の前記判定手段は前記制御対象または前記制御装
置から取り込んだ信号を該自己相関データベース及び該
相互相関データベースと照合し、該取り込んだ信号と該
自己相関データベースの不一致の度合いおよび該取り込
んだ信号と該相互相関データベースの不一致の度合いに
基づいて前記制御対象または前記制御装置の異常の有無
判定することにより上記目的を達成することができ
る。
【0014】また好ましくは上記制御システムの診断・
解析装置において、前記第2の診断手段は、前記第1の
診断手段の出力に対応したユニットを該ユニットのペア
における互いの動作の異常度を荷重値とするシナプスに
より該ユニットを結合する診断ネットワークと、あらか
じめ定義された該診断ネットワークの評価関数を最小化
したときの各ユニットの値を用いて前記制御対象または
前記制御装置から取り込んだ信号の信頼性を算出する免
疫診断手段とを備えていることにより上記目的を達成す
ることができる。
【0015】また、好ましくは上記制御システムの診断
・解析装置において、前記信号解析手段は、前記制御対
象または前記制御装置から取り込んだ信号から少なくと
もフラクタル次元かつ/またはウェーブレット係数かつ
/またはリアプノフ指数かつ/または周波数成分を解析
するものであって、該信号解析手段の出力を前記データ
ベースに蓄えることにより上記目的を達成することがで
きる。
【0016】また、好ましくは上記制御システムの診断
・解析装置において、前記データベースに格納されてい
る事例ベクトルを抽出し、少数の事例ベクトルに変換し
た後これをデータベースに書き込む量子化手段を備えた
ことにより上記目的を達成することができる。
【0017】また、好ましくは上記制御システムの診断
・解析装置において、前記第1の診断手段は、前記制御
対象または前記制御装置から取り込んだ信号を前記デー
タベースの事例ベクトルと照合し、この結果得られた両
者の不一致の度合いに加え、事例ベクトル空間における
診断データ近傍の事例ベクトルの密度に相当する値を指
標にして、前記制御対象または前記制御装置の異常の有
無を判定し、さらに異常箇所を特定することにより上記
目的を達成することができる。
【0018】また、好ましくは上記制御システムの診断
・解析装置において、前記第1の診断手段は、前記事例
ベクトル空間における診断データ近傍の事例ベクトルの
密度に相当する値を、事例ベクトルからの距離に対応し
た関数を各事例ベクトルに対して定義し、前記診断デー
タと各事例ベクトルについて計算された該関数の値の総
和を基に算出することにより上記目的を達成することが
できる。
【0019】また、好ましくは上記制御システムの診断
・解析装置において、前記関数の値の総和は、前記診断
データ近傍のあらかじめ定められた適当数の事例ベクト
ルについて算出することにより上記目的を達成すること
ができる。
【0020】
【0021】
【0022】また上記目的は請求項第1項または第3項
の制御システムの診断・解析装置において、前記制御対
象または制御装置から取り込んだ信号が、熱間圧延プラ
ントの連鋳機のモールドに埋め込まれた複数の熱電対か
ら帰還される信号であって、前記第1の診断手段により
連鋳機におけるブレークアウトが生じる可能性を判定
し、前記第2診断手段によりブレークアウトが発生する
可能性がある箇所を特定することにより達成することが
できる。
【0023】
【0024】
【0025】
【作用】制御対象または制御装置から得られた信号を様
々な処理形態で処理しデータとしてデータベースに予め
蓄え、制御対象または制御装置から取り込んだ信号とこ
のデータベースに蓄たデータに基づいて制御対象または
制御装置の現在の状態を求めることができる。更にここ
で求めた制御対象または制御装置の現在の状態を夫々入
力として、この入力された制御対象または制御装置の状
態の情報を相互に比較等することにより制御対象または
制御装置単体では判断できない変化を抽出することがで
き、異常状態であるかを判定することができる。そし
て、制御対象または制御装置の現在の状態と相互に比較
した結果からこれらの制御対象または制御装置が異常状
態であるかを総合的に判断することにより高精度な異常
診断を行うことができる。
【0026】更に、制御対象または制御装置から得られ
た信号により求まるフラクタル次元,リヤプノフ指数,
ウエーブレット関数,自己相関関数を診断に利用するこ
とにより特定の異常状態を判定しやすくなる等、様々な
異常状態に対応した診断を行うことができる。
【0027】また、複数の診断手段の組合せを自由に行
えるようにすることにより診断結果を選択的に利用で
き、制御対象に合った診断を行うことができる。
【0028】また、異なったアルゴリズムで異なった診
断を行う複数の診断手段を階層的に構築して診断を行う
ことによりより高精度な診断を行うことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図にしたがって詳細
に説明する。
【0030】図1に本発明により実現された制御システ
ムの診断・解析装置の構成を示す。制御システムの診断
・解析装置100は、ネットワーク130と接続され、
コントローラ131〜133,I/O141〜143と
信号の授受を行う。コントローラ131〜133はリレ
ー151〜153,アクチュエータ154〜156等、
種々の入出力機器を含む制御対象150から信号を取り
込み、あらかじめプログラミングされた制御演算を行っ
た後、結果をネットワーク130,I/O141〜143
を介して、制御対象150に出力する。制御システムの
診断・解析装置100は、一例として、通信インタフェ
ース101,信号解析手段102,量子化手段103,
自己相関データベース108と相互相関データベース1
09からなるデータベース107と照合診断手段110
を備えた第1の診断手段104,信頼性算出関数群11
1と免疫診断手段112からなる第2の診断手段10
5,知識ベース113と知識診断手段114からなる第
3の診断手段106,出力手段120,入力手段121
からなる。
【0031】まず装置全体の動作を簡単に説明する。通
信インタフェース101は、ネットワーク130を介し
て得た信号を信号解析手段に転送したり、診断の結果得
られた操業条件の変更仕様に対応した信号を、ネットワ
ーク130を介してコントローラ131〜133へ転送
する。制御システムの診断・解析装置100には、プラ
ントが正常に稼働しているときのデータや異常が生じた
ときのデータをもとにデータベース107を構築するデ
ータベース構築モードと、診断用のデータを取り込み診
断・解析を行う診断モードがある。最初にデータベース
構築モードの動作を説明する。制御対象150から通信
インタフェース101を介して得たデータに対して、信
号解析手段102は後述する解析手法を適用し、その結
果をデータベース107に出力する。さらに相互相関デ
ータベース109の内容は、量子化手段103により必
要に応じて、情報喪失を最小化することに配慮しつつ圧
縮される。圧縮の手法としては後述するベクトル量子化
アルゴリズムを応用した手法が考えられる。
【0032】次に診断モードの動作を説明する。診断モ
ードにおいて、信号解析手段102は解析結果を、第1
の診断手段104の照合診断手段110に出力する。同
時に、パス160を介して解析結果を出力手段120に
送信し、表示する。さらに必要に応じて、通信インタフ
ェース101を介してコントローラ131〜133に送
信する。照合診断手段110は入力された解析結果を、
データベース107の内容と照合し、解析結果が正常時
のデータと一致しているかどうか、不一致の場合はどの
解析結果がどの程度不一致であったかを、第2の診断手
段105の免疫診断手段112および第3の診断手段1
06の知識診断手段114に出力する。同時に、パス1
61を介して照合診断結果を出力手段120に送信し、
表示する。さらに必要に応じて、通信インタフェース1
01を介してコントローラ131〜133に送信する。
本実施例では、以下、自己相関データベース108との
照合結果を免疫診断手段112に、また相互相関データ
ベース109との照合結果を知識診断手段114に出力
する例を示すが、診断手段のリンケージの形態は、種々
考えられる。免疫診断手段112は信頼性算出関数群1
11からあらかじめ定められた信頼性算出関数を抽出
し、照合診断手段110の出力値を代入した収れん計算
により、診断結果を導出する。診断結果は第3の診断手
段106の知識診断手段114に送信される。同時に、
パス162を介して診断結果を出力手段120に送信
し、表示する。さらに必要に応じて、通信インタフェー
ス101を介してコントローラ131〜133に送信す
る。第3の診断手段106の知識診断手段114は、第
1の診断手段104,第2の診断手段105から得られ
た信号を基に、知識ベース113を検索して診断の結論
を導く。導かれた診断結果は、パス163を介して出力
手段120に送信し、表示され、内容がユーザに報知さ
れる。さらに必要に応じて、通信インタフェース101
を介してコントローラ131〜133に送信され、診断
結果に対応したライン停止,コントローラの縮退運転等
の処置がとられる。
【0033】次に各部の動作を詳細に説明する。図2に
信号解析手段102の構成を示す。信号解析手段102
は第1の信号解析部201〜第nの信号解析部203
と、相互データ抽出手段204,解析結果出力手段20
5からなる。第1の信号解析部201〜第nの信号解析
部203は、通信インタフェース101から送られてく
る診断の対象となる出力信号に対して信号解析を行う。
通常、出力は各センサやアクチュエータに対応して複数
存在するため、ここでは出力数をmとする。相互データ
抽出手段は、m個の出力信号のうち相関を有しているも
の同士をペアにする処理を行う。ペアの組み合わせは、
ユーザが入力手段121からあらかじめ設定しておく。
解析結果出力手段205は、入力手段121からの切り
換え信号にしたがって、制御システムの診断・解析装置
100のモードが、データベース構築モードなのか診断
モードなのかを判定し、データベース構築モードの場合
には、各出力信号に対応した解析結果をデータベース1
07の自己相関データベース108に、また相互データ
抽出手段で抽出されたペア毎に解析結果をグループ化し
て、相互相関データベース109に出力する。また診断
モードの場合には第1の診断手段104の照合診断手段
110に出力する。また制御システムの診断・解析装置
100がデータベース構築モードと診断モードの区別を
有していない場合、すなわち診断を行いながらデータを
蓄え、徐々にデータベース107をアップグレードして
いくことで診断の精度を高めていく場合には、解析結果
出力手段205は各解析結果を自己相関データベース1
08と相互相関データベース109、さらに照合診断手段
110の両方に出力する。
【0034】図3に第iの信号解析手段202がフラク
タル次元解析を行う場合のアルゴリズムを示す。本実施
例では、
【0035】
【数1】 X1,X2,X3,……,Xj,……,XN …(数1) の時系列信号を解析する場合を例に説明する。まずS3
−1で解析に用いる信号数をN,フラクタル次元を計算
する上で必要なパラメータである最大信号間隔Kを設定
する。KはS3−3の処理で用いられる。S3−2で信
号間隔kを1とし、S3−3でXkiとXk(i-1)の差分の
絶対値を計算し、得られた値を1〜Nの全域に亘って加
算する。たとえばk=1であれば、隣接する信号の差分
の絶対値を、
【0036】
【数2】 D(1)=|X2−X1|+|X3−X2|+……+|XN−XN-1| …(数2) のように足し合わせればよいし、k=2であれば、
【0037】
【数3】 D(2)=|X3−X1|+|X5−X3|+……+|XN−XN-2| …(数3) の計算を行えばよい。S3−4でkが最大値Kに達した
かどうか判定し、k<KであればS3−5でkの値を1
だけ増分し、S2−3の処理を繰り返す。k=Kであれ
ばS3−6で、log(k)に対するlog{D(k)/k}の変化
率を算出し、この値をフラクタル次元DIMとする。す
なわちDIMは
【0038】
【数4】 DIM=log{D(k)/k}/log(k) …(数4) で与えられる。フラクタル次元の求め方としては種々の
方法が提案されている。本実施例ではこれらのうちの一
つとして、樋口の方法を適用した例を示したが、他の手
法を用いることも考えられる。樋口の方法の詳細は、電
子情報通信学会論文誌DII,Vol.J73−D−I
I,No.4 に記載されている。またS3−3の処理で
Nがkの倍数でないとき、時系列信号のうち解析対象と
ならない部分が生じるが、これを補正するため適当な処
理を図3のアルゴリズムに追加してもよい。たとえばN
=20,k=7のとき、
【0039】
【数5】 D(7)=|X8−X1|+|X15−X8| …(数5) となり、X16〜X20の信号が解析対象から外れるが、こ
の補正として真のD(7)を、
【0040】
【数6】 D(7)=(全信号数)*D(7)/(解析対象とした信号数) =20*D(7)/15 …(数6) のように再計算して、補正してもよい。
【0041】図4に、この場合の第iの信号解析部20
2の入出力信号を示す。信号解析部iは時系列信号X1
〜Xn を入力され、DIMの値をフラクラル次元とし
て、例えば“フラクタル次元=1.8” の形式で、解析
結果出力手段205へ出力する。
【0042】図5に第iの信号解析部202が、ウェー
ブレット解析を行う場合のアルゴリズムを示す。本実施
例では数(1)と同様の時系列信号を解析する場合を例
に説明する。まず時系列信号が非線形の連続関数f(t)
であると考え、S5−1でこれを、基底関数Ψjk(t)
の線形結合で近似する。αjkは各基底関数Ψjk(t)に
対応した定係数である。次にS5−2での値を解析結果
出力手段204へ出力する。基底関数は、一般に以下の
形をしている。
【0043】
【数7】
【0044】
【数8】 1 (0≦t<1/2) Ψ(t)=−1 (1/2≦t<1) …(数8) 0 (else) およびa0 =2,b0 =1として得られる。f(t)をこ
のような基底関数の線形結合で表現した後、S5−2で
jkの値を解析結果出力手段204へ出力する。図6
に、この場合の第iの信号解析部202の入出力信号を
示す。信号解析部iは時系列信号X1〜Xnを入力され、
11〜anmの値をウェーブレット係数として、解析結果
出力手段204へ出力する。
【0045】図7に、第iの信号解析手段202が、リ
アプノフ指数を求める解析を行う場合のアルゴリズムを
示す。本実施例では数(1)と同様の時系列信号を解析
する場合を例に説明する。まずS7−1で時系列信号に
対して埋め込み処理を施し、再構成ベクトル列を生成す
る。一般に埋め込みとは、取り込んだ(数1)の時系列
信号に対して、
【0046】
【数9】 XN=(XN,XN-τ,……,XN-jτ,……,XN-(m-1)τ) XN-1=(X(N-1),X(N-1)-τ,……,X(N-1)-jτ,……,X(N-1)-(m-1)τ) XN-2=(X(N-2),X(N-2)-τ,……,X(N-2)-jτ,……,X(N-2)-(m-1)τ) : : : Xt=(Xt,Xt-τ,……,Xt-jτ,……,Xt-(m-1)τ) : : Xn=(Xn,Xn-τ,……,Xn-jτ,……,Xn-(m-1)τ) …(数9) のようなm次元のベクトル(以下、再構成ベクトル)を
再構成する処理を言う。τは遅れ時間に対応した自然数
で、(数9)の場合には遅れ時間に相当するサンプル数
が設定される。τの値の設定法については種々の方法が
提案されている段階であるが、一例は「ニューラルネッ
トシステムにおけるカオス」(合原編,第3章,p91
−124,東京電気大学出版局,1993)で示されて
いる。また埋め込み次元mの決定法については、埋め込
み次元とm次元の再構成ベクトルから算出される相関次
元の関係において、mが小さい領域で埋め込み次元とと
もに比例的に増加する相関次元の値が、mの増大ととも
に飽和したときのmの値を最終的な埋め込み次元の値に
設定する方法が提案されている。リアプノフ指数は、こ
のようにしてm次元に再構成されたベクトルに対して行
われる。S7−2では以下の手順でDF(Xt)を算出す
る。すなわち再構成ベクトル、
【0047】
【数10】 Xt=(ξtt-τ,……,ξt-jτ,……,ξt-(m-1)τ) …(数10) を、
【0048】
【数11】 Xt+1=(ξt+1(t+1)-τ,……,ξ(t+1)-jτ,……,ξ(t+1)-(m-1)τ) …(数11) に写像する非線形写像をFt と定義する。このときXt
の微小変位をδXt とし、テーラー展開を用いた線形近
似により、
【0049】
【数12】 δXt+1=DF(Xt)δXt …(数12) が得られる。ここでDF(Xt)は、Xt におけるFt
ヤコビ行列を表す。すなわちFt の第i成分をFi ,X
t の第j成分をXj(=ξt−jτ)とおくと、
【0050】
【数13】 DFij=(δFi/δXj) …(数13) である。次にS7−3で、
【0051】
【数14】 DFN=DF(XN-1)DF(XN-2),……,DF(X0) …(数14) によりDFN を計算する。S5−4では、行列DFN
固有値σi(N)を用いて、
【0052】
【数15】 λi=lim(1/N)log|σi(N)| …(数15) を算出し、λi の最大値をリアプノフ指数と対応づけ
る。算出方法の詳細は「カオス時系列解析」(池口,
“カオス理論とその応用セミナ”講習会テキスト,
(株)総合技術センタセミナ事業部主催)等の文献に記
載されている。関数Ftの定義が困難な場合のヤコビア
ンの算出法としてはSano & Sawadaの方法があり、詳細
はPhys.Rev.Lett.,55,1082−1085(19
85)に記載されている。
【0053】図8に、この場合の第iの信号解析部20
2の入出力信号を示す。信号解析部iは時系列信号X1
〜Xn を入力され、λi の最大値をリアプノフ指数とし
て、“リアプノフ指数=1.1” のような形態で、解析
結果出力手段204へ出力する。
【0054】第iの信号解析部202が行う処理として
は、この他に、時系列データの最大値と最小値を抽出す
る処理,平均や分散を算出する処理,周波数成分を算出
する処理等が考えられる。
【0055】図9に、第1の診断手段104の自己相関
データベース108の構成を示す。制御対象150のセ
ンサ151〜153やアクチュエータ154〜156の
出力,コントローラ131〜133の算出した操作量等
に対応した各入力に対して、信号解析手段102からの
出力値が、例えば図のように蓄えられている。内容とし
ては、フラクタル次元やウェーブレット係数,リアプノ
フ指数,入力として取り得る最大値や最小値,FFTに
より算出される周波数成分等が、必要に応じて蓄えられ
る。フラクタル次元等については、入力された値をその
都度蓄えてもよいが、図9に示すように、取り得る値の
変域を格納することでデータ量を圧縮するのが実用的で
ある。また本実施例では、信号解析手段102が時系列
データを解析する例を示したが、空間系列等の他の系列
データを解析することも可能である。
【0056】図10に相互相関データベース109の構
成を示す。相互データ抽出手段204でペアとして抽出さ
れた入力(通信インタフェース101の出力)毎に、正
常時に得られた入力1と入力2のフラクタル次元の組み
合わせ、異常時に得られた組み合わせ等が図の様な事例
ベクトルの形態で格納されている。正常時あるいは異常
時のデータを蓄えるのみで十分な場合には、両方を蓄え
る必要はなく、これによりメモリの節約が図れる。
【0057】図11に量子化手段103の構成を示す。
本実施例で量子化手段103は、相互相関データベース
109の入力1と2のペアの入力値の項目に蓄えられて
いるM個データを、これらを良好に代表するp個の事例
ベクトル(p<M)に圧縮する処理を行う。ここでは一
例として、量子化手段103が、量子化ネットワーク1
101と量子化アルゴリズム1102からなる場合の実
施例を示す。量子化ネットワーク1101は2つの入力
を取り込む入力ニューロン1105および定数を出力す
るしきい値ニューロン1106からなる入力層1103
と、p個の量子化ニューロン1107からなる量子化ニ
ューロン層1104、さらに入力層1103と量子化ニュー
ロン層1104の間で信号を伝達するシナプス1108
により構成される。入力ニューロン1105は入力され
た信号の値をそのまま出力し、量子化ニューロン110
7は結合しているシナプス1108のシナプス荷重の値
ijに従って、次式に示す演算を行った結果を出力す
る。
【0058】
【数16】
【0059】本実施例では入力数が2のため入力層を2
つの入力ニューロンで構成したが、入力数が多数の場合
には、対応した数の入力ニューロンを備えることにより
同様に扱うことができる。量子化アルゴリズム1102
は、入力値を次々と量子化ネットワーク1101に入力
し、出力が最大であった量子化ニューロンが、対応した
入力に対してさらに大きな値を出力する方向に、シナプ
ス荷重の重みを更新する。
【0060】図12に量子化アルゴリズム1102が実
行するアルゴリズムを示す。まずS12−1で、相互相
関データベース109からデータを抽出し、量子化ネッ
トワーク1101に入力する。図10の入力値を圧縮す
る場合であれば、(1041,10624),(1.35,1.
87)のデータの組みが順次入力される。次にS11−
2で、各量子化ニューロン1107について(数16)
に基づいた演算を行い、出力値O1 〜Op を算出する。
S11−3で、O1 〜ON のうち値が最大のものを検出
する。かりにOj が最大であったとすると、量子化ニュ
ーロンjと入力層1103のニューロンを結ぶシナプス
の荷重W1j〜Wn+1・j を更新する。入力ニューロン11
05に対応したシナプス荷重であるW1j〜Wnj に関し
ては(数17)により、またしきい値ニューロン110
6に対応したシナプス荷重Wn+1・jに関しては(数1
8)により、新しい値が計算される。
【0061】
【数17】 Wij=Wij+α・(Ii−Wij) (i=1,2) …(数17)
【0062】
【数18】
【0063】ただし、Wij,W3jはそれぞれ更新後の入
力ニューロン,しきい値ニューロンに対応したシナプス
荷重の値、αは定数である。シナプス荷重の更新式は、
ベクトル(W1j,W2j)とベクトル(I1,I2)の類似
度を大きくする処理と対応していればよく、このような
更新式は(数17)(数18)の他にもいくつか考えら
れる。S12−5で処理の終了を判定する。終了はS1
2−1〜S12−4を一定回数繰り返したことで判定し
てもよいが、相互相関データベース109から抽出した
データの組みに対応したシナプス荷重の更新量が、すべ
て一定値以下となったことで判定してもよい。処理が終
了していない場合にはS12−1にかえり、データの組
みを次々と抽出し、同様の処理を繰り返す。以上の処理
が終了すると相互相関データベース109に格納されて
いたM個のデータのペアがp個の量子化ニューロンのシ
ナプス荷重で代表できたことになる。その後S12−6
で、p個の量子化ニューロンに対応したシナプス荷重、
【0064】
【数19】 (W11,W21) (W12,W22) : : (W1p,W2p) …(数19) を、相互相関データベース109の該当箇所にコピーす
ることにより、M個のデータを、これらを代表する少数
のデータ(p個)で代表することができ、内容を圧縮で
きる。これによりメモリサイズを適性に保つことができ
る。本実施例で量子化手段103は、相互相関データベ
ース109にあらかじめ蓄えられたデータを対象に量子
化を行い、その結果を、相互相関データベース109に
コピーすることにより内容の更新を行ったが、時系列に
得られる入力を通信インタフェース101から直接取り
込んで、量子化結果を相互相関データベース109に出
力し、内容を逐次更新する方法でも良い。
【0065】図13に照合診断手段110が実行するア
ルゴリズムを示す。本実施例では、このアルゴリズムは
制御システムの診断・解析装置100のモードが診断モ
ードのときに実行される。まずS13−1で、信号解析
手段102から解析結果を取り込む。S13−2で、解
析結果のそれぞれを相互相関データベース109の内容
と照合し、正常データと一致していない箇所を特定す
る。絶対値に関しては、診断データとして取り込んだ入
力の組み合わせに対して、相互相関データベース109
に格納されているM個のデータの組み合わせのうち、最
も類似しているものを空間距離等による評価で抽出し、
両者の類似度が一定値以下の時、正常データと一致して
いないと判断すればよい。類似度Rを空間距離で判定す
るとした場合、空間距離が小さいほど類似度Rは大きな
値となる。そこで診断データが(a1,a2),相互相関
データベース109の中で診断データと最も類似のデー
タが(b1,b2)であるとき、これらの類似度Rを空間
距離に反比例する値と定義すれば、(数20)で表され
る。
【0066】
【数20】 R=1/(a1−b1)2+(a2−b2)2 …(数20) ここでRが大きいほど2つのデータが類似していること
を意味しており、診断データが正常かどうかは、Rの値
が一定値以上かどうかで判定できる。フラクラル次元や
ウェーブレット係数,リアプノフ指数,最大,最小値,
周波数成分等については、診断データが正常データと見
なされるレンジの範囲内か、最大値,最小値をオーバし
ていないか、周波数成分が一致しているか等により、正
常データと一致しているかどうかを容易に判定できる。
S13−3で、診断結果を第2の診断手段105および
第3の診断手段106に出力し、次のモジュールの診断
で活用する。さらに通信インタフェース101を経由し
てコントローラ131〜133に送り、必要に応じて異
常処理を行う。また出力手段120に出力して、診断結
果の表示,ユーザへの報知を行う。
【0067】図14および図15に、この場合の照合診
断手段110の入出力信号を示す。図14は信号解析手
段102の出力を自己相関データベース108の内容と
照合するときの入出力信号、図15は同様に相互相関デ
ータベース109の内容と照合するときの入出力信号を
示しており、本実施例では理解を容易にするために区別
して示したが、通常はすべての信号が同時に入出力され
る。また第2の診断手段105が相互相関データベース
109との照合診断結果を入力し、第3の診断手段10
6が自己相関データベース108との照合診断結果を入
力する場合を示したが、診断手段の間の信号の組み合わ
せは、対象とする診断システムにより種々考えられる。
図14において照合診断手段110は、信号解析手段1
02および必要に応じて通信インタフェース101から
直接取り込んだ診断データを入力され、自己相関データ
ベース108の内容と照合した後、図に示す形態で、診
断結果を通信インタフェース101,出力手段120,
第3の診断手段106へ出力する。図は入力nは正常で
あるが、入力1ではフラクタル次元が正常時の値より
2.1 大きく、さらにリアプノフ指数も正常時に比べ
1.1 大きいことを示している。この結果第1の診断手
段104では、診断データと自己相関データベース10
8との照合により、制御対象や制御システムの応答特性
の変化,ダイナミクスの変化等の、動的異常が検出でき
る。
【0068】同様に図15において照合診断手段110
は、信号解析手段102および必要に応じて通信インタ
フェース101から直接取り込んだ診断データを入力さ
れ、相互相関データベース109の内容と照合した後、
図に示す形態で、診断結果を通信インタフェース10
1,出力手段120,第2の診断手段105へ出力す
る。図は、診断データにおける入力1と入力2の関係は
正常時の相関であるが、入力(n−1)と入力nの関係
は、フラクラル次元の関係,絶対値の関係とも正常状態
でないことを示している。
【0069】図16に照合診断手段110で、相互相関
データベース109に基づいた各入力のペアに対応した
照合結果(以下、異常度)をさらに定量的なものとし、
第2の診断手段で高精度な診断を行う場合の実施例を、
入力値の照合を例に示す。この場合、図15で単に正常
/異常で表わされていた診断結果が、中間値を用いてさ
らに厳密に診断される。入力のペアが入力1と入力2で
あるとすると、入力のペアに対応した異常度とは、入力
1から見て入力2がどの程度良好に稼働しているか、逆
に入力2から見て入力1がどの程度良好に稼働している
かを相互診断した結果を意味しており、この値を以下の
アルゴリズムで定量化する。まずS16−1で、信号解
析手段102を介して、各入力値を取り込む。次にS1
6−2で、入力のペア毎に値を相互相関データベース1
09の対応するペアのデータと照合する。S16−3で
各ペア毎に、近接したペアを抽出する。S16−4で抽
出されたペアと入力されたペアの距離を基に、入力の異
常度を検出する。入力1と2のペアの値を(X,Y),
(X,Y)に最も近接した(Wx,Wy)とすると、異常
度Uの値はたとえば(数21)で計算できる。
【0070】
【数21】 U=f{(X−Wx)2+(Y−Wy)2} …(数21) ただし −1.0 (x>α) f(x)=−2(β−x)/(β−α)+1.0 (α≧x≧β) 1.0 (β>x) ここで(X,Y)が(Wx,Wy)から半径βの内側にあ
るとき入力1と2は互いを正常と判定し、Uは1.0と
なる。(X,Y)が(Wx,Wy)から半径βの外側にあ
りしかも半径αの内側にあるとき、Uは(X,Y)と
(Wx,Wy)の距離に応じて1.0〜−1.0の中間値を
とる。Uが−1.0 に近いほど互いを異常と判定する度
合いが大きいことに対応する。さらに(X,Y)が(W
x,Wy)から半径αの外側にあるとき入力1と2は互い
を完全に異常と判定し、Uは−1.0となる。S16−
5で、すべての入力のペアに関しての処理が終了したか
どうかで、アルゴリズムの終了を判定する。処理が終了
していない場合には、未処理の入力のペアに関してS1
6−2〜S16−4の処理を繰り返す。図16のアルゴ
リズムにより、各入力のペアに対応した異常度を、Uの
値を用いて定量化できる。
【0071】図17に照合診断結果の一例を示す。1.
0が正常な関係を、−1.0は異常な関係を示してい
る。図で、診断データにおける入力1と入力2の関係は
正常であるが、入力(n−1)と入力nの関係はやや異
常であることを示している。
【0072】次に図18を用いて、第2の診断手段10
5が行う処理を詳しく説明する。免疫診断手段112が
行う免疫処理は、入力同士が相互相関等を基に互いが正
常に動作しているかどうかを判定した後、このような局
所的な診断情報を総合的に判断して、故障状態の入力が
あるかどうか、またあった場合は故障状態の入力はどれ
かを特定する。図18に免疫診断手段112の構成を示
す。本実施例で、免疫診断手段112は診断ネットワー
ク1801と診断アルゴリズム1802から構成され
る。診断ネットワーク1801は各入力に対応したユニ
ット1803と、各ユニットを結合するシナプス180
4から構成される。各ユニットの値Rk(k=1,…
…,n)は対応する入力の信頼性を示しており、たとえ
ば正常な値を出力している状態をRk =1、異常な値を
出力している状態をRk =0と定義する。さらにシナプ
スに割付けられたωijは入力iと入力jのペアに対応し
た異常度Uと対応する。すなわち入力iと入力jが互い
に正常に稼働していると認識しあった場合にはωijは1
であり、異常度の大きさに従ってωijは減少する。そし
て異常度がある一定値より大きい場合はωij=−1の飽
和した値となる。図18において、図17で入力のペア
として相互相関データベースで定義されている2つの入
力に対応したユニット同士はシナプスを交換し、そうで
ないユニット間(正常状態で相互に相関を有していない
入力同士)のシナプスは省略するか、ωijとして0を設
定する。シナプスを交換しているユニットに対応した2
つの入力は、正常状態において相関関係を有しているこ
とと対応する。
【0073】図19に診断アルゴリズム1802が行う
処理を示す。まずS19−1で、照合診断手段110の
演算結果であるUの値を各センサのペアに関して取り込
み、Uの値にしたがってωijを算出し、各シナプスに割
り当てる。次にS19−2でユニットのRk の初期値を
算出する。すべて正常な場合を初期値とすることも可能
なので、この場合であればRi =1(i=1,……,
n)とすればよい。またランダムに1と0に値を割付け
てもよい。S19−3では、診断ネットワークのエネル
ギが減少する方向にユニットの値を更新する処理が行わ
れる。ネットワークのエネルギEは、図20に示す信頼
性関数群からあらかじめ定められた関数を抽出して用い
る。図20では対象とする診断の性格により、いくつか
エネルギ関数を準備しておく。一例としてエネルギ関数
を(数22)で計算する場合の実施例を示す。
【0074】
【数22】
【0075】S19−3では、ユニットを一つ抽出し、
抽出したユニットの値を反転して(数22)の値を調べ
る。そしてEの値が減少した場合にはユニットの値の反
転したままとし、Eが増加した場合にはユニットの反転
を無効として元へ戻す処理を行う。S19−4では診断
ネットワークの収れんを判断し、収れんしていた場合に
はS19−5で結果を第3の診断手段106,通信イン
タフェース101,出力手段120に出力した後、アル
ゴリズムを終了する。収れん判定は、どのユニットを反
転してもエネルギが減少しない状態でもって判断する方
法が一般的である。また適当な試行回数で演算を打ち切
ってもよい。S19−4でネットワークが収れんしてい
ないと判定された場合には、S19−3の処理を繰り返
す。ユニットの値の更新方法としては(数22)による
方法の他にこれと等価な処理として、(数23)で表さ
れるE+(i)の値の符号を検出してユニットiの値を反
転するかどうかを決定する方法も考えられる。
【0076】
【数23】
【0077】すなわちユニットiを抽出して(数23)
を計算し、E+(i)が正であればRi =1(ユニットi
は正常)、E+(i)が負であればRi =0と判定する。
E+(i)が0であれば、現状のE+(i)の値が踏襲され
る。免疫診断手段112で図19のアルゴリズムが収れ
んした結果得られた診断結果により、入力センサの経年
変化のような、各入力を単独にチェックしていたのでは
検出することが困難な故障が検出でき、故障センサも特
定できる。本実施例ではRi =1のユニットに対応した
入力は正常、Ri =0に対応した入力は異常と診断され
る。S19−5で、診断結果を第3の診断手段106に
出力し、次のモジュールの診断で活用する。さらに通信
インタフェース101を経由してコントローラ131〜
133に送り、必要に応じて異常処理を行う。異常処理
の内容としては、たとえば入力がセンサの出力であれ
ば、該当したセンサに対応した機器の動作を停止した
り、センサの値を無効化する処理、あるいは入力値をオ
ブザーバに切り換えて制御を継続する処理等が考えられ
る。診断結果はさらに出力手段120に出力され、診断
結果の表示,ユーザへの報知が行われる。この結果第2
の診断手段105では、センサの経年変化やレベル異常
等の静的異常の診断が可能となる。
【0078】本実施例ではRi の値を1または0と定義
し、入力の信頼性を正常または異常の2通りに分類した
が、Ri を0〜1の連続的な値とし、相対的なRi の大
きさを用いて最も信頼性の高いセンサや故障している可
能性の高いセンサを特定する方法も考えられる。
【0079】図21に第3の診断手段106が行う処理
を示す。知識診断手段114は推論部2101と診断結
論導出ルール2102から構成される。推論部2101
はパス1において、照合診断手段110で得られた診断
結果2103および免疫診断手段112で得られた診断
結果2104を入力し、正常時と異なっている部分に関
して、パス2で診断結論導出ルール2102の該当する
IF部を検索する。図では、入力1のリアプノフ指数と
フラクタル次元の値を基に、“板破断の恐れあり”との
結論を得る例を示している。板破断とは圧延プラントで
圧延中の鋼板が切れる現象で、この前兆として鋼板の張
力変動のリアプノフ指数が連続して正の値となったり、
フラクタル次元が正常時より大きくなることが予想され
る。同様にモータ電流を検出するセンサ1の値を検出し
て過電流によるモータ故障を検出したり、油圧サーボの
周波数領域および時間領域の応答変化をウェーブレット
係数を用いて正常時と照合し、サーボ弁の油リークの危
険性と対応づける。診断結論導出ルール2102はこれ
らをルール化して蓄えている。パス3で推論部2101は推
論結果を導き、パス4で診断の結論を出力する。診断の
結論は通信インタフェース101を経由してコントロー
ラ131〜133に送られ、必要に応じて異常処理を行
う。また出力手段120に出力して、診断結果の表示,
ユーザへの報知を行う。本実施例では第3の診断手段1
06がルールベースの処理を実行する場合について詳細
に説明したが、照合結果を入力,診断の結論を出力とす
る多層型のニューラルネットで構成することもできる。
【0080】図22に出力手段120における診断結果
の表示例を示す。出力手段120はディスプレイ等で構
成され、信号解析手段102,第1の診断手段104,
第2の診断手段105,第3の診断手段106から送ら
れた診断結果を、図の形態で表示する。図では診断のレ
ベル毎に分離して結果を表示する例を示しているが、一
括して表示してもよい、また必要なものを選択的に表示
してもよい。さらに出力手段120がアラームランプで
ある場合には、対応したランプを点灯することが考えら
れる。
【0081】図23に制御システムの診断・解析装置1
00が、診断結果を基にオペレータに対して適切な操作
を提示するオペレータ操作ガイド手段2301、および
診断結果にしたがって操業条件を自動的に変更する操業
条件変更手段2302を備えた場合の実施例を示す。図
24にオペレータ操作ガイド手段2301の構成を示
す。同様にルールベースの処理でガイド内容を導出する
場合の実施例を示す。オペレータ操作ガイド手段230
1はガイダンス導出手段2401とオペレータ操作ルー
ル2402からなる。ガイダンス導出手段2401は、
パス1において信号解析手段102および第1の診断手
段104〜第3の診断手段106から診断の結論を入力
され、パス2でオペレータ操作ルール2402の該当す
るIF部を探す。図の場合には、“板破断の恐れあり"
に対応して、“ロール速度を下げよ"のガイダンスを得
る。パス3でガイダンス導出手段2401はガイダンス
結果を導き、パス4でこれを出力手段120に出力す
る。出力手段120では図のようなガイダンスをディス
プレイに表示したり、対応したアラームランプを点灯さ
せる。
【0082】図25に操業条件変更手段2302の構成
を示す。同様にルールベースの処理で操業条件の変更内
容を導出する場合の実施例を示す。操業条件変更手段23
02は操業条件変更内容決定手段2501と操業継続運転
ルール2502からなる。操業条件変更内容決定手段2
501はパス1において、信号解析手段102および第
1の診断手段104〜第3の診断手段106から診断の
結論を入力され、パス2で操業継続運転ルール2502
の該当するIF部を探す。図の場合には、“板破断の恐
れあり”に対応して、“ロールに対する速度指令を低
下”させ、操業を継続させればよいことを知る。パス3
で操業条件変更内容決定手段2501は操業条件変更の
内容を導き、パス4でこれを通信インタフェース101
および出力手段120に出力する。通信インタフェース
101はネットワーク130を介して、対応するコント
ローラに操業条件変更内容に対応した信号を送信する。
本実施例の場合は、ロールの速度指令を減じることを指
示する。出力手段120では必要に応じて図のようなガ
イダンスをディスプレイに表示してもよい。オペレータ
操作ガイド手段108,操業条件変更手段109は同様
に、診断の結論を入力,オペレータの操作内容,操業条
件の変更内容を出力とする多層型のニューラルネットで
構成してもよい。また本実施例ではデータベース107
を、データ解析手段および通信インタフェースの出力か
ら自動的に構築する構成としたが、入力手段121から
ユーザが入力する構成としてもよい。またデータベース
107の内容の一部を入力手段121を用いてユーザが
修正する構成にもできる。さらに本実施例では各診断手
段を同一の装置で一体化して実現したが、信号の交換が
可能な別の装置に分離して実現してもよい。また第1〜
第3の診断手段に加えて、他の診断手段を備えてリンケ
ージする構成も考えられるし、診断手段のいくつかを省
略することも容易である。
【0083】次に本発明の第2の実施例として、照合診
断手段110が事例ベクトルの量子化密度を指標の一つ
として診断を行う実施例を示す。本実施例では照合診断
手段110が、診断データを相互相関データベース10
9と照合し、この結果を第2の診断手段に出力する場合
を例に説明する。図26にこの場合の照合診断手段11
0の構成を示す。新たに付加された類似度算出手段26
01は(数20)の演算で、診断データとデータベース
107に事例ベクトルとして蓄えられているデータとの
類似度を算出する。類似度は診断データに最も近接した
事例ベクトルとの間で計算すればよい。一方事例ベクト
ル密度算出手段2602は、一例として以下の演算で、
診断データ近傍の事例ベクトル密度を算出する。事例ベ
クトルの次数を一般的にn次元とし、事例ベクトルiの
座標をQi =(q1 ,q2,……,qn )とする。この
点のまわりで事例ベクトルQi の確率密度関数を下式で
定義する。
【0084】
【数24】
【0085】ここで di :Qi からの距離 σ:確率密度関数の分散 次に、事例ベクトルが張る空間の任意の点A=(a1
2 ,……,an )における量子化ベクトルの密度Aq
を、
【0086】
【数25】
【0087】ここで fi :AとQi との間で算出され
たf値 n:事例ベクトルの個数 で定義する。Aq は各事例ベクトルに対応した確率密度
関数の総和と対応しており、事例ベクトル密度算出手段
2602はこの値を出力する。照合診断結果導出部26
03は、たとえば、
【0088】
【数26】 ωij= 1 (αU+βAq≧Dth) −1 (αU+βAq<Dth) …(数26) ただし Dth:診断データの正常/異常を判断するしき
い値 α,β:定数 により、類似度算出手段2601から得た診断データと
事例ベクトルの類似度(異常度)Uと、事例ベクトル密
度算出手段2602から得た確率密度の総和Aq に適当
な重み付けをした値を指標に、免疫診断手段112で用
いる各シナプス荷重の値ωijを決定する。
【0089】次に図27に照合診断手段110が、事例
ベクトルのあいまい性を総和して照合診断の結論を導出
する場合の実施例を示す。本実施例で各事例ベクトルの
あいまい性を次式で定義する。
【0090】
【数27】 1 (di 2<β) g(di)=(β+ε−di 2)/ε (β≦di 2<α) …(数27) 0 (α≦di 2) ここで ε(=α−β):あいまい関数の勾配を表す係数 di 2:事例ベクトルとの距離 事例ベクトル空間の任意の点A=(a1 ,a2 ,……,
n )に対してあいまい性の総和JFUZZYは、
【0091】
【数28】
【0092】ここで gi :AとQi との間で算出され
たg値 となり、あいまい性の総和算出手段2701は、診断デ
ータを事例ベクトル空間にマッピングしたときのJ
FUZZY の値を出力する。照合診断結果導出部2603
は、たとえば、
【0093】
【数29】 ωij= 1 (JFUZZY≧Dth) −1 (JFUZZY<Dth) …(数29) ただし Dth:診断データの正常/異常を判断するしき
い値 α,β:定数 により、JFUZZY を指標に、免疫診断手段112で用い
る各シナプス荷重の値ωijを決定する。
【0094】図28に次の実施例として、第1の診断手
段104と第2の診断手段105が信号の交換を行い、
診断結果を適応的に変更する場合の実施例を示す。照合
診断手段110がパス2801を介して出力した照合結
果に対し、免疫診断手段112は診断結果が好ましくない
ときには、パス2802を介して照合診断手段に再照合
を指示する。図29に一例として、故障と判断された入
力数が望ましい値より多すぎた場合に、再照合を行い、
望ましい診断結果を得る場合のアルゴリズムを示す。免
疫診断手段112はS29−1で、故障状態にある入力
数が意味のある値より大きいかどうかを判定する。意味
のある値の一例としては、診断定理により導かれる最大
多重故障数を用いれればよい。診断定理の詳細はF.P.Pr
eparata,G. Metze,and R.T. Chien による論文、“On
the Connection AssignmentProblem of Diagnosable S
ystems”,IEEE Trans. Electronic Computers,EC−
16,pp.848(1967)に記載されている。故障
入力数が過大な場合にはパス2802を介して、再度照
合診断手段110を起動し、S29−2で(数29)の
thを低下させた上で、照合診断を行う。そしてS29
−3で照合診断結果をパス2801を介して免疫診断手
段に出力する処理を行う。新たな照合診断結果に対して
免疫診断手段112は、S29−1で故障状態にある入
力数が意味のある値より大きいかどうかを判定する。大
きい場合には、S29−2〜S29−3の処理を繰り返
し、意味のある多重故障数となった場合には、S29−
4でこの結果を照合診断の結論として導出する。
【0095】図30に次の実施例として、本発明で実現
された制御システムの診断・解析装置100を、熱間圧
延プラントの連鋳機のブレークアウト診断に適用した例
を示す。制御対象3040は本実施例では連鋳機で、溶
鋼3042を蓄えるタンディッシュ3041,溶鋼30
42をモールドに注ぐ量を制御するステッピングシリン
ダ3043,溶鋼3042を外側から凝固させるモール
ド3044,モールド3044に取付けられた温度測定
用の熱電対3048〜3050,外側のみが凝固した溶
鋼3042を引き抜くロール3045,溶鋼3042を
さらに水冷するためのスプレ3051,ロールを駆動す
るモータ3052,最終的に固まりとなった鋼材304
6等によりシステムが構成される。本実施例で診断・解
析の対象とするのは、熱電対3048〜3050から帰
還される温度信号で、これをもとに連鋳機のブレークア
ウトの兆候を検知する場合を例に説明する。ブレークア
ウトとは、引き抜き中に溶鋼3042の外側の凝固して
いる部分が破れ溶鋼3042が飛散する現象で、ブレークア
ウトがおこると連鋳機に致命的なダメージを与えるた
め、これを予知し、ロール速度を低下させ引き抜き速度
を遅くする等の適切な処置を行う必要がある。図31に
連鋳機が正常に動作しているときに熱電対3048〜305
0から得られる信号と、ブレークアウトの前兆として得
られる信号の一例を示す。これらに対して信号解析手段
102で、各信号間の相互相関と自己相関を検出する例
を示す。通信インタフェース101を介して得た診断デ
ータに対して、相互相関は相互相関算出手段3002
で、自己相関は自己相関算出手段3001で算出する。
第1の診断手段104は照合診断手段110を含んでお
り、相互相関を基にした異常の検出は相互相関データベ
ース109との照合により相互照合診断手段3006で
行われ、自己相関を基にした異常の検出は自己相関デー
タベース108との照合により自己照合診断手段300
5で行われる。自己照合診断手段3005の出力は直接
第3の診断手段に出力される。一方、相互照合診断手段
3006の出力は第2の診断手段105に出力される。
第2の診断手段105は免疫診断手段112においてこ
れらを総合し、免疫処理によりブレークアウトの兆候が
検出された熱電対を特定する。第3の診断手段107
は、これらの結果を基に最終的な診断の結論を導出す
る。そしてブレークアウトの兆候が検知された場合に
は、オペレータ操作ガイド手段2301でオペレータが
どのような異常処理を行えばよいかを決定し、出力手段
120に出力する。同時に操業条件変更手段2302
で、制御システムがどのように操業条件を変更して対処
すればよいかを決定し、通信インタフェース101を介
してコントローラ131〜132に出力する。さらに操
業条件の変更結果を出力手段120に出力し、どのよう
に変更したかをユーザに報知する。
【0096】図32に第3の診断手段106に備えられ
た知識診断手段114の入出力情報を示し、本実施例に
おける制御システムの診断・解析装置100の信号の流
れを説明する。知識診断手段114は前述したように自
己照合診断手段3005および第2の診断手段105の
出力にしたがって、診断の結論を出力する。自己照合診
断手段3005からの情報はパス1を介して入力され
る。図では、入力1の異常が時刻1から3時刻続いた後
正常に変わり、入力nが時刻5から異常となったことを
示している。同様に第2の診断手段105からの情報は
パス2を介して入力される。図では他の入力から判断さ
れた入力1の異常が時刻2から2時刻続いた後正常に変
わり、入力nは正常状態を維持していることを示してい
る。正常と異常の判定は、図31に一例を示したブレー
クアウトの兆候信号を基に決定される。知識診断手段1
14の推論部2001はこれらの情報から診断結論導出
ルール2002を検索し、対応するIF部を抽出する。
診断結論導出ルール2002には、同様に図31に一例
を示したブレークアウトの兆候信号を基に、各センサお
よびセンサ相互の診断結果から具体的な故障情報を導出
する。そしてTHEN部に記載されている内容を推論の
結論として、パス5で出力する。図では、入力1の自己
異常が3時刻以上続いたことをもとに、センサ1の近傍
でブレークアウトの兆候があることを診断する。
【0097】図33は、自己照合診断手段3005およ
び第2の診断手段105からの入力が、正常度あるいは
異常度を連続量の場合の実施例を示す。同様に、診断結
論導出ルール2002のIF部で入力1の相互信頼度が
0.1 以下となり、2時刻以上続いたことを抽出して、
センサ1の近傍でブレークアウトの兆候があることを診
断する。
【0098】図34にオペレータ操作ガイド手段230
1の構成の一例を示す。パス1で第3の診断手段106
の診断結果を入力し、ガイダンス導出手段2401はオ
ペレータ操作ルール2402のIF部を検索する。診断
結果がブレークアウトの重大な兆候を結論した場合であ
れば、ロール3045の速度を低下させることを出力手
段120を介してユーザに報知する。
【0099】図35に操業条件変更手段2302の構成
の一例を示す。パス1で第3の診断手段106の診断結
果を入力し、操業条件変更内容導出手段2501操業継
続運転ルール2502のIF部を検索する。診断結果が
ブレークアウトの重大な兆候を結論した場合であれば、
ロール3045の速度を低下する指令と、これに伴って
スプレ3051の冷却水流量を低下させる操業変更を、
通信インタフェース101を介して、コントローラ13
1〜132に出力する。さらに操業条件の変更結果を出
力手段120に出力し、どのように変更したかをユーザ
に報知する。図36に診断システムを構築するためにユ
ーザが入力手段121から入力する情報の一例を示す。
121,O193,O35は入力信号のアドレスを示してい
る。また表示1,表示2,表示3は、各診断手段の出力
を表示可能な情報として定義することを示している。各
診断手段の間は、スカラデータや必要に応じてベクトル
データ、“異常”,“正常”等の言語的データを用いた
解析結果や診断結果でリンケージする。図の様にメニュ
ー化された診断手段を入力手段121のウィンド上で結
線接続し、入力情報のアドレスおよび診断情報の出力先
を明らかにする操作のみで、診断システムが容易に構築
できる。
【0100】図37に各診断手段をメニュー形式で定義
した実施例を示す。診断メニュー3701に備えられた
各解析手段や診断手段には、種々の具体的な解析・診断
方法が備えられている。たとえば信号解析手段に対応し
たメニューとしてはフラクタル次元解析,周波数解析
(FFT),自己相関解析等であり、免疫診断手段とし
ては図20の信頼性関数を変えることにより実現され
る、あいまい診断,不完全診断,完全診断等がメニュー
として備えられる。これらを同様に図36の形態で組み
合わせることにより、種々の組み合わせによる診断シス
テムがカスタムメイドで任意に構築できる。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、種々の診断機能を有し
た複数の診断手段と種々の信号解析手段を有したデータ
解析手段をリンケージして診断部を構成したことによ
り、診断データに対してフラクタル次元解析などの多面
的な信号解析,診断を行うことができ、データ解析,診
断を高精度化できる。また診断部の構成を診断手段や解
析手段の追加,削除により、解析・診断の対象に応じて
柔軟に変更および最適化できる。又、データ解析手段に
よりデータベースをアップグレードして診断の精度を高
めていくことができる。又、第3の診断手段を設けてい
るので、診断の結論を得ることができ、オペレータ操作
ガイド,操業条件変更を行うことができる。
【0102】さらに診断手段が、制御対象や制御システ
ムの正常動作や異常動作を事例ベクトルとして蓄え、こ
れと診断データの照合による診断データの異常診断を行
う場合に、診断データ近傍の事例ベクトル密度を診断の
指標の一つにしたことにより、診断性能を高めることが
できる。さらに量子化手段を備えたことにより、データ
ベースの事例ベクトルを、常時適正な規模に維持でき
る。
【0103】また本発明を連鋳機のブレークアウト予知
に適用した場合に、熱電対間の相互相関から導いた各熱
電対の異常度と、各熱電対の自己相関から導いた自身の
異常度を指標にして診断することにより、予知の確度を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において実現された制御システムの診断
・解析装置の構成図。
【図2】データ解析手段の構成図。
【図3】信号解析部が実行するアルゴリズム。
【図4】信号解析部の入出力信号。
【図5】信号解析部が実行するアルゴリズム。
【図6】信号解析部の入出力信号。
【図7】信号解析部が実行するアルゴリズム。
【図8】信号解析部の入出力信号。
【図9】自己相関データベースの構成図。
【図10】相互相関データベースの構成図。
【図11】量子化ネットワークの構成図。
【図12】量子化アルゴリズムの処理内容図。
【図13】照合診断手段の処理アルゴリズム。
【図14】照合診断手段の入出力信号。
【図15】照合診断手段の入出力信号。
【図16】照合診断手段の処理アルゴリズム。
【図17】照合診断手段の出力信号。
【図18】免疫ネットワーク構成図。
【図19】免疫診断手段の診断アルゴリズム。
【図20】信頼性算出関数群。
【図21】知識診断手段の処理図。
【図22】出力手段の表示例。
【図23】制御システムの診断・解析装置の構成図。
【図24】オペレータ操作ガイド手段の処理図。
【図25】操業条件変更手段の処理図。
【図26】照合診断手段の処理図。
【図27】照合診断手段の処理図。
【図28】第1の診断手段と第2の診断手段の処理図。
【図29】免疫診断手段と照合診断手段の処理アルゴリ
ズム。
【図30】制御システムの診断・解析装置を連鋳機の診
断に適用した場合の構成図。
【図31】熱電対からの信号。
【図32】知識診断手段の処理図。
【図33】知識診断手段の処理図。
【図34】オペレータ操作ガイド手段の処理図。
【図35】操業条件変更手段の処理図。
【図36】入力例。
【図37】入力例。
【符号の説明】
100…制御システムの診断・解析装置、102…信号
解析手段、103…量子化手段、104…第1の診断手
段、105…第2の診断手段、106…第3の診断手
段、110…照合診断手段、112…免疫診断手段、1
14…知識診断手段、120…出力手段、121…入力
手段、150…制御対象。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 博美 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 福岡 昇平 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 熊山 治良 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 河野 公生 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 平7−110708(JP,A) 特開 平2−50206(JP,A) 特開 平7−28502(JP,A) 特開 平6−161979(JP,A) 特開 平5−313734(JP,A) 特開 平6−170511(JP,A) 特公 平7−27598(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 23/02

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の制御対象または制御装置から取り込
    んだ信号のうち相関を有しているもの同士をペアにする
    処理を行い、解析結果を自己相関データ,相互相関デー
    タとして出力する信号解析手段と、該信号解析手段の解
    析結果を入力し、該解析結果とデータベースに蓄えられ
    た自己相関データ又は相互相関データの内容と照合して
    正常データと一致していない箇所を特定して異常の有無
    を判定する第1の診断手段と、該第1の診断手段の判定
    結果を入力し、該判定結果の入力に故障状態の入力があ
    るのかどうかを判定し、あった場合は故障状態の入力は
    どれかを特定する第2の診断手段と、前記第1の診断手
    段の判定結果、前記第2の診断手段の判定結果を入力し
    て異常個所の診断の結論を出力する第3の診断手段を備
    えたことを特徴とする制御システムの診断・解析装置。
  2. 【請求項2】請求項1の制御システムの診断・解析装置
    において、前記第3の診断手段から出力される異常個所
    の診断の結論を入力し、オペレータに対して適切な操作
    を提示するオペレータ操作ガイド手段または該制御装置
    の操業条件を自動的に変更する操業条件変更手段とを具
    備したことを特徴とする制御システムの診断・解析装
    置。
  3. 【請求項3】制御対象または制御装置から取り込んだ信
    号を基に相関を有しているもの同士をペアにする処理を
    行い、解析結果を自己相関データ,相互相関データとし
    て出力する信号解析手段と、前記制御対象または該制御
    装置から得られた信号の良否を判定するための情報とし
    て前記信号解析手段から出力される解析結果を蓄えるデ
    ータベースと、前記信号解析手段から出力される解析結
    果と前記データベースに蓄えられた前記情報に基づいて
    該制御対象または該制御装置の異常度を判定する第1の
    判定手段とを備えた第1の診断手段と、第1の診断手
    の判定手段の判定結果を入力として前記制御対象また
    は前記制御装置の異常の有無を判定するとともに前記制
    御対象または前記制御装置の異常箇所を特定する第2の
    判定手段とを備えた第2の診断手段と、前記第1の診断
    手段の判定結果および前記第2の診断手段の判定結果を
    入力し、該入力と対応する診断の結論とを蓄えた知識ベ
    ースと、該知識ベースを検索するとともに該当する診断
    結果を導く推論部を備えた第3の診断手段とを備えた
    とを特徴とする制御システムの診断・解析装置。
  4. 【請求項4】請求項第1項又は第3項の制御システムの
    診断・解析装置において、前記データベースは、前記制
    御対象または前記制御装置から得られた信号を入力毎に
    蓄える自己相関データベースと入力のペア単位の事例ベ
    クトルとして蓄える相互相関データベースとを備え、前
    記第1の診断手段の前記判定手段は前記制御対象または
    前記制御装置から取り込んだ信号を該自己相関データベ
    ース及び該相互相関データベースと照合し、該取り込ん
    だ信号と該自己相関データベースの不一致の度合いおよ
    び該取り込んだ信号と該相互相関データベースの不一致
    の度合いに基づいて前記制御対象または前記制御装置の
    異常の有無を判定することを特徴とする制御システムの
    診断・解析装置。
  5. 【請求項5】請求項第1項または第3項の制御システム
    の診断・解析装置において、前記第2の診断手段は、前
    記第1の診断手段の判定結果の入力に対応したユニット
    を該ユニットのペアにおける互いの動作の異常度を荷重
    値とするシナプスにより該ユニットを結合する診断ネッ
    トワークと、あらかじめ定義された該診断ネットワーク
    の評価関数を最小化したときの各ユニットの値を用いて
    前記制御対象または前記制御装置から取り込んだ信号の
    信頼性を算出する免疫診断手段とを備えていることを特
    徴とする制御システムの診断・解析装置。
  6. 【請求項6】請求項第1項または第3項の制御システム
    の診断・解析装置において、前記信号解析手段は、前記
    制御対象または前記制御装置から取り込んだ信号から少
    なくともフラクタル次元かつ/またはウェーブレット係
    数かつ/またはリアプノフ指数かつ/または周波数成分
    解析するものであって、前記信号解析手段の出力を前
    記データベースに蓄えることを特徴とする制御システム
    の診断・解析装置。
  7. 【請求項7】請求項第1項または第3項の制御システム
    の診断・解析装置において、前記データベースに格納さ
    れている事例ベクトルを抽出し、少数の事例ベクトルに
    変換した後これをデータベースに書き込む量子化手段を
    備えたことを特徴とする制御システムの診断・解析装
    置。
  8. 【請求項8】請求項第7項の制御システムの診断・解析
    装置において、前記第1の診断手段は、前記制御対象ま
    たは前記制御装置から取り込んだ信号を前記データベー
    スの事例ベクトルと照合し、この結果得られた両者の不
    一致の度合いに加え、事例ベクトル空間における診断デ
    ータ近傍の事例ベクトルの密度に相当する値を指標にし
    て、前記制御対象または前記制御装置の異常の有無を
    定することを特徴とする制御システムの診断・解析装
    置。
  9. 【請求項9】請求項第8項の制御システムの診断・解析
    装置において、前記第1の診断手段は、前記事例ベクト
    ル空間における診断データ近傍の事例ベクトルの密度に
    相当する値を、事例ベクトルからの距離に対応した関数
    を各事例ベクトルに対して定義し、前記診断データと各
    事例ベクトルについて計算された該関数の値の総和を基
    に算出することを特徴とする制御システムの診断・解析
    装置。
  10. 【請求項10】請求項第項の制御システムの診断・解
    析装置において、前記関数の値の総和は、前記診断デー
    タ近傍のあらかじめ定められた適当数の事例ベクトルに
    ついて算出することを特徴とする制御システムの診断・
    解析装置。
  11. 【請求項11】請求項第1項または第3項の制御システ
    ムの診断・解析装置において、前記信号解析手段は、前
    記制御対象または前記制御装置から取り込んだ信号から
    フラクタル次元,ウェーブレット係数,リアプノフ指
    数,周波数成分を含んで解析するものであることを特徴
    とする制御システムの診断・解析装置。
  12. 【請求項12】請求項第1項または第3項の制御システ
    ムの診断・解析装置において、前記制御対象または制御
    装置から取り込んだ信号が、熱間圧延プラントの連鋳機
    のモールドに埋め込まれた複数の熱電対から帰還される
    信号であって、前記第1の診断 手段により連鋳機におけ
    るブレークアウトが生じる可能性を判定し、前記第2診
    断手段によりブレークアウトが発生する可能性がある箇
    所を特定することを特徴とする制御システムの診断・解
    析装置。
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